JP2013138802A - X線ct撮影装置及びその画像処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 処理を複雑化することなく、CT装置から得られた画像を再構成する際に、ユーザの好む画像を得られるようにする。
【解決手段】 被検者にX線を照射するX線照射部と、入射するX線に応じたデジタル量の電気信号を一定のフレームレートで出力するX線検出部と、前記X線照射部と前記X線検出部の対を、被検者を挟んで互いに対向させた状態で被検者の周りを移動させる旋回手段と、前記旋回手段が前記X線照射部及び前記X線検出部を被検者の周りを移動させることに伴って前記検出部が出力する画像信号を投影画像データとして順次記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された投影画像データに基づいて画像再構成演算を得る画像処理手段と、を備え、前記画像処理手段は、所定のフィルタ関数と遮断周波数に変曲点を有する減少連続関数との積からなるフィルタを作成し、前記投影画像データを前記作成したフィルタで演算する処理を含んでいる。
【選択図】 図17

Description

この発明は、X線CT(コンピュータ断層撮影)撮影装置に関し、ノイズによる画像のざらつき感を抑えた画像か、物体の輪郭のはっきりした鮮明な画像かの程度を複雑な処理を施すことなく提供するものである。
X線CTは、X線を用いて人体の360度方向からデータを得、そのデータをコンピュータ処理することにより、断層像を得るものである。近時では、CTで得られた画像を三次元画像に変換するソフトウェアが医療分野において実用化されている。
近年、診断に三次元化された画像を使用することが増えており、それに伴う患者への被曝線量増加の問題が起こってくる。しかし、照射線量を低減させると、量子モトルが増加して、画像が劣化する。これは、照射X線が受光系に不均一に到着するために空間的揺らぎが生じ、ノイズとして加わる。このノイズを除去するために、様々な手法が提案されている。
例えば、帯域ろ波または帯域減衰の周波数フィルタで通過周波数を制限し、不要な周波数の信号及びノイズを除去する方法が知られている。
パノラマ撮影やセファロ撮影では、被写体にX線を一様に照射して撮影した場合、被写体の部位ごとの厚みの変化や、障害陰影による画像濃度変化により、画像中の一部はX線不足、一部はX線過多であるような画像が撮影される場合が多い。画像の部分が白くなりすぎ、あるいは黒くなりすぎると診断に使用できなくなる。従って、計算処理により画像の特徴を強調し、見やすくすることが望ましい。そこで、特許文献1には、次のX線画像処理方法が記載されている。この処理方法は、X線画像処理において、パノラマ撮影またはセファロ撮影により得られたデジタルX線画像データを2次元フーリエ変換し、次に、得られたフーリエ変換データに対して、2次元周波数空間の縦方向と横方向で周波数特性の異なるマスクの値と乗算して、フーリエ変換データを変換させる。次に変化させた後のフーリエ変換データをフーリエ逆変換して、得られた画像を診断画像として出力するものである。
ところで、X線CT撮影装置で被写体を撮影した後、高周波数成分を強調しないまま逆投影した場合には、ぼやけた画像となる。図36は、CT撮影を想定したシミュレーションにより画像を作成したものであり、高周波数成分を強調しないままの画像である。図36に示すように、高周波数成分を強調しない場合には、ぼやけた画像Iが得られる。このため、高周波数成分の強調は必要不可欠な処理である。
高周波数成分を強調すると、物体の輪郭がくっきりした鮮明な画像が得られる。図36の画像Iは高周波数成分を強調しなかったため、著しくぼやけた画像が得られている。このため、本来は逆投影する前に高周波数成分を強調しなければならない。CT画像を得るためには、図37に示す処理が行われる。まず、X線CT撮影装置で撮影し、その投影画像データを入手する(ステップS1)。そして、RAMPフィルタ、Shepp‐Loganフィルタなどを用いて、投影画像データの高周波数成分を強調する(ステップS2)。高周波数成分を強調した投影画像データを逆投影して再構成画像データを得る(ステップS3)。得られた再構成画像データを表示装置に診断用画像として表示させる(ステップS4)。
このときによく利用されるフィルタとしては、上記のように、RAMPフィルタとShepp‐Loganフィルタがある。これらのフィルタ特性は、図38に示すような周波数とフィルタ値との関係を有している。
図38のグラフにおいて、横軸は周波数であり、縦軸はその周波数の強度を何倍するかを示している。図38のように、RAMPフィルタとShepp‐Loganフィルタは共に、高周波数であるほどその強度を強めていることが分かる。RAMPフィルタとShepp‐Loganフィルタは式で表すと次式(1)のようになる。次式において、周波数をx、フィルタ値をyとしている。また、xは、デジタル画像が表現できる最大の周波数である。
高周波数成分を強調すると、必ずノイズ成分も強調される。この様子を図39に示す。図39はShepp‐Logan頭部ファントムモデルのシミュレーション画像において、Shepp‐Loganフィルタで高周波数成分を強調した時のシミュレーション画像を示す図である。図39に示すように、画像Iは、高周波数成分を強調すると輪郭はくっきりするが、ノイズ成分が強調され、画像全体がざらざらしていることが分かる。
画像のざらざら感を抑えるために、平滑化という処理が施される。平滑化処理を施すCTの画像処理方法を説明する。従来は、図40A、図40Bに示すように、X線CT撮影装置から得られた投影画像データ、または再構成画像データに対して平滑化を施すことがほとんどである。例えば、図40Aの処理は、投影画像データに対して平滑化処理を行うものである。すなわち、X線CT撮影装置で撮影し、投影画像データを入手する(ステップS1)。そして、投影画像データに対して平滑化処理を行う(ステップS11)。その後、RAMPフィルタやShepp‐Loganフィルタなどを用いて高周波数成分を強調し(ステップS2)、高周波数成分を強調した画像データを逆投影して再構成画像データを得る(ステップS3)。この再構成した画像データを診断用画像として表示装置に表示させる(ステップS4)。
