JP2013139041A - コルゲートフィンの製造方法 - Google Patents

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Toshimitsu Kamata
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Abstract

【課題】フィン材の幅方向の位置ズレを防止する。
【解決手段】コルゲートフィンの製造方法は、熱交換器において積層された扁平管の間に配置されるコルゲートフィンの製造方法であって、ガイド孔形成ステップと、変形ステップとを備える。ガイド孔形成ステップでは、第1の領域において、フィン材の位置決めを行うためのガイド孔を形成する。第1の領域とは、扁平管と接触しないフィン材の領域であってフィン材の幅方向に延びる領域である。変形ステップでは、ガイド孔を保持する。さらに、変形ステップでは、第2の領域が山部および谷部のいずれかとなるように、第1の領域および第2の領域の境界部分を折り曲げてフィン材の側面視形状を変形する。第2の領域とは、扁平管と接触するフィン材の領域であってフィン材の長さ方向において第1の領域に隣接する領域である。
【選択図】図7

Description

本発明は、コルゲートフィンの製造方法に関する。
従来、空気調和機の熱交換器に、例えば、特許文献1(特開2010−2138号公報)に示すような、コルゲートフィンを用いることが提案されている。コルゲートフィンは、熱交換器の性能を向上させるために、フィン材に様々な加工(例えば、ルーバー加工、折り曲げ加工等)を施すことが好ましい。
ところで、コルゲートフィンは、アンコイラによって繰り出されたフィン材を複数の装置に順番に送り、各装置においてそれぞれの加工を施すことによって製造される。ここで、フィン材の加工に必要な装置が増えれば増えるほど、フィン材の長手方向における加工位置にずれが生じやすい。
本発明の課題は、フィン材における加工位置のズレを防止するコルゲートフィンの製造方法を提供することにある。
本発明の第1観点に係るコルゲートフィンの製造方法は、熱交換器において積層された扁平管の間に配置されるコルゲートフィンの製造方法であって、ガイド孔形成ステップと、変形ステップとを備える。ガイド孔形成ステップでは、第1の領域において、フィン材の位置決めを行うためのガイド孔を形成する。第1の領域とは、扁平管と接触しないフィン材の領域であってフィン材の幅方向に延びる領域である。変形ステップでは、ガイド孔を保持する。さらに、変形ステップでは、第2の領域が山部および谷部のいずれかとなるように、第1の領域および第2の領域の境界部分を折り曲げてフィン材の側面視形状を変形する。第2の領域とは、扁平管と接触するフィン材の領域であってフィン材の長さ方向において第1の領域に隣接する領域である。
本発明の第1観点に係るコルゲートフィンの製造方法では、扁平管と接触しないフィン材の領域にガイド孔が形成された後、ガイド孔が保持された状態でフィン材の側面視形状が変形される。これにより、複数のステップによりコルゲートフィンを製造する場合であっても、フィン材の位置ズレを防止することができる。
本発明の第2観点に係るコルゲートフィンの製造方法は、第1観点に係るコルゲートフィンの製造方法であって、切り起こし部形成ステップをさらに備える。切り起こし部形成ステップでは、第1領域の幅方向に並べて複数の切り起こし部を形成する。
本発明の第2観点に係るコルゲートフィンの製造方法では、切り起こし部形成ステップにおいて、第1の領域の幅方向に並べて複数の切り起こし部が形成される。これにより、熱交換器の熱交換効率を向上させるコルゲートフィンを製造することができる。
本発明の第3観点に係るコルゲートフィンの製造方法は、第1の観点または第2の観点に係るコルゲートフィンの製造方法であって、切り込み部形成ステップをさらに備える。切り込み部形成ステップでは、第2の領域においてフィン材の幅方向中央部側から端部に延びる切り込み部を形成する。
本発明の第3観点に係るコルゲートフィンの製造方法では、切り込み部形成ステップで、フィン材に、切り込み部が形成される。これにより、フィン材に凝縮水の流れをガイドする導水部を形成することができる。
本発明の第4観点に係るコルゲートフィンの製造方法は、第2の観点または第3の観点に係るコルゲートフィンの製造方法であって、ガイド孔形成ステップにおいて、ガイド孔は、第1の領域における前記複数の切り起こし部の間、および、第1領域における端部近傍のいずれかに形成される。
本発明の第4観点に係るコルゲートフィンの製造方法では、ガイド孔が第1の領域における複数の切り起こし部の間、および第1の領域における端部近傍のいずれかに形成される。これにより、熱交換器の水捌け性を維持することができる。
本発明の第5観点に係るコルゲートフィンの製造方法は、第2の観点から第4の観点のいずれかに係るコルゲートフィンの製造方法であって、ガイド孔は、第1の領域のうち、境界部分に近い部分に形成される。
本発明の第5観点に係るコルゲートフィンの製造方法では、ガイド孔が第1の領域において境界部分に近い部分に形成される。これにより、保持し易いガイド孔を形成することができる。
本発明の第6観点に係るコルゲートフィンの製造方法は、第3の観点から第5の観点のいずれかに係るコルゲートフィンの製造方法であって、変形ステップでは、突出部を形成する。突出部は、境界部分を折り曲げることにより、山部または谷部となる第2の領域に対して、フィン材の第2部分を突出させて形成される。フィン材の第2部分とは、第2の切り込み部に隣接する部分である。
