JP2013141696A - アーク溶接装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ティーチペンダントTPは、ジョグダイヤル13と、ジョグダイヤル13の回転量及び回転方向を検出するロータリエンコーダ14とを備えており、任意のタイミングでジョグダイヤル13を溶接ワイヤ1の手動送給手段として設定できる。ロボットコントローラRCは、ジョグダイヤル13の回転量及び回転方向に基づいて送給速度及び送給方向を決定し、溶接電源WPを介してワイヤ送給モータWMに送給制御信号Fcを出力する。より具体的には、ジョグダイヤル13が1目盛回転される度に送給速度が所定値だけ増加または減少する。すなわち、ジョグダイヤル13の回転操作のみで送給速度を変更できる。イネーブルスイッチ11bを備えて不用意な送給操作を防ぐようにするとさらに良い。
【選択図】図3
Description
ジョグダイヤルと、このジョグダイヤルの回転量および回転方向を検出する回転検出手段と、前記ジョグダイヤルを、溶接トーチから溶接ワイヤを送給するための送給操作手段として設定する割付手段とを有する操作部と、
前記溶接ワイヤを送給する送給機構部と、
前記送給機構部へ送給制御信号を出力する送給制御手段を有する制御部と、を含むアーク溶接装置であって、
前記ジョグダイヤルが前記送給操作手段として設定されている間は、前記操作部は、前記回転検出手段が検出した回転量および回転方向を前記制御部へ通知し、
前記送給制御手段は、前記制御部から通知された前記回転量に基づいて前記溶接ワイヤの送給速度を算出するとともに前記回転方向に基づいて送給方向を算出して前記送給制御信号を生成し、該送給制御信号を前記送給機構部へ出力することを特徴とするアーク溶接装置である。
発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。
作業者がジョグダイヤル13の機能割付メニューを呼び出すと、機能割付部22bは図4に示すような画面をティーチペンダントTPの液晶ディスプレイ18に出力表示する。同図に示す画面では、ジョグダイヤル13に与える機能として、「メニューの選択」「速度の変更」「溶接ワイヤの正送/逆送」「ロボットのジョグ送り」等が選択項目として表示されている様子を示している。作業者は、「溶接ワイヤの正送/逆送」を選択し、エンターキー11aを押下する。この操作により、ジョグダイヤル13が「溶接ワイヤの正送/逆送」を行う送給操作手段に変更される(機能割付テーブルに設定される)。ただし、送給イネーブルスイッチ11bがオンの場合にのみ、ジョグダイヤル13が送給操作手段として機能するようにインターロックが取られている。すなわち、作業者は、送給イネーブルスイッチ11bを押下した状態でないと、ジョグダイヤル13による溶接ワイヤ1の送給操作ができないようになっている。
上記機能割付がなされ、且つ、上記送給イネーブルスイッチ11bがオンの状態でジョグダイヤル13が回転操作されると、ティーチペンダントTPの入力監視部16aは、ロータリエンコーダ14の検出信号(ジョグダイヤル13の回転方向および回転量)をロボットコントローラRCに出力する。この検出信号は解釈実行部22aに通知される。
解釈実行部22aは、上記検出信号と機能割付テーブルの設定内容とに基づいて、溶接ワイヤ1の正送または逆送の処理を必要とするか否かを判断する。ジョグダイヤル13は、溶接ワイヤ1の手動送り手段として機能しているので、ジョグダイヤル13の操作結果に基づく溶接ワイヤ1の手動送りが必要と判断し、回転方向および回転量の情報を溶接指令生成部22へ通知する。
溶接指令生成部22cでは、回転方向に基づく送給方向および回転量に基づく送給速度を算出し、これらを送給制御信号Fcとして出力する。
溶接ワイヤ1の送給が行われていない状態で回転量が通知されたときは、回転量に基づいた送給速度の算出は行わずに、予め定められた初期送給速度をハードディスク25から読み出すようにする。この理由は、ジョグダイヤル13が一気に大きく回転されると、送給速度が0の状態から急激に大きくなるため、溶接ワイヤ1が送給経路内で挫屈する恐れがあるからである。上記初期送給速度を用いずに回転量に応じた送給速度を算出する場合は、後述する方法で算出する。
