JP2013140303A - 絞り機構、及びそれを備えたレンズユニット、カメラ - Google Patents

絞り機構、及びそれを備えたレンズユニット、カメラ Download PDF

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Abstract

【課題】消費電力を抑制しながら、絞り羽根の開口径を保持することができる絞り機構を提供する。
【解決手段】本発明は、撮像装置用の絞り機構(10)であって、複数枚の絞り羽根(16)と、中心軸線(A)を中心として回動されることにより、絞り羽根の開口径を調整する動輪(14)と、この動輪の中心軸線に対して略直交する方向に延びるように配置された駆動主軸(20)と、この駆動主軸に、摺動可能に取り付けられた摺動部(22)と、駆動主軸を、その軸線方向に振動的に駆動することにより、摺動部を駆動主軸に沿って移動させる圧電素子(18)と、摺動部と動輪とを連結し、摺動部の直線移動を動輪の回動に変換する駆動方向変換機構(30,32)と、を有することを特徴としている。
【選択図】図2

Description

本発明は、絞り機構に関し、特に、撮像装置用の絞り機構、及びそれを備えたレンズユニット、カメラに関する。
従来、撮像装置用の絞り機構の駆動には、DCモータ、或いはステッピングモータが用いられている。これらの絞り機構においては、絞り羽根を駆動して、絞り羽根の開口径を調整するための動輪が備えられており、この動輪を、光軸を中心に回動させるためにDCモータ、或いはステッピングモータが使用されている。
また、特開平6−315284号公報(特許文献1)には回転駆動装置が記載されており、この回転駆動装置おいては、絞り機構を回転駆動するために圧電素子が使用されている。即ち、この回転駆動装置では、絞り機構の動輪に2つの圧電素子を装着し、この圧電素子が高速で伸縮を繰り返す際の慣性力に基づいて動輪が駆動される。
特開平6−315284号公報
しかしながら、動輪の駆動にDCモータを使用した場合には、動輪が停止している状態において、DCモータは動輪を停止位置に保持するためのトルクを発生しないため、動輪を停止位置に保持する別の機構が必要となるという問題がある。また、動輪の駆動にステッピングモータを使用した場合には、動輪を停止位置に保持するためにステッピングモータに通電し続ける必要があり、消費電力が大きくなるという問題がある。
また、特開平6−315284号公報記載の圧電素子を使用した回転駆動装置においても、動輪を所定の位置に保持するトルクを得ることができない。
従って、本発明は、消費電力を抑制しながら、絞り羽根の開口径を保持することができる絞り機構、及びそれを備えたレンズユニット、カメラを提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明は、撮像装置用の絞り機構であって、複数枚の絞り羽根と、中心軸線を中心として回動されることにより、絞り羽根の開口径を調整する動輪と、この動輪の中心軸線に対して略直交する方向に延びるように配置された駆動主軸と、この駆動主軸に、摺動可能に取り付けられた摺動部と、駆動主軸を、その軸線方向に振動的に駆動することにより、摺動部を駆動主軸に沿って移動させる圧電素子と、摺動部と動輪とを連結し、摺動部の直線移動を動輪の回動に変換する駆動方向変換機構と、を有することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、複数枚の絞り羽根の開口径が、動輪が中心軸線に沿って回動されることにより調整される。また、動輪の中心軸線に対して略直交する方向に延びるように配置された駆動主軸には、摺動部が摺動可能に取り付けられている。圧電素子は、駆動主軸を軸線方向に振動的に駆動することにより、摺動部を駆動主軸に沿って移動させる。この摺動部の直線移動は、駆動方向変換機構により、動輪の回動に変換され、絞り羽根の開口径が変化される。
このように構成された本発明によれば、駆動主軸を圧電素子よって振動的に駆動することにより摺動部が移動され、動輪が回動されると共に、圧電素子に電圧が印加されていない状態においては、駆動主軸と摺動部との間の摺動抵抗により摺動部及び絞り羽根の位置が保持される。これにより、消費電力を抑制しながら、絞り羽根の開口径を保持することができる。
