JP2013137240A - 抗イディオタイプ抗体を用いたハプテン測定試薬 - Google Patents

抗イディオタイプ抗体を用いたハプテン測定試薬 Download PDF

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Abstract

【課題】 抗ハプテンモノクローナル抗体とα型抗イディオタイプ抗体とβ型抗イディオタイプ抗体とを含むハプテン測定試薬において、従来とは異なる系を提供すること。
【解決手段】 抗ハプテンモノクローナル抗体を取得するのに用いる動物種と、α型抗イディオタイプ抗体およびβ型抗イディオタイプ抗体を取得するのに用いる動物種と、が異なるハプテン測定試薬により前記課題を解決する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、抗ハプテンモノクローナル抗体、α型抗イディオタイプ抗体およびβ型抗イディオタイプ抗体を含むハプテン測定試薬に関する。
低分子化合物であるハプテンは、通常、競合法とよばれる免疫測定方法によって測定される。競合法は、試料中に含まれるハプテンと、放射性同位元素や酵素などで標識した標識ハプテンを、一定量の抗ハプテン抗体に対して競合的に反応させる方法である。試料中に含まれるハプテン量が多くなると、標識ハプテンの抗ハプテン抗体への結合量が低下することから、標識ハプテンの抗ハプテン抗体への結合割合より試料中に含まれるハプテン量を推定することができる。競合法における測定感度は、用いる抗ハプテン抗体の親和定数に依存する。そのため、ごく微量のハプテンを測定することは極めて困難であった(非特許文献1)。
前述した競合法による免疫測定の課題を解決し得る測定方法として、抗イディオタイプ抗体を用いた非競合型の免疫測定法が提案されている。抗イディオタイプ抗体を用いたハプテン測定系は以下に示す方法で行なわれ、試料中に含まれるハプテンを競合法によらず測定することができる。
(1)プレート等に固定化した抗ハプテンモノクローナル抗体にハプテンを含む試料を添加し、当該ハプテンを抗ハプテン抗体に捕捉させる。
(2)β型抗イディオタイプ抗体(β−Id)を添加し、抗ハプテン抗体中の未反応のパラトープを飽和させる。
(3)酵素などで標識したα型抗イディオタイプ抗体(α−Id)を添加する。α−Idはβ−Idの立体障害により、ハプテンを捕捉した抗ハプテン抗体の可変領域と選択的に結合する。そのため、試料中に含まれるハプテン量の増加に伴ったシグナル増幅が観測される。
抗イディオタイプ抗体を用いた非競合型の免疫測定法の具体例としては、マウス由来の3種の抗体(抗ハプテンモノクローナル抗体、α−Id、β−Id)を用いた、胆汁酸代謝物であるウルソデオキシコール酸7−N−アセチルグルコサミドの測定があげられる(非特許文献2および3)。
ぶんせき、551−552;2004 J.Immunol.Methods.、245、95;2000 J.Immunol.Methods.、272、1;2003
非特許文献2および3で開示の抗イディオタイプ抗体を用いた非競合型の免疫測定法では、3種類の抗体(抗ハプテンモノクローナル抗体、α−Id、β−Id)いずれもマウス由来の抗体を使用している。マウス由来のα−Idおよびβ−Idを取得する際、マウスに対してマウス由来の抗ハプテンモノクローナル抗体を免疫する必要がある。しかしながら、同一動物種由来のタンパク質を免疫することになるため異物として認識されず、抗体価が上昇しづらい問題があった。そのため、前記抗ハプテンモノクローナル抗体をキャリアタンパク質と結合させることで抗原性を与えた上でマウスに対し免疫する必要があった。
本発明の目的は、抗ハプテンモノクローナル抗体、α−Idおよびβ−Idを含む、ハプテン測定試薬において、従来とは異なる系を提供することにある。
前記課題を鑑みてなされた本発明の第一の態様は、