また、図40Bの処理は、再構成した画像データに対して平滑化処理を行うものである。すなわち、X線CT撮影装置で撮影し、投影画像データを入手する(ステップS1)。そして、投影画像データに対してRAMPフィルタやShepp‐Loganフィルタなどを用いて高周波数成分を強調し(ステップS2)、高周波数成分を強調した投影画像データを逆投影して再構成画像データを得る(ステップS3)。この再構成した画像データを平滑化処理し(ステップS12)、平滑化処理した再構成画像データを診断用画像として表示装置に表示させる(ステップS4)。
なお、上記においては、平滑化処理は、X線CT撮影装置から得られた投影画像データ、または再構成画像データのどちらか一方に対して平滑化処理を行っているが、X線CT撮影装置から得られた投影画像データに平滑化処理を行い、更に、再構成画像データに対しても平滑化処理を行うように構成する場合もある。
この平滑化処理としては、例えば、周辺画素の平均がとられる。平均の取り方は様々の方法があり、注目画素の4近傍の単純平均化、注目画素の8近傍の単純平均化、注目画素の24近傍の単純平均化、重み付けをつけた4近傍又は8近傍の平均化などがある。
上記したように、従来、画像のざらつき感を抑制しようとすると、図40A、図40Bに示すように、本来のCT再構成のプロセスとは別に、フィルタで高周波数成分を強調する前か、あるいは再構成画像データを得た後、もしくは両方に、平滑化のためのプロセスを別途設けなければならない。
特開2005−40506号公報
上記したように、ノイズによる画像のざらつき感を抑えるために、画像データに平滑化処理を施すことがある。平滑化処理を施すとざらつき感は抑えられるが、画像全体がぼけてしまうという難点がある。
しかし、ざらつきは目立つが鮮明な画像とざらつきは目立たないがぼけている画像のどちらを好むかはユーザによって異なる。各ユーザが求める画像に合わせて平滑化の強さを調整するためには、処理の過程を余分に設ける必要があり、処理が複雑化するという難点がある。
この発明は、上記した従来の問題点を解消するためになされたものにして、処理を複雑化することなく、X線CT撮影装置から得られた画像を再構成する際に、ユーザの好む画像を得られるようにすることを目的とする。
この発明のX線CT撮影装置は、被検者にX線を照射するX線照射部と、入射するX線に応じたデジタル量の電気信号を一定のフレームレートで出力するX線検出部と、前記X線照射部と前記X線検出部の対を、被検者を挟んで互いに対向させた状態で被検者の周りを移動させる旋回手段と、前記旋回手段が前記X線照射部及び前記X線検出部を被検者の周りを移動させることに伴って前記検出部が出力する画像信号を投影画像データとして順次記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された投影画像データに基づいて画像再構成演算を得る画像処理手段と、を備え、前記画像処理手段は、所定のフィルタ関数と遮断周波数に変曲点を有する減少連続関数との積からなるフィルタを作成し、前記投影画像データを前記作成したフィルタで演算する処理を含むことを特徴とする。
この発明のX線CT撮影装置の画像処理方法は、X線CT撮影装置で撮影されX線検出部から出力される投影画像データを順次記憶手段に記憶させ、前記記憶手段に格納された投影画像データを読み出し、前記投影画像データに基づいて画像再構成演算を行うX線CT撮影装置の画像処理方法であって、前記画像再構成演算は、所定のフィルタ関数と遮断周波数に変曲点を有する減少連続関数との積からなるフィルタを作成し、前記投影画像データを前記作成したフィルタで演算する処理を含むことを特徴とする。
前記減少連続関数はシグモイド関数を用いることができる。
前記関数のパラメータの変更により、再構成画像を変更するように構成できる。また、前記フィルタは、RAMPフィルタ又はShepp‐Loganフィルタを用いればよい。
この発明は、平滑化処理を複雑化することなく、X線CT撮影装置から得られた投影画像データをアーチファクトの発生を抑制してユーザの好む画像を再構成することができる。
この発明による座位タイプのX線CT撮影装置本体の正面図及びX線CT画像表示装置の斜視図である。 この発明による座位タイプのX線CT撮影装置本体の側面図である。 この発明によるX線CT画像表示装置の画像データ処理装置の内部構成を示すブロック図である。 この発明の実施形態のX線CT撮影装置における画像生成処理動作を示すフロー図である。 矩形関数の一例を示す図である。 ある閾値までの高周波数成分を強調し、閾値以上の高周波数成分は全て0に遮断するように拡張したRAMPフィルタの特性を示す図である。 ある閾値までの高周波数成分を強調し、閾値以上の高周波数成分は全て0に遮断するように拡張したShepp‐Loganフィルタの特性を示す図である。 この発明の実施形態におけるフィルタ処理をShepp‐Logan頭部ファントムモデルのシミュレーション画像に行った状態を示す図である。 図8Aの画像を模式的に表した図である。 パラメータaが正の場合のシグモイド関数を示す図である。 RAMPフィルタとシグモイド関数の積に対して、パラメータbを一定とし、パラメータaを変化させた場合のグラフである。 RAMPフィルタとシグモイド関数の積に対して、パラメータaを一定とし、パラメータbを変化させた場合のグラフである。 Shepp‐Loganフィルタとシグモイド関数の積に対して、パラメータbを一定とし、パラメータaを変化させた場合のグラフである。 Shepp‐Loganフィルタとシグモイド関数の積に対して、パラメータaを一定とし、パラメータbを変化させた場合のグラフである。 パラメータaが負の場合のシグモイド関数を示す図である。 パラメータaが負の場合のシグモイド関数とRAMPフィルタとの積をとったグラフである。 パラメータaが負の場合のシグモイド関数とShepp‐Loganフィルタとの積をとったグラフである。 この発明の実施形態の処理動作を示すフロー図である。 この発明の実施形態の処理動作を示すフロー図である。 Shepp‐Loganフィルタとシグモイド関数の積によるフィルタを用いてシミュレーションを行う時のパラメータa、bの組み合わせを示す図である。 この発明のシミュレーションを行う時に用いるShepp‐Logan頭部ファントムモデルの人工的な画像を示す図である。 Shepp‐Logan頭部ファントムモデルに人工的にノイズを追加して、Shepp‐Loganフィルタとシグモイド関数の積によるフィルタにおいてパラメータaを0.01、bを50にしたときのこの発明による処理でシミュレーションして得た画像を示す図である。 Shepp‐Logan頭部ファントムモデルに人工的にノイズを追加して、Shepp‐Loganフィルタとシグモイド関数の積によるフィルタにおいてパラメータaを0.10、bを50にしたときのこの発明による処理でシミュレーションして得た画像を示す図である。 