JP2013138627A - コーヒー抽出液 - Google Patents

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晃士 芥川
Yoshinobu Hayakawa
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Abstract

【課題】焙煎香が豊かで、かつ後味のキレのよいコーヒー抽出液を提供すること。
【解決手段】次の成分(A)及び(B);
(A)5−エチル−4−ヒドロキシ−2−メチル−3(2H)−フラノン:19〜40質量ppm、及び
(B)ヒドロキシヒドロキノン:0.5質量ppm以下
を含有し、
成分(A)と成分(B)との含有質量比[(B)/(A)]が0.05以下である、コーヒー抽出液。
【選択図】なし

Description

本発明は、コーヒー抽出液に関する。
コーヒー飲料の美味しさは味と香りが一体となって感じられるため、香りはコーヒー飲料の嗜好性を決する上で重要な要素である。コーヒー飲料の香味には、例えば、香り、苦味、酸味、後味のキレ等があるが、これら香味はコーヒー抽出液の製造に使用する焙煎コーヒー豆により特徴付けられる。
ところで、コーヒー飲料に含まれるクロロゲン酸類は生理効果を有することが知られているが、クロロゲン酸類の生理効果は共存するヒドロキシヒドロキノンにより阻害されるとの報告がある。このため、ヒドロキシヒドロキノンを除去する方法として、コーヒー抽出液を活性炭により処理する方法が提案されている(特許文献1)。
一方、コーヒー本来の風味を生かしたコーヒーエキスの製造方法として、焙煎コーヒー豆を温水で抽出して得られた抽出液を回収し、これとは別に焙煎コーヒー豆を2段階の温度で水蒸気蒸留して得られた留分を回収し、次いで抽出液と留分とを混合する方法が提案されている(特許文献2及び3)。また、コーヒーアロマの回収方法として、粉砕焙煎コーヒー豆を加湿し、これを加熱し、粉砕焙煎コーヒー豆を減圧に供してアロマ含有ガスを得、該アロマ含有ガスを捕集する方法も提案されている(特許文献4)
特開2007−54057号公報 特許第3773524号明細書 特開2009−296954号公報 特開2003−507047号公報
しかしながら、コーヒー抽出液を活性炭で処理すると、ヒドロキシヒドロキノンとともに香味成分も同時に除去されてしまうため、味や香りの低下が起きる場合があった。
また、前述の特許文献2〜4に係る先行技術はいずれもコーヒー抽出液のアロマ感を増強する方法であって、味の改善については未だ不十分であるため、香りと味の両立についてなお改善が求められていた。
したがって、本発明の課題は、焙煎香が豊かで、かつ後味のキレのよいコーヒー抽出液及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべくコーヒー抽出液の香りと味の両立について詳細に検討を行った。その結果、特定の香気成分とヒドロキシヒドロキノンの各含有量、及び含有質量比を制御することで、焙煎香が豊かで、かつ後味のキレのよいコーヒー抽出液が得られることを見出した。また、このようなコーヒー抽出液は、焙煎コーヒー豆を特定条件下で水蒸気蒸留することにより香気成分を留分として回収し、水蒸気処理後の焙煎コーヒー豆から抽出液を得、次いで留分と抽出液を混合するという簡便な操作により製造できることを見出した。ここで、本明細書において「後味」とは、JIS Z 8144:2004に記載の「口内に残る感覚」をいう。
すなわち、本発明は、次の成分(A)及び(B);
(A)5−エチル−4−ヒドロキシ−2−メチル−3(2H)−フラノン:19〜40質量ppm、及び
(B)ヒドロキシヒドロキノン:0.5質量ppm以下
を含有し、
成分(A)と成分(B)との含有質量比[(B)/(A)]が0.05以下である、コーヒー抽出液を提供するものである。
本発明はまた、焙煎コーヒー豆を減圧下、温度60〜100℃にて水蒸気蒸留して留分を得る第1の工程と、
第1の工程後の焙煎コーヒー豆を、温度0〜25℃の水で抽出して抽出液を得る第2の工程と、
留分と抽出液とを混合する第3の工程
を含む、コーヒー抽出液の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、焙煎香が豊かで、かつ後味のキレのよいコーヒー抽出液を提供することができる。また、本発明によれば、当該コーヒー抽出液を簡便な操作で製造することができる。