本発明において、好ましくは、駆動方向変換機構は、動輪に設けられた係合突起、及び摺動部に設けられ、係合突起を挟んで両側にほぼ平行に延びるように形成された2本の駆動用ビーム部材を有する。
このように構成された本発明によれば、簡単な構造で、摺動部の直線移動を動輪の回動に、確実に変換することができる。
本発明において、好ましくは、さらに、駆動主軸と平行に配置され、駆動主軸を中心とする摺動部の回転を阻止するように、摺動部に対して摺動可能に取り付けられた副軸を有する。
このように構成された本発明によれば、駆動主軸を中心とする摺動部の回転が副軸により阻止されるので、駆動方向変換機構を、より確実に作動させることができる。
本発明において、好ましくは、さらに、固定部と、この固定部又は摺動部の何れか一方に取り付けられた磁気抵抗素子と、この磁気抵抗素子と向かい合うように、固定部又は摺動部の他方に取り付けられた位置検出用磁石と、を有する。
このように構成された本発明においては、磁気抵抗素子に対する位置検出用磁石の移動が磁気抵抗素子により検出され、この磁気抵抗素子の検出信号に基づいて摺動部の移動が検出される。
このように構成された本発明によれば、簡単なセンサにより、非接触で、正確に摺動部の移動を検出することができ、これにより、正確に絞り羽根の開度を求めることができる。
また、本発明は、レンズユニットであって、レンズ鏡筒と、このレンズ鏡筒の内部に配置された撮像用レンズと、本発明の絞り機構と、を有することを特徴としている。
また、本発明は、カメラであって、カメラ本体と、本発明のレンズユニットと、を有することを特徴としている。
本発明の絞り機構、及びそれを備えたレンズユニット、カメラによれば、消費電力を抑制しながら、絞り羽根の開口径を保持することができる。
本発明の実施形態によるカメラの断面図である。 開放状態における絞り機構の斜視図である。 開口径を絞った状態における絞り機構の斜視図である。 摺動部を下方に移動させる場合において、圧電素子に印加する電圧波形の一例を示すグラフである。 摺動部を上方に移動させる場合において、圧電素子に印加する電圧波形の一例を示すグラフである。
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
まず、図1乃至図5を参照して、本発明の実施形態によるカメラを説明する。図1は本発明の実施形態によるカメラの断面図である。
図1に示すように、本発明の実施形態のカメラ1は撮像装置であり、レンズユニット2と、カメラ本体4と、を有する。レンズユニット2は、レンズ鏡筒6と、このレンズ鏡筒の中に配置された複数の撮像用レンズ8と、透過光量を調節する絞り機構10と、を有する。
レンズユニット2は、カメラ本体4に取り付けられ、入射した光を撮像素子Cに結像させるように構成されている。
概ね円筒形のレンズ鏡筒6は、内部に複数の撮像用レンズ8を保持しており、一部の撮像用レンズ8を移動させることによりピント調整を可能としている。また、レンズ鏡筒6の内部に配置された絞り機構10により、撮像素子Cに入射する光量を調整するように構成されている。
次に、図2及び図3を参照して、本発明の実施形態によるカメラ1に内蔵されている絞り機構10の構成を説明する。図2は開放状態における絞り機構10の斜視図であり、図3は開口径を絞った状態における絞り機構10の斜視図である。なお、図2及び図3は、絞り機構10の絞り機構筐体の正面カバーを取り外した状態で示されている。
図2及び図3に示すように、絞り機構10は、絞り機構筐体12と、動輪14と、複数枚の絞り羽根16と、カムプレート17(図1)と、圧電素子18と、この圧電素子18に取り付けられた駆動主軸20と、この駆動主軸20に取り付けられた摺動部22と、駆動主軸20と平行に配置された副軸24と、を有する。また、絞り機構10は、固定部である絞り機構筐体12の正面カバー12a(図1)に取り付けられた磁気抵抗素子であるMR素子26と、この磁気抵抗素子26と向かい合うように摺動部22に取り付けられた位置検出用磁石であるMR磁石28と、を有する。
