JP2013142576A - 揺動型ステップモータ - Google Patents

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Abstract

【課題】
連続運針などに用いられるロータの揺動運動を一定方向の回転運動に変換する機構を用いたステップモータにおいて、外部負荷が正回転方向、逆回転方向のどちらかに作用した場合、従動車の位置が変化してしまい、確実な動作が困難であった。また確実な動作をさせるために、大きな外部負荷が作用しても従動車の位置が変化しないようなバネ機構などによる逆回転防止機構を用いた場合には、消費電力が大きくなってしまうという課題があった。
【解決手段】
対向カムを2つの従動車の中心を結んで形成された直線を挟んで、ロータと対向する位置に配置し、対向カムとロータにそれぞれ形成されたカム面で、外部負荷による影響を受けるようにした。またロータを駆動し、正回転方向に送る際には、対向カムを動かすのに必要な力は小さくなるような復帰力発生機構を設けた。
【選択図】図2

Description

本発明は、指針式電子時計等の電気−機械変換器として用いられる、ステップモータの構造に関する。更に詳しくは、ロータが所定の角度振幅で往復運動しながら出力歯車を一往復につき所定角度ずつ駆動するようにした揺動型ステップモータに関する。
指針式電子時計で一般的に用いられる2極のステップモータは、毎秒1回、ロータが駆動されて180度ずつ回転し、秒針、分針、時針につながる輪列を駆動するもので、低消費電力化や動作の信頼性などにおいてかなりの成功を収めている。このような指針式電子時計は、秒針の運針は1秒に1回ずつ行われる。しかし、時計のユーザーの中には、機械式時計のような、秒針が流れ動くように見える連続運針(スイープ運針と称することもある。1秒間に数回〜10数回の小刻みの間欠運針であってもよい。)を好む層があり、近年その需要も増している。
一般的なステップモータを用いてそのような要求を満たすことは、駆動の時間間隔を短くし、秒針までの減速比を大きくすれば一応は実現できる。しかし、ロータは無視できない慣性能率を持ち、毎回の駆動ごとに加速されて輪列を駆動するが、余剰の運動エネルギをロータの自由減衰振動の過程で捨てているので、駆動の頻度が増すと共に無駄になる消費エネルギの比率が大きくなり、電源電池の消耗を早めることになる。
このような連続運針を行なう指針式電子時計のなかで、特に腕時計は、十分な電池寿命を持たせるために大型の電池を搭載せねばならず、時計の小型化や薄型化を図るには大きな支障があった。また、電池交換を不要にするために太陽電池等の発電機構を搭載することもあるが、上述の如く、一般的なステップモータを用いる連続運針の場合は消費電力が大きいため、腕時計に搭載できる発電機構では給電が十分ではなく、電池非交換式腕時計を実現することもできなかった。
本発明者は、連続運針用に減速比を大きく設定した場合には、秒針軸段階での出力エネルギ及び出力トルクが必要以上に十分すぎることに着目し、入力エネルギ、具体的には入力ストロークを減らすことで、高頻度の運動であってもエネルギ的な難点を克服できると考え、ロータを同じ方向に回転させずに所定の角度での往復運動、即ち揺動運動をさせることとした。
揺動運動を一定方向の回転運動に変換することによって時計の輪列を駆動する機構に関する従来技術は、下記特許文献1に記載されるようなものが知られている。左右方向に揺動運動するロータには送り歯が形成されており、また互いに噛み合う2つの従動車とを設け、送り歯で一方の従動車を例えば時計回り方向に回転させると、噛み合っている他方の従動車も同量分、反時計回り方向方向に回転する。次に、送り歯は、他方の従動車を反時計回り方向に回転させると、噛合っている一方の従動車を同量分だけ時計回り方向に回転する。この運動を反復することによって、2つのうちの一つの従動車につながる輪列歯車を一定の方向に回転させる。また、一つの従動車の歯に対して直接バネを押し付けることで、従動車を位置決めする逆回転転止部材も記載されている。
