JP2013133585A - ドーム状構造物 - Google Patents

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康史 鈴木
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Abstract

【課題】三角形構造体の内部空間での結露の発生が抑えられて、耐久性、断熱性に優れたドーム状構造物を提供する。
【解決手段】三角形構造体40には、三角形構造体40の室外側に位置する面を覆う外側面状体80が形成されるとともに、三角形構造体40の室内側に位置する面を覆う内側面状体90が形成され、三角形構造体40の内部には、フレーム部材50と、外側面状体80と、内側面状体90とにより囲まれる内部空間100が形成され、フレーム部材50には、隣接する三角形構造体40の内部空間100同士を連通するフレーム部材通気孔60が形成されていることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、フレーム部材を有する三角形構造体が、複数個、隙間なく立体的に連設されることによりドーム状に形成されたドーム状構造物に関する。
従来から、略半球形状の外観を有するドーム状構造物として、3本のフレーム部材からなる三角形構造体が、複数個、隙間なく立体的に連設されることで、略半球状に形成されたものが利用されている。そして、この三角形構造体の室外側の面を覆う外側面状体と、三角形構造体の室内側の面を覆う内側面状体とが、耐力壁として三角形構造体の内外面に形成されている。そして、三角形構造体の内部には、フレーム部材と外側面状体と内側面状体とにより囲まれる内部空間が形成されている。この内部空間内に断熱材が充填されることにより良好な断熱性能が得られる。そして、このように形成されることにより、フレーム部材が木質であっても充分な強度を発揮するうえ著しく軽量にできる。これにより、ドーム状構造物は、地震や台風等の災害でも容易に倒壊することがない優れた耐久性を確保することができる。
従来、ドーム状構造物は、展示場等の使用目的で比較的、大型の建築物に使用されてきたが、近年、コンパクトな構造で小型の一般住宅としての需要が増加している(たとえば、特許文献1)。
ところで、一般住宅においては、将来、空調設備のさらなる充実及び性能向上に伴い、現状よりもさらに、高断熱性、高気密性のものが要求されてきている。
特開平7−18744号公報
そのような高密閉型住宅では、換気量が少なく、室内に湿気がこもりがちとなり、僅かな隙間等から室内の湿気が壁内に進入するおそれがある。水蒸気が多量に含まれる空気が壁内に入り込んで滞留した場合、内部結露等により建物の耐久性が低下してしまうおそれがある。また、断熱材を使用して結露により断熱材に水分が付着すると断熱性が著しく低下するおそれがある。
上記の問題点に鑑み、請求項1記載の発明は、三角形構造体の内部空間での結露の発生が抑えられて、耐久性、断熱性に優れたドーム状構造物を提供することを目的とする。
請求項2記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の目的に加え、複数の三角形構造体が連続して設けられるドーム状構造物を提供することを目的とする。
請求項3記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の目的に加え、現場での作業が極めて単純化でき施工も短時間でできるドーム状構造物を提供することを目的とする。
請求項4記載の発明は、上記した請求項1から3までのいずれか1項に記載の発明の目的に加え、結露の元になる水蒸気が素早く効率的に屋外に排出され内部空間内の換気が促進されるドーム状構造物を提供することを目的とする。
請求項5記載の発明は、上記した請求項1から4までのいずれか1項に記載の発明の目的に加え、内部空間内の湿気のある空気が効率的に排出されるとともに断熱材の断熱性能が良好な状態に維持されるドーム状構造物を提供することを目的とする。
請求項6記載の発明は、上記した請求項1から5までのいずれか1項に記載の発明の目的に加え、外側面状体及び内側面状体の剛性が高められてドーム状構造物全体としても剛性が高められるとともに、三角形構造体の内部空間における良好な空気の流れが形成されるドーム状構造物を提供することを目的とする。
(請求項1)
