以下に説明する発明を実施するための形態(以下実施例と記す)は、上記「発明が解決しようとする課題」の欄に記載した課題を解決するだけでなく、更により具体的な課題あるいは異なる課題をも解決することが可能である。また上記「発明の効果の欄」に記載した効果だけでなく、より具体的な効果や異なる効果を奏している。実施例が解決する課題の内の幾つかあるいは効果の内の幾つかを次に記載する。また下記実施例は以下の記載の課題を複合した課題の解決や、以下の記載の効果を複合した効果を奏することが可能である。
1.不正録画の防止
(1) 以下に記載する実施例では、外付け録画装置をテレビジョン放送受信装置に接続した場合に、テレビジョン放送受信装置の制御部が、外付け録画装置の認証を行い、不正接続の有無を判断する。認証が行われたことにより暗号解読を可能にする暗号情報がテレビジョン放送受信装置から外付け録画装置へ提供される。テレビジョン放送受信装置は、受信した放送内容、例えは映像信号と音声信号を多重状態で包含するトランスポートストリーム(Transport Stream)(以下TSと記す)を、暗号化した状態で外付け録画装置に送信し、受信した外付け録画装置は提供された上記暗号情報に基づきTSを解読する。解読されたTSが有する、少なくとも映像信号を圧縮するなどの処理を行う。このように外付け録画装置は暗号化された状態で放送内容を受信し、認証されたことにより提供される暗号情報により暗号化された放送内容が解読可能となる。このことにより録画に係る不正を抑制できる。
(2) 以下に記載する実施例では、外付け録画装置は、テレビジョン放送受信装置から受信した暗号化されたTSを解読した後、少なくとも映像信号を圧縮し、圧縮した映像信号を多重化してTSを作り、このTSを暗号化してテレビジョン放送受信装置へ送信する。このように圧縮対象コンテンツを暗号化した状態で受信し、圧縮を完了したコンテンツを暗号化して送信することで、高いセキュリティを維持でき、録画に関する不正を抑制できる。
(3) 以下で説明する外付け録画装置は、圧縮対象コンテンツの暗号の解読から圧縮を完了したコンテンツの暗号化までの処理を1つのICチップ内で行うので、不正を抑制でき、高いセキュリティを維持できる。
(4) 以下で説明する外付け録画装置は、圧縮制御部の暗号解読や圧縮、再暗号化を行うハードウエアを内部に備えており、上記ハードウエアが動作するためのファームウエアはテレビジョン放送受信装置に保持されている。テレビジョン放送受信装置からファームウエアをダウンロードすることで上記暗号解読や圧縮、再暗号化が可能となる。このように外付け録画装置の圧縮制御部の暗号解読や圧縮、再暗号化はファームウエアを受信しなければ動作しない状態に維持されており、不正を抑制でき、高いセキュリティを維持できる。
(5) 以下で説明する外付け録画装置では、上記外付け録画装置との接続が予め定められているテレビジョン放送受信装置にファームウエアを保持しており、予定されている外付け録画装置が接続されたことが確認されると上記テレビジョン放送受信装置は上記外付け録画装置に上記ファームウエアを提供する構成となっている。このような構成により高いセキュリティを維持でき、不正録画を抑制することができる。
(6) 以下で説明する外付け録画装置では、上記外付け録画装置の圧縮制御部を動作させるファームウエアをテレビジョン放送受信装置に保持し、動作のために一時的に外付け録画装置の圧縮制御部にダウンロードするのに加え、外付け録画装置を制御するソフトウエアをテレビジョン放送受信装置に持たせ、テレビジョン放送受信装置の制御部で外付け録画装置を動作させることで、不正を防止し易くなり、セキュリティを維持し易くなる。
(7) 以下で説明する外付け録画装置では、上記外付け録画装置の圧縮制御部を動作させるためのファームウエアをテレビジョン放送受信装置に保持し、動作のために一時的に外付け録画装置内の揮発性メモリにダウンロードする構成となっている。例えば不正録画を行うために外付け録画装置を他の機器の置かれている場所に移動しようとすると、電源の供給を維持できなくなり、保持されていたファームウエアが消滅する。この結果不正録画が困難となる。このようにファームウエアを外付け録画装置内の揮発性メモリに保持する構成により、不正録画を抑制することができる。
(8) 以下で説明する外付け録画装置では、暗号解読のための暗号情報と、暗号解読や映像の圧縮および再暗号化を行うためのファームウエアを、上記ファームウエアにより動作するハードウエアが設けられているICに保持される構成となっている。さらに上記暗号情報と上記ファームウエアを放送コンテンツの供給元であるテレビジョン放送受信装置に保持し、外付け録画装置はテレビジョン放送受信装置からこれらの供給を受けて一時的に保持する構造としている。このような構造により、不正録画を抑制することができる。
(9) 以下で説明する外付け録画装置は、圧縮制御部で圧縮した映像信号を有するTSを暗号化してテレビジョン放送受信装置へ送信し、テレビジョン放送受信装置で再度暗号化し、暗号化されたTSを再度受信して外付け録画装置の録画部であるHDDに録画する構成としている。上記圧縮した映像信号を有するTSを暗号化してHDDに直ちに録画するのではなく、再びテレビジョン放送受信装置に暗号化した状態で戻し、上記テレビジョン放送受信装置で解読して再び暗号化し、この暗号化されたコンテンツを上記HDDに録画する。このような構成により、不正録画を抑制できる効果がある。
(10) 以下で説明する外付け録画装置では、上記外付け録画装置とペア登録されているテレビジョン放送受信装置に上記外付け録画装置が接続されることによりペア登録の確認が行われ、上記ペア登録の確認に基づいて暗号解読のための暗号情報の上記テレビジョン放送受信装置からの提供やその後の暗号化された受信した放送コンテンツの提供が行われる。このような構成により、不正録画を抑制できる効果がある。さらに、以下で説明する外付け録画装置では、上記ペア登録の確認と認証確認の両方が行われる。このような構成により、不正録画を更に抑制できる効果がある。
2.外付け録画装置の利便性の向上
(1) 以下で説明する外付け録画装置は、録画部を構成するHDDと圧縮機能を有する圧縮制御部とを一体化して筐体内に収めている。全体構造が小型化され、利便性が向上する。
(2) 以下で説明する外付け録画装置では、上記外付け録画装置の使用内容の選択やそれに伴う使用者の入力操作を接続相手であるテレビジョン放送受信装置に委ねている。このため操作部や表示部を上記外付け録画装置に設ける必要が無く、上記テレビジョン放送受信装置の操作機構を利用できる。このため上記外付け録画装置は全体構造を小型化でき、利便性が向上する。
また上記外付け録画装置を制御するプログラムを上記テレビジョン放送受信装置に格納する方式としているので、上記テレビジョン放送受信装置の操作方法に沿うように上記外付け録画装置の操作方法を定めることが可能である。利用者は通常行っていて慣れている上記テレビジョン放送受信装置の考え方に近い考え方で上記外付け録画装置を操作でき、利用者の利便性が向上する。
(3) 下記で説明する実施例では、外付け録画装置はその内部に圧縮制御部を有しており、設定された圧縮比でテレビジョン放送受信装置からのコンテンツを圧縮し、最終的に録画部であるHDDに設定値に基づいて圧縮したコンテンツを録画することができる。このように上記テレビジョン放送受信装置から圧縮比を設定できる構成となっているので、録画の画質を優先するかあるいは録画対象のコンテンツ容量を削減するために圧縮比向上を優先するかを選択することができ、利便性が向上する。さらに圧縮比の設定を見やすい上記テレビジョン放送受信装置の表示部を利用して、さらに操作方法を理解している上記テレビジョン放送受信装置用のリモコンを利用することができるので、利便性が向上する。
(4) 外付け録画装置の制御の機能を、テレビジョン放送受信装置の制御部に委ねる事により、消費電力を押えることができる。即ち制御を行うためのCPUやこれに付随する回路の動作電力が不要となる。このため上記外付け録画装置が収納する電源回路を小型化することができ、装置全体が小型となり、取扱が容易になる。
3.接続可能テレビジョン放送受信装置の異機種への対応性拡大
(1) 以下の実施例では、外付け録画装置の制御プログラムがテレビジョン放送受信装置の側に記憶されており、外付け録画装置の認証が完了すると、テレビジョン放送受信装置側に記憶されている制御プログラムに基づいて、コンテンツの圧縮動作や圧縮されたコンテンツの外付け録画装置内の録画部への書き込み動作が行われる。外付け録画装置を動作させるプログラムをテレビジョン放送受信装置側に保持する構成とすることで、テレビジョン放送受信装置はそれぞれ自分の機能に合った制御を外付け録画装置に行わせることが可能となる。その結果、外付け録画装置は異なる機種への対応の自由度が大幅に向上し、同一機種の外付け録画装置が異なる多くのテレビジョン放送受信装置に対応可能となる。このような構成により、外付け録画装置の生産性が向上する。またそれに伴って信頼性を向上し易くなる。