溶接ワイヤ1の送給中に、それまでに通知されていた回転方向と同一方向へジョグダイヤル13が回転されたことが通知されたときは、予め定めた速度変化値に通知された回転量を乗じて現在の送給速度に加算する。すなわち、送給速度現在値をFnとし、速度変化値をFdとし、回転量をJcとし、これらに基づいて算出される送給速度目標値をFtすると、
送給速度目標値Ft=送給速度現在値Fn+速度変化値Fd×回転量Jc
により算出する。具体的には、送給速度現在値Fnが100cm/分、速度変化値Vdが50cm/分の場合に、ジョグダイヤル13がそれまでに通知されていた回転方向と同一方向へ1目盛回転されると、送給速度目標値Ftは、100+50×1により150cm/分となる。さらに続けて同方向に1目盛回転されると、送給速度目標値Ftは、150+50×1により200cm/分となる。この算出例は、ジョグダイヤル13の回転量の通知を、1目盛回転する毎に行う場合を示している。回転量の通知を、所定の通知周期、あるいはジョグダイヤル13の停止が所定時間なされたことを検出したときに行う場合は、例えば3目盛回転されたときに3目盛分の回転量の通知が行われることもある。この場合は、送給速度目標値Ftは、100+50×3により250cm/分となる。
それまでに通知されていた回転方向とは逆方向へジョグダイヤル13が回転されたことが通知されたときは、まず、送給方向をそれまでの回転方向とは逆にし、さらに、上述した速度変化値にジョグダイヤル13の回転量を乗じて現在の送給速度から減算する。すなわち、送給速度現在値をFnとし、速度変化値をFdとし、回転量をJcとし、これらに基づいて算出される送給速度目標値をFtすると、
送給速度目標値Ft=送給速度現在値Fn−速度変化値Fd×回転量Jc
により算出する。具体的には、送給速度現在値Fnが500cm/分、速度変化値Vdが50cm/分の場合に、ジョグダイヤル13がそれまでに通知されていた回転方向とは逆の方向へ1目盛回転されると、送給速度目標値Ftは、500−50×1により450cm/分となり、さらに続けて同方向に1目盛回転されると、送給速度目標値Ftは、450−50×1により400cm/分となる。なお、算出の結果、送給速度目標値Ftが0以下になった場合は、それ以上の減算は行わない(送給速度目標値Ftは0にする)。
溶接電源WPは、上記算出の結果、得られた送給制御信号Fcをワイヤ送給モータWMに出力する。以上により、ジョグダイヤル13の回転量に応じた送給速度で、且つ、回転方向に応じた送給方向へ、溶接ワイヤ1が送給される。
(6.ワイヤ送給の停止)
溶接ワイヤ1の送給中に前記送給イネーブルスイッチ11bがオフにされた場合は、ティーチペンダントTPの入力監視部16aは、送給イネーブルスイッチ11bの状態信号(オフ)をロボットコントローラRCに出力する。この信号は解釈実行部22aに通知される。次いで、解釈実行部22aは、送給を停止するための指令を溶接指令生成部22へ通知する。そして、溶接指令生成部22は、送給を停止させる送給制御信号Fcを生成して溶接電源WPに出力する。この結果、溶接ワイヤ1の送給が停止する。
時刻t1において、同図(a)に示すように送給イネーブルスイッチ11bがオンされる。この状態では、ジョグダイヤル13は回転されていないので、溶接ワイヤ1は送給されない。
時刻t2において、送給イネーブルスイッチ11bがオンされたまま、同図(b)に示すようにジョグダイヤル13が+方向へ1目盛回転される。このとき、送給速度は、同図(c)に示すように初期送給速度Fiとなる。
時刻t3までの期間において、送給イネーブルスイッチ11bがオンされたまま、ジョグダイヤル13が同方向へ2目盛回転される。この結果、初期送給速度Fiに速度変化値Fdが2回加算され、時刻t3のタイミングにおける送給速度はFv1となる。
送給速度がFv1のまま、溶接ワイヤ1が送給される。そして、時刻t4において、送給イネーブルスイッチ11bがオンされたまま、ジョグダイヤル13がそれまでとは逆の方向へ1目盛回転される。この結果、現在の送給速度Fv1から速度変化値Fdが減算され、時刻t4における送給速度はFv2となる。