請求項1記載の発明に係るドーム状構造物は、三角形の各辺に相当する位置にそれぞれ設けられている3本のフレーム部材50からなる三角形構造体40が、複数個、隙間なく立体的に連設されることによりドーム状に形成されたドーム状構造物10であって、前記三角形構造体40には、前記三角形構造体40の室外側に位置する面を覆う外側面状体80が形成されるとともに、前記三角形構造体40の室内側に位置する面を覆う内側面状体90が形成され、前記三角形構造体40の内部には、前記フレーム部材50と、前記外側面状体80と、前記内側面状体90とにより囲まれる内部空間100が形成され、前記フレーム部材50には、隣接する前記三角形構造体40の前記内部空間100同士を連通して通気するためのフレーム部材通気孔60が形成されていることを特徴とする。
ここで、「三角形構造体40が、複数個、隙間なく立体的に連設されることによりドーム状に形成されたドーム状構造物10」とは、いわゆるジオデシックドーム、あるいはフラードーム等と呼ばれるドーム状の構造物を意味する。
また、「フレーム部材」は、ドーム状構造物10の骨格となるものであって、ドーム状構造物10を構成する各三角形構造体40の各辺に相当する位置にそれぞれ設けられているものである。
本発明では、三角形構造体40のフレーム部材50と外側面状体80と内側面状体90とに囲まれる内部空間100に水蒸気を多量に含んだ空気が進入しても、フレーム部材通気孔60を介して、その湿気を含んだ空気がこの三角形構造体40に隣接する他の三角形構造体40の内部空間100へ拡散して移動する。これにより、その湿気を含んだ空気が、特定の三角形構造体40の内部空間100に滞留することが防止される。したがって、三角形構造体40の内部空間100内での結露の発生が抑えられる。その結果として、三角形構造体40の内部空間100内は乾燥状態が維持され、内部空間100の環境が良好に維持される。これにより、耐久性のあるドーム状構造物10の提供が可能となる。また、内部空間100内に断熱材が使用されるような場合でも、内部空間100内での結露の発生が抑えられることで、断熱材に結露による水分の付着が抑えられ、断熱性能の低下が抑えられる。
(請求項2)
請求項2記載の発明に係るドーム状構造物は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。すなわち、前記三角形構造体40は、前記フレーム部材50の端部同士を連結するとともに、前記三角形の各頂点に相当する位置にそれぞれ設けられている固定手段70を備えていることを特徴とする。
ここで、「固定手段70」には、フレーム部材50の端部同士を連結するコネクタ71を用いることができる。
この固定手段70は、三角形構造体40の三角形の各辺に相当するフレーム部材50が三角形の頂点の位置で固定手段70で連結されることにより、三角形構造体40の三角形が形成される。同時に、隣接する他の三角形構造体40のフレーム部材50の端部も当該固定手段70で連結される。これにより、複数の三角形構造体40が連続して設けられる。
そして、各三角形構造体40の三角形の各辺に相当する位置にそれぞれ設けたフレーム部材50と、各三角形構造体40の三角形の各頂点に相当する位置にそれぞれ設けた固定手段70とから、ドーム状のトラス骨格が構築され、このドーム状のトラス骨格が、ドーム状構造物10の構造躯体となる。
(請求項3)
請求項3記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。すなわち、前記三角形構造体40と前記外側面状体80と前記内側面状体90とにより、平面視が三角形の三角形構造パネル160が形成され、この三角形構造パネル160が、複数個、隙間なく立体的に連結されることによりドーム状に形成されていることを特徴とする。
ここで、三角形構造パネル160は、三角形構造体40と外側面状体80と内側面状体90とを有する平面視が三角形のものである。
このような三角形構造パネル160は、あらかじめ一体となった状態で現場作業が可能となるので現場での作業が極めて単純化でき施工も短時間でできる。
(請求項4)
請求項4記載の発明は、上記した請求項1から3までのいずれか1項に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。すなわち、前記三角形構造体40を隙間なく連設することにより環状に形成された層構造部Lを複数、積み重ねた階層構造により形成され、上層の前記層構造部Lに位置する前記三角形構造体40の前記外側面状体80には、前記内部空間100から屋外に開放された排気孔110が設けられ、最下層の前記層構造部Lに位置する前記三角形構造体40の下端には、前記内部空間100から屋外に開放された吸気孔120が設けられ、前記吸気孔120から、前記フレーム部材通気孔60を介して、前記排気孔110まで連通する通気層105が形成されていることを特徴とする。