(2) 外付け録画装置の圧縮制御部のファームウエアをテレビジョン放送受信装置に保持し、テレビジョン放送受信装置の動作に対応するように作成したファームウエアをテレビジョン放送受信装置から供給する構成とした。これにより、テレビジョン放送受信装置の動作と外付け録画装置の圧縮制御部の動作との対応がより容易となる。テレビジョン放送受信装置の動作に適合するように、上記ファームウエアを作ることが可能であり、異なる機種のテレビジョン放送受信装置への対応性が増大する。
(3)テレビジョン放送受信装置は受信機能を備えているので、生産後、更には、販売後に制御プログラムの一部をテレビジョン放送受信装置に送り込むことで、制御プログラムの一部変更が可能となる。このようなテレビジョン放送受信装置において、外付け録画装置の制御プログラムをテレビジョン放送受信装置の側に保持し、テレビジョン放送受信装置の制御機能を使用して外付け録画装置を制御することにより、テレビジョン放送受信装置のプログラム更新にリンクして、外付け録画装置の制御プログラムを修正することが可能となる。このような構成を採用することにより、外付け録画装置の対応性が向上する、あるいは利便性が向上する。
上記外付け録画装置の制御プログラムと同様に、必要に応じ、外付け録画装置の圧縮制御部のファームウエアを変更することが可能となる。上記と同様、外付け録画装置の対応性が向上する、あるいは利便性が向上する。
(4)外付け録画装置が独自に制御部を有し、独自の制御プログラムを備えて、テレビジョン放送受信装置から供給されるTSの圧縮動作や録画動作を行う構成では、上記外付け録画装置側の制御部とテレビジョン放送受信装置側の制御部との間で、コンテンツの送受信の確認を常に行うことが必要となり、制御が複雑となる。また上記外付け録画装置と上記テレビジョン放送受信装置との送受信の確認方法が、上記テレビジョン放送受信装置の製造メーカ毎に、あるいは機種毎に異なることが多々生じる。従って販売する外付け録画装置は、接続相手によってプログラムの細部を変更することが必要な場合が生じる。販売する外付け録画装置は、相手テレビジョン放送受信装置に対応して多種類、用意しなければならない。あるいは使用できる相手方のテレビジョン放送受信装置の機種が、制限される可能性が生じる。以下の実施例はテレビジョン放送受信装置側に制御を委ねる方式としているので、煩雑さを低減でき、同じ内容の外付け録画装置を異なる機種のテレビジョン放送受信装置に使用可能となる。
次に図面を参照しながら実施例を説明する。本実施例は、発明を実施するための形態の欄で上述したそれぞれの課題を解決できる効果を奏するのに加え、さらに以下で説明する課題を解決できる効果を奏する。
「1.外付け録画装置の使用状況の説明」
図1は、テレビジョン放送受信装置100に外付け録画装置200を、USB(Universal Serial Bus)ケーブル180を使用して接続した状態を示すシステム図である。テレビジョン放送受信装置100は、例えば放送衛星(Broadcasting Satellite)を利用した放送(以下BS放送と記す)や通信衛星(Communication Satellite)を利用した放送(以下CS放送と記す)、あるいは地上デジタル放送などを受信し、受信した映像や表示部134や音声出力部から出力する。さらにテレビジョン放送受信装置100は、Hard Disk Drive(以下HDDと記す)などの録画部を収納しており、受信した映像や音声を上記録画部であるHDDにより録画媒体に録画することができる。また、上記録画媒体に録画されている映像や音声を再生することができる。
上記テレビジョン放送受信装置100は、Remote Controller(以下リモコンと記す)170を使用して、受信した放送からの選局や上記録画、あるいは再生を含めた色々な操作を行うことができる。なお、テレビジョン放送受信装置100は外部から供給される電力により動作するが、図示は省略している。
外付け録画装置200は、テレビジョン放送受信装置100に接続されることにより、テレビジョン放送受信装置100が収納する制御部の動作により、映像の圧縮や録画、再生を行うことができる。このような外付け録画装置200の圧縮動作や録画あるいは再生動作の指示は、リモコン170を操作することにより、テレビジョン放送受信装置100が収納する制御部によって行われる。USBケーブル180により、外付け録画装置200がテレビジョン放送受信装置100に接続される。これにより、以下で説明する認証動作が行われ、その後テレビジョン放送受信装置100の制御部から制御指令が外付け録画装置200に送られ、テレビジョン放送受信装置100が受信した放送コンテンツの圧縮や録画、録画されたコンテンツの再生が行われる。
外付け録画装置200は、その内部に電源回路を備えており、家庭用電源から動作電力が電源コード206を介して供給される。外付け録画装置200では、上記録画動作などで必要となる電力が内部の電源回路から各内部機器や内部回路に供給される。
但し、外付け録画装置200に電源回路を収納し、家庭用交流電源からの交流電力から動作に必要な直流電力を発生させることは必須ではない。電力を多く消費する部分は外付け録画装置200に収納されている録画部274(図3)として使用されるハードディスク(HDD)である。技術の進歩により、HDDの消費電力は非常に低減されてきており、USBケーブル180を介して供給される電力で動作させることは可能である。従ってUSBケーブル180を介してテレビジョン放送受信装置100から供給される電力で、外付け録画装置200を動作させるように設計することも可能である。特に以下の実施例では、外付け録画装置200全体を制御するCPUとして、テレビジョン放送受信装置100に収納されたCPUを使用しており、上記CPUにより構成される制御回路が消費する電力を、外付け録画装置200は節約できる。従って外付け録画装置200を動作させる電力を、USBケーブル180を介してテレビジョン放送受信装置100から供給することが、より容易となる。
「2.テレビジョン放送受信装置100の回路構成および動作の説明」
「2.1 テレビジョン放送受信装置100の構成」
図2にテレビジョン放送受信装置100のブロック図を示す。テレビジョン放送受信装置100には、BS放送あるいはCS放送を受信するため入力端子114および地上デジタルテレビジョン放送を受信するため入力端子118が設けられている。また、リモコン170からの信号を受信するためのリモコン受信部172、USBケーブル180を介して外付け録画装置200と接続するためのUSB端子160、電力の供給を受けるための電源端子を備えている。ただし、上記電源端子は図示していない。この実施例では、USBケーブル180はUSB規格にもとづくケーブルであり、テレビジョン放送受信装置100と外付け録画装置200はUSBケーブル180を介して接続されている。
「2.2 制御部140の構成と制御プログラム」
テレビジョン放送受信装置100は、制御部140を有しており、制御部140はリモコン受信部172を介してリモコン170からの操作信号を受信し、リモコン170の操作に基づきテレビジョン放送受信装置100を動作させる。制御部140は、不揮発性メモリ144に、テレビジョン放送受信装置100自身を制御するためのTV受像機用プログラム145と、外付け録画装置200が接続されたときに使用される外付け録画装置用プログラム146と、外付け録画装置200に収納されている圧縮制御部240(図3に図示)を動作させるためのファームウエア147と、外付け録画装置200の認証を行い、更に接続された上記外付け録画装置200と上記テレビジョン放送受信装置100とが登録された関係であるかどうか(ペア登録)を確認するための認証およびペア確認プログラム148を保持している。
上記ファームウエア147を外付け録画装置200に送り込むことにより、後述する外付け録画装置200に収納された圧縮制御部240(図3に図示)のハードウエアを動作可能とし、上記外付け録画装置用プログラム146を実行することにより、制御部140は外付け録画装置200を制御することが可能となる。なおTV受像機用プログラム145や外付け録画装置用プログラム146、ファームウエア147、認証およびペア確認プログラム148は外部から書き換え可能であり、例えばアンテナ112やアンテナ116を介して新しいプログラムや新しいファームウエア、新しい認証およびペア確認プログラム148を供給することにより、不揮発性メモリ144に保持されているプログラムやファームウエア、認証およびペア確認プログラム148の一部または全部を変更することができる。