Shepp‐Logan頭部ファントムモデルに人工的にノイズを追加して、Shepp‐Loganフィルタとシグモイド関数の積によるフィルタにおいてパラメータaを1.00、bを50にしたときのこの発明による処理でシミュレーションして得た画像を示す図である。 Shepp‐Logan頭部ファントムモデルに人工的にノイズを追加して、Shepp‐Loganフィルタとシグモイド関数の積によるフィルタにおいてパラメータaを0.10、bを50にしたときのこの発明による処理でシミュレーションして得た画像を示す図である。 Shepp‐Logan頭部ファントムモデルに人工的にノイズを追加して、Shepp‐Loganフィルタとシグモイド関数の積によるフィルタにおいてパラメータaを0.10、bを100にしたときのこの発明による処理でシミュレーションして得た画像を示す図である。 Shepp‐Logan頭部ファントムモデルに人工的にノイズを追加して、Shepp‐Loganフィルタとシグモイド関数の積によるフィルタにおいてパラメータaを0.10、bを200にしたときのこの発明による処理でシミュレーションして得た画像を示す図である。 頭部ファントムを撮影した投影画像データをShepp‐Loganフィルタとシグモイド関数の積によるフィルタにおいてパラメータaを0.01、bを50にしたときのこの発明による処理で得た画像を示す図である。 頭部ファントムを撮影した投影画像データをShepp‐Loganフィルタとシグモイド関数の積によるフィルタにおいてパラメータaを0.10、bを50にしたときのこの発明による処理で得た画像を示す図である。 頭部ファントムを撮影した投影画像データをShepp‐Loganフィルタとシグモイド関数の積によるフィルタにおいてパラメータaを1.00、bを50にしたときのこの発明による処理で得た画像を示す図である。 図29の画像を模式的に表した図である。 頭部ファントムを撮影した投影画像データをShepp‐Loganフィルタとシグモイド関数の積によるフィルタにおいてパラメータaを0.10、bを50にしたときのこの発明による処理で得た画像を示す図である。 頭部ファントムを撮影した投影画像データをShepp‐Loganフィルタとシグモイド関数の積によるフィルタにおいてパラメータaを0.10、bを100にしたときのこの発明による処理で得た画像を示す図である。 頭部ファントムを撮影した投影画像データをShepp‐Loganフィルタとシグモイド関数の積によるフィルタにおいてパラメータaを0.10、bを200にしたときのこの発明による処理で得た画像を示す図である。 Shepp‐Logan頭部ファントムモデルに人工的にノイズを追加して、Shepp‐Loganフィルタとシグモイド関数の積によるフィルタにおいてパラメータaを0.10、bを25にしたときのこの発明による処理でシミュレーションして得た画像を示す図である。 頭部ファントムを撮影した投影画像データをShepp‐Loganフィルタとシグモイド関数の積によるフィルタにおいてパラメータaを0.10、bを25にしたときのこの発明による処理で得た画像を示す図である。 Shepp‐Logan頭部ファントムモデルのシミュレーション画像を作成した図である。 X線CT撮影装置における画像生成処理動作を示すフロー図である。 RAMPフィルタ及びShepp‐Loganフィルタのフィルタ特性を示す図である。 Shepp‐Logan頭部ファントムモデルのシミュレーション画像において、Shepp‐Loganフィルタで高周波成分を強調した時のシミュレーション画像を示す図である。 X線CT撮影装置における平滑化処理を加えた画像生成処理動作を示すフロー図である。 X線CT撮影装置における平滑化処理を加えた画像生成処理動作を示すフロー図である。
以下、歯科用X線CT撮影装置の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、説明の重複を避けるためにその説明は繰返さない。
医療分野では、1台で種々の撮影モードを実行することが可能なX線CT撮影装置が用いられている。例えば、歯科分野においては、湾曲した歯列弓を平面状に展開した像として撮影するパノラマ撮影モードと、生体器官の関心領域の断層面画像を取得するCT撮影モードとの両方を実行することが可能な兼用型のX線CT撮影装置が知られている。この兼用型のX線CT撮影装置としての例を図1及び図2を参照して説明する。図1は、座位タイプのX線CT撮影装置本体の正面図及びX線CT画像表示装置の斜視図、図2は、座位タイプのX線CT撮影装置本体の側面図である。
X線CT撮影装置は、X線CT撮影装置本体1と、X線CT画像表示装置2を備え、通信ケーブル等によってデータを送受信する構成になっている。X線CT撮影装置本体1は、被検者(患者)にX線を照射するX線照射部110と、被検者を透過したX線を検出するX線検出部120と、X線照射部110及びX線検出部120を対向して有する旋回アーム3とを備える。
X線CT撮影装置本体1は、被検者とされる顎顔面を保持する被検者保持手段(頭部固定部)4と、旋回アーム3を駆動する図示しない駆動ユニット部と撮影制御部を備えている。
X線照射部110は、X線を照射するX線管等からなるX線源111aと、X線ビームの広がりを規制するスリット等からなるコリメータ111とで構成されており、X線検出部120は、2次元的に広がったCCDセンサやX線間接変換方式(FPD:フラットパネルディテクタ)センサ等からなるX線検出器121を設けたカセット121bで構成されている。カセット121bはX線検出部120に対して着脱自在であるが、X線検出器121はカセット121bを介さずにX線検出部120に固定的に設けてもよい。X線源111aからのX線は、被検者を透過してX線検出器121のX線入力面121aに与えられる。このX線検出器121は、例えば、30fpsのフレームレート(1フレームは、例えば、512×512画素)で入射X線を、当該X線の量に応じたデジタル電気量の画像データとして収集することができる。
X線CT撮影装置本体1は、図示しない制御装置により、駆動ユニット部の駆動制御、X線照射部110の照射制御、X線検出部120の検出制御等を行う。撮影時には、X線照射部110及びX線検出部120の対は、被検者の頭頸部を挟んで互いに対峙するように位置し、その対毎一体に頭頸部の周りを回転するように駆動される。