ここで、「通気層105」は、吸気孔120からフレーム部材通気孔60を介して排気孔110まで連通する空間であって、ドーム状構造物10の三角形構造体40の周囲全面の内部空間100に自然な空気の流れを発生させるものである。
本発明では、階層構造の最下層の層構造部Lに位置する三角形構造体40の下端の吸気孔120から、屋外の空気が入り込む。そして、この吸気孔120から入り込んだ空気は、屋外側の太陽光の照射を起因とする温度上昇や、室内暖房の熱等を起因とする温度上昇により、膨張し、内部空間100内を上昇する。この上昇した空気は、フレーム部材通気孔60を通って、より上層に位置する三角形構造体40の内部空間100へ移動する。最終的に、この移動した空気は、階層構造の上層の層構造部Lの三角形構造体40の内部空間100へ移動する。この移動した空気は、上層の三角形構造体40の内部空間100から外側面状体80の排気孔110を介して屋外へ排気される。すなわち、階層構造の最下層に位置する吸気孔120から三角形構造体40の内部空間100に入り込んだ空気は、上層に位置する排気孔110まで連通する通気層105を介して、ドーム状構造物10の三角形構造体40の内部空間100内を上昇する。このように、三角形構造体40の内部の通気層105に吸気孔120から排気孔110に向かって自然に上昇する空気の流れが形成される。これにより、フレーム部材50と外側面状体80と内側面状体90とに囲まれる内部空間100内に室内側から湿気のある空気が進入しても、通気層105内の上昇する空気の流れによって効率的に排気孔110から屋外に排出される。したがって、結露の元になる水蒸気が素早く屋外に排出される。このように、ドーム状構造物10の三角形構造体40の周囲全面の内部空間100に自然な空気の流れを発生させる通気層105が形成されることにより三角形構造体40の内部空間100内の換気が促進される。
(請求項5)
請求項5記載の発明は、上記した請求項1から4までのいずれか1項に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。すなわち、前記内側面状体90の室内側には、断熱材による断熱層130が形成されていることを特徴とする。
ここで、「断熱材」は、熱の伝導を抑えるための材料であって、たとえば素材としてグラスウールやロックウールやコルク等の繊維系断熱材やウレタンフォームやフェノールフォーム等の発泡系断熱材を利用することができ、また、形状としては、ボード状、フェルト状、ばら状、現場発泡等のものが利用できる。
内側面状体90の室内側には、断熱層130が形成されている。これにより、内部空間100には断熱材が充填されてなく、内部空間100における全部の空間が上昇する空気を移動させるための通気層105の空間として利用される。
通常、内部空間100内の一部に断熱層130を設けると、内部空間100は、断熱層130を設けていない一部の空間だけしか通気層105として利用できない。このような内部空間100の一部にだけ通気層105を設ける場合と比較して、本発明は内部空間100内に大量の空気の流れを発生させることができる。これにより、前記内部空間100内の湿気のある空気を効率的に排出させることができ、より一層、内部空間100の環境が良好となる。
また、断熱層130が、内側面状体90の室内側に形成されている。このため、屋外の温度が低い冬季において、断熱層130は、屋外や屋外に近い内部空間100内よりも温度が高い室内側の空気中の影響を強く受ける。これにより、断熱層130が、内部空間100内や外側面状体80の室外側に形成されるよりも温度が比較的に高く、飽和水蒸気量の高い空気中に形成されることになる。その結果として、断熱層130自身に結露が発生する可能性を低下させることができる。これにより、断熱層130の断熱性能が良好な状態に維持される。
(請求項6)
請求項6記載の発明は、上記した請求項1から5までのいずれか1項に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。すなわち、前記内部空間100には、前記外側面状体80と前記内側面状体90との間に渡されて、前記外側面状体80及び前記内側面状体90を支持する補強部材140が形成され、前記補強部材140には、前記補強部材140により仕切られる前記内部空間同士を連通する補強部材用通気孔150が形成されていることを特徴とする。