本発明のコーヒー抽出液は、カラメル様の甘く香ばしい香りを有する(A)5−エチル−4−ヒドロキシ−2−メチル−3(2H)−フラノンを含有する。(A)5−エチル−4−ヒドロキシ−2−メチル−3(2H)−フラノンの含有量は、本発明のコーヒー抽出液中に19〜40質量ppmであるが、より一層の焙煎香増強の観点から、20〜38質量ppm、更に22〜35質量ppm、更に25〜30質量ppmであることが好ましい。なお、(A)5−エチル−4−ヒドロキシ−2−メチル−3(2H)−フラノンの分析は、後掲の実施例の「5−エチル−4−ヒドロキシ−2−メチル−3(2H)−フラノンの測定」に記載の方法にしたがうものとする。
また、本発明のコーヒー抽出液は、(B)ヒドロキシヒドロキノンを含有する。(B)ヒドロキシヒドロキノンの含有量は、本発明のコーヒー抽出液中に0.5質量ppm以下であるが、後味のキレ改善及び生理効果の観点から、0.4質量ppm以下、更に0.3質量ppm以下、更に0.2質量ppm以下であることが好ましい。(B)ヒドロキシヒドロキノンの含有量の下限は0質量ppmであってもよいが、生産効率の観点から、0.001質量ppm、更に0.01質量ppmであることが好ましい。なお、(B)ヒドロキシヒドロキノンの分析は、後掲の実施例の「ヒドロキシヒドロキノンの測定」に記載の方法にしたがうものとする。
本発明のコーヒー抽出液中の成分(A)と成分(B)との含有質量比[(B)/(A)]は0.05以下であるが、より一層の焙煎香増強、後味のキレ改善の観点から、0.03以下、更に0.01以下、更に0.007以下、殊更に0.004以下であることが好ましい。かかる質量比[(B)/(A)]の下限は0であってもよいが、生産効率の観点から、0.00001、更に0.0001であることが好ましい。
このように、本発明のコーヒー抽出液は、(B)ヒドロキシヒドロキノンがコーヒー抽出液に通常含まれる量よりも低減されているため、(B)ヒドロキシヒドロキノンに対する(A)5−エチル−4−ヒドロキシ−2−メチル−3(2H)−フラノンの相対的な含有比率が高められ、その結果、焙煎香が増強されるとともに、後味のキレを改善することができる。
更に、本発明のコーヒー抽出液は、(C)カフェインを含有することができる。(C)カフェインの含有量は、より一層の後味のキレ改善の観点から、本発明のコーヒー抽出液中に230質量ppm以下、更に220質量ppm以下、更に210質量ppm以下であることが好ましい。(C)カフェインの含有量の下限は、苦味付与の観点から、150質量ppm、更に170質量ppmであることが好ましい。なお、(C)カフェインの分析は、後掲の実施例の「カフェインの測定」に記載の方法にしたがうものとする。
本発明のコーヒー抽出液中の成分(A)と成分(C)との含有質量比[(C)/(A)]は、より一層の焙煎香増強、後味のキレ改善の観点から、11以下、更に10以下、更に9以下、殊更に8以下であることが好ましい。かかる質量比[(C)/(A)]の下限は、生産効率の観点から、0.001、更に0.01であることが好ましい。
本発明のコーヒー抽出液は、風味及び長期保存時の沈澱抑制の点から、Brix(20℃)が0.5〜5、更に0.8〜4、更に1〜3であることが好ましい。
次に、本発明のコーヒー抽出液の製造方法について説明する。
本発明のコーヒー抽出液の製造方法は、第1の工程と、第2の工程と、第3の工程を含むものである。以下、各工程について詳細に説明する。
〔第1の工程〕
本発明に係る第1抽出工程は、焙煎コーヒー豆を減圧下、温度60〜100℃にて水蒸気蒸留して留分を得る工程である。これにより、5−エチル−4−ヒドロキシ−2−メチル−3(2H)−フラノンを効率良く回収することができる。
本工程においては、先ず焙煎コーヒー豆を準備する。
本工程で使用するコーヒー豆種としては、アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種等が挙げられる。コーヒー豆の産地は特に限定されないが、例えば、ブラジル、コロンビア、タンザニア、モカ、キリマンジェロ、マンデリン、ブルーマウンテンを挙げることができる。また、コーヒー豆は1種でもよいし、2種以上をブレンドして用いてもよい。
コーヒー豆の焙煎方法としては、例えば、直火式、熱風式、半熱風式等の公知の方法を適宜選択することが可能であり、これらの焙煎方式に回転ドラムを有するものが好ましい。また、焙煎温度も特に限定されないが、100〜300℃、更に150〜250℃であることが好ましい。