X線CT画像表示装置2は、X線CT撮影装置本体1から得られたデータを処理して画像を生成する。このX線CT画像表示装置2は、例えば、コンピュータやワークステーションで構成されており、画像データ処理装置20には、例えば、液晶モニタ等のディスプレイ装置からなる表示装置26や、キーボード、マウス等で構成された操作手段25が接続されている。さらに、ハードディスクやNAS(network attached storage)などからなる記憶装置22が接続され、画像再構成したデータがDICOMなどの再構成画像データとして格納される。
X線CT撮影装置本体1は、X線CT画像表示装置2からの指令に従って、被検者(患者)の歯顎領域の歯科用パノラマ撮影装置又は頭頸部領域のCT撮影を実行する。また、各種指令や座標データ等をX線CT画像表示装置2から受け取る一方、撮影した画像データをX線CT画像表示装置2に送る。また、被撮影領域(撮影対象領域)の底辺は、X線照射部110から照射されるコーンビームの下縁の線が基準となる。
図1及び図2に示すように、座位タイプのX線CT撮影装置本体1は、左右両側に支柱6が立設されている。支柱6は、床面に設置されたベース5に支持されている。支柱6の上部に、支持フレーム7が支持されており、支持フレーム7の中央部70内に回転駆動ユニットが設けられている。
旋回アーム3の両側にX線検出部120及びX線照射部110が設けられている。X線CT撮影本体1は、被検者を座位状態にするための椅子部40を備える。さらに、X線CT撮影装置本体1は、椅子部40を上下動するための電動式アクチュエータ40aが設けられている。電動式アクチュエータ40aの動作で椅子部40を上下動して、被検者の個体差に応じて撮影対象領域の高さに位置決めする。
X線CT撮影装置本体1は、椅子部40の下部に横方向に延びるフレーム40bが設けられ、このフレーム40bは、上下方向に伸縮自在な電動アクチュエータ40cが取り付けられている。X線CT撮影装置本体1は、電動アクチュエータ40cの上部に、頭部支持ユニット71を有する。頭部支持ユニット71は、被検者が椅子部40から出入りしやすいように、水平方向に旋回可能で、基準位置に位置決めロック可能となっている。頭部支持ユニット71は、被検者の頭部を固定するための頭部固定部4、被検者がグリップするための一対のハンドル71bを備える。
頭部固定部4は、撮影に際して被検者の頭部を安定的に固定するために、被検者の顎を乗せるためのチンレスト4aと、側頭部または外耳口を固定するための左右対称に開閉する側頭部押さえまたはイヤーロッド4bと、前頭部を支持するための前頭部押さえ(図示せず)とで、構成する3点固定方式を基本として、更に後頭部を前頭部に対してベルトを用いて固定するようになっている。
さらに、X線CT撮影装置本体1は、旋回アーム3の底面と頭部固定部4の上部とが干渉しないように干渉防止機構41を備える。干渉防止機構41は、頭部支持ユニット71に設けられた反射型のビームセンサー41aを備える。さらに、干渉防止機構41は、支柱6の所定の高さ位置に反射板41bを備える。反射板41bは、ビームセンサー41aに対向する位置に設けられており、ビームセンサー41aから照射されるビームが反射板41bで反射され、ビームセンサー41aが検知することで電動アクチュエータ40a、40cの上昇を停止するようになっている。これにより、被検者の頭部が旋回アーム3に干渉せず安全に構成されている。
また、支持フレーム7には、動作表示手段42d及びポジションビーム手段42cが設けられている。動作表示手段42dは、稼働中の装置がどのような操作を行っているか表示する。ポジションビーム手段42cは、選択されたモードの撮影対象領域(画像再構成範囲)がどの範囲かを被検者に弱いレーザービームを照射し、その範囲内に被検者を位置決めするように電動アクチュエータ40a、40cを操作できるようになっている。
さらに、支持フレーム7は、被検者の正中位置を確認するための正中用レーザービーム42aを備える。また、旋回アーム3の両側に位置付け用レーザービーム42b、42b’が設けられている。位置付け用レーザービーム42bは、旋回アーム3のX線検出部120側に設けられ、位置付け用レーザービーム42b’は旋回アーム3のX線照射部110側に設けられている。位置付け用レーザービーム42b、42b’は、X線源111aと予め設定されたX線検出器121の入力面121aの基準位置とを結ぶ直線上を一本の線状に指向するようになっている。さらに、X線源111aとX線検出器121の入力面121aに予め設定された基準位置121bとを結ぶ水平な直線に対して直交し、且つ、旋回軸3cの中心を通る垂直の軸線を指向するようになっている。これにより、位置付け用レーザービーム42b、42b’は、被検者の対象撮影領域(画像再構成範囲)の中心位置を指示し、設定を容易にできるようになっている。
撮影時には、チンレストで支持される被検者が、X線検出部120及びX線照射部110との間に固定される。X線照射部110内部に備えられたX線源111aの前に設けたコリメータ111で所定のX線束を発生し、旋回アーム3を旋回させて被検者を順次走査するとともに、これに同期してX線検出部120からの投影画像データが取得される。X線CT画像表示装置2は、X線検出部120からの投影画像データを処理して、再構成画像データを得る。そして、表示装置26に診断用画像が表示される。
図1においては、記憶手段22は、外部の記憶装置を記載しているが、画像データ処理装置20内にも記憶装置を備えている。この発明では、内部の記憶装置と外部の記憶装置で記憶手段22を構成しているが、これに限らず、上記した各種データを格納できるものであればよい。図1、図2は、座位の場合を例示したが、図示しないが立位の装置の場合も当然有り得ることは勿論である。
図3は、X線CT画像表示装置2の画像データ処理装置20の内部構成と接続機器を示すブロック図である。画像データ処理装置20は、全体を制御するCPU200と、それにバス210を介して接続されるメモリ(ROM、RAM)202を備える。CPU200には、さらにキーボード25、マウス206、表示装置26、プログラムとファイルを記憶するハードディスク装置(HDD)208、各種光ディスクとアクセスするドライブ装置209及び外部との通信を行う通信装置207が接続される。ハードディスク208、メモリ202には、後で説明するX線画像処理プログラムやそれに用いるフィルタ特性値などが記憶されている。また、ハードディスク208、メモリ202には、各種撮影データや画像データが格納される。
CPU200は、X線画像処理プログラムを実行するが、その内容は後で説明する。