本発明の第6観点に係るコルゲートフィンの製造方法では、変形ステップにおいて、第1の領域および第2の領域の境界部分を折り曲げることで、第2の切り込み部に隣接する部分を山部または谷部に対して突出させる。これにより、限られたステップで、フィン材に多数の加工を施すことができる。
本発明の第1観点に係るコルゲートフィンの製造方法は、複数のステップによりコルゲートフィンを製造する場合であっても、フィン材の位置ズレを防止することができる。
本発明の第2観点に係るコルゲートフィンの製造方法は、熱交換器の熱交換効率を向上させるコルゲートフィンを製造することができる。
本発明の第3観点に係るコルゲートフィンの製造方法は、フィン材に凝縮水の流れをガイドする導水部を形成することができる。
本発明の第4観点に係るコルゲートフィンの製造方法は、熱交換器の水捌け性を維持することができる。
本発明の第5観点に係るコルゲートフィンの製造方法は、保持し易いガイド孔を形成することができる。
本発明の第6観点に係るコルゲートフィンの製造方法は、限られたステップで、フィン材に多数の加工を施すことができる。
本実施形態に係るコルゲートフィンが用いられる熱交換器の外観図である。 図1の領域Aで示す部分の拡大図である。 フィン材に施される加工を説明するための図である。 本実施形態に係るコルゲートフィン製造装置の概略図である。 第1加工装置に含まれる円筒ローラの例を示す図である。 第2加工装置に含まれる歯車状ローラの例を示す図である。 コルゲートフィンの製造方法の流れを説明するための図である。 変形例Aに係るガイド孔が形成されるフィン材の位置を示す図である。 変形例Gに係るコルゲートフィン製造装置の概略図である。
以下、本発明に係るコルゲートフィンの製造方法について、図面を参照しつつ詳述する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(1)概要
まず、本実施形態に係るコルゲートフィン20が用いられる熱交換器10を示す。コルゲートフィン20は、図1に示すような熱交換器10の伝熱フィンとして用いられる。熱交換器10は、空気調和装置の室外ユニットの内部に設けられ、蒸発器または放熱器として機能する。熱交換器10は、コルゲートフィン20の他、扁平管11およびヘッダ12,13からなる。熱交換器10において、コルゲートフィン20は、積層された扁平管11の間に配置されて用いられる。
扁平管11は、アルミニウムまたはアルミニウム合金から成形される。扁平管11は、図2に示すように、伝熱面となる平面部11aと、冷媒が流れる複数の冷媒流路11bを有する。扁平管11は、平面部11aを上下に向けた状態で、ヘッダ12,13と接合され、ヘッダ12,13の長軸方向に複数段積層される。コルゲートフィン20は、積層された扁平管11の間に配置される。言い換えると、コルゲートフィン20は、上下に隣接する扁平管11に挟まれた通風空間に配置される。コルゲートフィン20は、山部21および谷部22を有する。山部21および谷部22と扁平管11の平面部11aとがロウ付けされる。ヘッダ12,13は、冷媒を扁平管11の冷媒流路11bに導き、または、冷媒流路11bから出てきた冷媒を集合させる。具体的には、図1に示すように、ヘッダ12の入口12aから流入した冷媒は、最上段の扁平管11の各冷媒流路11bへほぼ均等に分配されヘッダ13に向って流れる。ヘッダ13に達した冷媒は、2段目の扁平管11の各冷媒流路11bへ均等に分配されヘッダ12へ向って流れる。最下段の扁平管11の各冷媒流路11bを流れてヘッダ12に達した冷媒は、ヘッダ12で集合し、出口12bから流出する。熱交換器10が蒸発器として機能するとき、冷媒流路11bを流れる冷媒は、コルゲートフィン20を介して通風空間を流れる空気流から吸熱する。熱交換器10が凝縮器として機能するときは、冷媒流路11bを流れる冷媒は、コルゲートフィン20を介して通風空間を流れる空気流へ放熱する。
本実施形態に係るコルゲートフィン20は、上記のように、熱交換器10の伝熱フィンとして用いた場合に、熱交換器10で発生する結露水(凝縮水)によって熱交換性能の低下が生じないように、フィン材20aに種々の加工を施している。以下、本実施形態に係るコルゲートフィン20の構成について詳細に説明し、その後、当該コルゲートフィン20の製造方法を説明する。
(2)コルゲートフィンの構成
コルゲートフィン20は、アルミニウム製またはアルミニウム合金製のフィン材20aによって形成される(図3参照)。フィン材20aの板厚寸法は、約0.1mmである。フィン材20aの幅寸法は、約19.0mm〜約22.0mmである。フィン材20aの幅寸法は、扁平管11の幅寸法より大きい。フィン材20aは、後述するアンコイラによってロール材から繰り出される。コルゲートフィン20は、上述したように、フィン材20aに種々の加工を施すことにより製造される(図2参照)。
コルゲートフィン20は、主として、山部21と、谷部22と、伝熱部P1と、導水部P2とを有する。山部21および谷部22は、フィン材20aの接触領域(第2の領域)BAに形成される(図3参照)。接触領域BAは、フィン材20aのうち、扁平管11に接触することになる領域である。一方、伝熱部P1および導水部P2は、フィン材20aの非接触領域(第1の領域)NAに形成される(図3参照)。非接触領域NAは、フィン材20aのうち扁平管11に接触しない領域である。以下、フィン材20aの接触領域BAに形成される構成と非接触領域NAに形成される構成とを分けて、本実施形態に係るコルゲートフィン20の構成を説明する。
(2−1)接触領域
接触領域BAは、フィン材20aの幅方向中央の領域(中央領域)CRに延びる領域であって、第1の幅寸法w1および第1の長さ寸法L1によって囲われる矩形の領域である。図3では、例えば、第1の幅寸法w1は、約18mmであり、第1の長さ寸法L1は、約1.5mmである。第1の幅寸法w1は、扁平管11の幅寸法と同じである。
