JP2013142304A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】排気弁開弁時期の変更によるEGRガス量の変化を抑制する。
【解決手段】この内燃機関の制御装置は、内部EGR機構を備える。この内部EGR機構は、内燃機関の各気筒における吸気行程の間に、一時的に排気弁を開くことで、内燃機関の各気筒に排気ガスを還流させる。更に、膨張行程から排気行程中の排気弁の開弁時期が早められた場合には、それに応じて、排気ガス還流のための吸気行程における排気弁の開弁時期を早める。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関し、詳しくは、内部EGR機構を備えた内燃機関の制御装置に関する。
従来、排気ガスを各気筒の吸気行程で各気筒内に排気ガスを還流させる排気ガス還流機構(EGR機構)が知られている。このEGR機構には、排気経路と吸気経路とを繋ぐ配管を設け、排気経路内の排気ガスを、配管を介して吸気経路側に還流させる外部EGR機構と、所定のタイミングで吸気弁を開くことで排気ガスを吸気ポートに還流させる内部EGR機構とがある。
例えば、特許文献1には内部EGR機構が開示されている。特許文献1の機構では、EGR要求時、吸気行程中に排気弁を開弁することで、排気ガス(EGRガス)を筒内に還流させている。
特開2005−105954号公報 特開2006−144714号公報
特許文献1のシステムでは、吸気行程中に排気弁を開弁することでEGRガスを確保している。ここで例えば、冷間時に触媒早期活性化のために、排気行程で排気弁の開弁時期を早める場合がある。このように排気行程での排気弁開弁時期を変更されると、排気圧もそれにより変化する。その結果、吸気行程における筒内圧と排気圧との差圧も変化することになる。このように差圧が変化する環境下で、吸気行程中の排気弁の開弁時期を固定したままとすると、筒内に逆流する排気ガス量が変化し、内部EGR量に変化が生じることがある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、排気弁開弁時期の変更によるEGRガス量の変化を抑制することを可能とした改良された内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の制御装置であって、内燃機関の各気筒の膨張行程から排気行程における排気弁の開弁時期を早める排気制御手段を備える。また、この内燃機関の制御装置は、内燃機関の各気筒における吸気行程の間に、一時的に排気弁を開くことで、内燃機関の各気筒に排気ガスを還流させる排気還流手段を備える。排気還流手段は、排気制御手段により排気弁の開弁時期を早める制御が実行される場合に、吸気行程における排気弁の開弁時期を早める。
ここで、排気還流手段は、排気制御手段により排気弁の開弁時期が早められたのと同じ量、吸気行程における排気弁の開弁時期を早めるものとしてもよい。
あるいは、本発明は、内燃機関の制御装置であって、内燃機関の各気筒の膨張行程から排気行程における排気弁の開閉時期を変化させることができる手段を備える。また、この内燃機関の制御装置は、内燃機関の各気筒における吸気行程の間に、一時的に排気弁を開くことで、内燃機関の各気筒に排気ガスを還流させる排気還流手段を備える。排気還流手段は、内燃機関の膨張行程から排気行程における排気弁の開弁時期が、通常設定される基準開弁時期より早い時期に設定される場合に、設定された開弁時期と基準開弁時期との差に応じて、吸気行程の間の排気弁の開弁時期を早める。
また、この発明は、内燃機関の各気筒の吸気ポートより上流に配置された熱交換器を、更に備えるものとしてもよい。この場合、排気還流手段は、内燃機関が所定の冷間状態にある場合に、吸気行程の間に排気弁を開くことで排気ガスを還流させ、内燃機関が所定の冷間状態ない場合、排気行程の間に、吸気弁を開くことで排気ガスを還流させる。
排気行程における排気弁の開弁時期が早められる場合、排気圧の変化もそれに応じて進角した状態となる。従って、排気弁の開弁時期が通常通りである場合と、早められた場合とで、排気圧に変化が生じ、筒内圧と排気圧との差圧にも変化が生じることとなる。この点、本発明によれば、排気行程での排気弁の開弁時期が早められた場合に、EGR確保のための吸気行程における排気弁の開弁時期が早められる。これにより排気行程における排気弁開弁時期が変化する場合にも、排気圧と筒内圧との差圧の変化の影響を抑え、安定して必要なEGR量を確保することができる。
