JP2013136560A - 塩、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】式(I)で表される塩。
[式(I)中、Q1及びQ2は、独立に、フッ素原子又はペルフルオロアルキル基を表す。L1及びL2は、独立に、2価の炭素数1〜17の飽和炭化水素基等を表す。L3は、酸素原子、メチレン基又は−CO−CH2−を表す。環W1は、芳香族環を表す。環W2は、脂肪族環を表す。R1は、ヒドロキシ基、アルキル基又はアルコキシ基を表す。R2は、アルキル基又はアルコキシ基を表す。R3は、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基又はヒドロキシアルコキシ基等を表す。s及びtは、独立して0〜2の整数を表す。uは、1〜3の整数を表す。Z+は、有機対イオンを表す。]
【選択図】なし
Description
Q1及びQ2は、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
L1は、2価の炭素数1〜17の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基を構成しているメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよく、L1中の該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子で置き換わっていてもよい。
L2は、単結合又は2価の炭素数1〜16の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基を構成しているメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
L3は、酸素原子、メチレン基又は−CO−CH2−を表す。
環W1は、炭素数6〜18の芳香族環を表す。
環W2は、炭素数4〜18の脂肪族環を表す。
R1は、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。
R2は、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。
R3は、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基又は炭素数1〜6のヒドロキシアルコキシ基を表し、該ヒドロキシアルキル基及び該ヒドロキシアルコキシに含まれる水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよい。
sは、0〜2の整数を表す。sが2のとき、複数存在するR1は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
tは、0〜2の整数を表す。tが2のとき、複数存在するR2は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
uは、1〜3の整数を表す。uが2又は3のとき、複数存在するR3は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
Z+は、有機対イオンを表す。]
Lb2は、単結合又は炭素数1〜15の2価の飽和炭化水素基を表す。*はC(Q1)(Q2)との結合手を表す。]
Lb13及びLb14は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1〜14の2価の飽和炭化水素基を表す。但しLb13及びLb14の合計炭素数の上限は14である。*は環W1との結合手を表す。]
〔5〕前記〔1〕〜前記〔4〕のいずれか記載の塩を含有する酸発生剤。
〔6〕前記〔5〕記載の酸発生剤と樹脂とを含有し、該樹脂は酸に不安定な基を有し、かつアルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液で溶解し得る樹脂であるレジスト組成物。
〔8〕(1)前記〔6〕又は前記〔7〕記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程、
を含むレジストパターンの製造方法。
Q1及びQ2は、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
L1は、2価の炭素数1〜17の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基を構成しているメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよく、L1中の該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子で置き換わっていてもよい。
L2は、単結合又は2価の炭素数1〜16の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基を構成しているメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
L3は、酸素原子、メチレン基又は−CO−CH2−を表す。
環W1は、炭素数6〜18の芳香族環を表す。
環W2は、炭素数4〜18の脂肪族環を表す。
R1は、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。
R2は、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。
R3は、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基又は炭素数1〜6のヒドロキシアルコキシ基を表し、該ヒドロキシアルキル基及び該ヒドロキシアルコキシに含まれる水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよい。
sは、0〜2の整数を表す。sが2のとき、複数存在するR1は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
tは、0〜2の整数を表す。tが2のとき、複数存在するR2は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
