JP2013136795A - クロロプレンゴムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温特性が優れたクロロプレンゴムが得られるクロロプレンゴムの製造方法を提供する。
【解決手段】クロロプレンと、ap配座型trans−1−クロロブタ−1,3−ジエンと、cis−1−クロロブタ−1,3−ジエンと、2,3−ジクロロブタ−1,3−ジエン:2.0〜20質量%とを少なくとも含有する原料モノマーを乳化重合する際に、ap配座型trans−1−クロロブタ−1,3−ジエン及びcis−1−クロロブタ−1,3−ジエンのうち少なくとも一方の含有量が異なる複数のクロロプレンを混合するか、又は、ap配座型trans−1−クロロブタ−1,3−ジエン及びcis−1−クロロブタ−1,3−ジエンのうち少なくとも一方を別途添加することにより、前記原料モノマー中のap配座型trans−1−クロロブタ−1,3−ジエン及びcis−1−クロロブタ−1,3−ジエンの総含有量を調整する。
【選択図】なし

Description

本発明は、クロロプレンゴムの製造方法に関する。より詳しくは、ワイパーブレード、ブーツ部材、ホース部材などのゴム成形体に使用されるクロロプレンゴムの製造方法に関する。
クロロプレンゴムは、耐熱性、耐候性、耐オゾン性及び耐薬品性などに優れており、一般的工業用ゴム製品、自動車用部品及び接着剤などの幅広い分野で使用されている。このようなクロロプレンゴム成形品は、一般に、クロロプレンゴムに、加硫剤、加硫促進剤及び充填剤などを配合したクロロプレンゴム組成物を、所定形状に成形した後、加硫することにより、製造される。
一方、クロロプレンゴムには、低温特性、特に、低温下での圧縮永久歪や動的特性が劣るという問題点がある。そこで、従来、特定の軟化剤を配合することにより、耐低温性向上を図ったクロロプレンゴム組成物が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
特開2004−269594号公報 特開2004−323572号公報 特開2004−323573号公報
しかしながら、前述した従来の技術は、配合技術による改良手法であり、この方法の場合、更なる低温特性向上のために、軟化剤の添加量を増加すると、成形時に軟化剤が表面からブリードし、クロロプレンゴム組成物と金型との接着性を低下させる原因となる。このため、配合組成ではなく、クロロプレンゴム(ポリマー)自体の低温特性改善が求められている。
そこで、本発明は、低温特性が優れたクロロプレンゴムが得られるクロロプレンゴムの製造方法を提供することを主目的とする。
本発明者は、前述した課題を解決するために、クロロプレンゴムの低温特性に影響を与える原料モノマー中の1−クロロブタ−1,3−ジエンについて、鋭意実験検討を行った結果、以下に示す知見を得た。1−クロロブタ−1,3−ジエンには、ap配座trans−1−クロロブタ−1,3−ジエン、cis−1−クロロブタ−1,3−ジエン及びその他の異性体が存在する。そして、これらの異性体の中でも、特に、ap配座型trans−1−クロロブタ−1,3−ジエン及びcis−1−クロロブタ−1,3−ジエンが、クロロプレンゴムの耐結晶性を改善し、低温特性を向上させる効果が高いことを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、クロロプレンと、ap配座型trans−1−クロロブタ−1,3−ジエンと、cis−1−クロロブタ−1,3−ジエンと、2,3−ジクロロブタ−1,3−ジエン:2.0〜20質量%とを少なくとも含有する原料モノマーを乳化重合する工程を有し、ap配座型trans−1−クロロブタ−1,3−ジエン及びcis−1−クロロブタ−1,3−ジエンのうち少なくとも一方の含有量が異なる複数のクロロプレンを混合することにより、前記原料モノマー中のap配座型trans−1−クロロブタ−1,3−ジエン及びcis−1−クロロブタ−1,3−ジエンの総含有量を調整するクロロプレンゴムの製造方法である。
前記原料モノマー中のap配座型trans−1−クロロブタ−1,3−ジエン及びcis−1−クロロブタ−1,3−ジエンの総含有量の調整には、ap配座型trans−1−クロロブタ−1,3−ジエン及びcis−1−クロロブタ−1,3−ジエンのうち少なくとも一方を別途添加してもよい。
本発明のクロロプレンゴムの製造方法では、前記原料モノマー中のap配座型trans−1−クロロブタ−1,3−ジエン及びcis−1−クロロブタ−1,3−ジエンの総含有量を0.5〜5質量%の範囲に調整することが好ましい。