制御部140は、さらに、演算処理部142とデータなどを一時的に記憶するRAM143を備えている。制御部140はTV受像機用プログラム145に基づいてテレビジョン放送受信装置100自身の動作を制御する。さらに、別売りされている外付け録画装置200をユーザが購入し、テレビジョン放送受信装置100に接続すると、認証手続や接続されたテレビジョン放送受信装置100と外付け録画装置200とのペア関係の登録手続が行われるが、その後外付け録画装置200の使用目的に応じ、外付け録画装置用プログラム146が実行され、外付け録画装置200への暗号情報やファームウエアを含む各種データあるいは設定値の供給や、使用目的に基づく上記外付け録画装置200の制御が行われる。
上記説明は、以下に図3を用いて説明する圧縮制御部240がハードウエアと上記ハードウエアを制御するファームウエア147で構成されている実施例を念頭に置いて説明した。図3の圧縮制御部240は不揮発性メモリ144からのデータがセットされて初めて動作可能となる構成とすることで、不正録画などの防止機能が向上する。従って上述のファームウエア147の圧縮制御部240へのダウンロードは一実施例である。圧縮制御部240が動作可能となるセキュリティデータをセットしても不正録画などの防止機能が向上する。以下ファームウエア147やセキュリティデータなど、テレビジョン放送受信装置100から圧縮制御部240へ提供することにより、圧縮制御部240が動作可能となるデータを総称して、動作データと記すことにする。
ただ、動作データとしてファームウエア147を使用することは、圧縮制御部240の回路を作る上で、優れた効果がある。特にIC回路として生産する場合にICの小型多機能化の観点で優れている。
外付け録画装置用プログラム146やファームウエア147は、外付け録画装置200を購入し、テレビジョン放送受信装置100に接続した場合に、購入した外付け録画装置200と共に、購入者にDVD等で提供して、テレビジョン放送受信装置100内の不揮発性メモリ144に記憶させるようにしても良い。しかしこの場合にはテレビジョン放送受信装置100を製造するメーカ毎に、あるいはテレビジョン放送受信装置100の機種毎に、その機種に合うように外付け録画装置用プログラム146を準備することが必要となる。またユーザが購入時に、ユーザが所有するテレビジョン放送受信装置100に合う外付け録画装置用プログラム146やファームウエア147を有する外付け録画装置200を提供することが必要となる。この場合販売方法がたいへん複雑となり、またユーザが外付け録画装置200に関して基礎知識を求められることになる。
外付け録画装置用プログラム146をテレビジョン放送受信装置100自身が販売当初から備えている、あるいはテレビジョン放送受信装置100が自動的にアンテナ112あるいはアンテナ116を介して提供を受けるようにすれば、上述の販売の煩雑さをなどの問題を解決することができる。またテレビジョン放送受信装置100について、あるいは外付け録画装置200に付いての技術的知識をあまり有していない利用者に対しても利用し易くなる。
さらに必要に応じ既に提供した外付け録画装置用プログラム146やファームウエア147をより望ましく改良したい場合に、上記改良した外付け録画装置用プログラム146、あるいはファームウエア147を、既に購入し利用されているテレビジョン放送受信装置100に対してアンテナ112あるいはアンテナ116を介して提供するようにすれば、利用者の利便性が更に向上する。
また既にテレビジョン放送受信装置100の不揮発性メモリ144に保持されている外付け録画装置用プログラム146やファームウエア147を、改良した外付け録画装置用プログラム146あるいは改良したファームウエア147に書き換える場合に、アンテナ112あるいはアンテナ116を介してこれらを提供する以外の手段として、テレビジョン放送受信装置100をインターネットに接続している状態で、インターネットを介して書き込むようにしても良い。さらにテレビジョン放送受信装置100が有するUSB端子を介して、外付けのプログラム146やファームウエア147の提供装置が提供するようにしても良い。具体的な動作手順については、以下で説明する。なおここでは、圧縮制御部240の動作が可能となる動作データの内のファームウエア147を例として説明した。しかし不正録画の防止の向上の観点では、圧縮制御部240がテレビジョン放送受信装置100から受け取ることにより、動作可能になることが重要である。このため、ファームウエア147だけでなく、鍵情報であっても良い。これらを含め圧縮制御部240が受け取ることにより動作可能となるデータを総称して、上述したように動作データと記す。
上述したこのような課題は、外付け録画装置200の外付け録画装置用プログラム146やファームウエア147を、テレビジョン放送受信装置100側に保持するようにしたことにより解決できる。
さらに、外付け録画装置200の制御をテレビジョン放送受信装置100の制御部140に委ねることで、外付け録画装置200とテレビジョン放送受信装置100との間のTS等の送受信における互いの約束事を簡素化でき、TV受像機用プログラム145や外付け録画装置用プログラム146の製作がより容易となる効果がある。また制御自身も簡素化できる。
「2.3 選局および映像や音声の出力」
選局部122には、BS放送あるいはCS放送を受信するためのアンテナ112から放送信号が入力端子114を介して供給され、また地上デジタルテレビジョン放送を受信するためのアンテナ116から、放送信号が入力端子118を介して入力される。リモコン170の操作に基づき制御部140が選局部122を制御し、リモコン170により選定したチャンネルの放送信号が選択され、受信信号処理部124に送られる。
受信信号処理部124は選局された放送信号に基づき復調処理および誤り訂正処理を行い、TSを発生する。より具体的には、一例として受信信号処理部124で、例えば放送信号の上記デジタル信号を直交復調と高速フーリエ変換によりOFDMフレーム構成を有するベースバンド信号に変換し、復調および誤り訂正処理を行い、TSを出力する。
受信信号処理部124から出力されたTSは、映像信号と音声信号、情報信号が多重化された信号であり、映像信号と音声信号、情報信号を分離することが必要である。なお多重化の方式は国際規格に基づいている。ここで情報信号とは、例えば番組表などの表示情報を内容とする信号である。
ストリーム制御部126は、エレメントである映像信号と音声信号、情報信号が多重化されたTSからエレメントである信号をそれぞれ分離する。映像信号および情報信号は映像処理部132でデコードなどの処理が行われ、液晶表示装置などで構成される表示部134で表示される。なお映像および情報の表示は、リモコン170の操作により選択可能である。また、音声信号は音声処理部136でデコードされ、スピーカなどを備える音声出力部138から出力される。
「2.4 TV収納ハードディスクの録画と再生」
リモコン170の操作により、録画部例えばHDD150への録画が指示されると、制御部140からの制御信号に基づき、ストリーム制御部126は、TSから分離された映像信号と音声信号を再び多重化してTSを作り、このTSをHDD150へ送り、HDD150に録画する。なお、映像信号と音声信号で作られるTSをHDD150に録画するようにしても良いが、映像信号と音声信号と情報信号を含むように多重化してTSを作り、このTSをHDD150に録画するようにしても良い。
リモコン170を介して再生要求の操作がなされると、制御部140の制御指令に基づき、ストリーム制御部126はHDD150に録画されているSTを読み出し、映像信号と音声信号に分ける。読み出されたSTに、映像と音声に加えて情報も多重化されている場合には、映像と音声と情報のエレメントにわける。映像あるいは映像と情報は映像処理部132で、デコードなどの処理がなされて表示部134で表示される。また音声は音声処理部136でデコードなどの処理がなされ、音声出力部138から音声が出力される。
「3. 外付け録画装置200の構成と動作の概要」
「3.1 外付け録画装置200の構成」
外付け録画装置200の構成を図3に示す、なお圧縮制御部240の構成は機能ブロック図である。外付け録画装置200は、例えばアルミニュウム板材あるいは樹脂で作られた筐体202を有し、筐体202には、USBケーブル180を介してテレビジョン放送受信装置100と接続するためのUSB端子212、外付け録画装置をさらに増設するためのUSB端子302およびUSB端子304が備えられている。また家庭用電源端子から電源供給を受けるための電源コード206が設けられている。外付け録画装置200をテレビジョン放送受信装置100のUSB端子160にUSBケーブル180を介して接続することにより、制御命令や、設定値を含む各種データや、圧縮や録画再生のためのコンテンツがやり取りされる。