ここに、CPU200、メモリ202、ハードディスク208は、画像処理手段を形成する。CPU200は、メモリ202、ハードディスク208に格納されたプログラムにより、各種動作を制御し、フィルタ処理、画像再構成等の機能を果たすように動作する。
さらに、CPU200は、メモリ202、ハードディスク208に予め格納されている制御及び処理の全体を担うプログラムに沿って、装置の構成要素の全体の動作を制御する。かかるプログラムは、操作者からそれぞれに制御項目についてインターラクティブに操作情報を受け付けるように設定されている。CPU200は、フレームデータの収集(スキャン)などを実行可能に構成されている。
被検者は、図1及び図2に示すように、座位の姿勢でチンレスト4aの位置に顎を置いて、ヘッドレストに額を押し当てる。これにより、患者の頭頸部(顎部)の位置が旋回アーム3の回転空間のほぼ中央部で固定される。この状態で、旋回アーム3が被検者の頭頸部の周りをXY面に沿って回転する。
この回転の間に、X線照射部110からX線が曝射される。このX線は、撮影位置に位置する被検者の顎部(歯列部分)を透過してX線検出部120に入射する。X線検出部120は、前述したように、高速のフレームレート(例えば、30fps)で入射X線を検出し、対応する電気量の2次元のデジタルデータ(例えば、512×512画素)をフレーム単位で順次出力する。このフレームデータ(投影画像データ)は、通信ラインを介して、X線CT画像表示装置2の画像データ処理装置20のバス210からメモリ202に格納される。
CPU200は、メモリ202に格納されたフレームデータ(投影画像データ)を用いて、フィルタ処理、画像再構成処理して再構成画像データを作成する。
上記したように、撮影した投影画像データにフィルタを用いて高周波数成分を強調する演算を行う必要がある。高周波数成分を強調すると、ノイズ成分が強調される。ノイズ成分が強調される原因は、RAMPフィルタやShepp‐Loganフィルタなどによる高周波数成分の強調にある。本発明者等は、ある閾値の高周波数成分までを強調し、閾値以上の高周波数成分は全て0に遮断することで、平滑化と同じ効果を得ながら高周波数成分の強調が可能であることを見出した。
そのプロセスを図4に従い説明する。まず、X線CT撮影装置本体1で撮影し、その投影画像データを入手し、メモリ202に格納する(ステップS21)。そして、この発明の特徴であるRAMPフィルタ又はShepp‐Loganフィルタなどを用いて閾値までの高周波数成分を強調し、フィルタ処理を行った投影画像データをメモリ202に格納する(ステップS22)。そして、所定の閾値まで高周波数成分を強調した投影画像データを逆投影して再構成画像データを得る(ステップS23)。このようにして得られた再構成画像データにより、診断用画像を表示装置26に表示させる(ステップS24)。この手法を用いれば、図40A、図40Bのように平滑化のためのプロセスを別途設ける必要がなくなり、より簡単な方法で高周波数成分の強調と平滑化処理が同時に行える。
閾値以上の高周波数成分を全て0に遮断するためには、上記した式(1)に下記に示す式(2)の矩形関数との積をとれば良い。
図5に、式(2)に示す矩形関数を示す。式(3)に示すように、式(1)と式(2)との積をとると、ある閾値までの高周波数成分を強調し、閾値以上の高周波数成分は全て0に遮断するように拡張したRAMPフィルタとShepp‐Loganフィルタが得られる。そして、式(3)に示すように、遮断する閾値の周波数をbとすると、Shepp‐Loganフィルタのxがbに置き換えられる。これは、図38のShepp‐Loganフィルタのグラフにおいて、周波数が高くなった際にフィルタ値が下がってくるタイミングを調節するためである。閾値以上の高周波数成分をすべて0に遮断したRAMPフィルタとShepp‐Loganフィルタのグラフをそれぞれ図6及び図7に示す。図6がRAMPフィルタであり、図7がShepp‐Loganフィルタである。
図7に示すような閾値を与えたShepp‐Loganフィルタを適用した場合のシミュレーション画像を図8Aに示す。図8Aに示すように、シミュレーションによる再構成画像Iは、高周波数成分の強調により輪郭がはっきりしている。そして、閾値を超えた部分は0に遮断されているので、ノイズが強調されずざらつき感が抑制されることが分かる。
ただし、図8Aに示すように、再構成画像Iには、縞模様のアーチファクトが発生していることが分かる。すなわち、図8Bの模式図に示すように、縞模様のアーチファクトJが発生する。
この縞模様のアーチファクトは、高周波数成分を急激に遮断したことが原因である。実際に、高周波数成分の急激な遮断は、上記した式(1)に対して、上記式(2)の矩形関数との積を取ることと等しく、矩形関数のフーリエ逆変換はsinc関数となることが知られている。sinc関数のグラフは波状の形を取り、それが画像では縞模様として現れていることから、数学的にも縞模様のアーチファクトが現れることは説明がつく。
前述の問題を解決するためには、高周波数成分を緩やかに遮断することが効果的であると考えられる。高周波数成分を緩やかに遮断することができる数学的な関数としては、シグモイド関数など様々なものが考えられる。このシグモイド関数は変曲点を有した減少連続関数である。シグモイド関数のグラフを図9に示す。2つのパラメータを与えたときのシグモイド関数の式(4)は以下の通りとなる。
図9に示すシグモイド関数のグラフは、上記式(4)において、遮断の急激さを表すパラメータaの値が正の場合の挙動を示している。そして、aが正の無限大(∞)に近づく(a→+∞)と、関数値1、0の矩形関数に近づくことになる。また、aが0に固定される(a=0)とすると、関数値は1/2となる。これらのことからパラメータaが正の場合、高周波数成分を緩やかに遮断するには、0より大きく無限大(∞)より小さい(0<a<∞)範囲で選択することになる。また、上記式(4)におけるbは、遮断周波数を表すパラメータであり、この遮断周波数bに変曲点を有する。
例えば、矩形関数の代わりにシグモイド関数との積を取り、高周波数成分を緩やかに遮断するように工夫することで、縞模様のアーチファクトの発生を防ぐことが期待できる。
RAMPフィルタとシグモイド関数との積及びShepp‐Loganフィルタとシグモイド関数との積の数式は次の式(5)のように与えられる。前述と同様に、遮断する閾値の周波数をbとすると、Shepp‐Loganフィルタのxがbに置き換えられる。