本発明によれば、加硫物や成形体としたときに、従来よりも優れた低温特性が得られるクロロプレンゴムを製造することができる。
以下、本発明を実施するための形態について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態に係るクロロプレンゴムについて説明する。本実施形態のクロロプレンゴムは、ap配座型trans−1−クロロブタ−1,3−ジエン及びcis−1−クロロブタ−1,3−ジエンを合計で0.5質量%以上含有すると共に、2,3−ジクロロブタ−1,3−ジエンを2.0質量%以上含有する原料モノマーを乳化重合することにより得られる。
なお、原料モノマーの残部(主成分)は、主に2−クロロ−1,3−ブタジエン(以下、クロロプレンと記す。)であるが、スチレン及びその誘導体、アクリロニトリル及びメタクリレートなどのクロロプレンと重合可能な他の単量体が含まれていてもよい。
[1−クロロブタ−1,3−ジエン:0.5質量%以上]
下記化学式1に示すap配座型trans−1−クロロブタ−1,3−ジエン、及び下記化学式2に示すcis−1−クロロブタ−1,3−ジエンは、例えばアセチレン法によりクロロプレンを製造する際に副生成物として得られる。そして、クロロプレンと共に重合すると、加硫後の低温特性が向上する。
Figure 2013136795
Figure 2013136795
しかしながら、モノマー中の含有量が、ap配座型trans−1−クロロブタ−1,3−ジエン及びcis−1−クロロブタ−1,3−ジエンの合計で0.5質量%未満の場合、低温特性が低下する。具体的には、低温下における永久圧縮歪みが低下する。
なお、原料モノマーにおけるap配座型trans−1−クロロブタ−1,3−ジエン及びcis−1−クロロブタ−1,3−ジエンの含有量の上限値は、特に限定されるものではないが、加工安全性の観点から、5質量%以下とすることが望ましい。なお、ここでいう「加工安全性」とは、成形中に加硫して成形不良が発生しないように、加硫するまでに十分な時間が確保されているという意味であり、一般的にはスコーチタイムと関係される概念である。
[2,3−ジクロロブタ−1,3−ジエン:2.0質量%以上]
2,3−ジクロロブタ−1,3−ジエンは、クロロプレンゴムの結晶性を不規則化させ、加硫後の低温特性を向上させる効果がある。しかしながら、その含有量がモノマー全量あたり2.0質量%未満の場合、十分な改善効果が得られない。そこで、本実施形態のクロロプレンゴムでは、原料モノマー中の2,3−ジクロロブタ−1,3−ジエン含有量を2.0質量%以上としている。
一方、原料モノマーにおける2,3−ジクロロブタ−1,3−ジエン含有量の上限値は、特に限定されるものではないが、多量に添加すると脆化温度が上昇したり、機械的強度が低下したりするため、モノマー全量あたり20質量%以下に抑えることが望ましい。
[製造方法]
次に、本実施形態のクロロプレンゴムの製造方法について説明する。本実施形態のクロロプレンゴムの製造方法では、クロロプレンを主成分とする原料モノマーを、乳化重合する。その際、原料モノマーのap配座型trans−1−クロロブタ−1,3−ジエン及びcis−1−クロロブタ−1,3−ジエン含有量を合計で0.5質量%以上とし、2,3−ジクロロブタ−1,3−ジエン含有量を2.0質量%以上とする。
ここで、原料モノマーにおけるap配座型trans−1−クロロブタ−1,3−ジエン及びcis−1−クロロブタ−1,3−ジエン含有量を合計で0.5質量%以上とする方法は、特に限定されるものではないが、例えば、ap配座型trans−1−クロロブタ−1,3−ジエン含有量及びcis−1−クロロブタ−1,3−ジエン含有量が異なるクロロプレンを用意し、それらを適宜混合して使用する方法がある。また、ap配座型trans−1−クロロブタ−1,3−ジエン及びcis−1−クロロブタ−1,3−ジエンを、他の異性体から分離し、原料モノマーに直接添加してもよい。
なお、これら2,3−ジクロロブタ−1,3−ジエン、ap配座型trans−1−クロロブタ−1,3−ジエン及びcis−1−クロロブタ−1,3−ジエンは、一度に全量を添加してもよいが、複数回に分割して添加することもできる。分割添加の方法は、特に限定されるものではないが、例えば、所定量を重合開始時に配合し、クロロプレンの転化率が特定の範囲の間に、残りを、一度に又は複数回に分けて、添加する方法がある。