また、本発明において、冷間時以外は、膨張行程から排気行程の間の排気弁の開弁中に吸気弁を開く制御とすることでEGRガスを還流させるものについては、冷間時における圧縮端温度の低下を抑制することができる。
本発明の実施の形態に係る内燃機関の制御装置を示す図である。 本発明の実施の形態に係る内燃機関の制御装置における、吸気弁と排気弁とのそれぞれの動弁特性について説明するための図である。 本発明の実施の形態に係る内燃機関の制御装置における、吸気弁と排気弁とのそれぞれの動弁特性について説明するための図である。 本発明の実施の形態における機関回転数と燃料噴射量と排気弁作用角との関係について説明するための図である。 本発明の実施の形態における排気圧と筒内圧との変化を説明するための図である。 本発明の実施の形態における排気圧と筒内圧との変化を説明するための図である。 本発明の実施の形態に係る内燃機関の制御装置における、吸気弁と排気弁とのそれぞれの動弁特性について説明するための図である。 本発明の実施の形態において実行される制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、同一または相当する部分には同一符号を付してその説明を簡略化ないし省略する。
[本実施の形態のシステムの全体構成]
図1は、本発明の実施の形態の制御装置が適用される内燃機関の制御装置の全体構成を示す図である。本発明の内燃機関の制御装置は、車両に搭載されて用いられる。本実施の形態にかかる内燃機関2は複数の気筒4を有する。内燃機関2の各気筒4には、吸気弁及び排気弁(図示せず)が設置される。内燃機関2には、冷却水の水温を検出するための水温センサ6が設置されている。
吸気弁及び排気弁のそれぞれには、弁の動弁特性(位相や作用角)等を変更する可変動弁機構(図示せず)が設置されている。可変動弁機構により、各気筒4の吸気弁又は排気弁を、別個に停止・復帰(稼動)させことができる。具体的に、各弁の位相が変更されることで、各弁の開閉時期が変更される。また、作用角が変更されることで、各弁のリフト量を時間で積分した値である開口時間面積が変更される。即ち、作用角の変更により、リフト量や開弁期間が変更される。可変動弁機構の構成や動作は種々に知られており、ここでの詳細な説明は省略するものとする。
各気筒の吸気ポートには、吸気マニホールド10の分岐管部が接続されている。吸気マニホールド10内には熱交換器12が設置されている。熱交換器12には配管14の両端が設置されている。配管14の途中にはラジエータ16及びウォータポンプ18が設置されている。配管14内及び熱交換器12には、冷却水がウォータポンプ18により循環している。冷却水は、熱交換器12において、吸気マニホールド10内のガスの熱により加熱され、ラジエータ16で放熱される。これにより吸気マニホールド10内のガスが冷却される。なお、シリンダヘッドと熱交換器12との間には気筒間隔壁10a〜10cが設けられており、吸気ポートから吹き返されるEGRガスが、他の気筒に回り込まずに効果的に熱交換器12を通過するようにシールされている。
吸気マニホールド10の上流側端部は吸気経路20に接続している。吸気経路20の上流にはエアクリーナ22が設置されている。吸気経路20のエアクリーナ22より下流には、ターボチャージャのコンプレッサ24が設置され、その下流にはインタクーラ26が設置されている。インタクーラ26下流には、電子制御式のスロットル弁28が配置されている。
一方、内燃機関2の各気筒4の排気ポートそれぞれには、排気マニホールド30の分岐管部がそれぞれ連通している。排気マニホールド30の下流側の端部は排気経路32に連通している。排気経路32には、ターボチャージャのタービン34が配置されている。排気経路32のタービン34より下流には、酸化触媒36及びDPF(Disel Particulate Filter)38が接続している。排気経路32のDPF38の下流にはA/Fセンサ40が設置されている。