uは、1〜3の整数を表す。uが2又は3のとき、複数存在するR3は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
Z+は、有機対イオンを表す。]
Q1及びQ2で表される炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基などが挙げられる。
Q1及びQ2は、それぞれ独立に、トリフルオロメチル基又はフッ素原子であることが好ましく、ともにフッ素原子であることがより好ましい。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基、ドデカン−1,12−ジイル基、トリデカン−1,13−ジイル基、テトラデカン−1,14−ジイル基、ペンタデカン−1,15−ジイル基、ヘキサデカン−1,16−ジイル基、ヘプタデカン−1,17−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基及びプロパン−2,2−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;
直鎖状アルカンジイル基に、アルキル基(特に、炭素数1〜4のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等)の側鎖を有したもの、例えば、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基;
シクロブタン−1,3−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,2−ジイル基、1−メチルシクロヘキサン−1,2−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロオクタン−1,2−ジイル基、シクロオクタン−1,5−ジイル基等のシクロアルカンジイル基である単環式の2価の脂環式炭化水素基;
ノルボルナン−2,3−ジイル基、ノルボルナン−1,4−ジイル基、ノルボルナン−2,5−ジイル基、アダマンタン−1,2−ジイル基、アダマンタン−1,5−ジイル基及びアダマンタン−2,6−ジイル基等の多環式の2価の脂環式炭化水素基等
が挙げられる。
Lb2は、単結合又は炭素数1〜15の2価の飽和炭化水素基を表す。
Lb3は、単結合又は炭素数1〜12の2価の飽和炭化水素基を表す。
Lb4は、炭素数1〜13の2価の飽和炭化水素基を表す。但しLb3及びLb4の合計炭素数の上限は13である。
Lb5は、炭素数1〜15の2価の飽和炭化水素基を表す。
Lb6は、単結合又は2価の炭素数1〜15の飽和炭化水素基を表す。
Lb7は、2価の炭素数1〜15の飽和炭化水素基を表す。但しLb6及びLb7の合計炭素数の上限は16である。
Lb8は、2価の炭素数1〜14の飽和炭化水素基を表す。
Lb9は、単結合又は炭素数1〜11の2価の飽和炭化水素基を表す。
Lb10は、2価の炭素数1〜11の飽和炭化水素基を表す。但しLb9及びLb10の合計炭素数の上限は12である。
Lb11は、単結合又は2価の炭素数1〜13の飽和炭化水素基を表す。
Lb12は、2価の炭素数1〜14の飽和炭化水素基を表す。但しLb11及びLb12の合計炭素数の上限は14である。]
Lb13及びLb14は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1〜14の2価の飽和炭化水素基を表す。但しLb13及びLb14の合計炭素数の上限は14である。
Lb15及びLb17は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1〜11の2価の飽和炭化水素基を表す。
Lb16は、炭素数1〜12の2価の飽和炭化水素基を表す。但しLb15、Lb16及びLb17の合計炭素数の上限は12である。
Lb18は、単結合又は2価の炭素数1〜14の飽和炭化水素基を表す。
Lb19は、2価の炭素数1〜15の飽和炭化水素基を表す。但しLb18及びLb19の合計炭素数の上限は15である。]
中でも、L2は、式(bL2−1)で表される2価の基が好ましい。
環W2で表される炭素数4〜18の脂肪族環としては、シクロヘキサン環、ノルボルナン環、アダマンタン環等が挙げられ、アダマンタン環が好ましい。
R1及びR2で表される炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
R2で表される炭素数1〜6のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基及びヘキシルオキシ基などが挙げられる。
R3で表される炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基としては、上記の炭素数1〜6のアルキル基に含まれる水素原子がヒドロキシ基で置換された基が挙げられる。
R3で表される炭素数1〜6のヒドロキシアルコキシ基としては、上記の炭素数1〜6のアルコキシ基に含まれる水素原子がヒドロキシ基で置換された基が挙げられる。
Rb4、Rb5及びRb6は、それぞれ独立に、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。該アルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよく、前記芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基で置換されていてもよい。また、Rb4とRb5が一緒になってそれらが結合している硫黄原子と共にヘテロ原子をさらに有してもよい環を形成してもよい。
Rb4とRb5が一緒になってヘテロ原子を有してもよい環としては、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性、飽和及び不飽和のいずれの環であってもよく、硫黄原子を1以上含むものであれば、さらに、1以上の硫黄原子及び/又は1以上の酸素原子を含んでいてもよい。該環としては、炭素数3〜18の環が好ましく、炭素数4〜13の環がより好ましい。
m2及びn2は、それぞれ独立に0〜5の整数を表す。
