JP2013137189A - 空気調和システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】同一室内空間に設置された3台の空気調和機Aの制御部17を通信線20で接続し、これら空気調和機の制御部のそれぞれが同一空間にある他の全ての空気調和機の人感センサー16の検知情報、リモコン18の設定温度情報及び吸込温度センサー15の吸込温度情報を把握でき、これらの情報に基づいて、各制御部がそれぞれの空調対象空間の空調負荷及びこれらの空調対象空間に基づく空調空間全体の空調負荷を同じように算出し、その算出結果に基づいて圧縮機を駆動制御して空調空間全体の省電力運転を行うようにした。
【選択図】図1
Description
このように人感センサーを用いれば、室内における人の存否に応じて空気調和機の運転モードを自動的に制御することが可能となり、使用者にとってより快適で、且つ、効率的な空調運転を実現できる。
例えば、店舗、飲食店、事務所等の比較的広い室内空間を持つ建屋において室内空間を空調する場合、一般的に複数の室内機を用いて一つの室内空間の空調を行うケースが多い。
上記のような問題を回避するために、一律に省電力運転へのシフト量を小さくするなどすれば、十分な省電力効果を得ることが困難となる。
また、各空気調和機が個別に運転していたため、暖房運転時に複数の空気調和機が同時に除霜運転をしてしまい、一時的に空調能力が大幅に低下し、室内の快適性が大幅に低下するといった問題もあった。
本発明はかかる問題点を解決するためになされたもので、同一室内空間に設置された複数の空気調和機が、互いの人検知情報や運転情報を共有することで、各空調対象空間の空調負荷や室内空間全体の空調負荷を把握した上で、省電力運転を行うことができる空気調和システムを得ることを目的とする。
前記室内機の複数が同一室内空間に設置され、前記複数の空気調和機の前記制御部を有線又は無線で接続し、これら複数台の空気調和機の制御部のそれぞれが同一空間にある他の全ての空気調和機のリモコンの設定温度情報及び吸込温度センサーの吸込温度情報を把握して各空気調和機の運転を制御するものであり、前記複数の空気調和機の各制御部は、前記設定温度情報及び前記吸込温度情報に基づいて、それぞれの空調対象空間の空調負荷及び各空調対象空間の空調負荷の総和である室内空間全体の空調負荷を算出し、算出した各空調対象空間と前記室内空間全体とのどちらの空調負荷も余裕がある場合に、前記空調対象空間及び前記室内空間全体の空調負荷の余裕の範囲内で、対応する空気調和機の運転を停止させる、前記複数の空気調和機の中で運転効率のより良い空気調和機を優先的に運転させる、若しくは、各空気調和機の設定温度又は吸込温度を該空気調和機の消費電力を現在より少なくする側にシフトさせる、ことを特徴とする。
図1は本発明の実施の形態1の空気調和システムのブロック図、図2は同空気調和システムの空気調和機の内部構成を示すブロック図、図3は同空気調和システムの空気調和機の室内機の全体の半分の構成を示す断面図、図4は同空気調和システムの空気調和機の室内パネルを示す正面図である。
この実施の形態1の空気調和システムの空気調和機Aの室内機1は、室内の天井に埋設配置される天井埋込式のものであるが、他の形態の室内機にも適用できるものである。
また、図4に示すように、室内パネル3の中央部には吸込口4が形成されている。その吸込口4の外周には4つの吹出口5が形成されている。
また、遠心ファン6と吸込口4との間にはベルマウス8が配置されている。また、吸込口4には吸込グリル9とフィルター10が装着されている。
吹出口5の上部には吹出風路11が形成され、吹出口5の下部には吹き出し風向を調整するベーン12が設置されている。
このように同一室内空間の例えば3台の空気調和機Aの制御部17を通信線20により接続することで、各々の空気調和機Aの制御部17は同一室内空間の他の2台の空気調和機Aの人検知情報や設定温度や吸込温度や運転情報等も把握することができる。
そして、各空気調和機Aの制御部17は、自分とそれ以外の空気調和機Aの人検知情報や、設定温度や、吸込温度や、運転状態情報等に基づいて、各々が空調空間全体の負荷状況を同じように判断し、その結果によって空調空間全体の快適性と省電力運転を両立した運転を行うようにしている。
まず、設定温度と吸込温度との差異が大きいほど、空調負荷が高いと判断する。また、上記に加え、例えば冷房時では人数が多いほど負荷が大きくなり、暖房時だと人数が少ないほど空調負荷が高くなる。