そして、この関数に、遮断の急激さを表すパラメータaと、遮断周波数を表すパラメータbを与えることで、縞模様のアーチファクトの発生を制御したり、平滑化の強さを調整することができ、ユーザのニーズに合わせてチューニングすることができる。
以下、シグモイド関数を用いた場合につき更に説明する。RAMPフィルタとシグモイド関数の積に対して、パラメータaとbの変化によるグラフの推移は図10、図11のようになる。ここで、aは遮断の急激さ、bは遮断周波数を決定するパラメータである。前述したように、シグモイド関数の変曲点は遮断周波数bとなる。図10は、遮断周波数bを256Hzに設定し、パラメータaを変化させたものである。また、図11は、既存のRAMPフィルタにパラメータaを0.10に設定し、遮断周波数bを100Hzと200Hzに変化させたものである。
同じくShepp‐Loganフィルタとシグモイド関数の積に対して、パラメータaとbの変化によるグラフの推移は、図12、図13のようになる。ここで、aは遮断の急激さ、bは遮断周波数を決定するパラメータである。前述したように、シグモイド関数の変曲点は遮断周波数bとなる。図12は、遮断周波数bを256Hzに設定し、パラメータaを変化させたものである。また、図13は、既存のShepp‐Loganフィルタにパラメータaを0.10に設定し、遮断周波数bを100Hzと200Hzに変化させたものである。
上記の図10ないし図13のフィルタ特性は、上記式(4)において、パラメータaの値が正の場合のシグモイド関数を用いた場合について説明している。次に、上記式(4)において、遮断の急激さを表すパラメータaの値が負の場合について考察する。
図14に示すシグモイド関数のグラフは、上記式(4)において、パラメータaの値が負の場合を示している。パラメータaを負にしたときには、パラメータaを正にしたときと関数値0と1とが入れ替わる。すなわち、aが負の無限大(∞)に近づく(a→−∞)と、関数値1、0の矩形関数に近づくことになる。また、aが0固定される(a=0)とすると、関数値は1/2となる。
パラメータaが負の場合のシグモイド関数とRAMPフィルタとの積をとったフィルタのグラフを図15、シグモイド関数とShepp‐Loganフィルタとの積をとったフィルタのグラフを図16に示す。この図15、図16から分かるように、シグモイド関数のパラメータが負の場合には、遮断する閾値の周波数まで低周波数成分を低減させ、そして徐々にフィルタ値が上昇し、閾値以降に急激にフィルタ値が上昇するようになる。このような特性では、この発明のフィルタとしては用いることができない。
これらのことからシグモイド関数のパラメータaは、正で且つ0より大きく無限大(∞)より小さい(0<a<∞)範囲で選択する必要がある。
次に、図10ないし図13に示すように、高周波数成分を緩やかに遮断するフィルタを適用して、CT投影画像から再構成画像を得る動作につき、図17、図18に示す。図17は、周波数領域でフィルタ補正する場合の処理を示し、図18は空間領域でフィルタ補正する場合の処理を示している。まず、図17に従い、周波数領域でフィルタ補正する場合の処理動作につき説明する。
被検者の頭頸部(顎部)の位置が旋回アーム3の回転空間のほぼ中央部で固定される。この状態で、旋回アーム3が被検者の頭部の周りをXY面に沿って回転する。
この回転の間に、X線照射部110からX線が曝射される。このX線は、撮影位置に位置する被検者の顎部(歯列部分)を透過してX線検出部120に入射する。X線検出部120は、前述したように、高速のフレームレート(例えば、30fps)で入射X線を検出し、対応する電気量の2次元のデジタルデータ(例えば、512×512画素)をフレーム単位で順次出力する。このフレームデータ(投影画像データ)は、通信ラインを介して、X線CT画像表示装置2の表示装置本体20のバス210からメモリ202に格納される(ステップS31)。
メモリ202には、RAMPフィルタまたはShepp‐Loganフィルタに基づくフィルタ関数、遮断周波数に変曲点を有する減少連続関数であるシグモイド関数、遮断の急激さを表すパラメータa、遮断周波数を表すパラメータbとが格納されている。CPU200は、事前に設定したパラメータa、bに従って緩やかな遮断を与える関数を生成する(ステップS32)。
続いて、CPU200は、生成した関数とフィルタ特性に対応した所定の関数との積をとり、高周波数成分を緩やかに遮断するフィルタ特性を決定し、そのフィルタがメモリ202に格納される(ステップS33)。
CPU200は、メモリ202から投影画像データを読み出し、投影画像データをフーリエ変換し、投影画像データのスペクトルデータを作成する(ステップS34)。そして、投影画像データのスペクトルデータと緩やかな遮断を与えるフィルタとの積を取り、高周波数成分の強調と平滑化を合わせたフィルタ処理を行う(ステップS35)。続いて、フィルタが適用された投影画像データのスペクトルデータをフーリエ逆変換する(ステップS36)。そして、フーリエ逆変換したスペクトルデータを逆投影することにより再構成画像データを得て、メモリ202に格納する(ステップS37)。その再構成画像データをメモリ202から読み出し、診断用画像として表示装置26に表示する(ステップS38)。
次に、図18に従い、空間領域でフィルタ補正する場合の処理動作につき説明する。
前述と同様に、旋回アーム3が被検者の頭頸部の周りをXY面に沿って回転し、X線照射部110からX線が曝射される。このX線は、撮影位置に位置する被検者の顎部(歯列部分)を透過してX線検出部120に入射する。X線検出部120は、前述したように、非常に高速のフレームレート(例えば、30fps)で入射X線を検出し、対応する電気量の2次元のデジタルデータ(例えば、512×512画素)をフレーム単位で順次出力する。このフレームデータ(投影画像データ)は、通信ラインを介して、X線CT画像表示装置2の表示装置本体20のバス210からメモリ202に格納される(ステップS31)。
メモリ202には、RAMPフィルタまたはShepp‐Loganフィルタに基づくフィルタ関数、遮断周波数に変曲点を有する減少連続関数であるシグモイド関数、遮断の急激さを表すパラメータa、遮断周波数を表すパラメータbとが格納されている。CPU200は、事前に設定したパラメータa、bに従って緩やかな遮断を与える関数を生成する(ステップS32)。
続いて、CPU200は、生成した関数とフィルタの特性に対応した所定の関数との積をとり、高周波数成分を緩やかに遮断するフィルタ特性を決定し、そのフィルタがメモリ202に格納される(ステップS33)。