抗ハプテンモノクローナル抗体とα型抗イディオタイプ抗体とβ型抗イディオタイプ抗体とを含む、ハプテン測定試薬であって、
抗ハプテンモノクローナル抗体を取得するのに用いる動物種と、α型抗イディオタイプ抗体およびβ型抗イディオタイプ抗体を取得するのに用いる動物種とが異なる、前記測定試薬である。
また本発明の第二の態様は、
α型抗イディオタイプ抗体およびβ型抗イディオタイプ抗体が、
α型抗イディオタイプ抗体およびβ型抗イディオタイプ抗体を取得するのに用いる動物種に対して抗ハプテンモノクローナル抗体を免疫して得られる抗血清と、抗ハプテンモノクローナル抗体を取得するのに用いた動物種由来の抗体または血清と、を共存させた状態でスクリーニングして得られた抗体である、
前記第一の態様に記載の測定試薬である。
また本発明の第三の態様は、抗ハプテンモノクローナル抗体を取得するのに用いる動物種がウサギであり、α型抗イディオタイプ抗体およびβ型抗イディオタイプ抗体を取得するのに用いる動物種がマウスである、前記第一または第二の態様に記載の抗体である。
また本発明の第四の態様は、ハプテンがステロイドホルモンである、前記第一から第三のいずれかに記載の測定試薬である。
以下、本発明を詳細に説明する。
(1)測定対象ハプテン
本発明の試薬で測定可能なハプテンは、通常競合法により測定する、分子量の低い物質であれば特に限定はなく、一例として、トリヨードサイロニン(T3)、チロキシン(T4)、3,5−ジヨード−L−チロニン(T2)等の甲状腺ホルモンや、エストロン(E1)、エストラジオール(E2)、エストリオール(E3)、プロゲステロン(progesterone)、コルチゾール(cortisol)等のステロイドホルモンがあげられる。特にエストラジオール(E2)に代表されるステロイドホルモンが、本発明の試薬で測定するハプテンとして好ましい。
(2)抗イディオタイプ抗体
本発明の試薬で使用する抗イディオタイプ抗体は、特定抗体の可変領域と結合する特殊な抗体のことをいい、α型とβ型の二種に分類される。α型抗イディオタイプ抗体(α−Id)は、前記特定抗体が認識する抗原と同時に結合可能な抗体である。一方β型抗イディオタイプ抗体(β−Id)は、前記特定抗体のパラトープに結合する抗体であり、前記特定抗体が認識する抗原と競合する抗体である。
(3)動物種
本発明の試薬で使用する抗イディオタイプ抗体(α−Idおよびβ−Id)を取得するのに用いる動物種は、本発明の試薬で使用する抗ハプテンモノクローナル抗体を取得するのに用いる動物種と異なる動物種であればよい。抗ハプテンモノクローナル抗体または抗イディオタイプ抗体を取得するのに用いる動物種としては、当業者が通常用いる、マウス、ラット、ウサギ、ニワトリ、ヤギなどが例示でき、ハプテン測定試薬として要求する感度や特異性、抗体の取得容易性などを考慮し、適宜選択すればよい。好ましい一例として、抗ハプテンモノクローナル抗体を取得するのに用いる動物種として、親和性の高い抗体の取得が可能なウサギを、抗イディオタイプ抗体を取得するのに用いる動物種として、抗体の取得が比較的容易なマウスを、それぞれ選択した系があげられる。
(4)抗イディオタイプ抗体の取得方法
本発明の試薬で使用する抗イディオタイプ抗体(α−Idおよびβ−Id)は、抗ハプテンモノクローナル抗体を、当該抗体を取得するのに用いた動物種とは異なる動物種に対して免疫することで取得することができる。抗ハプテンモノクローナル抗体を免疫する動物種は、当該抗体を取得するのに用いた動物種とは異なるため、当該抗体を異物として認識する。そのため当該抗体に対する抗体価は容易に上昇する。免疫する抗体の構造はパラトープを含む構造であれば特に限定はなく、Intact抗体を免疫してもよいし、Fab化した抗体、F(ab)’化した抗体またはScFv化した抗体を免疫してもよい。なお抗体を免疫する際、フロイントアジュバンドなどのアジュバンドを併用してもよい。
