JP2013133771A - 園芸施設 - Google Patents
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Abstract
【課題】 駆動源としてガスエンジンを効率良く使用し、かつ、作業者を危険に晒したり、農作物を枯らすことなく、ガスエンジンの排気ガスを有効利用することができる園芸施設を提供する。
【解決手段】施設本体2内の温度を、エンジン31駆動するヒートポンプ3によって調整するように構成された園芸施設1であって、エンジン31の排気ガス経路32には、施設本体2内または屋外に排気ガスを排出する切替バルブ33が設けられ、圧縮機の入口および出口の負荷から算出されるエンジン負荷と、エンジン回転数との関係から作成された、排気ガス中の有毒排気ガス成分量の制御マップ11を基に、有毒排気ガス成分が低い濃度の場合には施設本体2内に排気ガスを導入し、高い濃度の場合には屋外に排気ガスを排出するように前記切替バルブ33を制御する制御部10を有する園芸施設1である。
【選択図】 図1
【解決手段】施設本体2内の温度を、エンジン31駆動するヒートポンプ3によって調整するように構成された園芸施設1であって、エンジン31の排気ガス経路32には、施設本体2内または屋外に排気ガスを排出する切替バルブ33が設けられ、圧縮機の入口および出口の負荷から算出されるエンジン負荷と、エンジン回転数との関係から作成された、排気ガス中の有毒排気ガス成分量の制御マップ11を基に、有毒排気ガス成分が低い濃度の場合には施設本体2内に排気ガスを導入し、高い濃度の場合には屋外に排気ガスを排出するように前記切替バルブ33を制御する制御部10を有する園芸施設1である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ガスエンジンを利用した園芸施設に関するものである。
ビニルハウス等の園芸施設においては、ガスエンジンを用いたヒートポンプ装置によってビニルハウス内部の温度管理をすることが行われている。また、このような園芸施設内では、栽培される農作物の生産効率を向上させるために、ビニルハウス内で重油を燃焼させて、光合成に必要なCO2ガスの豊富化を図ることも行われている。
しかし、ガスエンジンを用いたヒートポンプ装置を使用し、かつ、重油を燃焼させるとなると、エネルギー効率が悪くなってしまう。
そこで、従来より、ガスエンジンの排気ガスをCO2ガスの豊富化に使用することが考えられている(例えば、特許文献1参照)。
この際、排気ガス中のCO、NOX、ハイドロカーボン等の有毒排気ガス成分が少なくなるように、ガスエンジンの空燃費制御を理想空燃費よりも若干燃料が濃くなる所定のλウインドウの範囲内となるように正確に制御するとともに、排気ガスを触媒で浄化することで、CO2ガスの豊富化を図っていた。
ところで、園芸施設の温度管理をエンジン駆動によるヒートポンプ装置を用いて一年を通して行う場合、ヒートポンプ装置に加わる負荷は、気象が温暖な春や秋に比べて、寒い冬や暑い夏は大きくなり、駆動源であるエンジンに加わる負荷も同様となる。
そのため、エンジンに加わる負荷が大きい時にはストイキ運転を行い、エンジンに加わる負荷が小さい時にはリーン運転を行うことで対応することが考えられている。
しかし、ストイキ運転からリーン運転に移行する途中の空燃費領域で有害排気ガス成分が多くなる領域がある。また、ヒートポンプ装置のコンプレッサーに負荷が加わった場合には、その駆動源であるエンジンにも負荷が加わることとなり、この負荷が大きくなった際のエンジンの排気ガス中には、有毒排気ガス成分が増えてしまうこととなる。したがって、前記した有害排気ガス成分が多くなる空燃費領域や負荷領域では、触媒で浄化したとしても排気ガス中の有毒排気ガス成分を十分に除去することはできず、このような有毒排気ガス成分を有する排気ガスを園芸施設内に入れてしまうことになる。その結果、COやNOXは、園芸施設内で作業する作業者を危険に晒すこととなり、ハイドロカーボンは、園芸施設内で育てている農作物を枯らしてしまうことになってしまう。したがって、運転の効率化と、排気ガスの有効利用とを両立させることができる園芸施設は、構成することができなかった。
本発明は、駆動源としてガスエンジンを効率良く使用し、かつ、作業者を危険に晒したり、農作物を枯らすことなく、ガスエンジンの排気ガスを有効利用することができる園芸施設を提供する。