特開昭55−20461号公報(第3頁、第2図)
特許文献1に記載されているような逆回転防止部材の目的とするところは、ロータが一方の従動車を回転させ、次に回転方向が切替り、他方の従動車を動作させるまでの間、2つの従動車には何の回転力も作用しないため、外部から負荷が作用した場合に従動車が動作してしまうことを防ぐことである。揺動運動を一定方向の回転運動に変換することによって時計の輪列を駆動する機構の一般的な特徴は、ロータの送り歯は1箇所でしか従動車の歯と接触しないことである。そのため、揺動運動するロータの回転方向が切替った際に、ロータから2つの従動車へのトルク伝達が全くない非接触区間が発生する。その非接触区間において、輪列に外部負荷が作用した場合には容易に従動車が動いてしまう。従動車の歯の位置が動くと、ロータの送り歯との当り方が変化する。ロータから従動車へのトルク伝達効率は、接触する瞬間の双方歯面の接触面形状に大きく依存しており、通常は接触する瞬間に、トルク伝達効率が高くなるようにロータの送り歯面や従動車の歯面を設計するのが一般的である。しかし、従動車の位置が変化してしまうと設計で想定した接触状態は得られず、トルク伝達効率は大幅に悪化し、時には従動車を動作できず停止してしまうこともある。このような不具合の発生を防ぐために、特許文献1に記載したようなバネで構成された逆回転防止部材を設けるのが一般的である。
ところが、特許文献1に示した従来技術には、以下の問題点が存在する。バネによる従動車を規制する力は、従動車の変位量に相当した大きさで発生するが、正回転側に動作させた場合でも逆回転側に動作させた場合でも同じ大きさの力が発生する。一般的なカレンダ機構などのような大きなバネ負荷による逆回転を防止するには、負荷の大きさに見合うようにバネ力を大きく設定する必要があるが、正回転させる場合にも同じ大きさのバネ力が負荷として作用するため、ステップモータの消費電力はとても大きくなる。
本発明は、ロータの揺動運動を一定方向の回転運動に変換する機構において、外部負荷が正回転方向、逆回転方向のどちらに作用しても従動車の位置が変化しないようにして動作を確実にすると同時に、ロータの揺動運動により正回転方向に動作させる場合の消費電力を少なくすることが可能な連続運針用の揺動型のステップモータを提供することを目的とする。
本発明の揺動型ステップモータは、上記目的を達成するため、以下の構成を採用するものである。
2つの駆動車と、該駆動車の間に配置され、中心に対し揺動動作を行うロータと、を有し、該ロータは、駆動車の歯先円内に配置され、駆動車を送る送り歯面と、該送り歯面の歯先間を結ぶ曲面によって閉じて形成されたロータカム面を有するロータカナを有する揺動型ステップモータにおいて、2つの駆動車の中心を結んで形成された直線Aを挟んで、ロータと対向する位置に配置され、2つの受け歯面と、該受け歯面の歯先を結ぶ曲線により形成されるカム面を有し、2つの駆動車の歯が受け歯面に当接することで、軸を中心に駆動される対向カムと、ロータと対向カムのそれぞれの運動中心を結んで形成された直線Bをニュートラル位置とし、該ニュートラル位置に対向カムを復帰させる復帰力を対向カムに与える復帰力発生機構を有する。復帰力発生機構は、機械的なバネ機構、あるいは磁気的に復帰力を発生させる機構よりなる。
このような揺動型ステップモータの構成にすることにより、大きな外部負荷が作用しても確実に動作し、低消費電力で連続運針を実現できる。もちろん輪列の減速比を見直せば連続運針だけでなく、ステップ運針にも適用できることは明らかである。