筐体202の内部には、接続相手であるテレビジョン放送受信装置100が外付け録画装置200を認証するための認証動作を行う認証回路242や、テレビジョン放送受信装置100と外付け録画装置200とのペア関係を登録あるいは確認するためのペア確認回路243が設けられている。また圧縮動作などを行う圧縮制御部240、映像や音声を含むTSを録画するための録画部274が設けられている。上記録画部274はここではHDDである。さらに筐体202の内部に、テレビジョン放送受信装置100から送られてきたTSを録画部274であるHDDの規格に合うように変換する変換回路272、テレビジョン放送受信装置100からの制御指令に基づいて外付け録画装置200内部の信号の流れを制御するハブコントローラ222などを備えている。
このハブコントローラ222は大まかには次のような動作をする。テレビジョン放送受信装置100から送られてきたTSを圧縮し録画する場合には、テレビジョン放送受信装置100から規格に基づいて分割されたTSが送られてくる。この分割されたTSをハブコントローラ222によって圧縮制御部240へ送り、圧縮制御部240で圧縮された分割されたTSはハブコントローラ222の動作に基づき再びテレビジョン放送受信装置100へ送る。さらにテレビジョン放送受信装置100は圧縮されたTSを暗号化して外付け録画装置200に送り返す。送られてきたTSはハブコントローラ222によって変換回路272へおくられ、変換回路272から録画部274へ送られ、録画部274であるHDDに録画される。
録画部274に録画されたTSを再生する場合には、録画部274から読み出されたコンテンツは変換回路272によりTSの形式に戻され、ハブコントローラ222を介してテレビジョン放送受信装置100に送られる。
認証回路242はテレビジョン放送受信装置100に対して外付け録画装置200が認証を受けるための回路であり、例えば製造当初から認証を受けるための番号(ID番号)を保持している。この認証回路242は圧縮制御部240を構成するICの中に設けられていても良い。圧縮制御部240を構成するIC内に認証回路242が設けられている場合には、不正録画を防止する抑制効果がより向上する。
またペア確認回路243は、テレビジョン放送受信装置100と外付け録画装置200のペアを登録あるいは確認するための回路であり、外付け録画装置200を最初にテレビジョン放送受信装置100に接続した場合に、図2に記載の認証およびペア確認プログラム148によりペア登録が行われる。ペア登録が行われると、ペア関係以外のテレビジョン放送受信装置100に対して外付け録画装置200を接続しても録画や再生が阻止される。もちろん圧縮動作も阻止される。この機能により不正録画を防止できる。ペア確認回路243はペア関係にあることを照明するペアIDを互いに保持するとか、テレビジョン放送受信装置100が認証に使用するIDを保持し、テレビジョン放送受信装置100が外付け録画装置200の有する認証用IDを用いてペア関係に有無を確認するなどの方法で、ペア関係の確認が行われる。このペア確認回路243は本実施例では圧縮制御部240とは一体になっていないが、圧縮制御部240のIC内に設けても良い。
次にUSB端子302やUSB端子304について説明する。外付け録画装置200と同様の録画装置をUSB端子302やUSB端子304に接続すると、接続されたそれらの外部録画装置は、テレビジョン放送受信装置100と外付け録画装置200を介して接続され、外付け録画装置200を介して、認証動作やペア確認動作を含めた圧縮や録画、再生に必要なTSや制御指令を含むデータのやり取りがハブコントローラ222の動作により可能となる。このようにUSB端子302やUSB端子304に外付け録画装置200と同様の装置を接続することで、外付け録画装置200が有する機能を複数の装置で同時に行うことが可能となる。なお複数の装置が動作している場合に、動作に必要な命令やコンテンツを、ハブコントローラ222は時分割的に送受信する。
電源回路204は家庭用電源から動作に必要な電力を電源コード206を介して受け、直流定電圧電力に変換して、上記圧縮制御部240や録画部274、変換回路272、ハブコントローラ222、ペア確認回路243等に供給する。またUSB端子302やUSB端子304から電力を供給することが必要な場合には、規格に基づく電力をUSB端子302やUSB端子304から供給する。
なお上述したように、外付け録画装置200に電源回路を収納して、上記電源回路から上記各部や収納するその他各回路に動作のための電力を供給することは必須ではない。電力を多く消費する録画部274として使用されるHDDの消費電力は近年非常に低減されてきている。USBケーブル180を介して供給される電力で動作させるHDDが開発されている。従ってUSBケーブル180を介してテレビジョン放送受信装置100から供給される電力で、外付け録画装置200を動作させるように設計することは可能である。また以下の実施例では、外付け録画装置200全体を制御するCPUとして、テレビジョン放送受信装置100の内部に設けられたCPUを使用しており、制御上のメリットだけでなく、上記CPUにより構成される制御回路が消費する電力を、外付け録画装置200は節約できる効果もある。従って以下の実施例の構成は、外付け録画装置200を動作させる電力を、USBケーブル180を介してテレビジョン放送受信装置100から供給することがより容易となっている。
「3.2 圧縮制御部240の構成とファームウエアに基づく動作」
圧縮制御部240の暗号解読部254は、送られてきたTSの暗号を解読する機能を有しており、分離部256はTSから多重化されている映像や音声を分離する機能を有しており、圧縮部258は設定された圧縮比で映像を圧縮する機能を有しており、多重化部262は映像や音声を多重化する機能を有しており、暗号化部264は入力された信号を暗号化する機能を有している。これらの機能を純粋なハードウエアのみで達成しようとすると、ハードウエアが複雑で且つ大型化するので、この実施例では、暗号解読部254や分離部256や圧縮部258や多重化部262や暗号化部264の機能を達成するための基本ハードウエアと、上記基本ハードウエアをそれぞれ有機的に接続し動作させるファームウエアと、で構成している。上記ファームウエアはテレビジョン放送受信装置100の不揮発性メモリ144にファームウエア147として保持されている。外付け録画装置200がテレビジョン放送受信装置100に接続されることにより、制御部140から制御回路244に上記ファームウエア147がダウンロードされる。さらに制御部140から制御指令が送られてくる毎に、制御回路244は送られてきた制御指令に対応するファームウエア147の部分を実行することにより、圧縮制御部240のハードウエアが有機的に接続し動作して、上記暗号解読部254や分離部256、圧縮部258、多重化部262、暗号化部264の動作および機能が達成される。
上記説明は、圧縮制御部240がテレビジョン放送受信装置100から受け取ることにより、動作可能となる動作データの一例として、ファームウエア147について説明した。圧縮制御部240の製造の容易さなどの観点で、動作データの中でファームウエア147は非常に優れている。しかし、圧縮制御部240がファームウエア147を必要としないで動作する回路であっても良い。不正録画の防止などを考えると、テレビジョン放送受信装置100から動作データを受け取ることによってはじめて動作可能となることが望ましい。たとえば鍵データを受けることにより、圧縮制御部240が動作可能となるようにしても良い。ファームウエア147や鍵データなど、外付け録画装置200以外から提供されて動作可能となることが望ましい。このような外付け録画装置200以外から提供されて動作可能となる、上述したデータを動作データと記している。
「3.3 外付け録画装置200の圧縮および録画動作」
外付け録画装置200の圧縮および録画の動作を図4に示す。図2および図3、図4を用いて、外付け録画装置200の圧縮および録画の動作を説明する。外付け録画装置200がテレビジョン放送受信装置100にUSBケーブル180を介して接続されることにより、図2に示す制御部140が外付け録画装置用プログラム146の実行を開始し、図4に示すステップS200の動作が開始される。