後述するコルゲートフィン製造装置100を用いて、フィン材20aを加工することにより、フィン材20aの接触領域BAは、山部21または谷部22となる。山部21および谷部22は、上述したように、扁平管11の平面部11aにロウ付けされる部分である(図2参照)。山部21および谷部22は、扁平管11の平面部11aに面する平面を有する。山部21および谷部22の平面に対し、非接触領域NAの平面は、約90°の傾きを有する。山部21は、下方に向いた扁平管11の平面部11aと接合される。また、谷部22は、上方に向いた扁平管11の平面部11aと接合される。
なお、接触領域BAに形成される山部21および谷部22は、フィン材20aの幅方向中心位置c1に対して左右に対称の形状を有する(図3参照)。
(2−2)非接触領域
非接触領域NAは、フィン材20aの長手方向において、接触領域BAに隣接する領域である。非接触領域NAは、フィン材20aの幅方向一端から他端に延びる。具体的に、非接触領域NAは、中央領域CRと、中央領域CRの幅方向両端側に位置する端部領域ERとを含無料域である。より具体的に、非接触領域NAの幅寸法w2は、フィン材20aの幅寸法w2と同じである。フィン材12bの幅寸法w2は、例えば、約19.0mm〜約22.0mmである。
後述するコルゲートフィン製造装置100を用いて、フィン材20aを加工することにより、フィン材20aの非接触領域NAは、図2に示すように、伝熱部P1および導水部P2になる。なお、非接触領域NAもまた、フィン材20aの幅方向中心位置c1に対して左右に対称の形状を有する(図3参照)。すなわち、伝熱部P1および導水部P2の構成は、コルゲートフィン20の幅方向中心位置に対して左右に対称の形状を有する。
(2−2−1)伝熱部
伝熱部P1は、主として、空気と熱交換する部分である。フィン材20aの非接触領域NAのうち、中央領域CRが、コルゲートフィン20の伝熱部P1となる。伝熱部P1となる領域は、図3の幅寸法w1および長さ寸法L2で囲まれる部分である。すなわち、伝熱部P1の幅寸法w1は、接触領域BAの幅寸法w1と同じである。また、伝熱部P1の長さ寸法L2は、フィン材20aの長手方向において、上方に位置する接触領域BAの下側境界線DLから下方に位置する接触領域BAの上側境界線DLまでの寸法である。伝熱部P1は、空気流れ方向に概ね沿った平面を有する。また、伝熱部P1は、ルーバー(切り起こし部)23とガイド孔24とを有する。
(a)ルーバー
ルーバー23は、熱交換器10の熱交換効率を向上させる機能を有する。ルーバー23は、空気流れ方向に沿って配列するように形成される。ルーバー23は、伝熱部P1の平面から板厚方向に突出する(図2参照)。本実施形態に係るルーバー23は、フィン材20aの本体部分が部分的に切り起こされることにより形成される。したがって、ルーバー23が形成された伝熱部P1の平面部分には、平面の一方側から他方側へ貫通する開口が形成される。また、ルーバー23の形状は、伝熱部P1の高さ方向に延びる細長い矩形である。各ルーバー23は、コルゲートフィン20の幅方向において、所定の距離間隔をあけた位置に配置される。また、各ルーバー23は、空気流れ方向の上流側に傾くようにして傾斜する形状となっている。
(b)ガイド孔
ガイド孔24は、コルゲートフィン20を製造する際に、フィン材20aの位置決めを容易にするための孔である。具体的に、ガイド孔24は、フィン材20aがコルゲートフィン製造装置100に含まれる各装置30,40に搬送され、種々の加工が施される際、フィン材20aの適切な位置に加工を施すために各装置によって用いられる孔である。
ガイド孔24は、フィン材20aの本体部分が部分的に切り抜かれることにより形成される。本実施形態において、ガイド孔24は、フィン材20aの幅方向中心位置c1であって、ルーバー23の長さ方向中心位置h1に形成される(図3参照)。
(2−2−2)導水部
導水部P2は、主として、凝縮水を一方向に誘導する部分である。具体的に、導水部P2は、下方に凝縮水を誘導する機能を有する。より具体的に、導水部P2は、上段に配置されたコルゲートフィン20から凝縮水を受け取り、さらに、下段に配置されたコルゲートフィン20に凝縮水を受け渡す機能を有する。
非接触領域NAのうち、端部領域ERが導水部P2となる。導水部P2は、後述する突起部用スリット251を境界にフィン材20aが分離されることにより、フィン材20aの長手方向に複数形成される(図3参照)。導水部P2となる領域は、図3に示す幅寸法w3および長さ寸法L3を有する部分である。また、導水部P2の長手方向上下端は、上方または下方に傾く一辺を有する。さらに、導水部P2は、空気流れ方向に概ね沿った平面を有する。
(a)突起部
突起部25a,25bは、上述の山部21および谷部22の平面に対して直交方向に突出する部分である。突起部25a,25bは、導水部P2の高さ方向両端に設けられる。突起部25a,25bは、熱交換器10において、上段および下段に配置されたコルゲートフィン20の端部に近い位置または接触する位置まで延びる。すなわち、突起部25a,25bは、上段に配置された突起部25a,25bまたは導水部P2によって誘導された凝縮水を受け取り、下段に配置されたコルゲートフィン20の突起部25a,25bまたは導水部P2に受け渡す。
導水部P2の高さ方向上側に形成された突起部(上方突起部)25aは、山部21の平面に対して鉛直方向上側に突出する。上方突起部25aは、高さ位置に応じて幅が変化する。すなわち、上方突起部25aの幅は、山部21の平面と同じ高さ位置で最も広く、山部21の平面から遠ざかるにつれて(すなわち、高さ方向が高くなるにつれて)、狭くなる。言い換えると、上方突起部25aは、先端を鋭角とする略三角形状である。