このシステムは制御装置50を備えている。制御装置50の入力側には、水温センサ6、A/Fセンサ40の他、内燃機関2の各種センサが接続されている。また、制御装置50の出力側には、可変動弁機構や、その他各種のアクチュエータが接続されている。制御装置50は、各種センサからの入力情報に基づいて所定のプログラムを実行し、各種アクチュエータ等を作動させることにより、内燃機関2の運転に関する種々の制御を実行する。
[本実施の形態のEGR制御の切り替えについて]
本実施の形態において、制御装置50が行う制御には、吸気弁及び排気弁の動弁特性の制御による内部EGRの制御が含まれる。図2、図3は、EGR運転領域での吸気弁と排気弁の動弁特性を説明するための図であり、図2は、内燃機関2の温間時の例であり、図3は冷間時の例である。図2、図3において、横軸はクランク角、縦軸はバルブリフト量を表している。また、図3においてタイミング1の実線は、内燃機関2の通常運転状態において設定される動弁特性を表している。
図2に示されるように、EGR運転領域(EGRガスを還流させる運転領域)にあり、かつ、内燃機関2の温間時には、排気行程中に一時的に吸気弁を開弁させる。これにより排気ガスの一部は、一度、吸気ポートに流入し、吸気行程において再び気筒内に導入される。この過程でEGRガスは吸気マニホールド10に設置された熱交換器12に流入し冷却される。これにより吸気行程で再び吸気弁が開弁すると、低温のEGRガスを気筒に再吸入させることができる。排気行程中に吸気弁を開弁させることでEGRガスを還流させる制御を「温間時EGR制御」とも称することとする。また、本実施の形態では、排気ガス排出のため排気弁が開弁してから閉弁するまでの期間を「排気行程」と称するものとする。
一方、冷間時に排気行程中に吸気弁を開弁する上記の制御を行うと、吸気側に吹き返したEGRガスが熱交換器12で過度に冷却され、圧縮端温度が低下して燃焼を悪化させる恐れがある。従って、冷間時のEGR運転領域の場合、図3に示されるように、吸気行程中に、一時的に排気弁を開く制御に切り替える。これにより高温の排気ガスが吸気行程で気筒内に導入されるため、低温時に圧縮端温度を上昇させることができる。以下、便宜的に、吸気行程中に排気弁を開弁させることでEGRガスを還流させる制御を「冷間時EGR制御」とも称することとする。また、本実施の形態では、吸入空気導入のため吸気弁が開弁してから閉弁するまでの期間を「吸気行程」と称するものとする。
なお、本実施の形態においては、内燃機関2が冷間状態にあるか、温間状態にあるかを判断するパラメータとして、内燃機関2の冷却水の水温と外気温とを用いる。具体的には、水温が基準水温TW以下の場合、かつ、外気温が基準気温Taの場合を、「冷間時」とし、吸気行程に排気弁を開く制御を行う。一方、水温が基準気温Taより高い場合、または外気温が基準気温Taより高い場合を「温間時」とし、排気行程中に吸気弁を開く制御を行う。
また、ここで判別の基準とする基準水温TWと基準気温Taとは、それぞれ、実験等により内燃機関2ごとに適正な値に設定され、制御装置50に予め記憶されるものとする。
図4は、冷間時EGR制御を行う場合の、吸気行程中の排気弁作用角の、機関回転数と燃料噴射量との関係を説明するための図である。図4において横軸は機関回転数、縦軸は燃料噴射量である。図4に示される例では、排気行程の排気弁の作用角は、内燃機関2の通常運転時の動弁特性で制御されるものとする。
このとき、冷間時EGR制御における吸気行程中の排気弁作用角は、図4に示されるように、機関回転数と燃料噴射量とで決定される領域ごとに決定される。具体的には、燃料噴射量が多い場合ほど、あるいは、機関回転数が大きい場合ほど、吸気行程中の排気弁作用角は小さくなるように設定され、排気弁の開口時間面積(リフト量を開弁時間で積算した値)が小さく設定される。
なお、図4に示されるような、吸気行程中の排気弁作用角の、機関回転数と燃料噴射量との具体的な関係は、実験等により求められ、これらをパラメータとするマップ等として制御装置50に予め記憶される。冷間時EGR制御における基本の排気弁作用角は、このマップ等に応じて適宜設定される。
[排気行程における排気弁の開弁時期に応じた制御]
また、本実施の形態における冷間時EGR制御では、排気行程における排気弁の開弁時期の変化に応じて、冷間時EGR制御における排気弁の開弁時期を変化させる。