送給速度がFv2のまま、溶接ワイヤ1が送給される。そして、時刻t5において、同図(a)に示すように、送給イネーブルスイッチ11bがオフされる。この結果、送給速度は、0になる(溶接ワイヤ1の送給が停止される)。
2 ワーク
3 アーク
4 溶接トーチ
11 キーボード
11a エンターキー
11b 送給イネーブルスイッチ
12 通信インターフェース部
13 ジョグダイヤル
14 ロータリエンコーダ
15 駆動指令部
16a 入力監視部
16b 表示制御部
18 液晶ディスプレイ
19 バス
21 CPU
22a 解釈実行部
22b 機能割付部
22c 溶接指令生成部
24 通信インターフェース部
25 ハードディスク
26 溶接インターフェース部
29 バス
41 右手把持部
42 左手把持部
101 アーク溶接ロボット
Fc 送給制御信号
Fd 速度変化値
Fn 送給速度現在値
Ft 送給速度目標値
Iw 溶接電流
Mc 動作制御信号
R ロボット
RC ロボットコントローラ
Td 操作信号
TP ティーチペンダント
Vw 溶接電圧
WM ワイヤ送給モータ
WP 溶接電源
Ws 溶接指令信号
Claims (6)
- ジョグダイヤルと、このジョグダイヤルの回転量および回転方向を検出する回転検出手段と、前記ジョグダイヤルを、溶接トーチから溶接ワイヤを送給するための送給操作手段として設定する割付手段とを有する操作部と、
前記溶接ワイヤを送給する送給機構部と、
前記送給機構部へ送給制御信号を出力する送給制御手段を有する制御部と、を含むアーク溶接装置であって、
前記ジョグダイヤルが前記送給操作手段として設定されている間は、前記操作部は、前記回転検出手段が検出した回転量および回転方向を前記制御部へ通知し、
前記送給制御手段は、前記制御部から通知された前記回転量に基づいて前記溶接ワイヤの送給速度を算出するとともに前記回転方向に基づいて送給方向を算出して前記送給制御信号を生成し、該送給制御信号を前記送給機構部へ出力することを特徴とするアーク溶接装置。 - 前記送給制御手段は、前記溶接ワイヤの送給が行われていない状態で前記回転量および回転方向が通知されたときは、予め定めた初期送給速度で且つ通知された回転方向と対応する方向へ前記溶接ワイヤの送給を開始し、前記溶接ワイヤの送給中に前記通知された回転方向と同一方向へ前記ジョグダイヤルが回転されたことが通知されたときは、予め定めた速度変化値に前記回転量を乗じて現在の送給速度に加算する一方、前記溶接ワイヤの送給中に前記通知された回転方向とは逆方向へ前記ジョグダイヤルが回転されたことが前記制御部から通知されたときは、前記速度変化値に前記回転量を乗じて現在の送給速度から減算する送給制御信号を生成して前記送給機構部へ出力することを特徴とする請求項1記載のアーク溶接装置。
- 前記ジョグダイヤルが前記送給操作手段として機能することを許可する送給イネーブルスイッチを備え、前記送給イネーブルスイッチがオンの場合にのみ前記ジョグダイヤルを前記送給操作手段として機能させることを特徴とする請求項1または請求項2記載のアーク溶接装置。
- 前記溶接ワイヤの送給中に前記送給イネーブルスイッチがオフにされた場合は、前記溶接ワイヤの送給を停止することを特徴とする請求項3記載のアーク溶接装置。
- 前記溶接ワイヤの送給負荷を検出する送給負荷検出手段をさらに備え、この送給負荷検知手段が所定値以上の送給負荷を検出した場合は、前記溶接ワイヤの送給を停止することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアーク溶接装置。
- 前記操作部は前記溶接トーチが搭載されたマニピュレータを操作するためのティーチペンダントであり、前記制御部は前記マニピュレータを駆動制御するためのロボットコントローラであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のアーク溶接装置。
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