一方、導水部P2の高さ方向下側に形成された突起部(下方突起部)25bは、谷部22の平面に対して鉛直方向下側に突出する。下方突起部25bもまた、高さ位置に応じて幅が変化する。すなわち、下方突起部25bの幅は、谷部22の平面と同じ高さ位置で最も広く、谷部22の平面から遠ざかるにつれて(すなわち、高さ方向が低くなるにつれて)、狭くなる。言い換えると、下方突起部25bも、先端を鋭角とする略三角形状である。
なお、突起部25a,25bが山部21および谷部22の平面に対して突出する量は、約0.5mm〜2.0mmである。また、突起部25a,25bの先端角度は、例えば、約10°〜60°である。
(b)連絡部
連絡部26は、上方突起部25aおよび下方突起部25bを繋ぐ部分である。連絡部26は、上方突起部25aから下方突起部25bに延びる平面を有する。上方突起部25aを伝って流れた凝縮水は、連絡部26を伝って下方突起部25bに流れる。その後、下方突起部25bから下段のコルゲートフィン20に凝縮水は受け渡される。
(3)コルゲートフィンの製造方法
本実施形態に係るコルゲートフィン20は、図4に示すような、コルゲートフィン製造装置100を用いて製造される。以下、コルゲートフィン製造装置100の簡単な説明と、コルゲートフィン製造装置100によるコルゲートフィン20の製造方法について説明する。
(3−1)コルゲートフィン製造装置
図4に示すように、コルゲートフィン製造装置100は、主として、アンコイラ90と、第1加工装置30と、第2加工装置40とからなる。コルゲートフィン製造装置100は、アンコイラ90を用いてフィン材20aを繰り出し、その後、フィン材20aを第1加工装置30および第2加工装置40へと順番に送り、各装置30,40においてそれぞれの加工を施すことによって、コルゲートフィン20を製造する装置である。
以下、図3から図6を参照しながら、コルゲートフィン製造装置100に含まれる第1加工装置30および第2加工装置40の構成を説明する。
(3−1−1)第1加工装置
第1加工装置30は、図4に示すように、アンコイラ90から繰り出されたフィン材20aに対して最初に加工を施す装置である。具体的に、第1加工装置30は、フィン材20aに、スリット形成加工およびガイド孔形成加工を施す。スリット形成加工とは、フィン材20aに、ルーバー23および突起部25a,25bを形成するためのスリットを形成することである。また、ガイド孔形成加工とは、フィン材20aにガイド孔24を形成することである。以下、スリット形成加工およびガイド孔形成加工の具体例と、スリット形成加工およびガイド孔形成加工とを行うための第1加工装置30の構成とについて説明する。
(a)スリット形成加工
本実施形態では、スリット形成加工として、ルーバー(切り起こし部)23を形成するためのルーバー用スリット(第1切り込み部)231と、突起部25a,25bを形成するための突起部用スリット(第2切り込み部)251とが形成される(図3参照)。
(a−1)ルーバー用スリット
ルーバー用スリット231は、上述したように、伝熱部P1となるフィン材20aの領域に形成される。具体的に、ルーバー用スリット231は、図3に示すように、非接触領域NAの中央領域CRに形成される。また、ルーバー用スリット231は、非接触領域NAの高さ方向中心位置h1を基準に、フィン材20aの幅方向に複数並べて形成される。また、各非接触領域NAにおいて形成される複数のルーバー用スリット231は、フィン材20aの長手方向において、それぞれ一直線上に形成される。
本実施形態において、ルーバー用スリット231は、等脚台形に近似した形状であって、上底および下底に相当する部分が、フィン材20aの長手方向に沿うように回転させた形状を有する(図3参照)。具体的には、等脚台形の上底に相当する部分233を除く部分が、ルーバー用スリット231である。図3において、ルーバー用スリット231は、実線で示す。言い換えると、ルーバー用スリット231は、フィン材20aの長手方向において、非接触領域NAの上下方向に延びる第1辺と、第1辺の上下端からそれぞれ鋭角に延びる第2辺とを含む。ルーバー用スリット231は、フィン材20aの幅方向中心位置c1を基準に左右対称の形状を有する。
(a−2)突起部用スリット
突起部用スリット251は、上述したように、導水部P2となるフィン材20aの領域にそれぞれ形成される。言い換えると、突起部用スリット251は、非接触領域NAの端部領域ERと、非接触領域NAおよび接触領域BAの境界線dl上(端部領域ERと中央領域CRとの境界線上)とに形成される。突起部用スリット251は、図3の実線251で示す略V字形状の部分である。突起部用スリット251は、フィン材20aの長手方向に沿って、複数形成される。以下、略V字形状の突起部用スリット251のうち、端部領域ERに形成される部分の突起部用スリット251と、境界線dl上に形成される突起部用スリット251とについてそれぞれ詳細に説明する。