(5)抗イディオタイプ抗体産生ハイブリドーマの作製
抗イディオタイプ抗体を産生するハイブリドーマは、前記(4)で免疫した動物種から脾臓細胞を採取し、それを骨髄腫細胞(ミエローマ細胞)と融合させることで得ることができる。細胞融合方法に特に限定はなく、通常一般的に行われている方法で融合すればよい。例えばポリエチレングリコール(PEG)法、電気融合法、センダイウイルスを用いる方法があげられる。
(6)抗イディオタイプ抗体産生ハイブリドーマのスクリーニング
前記(5)で得られたハイブリドーマには、目的とする抗イディオタイプ抗体(α−Idまたはβ−Id)を産生するハイブリドーマ以外に、抗ハプテンモノクローナル抗体のパラトープ近傍以外を認識する抗体(目的外の抗体)を産生するハイブリドーマも数多く存在する。当該目的外の抗体を発現するハイブリドーマは、スクリーニング時バッググラウンドを上昇させる要因となる。そこでスクリーニング時に、抗ハプテンモノクローナル抗体を取得するのに用いた動物種由来の抗体または血清を共存させると、当該バッググラウンドを低減させることができる。これにより、抗イディオタイプ抗体(α−Idまたはβ−Id)を産生するハイブリドーマのスクリーニングが容易に行なえるため、好ましい。抗ハプテンモノクローナル抗体を取得するのに用いた動物種由来の抗体または血清の共存量としては、抗体を用いる場合は5μg/mL以上が好ましく、血清を用いる場合は反応液量に対し5%以上が好ましい。
(7)抗体性能の評価
得られた抗イディオタイプ抗体の評価には、当業者が通常用いる、ELISA(Enzyme Linked Immunosorbent Assay)法やRIA(Radioimmunoassay)法などで行なえばよい。
本発明は、抗ハプテンモノクローナル抗体とα型抗イディオタイプ抗体(α−Id)とβ型抗イディオタイプ抗体(β−Id)とを含むハプテン測定試薬において、抗ハプテンモノクローナル抗体を取得するのに用いる動物種とα−Idおよびβ−Idを取得するのに用いる動物種とが異なることを特徴としている。従来の抗イディオタイプ抗体を用いた競合法によらないハプテン測定試薬は、前記3つの抗体を取得するのに用いる動物種が同一であったため、α−Idおよびβ−Idの取得が困難であったが、本発明の試薬は動物種が異なるため、α−Idおよびβ−Idの取得が容易である。そのため、競合法によらないハプテン測定試薬を従来より容易に製造することができる。
5匹のマウス(マウスNo.1からNo.5)から得た抗血清をELISAで評価した結果。横軸はエストラジオール(E2)濃度を、縦軸は蛍光強度(Intensity)を、それぞれ示す。 抗体産生細胞培養上清中に含まれる抗体をELISAで評価した結果。E2−(抗E2モノクローナル抗体との反応性)に対するE2+(抗E2モノクローナル抗体−E2複合体に対する反応性)が高かった8つ(No.1からNo.8)と、E2+に対するE2−が高かった8つ(No.9からNo.16)の結果を示している。縦軸には蛍光強度(Intensity)を示す。 Id−5またはId−14の抗E2モノクローナル抗体−E2の複合体に対する反応性をELISAで評価した結果。横軸はE2濃度を、縦軸は蛍光強度(Intensity)を、それぞれ示す。 Id−5またはId−14のウサギIgGとの反応性をELISAで評価した結果。横軸には固定化したウサギIgGの濃度を、縦軸には蛍光強度(Intensity)を示す。 抗E2ウサギモノクローナル抗体に対する、Id−5またはId−14とE2との競合性能をELISAで評価した結果。横軸は培養上清希釈倍率を、縦軸には蛍光強度(Intensity)を、それぞれ示す。 Id−5およびId−14の認識部位をELISAで評価した結果。横軸はId−14濃度を、縦軸は蛍光強度(Intensity)を、それぞれ示す。 Id−5、Id−14および抗E2モノクローナル抗体を用いて、E2測定を行なった結果。横軸はE2濃度を、縦軸は蛍光強度(Intensity)を、それぞれ示す。