本発明の揺動型ステップモータで逆回転防止機構を除いた全体の構成を説明する全体図 本発明の揺動型ステップモータでロータと2つの駆動車のみ説明するために示した拡大図 第1実施形態の逆回転防止機構の構成を説明するために、2つの駆動車のそれぞれの歯車と、出力歯車、ステータ、ロータ永久磁石を除き、更に2つの駆動車のそれぞれの星車の一部を省略して示した上面図(代表図) 第1実施形態のロータが一方の星車を動作させ、出力歯車を正回転させる際の動作を説明するためのシーケンス図(ロータが時計回り方向に回転し、図右側の星車の歯に当接することで駆動する際の動作) ロータ非動作時に出力歯車から星車を逆回転させようとする負荷が作用した場合に対向カムによる逆回転の防止動作を説明するための拡大図 ロータ非動作時に出力歯車から星車を正回転させようとする負荷が作用した場合にロータによる正回転の防止動作を説明するための拡大図 第1実施形態の変形例で、円筒型圧縮コイルバネの配置の仕方を異なっていることを説明するための構成図(上に示す図はC−C断面の断面図) 第1実施形態の変形例で、復帰力発生機構として2つの板バネ用いた場合を説明するための構成図 第2実施形態の構成を説明するための構成図 第2実施形態の変形例の構成を説明するための構成図
以下、各実施形態を、図面を用いて説明する。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態の揺動型ステップモータの構成について説明する。第1実施形態の特徴は、復帰力発生機構が機械的なバネ機構である点である。バネ機構としては、例えば円筒型圧縮コイルバネがある。本実施形態では、円筒型圧縮コイルバネで説明するが、板バネや線バネ、ねじりバネによって構成しても構わない。
[第1実施形態の構成の説明]
第1実施形態の揺動型ステップモータの構成は、図1−1、図1−2、図2を用いて説明する。図1−1は、本発明の揺動型ステップモータで逆回転防止機構を除いた全体の構成を説明する全体図であり、図1−2は、本発明の揺動型ステップモータでロータ1と2つの駆動車4のみ説明するために示した拡大図であり、図2は第1実施形態の逆回転防止機構の構成を説明するために、2つの駆動車4のそれぞれの歯車402と、出力歯車5、ステータ2、ロータ永久磁石101を除き、更に2つの駆動車4のそれぞれの星車401の一部を省略して示した上面図である。
第1実施形態の揺動型ステップモータは、揺動運動するロータ1と、ロータ1の揺動角度を規制する回転規制部材3と、2つの駆動車4と、一方の駆動車4に連動する出力歯車5とを有する。ロータ1は、2極に着磁されたロータ永久磁石101とカナ102により構成される。ロータ永久磁石101はステータ2に巻き回したコイル201で発生した磁界によりロータ1の軸を中心として揺動運動する。ロータ永久磁石101に固着されたカナ102は2つの送り歯面1021を有し、ロータ1の軸に対して所定の開き角度で設けられている。そして、この2つの送り歯面1021の間の空間を、2つの送り歯面1021の歯先間を結ぶ曲面によって閉じて形成されたロータカム面1022を有する。ロータ1が所定の揺動角度範囲内にて揺動運動を行なう際、ロータ1が一方向に揺動するとき、一方の送り歯面1021が一方の駆動車4を送り、ロータ1が他方向に揺動するとき、他
方の送り歯面1021が他方の駆動車4を送る。ロータカム面1022は常に2つの駆動車4の内いずれか一方の駆動車4の歯先円内に配置されるように形成されている。また、ロータ1の揺動運動の中心を挟んで、ロータカム面1022が形成された部分と反対側の部分にロータ1の半径方向外側に向けて突出したロータ突部1023が形成されている。回転規制部材3はロータ1の揺動角度範囲の両端において、ロータ突部1023が突き当たるように配置されている。2つの駆動車4は、それぞれロータ1の送り歯面1021が当接して所定の方向に駆動される星車401と、この星車401と同軸で固着される歯車402とで構成されており、2つの星車401は互いの歯先同士が噛合わない位置に設け、2つの歯車402は互いの歯先同士が噛合う位置に設けてあることで、2つの駆動車4が連動するように形成されている。出力歯車5の正回転方向を矢印a701の方向に設定し、この出力歯車5を正回転させる際の2つの駆動車4の回転方向を矢印b702、矢印c703の方向と設定する。
このような、ロータ1が2つの駆動車4を順次送ることにより、一方の駆動車4に連動している出力歯車5を所定の方向に所定角度ずつ回転させる揺動型ステップモータにおいて、対向カム6と復帰力発生機構とにより構成される逆回転防止機構とを有する。