焙煎コーヒー豆の焙煎度としては、例えば、ライト、シナモン、ミディアム、ハイ、シティ、フルシティ、フレンチ、イタリアンが挙げられる。中でも、ライト、シナモン、ミディアム、ハイ、シティがクロロゲン酸類を多く含み、飲用しやすい点で好ましい。
焙煎度を色差計で測定したL値としては、通常10〜35、好ましくは15〜30、より好ましくは22〜28である。ここで、本明細書において「L値」とは、黒をL値0とし、また白をL値100として、焙煎コーヒー豆の明度を色差計で測定したものである。また、本発明においては、焙煎コーヒー豆として焙煎度の異なる2種以上のコーヒー豆を混合してもよく、L値の平均値が上記範囲内となるように適宜組み合わせて使用することができる。なお、L値の平均値は、使用する焙煎コーヒー豆のL値に、当該焙煎コーヒー豆の含有比率を乗じた値の総和として求められる。
次に、本工程においては、焙煎コーヒー豆を水蒸気蒸留カラムへ仕込む。その際、焙煎コーヒー豆は粉砕したものを使用することができる。水蒸気蒸留カラム中で次工程の抽出操作をそのまま行う場合には、あらかじめ粉砕した上でカラムへ仕込むことが好ましい。粉砕度合いとしては、極細挽き(0.250-0.500mm)、細挽き(0.300-0.650mm)、中細挽き(0.530-1.000mm)、中挽き(0.650-1.500mm)、中粗挽き、粗挽き(0.850-2.100mm)、極粗挽き(1.000-2.500mm)、あるいは平均粒径3mm、同5mm又は同10mm程度のカット品を挙げることができる。
次に、本工程においては、焙煎コーヒー豆中の香気成分を水蒸気により留出させる。
水蒸気蒸留は、公知の方法及び装置で行えばよく、特に制限されるものではない。
水蒸気蒸留の温度条件は60〜100℃であるが、香気成分の留出効率、変質防止の観点から、70〜100℃、更に80〜98℃であることが好ましい。
水蒸気蒸留は減圧下で行うが、香気成分の確保の観点から、ゲージ圧で−50〜−100kPa、更に−55〜−95kPa、更に−60〜−90kPaであることが好ましい。
水蒸気の供給量は、香気成分の留出の観点から、焙煎コーヒー豆に対して、0.1〜8質量倍、更に0.5〜7質量倍であることが好ましい。また、水蒸気の供給速度は、SV(空間速度)320〜1000h-1、更に400〜800h-1、更に480〜720h-1であることが好ましい。
焙煎コーヒー豆から留出された蒸気は、凝縮器により液化され回収される。
留分の回収量(凝縮量)は、香気成分の回収効率、雑味抑制の観点から、焙煎コーヒー豆に対して、0.1〜8質量倍、更に0.5〜7質量倍、更に1〜6質量倍、更に2〜5質量倍であることが好ましい。
凝縮温度は通常0℃以上であるが、5〜20℃、更に10〜18℃であることが好ましい。
〔第2の工程〕
本発明に係る第2抽出工程は、第1の工程後の焙煎コーヒー豆を、温度0〜25℃の水で抽出して抽出液を得る工程である。これにより、ヒドロキシヒドロキノンの抽出を抑制しながら、香味成分を抽出することができる。
抽出方法としては特に限定されず、例えば、ドリップ式、連続多塔式、ニーダー式、向流式等の公知の方法を採用することができる。抽出時間は、抽出方法やスケール等により一様ではなく適宜設定可能であるが、例えば、ドリップ抽出の場合、好ましくは10〜120分、更に好ましくは20〜60分である。
抽出に使用する水の温度は0〜25℃であるが、5〜25℃、更に10〜25℃、更に15〜25℃であることが好ましい。
抽出に使用する水のpH(20℃)は通常4〜10であるが、風味の観点から、5〜7が好ましい。pH調整は、抽出水に、例えば、L−アスコルビン酸、L−アルコルビン酸ナトリウム、重炭酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等のpH調整剤を添加して調整することが可能である。
抽出水の使用量は、焙煎コーヒー豆に対して、好ましくは0.3〜0.8質量倍、更に好ましくは0.4〜0.6質量倍である。
〔混合工程〕
混合工程は、第1の工程で得られた留分と、第2の工程で得られた抽出液とを混合する工程である。これにより、焙煎香が豊かで、後味のキレのよいコーヒー抽出液を得ることができる。
留分と抽出液との混合は、(A)5−エチル−4−ヒドロキシ−2−メチル−3(2H)−フラノンと(B)ヒドロキシヒドロキノンの各含有量及び含有質量比が上記範囲内となるように調整して行えばよい。
このようにして、本発明のコーヒー抽出液を製造することができる。得られたコーヒー抽出液は、ソリュブルコーヒー、容器詰コーヒー飲料とするのに好適である。