上記課題を解決するための本発明の園芸施設は、施設本体内の温度を、エンジン駆動するヒートポンプによって調整するように構成された園芸施設であって、エンジンの排気ガス経路には、施設本体内または屋外に排気ガスを排出する切替バルブが設けられ、圧縮機の入口および出口の負荷から算出されるエンジン負荷と、エンジン回転数との関係から作成された、排気ガス中の有毒排気ガス成分量の制御マップを基に、有毒排気ガス成分が低い濃度の場合には施設本体内に排気ガスを導入し、高い濃度の場合には屋外に排気ガスを排出するように前記切替バルブを制御する制御部を有するものである。上記園芸施設において、有毒排気ガス成分がNOXであってもよいし、有毒排気ガス成分がCOであってもよいし、有毒排気ガス成分がハイドロカーボンであってもよい。
また、上記園芸施設において、排気ガス経路に設けられた酸化触媒の上流側と下流側とには、温度を測定するセンサが設けられ、制御部は、前記センサによって測定される酸化触媒の上流側と下流側との温度差が所定値以下となった場合には、屋外に排気ガスを排出するように切替バルブを制御するようになされたものであってもよい。
以上述べたように、本発明によると、排気ガス中の余分なNOXやハイドロカーボン等の成分が園芸施設内に入るのを防止して快適な作業環境で効率良く農作物を育てることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る園芸施設1を示し、図2は同園芸施設1の制御部10に入力されている排気ガス中のNOXの制御マップ11を示している。
この園芸施設1は、施設本体2内の温度を、ガスエンジン31で駆動するヒートポンプ3によって調整するように構成された園芸施設1であって、ガスエンジン31の排気ガス経路32には、施設本体2内または屋外に排気ガスを排出する切替バルブ33が設けられ、排気ガス中のNOXの制御マップ11を基に、低いNOX濃度の場合には施設本体2内に排気ガスを導入し、高いNOX濃度の場合には屋外に排気ガスを排出するように前記切替バルブ33を制御する制御部10を有するものである。
施設本体2は、農作物や植物が栽培可能な耕地21を取り囲んで、内部環境を制御可能な閉鎖空間を形成するように構成されている。耕地21は、土壌などの固定培地であってもよいし、水耕培地などの溶液培地であってもよい。また、施設本体2は、内部に太陽光を採光可能なように、屋根部22または壁部23の一部または全部が透光性のある素材で形成されている。この施設本体2の具体的なものとしては、ビニルハウスまたはグラスハウスが挙げられる。
また、施設本体2は、屋根部22に、換気可能な開閉式の天窓22aが設けられている。この天窓22aは、壁部23に設けられたものであってもよい。また、この天窓22aに替えて、強制換気可能な換気ファンなどが設けられたものであってもよい。
施設本体2の屋根部22の直下には、遮光したり、風除けとなるカーテン24が設けられている。このカーテン24によって、太陽光を遮ることで、日照量を調整したり、所望の位置にカーテン24を広げることで、天窓22aを開けた際に天窓22aから取り込まれる風の風向きや風速を調整できる。
なお、施設本体2は、太陽光を使用せずにLED光などを利用して人工光栽培する場合であってもよい。この場合、屋根部22や壁部23は、前記したような透光性のある素材で無くてもよいし、カーテン24を省略してもよい。したがって、人工光栽培の場合、施設本体2は、住宅、ビル、工場、地下施設の一部に構成されていても良く、植物工場として専用に構成された建物であってもよい。また、施設本体2の規模としては特に限定されるものではなく、大量生産可能な工場規模のものであってもよく、家庭菜園レベルの小規模のものであってもよい。
ヒートポンプ3は、ガスエンジン31によって圧縮機(図示省略)を駆動して作動するように構成されている。ヒートポンプ3は、施設本体2内に室内機34を設けて、当該室内機34からの冷風または温風によって、施設本体2内の温度管理を行うことができるようになされている。
このヒートポンプ3の駆動源であるガスエンジン31は、一台の圧縮機を負荷に応じて駆動させて一つのヒートポンプサイクルを作動させるものであってもよいし、負荷に応じて複数台または一台の圧縮機を駆動させて複数または一つのヒートポンプサイクルを切替作動させるものであってもよい。