対向カム6は、2つの受け歯面6011と、その受け歯面6011の歯先を結ぶ曲線により形成される対向カム面6012とを有する。対向カム6は、2つの星車401の中心を結んで形成された直線A801を挟んで、ロータ1と対向する位置にあり、ロータ1のロータカム面1022と対向カム6の対向カム面6012とは、直線A801を挟んで向かい合っている。対向カム6の受け歯面6011は星車401の歯と噛合う位置に設けられており、2つの星車401が対向カム6の受け歯面6011に当接することで、対向カム6は軸を中心に駆動される。また、対向カム面6012は常に2つの星車401の内、いずれか一方の星車401の歯先円内に位置されるように形成されている。
なお、対向カム6は、ロータのカナ102と同形状でよく、機械的バネ機構により復帰させる構造であるため、対向カム6の材質は基本的に不問であり、慣性量を下げることで消費電力も少なくするように、樹脂などでも構わない。
復帰力発生機構により、直線A801に対して直交し、ロータ1と対向カム6のそれぞれの運動の中心を結んで形成された直線B802に対して、この直線B802をニュートラル位置として、そのニュートラル位置に対向カム面6012の中心が復帰するような復帰トルクを対向カム6に作用させることで対向カム6を揺動運動させる。
第1実施形態では特に、この復帰力発生機構が機械的なバネ機構であり、例えば円筒型圧縮コイルバネ901よりなる。円筒型圧縮コイルバネ901の一端は、対向カム6の揺動運動の中心を挟んで対向カム面6012が形成された部分と反対側の部分に、対向カム6の半径方向外側に向けて突出して形成されている対向カム突部6013に嵌合されている。円筒型圧縮コイルバネ901の他端は、動かないように固定されている。例えばステータ2が固定された土台に設けた孔部10に嵌合させることで固定されている。この孔部10の入り口にはテーパ110を設けるのが望ましい。
ここで円筒型圧縮コイルバネ901に設定するバネ力の大きさは、ロータ1が星車401と対向カム6を駆動する際に大きな負荷とならず、低消費電力で駆動出来るよう十分小さく設定すれば良く、対向カム6がニュートラル位置に復帰する際に対向カム6に作用する摩擦力に打ち勝つ程度の大きさに設定すれば良い。外部負荷の大きさを考え、その負荷に耐えうるように大きなバネ力の大きさに設定する必要はない。
[第1実施形態の作用の説明]
第1実施形態の作用は図3、図4−1、図4−2を用いて説明する。まず、ロータ1の動作により出力歯車5を正回転方向に駆動する際の動作について図3を用いて説明する。図3は、第1実施形態のロータ1が一方の星車401を動作させ、出力歯車5を正回転させる際の動作を説明するためのシーケンス図であり、ロータ1が時計回り方向に回転し、図右側の星車401の歯に当接することで駆動する際の動作を示す。図が見にくくならないように、図2と同様に出力歯車5、ステータ2、ロータ永久磁石101を省略し、また復帰力発生機構も省略している。しかし、以下の(1)〜(3)は特に記載しないが、第1実施形態の作用をするにあたって、下記は前提条件としてある。(1)図1に示したように出力歯車5は一方の駆動車4に連動しており、図右側の星車401が反時計回り方向に、図左側の星車401が時計回り方向に回転する場合を出力歯車5の正回転方向としている。(2)2つの星車401の動作はそれぞれ同軸に固着された歯車402により連動しており、図左側に示す星車401は図右側の星車401と同量分だけ回転する。(3)対向カム6には復帰力発生機構が作用しており、対向カム6の変位量に相当した復帰力が作用する。