Rb11は、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。
Rb9〜Rb11は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。該アルキル基の炭素数は1〜12が好ましい。該脂環式炭化水素基の炭素数は4〜12が好ましい。
Rb12は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。前記芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜12のアルキルカルボニルオキシ基で置換されていてもよい。
Rb9とRb10及び/又はRb11とRb12は、それぞれ独立に、互いに結合して、それらが結合している原子とともに3員環〜12員環(好ましくは3員環〜7員環)を形成していてもよく、これらの環に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
Rb13〜Rb18は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
Lb11は、酸素原子又は硫黄原子を表す。
o2、p2、s2及びt2は、それぞれ独立に、0〜5の整数を表す。
q2及びr2は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
u2は0又は1を表す。
o2が2以上であるとき、複数のRb13は互いに同一であっても異なってもよく、p2が2以上であるとき、複数のRb14は互いに同一であっても異なってもよく、q2が2以上であるとき、複数のRb15は互いに同一であっても異なってもよく、r2が2以上であるとき、複数のRb16は互いに同一であっても異なってもよく、s2が2以上であるとき、複数のRb17は互いに同一であっても異なってもよく、t2が2以上であるとき、複数のRb18は互いに同一であっても異なってもよい。]
好ましいアルキル基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及び2−エチルヘキシル基である。
好ましい芳香族炭化水素基は、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−シクロへキシルフェニル基、4−メトキシフェニル基、ビフェニリル基及びナフチル基である。
水素原子が芳香族炭化水素基で置換されたアルキル基(アラルキル基)としては、例えばベンジル基等が挙げられる。
Rb11とRb12とが互いに結合して、それらが結合するメチン基及びカルボニル基それぞれの炭素原子とともに形成する環としては、例えば、オキソシクロヘプタン環、オキソシクロヘキサン環、オキソノルボルナン環及びオキソアダマンタン環等が挙げられる。
中でも、カチオン(b2−1)が好ましく、以下の式(b2−1−1)で表される有機カチオン〔以下、「カチオン(b2−1−1)」という〕がより好ましく、トリフェニルスルホニウムカチオン(式(b2−1−1)中、v2、w2及びx2は共に0である。)、トリトリルスルホニウムカチオン(式(b2−1−1)中、v2、w2及びx2は共に1であり、Rb19、Rb20及びRb21がいずれもメチル基である。)又はジt−ブチルフェニルフェニルスルホニウムカチオン(式(b2−1−1)中、v2及びw2が1であり、x2が0であり、Rb19及びRb20がt−ブチル基である。)がさらに好ましい。
Rb19、Rb20及びRb21は、それぞれ独立に、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。Rb19〜Rb21から選ばれる2つが一緒になってそれらが結合しているベンゼン環及び硫黄原子と共にヘテロ原子をさらに有してもよい環を形成してもよい。
v2、w2及びx2は、それぞれ独立に0〜5の整数(好ましくは0又は1)を表す。
v2が2以上のとき、複数のRb19は互いに同一でも異なってもよく、w2が2以上のとき、複数のRb20は互いに同一でも異なってもよく、x2が2以上のとき、複数のRb21は互いに同一でも異なってもよい。]
また、脂環式炭化水素基は、炭素数4〜18が好ましく、脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよい。
なかでも、Rb19、Rb20及びRb21は、それぞれ独立に、好ましくは、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基である。
例えば、L1が、*−CO−O−CHR4−(*はC(Q1)(Q2)との結合手を表す。)、L3−L2が、*−O−CH2−CO−O−(*は環W1との結合手を表す。)である式(IA)で表される塩の製造方法を下記に示す。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。Y1とY2とはそれぞれ異なっていてもよいが、ともに塩素原子であることが好ましい。
式(IA−g)で表される塩は、例えば、特開2008−13551号公報に記載された方法で合成することができる。
本発明の酸発生剤が塩(I)と酸発生剤(B)とを含む場合、塩(I)の含有量は、本発明の酸発生剤全量100質量部に対して、好ましくは10質量部以上(より好ましくは30質量部以上)、好ましくは90質量部以下(より好ましくは70質量部以下)である。
次に、本発明のレジスト組成物について説明する。本発明のレジスト組成物は、上記本発明の酸発生剤と樹脂とを含み、該樹脂は酸に不安定な基を有し、かつアルカリ水溶液に不溶又は難溶な樹脂であり、酸の作用によりアルカリ水溶液で溶解し得る樹脂(以下、「樹脂(A)」という。)である。
本発明の酸発生剤の含有量は、樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは1質量部以上(より好ましくは3質量部以上)、好ましくは30質量部以下(より好ましくは25質量部以下)である。
樹脂(A)は、アルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ可溶となる。「酸の作用によりアルカリ可溶となる」とは、酸との接触前ではアルカリ水溶液に不溶又は難溶であるが、酸との接触後にはアルカリ水溶液に可溶となることを意味する。