図4に示す各ステップは、テレビジョン放送受信装置100の制御部140が外付け録画装置用プログラム146を実行し、この実行に伴って制御部140が外付け録画装置200を.構成する各回路を制御することによって、実行される。即ち制御部140が外付け録画装置用プログラム146を実行することにより、制御部140から制御指令がハブコントローラ222や圧縮制御部240、認証回路242、ペア確認回路243、変換回路272、録画部274に送られる。この制御指令に基づいて指令を明けた各回路や各部が動作することにより、図4の各ステップが実行される。以下に説明する図5、図7、図8の各ステップも同様である。
制御回路244はファームウエア147のダウンロードを受けて、圧縮制御部240を構成する各部のハードウエアを動作させるが、その動作は、制御回路244が独自に制御するのではなく、あくまでも制御部140からの制御指令を受け、上記各制御指令に基づいて制御回路244が圧縮制御部240を構成するハードウエアを、ファームウエア147の実行により、動作させる。
ストップS200の動作が開始により、先ず制御部140は接続された外付け録画装置200の型式などを確認し、制御部140が保持しているファームウエア147の型式などと一致するかを確認し、問題なければファームウエア147を図3の制御回路244が有する揮発性メモリにダウンロードする。この実施例では制御回路244が有する揮発性メモリにダウンロードするので、電源回路204から制御回路244へ供給されている電力が遮断されると、ダウンロードしたファームウエア147は消滅する。このことにより、外付け録画装置200を一旦不使用状態にして登録されているテレビジョン放送受信装置100とは異なるテレビジョン放送受信装置に接続した場合、正しいファームウエア147のダウンロードが困難となることが発生する。このことにより、映像を録画部274に録画した状態で自由に色々な機種と外付け録画装置200とを接続して利用すること、あるいは自由に色々な機種のテレビジョン放送受信装置に接続して録画することが抑制される。このため不正録画を抑制できることとなる。
次にステップS241が実行され、外付け録画装置200の認証動作が行われる。ステップS241の認証動作では、例えばテレビジョン放送受信装置100の制御部140から認証コードの要求が外付け録画装置200に伝えられ、認証回路242はこの要求に基づき認証コードを返す。この認証コードは予め認証回路242の不揮発性メモリに保持されており、電源が遮断されても記憶が消滅することが無い。外付け録画装置200から送信された認証コードを基にテレビジョン放送受信装置100は外付け録画装置200の認証を行う。次にステップS243で、外付け録画装置200とテレビジョン放送受信装置100とのペアが登録されているかどうかが確認される。外付け録画装置200がテレビジョン放送受信装置100に最初に接続された時に、互いにペア登録する。一旦ペア登録するとテレビジョン放送受信装置100と外付け録画装置200とはペアとしての鍵を保持し、外付け録画装置200は異なるテレビジョン放送受信装置100とペアを作ることができない。さらにペア同士でないと録画や再生が困難となる。テレビジョン放送受信装置100は複数の外付け録画装置200とペアを作ることができるが、外付け録画装置200は1つのテレビジョン放送受信装置100とのみペアを作ることが原則となる。
ペア登録は上述のとおり、テレビジョン放送受信装置100と外付け録画装置200の両方でペアIDを所有しても良いが、外付け録画装置200の認証用IDを利用して、テレビジョン放送受信装置100側でペア登録の有無を保持するようにしても良い。
ステップS241で認証を確認し、ステップS243でペア確認を行うと続いてステップS243で、テレビジョン放送受信装置100から暗号情報が外付け録画装置200に送られる。この暗号情報は、テレビジョン放送受信装置100から送られてくる暗号化された分割TSの解読および、外付け録画装置200からテレビジョン放送受信装置100へ送信する分割TSの暗号化に使用され、上記暗号情報に基づいて暗号化を行うことで、受け取った暗号化されたTSを互いに解読できる。上記暗号情報は揮発性メモリに保持されるので、外付け録画装置200の電源供給が停止すると消滅する。このように外付け録画装置200の使用目的が完了し、電源が遮断されると、上記暗号情報が消滅し、再びテレビジョン放送受信装置100から受け取ることが必要となる。このような構成により、不正録画を抑制できる効果がある。
上記説明では、外付け録画装置200の認証動作とペア確認動作後に暗号情報をテレビジョン放送受信装置100から外付け録画装置200へ供給した。この方法は不正録画を防止する方法としてたいへん優れているが、例えばS241による外付け録画装置200の認証動作の後、テレビジョン放送受信装置100から外付け録画装置200へ暗号情報を提供しても、かなりの不正録画効果を得ることができる。
本実施例では上述したように、外付け録画装置200をテレビジョン放送受信装置100に接続すると、次のステップS242で、テレビジョン放送受信装置100の制御部140からの制御指令に基づいて圧縮制御部240が動作するために使用されるファームウエアが、テレビジョン放送受信装置100から外付け録画装置200の制御回路244へダウンロードされる。圧縮制御部240が制御部140からの指令により動作するためには、圧縮制御部240のハードウエアが制御指令に基づいて動作するように上記ハードウエアを機能的に接続することが必要であり、このような役割をファームウエアが行う。
ファームウエアを、例えば圧縮制御部240に常に保持する構成では、制御指令に基づいて動作する圧縮制御部240の機能や動作可能な制御指令の形態が全て固定されてしまう。テレビジョン放送受信装置100の機種などの違いにより色々異なる動作が望まれても、これに対応することが困難となる場合がある。制御部140からの指令に対応して圧縮制御部240の機能を変更できる余裕を持たせることにより、テレビジョン放送受信装置100の異機種への対応がより柔軟性を持つ効果が生まれる。本実施例では、ファームウエアがテレビジョン放送受信装置100から供給される方式とすることで、外付け録画装置200の動作や機能が、テレビジョン放送受信装置100自身の機能に合うように変更できる自由度が生まれる可能性がある。これによりテレビジョン放送受信装置100の製造メーカの違いや機種の違いによる細かな違いへの対応がより容易となり易い。
更にこの実施例では、ファームウエアが制御回路244の揮発性メモリに保持される。一旦電源の供給が停止すると、ファームウエアが消滅する。再びファームウエアをダウンロードするには、認証動作が必要となる。さらにペア確認が条件に加わるようにできる。このような構成とすることで、不正録画を行い難くすることができる。
次にステップS244で外付け録画装置200の動作、即ち利用者が外付け録画装置200をどのように使用したいのかが、テレビジョン放送受信装置100の操作により入力される。代表的な使用目的には、放送内容(コンテンツ)の圧縮録画あるいは録画したコンテンツの再生があり、さらにその他幾つかの使用目的がある。外付け録画装置200の使用目的の選択は、利用者がリモコン170を使用してテレビジョン放送受信装置100に対して操作することにより行われる。利用者がテレビジョン放送受信装置100を操作することで、外付け録画装置200の使用目的を選択できるので、常時利用していて操作が慣れているやり方に沿うことができ、利便性が向上する。またテレビジョン放送受信装置100の大きな表示部134を利用できるので、操作しやすい効果がある。
使用目的がコンテンツの圧縮録画の場合には、ステップS246へ進み、録画したコンテンツの再生の場合にはステップS282へ進み、その他の場合はS300へ進む。本実施例では上述のとおり、外付け録画装置200の制御を全てテレビジョン放送受信装置100に委ねており、利用者からの操作の指令も、これに伴いテレビジョン放送受信装置100側で行われる。このため外付け録画装置200には利用者からの操作に関係する装置や回路を持たす必要がなくなり、外付け録画装置200がたいへんコンパクトとなる。また利用者もテレビジョン放送受信装置100の表示部134やリモコン170を利用して外付け録画装置200の操作を行うことで、操作性が向上する。特に圧縮制御部240を備えることで、操作内容が多くなり、画面を利用した操作が望ましい。このような要求に対応できる効果がある。
まず放送されたコンテンツの圧縮録画について説明する。ステップS246で、テレビジョン放送受信装置100から圧縮比に関する制御指令が制御回路244に入力される。テレビジョン放送受信装置100から書き込まれたファームウエアで動作する圧縮制御部240は、ステップS246で設定された圧縮比で圧縮動作を行う。