端部領域ERにおける突起部用スリット251は、フィン材20aの幅方向中央部側から端部側に延びる。具体的に、端部領域ERにおける突起部用スリット251は、第1端部側の接触領域BAの頂点ap1,ap2からフィン材20aの第1端部に延びる。より具体的には、端部領域ERにおける突起部用スリット251は、フィン材20aの長手方向において第1の高さ位置にある頂点ap1と、第1の高さ位置とは異なる高さ位置(第2の高さ位置)の端部に延びる。ここで、端部の高さ位置(第2の高さ位置)は、第1の高さ位置の頂点ap1とは異なる高さ位置にある頂点ap2と同じ高さ位置であることが好ましい。なお、端部領域ERにおける突起部用スリット251には、第1スリット251aと、第2スリット251bとが含まれる。第1スリット251aは、接触領域BAの上方頂点ap1から、上方頂点ap1よりも下方位置にある端部(下方端部)に延びるスリットである。第2スリット251bは、接触領域BAの下方頂点ap2から、下方頂点ap2よりも上方に位置する端部(上方端部)に延びるスリットである。第1スリット251aおよび第2スリット251bは、フィン材20aの長手方向において交互に形成される。なお、上述したように、コルゲートフィン20は、フィン材20aの幅方向中心位置c1に対して左右対称の形状を有する。したがって、フィン材20aの幅方向中心位置c1を基準とした左右方向の端部領域ERには、同一種類のスリット251a,251bが形成されるものとする。すなわち、フィン材20aの幅方向右側に第1スリット251aが形成される場合、フィン材20aの幅方向左側で同じ高さ位置に形成する突起部用スリット251は、第1スリット251aである。
また、境界線dl上に形成される突起部用スリット251は、接触領域BAの頂点ap1から接触領域BAの頂点ap2、または、接触領域BAの頂点ap2から接触領域BAの頂点ap1に延びる。したがって、境界線dl上に形成される突起部用スリット251は、端部領域ERにおける突起部用スリット251とは、略V字形状の先端部で繋がる。
(b)ガイド孔形成加工
ガイド孔形成加工は、上述したように、フィン材20aにガイド孔24を形成することである。ガイド孔24は、フィン材20aの幅方向中心位置c1であって、ルーバー用スリット231の長さ方向中心位置h1に形成される。ガイド孔24は、接触領域BAを挟んだ非接触領域NAのそれぞれに形成される。言い換えると、ガイド孔24は、非接触領域NAの高さ方向中心位置h1に沿って、一直線上に形成される。
(c)第1加工装置の構造
第1加工装置30は、図4に示すように、一対の円筒ローラ31,32によって構成される。一対の円筒ローラ31,32は、高さ方向上下に配置される。円筒ローラ31,32は、フィン材20aを間に挟みこんで回転することにより、上述のスリット形成加工およびガイド孔形成加工を施す。なお、円筒ローラ31,32は、図示しないシャフトがモーターにより駆動されることにより回転する。
図5に、本実施形態に係る円筒ローラ31,41の例を示す。なお、上方に配置された円筒ローラ(上方円筒ローラ)31と、下方に配置された円筒ローラ(下方円筒ローラ)32とは、フィン材20aを挟み込むことによってフィン材20aに上述の加工が施せるように、噛み合わせ可能な構成となっている。以下、主として、上方円筒ローラ31の構成について説明する。なお、下方円筒ローラ32が上方円筒ローラ31の構成を有していてもよい。
上方円筒ローラ31の幅寸法w30は、フィン材20aの幅寸法w2と同一、またはフィン材20aの幅寸法w2より大きい。上方円筒ローラ31の幅寸法と、下方円筒ローラ32の幅寸法とは同じである。
上方円筒ローラ31は、表面に刃33が取り付けられている。表面に形成されている刃33には、第1の刃33aと、第2の刃33bと、第3の刃33cとが含まれる。第1の刃33aは、ルーバー用スリット231を形成するための刃である。第2の刃33bは、突起部用スリット251を形成するための刃である。第3の刃33cは、ガイド孔24を形成するための刃である。第1の刃33a、第2の刃33b、および第3の刃33cは、上述の加工が施されるように、ローラ表面に連続して配置されている。第1の刃33aは、ルーバー用スリット231と同様の形状を有する。第2の刃33bは、突起部用スリット251と同様の形状を有する。第3の刃33cは、ガイド孔24と同様に矩形の形状を有する。下方円筒ローラ32の表面には、第1の刃33a、第2の刃33b、および第3の刃33cに対応する位置に、第1の刃33a、第2の刃33b、および第3の刃33cを挿入可能な凹部が形成されている。
(3−1−2)第2加工装置
第2加工装置40は、図4に示すように、第1加工装置30の下流に配置される。第2加工装置40は、第1加工装置30によって加工されたフィン材(第1加工済みフィン材)20aに対し、さらに、ルーバー加工および折り曲げ加工と施す装置である。以下、ルーバー加工および折り曲げ加工の詳細と、第2加工装置40の構成とについて説明する。
(a)ルーバー加工
ルーバー加工とは、フィン材20aに形成されたルーバー用スリット231を用いてルーバー23を形成することである。具体的に、ルーバー加工とは、非接触領域NAにおけるフィン材20aの部分であって、ルーバー用スリット231に隣接する部分(隣接部232)を折り曲げることである(図3参照)。本実施形態では、破線233で示す部分(仮想線)を基準に隣接部232が折り曲げられる。言い換えると、隣接部232は、破線233を基準に起こし上げられる。仮想線233は、上述したルーバー用スリット231を構成する第2辺の端部を、上下方向に繋いだ線である。ルーバー加工により、隣接部232は、平面に対し所定の角度を有する。
(b)折り曲げ加工
折り曲げ加工とは、フィン材20aを、長手方向に折り曲げることによって、フィン材20aの側面視形状を波型に変形することである。具体的に、折り曲げ加工とは、接触領域BRのフィン材20aに対して非接触領域NAのフィン材20aを90°に近い角度になるように折り曲げることである。
具体的に、折り曲げ加工では、接触領域BRの境界となる部分(境界線)DLを基準にフィン材20aが長手方向に折り曲げられる。境界線DLは、フィン材20aの長手方向に直交する部分である。なお、折り曲げ加工において、フィン材20aの長手方向において、一つ接触領域BRの上下位置にある二本の境界線DL,DLは、同一方向(山折りまたは谷折りのいずれか一方)に曲げられる。また、折り曲げ加工では、フィン材20aに山部21および谷部22が交互に形成されるように、山折りおよび谷折りを交互に繰り返す。