絞り機構筐体12は、絞り機構10の各部品が収納された箱形の部材であり、動輪14を回動可能に支持すると共に、この動輪14を駆動するための駆動手段を内蔵している。また、絞り機構筐体12には、動輪14の開口部と整合するように円形の開口が設けられており、絞り機構10に入射した光が透過できるようになっている。また、絞り機構筐体12には、絞り機構筐体正面の開口部を覆うように正面カバー12a(図1)が取り付けられている。この正面カバー12aにも、動輪14の開口部と整合するように円形の開口が設けられている。
動輪14は、円形の平板であり、その中心に円形の開口部14aが形成されている。この動輪14は、絞り機構筐体12により、中心軸線Aを中心に回動可能に支持されている。なお、中心軸線Aは、レンズユニット2の光軸A(図1)と一致している。また、動輪14には、中心軸線Aを中心とする円の円周上に、8つの絞り羽根軸受14bが設けられている。8枚の絞り羽根16は、夫々、各絞り羽根軸受14bを中心に回動可能に取り付けられている。
絞り羽根16は、先端に向かって先細に形成された薄板であり、本実施形態においては8枚設けられている。また、各絞り羽根16には、中心軸線Aと平行に延びる回転軸(図示せず)が設けられており、これら回転軸が動輪14の各絞り羽根軸受14bに受け入れられている。各絞り羽根16が回転軸(図示せず)を中心に回動されることにより、絞り機構10は、図2に示す開放状態や、図3に示すような絞られた状態をとることができる。
カムプレート17(図1)はカム溝(図示せず)が形成されたドーナツ形の平板であり、絞り機構筐体12内に、動輪14と平行に固定されている。各絞り羽根16は、カムプレート17と動輪14との間に挟まれるように配置されている。各絞り羽根16のカムプレート側の面には、カムフォロワ突起(図示せず)が形成されており、これらのカムフォロワ突起は、カムプレート17に形成された8本のカム溝(図示せず)に夫々受け入れられている。これにより、動輪14が回動されると、これに取り付けられた各絞り羽根16は動輪14と共に回動される。この際、各絞り羽根16に設けられたカムフォロワ突起(図示せず)がカム溝(図示せず)に沿って移動され、これにより、各絞り羽根16は各絞り羽根軸受14bを中心に回動される。なお、本実施形態において採用されているカムプレート17及び動輪14によって各絞り羽根16を回動させる機構は、広く使用されている周知の機構である。
圧電素子18は、複数の圧電素材を積層して形成された直方体形状の部品であり、絞り機構筐体12内に固定されている。圧電素子18は、所定の駆動電圧が印可されることにより、駆動主軸20の軸線方向に伸縮される。
駆動主軸20は、一方の端が圧電素子18に取り付けられた金属製の軸であり、中心軸線Aに直交する平面内に延びるように配置されている。また、駆動主軸20は、動輪14の側方に配置され、動輪14の中心軸線Aを中心とする円の接線方向に延びるように向けられている。さらに、駆動主軸20の圧電素子18に取り付けられていない方の端は、その軸線方向に移動可能に構成されている。この駆動主軸20の端は、自由端として構成することもでき、或いは、軸線方向の移動のみ可能に支持することもできる。駆動主軸20は、圧電素子18に駆動電圧が印加され、圧電素子18が伸縮されると、その軸線方向に振動される。具体的な駆動電圧波形については後述する。
摺動部22は、駆動主軸20に対して適度な摩擦抵抗をもって摺動可能に取り付けられた部材である。摺動部22は、摺動部本体22a及び押さえプレート22bから構成され、これらの間に駆動主軸20を挟むことにより、駆動主軸20に取り付けられる。摺動部本体22aには、V字型断面のV字溝22cが設けられており、この中に駆動主軸20が配置されている。また、押さえプレート22bは、摺動部本体22aに、V字溝22cと向かい合うように取り付けられており、これにより、V字溝22cと押さえプレート22bとの間に駆動主軸20が挟まれ、摺動部22は駆動主軸20に沿って摺動される。
副軸24は、絞り機構筐体12に、駆動主軸20と平行に取り付けられた軸である。副軸24は、摺動部本体22aに設けられたガイド溝22dに摺動可能に受け入れられている。これにより、駆動主軸20を中心とする摺動部22の回転が阻止され、摺動部22は駆動主軸20に沿った並進移動のみが許容される状態で支持される。