ガスエンジン31からの排気ガス経路32には、触媒35が設けられている。この触媒35の下流側の排気ガス経路32は、排気ガスを屋外に導く経路32aと、施設本体2内に導く経路32bとに分岐しており、この分岐点に設けられた切替バルブ33によって、排気ガスを屋外に排気するか施設本体2内に排気するか切り替えることができるようになされている。
ガスエンジン31が高負荷で運転をしている際には、排気ガス中のNOX成分は、触媒35で十分に処理することができず、ガスエンジン31の各回転域で高濃度を示すが、中低負荷で運転をしている際には、排気ガス中のNOX成分は、触媒35を通過した時点でほぼ処理することができ、ガスエンジン31の各回転域で低濃度となる。NOX成分が高濃度の場合は、屋外に排気され、低濃度の場合は、施設本体3内に取り入れられる。
制御部10は、ガスエンジン31から排気される排気ガス中のNOX成分の濃度に応じて、排気ガスを屋外に排気したり、施設本体2内に取り入れたりするように、切替バルブ33の制御を行うようになされている。この制御は、あらかじめ制御部10に入力された制御マップ11に基づいて行われる。
この制御マップ11は、図2に示すように、エンジン31から排出される排気ガス中のNOXの量を、エンジン31の回転数と負荷との関係からあらかじめ制御部4に制御マップ11として入力しておくことで構成される。そして、制御マップ11では、排気ガス中のNOXの濃度が高い領域11a、低い領域11b、その中間の遷移領域11cに分けて制御マップ11が構成されている。
この制御マップ11を基に排気ガス中のNOXの量を算出するには、エンジン31に設けられたタコメータ(図示省略)から機関回転数を検出し、ヒートポンプ3を構成するコンプレッサー(図示省略)の上流および下流の圧力差から負荷を検出する。コンプレッサーの負荷は、それを駆動するエンジン31の負荷と比例関係にあるので、コンプレッサーの負荷をエンジン31の負荷に補正することで、エンジン31の回転数と負荷とが与えられ、制御マップ11を基に排気ガス中のNOXの量を算出可能となる。ただし、排気ガス中のNOXの量は、空気の温度や湿度で変化するため、ヒートポンプ3の制御時に検出される空気の温度センサや湿度センサから得られる温度および湿度によって、制御マップ11を基に算出されたNOXの量を補正する。
制御部10は、上記により算出された排気ガス中のNOXの量が制御マップ11の低い領域11bに該当する場合は、切替バルブ33の切替を行ってエンジン31からの排気ガスを施設本体2内に取り入れ、高い領域11aまたは遷移領域11cの場合は、切替バルブ33の切替を行ってエンジン31からの排気ガスを屋外に排気する。ただし、低い領域11bに該当するからといって常に施設本体2内に排気ガスを取り入れる必要は無く、施設本体2内の状況にあわせて取り入れられる。また、高い領域11a、低い領域11b、その中間の遷移領域11cの各設定基準は、施設本体2内で育てる農作物に定められている残留有毒排気ガス量などに応じて決定される。
このようにして構成される園芸施設1は、一年を通して施設本体3内の温度管理をしながら負荷の大小、すなわち、排気ガス中のNOXの量に応じて排気ガスの排出先を園芸施設の内外に切替えることができる。
また、この園芸施設1は、制御マップ11を基に制御部10を制御して切替バルブ33を切り替えることで、排気ガス中のNOX濃度が低い場合には施設本体2内に排気ガスを導入し、排気ガス中のNOX濃度が高い場合には屋外に排気ガスを排出するので、施設本体2内のNOX濃度を一定値以下に保ちながら、施設本体2内で作業者がNOX中毒になることを防止して、安全に作業することができる。
さらに、施設本体2内に導入した排気ガスは、触媒35で処理した際に発生するCO2ガスを豊富に含むこととなるので、施設本体2内の農作物や植物の成長を促進することができる。
屋外に排出されたNOX濃度が高い排気ガスは、各自治体の排気ガス条例などに抵触しないのであれば、そのまま屋外に排気すればよい。抵触する場合は、さらに分解処理してから屋外に排出させる。この際、例えば、排気ガスを水またはアルカリ水溶液のミスト中に通過させて、当該ミストに排気ガスを溶解させて処理するものであってもよい。この場合、水溶液にバブリングさせる場合に比べて排気圧の圧力損失を少なくすることができる。