STEP1のロータ非動作状態から、ロータ1は時計回り方向に回転し始める。STEP2において、ロータ1の送り歯面1021は図右側の星車401の歯に当接して、星車401を反時計回り方向に駆動する。星車401が駆動されると、星車401の歯は対向カム6の受け歯面6011に当接する。2つの星車401の動作はそれぞれ連動しており、図左側に示す星車401も図右側の星車401と同量分だけ、時計回り方向に回転する。ロータ1の回転動作が続き、STEP3のように、対向カム6は時計回り方向に駆動される。対向カム6が駆動されることで、対向カム突部6013に嵌合された円筒型圧縮コイルバネ901が曲げ力を受けてたわみ始める。ロータ1と星車401の回転動作が更に続き、STEP4において、星車401の歯は対向カム6の受け歯面6011より外れる。すると対向カム6に作用する円筒型圧縮コイルバネ901の復帰力により、対向カム6はその位置をSTEP1のニュートラル状態に戻され、対向カム面6012の中心が直線B802のニュートラル位置になる。つまり、対向カム6を駆動した星車401の歯のすぐ後方に対向カム面6012が入る。そして、STEP5において、ロータ突部1023が、回転規制部材3に突き当たり、動作を停止する。このように、ロータ1が一方向に90[deg]程度回転することで,対向カム6はロータ1と同方向に一端10[deg]程度回転した後、復帰力発生機構により再度ニュートラル位置まで戻る揺動運動をする。ロータ1が反時計回りに動作する時については、図3のシーケンス図を直線B802にて鏡面関係の配置をさせるだけで全く同じ動作をするため、ここでは特に記載しない。
続いて、ロータ非動作時に外部負荷が出力歯車5に作用し、それに連動した星車401が動かされようとした場合について図4−1、図4−2を用いて説明する。図4−1はロータ非動作時に出力歯車5から星車401を逆回転させようとする負荷が作用した場合に対向カム6による逆回転の防止動作を説明するための拡大図であり、図4−2はロータ非動作時に出力歯車5から星車401を正回転させようとする負荷が作用した場合にロータ1による正回転の防止動作を説明するための拡大図である。
星車401が外部負荷により逆回転方向(図右側の星車401が時計回り方向、図左側の星車401が反時計回り方向)に動かされようとした場合について説明する。ロータ非動作時、対向カム6は図4−1の状態、もしくは図4−1の状態を直線B802に対して鏡面配置した状態にあるが、図右側の星車401の歯が対向カム6に作用するか、図左側の星車401の歯が対向カム6に作用するかの違いであり、動作は全く同じであるため、ここでは図4−1の状態についてのみ説明する。図右側の星車401が時計回り方向に動かされようとした場合、星車401の歯は対向カム6の対向カム面6012に当接する。星車401の歯からの力は、対向カム面6012の直交成分と接線方向成分に分けられるが、その直交成分は対向カム6の揺動運動の中心の方向を向いており、対向カム6を回転
させるようには作用しない。また、接線方向成分は対向カム6を反時計回り方向に回転させようとするため、図右側の星車401の時計回り方向への動きを阻害しようと作用する。結果、図右側の星車401は対向カム6によって、時計回り方向に動くことを防止される。
次に星車401が外部負荷により正回転方向(図右側の星車401が反時計回り方向、図左側の星車401が時計回り方向)に動かされようとした場合について説明する。ロータ非動作時、ロータ1は図4−2の状態、もしくは図4−2の状態を直線B802に対して鏡面配置した状態にあるが、図左側の星車401の歯がロータ1に作用するか、図右側の星車401の歯がロータ1に作用するかの違いであり、動作は全く同じであるため、ここでは図4−2の状態についてのみ説明する。図左側の星車401が時計回り方向に動かされようとした場合、星車401の歯はロータ1のロータカム面1022に当接する。星車401の歯からの力は、ロータカム面1022の直交成分と接線方向成分に分けられるが、その直交成分はロータ1の揺動運動の中心の方向を向いており、ロータ1を回転させるようには作用しない。また、接線方向成分はロータ1を時計回り方向に回転させようとするため、図左側の星車401の時計回り方向への動きを阻害しようと作用する。結果、図左側の星車401はロータ1によって、時計回り方向に動くことを防止される。
[第1実施形態の効果の説明]