圧縮動作の詳細をステップS250に示す。ステップS252で、先ず所定の規格に基づき分割され暗号化されたTSがテレビジョン放送受信装置100から送信され、USB端子212を介して受信され、ハブコントローラ222により圧縮制御部240に伝送される。次にステップS254で、受信されたTSの暗号を保持していた暗号情報に基づき暗号解読部254で解読する。解読されたTSは、映像信号と音声信号、あるいは更に情報とが多重化された状態になっている。
ステップS256で、解読されたTSは分離部256により映像信号と音声信号等とに分離される。分離された映像信号は次のトランスコード部(TC)258により上述したステップS246で設定された圧縮比で圧縮される(ステップS258)。映像信号と音声信号の内、容量の大きい映像信号をトランスコード部(TC)258で圧縮するが、音声信号についても圧縮しても良い。
ステップS262で、圧縮された映像信号と音声信号とを多重化部262で多重化して再びTSを作る。ステップS264で、上記多重化されたTSを暗号化部264で保持していた暗号情報に基づき暗号化して、次のステップS266で、暗号化されたTSをハブコントローラ222およびUSB端子212を介して、テレビジョン放送受信装置100へ送信する。次のステップS268で、テレビジョン放送受信装置100は暗号化されたTSを受けて、再度暗号化して、外付け録画装置200の録画部274に録画のために送り返す。次のステップS272で、テレビジョン放送受信装置100から送られてきた再暗号化されたTSを、録画部274であるHDDに録画するためにTSの形式を変換回路272で変換し、次のステップS274で、録画部274であるHDDに録画する。HDDは、例えばSATA規格のデータを録画および再生できるので、変換回路272は暗号化されたTSをSATA規格に沿った形式に変換する。このようにして規格に従い分割されたTSを先ず指定された圧縮比で圧縮し、次にテレビジョン放送受信装置100で再度暗号化して外付け録画装置200の録画部274で録画する。ここで録画は、映像および音声を録画することを意味する。ステップS250に示す如く、次々送られてくる分割されたTSを上述の如く次々に圧縮し、テレビジョン放送受信装置100へ暗号化した状態で送り返し、上述の如くテレビジョン放送受信装置100で再び暗号化して録画部274で録画する。このようにして放送されたコンテンツを録画することができる。
上記説明では、録画部274であるHDDがSATA規格に沿って録画する例を示したが、録画部274での映像の録画は他の方式でも行われている。重要なことは、録画部274の録画方式に合うように変換回路272で録画すべき信号を変換することである。また、録画部274に録画されている映像を再生してテレビジョン放送受信装置100へ送る場合には、録画部274の録画方式からテレビジョン放送受信装置100へ送るためのTSに、変換回路272によって変換する。
すなわちテレビジョン放送受信装置100から送られてきた暗号化された録画すべきTSは、変換回路272によって上記TSを録画部274の録画方式に沿った方式に変換して録画部274へ送信する。一方録画部274から送られてきた再生された映像信号は、テレビジョン放送受信装置100へ送信する方式に変換して、変換された信号例えば暗号化されたTSをテレビジョン放送受信装置100へ送信する。
「3.4 圧縮録画動作における不正録画の防止」
上述の一連の動作で、テレビジョン放送受信装置100が受信した放送コンテンツが、圧縮制御部240により設定した圧縮比で圧縮され、録画部274に録画される。テレビジョン放送受信装置100と外付け録画装置200との間で、規格に基づき分割されたTSのそれぞれの送受信が複数回行われるが、テレビジョン放送受信装置100と外付け録画装置200との間では、各TSの送受信は全て暗号化された状態で行われており、高いセキュリティが確保されている。このため不正録画を抑制することができる。
さらに筐体202が外付け録画装置200から外され、内部回路に直接触れることができる状態で動作させたとしても、圧縮制御部240の内部で暗号の解読や再暗号化が行われており、圧縮制御部240の端子には暗号化されたTSしか現れない。このことにより、不正録画を防止することができる。
また圧縮制御部240はICで構成されている。特に本実施例では、認証回路242も制御回路244も同一のICチップに内蔵する構成となっており、第3者は、暗号が解読された状態のTSを取り出せないし、暗号を解読することも困難である。このように構成することで高いセキュリティを維持することが可能であり、不正録画を抑制できる。
「3.5 その他の効果」
図3の回路は外付け録画装置200の動作を制御するCPUを有していない。図2に示す制御部140に保持されている外付け録画装置用プログラム146をCPUとして動作する演算処理部142が実行することにより、上述の図4の動作が実行される。ステップS241やS243の動作も、制御部140に保持された認証およびペア確認プログラム148を演算処理部142が実行することにより推進される。外付け録画装置200は制御部140の指示に従い、記憶していたIDなどの情報を、ハブコントローラ222を介して認証回路242あるいはペア確認回路243から送信するだけである。このように構成することで、外付け録画装置200とテレビジョン放送受信装置100との間の連系動作がシンプルで、スムーズとなる効果がある。テレビジョン放送受信装置100と外付け録画装置200とが独立して制御回路を備えると、互いの動作を連携したり、情報のやり取りを確認しあったりすることが必要となり、連系動作が複雑になる。
またテレビジョン放送受信装置100の制御能力はたいへん大きく、外付け録画装置200を制御する能力を十分に備えている。ペアにおける効率化につながる効果がある。
外付け録画装置200における不揮発性メモリへの記憶内容をできるだけ少なくし、ペア相手であるテレビジョン放送受信装置100に制御を委ねているので、外付け録画装置200が異機種に対応できる対応性を向上することができる。また外付け録画装置200自身が極めてシンプルな構成となり、小型軽量となり、たいへん使用し易くなる。
「4. 圧縮録画コンテンツの再生」
図3および図4を用いて録画されたコンテンツの再生動作について説明する。上述した如く録画部274であるHDDには圧縮され、さらにSATA規格に変換されたコンテンツが録画されている。録画されているコンテンツは複数個、場合によっては非常に多く、複数個のコンテンツが録画部274に存在する。従ってテレビジョン放送受信装置100から再生指令が出されると先ずコンテンツのリストが録画部274から変換回路272を介して暗号化されてTSに逆変換され(ステップS284)、ハブコントローラ222およびUSB端子212、ケーブル180を介してテレビジョン放送受信装置100に送られる(ステップS286)。
詳細説明を省略するが、テレビジョン放送受信装置100において、リモコン170により、再生対象のコンテンツが選択され(ステップS288)、選択対象の再生指令が外付け録画装置200に送られてくる。その指令に基づき、選択されたコンテンツに関して、規格により分割された録画情報が録画部274の先頭録画位置から順に再生される。録画部274には、TSが規格化された単位で分割されて録画されているので、分割された単位で録画部274から読み出され(ステップS292)、変換回路272で暗号化されたTSに変換され(ステップS294)、テレビジョン放送受信装置100へ送信される(ステップS296)。テレビジョン放送受信装置100では送られてくる暗号化されたTSを解読し、図2のストリーム制御部126で映像信号と音声信号に分離し、表示部134および音声出力部138から出力することができる。図4のステップS292乃至ステップS296を繰り返すことで、選択されたコンテンスを連続的に再生することが可能となる。
外付け録画装置200の変換回路272からハブコントローラ222を介してテレビジョン放送受信装置100に送られるTSは暗号化されており、不正利用を防止できる効果がある。
「5. 外付け録画装置200の回路構成」
図5は、図3に示す外付け録画装置200の電気回路を構成するブロック図である。ハブコントローラ222は情報の流れを制御する回路であり、ICで構成される。このICとしては、例えばVIA社から発売されているLV810を使用することができる。また圧縮制御部240は1個のICチップで構成されており、ICとして例えば富士通マイクロエレクトロニクス株式会社から販売されているMB86H58を使用することができる。また変換回路272はICで構成されており、このICとしては、例えばJMicron Technology Corporation社が販売しているJMS539Bを使用することができる。またペア確認回路243はペア情報を保持する回路である。ペア確認回路243を他のIC、例えば圧縮制御部240等の内部に設けても良い。IC内部にペア確認回路243を設ける方が、セキュリティ的には優れている。