ソリュブルコーヒーは、上記コーヒー抽出液を乾燥して得ることが可能であり、乾燥方法としては、噴霧乾燥、凍結乾燥等を挙げることができる。なお、ソリュブルコーヒーの形態としては、粉末、粒状、錠剤等が挙げられる。
また、容器詰コーヒー飲料は、上記コーヒー抽出液をそのまま容器に充填するか、あるいは必要によりと濃縮又は水希釈して容器に充填することで得ることができる。
容器詰コーヒー飲料には、必要により苦味抑制剤、酸化防止剤、香料、各種エステル類、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、酸味料、品質安定剤などの添加剤を1種又は2種以上配合してもよい。容器詰コーヒー飲料は、容器詰ブラックコーヒー飲料としても、容器詰ミルクコーヒー飲料としてもよい。
ソリュブルコーヒーは、(C)クロロゲン酸類の含有量が5〜25質量%、更に8〜20質量%、更に10〜20質量%、更に12〜18質量%、殊更に12〜16質量%であることが好ましい。
また、容器詰コーヒー飲料は、(C)クロロゲン酸類を0.01〜1質量%、更に0.05〜0.5質量%、更に0.1〜0.3質量%含有することが好ましい。
更に、容器詰コーヒー飲料は、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常の包装容器に充填して提供することができる。また、容器詰コーヒー飲料は、例えば、金属缶のような容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた殺菌条件で製造できる。PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器などで高温短時間殺菌後、一定の温度迄冷却して容器に充填する等の方法が採用できる。
1.5−エチル−4−ヒドロキシ−2−メチル−3(2H)−フラノンの測定
<分析方法>
試料10gを精秤後20mlのバイアル瓶に封入し、下記測定器にセットした。
下記の条件にてGC−MSにより測定した。
<GC条件>
・測定機器:5973(Agilent Technologies社製)
・カラム:DB−WAX(60m×0.25mm, 0.25μm film thickness, Agilent Technologies社製)
・サンプル注入:スプリットレス法
・流量:1.6mL/min
・キャリアガス:He
・キャリアガス流量:3.2mL/min
・トランスファーライン:250℃
・オーブン温度:50℃2min保持→3℃/minにて昇温→220℃20min保持
<MS条件>
・イオン電圧:70eV
・イオンソース温度:200℃
GC−MS測定により得られたGCピーク及びMSピークから、GCの保持時間16.5分、MSスペクトルのm/z142.15を、5−エチル−4−ヒドロキシ−2−メチル−3(2H)−フラノンと同定し、標準物質として試薬を用いた同様の測定により得られたピークとの面積比から、試料中の含有量を求めた。
2.ヒドロキシヒドロキノンの測定
ヒドロキシヒドロキノンの分析法は次の通りである。
分析機器はHPLC−電気化学検出器(クーロメトリック型)であるクーロアレイシステム(モデル5600A、開発・製造:米国ESA社、輸入・販売:エム・シー・メディカル(株))を使用した。
装置の構成ユニットの名称・型番は次の通りである。
・アナリティカルセル:モデル5010、クーロアレイオーガナイザー、
・クーロアレイエレクトロニクスモジュール・ソフトウエア:モデル5600A、
・溶媒送液モジュール:モデル582、グラジエントミキサー、
・オートサンプラー:モデル542、パルスダンパー、
・デガッサー:Degasys Ultimate DU3003、
・カラムオーブン:505
・カラム:CAPCELL PAK C18 AQ 内径4.6mm×長さ250mm、粒子径5μm((株)資生堂)。
分析条件は次の通りである。
・サンプル注入量:10μL、
・流量:1.0mL/min、
・電気化学検出器の印加電圧:0mV、
・カラムオーブン設定温度:40℃、
・溶離液A:0.1(W/V)%リン酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、5(V/V)%メタノール溶液、
・溶離液B:0.1(W/V)%リン酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、50(V/V)%メタノール溶液。