ここで、第1実施形態の効果について説明する。大きな外部負荷を対向カム面6012、もしくはロータカム面1022で受けるため、対向カム6をニュートラルに復帰させる力は十分に小さいため,ロータ1が動作し、出力歯車5を正回転方向に動作させる時、対向カム6による負荷は小さく、低消費電力で回転が可能である。また、外部負荷による力は、大きな接触面である対向カム面6012やロータカム面1022で受けるために、耐久性も高い。また、対向カム6やロータ1は星車401とのみ噛合うため、2つの駆動車4の構成要件であるそれぞれの歯車402については、1対1の減速比で連動していれば、どのような歯数に設定しても良く、2つの駆動車4を共通化しても構わない。また、復帰力発生機構が円筒型圧縮コイルバネ901であることで、コイルバネ長や巻きピッチによってバネ力の調整が容易であると同時に、板バネなどと異なり、組立工程でチャックされても容易につぶれることがなく、取り扱い易い。また、円筒型圧縮コイルバネ901を土台に設けたテーパ110のある孔部10に設けることで、テーパ110の空間もバネの有効長として利用できるだけでなく、ステップモータに作用した不用意な衝撃力が加わった場合にも、バネが外れ難い。
[第1実施形態の変形例の説明]
次に、第1実施形態の変形例について図5−1を用いて説明する。図5−1は第1実施形態の変形例で円筒型圧縮コイルバネ901の配置の仕方を異なっていることを説明するための構成図であり、上に示す図はC−C断面の断面図である。変形例の特徴は、復帰力発生機構である円筒型圧縮コイルバネ901を2個用い、それらの円筒型圧縮コイルバネ901を対向カム6の揺動運動の中心軸と平行に配置している点であり、その他の構成および作用については第1実施形態と全く同じであるため、これらの説明は省く。
2個の円筒型圧縮コイルバネ901の一端をそれぞれ土台に固着し、もう一端では2個の円筒型圧縮コイルバネ901の外周部を対向カム突部6013の両脇に当接するように配置する。対向カム6が星車401により駆動されると対向カム突部6013により円筒型圧縮コイルバネ901はたわませられる。そのことで対向カム6をニュートラル位置に復帰させようとする復帰力が作用し、対向カム6は揺動運動する。
このように構成することで、復帰力発生機構について平面的な占有面積を小さくすることができる。
なお、これまで第1実施形態、及びその変形例において、円筒型圧縮コイルバネ901を対向カム突部6013に対して、勘合させる、あるいは当接させるなどして対向カム6にニュートラル位置に復帰させる構成について説明してきたが、対向カム突部6013位置に孔を設けて、円筒型圧縮コイルバネ901を係合させる構成としても構わないし、また接着固定する構成としてももちろん構わない。
また、対向カム突部6013の形状を復帰力発生機構の構成に合わせて変更しても構わない。例えば、図5−2に示すように復帰力発生機構として、2つの板バネ902を対向カム突部6013の左右面に当接させることで対向カム6をニュートラル位置に復帰させるように構成したとしても構わない。このように復帰力発生機構は板バネを用いても、またここには特に記載しないが線バネやねじりバネを用いても構わない。時計の機構の中で遥動型ステップモータ以外の輪列などの機構の配置に合わせて構造や配置を設定すればよい。
[第2実施形態]
続いて第2実施形態の揺動型ステップモータについて説明する。第2実施形態の特徴は、復帰力発生機構が、対向カム6を磁気的な保持力を復帰力として、ニュートラル位置に復帰させる点である。対向カム6に作用する復帰力の発生方法以外は、ロータ1の動作により出力歯車5を正回転方向に駆動する場合の作用や、ロータ非動作時に外部負荷が出力歯車5に作用した場合の作用も全く同じであるため、これらについての説明は省く。
[第2実施形態の構成の説明]