このような樹脂(A)は、分子内にある親水性基の一部又は全部が、酸との接触により脱離し得る保護基により保護されているものであり、樹脂(A)が酸と接触すると当該保護基が脱離して、親水性基が生成することにより、樹脂(A)はアルカリ水溶液に可溶な樹脂となる。当該保護基により保護されている親水性基を以下、「酸不安定基」という。該親水性基としては、ヒドロキシ基又はカルボキシ基が挙げられ、カルボキシ基がより好ましい。
樹脂(A)は、酸不安定基を有するモノマー(以下「酸不安定モノマー(a1)」という場合がある)を重合することによって製造できる。かかる重合の際には、モノマー(a1)を1種のみ使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
「酸に不安定な基」とは、脱離基を有し、該脱離基が酸との接触により脱離して、親水性基(例えば、ヒドロキシ基又はカルボキシ基)を形成する基を意味する。酸に不安定な基としては、例えば、式(1)で表される基が挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などのシクロアルキル基;デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記の式で表される基等の多環の脂環式炭化水素基が挙げられる。
アルキル基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた基としては、例えば、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、メチルノルボルニル基等が挙げられる。
Ra1及びRa2が互いに結合して形成される2価の脂肪族炭化水素基の炭素数は、好ましくは3〜12である。
Ra1及びRa2が互いに結合して2価の脂肪族炭化水素基を形成する場合の−C(Ra1)(Ra2)(Ra3)としては、下記の基が挙げられる。
これらの中でも、脂環式炭化水素基を有する式(1−2)、式(1−3)又は式(1−4)で表される基が好ましく、式(1−2)又は式(1−3)で表される基がより好ましい。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル等のアリール基等が挙げられる。
好ましくは、Ra1’及びRa2’のうち少なくとも1つが水素原子である。
酸不安定モノマー(a1)は、好ましくは、式(1)で表される基とエチレン性炭素−炭素二重結合とを有するモノマーであり、より好ましくは式(1)で表される基と(メタ)アクリル基とを有するモノマーである。
La1及びLa2は、それぞれ独立に、−O−又は*−O−(CH2)k1−CO−O−を表し、k1は1〜7の整数を表し、*は−CO−との結合手を表す。
Ra4及びRa5は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
Ra6及びRa7は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜10の脂環式炭化水素基又はこれらを組み合わせた基を表す。
m1は0〜14の整数を表す。
n1は0〜10の整数を表す。
n1’は0〜3の整数を表す。]
Ra4及びRa5は、好ましくはメチル基である。
Ra6及びRa7のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。Ra6及びRa7のアルキル基は、好ましくは炭素数6以下である。
m1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1’は、好ましくは0又は1、より好ましくは1である。
中でも、式(a1−1)で表されるモノマーに由来する構造単位の含有率は、酸不安定モノマー(a1)に由来する構造単位に対して、15モル%以上であることが好ましい。アダマンチル基を有するモノマーの比率が増えると、レジストパターンのドライエッチング耐性が向上する。
R31は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
Za1は、単結合又は*−[CH2]k4−CO−La4−を表す。ここで、k4は1〜4の整数を表す。*は、La1との結合手を表す。
La1、La2、La3及びLa4は、それぞれ独立に、−O−又は−S−を表す。
s1は、1〜3の整数を表す。
s1’は、0〜3の整数を表す。]
La1は、酸素原子が好ましい。
La2及びLa3は、一方が酸素原子、他方が硫黄原子が好ましい。
s1は、1が好ましい。
s1’は、0〜2の整数が好ましい。
Za1は、単結合又は*−CH2−CO−O−が好ましい。
樹脂(A)は、さらに、酸に不安定な基を有さないモノマー(以下「酸安定モノマー」という場合がある)に由来する構造単位を含有していることが好ましい。酸安定モノマーは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
酸安定モノマーとしては、好ましくは、ヒドロキシ基又はラクトン環を有するモノマーが挙げられる。樹脂(A)が、ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(以下「酸安定モノマー(a2)」という場合がある)に由来する構造単位及び/又はラクトン環を含有する酸安定モノマー(以下「酸安定モノマー(a3)」という場合がある)に由来する構造単位を有することにより、レジストパターンの解像度及びレジストパターンと基板との密着性を向上させることができる。
樹脂(A)を含むレジスト組成物が、KrFエキシマレーザ露光(248nm)あるいは電子線又はEUV光などの高エネルギー線照射に用いられる場合、酸安定モノマー(a2)は、フェノール性ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2−0)が好ましい。ArFエキシマレーザ露光(193nm)などに用いられる場合は、ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)は、式(a2−1)で表されるヒドロキシアダマンチル基を有する酸安定モノマーが好ましい。ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