なお、本実施の形態において、制御マップ11は、触媒35が有効に働いていることを前提としているが、触媒35が有効に機能しなくなった場合、排気ガス中のNOX濃度が低い低負荷時であっても、排気ガス中のNOXを触媒35によって処理することができず、そのままの濃度でNOXを含有する排気ガスを施設本体2内に取り入れてしまうことになり、施設本体2内で作業する作業者の安全性が低下してしまうことが懸念される。したがって、排ガス経路32において、触媒35の上流と下流とに温度センサを設け、この温度センサの温度差をモニターすることによって触媒35の機能を確認するようにしてもよい。すなわち、触媒35は、有効に機能している場合、排気ガスが酸化還元反応によって加熱され、触媒35の上流側温度よりも下流側温度の方が高くなる。この際生じる温度差は、触媒35が機能しなくなった場合、酸化還元反応が起こらなくなるので小さくなる。したがって、この温度差をモニターしておけば、触媒35が機能しなくなったか否かを確認することができ、排気ガス中のNOXが未処理のまま施設本体2内に取り入れられるのを防止することができることとなり、施設本体2内の作業者の安全をより向上させることができる。
また、本実施の形態において、制御マップ11は、排気ガス中のNOXの濃度を基準にしたものを用いているが、この制御マップ11としては、排気ガス中のNOXの濃度を基準にしたものに限定されるものではなく、例えば、排気ガス中のCOの濃度を基準にしたものであってもよいし、排気ガス中のハイドロカーボンの濃度を基準にしたものであってもよい。COの濃度を基準にした制御マップの場合は、作業者が高濃度のCOガスに晒される危険から保護することができ、本実施の形態に示すNOXの濃度を基準にした制御マップ11と同様に、作業者の安全性の向上を図ることができる。また、ハイドロカーボンの濃度を基準にした制御マップの場合は、施設本体2内で栽培している農作物や植物が高濃度のハイドロカーボンに晒されて枯れるのを防止することができる。
また、制御部10は、これらNOXの制御マップ11、COの制御マップ、ハイドロカーボンの制御マップを併用して制御するものであってもよい。
本発明に係る園芸施設は、各種農作物や植物の栽培に用いられる。
1 園芸施設
10 制御部
11 制御マップ
2 施設本体
3 ヒートポンプ
31 ガスエンジン
32 排気ガス経路
33 切替バルブ
10 制御部
11 制御マップ
2 施設本体
3 ヒートポンプ
31 ガスエンジン
32 排気ガス経路
33 切替バルブ
Claims (5)
- 施設本体内の温度を、エンジン駆動するヒートポンプによって調整するように構成された園芸施設であって、
エンジンの排気ガス経路には、施設本体内または屋外に排気ガスを排出する切替バルブが設けられ、
圧縮機の入口および出口の負荷から算出されるエンジン負荷と、エンジン回転数との関係から作成された、排気ガス中の有毒排気ガス成分量の制御マップを基に、有毒排気ガス成分が低い濃度の場合には施設本体内に排気ガスを導入し、高い濃度の場合には屋外に排気ガスを排出するように前記切替バルブを制御する制御部を有することを特徴とする園芸施設。 - 有毒排気ガス成分がNOXである請求項1記載の園芸施設。
- 有毒排気ガス成分がCOである請求項1記載の園芸施設。
- 有毒排気ガス成分がハイドロカーボンである請求項1記載の園芸施設。
- 排気ガス経路に設けられた酸化触媒の上流側と下流側とには、温度を測定するセンサが設けられ、
制御部は、前記センサによって測定される酸化触媒の上流側と下流側との温度差が所定値以下となった場合には、屋外に排気ガスを排出するように切替バルブを制御するようになされた請求項1ないし4のいずれか一に記載の園芸施設。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011285393A JP2013133771A (ja) | 2011-12-27 | 2011-12-27 | 園芸施設 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2011
- 2011-12-27 JP JP2011285393A patent/JP2013133771A/ja active Pending
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