第2実施形態の揺動型ステップモータの構成は図6を用いて説明する。図6は第2実施形態の構成を説明するための構成図である。復帰力発生機構は対向カム磁気回路よりなる。対向カム磁気回路は、2極に着磁された対向カム永久磁石112と、磁性体よりなる対向カム6と、対向カム6が対向カム面6012から対向カム突部6013の長手方向が対向カム永久磁石112の磁極方向と同方向になった時に対向カム永久磁石112から発生した磁束が、対向カム6を最も通り易くなるように磁束の通る磁路として形成された対向カムヨーク111とにより構成される。また、この対向カム永久磁石112の磁極方向1121は、ロータ永久磁石101の磁極方向1011と同じになるように形成される。
[第2実施形態の作用の説明]
対向カム6が星車401により駆動されると対向カム突部6013は、対向カム永久磁石112より離れる方向に動く。そのために、対向カム磁気回路の磁気抵抗をより下げようと、磁性体である対向カム6には、磁気的な保持力が復帰力として作用し、対向カム6は揺動運動する。
[第2実施形態の効果の説明]
このように構成することで、磁気的な保持力の設定を対向カム6と対向カム永久磁石112との距離、あるいは対向カム永久磁石112の磁力によって設定を容易にできる。また、ここで設定される保持力は第1実施形態のような機械的なバネ機構9により設定されるバネ力よりも、バラツキを少なく、安定して設定できる。特にロータ1から近い輪列での力であるため、バラツキを少なく設定できることは、ステップモータの消費電力などの性能にばらつきが少ないことであり、効果が大きい。
また、一般的な時計の組立では異方性の磁石を用いたロータ1を未着磁のまま組付け、その後工程で適当な方向から磁界を印加し着磁を行うが、揺動型ステップモータの場合にはロータ1の揺動角度範囲が規制されているために、着磁する磁界の方向は規制されている。しかし、対向カム永久磁石112と、ロータ永久磁石101のそれぞれの磁極方向1
011と1121が同じであるため、着磁を同工程で行うことができるため、製造し易い。
また、第2実施形態の構成から対向カムヨーク111を取り除いたとしても、対向カム永久磁石112からのモレ磁束は多くなるが、対向カムヨーク111のあった空間を利用して、対向磁気回路11は構成することも可能である。この場合、対向カム永久磁石112から対向カム6に作用する吸引力によって、対向カムの遥動運動の中心軸には復帰力に対して摩擦トルクの割合が増加するため、対向カム6を動作させるためにはより多くの消費電力が必要となるものの、同様の動作をさせることは可能である。このように、対向カムヨーク111が無い構造とすることで、組み立て易くなる。
[第2実施形態の変形例の説明]
次に、第2実施形態の変形例について、図7を用いて説明する。図7は第2実施形態の変形例の構成を説明するための構成図である。変形例の特徴は、第2実施形態では磁気的な保持力が作用するのが、磁性体の対向カム6に直接作用させていたものを、変形例では対向カム6と同軸に固着された磁性車113に作用させる点である。その他の構成及び作用については第2実施形態と全く同じであるため、これらの説明は省く。対向カム磁気回路は、2極に着磁された対向カム永久磁石112と、対向カム6に固着した磁性体からなる磁性車113と、磁性車113の長手方向が対向カム面6012から対向カム突部6013の長手方向と同じ方向を長手方向としており、この長手方向が対向カム永久磁石112と同じ方向になった時に、対向カム永久磁石112から発生した磁束が磁性車113を最も通り易くなるように形成された対向カムヨーク111とより構成される。また対向カム永久磁石112の磁極方向は、ロータ永久磁石101の磁極方向と同じになるように形成されている。
このように構成することで、星車401の歯から直接力をうけ、耐久性を必要とする対向カム6と、磁気的な保持力が作用し磁束の漏れの少ない高い透磁率の磁性材料であることが望ましい磁性車113とで材料や、熱処理を分けることができる。例えば、対向カム6には焼入焼戻により表面の硬化処理を行えるSK材、磁性車113はパーマロイなどで応力による影響を熱処理で取り除いた材料にすることができ、より耐久性が高く、もれ磁束が少ないために小型に対向カム磁気回路が構成された揺動型ステップモータとすることができる。
1 ロータ
101 ロータ永久磁石