Ra30は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
Ra31は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表す。
maは0〜4の整数を表す。maが2以上である場合、複数のRa31は互いに同一であるか相異なる。]
Ra30のハロゲン原子を有してもよいアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基及びトリヨードメチル基等が挙げられる。
Ra30及びRa31におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基が挙げられる。Ra30は、好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基であり、より好ましくは、炭素数1又は2のアルキル基であり、特に好ましくは、メチル基である。
また、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、n−ヘキトキシ基等が挙げられ、好ましくは、炭素数1〜4のアルコキシ基であり、より好ましくは、炭素数1又は2のアルコキシ基であり、特に好ましくは、メトキシ基である。
Ra31のアシルオキシ基としては、例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基及びブチリルオキシ基などが挙げられる。
maは、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0又は1であり、さらに好ましくは0である。
La3は、−O−又は*−O−(CH2)k2−CO−O−を表し、
k2は1〜7の整数を表す。*は−CO−との結合手を表す。
Ra14は、水素原子又はメチル基を表す。
Ra15及びRa16は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。
o1は、0〜10の整数を表す。]
Ra14は、好ましくはメチル基である。
Ra15は、好ましくは水素原子である。
Ra16は、好ましくは水素原子又はヒドロキシ基である。
o1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
酸安定モノマー(a3)が有するラクトン環は、例えば、β−プロピオラクトン環、γ−ブチロラクトン環、δ−バレロラクトン環のような単環でもよく、単環式のラクトン環と他の環との縮合環でもよい。これらラクトン環の中で、好ましくは、γ−ブチロラクトン環、又は、γ−ブチロラクトン環と他の環との縮合環が挙げられる。
La4〜La6は、それぞれ独立に、−O−又は*−O−(CH2)k3−CO−O−を表す。
k3は1〜7の整数を表す。*は−CO−との結合手を表す。
Ra18〜Ra20は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
Ra21は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。
p1は0〜5の整数を表す。p1が2以上のとき、複数のRa21は、互いに同一であるか相異なる。
Ra22及びRa23は、それぞれ独立に、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
q1及びr1は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。q1が2以上のとき、複数のRa22は、互いに同一であるか相異なり、r1が2以上のとき、複数のRa23は、互いに同一であるか相異なる。
式(a3−1)〜式(a3−3)中の、La4〜La6としては、それぞれ独立に、−O−又は*−O−(CH2)k3−CO−O−(k3は、好ましくは1〜4の整数であり、より好ましくは1である。)であることが好ましく、より好ましくは−O−である。
Ra18〜Ra21は、好ましくはメチル基である。
Ra22及びRa23は、それぞれ独立に、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。
p1、q1及びr1は、それぞれ独立に、好ましくは0〜2、より好ましくは0又は1である。]
樹脂(A)は、上記のモノマー以外のその他のモノマー(以下「モノマー(a4)」という場合がある)に由来する構造単位を有していてもよい。その他のモノマー(a4)としては、公知のモノマーを用いることができる。
好ましい樹脂(A)は、モノマー(a1)と、酸安定モノマー(a2)及び/又は酸安定モノマー(a3)とを重合させて得られる共重合体である。この好ましい共重合体において、モノマー(a1)として、上述のモノマー(a1−1)及びモノマー(a1−2)の少なくとも1種を用いることが好ましく、モノマー(a1−1)を用いることがさらに好ましい。酸安定モノマー(a2)としては、酸安定モノマー(a2−1)が好ましく、酸安定モノマー(a3)としては、酸安定モノマー(a3−1)及び酸安定モノマー(a3−2)の少なくとも1種が好ましい。
樹脂(A)の重量平均分子量は、好ましくは2,500以上であり、より好ましくは3,000以上である。該重量平均分子量の上限は50,000以下が好ましく、30,000以下がさらに好ましい。なお、ここでいう重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析により、標準ポリスチレン基準の換算値として求められるものであり、該分析の詳細な分析条件は、本願の実施例で詳述する。
本発明のレジスト組成物は、さらに、塩基性化合物(C)を含有していてもよい。ここでいう「塩基性化合物」とは、酸を捕捉するという特性を有する化合物、特に、既に説明した酸発生剤から発生する酸を捕捉するという特性を有する化合物を意味し、当該技術分野ではクエンチャーといわれている。