なお、折り曲げ加工において、フィン材20aが境界線DLを基準に折り曲げられることにより、フィン材20aの端部領域ERにおける、突起部用スリット251を挟んだフィン材20aの上側部分と下側部分とは分離される。これにより、突起部用スリット251を挟んだフィン材20aの上側部分および下側部分のいずれか一方(突起部25aとなる部分)は、他方の面に対して突出する。すなわち、折り曲げ加工によって境界線DLを基準にフィン材20aが折り曲げられることにより、山部21または谷部22に対して上側または下側に突出する突起部25aが形成される。言い換えると、折り曲げ加工では、フィン材20aに、山部21および谷部22を形成すると共に、伝熱部P1および導水部P2を形成する。
(c)第2加工装置の構成
第2加工装置40は、図4に示すように、一対の歯車状ローラ41,42によって構成される。一対の歯車状ローラ41,42は、高さ方向上下に配置される。歯車状ローラ41,42は、第1加工済みフィン材20aを間に挟みこんで回転することにより、上述のルーバー加工および折り曲げ加工を施す。なお、歯車状ローラ41,42は、図示しないシャフトがモーターにより駆動されることにより回転する。
図6に、本実施形態に係る上方に配置された歯車状ローラ(上方歯車状ローラ)41の例を示す。なお、下方に配置された歯車状ローラ(下方歯車状ローラ)42は、上方歯車状ローラ41との間でフィン材20aを挟み込むことによってフィン材20aに上述の加工がさらに施せるように、上方歯車状ローラ41と噛み合わせ可能な構成となっている。以下、主として、上方歯車状ローラ41の構成について説明する。
上方歯車状ローラ41は、複数の歯面43と、歯先面44と、歯底面45とを有する。歯面43の幅寸法w40は、フィン材20aの中央領域CRの幅寸法w1と同じである。歯面43の歯たけ寸法L42は、一の非接触領域NA(具体的には、中央領域CR)の長さ寸法L2に対応する。歯先面44および歯底面45の長さ寸法L41は、接触領域DLの長さ寸法L1に対応する。すなわち、歯面43は、伝熱部P1に対応し、歯先面44および歯底面45は、山部21または谷部22にそれぞれ対応する。なお、上方歯車状ローラ41および下方歯車状ローラ42の寸法は同じである。
上方歯車状ローラ41は、各歯面43に、複数の凸部46と、一つのガイド孔保持部47とが形成されている。凸部46は、ルーバー23を形成するためのものである。具体的に、凸部46は、ルーバー用スリット231の一方側に隣接するフィン材20aの部分(隣接部分)232を、仮想線233を基準に折り曲げるための部分である。凸部46は、例えば、鋭角な先端部を有する山形形状であってもよい。凸部46によって、フィン材20aの隣接部分232は、仮想線233を挟んで隣接する平面に対し所定の角度傾く。ガイド孔保持部47は、ガイド孔24を保持する部分である。具体的には、ガイド孔保持部47もまた、ガイド孔24に対して突出する。ガイド孔保持部47がガイド孔24に突出することで、フィン材20aの幅方向および長手方向の移動が抑制され、フィン材20aの位置決めが行われる。言い換えると、ガイド孔保持部47がガイド孔24に突出することにより、フィン材20aの幅方向および長手方向の位置が規定される。下方歯車状ローラ42は、上方歯車状ローラ41と噛み合わせ可能なように、歯面43に、上記凸部46と嵌合可能な凹部と、上記ガイド孔保持部47に噛みあう凹部が形成されている。歯車状ローラ41,42の一の歯面43によって、一の非接触領域NAに対するルーバー加工が可能な構成になっている。
(3−2)製造方法の流れ
次に、図7を参照して、本実施形態に係るコルゲートフィン20の製造方法について説明する。
まず、ステップS1で、アンコイラ90によってフィン材20aが供給される。フィン材20aは、表面が水平面に対して平行になるような状態で、第1加工装置30に送られる。
次に、ステップS2で、フィン材20aを円筒ローラ31,32の間に挟みこむことにより、フィン材20aにスリット形成加工およびガイド孔形成加工を施す。ここで、スリット形成加工として、フィン材20aには、ルーバー用スリット231および突起部用スリット251が形成される。ルーバー用スリット231は、各非接触領域NAの中央領域CRにおいて、フィン材20aの幅方向に複数並べて形成される(切り起こし部形成ステップ)。突起部用スリット251は、非接触領域NAの端部領域ERと、非接触領域NAおよび接触領域BAの境界線dl上(端部領域ERと中央領域CRとの境界線上)とに形成される(切り込み部形成ステップ)。また、ガイド孔形成加工として、フィン材20aの幅方向中央であって、ルーバー用スリット231によって挟まれる位置にガイド孔24が形成される(ガイド孔形成ステップ)。その後、ステップS3に進む。
ステップS3では、フィン材20aの中央領域CRを歯車状ローラ41,42の間に挟みこみ、フィン材20aの位置決めをすると共に、フィン材20aにルーバー加工および折り曲げ加工を施す。ここで、ルーバー加工として、ルーバー用スリット231に隣接する隣接部232を、仮想線233を基準に折り曲げる(切り起こし部形成ステップ)。また、折り曲げ加工として、歯先面44のエッジまたは歯底面45のエッジを、フィン材20aの境界線DLに当接させ、境界線DLを基準にフィン材20aを長手方向に折り曲げる。これにより、フィン材20aに山部21と谷部22とを交互に形成し、フィン材20aの側面視形状を波型に変形する(変形ステップ)。なお、境界線DLを基準にフィン材20aが折り曲げられると、フィン材20aの端部領域ERは、突起部用スリット251を挟んで長手方向上下に分離される。分離された端部領域ERのうち、上側部分または下側部分のいずれか一方は、導水部P2の突起部25aとなる。