また、乳化重合に使用する乳化/分散剤としては、通常のロジン酸のアルカリ金属塩を用いることができる。特に、着色安定性の観点から、不均化ロジン酸のナトリウム及び/又はカリウム塩を使用することが好ましい。
更に、本発明の効果を損なわない範囲で、乳化/分散剤として、ロジン酸のアルカリ金属塩以外の他の構造を有するものを併用することもできる。ロジン酸のアルカリ金属塩と併用可能な乳化/分散剤としては、カルボン酸型、スルホン酸型、硫酸エステル型などがあり、例えば、炭素数が8〜20個のアルキルスルホネート、アルキルアリルスルホネート、ナルタリンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物、ポリオキシエチレンアシルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノール、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアシルエステルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
乳化重合に使用する重合開始剤は、特に限定されるものではなく、通常のクロロプレンの乳化重合に使用されるものを使用することができる。具体的には、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩、第3−ブチルヒドロパーオキサイドなどの有機過酸化物などが好適に用いられる。
連鎖移動剤も、特に限定されるものではなく、通常のクロロプレンの乳化重合に使用されるものが使用できる。具体的には、n−ドデシルメルカプタンやtert−ドデシルメルカプタンなどの長鎖アルキルメルカプタン類、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドやジエチルキサントゲンジスルフィドなどのジアルキルキサントゲンジスルフィド類、ヨードホルムなどの公知の連鎖移動剤を使用することができる。
一方、クロロプレンラテックスの重合温度は、特に限定されるものではなく、一般に乳化重合が行われる範囲とすることができるが、低温特性改善及び生産性の観点から、重合温度は33〜58℃が好適である。
重合を停止する際に添加する重合停止剤は、特に限定されるものではなく、通常用いられているものを使用することができる。具体的には、フェノチアジン、パラ−t−ブチルカテコール、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ジエチルヒドロキシルアミンなどを用いることができる。前述した重合工程で得られクロロプレン重合体(クロロプレンゴム)の最終重合率は、特に限定するものではなく、0〜100%の範囲内で任意に調節することができる。ただし、生産性を考慮すると、クロロプレン重合体の最終重合率は、30%以上とすることが好ましい。
次に、重合工程により得られた重合液から、未反応単量体の除去(脱モノマー)を行う。その方法は、特に限定されるものではなく、減圧加熱などの公知の方法を適用することができる。
以上詳述したように、本実施形態のクロロプレンゴムでは、原料モノマーに2,3−ジクロロブタ−1,3−ジエンを2.0質量%以上配合しているため、結晶性を改善することができる。また、原料モノマーにおけるap配座型trans−1−クロロブタ−1,3−ジエン及びcis−1−クロロブタ−1,3−ジエンの含有量を0.5質量%以上にしているため、効率的にかつ安定して、低温特性を向上させることができる。その結果、安定して優れた低温特性を発揮するクロロプレンゴムが得られる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係るクロロプレンゴム組成物について説明する。本実施形態のクロロプレンゴム組成物は、前述したクロロプレンゴムに、加硫剤、加硫促進剤、充填剤、補強剤、軟化剤、可塑剤、滑剤、老化防止剤、安定剤、シランカップリング剤及び受酸剤などを配合したものである。
本実施形態のクロロプレンゴム組成物に添加可能な加硫剤としては、例えば、ベリリウム、マグネシウム、亜鉛、カルシウム、バリウム、ゲルマニウム、チタニウム、錫、ジルコニウム、アンチモン、バナジウム、ビスマス、モリブデン、タングステン、テルル、セレン、鉄、ニッケル、コバルト、オスミウムなどの金属単体、及びこれらの酸化物や水酸化物などを使用することができる。これら金属化合物のなかでも、特に、酸化カルシウムや酸化亜鉛、二酸化アンチモン、三酸化アンチモン、酸化マグネシウムが、加硫効果が高いため好ましい。なお、これらの加硫剤は2種以上を併用して用いてもよい。