具体的に、内燃機関2の通常運転時、排気行程中の排気弁の動弁特性は、機関回転数と燃料噴射量とのマップから算出される通常運転時の動弁特性(タイミング1)に設定される。しかし、例えば、酸化触媒36の早期暖機などのため、あるいは、DPF38の再生処理等のため、排気行程における排気弁の開弁時期が進角される補正が加えられる場合がある(タイミング2)。本実施の形態では、このように、例えば、排気行程中の排気弁が、図3のタイミング2の破線に示されるように、通常運転時の開弁時期(タイミング1)より進角された場合、冷間時EGR制御における排気弁の開弁時期を、その進角した角度と同じ角度分、進角させる制御を行う。
図5、6は、冷間時EGR制御を行った場合の、排気圧と筒内圧との変化を説明するための図であり、図5は、クランク角0〜720°に渡る全体図であり、図6は、クランク角360°〜630°の、吸気行程中の排気弁の開弁中の角度付近を拡大した図である。図5、6において横軸はクランク角、縦軸は圧力を表す。
また、図5及び図6において、実線のタイミング1の曲線は、内燃機関2の通常時の運転状態の動弁特性で制御された場合(即ち、図3のタイミング1で制御された場合)の、筒内圧と、排気圧である。一方、破線のタイミング2の曲線は、排気行程における排気弁の開弁時期が進角された場合の筒内圧と排気圧とを表している。
まず、図6(a)には、通常時のタイミング1の排気弁、吸気弁の動弁特性で制御される場合であって、吸気行程中の排気弁の作用角が、図4に説明した基本の作用角に設定された場合を表している。この場合、吸気行程中の排気弁は、開弁時期T1から閉弁時期T2までの間、開かれる。このとき、図6(a)から排気圧と筒内圧との差圧が十分に確保されていることがわかる。EGR量は、開口面積時間と排気圧力と筒内圧との差圧で決定される。図6(a)では、十分なEGR量が確保される。
図6(b)には、排気行程での排気弁の開弁時期を進角制御し、吸気行程の排気弁の開弁時期を、図6(a)と同じ、基本の時期(T1からT2)とした場合の例を表している。図6(b)に示されるように、排気行程での排気弁の位相が進角された場合、排気圧は、破線で示されるように、概ね、通常時の排気圧のタイミング1の波形が、その進角した角度分だけ進角側にずれたような波形を示す。一方、排気行程での排気弁の位相が進角されていても、筒内圧への影響は小さく、破線で示されるように、通常時の筒内圧(タイミング1)の波形とほぼ同じ波形を示す。
従って、吸気行程中の排気弁の開弁時期T1から閉弁時期T2までの間、筒内圧と排気圧との差圧は、通常運転時の図6(a)の場合とは大きく異なるものとなり、ある部分において差圧が小さくなるか、更には逆流が発生するような状態となる。その結果、この例では、EGR量が減少するものと考えられる。
このため、本実施の形態では、排気行程における排気弁の開弁時期が進角側にずらされるとき、吸気行程時の排気弁の開弁時期も、同じ角度分、進角側にずらす。図6(c)は、この制御の例を示している。図6(c)に示されるように、排気行程中の排気弁の位相の進角により、排気圧の波形も破線のように進角する。この場合、冷間時EGR制御のための吸気行程中の排気弁の開弁時期は、T1から進角したT3に、閉弁時期がT2から進角したT4にずらされる。この吸気行程中の排気弁の開弁時期T3から閉弁時期T4までの排気圧の波形は、図6(a)の排気圧T1からT2までの排気圧の波形にほぼ一致する。従って、図6(a)の場合と図6(c)の場合とで、筒内圧と排気圧との差圧のずれも小さくなっている。従って、排気行程での排気弁を進角制御しない通常時の場合と同様に、EGR量を確保することができる。
また、図4のタイミング2には、排気行程中の排気弁の位相が進角され、開弁時期、閉弁時期ともに進角される場合について示した。しかし、例えば、図7のタイミング3に示すように、排気行程における排気弁の開弁時期のみ進角し、閉弁時期を基本の動弁特性(タイミング1)と同じ時期とする場合もある。この場合にも、排気行程での排気弁の開弁時期の進角により、排気圧の波形もその進角分だけ進角する。従って、図7に示されるように、排気行程中の排気弁の閉弁時期が変化しない場合であっても、排気行程での排気弁の開弁時期が進角される場合には、その分、吸気行程中の排気弁の開弁時期も進角させる。
[本実施の形態の具体的な制御]