溶離液A及びBの調製には、高速液体クロマトグラフィー用蒸留水(関東化学(株))、高速液体クロマトグラフィー用メタノール(関東化学(株))、リン酸(特級、和光純薬工業(株))、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(60%水溶液、東京化成工業(株))を用いた。
濃度勾配条件
時間 溶離液A 溶離液B
0.0分 100% 0%
10.0分 100% 0%
10.1分 0% 100%
20.0分 0% 100%
20.1分 100% 0%
50.0分 100% 0%
分析試料の調製は、試料5gを精秤後、0.5(W/V)%リン酸、0.5mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、5(V/V)%メタノール溶液にて10mLにメスアップし、この溶液について遠心分離を行い上清を得た。この上清について、ボンドエルートSCX(固相充填量:500mg、リザーバ容量:3mL、ジーエルサイエンス(株))に通液し、初通過液約0.5mLを除いて通過液を得た。この通過液について、メンブレンフィルター(GLクロマトディスク25A,孔径0.45μm,ジーエルサイエンス(株))にて濾過し、速やかに分析に供した。
HPLC−電気化学検出器の上記の条件における分析において、ヒドロキシヒドロキノンの保持時間は、6.38分であった。得られたピークの面積値から、ヒドロキシヒドロキノン(和光純薬工業(株))を標準物質とし、質量ppmを求めた。
3.カフェインの測定
分析機器はHPLCを使用した。装置の構成ユニットの型番は次の通りである。
・UV−VIS検出器:L−2420((株)日立ハイテクノロジーズ)、
・カラムオーブン:L−2300((株)日立ハイテクノロジーズ)、
・ポンプ:L−2130((株)日立ハイテクノロジーズ)、
・オートサンプラー:L−2200((株)日立ハイテクノロジーズ)、
・カラム:Cadenza CD−C18 内径4.6mm×長さ150mm、粒子径3μm(インタクト(株))。
分析条件は次の通りである。
・サンプル注入量:10μL、
・流量:1.0mL/min、
・UV−VIS検出器設定波長:325nm、
・カラムオーブン設定温度:35℃、
・溶離液C:0.05M 酢酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、10mM 酢酸ナトリウム、5(V/V)%アセトニトリル溶液、
・溶離液D:アセトニトリル。
濃度勾配条件
時間 溶離液C 溶離液D
0.0分 100% 0%
10.0分 100% 0%
15.0分 95% 5%
20.0分 95% 5%
22.0分 92% 8%
50.0分 92% 8%
52.0分 10% 90%
60.0分 10% 90%
60.1分 100% 0%
70.0分 100% 0%
HPLCでは、試料1gを精秤後、溶離液Aにて10mLにメスアップし、メンブレンフィルター(GLクロマトディスク25A,孔径0.45μm,ジーエルサイエンス(株))にて濾過後、分析に供した。
カフェインの保持時間(単位:分)18.8
ここで求めたカフェインの面積値から試薬カフェインを標準物質とし、質量ppmを求めた。
4.官能評価
各コーヒー抽出液を専門パネル5名が試飲し、焙煎香、後味のキレについて下記の基準にて評価し、その後協議により最終スコアを決定した。
焙煎香の評価基準
5:焙煎香が非常に強い
4:焙煎香が強い
3:焙煎香がやや強い
2:焙煎香がやや弱い
1:焙煎香が弱い
後味のキレの評価基準
3:キレがある
2:キレがややある
1:キレがない
5.Brixの測定
20℃における糖用屈折計示度(Brix)で表される。Atago RX-5000(Atago社製)にて測定を行った。
実施例1
(第1の工程)
焙煎コーヒー豆(ブラジルサントスNo.2、L値24)を、粉砕機(カリタ製、ダイヤル6)にて平均粒径720μmとなるように粉砕した後、50メッシュスクリーンにて篩を行い、微粉を除去して粉砕した焙煎コーヒー豆500gを得た。
粉砕した焙煎コーヒー豆500gをカラムに仕込み、カラム下部から100℃の水蒸気を流量SV(空間速度)600h-1にて供給し、−60kPa(ゲージ圧)の減圧下にて水蒸気蒸留を行った。カラム上部から出てきた蒸気を、凝縮温度15℃にて凝縮させ、2250gの留分を得た。留分の量は、焙煎コーヒー豆に対して4.5質量倍であった。
(第2の工程)
次に、カラム内の抽出残渣にpH6.8、25℃の水を、粉砕した焙煎コーヒー豆に対して0.5質量倍量注ぎ、その状態で1時間保持した後、250gの抽出液を回収した。