CPU200は、遮断を与えるフィルタをフーリエ逆変換し、遮断を与える空間領域のフィルタを作成する(ステップS41)。続いて、メモリ202から投影画像データを読み出し、投影画像データと遮断を与える空間領域のフィルタとの畳み込み積分を施す(ステップ42)。
そして、畳み込み積分を施された投影画像データを逆投影することにより再構成画像データを得て、メモリ202に格納する(ステップS43)。その再構成画像データをメモリ202から読み出し、診断用画像として表示装置26に表示する(ステップS44)。
次に、上記したこの発明による再構成画像データを得る方法において、式(5)におけるパラメータa、bを変化させ得られる画像データを確認した結果につき説明する。
シミュレーションにより作成した画像と、実際にX線CT撮影装置本体1で撮影して得られた投影画像データをこの発明によるフィルタを用いて画像処理した再構成画像とにより、それぞれ画像の確認を行った。
図19に示すように、Shepp‐Loganフィルタとシグモイド関数の積によるフィルタのパラメータa、bの組み合わせをそれぞれ変更してシミュレーションを行った。まず、図20に示すShepp‐Loganの頭部ファントムモデルと呼ばれる人工的な画像に対して投影画像データを人工的に作成する。そして、ポアソンノイズを人工的に加える。その後、シグモイド関数のパラメータa、bを変え各種フィルタを作成し、それぞれのフィルタを用いて再構成画像データを得、それを表示装置26で表示して比較した。
パラメータa、bの組み合わせは、図19に示すもので行った。すなわち、鎖線で囲んだグループと一点鎖線で囲んだグループについて、再構成画像がそれぞれどのように変化するかを比較検討した。
パラメータaを変更する場合について、比較検討を行う。破線で囲んだグループ、すなわち、パラメータbを50に固定し、パラメータaを0.01、0.10、1.00と変化させた場合の再構成画像Iを図21ないし図23に示す。図21は、パラメータa=0.01、b=50、図22は、パラメータa=0.10、b=50、図23は、パラメータa=1.00、b=50のときのShepp‐Loganの頭部ファントムモデルの再構成画像Iを示す図である。
前述したように、パラメータaが大きいと周波数の遮断が急激になり、高周波数成分がより低減されるため、ぼやけた再構成画像Iとなることが分かる。このことからパラメータaが小さいと解像度は鮮明で、粒状性であるざらつき感が大きくなる。そして、パラメータaが大きくなるにつれて、解像度はぼやけて、粒状性であるざらつき感が小さくなる。
更に、周波数の遮断が急激であれば矩形関数との積に近づくため、パラメータaが大きいとsinc関数に基づいた縞模様のアーチファクトが発生することも分かる(図23参照)。このパラメータaの変化による再構成画像Iの変化をまとめると下記の表1のようになる。
次に、パラメータbを変更する場合について説明する。アーチファクトが発生せず、ざらつき感が抑えられているパラメータaに固定、すなわちa=0.10に固定し、パラメータbを種々変更させた。図19の一点鎖線で囲んだグループである、パラメータbを50、100、200に変化させた。その場合の再構成画像Iを図24ないし図26に示す。図24は、パラメータa=0.10、b=50、図25は、パラメータa=0.10、b=100、図26は、パラメータa=0.10、b=200のときのShepp‐Loganの頭部ファントムモデルの再構成画像Iを示す図である。
図24ないし図26から分かるように、パラメータbが大きいとその分の高周波数成分まで遮断されないため、より鮮明な画像が得られる。また、パラメータbを小さくして解像度をぼやかしてもアーチファクトが発生することはない。
このパラメータbの変化による再構成画像Iの変化をまとめると下記の表2のようになる。
次に、実際にX線CT撮影装置本体1で撮影して得られた投影画像データをこの発明によるフィルタを用いて画像処理した再構成画像Iを比較検討した。人骨をプラスチックで包んで作成したランドファントムを実際にX線CT撮影装置本体1により撮影し、投影画像データを得る。その後、シグモイド関数のパラメータを変えて作った各種フィルタを適用して再構成画像Iを得て、比較検討した。
パラメータa、bの組み合わせは、Shepp‐Loganの頭部ファントムモデルと同様に、図19に示すもので行った。すなわち、鎖線で囲んだグループと一点鎖線で囲んだグループについて、再構成画像がそれぞれどのように変化するかを比較検討した。
パラメータaを変更する場合について、比較検討を行う。破線で囲んだグループ、すなわち、パラメータbを50に固定し、パラメータaを0.01、0.10、1.00と変化させた場合のランドファントムの再構成画像Iを図27ないし図29に示す。図27は、パラメータa=0.01、b=50、図28は、パラメータa=0.10、b=50、図29は、パラメータa=1.00、b=50のときの再構成画像Iを示す図である。
前述したShepp‐Loganの頭部ファントムモデルと同様に、パラメータaが大きいと周波数の遮断が急激になり、高周波数成分がより低減されるため、ぼやけた再構成画像Iとなることが分かる。このことからパラメータaが小さいと解像度は鮮明で、粒状性であるざらつき感が大きくなる。そして、パラメータaが大きくなるにつれて、解像度はぼやけて、粒状性であるざらつき感が小さくなる。更に、周波数の遮断が急激であれば矩形関数との積に近づくため、パラメータaが大きいとsinc関数に基づいた縞模様のアーチファクトが発生することも分かる(図29参照)。図30に図29の模式図を示す。図30に示すように、歯の前方にアーチファクトJが目立つようになる。
このように、実際にX線CT撮影装置本体1で撮影した場合もシミュレーションによるものと同様の結果が得られることが確認できた。
次に、パラメータbを変更する場合について説明する。アーチファクトが発生せず、ざらつき感が抑えられているパラメータaに固定、すなわちa=0.10に固定し、パラメータbを種々変更させた。図19の一点鎖線で囲んだグループである、パラメータbを50、100、200に変化させた。その場合の再構成画像Iを図31ないし図33に示す。図31は、パラメータa=0.10、b=50、図32は、パラメータa=0.10、b=100、図33は、パラメータa=0.10、b=200のときのランドファントムの再構成画像Iの再構成画像Iを示す図である。
図31ないし図33から分かるように、パラメータbが大きいとその分の高周波数成分まで遮断されないため、より鮮明な画像が得られる。また、パラメータbを小さくして解像度をぼやかしてもアーチファクトが発生することはない。