(4)特徴
(4−1)
上記実施形態に係るコルゲートフィンの製造方法では、フィン材20aに多数の加工を施すことによってコルゲートフィン20が製造される。ここで、フィン材20aに多数の加工を施す場合、各加工を施すために複数の装置が用いられる。フィン材20aの加工に複数の装置が用いられると、フィン材の搬送方向における加工位置にずれが生じやすい。上記実施形態に係るコルゲートフィンの製造方法では、フィン材20aにガイド孔24が形成される。ガイド孔24は、フィン材20aに最初に加工を施す装置(第1加工装置)30によってフィン材20aに形成される。また、第1加工装置30の後フィン材20aに加工を施す第2加工装置40は、ガイド孔24を保持してフィン材20aの位置決めを行った状態でフィン材20aに更なる加工を施す。したがって、フィン材20aの位置ズレを防止することができる。
(4−2)
また、上記実施形態に係るコルゲートフィンの製造方法では、ガイド孔24がフィン材20aの非接触領域NAに形成される。ガイド孔24は、フィン材20aを加工する際にフィン材20aの位置決めに利用される。ここで、フィン材20aへの加工が終了した後、ガイド孔24がコルゲートフィンの性能に影響を与えるべきではない。例えば、ガイド孔24が、フィン材20aの接触領域BRに形成された場合、熱交換器10に使用した場合、ガイド孔24は、扁平管11の平面部11aに対向する位置にくる。その結果、ガイド孔24の周縁部と平面部11aとにより、フィン材20aの板厚分の段差が形成される。すなわち、ガイド孔24に凝縮水が溜まりやすい構成となる。熱交換器10において、凝縮水が溜まると、熱交換器10の性能を低下させ好ましくない。
しかし、上記実施形態に係るコルゲートフィンの製造方法では、フィン材20aの非接触領域NAにガイド孔24が形成される。これにより、熱交換器10の性能低下を防止することができる。
(4−3)
さらに、上記実施形態に係るコルゲートフィンの製造方法では、ガイド孔24が、非接触領域NAの伝熱部P1に形成される。具体的に、ガイド孔24は、フィン材20aの幅方向中心位置c1であって、幅方向に並んで形成される複数のルーバー用スリット231の間に形成される。コルゲートフィン20は、熱交換器10に使用される際、図2に示すように、伝熱部P1が水平面に対して直交するように配置される。すなわち、熱交換器10においてコルゲートフィン20を使用している際、凝縮水がガイド孔24に付着した場合であっても、凝縮水は重力方向に流れるため、水捌け性を維持することができる。
(4−4)
さらに、上記実施形態に係るコルゲートフィンの製造方法では、第1加工装置30によってフィン材20aに対するスリット形成加工およびガイド孔形成加工が施される。また、第2加工装置40によって、さらにフィン材20aに対するルーバー加工および折り曲げ加工が施される。これにより、少ない数の装置によって多数の加工を施すことができる。
(4−5)
また、上記実施形態に係るコルゲートフィンの製造方法では、スリット加工において突起部用スリット251を形成し、折り曲げ加工において境界線DLを基準にフィン材20aを折り曲げることにより、突起部用スリット251に隣接する部分であって、突起部25aとなる部分が、山部21または谷部22に対して上側または下側に突出する。これにより、限られた工程でフィン材20aに多数の加工を施すことができる。
(4−6)
さらに、上記実施形態に係るコルゲートフィンの製造方法では、突起部25aに触れることなく突起部25aを山部21または谷部22に対して突出させる。熱交換器10で発生した凝縮水は、突起部25aを伝って、上段に配置されたコルゲートフィン20から下段に配置されたコルゲートフィン20へと受け渡される。したがって、突起部25aの表面は、平面であることが好ましい。ここで、例えば、上記実施形態に係るコルゲートフィンの製造方法とは異なり、突起部となる部分に接触して突起部を形成することとすると、突起部の表面を平面に保つことができない。これにより、凝縮水の誘導が適宜行われない可能性が生じる。しかし、上記実施形態に係るコルゲートフィンの製造方法では、突起部25aの表面を平面に保つことができるため、水捌け性を向上させることができる。
(5)変形例
(5−1)変形例A
上記実施形態に係るコルゲートフィンの製造方法では、ガイド孔24が、非接触領域NAの伝熱部P1となる非接触領域NAの中央領域CRに形成された。ここで、ガイド孔24は、図8に示すように、導水部P2となる非接触領域NAの端部領域ERに形成されてもよい。具体的に、ガイド孔24は、ルーバー用スリット231の長さ方向中心位置h1であって、フィン材20aの幅方向両端に形成されてもよい。ガイド孔24は、フィン材20aの幅方向中心位置c1に対して、左右対称となる位置であれば、非接触領域NAのどこに形成されていてもよい。これによっても、凝縮水がガイド孔24に付着した場合であっても、凝縮水を重力方向に流れるため、水捌け性を維持することができる。
また、ガイド孔24は、非接触領域NAのうち、境界線DLに近い部分に形成してもよい。これにより、歯車状ローラ41,42によってより確実にガイド孔24を保持することができる。
(5−2)変形例B
上記実施形態において形成されるガイド孔24の開口形状は、どのような形状であってもよい。例えば、ガイド孔24の開口形状は、矩形であっても、円形であっても、楕円形であってもよい。
(5−3)変形例C
上記実施形態に係るコルゲートフィン製造方法において、ルーバー23の形状は、伝熱部P1の高さ方向に延びる細長い矩形であったが、ルーバー23は他の形状を有していてもよい。
(5−4)変形例D