そこで、「設定温度」と、「吸込温度(室内)」と「人感センサーが検出する人数」の情報から複合的に判断して、空調対象空間の空調負荷を算出する。
また、同一室内空間の空調空間全体の空調負荷は、各空気調和機Aの制御部17がそれぞれの空気調和機Aの空調対象空間の空調負荷の総和から求める。
また、制御部17が室内機1の遠心ファン6の回転数を上げるように制御すると、熱交換器7を通過する空気の量が増えるので、空調能力が上がり、空調負荷は低くなる。
したがって、圧縮機19、遠心ファン6の回転数を下げると、空調能力が下がることとなる。
ここでまず、各空調対象空間の空調負荷を把握する意味について説明する。
例1として、空気調和機には下記のような特徴がある。
a)どの機種にも最小能力が存在し、それ以上能力を下げることはできない。従って、それ以上に能力を下げる必要がある場合は、運転−停止を繰り返すこととなる。
b)運転起動時の効率は通常時に比べて悪い(効率が1/2程度になる)。
ここで、効率=空調能力/消費電力
以上のことを考慮して、例えば、最小能力5KWの空気調和機4台が取り付けられている室内空間で、4台の空気調和機が最小能力で運転したとしても20KWであるので、仮に室内空間全体の空調負荷が15KWの場合は[空気調和機の能力]>[空調負荷] となり、全4台の空気調和機が[冷やし過ぎたため停止]−[停止することで室温が上昇し運転]を繰り返すことになる。
このように、空気調和機Aの停止と運転を繰り返すと、起動時の効率の悪い状態で運転する時間が長くなる。
そこで、本発明の実施の形態1では、室内空間全体の空調負荷を15KWと判断すると、1台の空気調和機Aを停止させ、3台で15KWで運転させることで、従来に比べ、無駄な停止によるロスを抑制することができ、省エネを図ることができる。
同一室内空間に複数の異なった空気調和機Aが据え付けられた場合、従来はそれぞれの空気調和機Aがそれぞれの空調負荷に合わせて個々に運転するが、本発明の実施の形態1では、室内全体の空調負荷を満足すれば、効率の良い空気調和機を優先的に運転させたり、効率の良いポイントで使用させたりすることで、室内空間全体としてある空調能力を出力するのに、より消費電力の小さい運転を行うことが可能となる。
こういったことは、同一室内空間において、空調対象空間の空調負荷と空調空間全体の空調負荷が明らかになって初めて可能となるからである。
a)省電力運転
本発明の実施の形態1の空気調和システムでは、各空気調和機Aの制御部17が効率の良い空気調和機Aを優先的に運転させたりすることで、従来と同じ空調負荷でより、空調空間全体において消費電力の小さい運転を行うことが可能、即ち省電力運転ができる。
b)快適性
快適性については、「従来より快適」ということではなく、最大限省電力運転となる運転を行うと、空気調和機により出力の大きいものや小さいものが生じることから、室内の温度ムラが生じ快適性を悪化させてしまうことも予想される。
そこで、省電力のみを考慮して運転するのではなく、快適性にも配慮した運転を行うということである。
すなわち、例えば、人のいないエリアである空調対象空間は最大限省電力の運転を行い、人のいるエリアである空調対象空間は各空調空間の間の吸込温度(室内)の差異(=温度ムラ)が一定以上にならない範囲で省電力運転を行う。
こうすることによって、省電力運転と快適性が両立した運転が可能となる。
ここで、室内空間全体と空調対象空間のどちらの空調負荷も余裕があるかどうかは、空調対象空間における設定温度と吸込み温度(室内)の差異で判断し、吸込み温度が設定温度に近づいて来れば空調負荷が小さくなって空調負荷に余裕があるとする。
さらに、もう1つのファクターとして人感センサー16で検知した人数が加わり、例えば冷房時では人数が多いほど負荷が大きくなり、暖房時だと人数が少ないほど空調負荷が高くなるので、冷房時では人数が少ない方が空調負荷に余裕があり、暖房では人数が多いほど空調負荷に余裕があるということになる。
室内空間全体について空調負荷に余裕があるかどうかは、各空調対象空間の空調負荷の余裕の総和から判断する。
一般的には空気調和機の出力は「設定温度と吸込温度の差異」により調整され、冷房時では、「吸込温度−設定温度」が小さくなると、出力を小さくするので、設定温度を大きい方にシフトすれば省電力運転となる(吸込み温度を小さい方にシフトしても同意)。