また、加硫促進剤としては、例えば、チオウレア系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、スルフェンアミド系加硫促進剤などを使用することができる。これらの中でも、特に、エチレンチオウレアが、加工性及び加硫物の物性バランスが優れるため、好ましい。なお、これらの加硫剤促進剤は2種以上を併用して用いてもよい。
本実施形態のクロロプレンゴム組成物に配合される充填剤及び補強剤は、通常のクロロプレンゴム用途に使用されているものを用いることができ、例えば、カーボンブラック、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウムなどが挙げられる。
また、可塑剤も、通常のクロロプレンゴム用途に使用されている可塑剤を用いることができ、例えば、ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペートなどが挙げられる。
老化防止剤としては、通常のクロロプレンゴム用途に使用されている老化防止剤を用いることができる。具体的には、アミン系老化防止剤、イミダゾール系老化防止剤、カルバミン酸金属塩、フェノール系老化防止剤、ワックスなどを使用することができ、これらは単独のみならず併用することもできる。特に、これらの老化防止剤のなかでも、アミン系老化防止剤である4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミンなどを用いると、成形体の耐熱性を向上させることができる。
軟化剤としては、通常のクロロプレンゴム用途に使用されている軟化剤を用いることができる。具体的には、潤滑油、プロセスオイル、パラフィン、流動パラフィン、ワセリン、石油アスファルトなどの石油系軟化剤、ナタネ油、アマニ油、ヒマシ油、ヤシ油などの植物油系軟化剤を使用することができ、これらは単独のみならず併用することもできる。
本実施形態のクロロプレンゴム組成物は、例えばプレス加硫、射出成形加硫、加硫缶加硫、UHF加硫、LCM加硫、HFB加硫などの公知の方法で加硫し、加硫体とすることができる。その際の加硫温度は、クロロプレンゴム組成物の組成や加硫剤の種類によって適宜設定することができるが、通常は140〜190℃の範囲が好ましく、150〜180℃の範囲がより好ましい。
以上詳述したように、本実施形態のクロロプレンゴム組成物は、2,3−ジクロロブタ−1,3−ジエンを特定量含有すると共に、ap配座型trans−1−クロロブタ−1,3−ジエン及びcis−1−クロロブタ−1,3−ジエンを特定量含有する原料モノマーを乳化重合したクロロプレンゴムを使用しているため、効率的にかつ安定して耐結晶性を向上させることができる。その結果、本実施形態のクロロプレンゴム組成物から製造された加硫物では、安定して優れた低温特性が得られる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る成形体について説明する。本実施形態の成形体は、前述した第1の実施形態のクロロプレンゴム組成物を、成形後又は成形と同時に加硫して得たものである。成形体の具体例としては、例えば等速ジョイントブーツ、ボールジョイントブーツ、ラック&ピニオンブーツなどのブーツ部品、オイルホース、フューエルベーパーホース、エアホース、ターボチャージャーホース、パワーステアリングホース、ブレーキホース、エアコンホース、高圧ホースなどのホース部品、エンジンマウント防振ゴム、マフラーハンガー、支承ゴム、空気ばね、オイルシールやOリングなどのシール材、及びワイパーブレードなどが挙げられる。
その成形方法は、特に限定されるものではないが、プレス成形、射出成形及び押出成形などを適用することができる。例えば、成形体がワイパーブレード又は自動車用防振ゴムや産業用防振ゴムなどの防振材である場合は、プレス成形や射出成形により形成することができる。
本実施形態の成形体は、前述した第1の実施形態のクロロプレンゴムを使用しているため、従来に比べて、効率的にかつ安定して、耐結晶性を向上させることができる。その結果、低温下における圧縮永久歪などの低温特性が向上すると共に、この優れた低温特性を安定して得ることができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を挙げて、本発明の効果について具体的に説明する。本実施例においては、下記表1に示す組成の原料モノマーを使用して、実施例1〜4及び比較例1〜3のクロロプレンゴムを作製し、その特性について評価した。