MR素子26は、絞り機構筐体12の正面カバー12aに、摺動部22と向かい合うように取り付けられている。一方、摺動部22には、MR素子26と向かい合うように、MR磁石28が取り付けられている。MR磁石28は、駆動主軸20と平行に延びるように配置された細長い磁石であり、長手方向に沿ってS極とN極が所定のピッチで交番するように着磁されている。これにより、摺動部22が移動されると、MR素子26によって検出されるMR磁石28の磁気が変化し、摺動部22の絶対的な位置を検出することができる。
次に、図2及び図3を参照して、駆動方向変換機構の構成を説明する。
駆動方向変換機構は、摺動部22の駆動主軸20に沿う直線運動を、動輪14の回転運動に変換する機構である。図2及び図3に示すように、駆動方向変換機構は、動輪14に設けられた係合突起30と、摺動部22に設けられた2本の駆動用ビーム部材32と、を有する。
係合突起30は、動輪14の、絞り羽根16とは反対側の面に設けられた円柱形の突起であり、この円柱形の中心軸線は、動輪14の中心軸線Aと平行に向けられている。
駆動用ビーム部材32は、摺動部22の側面から動輪14に向けて、動輪14の板面と平行に延びる2本の片持ち梁状の部材である。各駆動用ビーム部材32は、係合突起30を挟むように係合突起30の両側に設けられている。また、2本の駆動用ビーム部材32は、駆動主軸20に対して直交する方向に、互いにほぼ平行に延びるように形成されており、それらの間に係合突起30を摺動可能に、概ねガタなく受け入れている。
これにより、図2に示す状態から摺動部22が下方に移動されると、係合突起30は、上側の駆動用ビーム部材32により下方に押し下げられながら、上側の駆動用ビーム部材32に沿って摺動される。これに伴い動輪14は、中心軸線Aを中心として図2における反時計回りに回動され、摺動部22の直線運動が動輪14の回転運動に変換される。
同様に、図3に示す状態から摺動部22が上方に移動されると、係合突起30は、下側の駆動用ビーム部材32により上方に押し上げられながら、下側の駆動用ビーム部材32に沿って摺動される。これに伴い動輪14は、中心軸線Aを中心として図3における時計回りに回動され、摺動部22の直線運動が動輪14の回転運動に変換される。
次に、図4及び図5を参照して、本発明の実施形態による絞り機構10の作用を説明する。
図4は、摺動部22を下方に移動させる場合において、圧電素子18に印加する電圧波形の一例を示すグラフであり、図5は、摺動部22を上方に移動させる場合において、圧電素子18に印加する電圧波形の一例を示すグラフである。なお、図4及び図5に示す電圧波形は一例であり、他の電圧波形により摺動部を移動させることもできる。
まず、本実施形態においては、圧電素子18は、正の電圧を印可すると、駆動主軸20の軸線方向の長さが伸張するように構成されている。なお、変形例として、電圧が印加された際に軸線方向の長さが収縮するように、圧電素子を構成し、或いは圧電素子に印加する電圧の極性を設定することもできる。図4は、摺動部22を下方に移動させる場合に印加される電圧波形のグラフであり、縦軸に印加電圧、横軸に時間を示している。本実施形態においては、図4における周期Tの電圧波形が、1秒当たり2万乃至6万回(20kHz乃至60kHz)圧電素子18に印加される。このように、本実施形態においては、超音波帯域の周期的な電圧波形を圧電素子18に印加することにより、圧電素子18の伸縮が繰り返され、駆動主軸20は振動的に駆動される。
図4の時刻t1においては、圧電素子18に印加される電圧が瞬時にV1に上昇される。これにより、圧電素子18は急速に伸張され、これに取り付けられた駆動主軸20は、図2及び図3における上方に急速に移動される。この際、駆動主軸20に取り付けられた摺動部22は、その慣性により圧電素子18が伸張される前の位置にほぼ止まり、その位置は殆ど変化しない。即ち、時刻t1において、駆動主軸20は急速に上方に移動される一方、摺動部22は慣性により元の位置に止まる性質があるため、駆動主軸20と摺動部22の間に滑りが生じ、摺動部22はほぼ元の位置に止まる。
次いで、図4の時刻t1〜t2においては、圧電素子18に印加される電圧がV1から0に直線的に低下される。これに伴い、圧電素子18は、時刻t1において伸張された長さから、時刻t1において伸張される前の長さに収縮される。これにより、駆動主軸20は、時刻t1〜t2の間に圧電素子18が収縮した長さだけ、図2及び図3における下方に移動される。この際、駆動主軸20は、比較的緩やかに移動されるため、今度は、駆動主軸20と摺動部22の間には殆ど滑りが発生せず、摺動部22は駆動主軸20と共に下方に移動される。これにより、動輪14は、図2及び図3における反時計回りに回動され、絞り羽根16の開度が小さくなる。