図8は、本発明の実施の形態において制御装置50が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。図8のルーチンは、内燃機関2の運転中、一定期間ごとに繰り返し実行されるルーチンである。図8のルーチンでは、まず、EGR運転領域にあるか否かが判別される(S100)。ここでEGR運転領域であることが認められない場合、今回の処理はこのまま終了する。
一方、EGR運転領域であることが認められると、次に、現在の水温が基準水温TW以下であるか否かが判別される(S102)。現在の水温は、水温センサ6の出力に応じて、制御装置50において取得される。また、基準水温TWは、予め制御装置50に記憶された値である。
ステップS102において水温≦基準水温の成立が認められた場合、次に、外気温が基準気温Ta以下であるか否かが判別される(S104)。外気温は、図示しない外気温センサの出力を取得するなどして、制御装置50において求められる。また、基準気温Taは、予め制御装置50に記憶された値である。
ステップS102において水温≦基準水温TWでの成立が認められない場合、あるいは、ステップS104において外気温≦基準気温Taの成立が認められない場合には、通常通り排気行程中に吸気弁を開くことでEGRガスを還流させる温間時EGR制御が行われる。従って、次に、排気行程中の吸気弁作用角が演算される(S106)。
一方、ステップS102において水温≦基準水温TWの成立が認められ、更に、ステップS104において外気温≦基準気温Taの成立が認められた場合には、吸気行程中に排気弁を開く冷間時EGR制御が行われる。従って、まず、吸気行程中の排気弁の基本の作用角が演算される(S108)。排気弁の基本の作用角は、機関回転数や燃料噴射量をパラメータとするマップ(図4参照)等により演算される。
次に、通常運転時の排気行程の排気弁の基本の開弁時期が演算される(S110)。排気弁の基本の開弁時期は、例えば、機関回転数や燃料噴射量等をパラメータとするマップ等に従って演算される。
次に、排気行程での排気弁の開弁時期に変更があるか否かが判別される(S112)。例えば、DPF38の再生処理のための昇温制御が実行される場合などである。これらにより排気弁の開弁時期が変更されるか否かが判別される。
ステップS112において、排気行程での排気弁の開弁時期の変更があることが認められると、まず、排気行程での排気弁の開弁時期が再設定される(S114)。すなわち、必要な制御に応じて、ステップS110で演算された排気弁の開弁時期が補正等されて再設定される。
次に、吸気行程における排気弁の開弁時期(位相)が再設定される(S116)。具体的には、排気行程の排気弁の開弁時期がずらされた角度分、吸気行程での排気弁の開弁時期(位相)もシフトされる。
ステップS106において温間時EGR制御における排気行程中の吸気弁作用角が設定された後、又は、ステップS112において、排気弁の開弁時期の変更があることが認められない場合、又は、ステップS114及びS116において、排気弁の開弁時期が再設定された後、現在設定されている排気弁、吸気弁の動弁特性に従って、吸気弁、排気弁が可変動弁機構により制御される(S118)。その後、今回の処理が終了する。
以上説明したように、本実施の形態では、排気行程における排気弁の開弁時期が、通常運転時の排気弁の開弁時期より進角された場合に、吸気行程中の排気弁の開弁時期も、これに合わせて進角される。これにより、排気行程における排気弁の開弁時期に関わらず、吸気行程での排気弁開弁中の排気圧と筒内圧との差圧を、一定範囲内とすることができる。従って、要求EGR量をより確実に確保することができる。
また、本実施の形態では、冷間時であるか否かに応じて、EGRガスの還流方法を切り替えることができる。これにより、冷間である場合に、排気ガスが吸気ポートに還流することで、過度に排気ガスが低温となり圧縮端温度が過度に低下することを抑制することができる。
なお、本実施の形態では、内燃機関の水温が基準水温TW以下であり、外気温が基準気温Ta以下である場合にのみ、冷間時EGR制御に切り替える場合について説明した。しかし、この発明は、これに限るものではなく、基準水温及び外気温のいずれか一方が、所定の基準値を下回る場合に、第2のEGR制御に切り替えるのとしてもよい。また、冷間時EGR制御に切り替えるか否かを判別するためのパラメータとしては、水温や外気温以外に、内燃機関2の温度と相関を有する他のパラメータを用いてもよい。