また、暖房時では、「設定温度−吸込温度」が小さくなると、出力を小さくするので、設定温度を小さい方にシフトすれば省電力運転となる(吸込温度を大きい方にシフトしても同意)。
即ち、より冷やさなくても良い、暖めなくても良い、といった方向になるので、省電力運転になる。
ここで、設定温度をシフトするとは、冷房時にユーザーが設定した設定温度が23℃でも、制御部17でゲタをはかせ、例えば設定温度を24℃と認識することで、1℃分省エネ運転するということである。
また、吸込温度をシフトするとは、実際に検知した吸込温度に対し、制御部17でゲタをはかせ、例えば、冷房時に実際の吸い込み温度が23℃のとき、制御部17が吸込温度にゲタをはかせ、22℃と判断することで、1℃分省エネ運転するということである。
ここで、空調対象空間で在室人数が少ないかどうかは、例えば同一室内空間に5台の空気調和機を設定していた場合、5つの空調対象空間があり、これら5つの空調対象空間の在室人数を比較して少ないかどうかを決め、在室人数が少ない空調対象空間について運転を停止したり、設定温度を省電力側にシフトしたりして省電力運転を行うというものである。
空調負荷の少ない空調対象空間は、省電力側へのシフト量を大きくし、空調負荷の高い空調対象空間、又は人の多い空調対象空間では快適性にも配慮して省電力側へのシフト量を小さくして運転するというものである。
ここで、省電力側へのシフトとは設定温度若しくは吸込温度を省電力側へシフトさせることをいう。
これは、除霜運転中は暖房運転ができなくなるため、同一室内空間の複数台の空気調和機Aが同時に除霜運転を行うと、空調能力が大幅に低下して、室内温度が下がってしまい室内の快適性の低下を招く。
そこで、1台ずつ除霜運転を行うため、室内空間の空調能力が大幅に低下することを防止することができる。
また、空調負荷の低い空調対象空間からといった順番であるが、外気温度が低く、空調負荷の高い環境下では、十分に室内温度が上がっていない状態で除霜運転に入ることが考えられ、空調負荷の高い空調対象空間は空気調和機Aを少しでも長く運転させ、室温があがった状態で除霜運転した方が、ユーザーの満足度が悪化しないからである。
ここでは、空調負荷が高く、室内温度が上がっていない状態での除霜運転を例に出したが、室内温度が設定温度に近づいている状態でも、この関係が逆転することはない。
なお、室内温度が上がっていない状態で、除霜運転をせざるを得ない場合、負荷の高い空調対象空間より負荷の低い空調対象空間を優先させた方が、ユーザーの不快度は低いと考えられる。
この場合も除霜運転中は暖房運転ができなくなるため、同一室内空間の複数台の空気調和機Aが同時に除霜運転を行うと、空調能力が大幅に低下して、室内温度が下がってしまい、室内の快適性の低下を招く。
そこで、1台ずつ除霜運転を行うため、室内空間の空調能力が大幅に低下することを防止することができる。
また、人数の少ない空調対象空間から、といった順番であるが、人数の多い空調対象空間は少しでも長く運転させ、室温があがった状態で除霜運転した方が、ユーザーの満足度が悪化しないからである。
この場合の運転の目的は、空調負荷が高く、能力不足気味の空調対象空間に対して「能力不足を補う」ことと、「風の到達性を上げ、能力不足の空調対象空間に到達させる」ことにある。
従って、例えば、遠心ファン6の回転数のテーブルを何段階にも準備しておき、ある空調対象空間の能力不足が解消されるまで段階的に回転数を上げる、といった制御になる。
なお、遠心ファン6の回転数の上限は存在するので、上限以上に風量を上げることはできない。
図5は本発明の参考の形態1の空気調和システムのブロック図である。
上記実施の形態1では、複数台の空気調和機Aの制御部17が同一室内空間での全検知情報を基に、それぞれ運転しているような形態であったが、参考の形態1では、図5に示すように、同一室内空間に設置された3台の空気調和機Aのうち、1台が親機となるように空気調和機Aの制御部17を通信線20で接続したものである。
従って、親機の空気調和機の制御部17がそれ以外の2台の空気調和機Aの人感センサー16の検知情報、リモコン18の設定温度情報及び吸込温度センサー15の吸込温度情報も把握でき、これらの情報に基づいて、各空調対象空間の空調負荷及びこれらの空調対象空間の空調負荷に基づき空調空間全体の空調負荷を算出し、親機の空気調和機Aの制御部17がそれ以外の2台の空気調和機Aの制御部17に対して制御指令を出力し、実施の形態1と同様に上述した第1から第7まで各種の運転を行うことができる。