ハブコントローラ222や変換回路272、圧縮制御部240、ペア確認回路243を構成する各ICには電源回路204から動作に必要な電力として、直流電力が供給される。さらに電源回路204から録画部274を構成するHDDに対して駆動用電力が供給され、またUSB端子302やUSB端子304にも電力が供給される。USB端子302やUSB端子304に供給される電力は、USB端子302やUSB端子304に接続される装置に供給される電力として使用される。
上述のごとく、主要回路がICで構成されているので、外付け録画装置200全体が小型軽量となり、利便性が向上する。またテレビジョン放送受信装置100から暗号化されて送られてきたTSの暗号解読や解読された映像の圧縮が1つのICチップ内で行われ、圧縮制御部240からは暗号化されたTSが出力される構成であり、不正録画を防止することができる。さらに上述したように圧縮制御部240を動作させるファームウエアや制御プログラムが外付け録画装置200ではなく、テレビジョン放送受信装置100内に保持されるので、外付け録画装置200を他の機器に接続しても動作させることができない。外付け録画装置200が互いに認証し合うことができるテレビジョン放送受信装置100に接続されたときのみ外付け録画装置200を動作させることができる。このため不正録画を防止できる効果がある。
図5に示す実施例は、一例として電源回路204から各回路に動作に必要な電力を供給いる。しかし何度も上述しているように、外付け録画装置200全体の動作電力をUSBケーブル180を介してテレビジョン放送受信装置100から供給されるようにしても良い。録画部274を構成するHDDの消費電力は近年非常に少なくなっている。その他の回路の多くは集積回路で構成することが可能で、消費電力を押えることが可能である。このため外付け録画装置200の使用電力を、USBケーブル180を介してテレビジョン放送受信装置100から供給することが可能である。また外付け録画装置200全体の制御をテレビジョン放送受信装置100に委ねることで、制御上の効果に加え、外付け録画装置200の消費電力を低減できる効果がある。
「6. 連続録画中の録画容量不足に対応する圧縮比の変更」
「6.1 テレビジョン放送受信装置100の制御部140による処理」
録画を連続して行っている状態で、録画容量が不足すると途中で録画が終了してしまい、録画の目的を達成できなくなる。上記外付け録画装置200は圧縮比を変更できる機能を有しており、圧縮比を適切に変更することで上述のような録画容量の不足による録画停止に対応することができる。
次に圧縮比を適切に変更して、録画中の録画容量不足による録画終了を防止する方法について、図6を用いて説明する。図6に示すフローチャートは、録画中に録画可能容量の状態に対応して上述した圧縮制御部240の圧縮比を適切に変更する方法を示す。このように圧縮制御部240の圧縮比を適切に変更することで録画に使用する録画容量を減少させ、容量不足による録画停止を避けることができる。録画における圧縮率を大きくすると録画に必要な録画容量を減少させることができるが、画質が低下する問題がある。従って単に圧縮率を限界まで上昇させ、録画に必要な録画容量を少なくすれば良いわけではない。
図6に示すプログラム500は、図2に示す外付け録画装置用プログラム146のプログラムの中に含まれており、図4などで説明したテレビジョン放送受信装置100から送られてくるTSの録画中に、一定時間間隔で実行される。録画部274の録画残量をチェックし、録画残量が無くなったことによる録画停止が起こるのを防止する。
ステップS502で録画部274であるHDDの録画可能な録画残量Rを演算する。録画残量Rが少ない場合は、画質が犠牲となるが、圧縮制御部240での圧縮比を上げて録画容量の消費をできるだけ押え、録画残量の不足による録画停止を避けることが望ましい。ステップS504からステップS514は、録画可能な録画残量Rの状態に従ってランク分けし、録画残量Rが少なくなるにつれて圧縮制御部240での圧縮比を高くするステップである。上記録画残量Rの不足に基づくランク分けの基準量をA1〜A3で示している。なお個々に示すランク分けは一例であり、何段階にランク分けするかは、適宜設定可能である。圧縮比C1から圧縮比C3と録画残量Rが少なくなるにつれて圧縮比が段階的に高くなり、圧縮比C3が一番高い圧縮比の値を示す。圧縮比が高いほど録画容量の使用が少なくなるが、上述のごとく画質が低下する。
ステップS504で、録画残量Rが基準量A1以下になったかどうかを判断し、基準量A1より多い場合は、十分に録画残量が残されていると判断し、圧縮比を変更しない。ステップS504で、録画残量Rが基準量A1以下となった場合は、次の基準量A2以下かどうかをステップS506で判断する。録画残量Rが基準量A2より大きい場合は、録画残量Rが基準量A1以下で基準量A2より大きいとしてステップS508に進み、適正な圧縮比として圧縮比候補C1が定まる。
またステップS506で、録画残量Rが基準量A2以下と判断されると、次に録画残量Rが基準量A3より大きいかが判断される。録画残量Rが基準量A2以下で基準量A3より大きい場合は、適正な圧縮比として圧縮比候補C2が定まる。また録画残量Rが基準量A3以下の場合は、適正な圧縮比として圧縮比候補C3が定まる。
上記各定まった圧縮比候補C1、あるいはC2、あるいはC3をそのまま圧縮比として圧縮制御部240にセットしても良いが、この実施例では、現在動作している圧縮比と上記選択された圧縮比候補とを比較する。もし現在動作している圧縮比の方が上記選択された圧縮比候補より高い圧縮比である場合には、圧縮比候補を採用すると圧縮比が下がることとなるので、現在の圧縮比を維持する。即ちステップS516で、圧縮比候補が現在動作中の圧縮比より高い場合に、ステップS518に進み、圧縮制御部240の圧縮比が変更される。そしてステップS520で実行が終了する。図6に示すプログラムは一定時間毎に実行される。このように録画残量Rが少なくなると圧縮制御部240の圧縮比が自動的に高くなり、録画残量の不足による録画停止が生じるのを抑制できる。
テレビジョン放送受信装置100に外付け録画装置200を接続することにより、図6に示す機能を追加することが可能となる。
「6.2 外付け録画装置200の制御回路244による処理」
図6を用いて説明した、録画部274の録画残量Rの値による圧縮比の演算および設定処理は、比較的簡単な処理で大きな効果を奏することができる。上述した処理の代案として、図6の処理プログラムを図3の制御回路244や図5の制御回路244にダウンロードし、外付け録画装置200自身の動作として、図3の制御回路244や図5の制御回路244で実行するようにしても良い。このような構成により、上述した図6の動作は外付け録画装置200の内部回路である制御回路244で実行される。
このように制御回路244で図6に示す動作を行っても、上述した効果を奏することができる。
「7. 録画予約時の録画容量不足に対応する圧縮比の変更」
図7は、録画予約時に、予約対象番組を録画できるだけの録画残量が無い場合に、予め圧縮制御部240の圧縮比を高く設定し、録画可能とするプログラム550を示す。プログラム550は、図2の外付け録画装置用プログラム146内に設けられており、録画予約が行われる場合、録画予約の動作に基づいてプログラム550が実行される。上記録画予約のためのプログラムはTV受像機用プログラム145に内蔵されており、外付け録画装置200がテレビジョン放送受信装置100に接続されると、録画予約プログラムの動作に連動して外付け録画装置用プログラム146に設けられているプログラム550が実行される。
録画予約プログラムが実行され、予約番組の入力が行われると、ステップS552で、予約対象番組の時間に基づいて、あるいはさらに予約対象番組の時間と入力された圧縮制御部240の圧縮比とに基づいて、録画に必要な録画容量Mが演算される。必要な録画容量Mに対して録画部274の残量に余裕かあるかどうかが判断される。若干の余裕を持たせることが望ましく、演算値である必要な録画容量Mに余裕値を加えた容量と現在の録画残量が比較される(ステップS554)。録画部274の録画残量が多い場合は、ステップS554からステップS560に進み、予め定められている、あるいは入力された圧縮比を圧縮制御部240にセットする。