(第3の工程)
留分及び抽出液をそのまま混合しBrix1.5に希釈後、成分分析及び官能評価を実施した。その結果を表1に示す。
実施例2
第1の工程における圧力を−90kPa(ゲージ圧)、温度を85℃に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作によりコーヒー抽出液を得た。得られたコーヒー抽出液について、成分分析及び官能評価を実施した。その結果を表1に示す。
実施例3
第1の工程における温度を85℃に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作によりコーヒー抽出液を得た。得られたコーヒー抽出液について、成分分析及び官能評価を実施した。その結果を表1に示す。
比較例1
第1の工程における圧力を常圧に変更し、第2の工程における抽出水の温度を93℃に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作によりコーヒー抽出液を得た。得られたコーヒー抽出液について、成分分析及び官能評価を実施した。その結果を表1に示す。
比較例2
第1の工程における圧力を常圧に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作によりコーヒー抽出液を得た。得られたコーヒー抽出液について、成分分析及び官能評価を実施した。その結果を表1に示す。
比較例3
第2の工程における抽出水の温度を93℃に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作によりコーヒー抽出液を得た。得られたコーヒー抽出液について、成分分析及び官能評価を実施した。その結果を表1に示す。
比較例4
第1の工程における温度を85℃、圧力を−30kPa(ゲージ圧)の減圧下に変更したこと以外は、比較例1と同様の操作によりコーヒー抽出液を得た。得られたコーヒー抽出液について、成分分析及び官能評価を実施した。その結果を表1に示す。
比較例5
第1の工程における温度を85℃、圧力を−30kPa(ゲージ圧)の減圧下に変更したこと以外は、比較例2と同様の操作によりコーヒー抽出液を得た。得られたコーヒー抽出液について、成分分析及び官能評価を実施した。その結果を表1に示す。
Figure 2013138627
表1から、(A)5−エチル−4−ヒドロキシ−2−メチル−3(2H)−フラノンと(B)ヒドロキシヒドロキノンの各含有量及び含有質量比を一定に制御することで、焙煎香が豊かで、かつ後味のキレのよいコーヒー抽出液が得られることが確認された。

Claims (8)

  1. 次の成分(A)及び(B);
    (A)5−エチル−4−ヒドロキシ−2−メチル−3(2H)−フラノン:19〜40質量ppm、及び
    (B)ヒドロキシヒドロキノン:0.5質量ppm以下
    を含有し、
    成分(A)と成分(B)との含有質量比[(B)/(A)]が0.05以下である、コーヒー抽出液。
  2. 成分(C)としてカフェインを含み、成分(A)と成分(C)との含有質量比[(C)/(A)]が11以下である、請求項1記載のコーヒー抽出液。
  3. 成分(C)の含有量が230質量ppm以下である、請求項1又は2記載のコーヒー抽出液。
  4. Brixが0.5〜5である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のコーヒー抽出液。
  5. 焙煎コーヒー豆を減圧下、温度60〜100℃にて水蒸気蒸留して留分を得る第1の工程と、
    第1の工程後の焙煎コーヒー豆を、温度0〜25℃の水で抽出して抽出液を得る第2の工程と、
    留分と抽出液とを混合する第3の工程
    を含む、コーヒー抽出液の製造方法。
  6. 第1の工程における圧力がゲージ圧で−50〜−100kPaである、請求項5記載の製造方法。
  7. 第1の工程の水蒸気蒸留にて得られる留分が、焙煎コーヒー豆に対して0.1〜8質量倍である、請求項5又は6記載の製造方法。
  8. 第2の工程の抽出における抽出水の使用量が、焙煎コーヒー豆に対して0.3〜0.8質量倍である、請求項5〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
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