図6は本発明の参考の形態2の空気調和システムのブロック図である。
参考の形態2では、図6に示すように、同一室内空間に設置された3台の空気調和機Aとは別の制御装置30が上位となるように全ての空気調和機Aの制御部17と通信線20で接続したものである。
従って、制御装置30が3台の空気調和機Aの人感センサー16の検知情報、リモコン18の設定温度情報及び吸込温度センサー15の吸込温度情報を把握でき、これらの情報に基づいて、各空調対象空間の空調負荷及びこれらの空調対象空間の空調負荷に基づく空調空間全体の空調負荷を算出し、制御装置30が3台の空気調和機Aの制御部17に対して制御指令を出力し、実施の形態1と同様に上述した第1から第7まで各種の運転を行う。
Claims (7)
- 室内機に吸込温度を検知する吸込温度センサーが設けられ、
前記室内機に設置された熱交換器の熱交換効率を制御する圧縮機と、運転の開始・停止及び設定温度を設定するリモコンと、該リモコンに設定された運転の開始・停止及び設定温度の情報と前記吸込温度センサーの検知情報に基づいて前記圧縮機を駆動制御する制御部を備えた複数の空気調和機を有するシステムであって、
前記室内機の複数が同一室内空間に設置され、前記複数の空気調和機の前記制御部を有線又は無線で接続し、これら複数台の空気調和機の制御部のそれぞれが同一空間にある他の全ての空気調和機のリモコンの設定温度情報及び吸込温度センサーの吸込温度情報を把握して各空気調和機の運転を制御するものであり、
前記複数の空気調和機の各制御部は、
前記設定温度情報及び前記吸込温度情報に基づいて、それぞれの空調対象空間の空調負荷及び各空調対象空間の空調負荷の総和である室内空間全体の空調負荷を算出し、
算出した各空調対象空間と前記室内空間全体とのどちらの空調負荷も余裕がある場合に、前記空調対象空間及び前記室内空間全体の空調負荷の余裕の範囲内で、
対応する空気調和機の運転を停止させる、
前記複数の空気調和機の中で運転効率のより良い空気調和機を優先的に運転させる、
若しくは、各空気調和機の設定温度又は吸込温度を該空気調和機の消費電力を現在より少なくする側にシフトさせる、
ことを特徴とする空気調和システム。 - 前記各空気調和機は空調対象空間における人体を検知する人感センサーを備え、
前記各空気調和機の制御部は、同一室内空間の中で各人感センサーの検知情報から在室人数の少ない一部空調対象空間の空気調和機の運転を停止させる、または設定温度又は吸込温度を省電力側にシフトさせた省電力運転を行うことを特徴とする請求項1記載の空気調和システム。 - 前記各空気調和機の制御部は、各人感センサーの検知情報からの在室人数の大小に応じて設定温度又は吸込温度の省電力側へのシフト量を可変させることを特徴とする請求項2記載の空気調和システム。
- 前記各空気調和機の制御部は、同一室内空間の中で各人感センサーの検知情報から在室人数のない一部空調対象空間の空気調和機については最大限省電力側にシフトさせた省電力運転を行い、同一室内空間の中で各人感センサーの検知情報から在室人数のある一部空調対象空間の空気調和機について、吸込温度と設定温度との差が一定以上大きくならない範囲で省電力運転を行うことを特徴とする請求項2記載の空気調和システム。
- 前記各空気調和機の制御部は、同一室内空間の中で、全ての空気調和機が同時に除霜運転することを禁止し、算出した空調負荷が小さい空調対象空間の空気調和機から1台ずつ除霜運転を行うことを特徴とする請求項1記載の空気調和システム。
- 前記各空気調和機の制御部は、同一室内空間の中で、全ての空気調和機が同時に除霜運転することを禁止し、各空気調和機の人感センサーの検知情報から在室人数の少ない空調対象空間の空気調和機から1台ずつ除霜運転を行うことを特徴とする請求項1記載の空気調和システム。
- 前記室内機に、吸込口から吸込空気を吸い込む遠心ファン及び吹出口から吹き出す吹出空気の風向を調整するベーンが設置され、
前記各空気調和機の制御部は、同一室内空間の中で、複数台の空気調和機が同時に除霜運転することを禁止し、算出した空調負荷のうち、空調負荷が高く、能力不足の空調対象空間に対し、それ以外の空調対象空間の空気調和機から前記ベーンを駆動制御して風向、前記遠心ファンを駆動制御して風量を調整した吹出空気を送るようにしたことを特徴とする請求項1記載の空気調和システム。
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