以下、ハプテンとしてエストラジオール(E2)を用いたときの実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1 動物への免疫
免疫動物としては、マウス(ICR)の5週齢メス5匹(マウスNo.1からNo.5)を使用した。抗原溶液とアジュバントとを等量混合したエマルジョンを作製し、それをマウスに対し1週間間隔で4回免疫した。なお抗原溶液は、1mg/mLの抗E2ウサギモノクローナル抗体と1mg/mLのE2を含むPBS溶液を用いた。またアジュバントは、初回の免疫ではフロイント完全アジュバントを、二回目以降の免疫ではフロイント不完全アジュバントを、それぞれ用いた。
実施例2 抗体価の確認
以下に示すELISA(Enzyme Linked Immunosorbent Assay)で抗体価の上昇を確認した。
(1)αMouse−IgGFc(1μg/mL)(MP Biomedicals社製)をELISAプレートに固定化後、1%スキムミルクでブロッキングした。
(2)実施例1で免疫したマウスから採血した抗血清を、5%のウサギ血清を含んだ0.1%スキムミルク溶液で1000倍に希釈後、プレートに添加して、プレート上に固定した抗体と反応させた。
(3)アルカリホスファターゼ(ALP)で標識した抗E2ウサギモノクローナル抗体と、E2希釈系列(500ng/mLから2倍ずつ希釈)とを、あらかじめ5%のウサギ血清を含むPBS溶液中で混合後、プレートに添加して、プレート上に固定した抗体と反応させた。
(4)未反応のALP標識抗E2抗体をB/F(Bound/Free)分離後、ALPの基質である4−メチルウンベリフェルリン酸(4−MUP)をプレートに分注し、蛍光強度を測定することで検出した。
結果を図1に示す。横軸にE2濃度、縦軸に蛍光強度(Intensity)をプロットし、抗血清の抗体価を比較した。マウスNo.2およびNo.5から得た抗血清において、E2濃度の上昇に伴い、蛍光強度が明らかに減少した。このことから、マウスNo.2およびNo.5の抗血清には、抗E2抗体のパラトープ付近を認識する抗体(抗イディオタイプ抗体)が含まれることが示唆された。
実施例3 抗体産生ハイブリドーマの作製
実施例2で選択したマウスから、以下に示す方法で抗体産生細胞を作製した。
(1)十分に抗体価の上昇したマウスNo.5の脾臓を摘出し、定法に従い脾臓細胞を調製した。調製した脾臓細胞を定法(PEG法)に従いマウスミエローマ細胞(Sp2/0)と融合させ、ハイブリドーマを作製した。
(2)融合後のハイブリドーマ浮遊液を10%FCS(Fetal calf serum)と1×HATを含むE−RDF培地(極東製薬製)に懸濁後、マイクロタイタープレートにまいて10日間培養し、培養上清を取得した。
実施例4 抗体産生ハイブリドーマのスクリーニング
実施例3で得られた抗体産生ハイブリドーマを、以下に示す2つのELISAによりスクリーニングした。
(1)抗E2モノクローナル抗体との反応性(E2−)
(1−1)αMouse−IgGFc(1μg/mL)(MP Biomedicals社製)をELISAプレートに固定化後、1%スキムミルクでブロッキングした。
(1−2)5%のウサギ血清を含むPBS溶液中で実施例3(2)の培養上清をプレート上で反応させた。
(1−3)反応後、ALP標識抗E2ウサギモノクローナル抗体をプレート上で反応させ、B/F分離を行なった後、基質である4−MUPを分注し、蛍光強度を測定することで検出した。
(2)抗E2モノクローナル抗体−E2複合体に対する反応性(E2+)
(2−1)αMouse−IgGFc(1μg/mL)(MP Biomedicals社製)をELISAプレートに固定化後、1%スキムミルクでブロッキングした。
(2−2)5%のウサギ血清を含むPBS溶液中で実施例3(2)の培養上清をプレート上で反応させた。