Rc5及びRc6は、それぞれ独立に、水素原子、脂肪族炭化水素基(好ましくは、炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基である。)、脂環式炭化水素基(好ましくは、炭素数5〜10の脂環式炭化水素基である。)又は芳香族炭化水素基(好ましくは、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基である。)を表し、該脂肪族炭化水素基、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、アミノ基、又は炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されていてもよく、該アミノ基はさらに、炭素数1〜4のアルキル基を有していてもよい。
m3は0〜3の整数を表す。m3が2以上のとき、複数のRc7は、互いに同一でも異なってもよい。]
式(C2−1)で表されるアニリン類は例えば、アニリン、ジイソプロピルアニリン、2−,3−又は4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン及びジフェニルアミン等が挙げられる。
Rc8、並びに、芳香族炭素と結合するRc20、Rc21、Rc23、Rc24、Rc25、Rc26、Rc27及びRc28は前記Rc7で説明したいずれかの基を表す。
窒素原子と結合するRc9、Rc10、Rc11、Rc12、Rc13、Rc14、Rc16、Rc17、Rc18、Rc19及びRc22は、それぞれ独立に、前記Rc5及びRc6で説明したいずれかの基を表す。
o3、p3、q3、r3、s3、t3及びu3は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。o3が2以上であるとき、複数のRc20は互いに同一でも異なってもよく、p3が2以上であるとき、複数のRc21は互いに同一でも異なってもよく、q3が2以上であるとき、複数のRc24は互いに同一でも異なってもよく、r3が2以上であるとき、複数のRc25は互いに同一でも異なってもよく、s3が2以上であるとき、複数のRc26は互いに同一でも異なってもよく、t3が2以上であるとき、複数のRc27は互いに同一でも異なってもよく、u3が2以上であるとき、複数のRc28は互いに同一でも異なってもよい。
アルカノイル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ペンタノイル基、2,2−ジメチルプロピオニル基等が挙げられる。
n3は0〜8の整数を表す。n3が2以上のとき、複数のRc15は、互いに同一でも異なってもよい。
Lc1及びLc2は、それぞれ独立に、2価の脂肪族炭化水素基(好ましくは、炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくは、炭素数1〜6程度のアルキレン基である。)、カルボニル基、−C(=NH)−、−C(=NRc3)−(但し、Rc3は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。)、チオキシ基(−S−)、ジスルフィド結合(−S−S−)又はこれらの組合せを表す。]
化合物(C5)としては例えば、モルホリン等が挙げられる。
化合物(C6)としては例えば、ピペリジン及び特開平11−52575号公報に記載されているピペリジン骨格を有するヒンダードアミン化合物等が挙げられる。
化合物(C7)としては例えば、2,2’−メチレンビスアニリン等が挙げられる。
化合物(C8)としては例えば、イミダゾール及び4−メチルイミダゾール等が挙げられる。
化合物(C9)としては例えば、ピリジン、4−メチルピリジン等が挙げられる。
化合物(C10)としては例えば、1,2−ジ(2−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,2−ジ(2−ピリジル)エテン、1,2−ジ(4−ピリジル)エテン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,2−ジ(4−ピリジルオキシ)エタン、ジ(2−ピリジル)ケトン、4,4’−ジピリジルスルフィド、4,4’−ジピリジルジスルフィド、2,2’−ジピリジルアミン及び2,2’−ジピコリルアミン等が挙げられる。
アンモニウムヒドロキシドとしては例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラオクチルアンモニウムヒドロキシド、フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムサリチラート及びコリン等が挙げられる。
塩基性化合物(C)としては、これらの中でもジイソプロピルアニリン、テトラ−n−ブチルアンモニウムサリチラートが好ましい。
本発明のレジスト組成物は、溶剤(D)を含むことが好ましい。かかる溶剤(D)は、用いる塩(I)の種類及びその量と、樹脂(A)の種類及びその量と、酸発生剤(B)の種類及びその量とに応じ、さらに後述するレジストパターンの製造において、基板上にレジスト組成物を塗布する際の塗布性が良好となるという点から適宜、最適なものを選ぶことができる。
好適な溶剤(D)の例としては、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル類;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン及びシクロヘキサノン等のケトン類;γ−ブチロラクトン等の環状エステル類を挙げることができる。溶剤(D)は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のレジスト組成物は、必要に応じて、上記以外の構成成分(以下「成分(F)」という場合がある。)を含んでいてもよい。成分(F)としては特に限定はなく、当該技術分野で公知の添加剤、例えば、樹脂(A)以外の高分子化合物、増感剤、溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤及び染料等が挙げられる。
本発明のレジスト組成物は、塩(I)及び樹脂(A)ならびに必要に応じて用いられる溶剤(D)、酸発生剤(B)、塩基性化合物(C)及び/又は成分(F)を混合することで調製することができる。混合順は任意であり、特に限定されるものではない。混合する際の温度は、10〜40℃の範囲から、用いる塩(I)等の種類や塩(I)等の溶剤(D)に対する溶解度等に応じて適切な温度範囲を選べばよく、混合時間は、混合温度に応じて、0.5〜24時間が好ましい。なお、混合手段は特に限定されず、攪拌混合等を用いることができる。