上記実施形態では、突起部25a,25bが、略三角形状である場合について説明した。ここで、突起部25a,25bは、先端に向けて幅が狭くなる形状であれば、略三角形状でなくてもよい。
(5−5)変形例E
上記実施形態において形成される突起部25a,25bの数や形は、如何なるものであってもよい。上記実施形態に係るコルゲートフィンの製造方法では、突起部25a,25bとなるフィン材20aの部分に触れることなく、突起部25a,25bを山部21または谷部22に対して突出させることができる。したがって、突起部25a,25bが小さい面積により構成される場合であったとしても、好適な突起部25a,25bを形成することができる。
(5−6)変形例F
上記実施形態では、第2加工装置40において折り曲げ加工を施し、接触領域BRのフィン材20aに対して非接触領域NAのフィン材20aを90°に近い角度になるように折り曲げた。ここで、第2加工装置40では、フィン材20aをわずかに折り曲げる構成とし、第2加工装置40の下流に配置した別の装置によってフィン材20aを90°または90°に近い角度に折り曲げるような構成としてもよい。
(5−7)変形例G
上記実施形態に係るコルゲートフィンの製造方法では、第1加工装置30によって加工が施されたフィン材20aが、その後、直接第2加工装置40に送られる構成とした(図4参照)。ここで、第1加工装置30と第2加工装置40との間に、フィン材20aの幅方向の位置ズレを抑制するための仲介ローラ50を設ける構成としてもよい(図9参照)。これにより、フィン材20aの位置ズレをより効果的に抑制することができる。
(5−8)変形例H
上記実施形態に係るコルゲートフィンの製造方法では、ルーバー用スリット231の形成と、ルーバー加工とが異なる装置30,40で行われた。具体的に、ルーバー用スリット231は、第1加工装置30で形成され、ルーバー加工は、第2加工装置40で行われた。ここで、ルーバー用スリット231の形成とルーバー加工とが同じ装置40で行われてもよい。例えば、第2加工装置40において、歯車状ローラ41,42のうち一方のローラ表面に、ルーバー用スリット231を形成するための第1の刃33aが形成される。また、他方のローラ表面に、ルーバー用スリット231の一方側に隣接するフィン材20aの部分(隣接部分)232を、仮想線233を基準に折り曲げるための凸部46が形成される。歯車状ローラ41,42にフィン材20aが挟み込まれると、フィン材20aにルーバー用スリット231が形成され、その後、さらに仮想線233を基準にフィン材20aの隣接部232が起こし上げられる。このような構成であっても、上記実施形態と同様のコルゲートフィン20を製造することができる。
10 熱交換器
12,13 ヘッダ
11 扁平管
11 扁平管の水平部
20 コルゲートフィン
21 山部
22 谷部
23 ルーバー
24 ガイド孔
25a,25b 突起部
26 連絡部
231 ルーバー用スリット(第1の切り込み部)
251 突起部用スリット(第2の切り込み部)
P1 伝熱部
P2 導水部
BA 接触領域(第2の領域)
NA 非接触領域(第1の領域)
CR 中央領域
ER 端部領域
DL 境界線(境界部分)
特開2010−2138号公報

Claims (6)

  1. 熱交換器(10)において積層された扁平管(11)の間に配置されるコルゲートフィン(20)の製造方法であって、
    前記扁平管と接触しないフィン材(20b)の領域であって前記フィン材の幅方向に延びる第1の領域(AR1)において、前記フィン材の位置決めを行うためのガイド孔(241)を形成するガイド孔形成ステップと、
    前記ガイド孔を保持し、さらに、前記扁平管と接触する前記フィン材の領域であって前記フィン材の長さ方向において前記第1の領域に隣接する第2の領域(AR2)が山部(21)および谷部(22)のいずれかとなるように、前記第1の領域および前記第2の領域の境界部分(DL)を折り曲げて前記フィン材の側面視形状を変形する変形ステップと、
    を備える、
    コルゲートフィンの製造方法。
  2. 前記第1の領域の幅方向に並べて複数の切り起こし部を形成する切り起こし部形成ステップをさらに備える、
    請求項1に記載のコルゲートフィンの製造方法。
  3. 前記第2の領域において前記フィン材の幅方向中央部側から端部に延びる切り込み部(251)を形成する切り込み部形成ステップをさらに備える、
    請求項1または2に記載のコルゲートフィンの製造方法。
  4. 前記ガイド孔形成ステップにおいて、前記ガイド孔は、前記第1の領域における前記複数の切り起こし部の間、および、前記第1の領域における前記端部近傍のいずれかに形成される、
    請求項2または3に記載のコルゲートフィンの製造方法。
  5. 前記前記ガイド孔形成ステップにおいて、前記ガイド孔は、前記第1の領域のうち、前記境界部分に近い部分に形成される、
    請求項2から4のいずれかに記載のコルゲートフィンの製造方法。
  6. 前記変形ステップでは、前記境界部分を折り曲げることにより、前記山部または前記谷部となる前記第2の領域に対して、前記第2の切り込み部に隣接する前記フィン材の第2部分(ER)を突出させて突出部(25a)を形成する、
    請求項3から5のいずれかに記載の製造方法。
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WO2021095538A1 (ja) * 2019-11-11 2021-05-20 三菱電機株式会社 熱交換器および冷凍サイクル装置並びにコルゲートフィンの製造方法

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