(2−3)あらかじめE2(500ng/mL)と混合したALP標識抗E2ウサギモノクローナル抗体を反応させ、B/F分離を行なった後、基質である4−MUPを分注し、蛍光強度を測定することで検出した。
(1)および(2)の測定データを並べてグラフにした(図2)。図2は評価を行なった培養上清中、E2−(抗E2モノクローナル抗体に対する反応性)に対するE2+(抗E2モノクローナル抗体−E2複合体に対する反応性)が高かった8つ(No.1からNo.8)と、E2+に対するE2−が高かった8つ(No.9からNo.16)の結果を示している。E2−に対するE2+が高かった培養上清(No.1からNo.8)の中からNo.5を、E2+に対するE2−が高かった培養上清(No.9からNo.16)の中からNo.14を、それぞれ選択し、それぞれを限界希釈により単クローン化することで、No.5由来のモノクローナル抗体Id−5と、No.14由来のモノクローナル抗体Id−14を単離した。
実施例5 モノクローナル抗体の評価
実施例4で単離したモノクローナル抗体(Id−5、Id−14)の特性を以下の方法で評価した。
(1)抗E2モノクローナル抗体−E2複合体との反応性
実施例2に示したELISAと同様の反応系を用いて、単離したモノクローナル抗体の評価を行なった。なおE2希釈系列は250ng/mLから開始している。結果を図3に示す。横軸にはE2濃度を示し、縦軸には蛍光強度(Intensity)を示す。Id−5ではE2濃度の上昇に伴い蛍光強度が僅かに上昇した一方、Id−14ではE2濃度の上昇に伴い蛍光強度が大幅に減少した。この結果より、Id−14と抗E2ウサギモノクローナル抗体の反応は、E2により阻害されることがわかる。
(2)ウサギIgGとの反応性
以下に示すELISAで、ウサギIgGとの反応性を評価した。
(2−1)Rabbit IgG(10μg/mL)(Sigma社製)の2倍希釈系列を作製後、当該希釈系列をELISAプレートに固定化し、1%スキムミルクでブロッキングした。
(2−2)Id−5またはId−14を産生するハイブリドーマの培養上清を0.1%スキムミルクで100倍希釈したものをプレートに添加し反応させた。なおポジティブコントロールとして、抗ウサギ抗体を発現する細胞の培養上清を0.1%スキムミルクで100倍希釈したものをプレートに添加し反応させた。
(2−3)ALP標識抗マウスIgG抗体とプレート上で反応させた後、未反応のALP標識抗体をB/F分離し、基質である4−MUPを分注し、蛍光強度を測定することで検出した。
結果を図4に示す。横軸に固相化したRabbit IgGの濃度、縦軸に蛍光強度(Intensity)をプロットした。ポジティブコントロールではRabbit IgGとの反応性が確認されたが、Id−5とId−14ではRabbit IgGに対する反応性を示さなかった。このことから、Id−5とId−14は抗E2ウサギモノクローナル抗体に対して特異的に反応する抗体であると考えられる。
(3)ALP標識E2との競合能評価
以下に示すELISAにより、Id−5またはId−14を発現する細胞の培養上清とALP標識E2との競合性能を評価した。
(3−1)αRabbit IgG(1μg/mL)(Millipore社製)をELISAプレートに固定化後、1%スキムミルクでブロッキングした。
(3−2)ALP標識E2の濃度が一定の条件で、Id−5またはId−14を産生するハイブリドーマの培養上清希釈系列を作製し、抗E2ウサギモノクローナル抗体と同時にプレート上で反応させた。
(3−3)未反応のALP標識E2をB/F分離後、基質である4−MUPを分注し、蛍光強度を測定することで検出した。
結果を図5に示す。横軸に培養上清の希釈倍率、縦軸に蛍光強度(Intensity)をプロットした。Id−14が高濃度に存在すると、ALP標識E2と抗E2ウサギモノクローナル抗体との結合が阻害されることが示唆された。