更には、冷間時EGR制御に切り替えるものでなくてもよい。すなわち、冷間時か否かに関わらず、吸気行程中に排気弁を開くことでEGRガスを還流させるものであってもよい。この場合にも、排気行程における排気弁の開弁時期が進角された場合に、吸気行程における排気弁の開弁時期を進角する制御を行うことで、必要なEGR量を確保することができる。
また、本実施の形態では、吸気マニホールド10内に熱交換器12が設置されている場合について説明した。これにより吸気ポート側に還流された排気ガスを効果的に冷却して、再吸入することができる。従って、吸入空気量を増加させることができ、スモークの低減、燃料噴射量の増量、それによるトルクの向上を図ることができる。しかしながら、この発明は、このように熱交換器12を有するものに限らず、他の冷却手段を有するものでもよく、また、冷却手段を有しないものであってもよい。
その他の構成についても、本発明は、上記実施の形態に説明したものに限定されるものではない。また、以上の実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に、この発明が限定されるものではない。また、この実施の形態において説明する構造や方法等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。
2 内燃機関
4 気筒
6 水温センサ
10 吸気マニホールド
12 熱交換器
14 配管
16 ラジエータ
18 ウォータポンプ
20 吸気経路
22 エアクリーナ
24 コンプレッサ
26 インタクーラ
28 スロットル弁
30 排気マニホールド
32 排気経路
34 タービン
36 酸化触媒
38 DPF
40 A/Fセンサ
50 制御装置

Claims (4)

  1. 内燃機関の各気筒における吸気行程の間に、一時的に排気弁を開くことで、前記内燃機関の各気筒に排気ガスを還流させる排気還流手段と、
    前記内燃機関の各気筒の膨張行程から排気行程における排気弁の開弁時期を早める排気制御手段と、を備え、
    前記排気還流手段は、
    前記排気制御手段により排気弁の開弁時期を早める制御が実行される場合に、前記吸気行程における排気弁の開弁時期を早めることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記排気還流手段は、前記排気制御手段により前記排気弁の開弁時期が早められたのと同じ量、前記吸気行程における排気弁の開弁時期を早めることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 内燃機関の各気筒における吸気行程の間に、一時的に排気弁を開くことで、前記内燃機関の各気筒に排気ガスを還流させる排気還流手段と、
    前記内燃機関の各気筒の膨張行程から排気行程における排気弁の開閉時期を変化させることができる手段と、を備え、
    前記排気還流手段は、
    前記内燃機関の膨張行程から排気行程における排気弁の開弁時期が、通常設定される基準開弁時期より早い時期に設定される場合に、設定された前記開弁時期と前記基準開弁時期との差に応じて、前記吸気行程の間の排気弁の開弁時期を早めることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  4. 前記内燃機関の各気筒の吸気ポートより上流に配置された熱交換器を、更に備え、
    前記排気還流手段は、
    前記内燃機関が所定の冷間状態にある場合に、前記吸気行程の間に排気弁を開くことで排気ガスを還流させ、
    前記内燃機関が前記所定の冷間状態ない場合、前記排気行程の間に吸気弁を開くことで排気ガスの還流させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の内燃機関の制御装置。
JP2012002200A 2012-01-10 2012-01-10 内燃機関の制御装置 Pending JP2013142304A (ja)

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