Figure 2013136795
次に、これら実施例及び比較例の各クロロプレンゴムを使用し、下記表2に示す配合の組成物を作製し、以下に示す方法及び条件で、「硬さ」、「加工特性」、「引張強度」、「低温圧縮永久歪」について評価した。
Figure 2013136795
(硬さ)
JIS K 6250に基づいてテストピースを作製し(加硫条件:141℃×25分間)、JIS K 6253に基づいて、各加硫物(加硫ゴム)の硬度測定を行った。
(加工特性)
上記表2に示す組成の各クロロプレンゴム組成物について、JIS K 6300に基づいて、125℃におけるスコーチタイムを測定した。
(引張強度)
JIS K 6250に基づいてテストピースを作製し(加硫条件:141℃×25分間)、JIS K 6253に基づいて引張試験を行い、各加硫物(加硫ゴム)の強度及び伸びを測定した。
(圧縮永久歪)
上記表2に示す組成の各クロロプレンゴム組成物を、141℃で35分間加硫したものについて、JIS K 6262に基づいて、0℃の温度条件下で70時間試験したときの圧縮永久歪を測定した。
また、実施例及び比較例の各クロロプレンゴムを使用して、下記表3に示す配合の組成物を作製し、ゲーマン捻り試験を行った。
Figure 2013136795
(ゲーマンT10)
上記表3に示す組成の各ポリクロロプレンゴム組成物を、141℃で25分間加硫したものについて、JIS K 6261に基づいて、ゲーマンねじり試験を実施した。そして、常温における180°ねじりモジュラスの10倍になる温度(T10)を求め、この値により各ポリクロロプレンゴム組成物の低温特性を評価した。
以上の結果を下記表4にまとめて示す。
Figure 2013136795
上記表4に示すように、2,3−ジクロロブタ−1,3−ジエンは含有するが、ap配座型trans−1−クロロブタ−1,3−ジエン及びcis−1−クロロブタ−1,3−ジエンを含有しない原料モノマーを乳化重合した比較例1のクロロプレンゴムは、低温圧縮永久歪が劣っていた。また、2,3−ジクロロブタ−1,3−ジエン及びap配座型trans−1−クロロブタ−1,3−ジエンを含有しない原料モノマーを乳化重合した比較例2のクロロプレンゴム、並びに、クロロプレンのみを乳化重合した比較例3のクロロプレンゴムも、低温圧縮永久歪が劣っていた。
これに対して、ap配座型trans−1−クロロブタ−1,3−ジエン及びcis−1−クロロブタ−1,3−ジエン:合計で0.5質量%以上と、2,3−ジクロロブタ−1,3−ジエン:2.0質量%以上とを含有する原料モノマーを乳化重合して得た実施例1〜4のクロロプレンゴムは、低温圧縮永久歪みが良好で、加工性及び機械特性も十分であった。
以上の結果から、本発明によれば、低温特性に優れたクロロプレンゴムが得られることが確認された。

Claims (3)

  1. クロロプレンと、ap配座型trans−1−クロロブタ−1,3−ジエンと、cis−1−クロロブタ−1,3−ジエンと、2,3−ジクロロブタ−1,3−ジエン:2.0〜20質量%とを少なくとも含有する原料モノマーを乳化重合する工程を有し、
    ap配座型trans−1−クロロブタ−1,3−ジエン及びcis−1−クロロブタ−1,3−ジエンのうち少なくとも一方の含有量が異なる複数のクロロプレンを混合することにより、前記原料モノマー中のap配座型trans−1−クロロブタ−1,3−ジエン及びcis−1−クロロブタ−1,3−ジエンの総含有量を調整するクロロプレンゴムの製造方法。
  2. クロロプレンと、ap配座型trans−1−クロロブタ−1,3−ジエンと、cis−1−クロロブタ−1,3−ジエンと、2,3−ジクロロブタ−1,3−ジエン:2.0〜20質量%とを少なくとも含有する原料モノマーを乳化重合する工程を有し、
    ap配座型trans−1−クロロブタ−1,3−ジエン及びcis−1−クロロブタ−1,3−ジエンのうち少なくとも一方を別途添加することにより、前記原料モノマー中のap配座型trans−1−クロロブタ−1,3−ジエン及びcis−1−クロロブタ−1,3−ジエンの総含有量を調整するクロロプレンゴムの製造方法。
  3. 前記原料モノマー中のap配座型trans−1−クロロブタ−1,3−ジエン及びcis−1−クロロブタ−1,3−ジエンの総含有量を0.5〜5質量%の範囲にする請求項1又は2に記載のクロロプレンゴムの製造方法。
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