このように、実際にX線CT撮影装置本体1で撮影した場合もシミュレーションによるものと同様の結果が得られることが確認できた。
パラメータbを更に小さくして、解像度をぼかした場合にアーチファクトが発生しないか確認した。Shepp‐Loganフィルタとシグモイド関数の積によるフィルタのパラメータaを0.10、bを25にした時のShepp‐Loganの頭部ファントムモデルのシミュレーションした画像と、X線CT撮影装置本体1で撮影して得られた投影画像データをこの発明の処理により再構成した画像を図34、図35に示す。図34がシミュレーション画像、図35が頭部ファントムの投影画像である。
図23及び図29に示すように、パラメータaを調節することでぼやけた画像を生成しようとするとアーチファクトが発生する。これに対して、図34及び図35に示すように、パラメータbを25にしてぼけた画像を生成した場合でもアーチファクトが発生しないことが確認できた。このように、パラメータbの値を小さくしてぼやけた画像を生成する場合にはアーチファクトが発生しないことが分かる。
上記したように、パラメータaはアーチファクトの制御と再構成画像の鮮明さの両方に寄与する。しかし、パラメータbは再構成画像の鮮明さのみに寄与する。このとき、パラメータbは、遮断周波数そのものを意味しており、再構成画像の鮮明さを制御する際は、パラメータaよりも直感的に調整しやすいと言える。また、パラメータaは、少なくともアーチファクトが発生しない値に設定しなければならないという制約がある。
以上のことから、この発明を用いる際には、パラメータaはアーチファクトが発生しない任意の値に固定し、パラメータbを変化させることで再構成画像の鮮明さを調節するシステムを構築することができる。
この発明は、高周波数成分を緩やかに遮断するフィルタを用いることで、別途平滑化処理を行わなくても平滑化と同様の効果が得られる。よって、処理を複雑化することなく、ユーザが好む画像を容易に得ることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 X線CT撮影装置本体
2 X線CT画像表示装置
3 旋回アーム
110 X線照射部
120 X線検出部
20 画像表示装置本体
200 CPU
210 バス
202 メモリ
22 記憶手段
25 操作手段
26 表示装置

Claims (15)

  1. 被検者にX線を照射するX線照射部と、
    入射するX線に応じたデジタル量の電気信号を一定のフレームレートで出力するX線検出部と、
    前記X線照射部と前記X線検出部の対を、被検者を挟んで互いに対向させた状態で被検者の周りを移動させる旋回手段と、
    前記旋回手段が前記X線照射部及び前記X線検出部を被検者の周りを移動させることに伴って前記検出部が出力する画像信号を投影画像データとして順次記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された投影画像データに基づいて画像再構成演算を得る画像処理手段と、を備え、
    前記画像処理手段は、所定のフィルタ関数と遮断周波数に変曲点を有する減少連続関数との積からなるフィルタを作成し、前記投影画像データを前記作成したフィルタで演算する処理を含むことを特徴とするX線CT撮影装置。
  2. 前記減少連続関数は、シグモイド関数であることを特徴とする請求項1に記載のX線CT撮影装置。
  3. 前記関数のパラメータの変更により、再構成画像を変更することを特徴とする請求項2に記載のX線CT撮影装置。
  4. 前記フィルタは、RAMPフィルタ又はShepp‐Loganフィルタであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のX線CT撮影装置。
  5. 前記シグモイド関数は、遮断の急激さを表すパラメータaと、遮断周波数を表すパラメータbを有することを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載のX線CT撮影装置。
  6. 前記パラメータaは、正で且つ0より大きく無限大(∞)より小さい範囲で選択することを特徴とする請求項5に記載のX線CT撮影装置。
  7. 前記パラメータaをアーチファクトが発生しない任意の値に固定し、パラメータbを変化させることを特徴とする請求項6に記載のX線CT撮影装置。
  8. X線CT撮影装置で撮影されX線検出部から出力される投影画像データを順次記憶手段に記憶させ、前記記憶手段に格納された投影画像データを読み出し、前記投影画像データに基づいて画像再構成演算を行うX線CT撮影装置の画像処理方法であって、
    前記画像再構成演算は、所定のフィルタ関数と遮断周波数に変曲点を有する減少連続関数との積からなるフィルタを作成し、前記投影画像データを前記作成したフィルタで演算する処理を含むことを特徴とするX線CT撮影装置の画像処理方法。
  9. 前記減少連続関数は、シグモイド関数であることを特徴とする請求項8に記載のX線CT撮影装置の画像処理方法。
  10. 前記シグモイド関数は、遮断の急激さを表すパラメータaと、遮断周波数を表すパラメータbを有することを特徴とする請求項9に記載のX線CT撮影装置の画像処理方法。
  11. 前記パラメータaは、正で且つ0より大きく無限大(∞)より小さい範囲で選択することを特徴とする請求項10に記載のX線CT撮影装置の画像処理方法。
  12. 前記パラメータaをアーチファクトが発生しない任意の値に固定し、パラメータbを変化させることを特徴とする請求項11に記載のX線CT撮影装置の画像処理方法。
  13. パラメータa、bに従って関数を生成し、生成した関数と所定のフィルタ関数との積をとりフィルタ特性を設定することを特徴とする請求項10ないし請求項12のいずれか1項に記載のX線CT撮影装置の画像処理方法。
  14. 投影画像データをフーリエ変換し、投影画像データのスペクトルデータと前記設定したフィルタ特性との積をとり、フィルタが適用された投影画像のスペクトルデータをフーリエ逆変換して再構成画像データを得ることを特徴とする請求項13に記載のX線CT撮影装置の画像処理方法。
  15. 前記設定したフィルタ特性をフーリエ逆変換して空間領域のフィルタを作成し、投影画像データと空間領域のフィルタとの畳み込み積分を施し再構成画像データを得ることを特徴とする請求項13記載のX線CT撮影装置の画像処理方法。
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