1011 ロータ永久磁石磁極方向
102 カナ
1021 送り歯面
1022 ロータカム面
1023 ロータ突部
2 ステータ
201 コイル
3 回転規制部材
4 駆動車
401 星車
402 歯車
5 出力歯車
6 対向カム
6011 受け歯面
6012 対向カム面
6013 対向カム突部
701 矢印a
702 矢印b
703 矢印c
801 直線A
802 直線B
901 円筒型圧縮コイルバネ
902 板バネ
10 土台に設けた孔部
110 テーパ
111 対向カムヨーク
112 対向カム永久磁石
1121 対向カム永久磁石磁極方向
113 磁性車

Claims (10)

  1. 2つの駆動車(4)と、
    該駆動車(4)の間に配置され、中心に対し揺動動作を行うロータ(1)と、を有し、
    該ロータ(1)は、前記駆動車(4)の歯先円内に配置され、
    前記駆動車(4)を送る送り歯面(1021)と、該送り歯面(1021)の歯先間を結ぶ曲面によって閉じて形成されたロータカム面(1022)を有するロータカナ(102)を有する
    揺動型ステップモータにおいて、
    前記2つの駆動車(4)の中心を結んで形成された直線A(801)を挟んで、ロータ(1)と対向する位置に配置され、
    2つの受け歯面(6011)と、該受け歯面6011の歯先を結ぶ曲線により形成されるカム面(6012)を有し、
    前記2つの駆動車(4)の歯が前記受け歯面(6011)に当接することで、軸を中心に駆動される対向カム(6)と、
    前記ロータ(1)と前記対向カム(6)のそれぞれの運動中心を結んで形成された直線B(802)をニュートラル位置とし、
    該ニュートラル位置に前記対向カム(6)を復帰させる復帰力を前記対向カム(6)に与える復帰力発生機構を有する
    ことを特徴とする揺動型ステップモータ。
  2. 前記復帰力発生機構が、機械的なバネ機構である
    ことを特徴とする請求項1に記載の揺動型ステップモータ。
  3. 前記対向カム(6)は、揺動中心を挟んだ前記カム面(6012)の反対側に、
    前記バネ機構からの復帰力を受けるための係止部(6013)を有する
    ことを特徴とする請求項2に記載の揺動型ステップモータ。
  4. 前記バネ機構は、ニュートラル位置は前記直線B(802)と一致し、
    前記バネ機構は、前記対向カム(6)が揺動することでニュートラル位置から変形することで前記復帰力を発生させることを特徴とする請求項3に記載の揺動型ステップモータ。
  5. 前記バネ機構は、前記係止部(突起6013)を挟んで、
    前記対向カム(6)の揺動運動の中心軸と平行に配置される
    ことを特徴とする請求項3に記載の揺動型ステップモータ。
  6. 前記バネ機構は、円筒型圧縮コイルバネ(901)である
    ことを特徴とする請求項2ないし5のいずれか1つに記載の揺動型ステップモータ。
  7. 前記復帰力発生機構は、磁気的に復帰力を発生させる機構である
    ことを特徴とする請求項1に記載の揺動型ステップモータ。
  8. 前記対向カム(6)は磁性体で構成され、
    前記復帰力発生機構は、
    2極に着磁された対向カム永久磁石(112)と、
    該対向カム永久磁石(112)から発生した磁束が、前記対向カム(6)を最も通り易くなるように磁束の通る磁路として形成された対向カムヨーク(111)とにより構成されることを特徴とする請求項7に記載の揺動型ステップモータ。
  9. 前記対向カム永久磁石(112)の磁極方向(1121)は、
    前記ロータ(1)の永久磁石(101)の磁極方向(1011)と同じになるように形成されることを特徴とする請求項8に記載の揺動型ステップモータ。
  10. 前記対向カム6が、同軸に固着された磁性体からなる磁性車(113)を有する
    ことを特徴とする請求項8に記載の揺動型ステップモータ。
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