その後、時刻t2〜t3においては、圧電素子18に印加される電圧は0に維持され、圧電素子18は元の長さに維持される。さらに、時刻t1から1周期T経過後の時刻t3において、時刻t1と同様に、駆動主軸20は急速に上方に移動されるが、摺動部22の位置はほぼそのまま維持される。このように、時刻t1〜t3における作用を多数回繰り返すことにより、駆動主軸20に摺動可能に取り付けられた摺動部22は、下方に移動される。また、摺動部22は、駆動主軸20に対し、固体摩擦による適度な摺動抵抗をもって取り付けられている。このため、圧電素子18に対する印加電圧が停止された状態では、摺動部22と駆動主軸20の間に作用する静止摩擦力により摺動部22の位置が保持され、動輪14の回動位置もこの力により保持される。
一方、摺動部22を上方に移動させる場合には、図5に示す波形の電圧が、圧電素子18に印加される。まず、図5の時刻t4においては、圧電素子18に印加されていた電圧V1が、瞬時に0に低下される。これにより、圧電素子18の長さは急速に電圧印加前の長さに収縮し、駆動主軸20は、図2及び図3における下方に、急速に移動される。この際、駆動主軸20の移動は急速であるため、駆動主軸20と摺動部22の間に滑りが発生し、摺動部22の位置はほぼそのまま維持される。
次いで、図5の時刻t4〜t5においては、圧電素子18に印加される電圧が0からV1に直線的に上昇される。これに伴い、圧電素子18は、時刻t4における元の長さから、電圧V1の印加したときの長さまで伸張される。これにより、駆動主軸20は、時刻t4〜t5の間に圧電素子18が伸張した長さだけ、図2及び図3における上方に移動される。この際、駆動主軸20は、比較的緩やかに移動されるため、駆動主軸20と摺動部22の間には殆ど滑りが発生せず、摺動部22は駆動主軸20と共に上方に移動される。これにより、動輪14は、図2及び図3における時計回りに回動され、絞り羽根16の開度が大きくなる。
その後、時刻t5〜t6においては、圧電素子18に印加される電圧はV1に維持され、圧電素子18は伸張された長さに維持される。さらに、時刻t4から1周期T経過後の時刻t6において、時刻t4と同様に、駆動主軸20は急速に下方に移動されるが、摺動部22の位置はほぼそのまま維持される。このように、時刻t4〜t6における作用を多数回繰り返すことにより、駆動主軸20に摺動可能に取り付けられた摺動部22は、上方に移動される。
また、駆動主軸20に沿った摺動部22の移動は、摺動部22に取り付けられたMR磁石28の磁気を、正面カバー12aに取り付けられたMR素子26が読み取ることによって検出される。また、摺動部22の位置に対する絞り羽根16の開度は、予め求めることができるため、MR素子26の検出信号により絞り羽根16の開度を検出することができる。なお、摺動部22の絶対位置に対するMR素子26の検出信号は予め較正されており、MR素子26の検出信号に基づいて摺動部22の絶対位置、及び絞り羽根16の絶対的な開度を検出することができる。
本発明の実施形態のカメラ1によれば、駆動主軸20を圧電素子18よって振動的に駆動することにより摺動部22が移動され、動輪14が回動されると共に、圧電素子18に電圧が印加されていない状態においては、駆動主軸20と摺動部20との間の固体摩擦に基づく摺動抵抗により摺動部22及び絞り羽根16の位置が保持される。これにより、消費電力を抑制しながら、絞り羽根16の開口径を保持することができる。
また、本実施形態のカメラ1によれば、駆動方向変換機構は、動輪14に設けられた係合突起30、及び摺動部22に設けられ、係合突起30を挟んで両側にほぼ平行に延びるように形成された2本の駆動用ビーム部材32から構成されている(図2及び図3)。これにより、簡単な構造で、摺動部22の直線移動を動輪14の回動に、確実に変換することができる。