本発明のレジスト組成物を調製する際に用いる各成分の使用量を選択することにより、本発明のレジスト組成物中の各成分の含有量を調節することができる。
このように、各成分を混合した後、孔径0.003〜0.2μm程度のフィルターを用いてろ過することが好ましい。
本発明のレジスト組成物における樹脂(A)の含有量は、レジスト組成物の固形分の総質量に対して、80質量%以上99質量%以下であることが好ましい。
本発明のレジスト組成物における塩(I)の含有量は、レジスト組成物の固形分の総質量に対して、0.01〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、3〜25質量%がさらに好ましい。
本発明のレジスト組成物が塩基性化合物(C)を含む場合、レジスト組成物の固形分の総質量に対する塩基性化合物(C)の含有量は、0.01〜1質量%程度が好ましい。塩基性化合物(C)の含有量は、塩(I)及び酸発生剤(B)の合計含有量よりも低くしておくことが好ましい。
なお、成分(F)を本発明のレジスト組成物に用いる場合には、当該成分(F)の種類に応じて、適切な含有量を調節可能である。
本発明のレジストパターンの製造方法は、
(1)本発明のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程
を含むものである。以下、ここに示す工程の各々を、「工程(1)」〜「工程(5)」のようにいう。
本発明のレジスト組成物からポジ型レジストパターンを製造する場合は、現像液としてアルカリ現像液を用いる。アルカリ現像液は、この分野で用いられる各種のアルカリ性水溶液であればよい。例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドや(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液等が挙げられる。アルカリ現像液には、界面活性剤が含まれていてもよい。
現像後レジストパターンを超純水で洗浄し、次いで、基板及びパターン上に残った水を除去することが好ましい。
有機系現像液に含まれる有機溶剤としては、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン等のケトン溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル溶剤;酢酸ブチル等のエステル溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル溶剤;N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド溶剤;アニソール等の芳香族炭化水素溶剤等が挙げられる。
有機系現像液中、有機溶剤の含有率は、90質量%以上100質量%以下が好ましく、95質量%以上100質量%以下がより好ましく、実質的に有機溶剤のみであることがさらに好ましい。
中でも、有機系現像液としては、酢酸ブチル及び/又は2−ヘプタノンを含む現像液が好ましい。有機系現像液中、酢酸ブチル及び2−ヘプタノンの合計含有率は、50質量%以上100質量%以下が好ましく、90質量%以上100質量%以下がより好ましく、実質的に酢酸ブチル及び/又は2−ヘプタノンのみであることがさらに好ましい。
有機系現像液には、界面活性剤が含まれていてもよい。また、有機系現像液には、微量の水分が含まれていてもよい。
現像の際、有機系現像液とは異なる種類の溶剤に置換することにより、現像を停止してもよい。
洗浄後は、基板及びパターン上に残ったリンス液を除去することが好ましい。
本発明のレジスト組成物は、KrFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、ArFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、電子線(EB)照射用のレジスト組成物又はEUV露光用のレジスト組成物、さらに液浸露光用のレジスト組成物として好適であり、半導体の微細加工に利用できる。
カラム:TSKgel Multipore HXL-M x 3+guardcolumn(東ソー社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μl
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー社製)
また、化合物の構造は、質量分析(LCはAgilent製1100型、MASSはAgilent製LC/MSD型)を用い、分子ピークを測定することで確認した。以下の実施例ではこの分子ピークの値を「MASS」で示す。
式(I1−e)で表される塩5.00部及びアセトニトリル30部を仕込み、40℃で30分間攪拌し、式(I1−f)で表される化合物2.22部を仕込み、50℃で1時間攪拌することにより、式(I1−g)で表される化合物を含む溶液を得た。
MS(ESI(+)Spectrum):M+ 263.1
MS(ESI(−)Spectrum):M− 503.1
式(I5−e)で表される塩1.37部及びアセトニトリル10部を仕込み、40℃で30分間攪拌し、式(I5−f)で表される化合物0.56部を仕込み、50℃で1時間攪拌することにより、式(I5−g)で表される化合物を含む溶液を得た。
MS(ESI(+)Spectrum):M+ 305.1
MS(ESI(−)Spectrum):M− 503.1
式(I45−e)で表される塩1.67部及びアセトニトリル10部を仕込み、40℃で30分間攪拌し、式(I45−f)で表される化合物0.56部を仕込み、50℃で1時間攪拌することにより、式(I45−g)で表される化合物を含む溶液を得た。
MS(ESI(+)Spectrum):M+ 375.2
MS(ESI(−)Spectrum):M− 503.1