(4)Id−5とId−14の認識部位
以下に示すELISAにより、Id−5とId−14の認識部位を評価した。
(4−1)αRabbit IgG(1μg/mL)(Millipore社製)をELISAプレートに固定化後、1%スキムミルクでブロッキングした。
(4−2)抗E2ウサギモノクローナル抗体を添加しプレート上で反応後、Id−14希釈系列を添加しプレート上で反応させた。
(4−3)ALP標識Id−5を添加しプレート上で反応後、B/F分離を行ない、基質である4−MUPを分注し、蛍光強度を測定することで検出した。
結果を図6に示す。横軸にId−14濃度、縦軸に蛍光強度(Intensity)をプロットした。Id−14の濃度が高くなるに伴い、Id−5の抗E2ウサギモノクローナル抗体への結合が阻害されていることが分かる。この結果からId−5とId−14は抗E2ウサギモノクローナル抗体の近接部位を認識していることが示唆された。
以上(1)から(4)の結果から、モノクローナル抗体Id−5は抗E2ウサギモノクローナル抗体の可変領域に対して特異的に結合するα型イディオタイプ抗体(α−Id)であることが示唆され、モノクローナル抗体Id−14は抗E2ウサギモノクローナル抗体のパラトープに結合してE2と競合するβ型抗イディオタイプ抗体(β−Id)であることが示唆された。
実施例6 α型・β型抗イディオタイプ抗体を用いたE2測定系
α−IdであるId−5、β−IdであるId−14、および抗E2ウサギモノクローナル抗体を用いて以下に示す方法でE2測定系を構築した。
(1)抗E2ウサギモノクローナル抗体(1μg/mL)をELISAプレートに固定化後、1%スキムミルクでブロッキングした。
(2)E2の希釈系列をプレート上の抗体と反応させた後、Id−14をプレート上で反応させた。
(3)ALP標識Id−5をプレート上の抗体と反応させ、B/F分離後、基質である4−MUPを分注し、蛍光強度を測定することで検出した。
結果を図7に示す。横軸にE2濃度、縦軸には蛍光強度(Intensity)をプロットした。E2濃度の増加に伴い、蛍光強度が増加していることがわかる。このことから、Id−14が未反応の抗E2ウサギモノクローナル抗体のパラトープ付近を認識し結合することで、Id−5の抗E2ウサギモノクローナル抗体への結合を阻害したことが示唆された。
以上の結果から、ウサギから取得した抗E2モノクローナル抗体と、ウサギとは動物種の異なるマウスから取得した抗イディオタイプ抗体(α−Idおよびβ−Id)とを用いることで、競合法によらないE2測定試薬を構築できることがわかる。

Claims (4)

  1. 抗ハプテンモノクローナル抗体とα型抗イディオタイプ抗体とβ型抗イディオタイプ抗体とを含む、ハプテン測定試薬であって、
    抗ハプテンモノクローナル抗体を取得するのに用いる動物種と、α型抗イディオタイプ抗体およびβ型抗イディオタイプ抗体を取得するのに用いる動物種とが異なる、前記測定試薬。
  2. α型抗イディオタイプ抗体およびβ型抗イディオタイプ抗体が、
    α型抗イディオタイプ抗体およびβ型抗イディオタイプ抗体を取得するのに用いる動物種に対して抗ハプテンモノクローナル抗体を免疫して得られる抗血清と、抗ハプテンモノクローナル抗体を取得するのに用いた動物種由来の抗体または血清と、を共存させた状態でスクリーニングして得られた抗体である、
    請求項1に記載の測定試薬。
  3. 抗ハプテンモノクローナル抗体を取得するのに用いる動物種がウサギであり、α型抗イディオタイプ抗体およびβ型抗イディオタイプ抗体を取得するのに用いる動物種がマウスである、請求項1または2に記載の抗体。
  4. ハプテンがステロイドホルモンである、請求項1から3のいずれかに記載の測定試薬。
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