録画部274の録画残量が不足する場合、ステップS554で不足することが判断され、ステップS556に進む。ステップS556で、録画部274の録画残量と予約対象番組の時間から録画可能なできるだけ低い圧縮比が演算され、演算された圧縮比がお勧め圧縮比として表示される。またこのステップでは録画部274の録画残量が少ないことも表示される。
ステップS558で、圧縮比が入力されたかどうかが判断され、圧縮比が入力されるとステップS566へ進む。入力された圧縮比がお勧め圧縮比と同じ又はそれより大きい場合は、録画可能であり、ステップS568へ進み、入力された圧縮比を圧縮制御部240にセットする。ステップS568とステップS560とは略同じ動作を行う。これらの違いは、ステップS560は、圧縮比を毎回入力するのではなく、予め定められている圧縮比を使用する場合にも対応していることである。もちろん圧縮比が入力された場合には入力された圧縮比を圧縮制御部240へセットする。一方ステップS568は、入力された圧縮比を圧縮制御部240へセットする。ステップS568の次にステップS570へ進み、このプログラムの実行を終了する。
ステップS566でお勧めより低い圧縮比が入力された場合、録画部274の録画残量で対応できるかどうかを再度判断するために、ステップS552へ実行が戻り、再び上述の動作が繰り返される。
またステップS558で圧縮比の入力が行われ無い場合は、ステップS562へ進み、未入力状態が規定時間以上続いたかを判断する。もし未入力状態が規定時間以上続いている場合には、ステップS564へ進み、予約エラーの表示を行い、ステップS570へ進みプログラム550の実行を終了する。また未入力状態が規定時間に達しない場合は、再びステップS558へ進み、入力の有無を再度判断する。
図7に示すプログラム550を実行することで、録画部274の録画残量が少なくなった状態で、圧縮制御部240の圧縮比を適正に選択することで、信頼性の高い録画が可能となる。また録画部274の残量が不足するとの理由で録画できない状態が生じるのを極力少なくすることができ、利便性が向上する。
「8. テレビジョン放送受信装置内蔵HDDから外付け録画装置への圧縮録画」
図8に示すプログラムS400は、図4に示すその他処理S400を具体化した一例である。テレビジョン放送受信装置100に収納されたHDD150に録画されているコンテンツを、外付け録画装置200で圧縮して録画部274に録画するプロクラムを示す。図4と同じ符号のステップは同じ作用効果をなすので、説明を省略する。
ステップS244で、その他の処理S400として上記内容の処理が選択されると、ステップS412で、テレビジョン放送受信装置100の収納HDD150に録画されている中のどのコンテンツを移動するのかを選択する。ステップS412で、先ず収納HDD150に録画されているコンテンツのリストがテレビジョン放送受信装置100の表示部134に表示される。続いてどのコンテンツを外付け録画装置200の録画部274に移動するかの指定がリモコン170を使用して行われる。次にステップS414で、選択されたコンテンツは圧縮比に対してどれくらいの録画容量を使用するかが演算されて、表示部134に表示される。例えば高画質を維持するために圧縮比を低い値4とすると、圧縮比4により圧縮された場合の使用録画容量として容量Aが表示される。
ステップS416で利用者により圧縮比が入力されると、入力された圧縮比でコンテンツが録画部274に録画可能か、録画残量が十分あるかが判断される。この判断には上述した図7に示すプログラム550が使用され、実行される。録画部274に十分に録画できる場合には、入力された圧縮比が圧縮制御部240にステップS418でセットされる。その後外付け録画装置200での録画動作に移る。録画部274の残量が不足する場合は、図7で説明したように、圧縮比が高い値となる。
次にステップS422でHDD150に録画されているコンテンツが読み出され、外付け録画装置200に送られる。外付け録画装置200のハブコントローラ222から送られてきたコンテンツが圧縮制御部240へ送られる。次のステップS450で、先に図4で説明したステップS252からステップS274の動作を繰り返し、ステップS418で圧縮制御部240にセットされた圧縮比に基づいて圧縮されたコンテンツが録画部274に録画される。以下ステップS422とステップS450を繰り返し実行し、HDD150に録画されている指定されたコンテンツが指定された圧縮比で圧縮されて、録画部274に録画される。
上記コンテンツの録画部274への移動が終了するとステップS454で、HDD150に残されている元のコンテンツを削除するかどうかの判断を利用者に求める。元のコンテンツの削除を希望して削除要求が入力された場合は、次のステップS456でHDD150から元のコンテンツを削除する。そしてステップS278でプログラムの実行を終了する。削除しないとの入力がなされた場合は削除せずにステップS278でプログラムの実行を終了する。
外付け録画装置200とのペアを登録したテレビジョン放送受信装置100に圧縮機能が無くても、外付け録画装置200を利用してテレビジョン放送受信装置100に録画されたコンテンツを希望の圧縮比で圧縮できる。上記実施例は、圧縮されたコンテンツをテレビジョン放送受信装置100から再び暗号化して外付け録画装置200へ送り、外付け録画装置200の録画部274に録画する実施例である。圧縮されたコンテンツを外付け録画装置200から受取った状態で、外付け録画装置200へ送信するのではなく、テレビジョン放送受信装置100に収納するHDD150に録画することが可能である。このように制御することで、HDD150に録画されているコンテンツの録画使用量を減少させることができる。また一旦外付け録画装置200の録画部274に録画した後、再びHDD150に移動させることも可能である。これらの方法により、コンテンツが必要とする録画使用量を減少させることが可能となる。
「9. テレビジョン放送受信装置に格納されているプログラムの変更」
図9に示す動作フロー600は、テレビジョン放送受信装置100の制御部140に設けられている不揮発性メモリ144に記憶されているTV受像機用プログラム145あるいは外付け録画装置用プログラム146、ファームウエア147、認証およびペア確認プログラム148に関して、さらに改良するなどの理由で新しいプログラムが作成された場合の、既存のプログラムから新しいプログラムへの置き換え動作を示す動作フローである。テレビジョン放送受信装置100がアンテナ112やアンテナ116から新しいプログラムの情報を含む放送信号の受信可能状態になった場合、あるいは図示しないインターネットにテレビジョン放送受信装置100が接続された場合、あるいはUSB端子160を介して新しいプログラムを供給できる回路や機器がテレビジョン放送受信装置100に接続された場合、ステップS602の動作状態となり、次のステップS612へ移る。
ステップS612でテレビジョン放送受信装置100の上述したような放送システムまたはインターネットなどを含む外部システムあるいは外部回路または外部機器から、上述のプログラムの追加や変更を含む書き換えの示唆指令が送られてきていることを確認する。上述したプログラムの書き換えの示唆指令が送られてきている場合には、テレビジョン放送受信装置100や外付け録画装置200が、上記プログラムを書き換えることができる状態かどうかをステップS614で調べる。例えば外付け録画装置200を上記プログラムに基づいて動作させている場合には、上記プログラムを書き換えることが困難である。一方外付け録画装置200が動作していない状態では、上記プログラムの書き換えが可能である。
ステップS614で上記プログラムの書き換えが可能と判断すると、ステップS616で、テレビジョン放送受信装置100や外付け録画装置200の利用者に上記プログラムの書き換えを進める表示を行い、ステップS618で上記プログラムの書き換えの同意を確認し、ステップS620で上記プログラムの内の対象プログラムの書き換えを実行する。ステップS622で上記対象プログラムの書き換えが完了すると、ステップS630で対象プログラムの書き換え動作フロー600の動作を終了する。またステップS612やステップS614、ステップS618では、条件が満たされないといずれもステップS630に動作が移り、プログラムの書き換え動作フロー600の動作を終了する。
以上のように図9に示す動作フローにより、テレビジョン放送受信装置100の制御部140に設けられている不揮発性メモリ144に記憶されているTV受像機用プログラム145あるいは外付け録画装置用プログラム146、ファームウエア147、認証およびペア確認プログラム148を改良されたプログラムに書き換えることにより、製造後に明らかになったニーズに対応可能となり、利用者に対する外付け録画装置200の利便性あるいは信頼性、などが向上する。