モノマー(A)11.18部、p−アセトキシスチレン14.60部、モノマー(B)3.55部に1,4−ジオキサン29.32部を加えて溶液とし、87℃まで昇温した。得られた溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル2.96部を添加し、87℃で6時間保温した。冷却後反応液をメタノール304.97部とイオン交換水76.24部の混合液に注いで重合物を沈殿ろ過した。得られたろ過物及び4−ジメチルアミノピリジン2.93部を、得られたろ過物と同量のメタノールに加えて15時間加熱還流した。冷却後、得られた反応液に氷酢酸2.09部を加え中和した後、大量の水に注いで沈殿させた。析出した重合物をろ別し、アセトンに溶解させた後、大量の水に注いで沈殿させる操作を3回繰り返して精製し、重量平均分子量が約3.5×103の共重合体27.82部を得た。この共重合体は、モノマー(A)、p−ヒドロキシスチレン及びモノマー(B)に各々由来する、以下の各モノマーから導かれる構造単位を有するものであり、これを樹脂A1とする。
モノマー(A)11.18部、p−アセトキシスチレン14.60部、モノマー(B)1.77部、モノマー(C)1.28部に1,4−ジオキサン28.83部を加えて溶液とし、87℃まで昇温した。得られた溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル2.96部を添加し、87℃で6時間保温した。冷却後反応液をメタノール299.81部とイオン交換水74.95部の混合液に注いで重合物を沈殿ろ過した。得られたろ過物及び4−ジメチルアミノピリジン2.88部を、得られたろ過物と同量のメタノールに加えて15時間加熱還流した。冷却後、得られた反応液に氷酢酸2.05部を加え中和した後、大量の水に注いで沈殿させた。析出した重合物をろ別し、アセトンに溶解させた後、大量の水に注いで沈殿させる操作を3回繰り返して精製し、重量平均分子量が約3.8×103の共重合体26.91部を得た。この共重合体は、モノマー(A)、p−ヒドロキシスチレン、モノマー(B)及びモノマー(C)に各々由来する、以下の各モノマーから導かれる構造単位を有するものであり、これを樹脂A2とする。
<レジスト組成物の調製>
表3に示す成分を、表3に示す質量部で、以下に示す溶剤と混合して溶解させ、得られた混合物を孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過して、レジスト組成物を調製した。
A1:合成例1で得られた樹脂A1
A2:合成例2で得られた樹脂A2
<酸発生剤>
I−1:実施例1で得られた式(I−1)で表される塩
I−5:実施例2で得られた式(I−5)で表される塩
I−45:実施例3で得られた式(I−45)で表される塩
B1−X:
シリコンウェハを、ダイレクトホットプレート上にて、ヘキサメチルジシラザンを用いて90℃で60秒処理し、上記のレジスト組成物を乾燥(プリベーク)後の膜厚が0.06μmとなるようにスピンコートした。その後、ダイレクトホットプレート上にて、表4の「PB」欄に示す温度で60秒間プリベークして、組成物層を形成した。このように組成物層を形成したそれぞれのウェハに、電子線描画機〔(株)日立製作所製の「HL−800D 50keV」を用い、露光量を段階的に変化させてラインアンドスペースパターンを露光した。
各レジスト組成物からのレジストパターン形成において、60nmのラインアンドスペースパターンの線幅が1:1となる露光量を実効感度とした。
Claims (8)
- 式(I)で表される塩。
Q1及びQ2は、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
L1は、2価の炭素数1〜17の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基を構成しているメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよく、L1中の該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子で置き換わっていてもよい。
L2は、単結合又は2価の炭素数1〜16の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基を構成しているメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
L3は、酸素原子、メチレン基又は−CO−CH2−を表す。
環W1は、炭素数6〜18の芳香族環を表す。
環W2は、炭素数4〜18の脂肪族環を表す。
R1は、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。
R2は、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。
R3は、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基又は炭素数1〜6のヒドロキシアルコキシ基を表し、該ヒドロキシアルキル基及び該ヒドロキシアルコキシに含まれる水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよい。
sは、0〜2の整数を表す。sが2のとき、複数存在するR1は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
tは、0〜2の整数を表す。tが2のとき、複数存在するR2は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
uは、1〜3の整数を表す。uが2又は3のとき、複数存在するR3は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
Z+は、有機対イオンを表す。] - 前記Z+が、アリールスルホニウムカチオンである請求項1〜3のいずれか記載の塩。
- 請求項1〜4のいずれか記載の塩を含有する酸発生剤。
- 請求項5記載の酸発生剤と樹脂とを含有し、該樹脂が、酸に不安定な基を有し、かつアルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液で溶解し得る樹脂であるレジスト組成物。
- さらに塩基性化合物を含有する請求項6記載のレジスト組成物。
- (1)請求項6又は7記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程、
を含むレジストパターンの製造方法。
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