さらに、本実施形態のカメラ1によれば、駆動主軸20と平行に配置され、駆動主軸20を中心とする摺動部22の回転を阻止する副軸24が設けられている(図2及び図3)ので、駆動主軸20を中心とする摺動部20の回転が阻止され、駆動方向変換機構を、より確実に作動させることができる。
また、本実施形態のカメラ1によれば、MR素子26に対するMR磁石28の移動がMR素子26により検出され(図2及び図3)、このMR素子26の検出信号に基づいて摺動部22の移動が検出されるので、簡単なセンサにより、非接触で、正確に摺動部22の移動を検出することができ、これにより、正確に絞り羽根16の開度を求めることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。特に、上述した実施形態では、本発明をデジタルカメラに適用していたが、本発明は、フィルムカメラ、ビデオカメラ等、静止画又は動画撮像用の任意の撮像装置に適用することができる。また、本発明を、これらのカメラのカメラ本体と共に使用されるレンズユニットに適用することもできる。
また、上述した実施形態においては、動輪14の側に係合突起30を設け、摺動部22に2本の駆動用ビーム部材32を設けることにより駆動方向変換機構を構成していたが、例えば、これらの関係を逆にすることもできる。即ち、動輪の板面に2本のビーム状の突起を設けておき、これらのビーム状の突起の間に受け入れられ、これらの間で摺動できるように、係合突起を摺動部に設けても良い。この他、摺動部の直線運動を、動輪の回転運動に変換することができる任意の機構を、駆動方向変換機構として採用することができる。
さらに、上述した実施形態においては、摺動部22にMR磁石28が取り付けられ、この磁気を、絞り機構10の固定側に取り付けられたMR素子26により検出していたが、摺動部にMR素子を取り付け、固定側にMR磁石を取り付けることもできる。
1 本発明の実施形態のカメラ(撮像装置)
2 レンズユニット
4 カメラ本体
6 レンズ鏡筒
8 撮像用レンズ
10 絞り機構
12 絞り機構筐体
12a 正面カバー(固定部)
14 動輪
14a 開口部
14b 絞り羽根軸受
16 絞り羽根
17 カムプレート
18 圧電素子
20 駆動主軸
22 摺動部
22a 摺動部本体
22b 押さえプレート
22c V字溝
22d ガイド溝
24 副軸
26 MR素子(磁気抵抗素子)
28 MR磁石(位置検出用磁石)
30 係合突起
32 駆動用ビーム部材

Claims (6)

  1. 撮像装置用の絞り機構であって、
    複数枚の絞り羽根と、
    中心軸線を中心として回動されることにより、上記絞り羽根の開口径を調整する動輪と、
    この動輪の中心軸線に対して略直交する方向に延びるように配置された駆動主軸と、
    この駆動主軸に、摺動可能に取り付けられた摺動部と、
    上記駆動主軸を、その軸線方向に振動的に駆動することにより、上記摺動部を上記駆動主軸に沿って移動させる圧電素子と、
    上記摺動部と上記動輪とを連結し、上記摺動部の直線移動を上記動輪の回動に変換する駆動方向変換機構と、
    を有することを特徴とする絞り機構。
  2. 上記駆動方向変換機構は、上記動輪に設けられた係合突起、及び上記摺動部に設けられ、上記係合突起を挟んで両側にほぼ平行に延びるように形成された2本の駆動用ビーム部材を有する請求項1記載の絞り機構。
  3. さらに、上記駆動主軸と平行に配置され、上記駆動主軸を中心とする上記摺動部の回転を阻止するように、上記摺動部に対して摺動可能に取り付けられた副軸を有する請求項1又は2に記載の絞り機構。
  4. さらに、固定部と、この固定部又は上記摺動部の何れか一方に取り付けられた磁気抵抗素子と、この磁気抵抗素子と向かい合うように、上記固定部又は上記摺動部の他方に取り付けられた位置検出用磁石と、を有する請求項1乃至3の何れか1項に記載の絞り機構。
  5. レンズユニットであって、
    レンズ鏡筒と、
    このレンズ鏡筒の内部に配置された撮像用レンズと、
    請求項1乃至4の何れか1項に記載の絞り機構と、
    を有することを特徴とするレンズユニット。
  6. カメラであって、
    カメラ本体と、請求項5記載のレンズユニットと、
    を有することを特徴とするカメラ。
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