外側面状体80と内側面状体90とが補強部材140により支持されているため、外側面状体80と内側面状体90との変形がそれぞれ抑えられ、剛性が高められる。その結果として、ドーム状構造物10全体としても剛性が高められる。
そして、この補強部材140には、補強部材140により仕切られる内部空間100同士を連通する補強部材用通気孔150が形成されている。このため、補強部材140により仕切られる内部空間100同士の空気の移動が妨げられることがなく、空気が自由に移動できる。これにより、内部空間100内の通気層105における良好な空気の流れが維持される。
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
請求項1記載の発明によれば、三角形構造体の内部空間での結露の発生が抑えられて、耐久性、断熱性に優れたドーム状構造物を提供することができる。
請求項2記載の発明によれば、上記した請求項1記載の発明の効果に加え、複数の三角形構造体が連続して設けられるドーム状構造物を提供することができる。
請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、現場での作業が極めて単純化でき施工も短時間でできるドーム状構造物を提供することができる。
請求項4記載の発明によれば、上記した請求項1から3までのいずれか1項に記載の発明の効果に加え、結露の元になる水蒸気が素早く、効率的に屋外に排出され、内部空間内の換気が促進されるドーム状構造物を提供することができる。
請求項5記載の発明によれば、上記した請求項1から4までのいずれか1項に記載の発明の効果に加え、内部空間内の湿気のある空気が効率的に排出されるとともに、断熱材の断熱性能が良好な状態に維持されるドーム状構造物を提供することができる。
請求項6記載の発明によれば、請求項1から5までのいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、外側面状体及び内側面状体の剛性が高められてドーム状構造物全体としても剛性が高められるとともに、三角形構造体の内部空間における良好な空気の流れが形成されるドーム状構造物を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態であって、ドーム状構造物の三角形構造体を示す外観斜視図である。 本発明の第1の実施の形態であって、三角構造体のフレーム部材及びコネクタを示す外観正面図である。 本発明の第1の実施の形態であって、三角形構造体のフレーム部材を示す横断面図である。 本発明の第1の実施の形態であって、排気孔周辺を示す縦断面図である。 本発明の第1の実施の形態であって、吸気孔周辺を示す縦断面図である。 本発明の第2の実施の形態であって、三角形構造パネルを示す外観正面図である。
(第1の実施の形態)
図1に示すように、第1の実施の形態に係るドーム状構造物10は、三角形の各辺に相当する位置にそれぞれ設けられている3本のフレーム部材50からなる三角形構造体40が複数個、隙間なく立体的に連設されることによりドーム状に形成されているものである。
前記ドーム状構造物10は、三角形構造体40を隙間なく連設することにより環状に形成された層構造部Lを5層、積み重ねた階層構造により形成されている。
前記層構造部Lは、最上部に位置する構造部であって同一の球に内接する5個の三角形構造体40を隙間なく五角錐状に組み合わせた形状の第1構造部11を有している。そして、層構造部Lは、第1構造部11の下側に第1構造部11とは隙間なく連設されるものであって同一の球に内接する15個の三角形構造体40を隙間なく環状に組み合わせた形状の第2構造部12を有している。そして、層構造部Lは、第2構造部12の下側に第2構造部12とは隙間なく連設されるものであって同一の球に内接する25個の三角形構造体40を隙間なく環状に組み合わせた形状の第3構造部13を有している。そして、層構造部Lは第3構造部13の下側に第3構造部13とは隙間なく連設されるものであって同一の球に内接する30個の三角形構造体40を隙間なく環状に組み合わせた形状の第4構造部14を有している。そして、層構造部Lは、第4構造部14の下側に第4構造部14とは隙間なく連設されるものであって30個の三角形構造体40を隙間なく環状に組み合わせた形状の第5構造部15を有している。この第5構造部15はコンクリートからなる基礎30の上に固定されている。
本実施の形態では、第2構造部12から第5構造部15までにおいて、同一階層の三角形構造体40は、下側に2つの頂点を有するとともに上側に1つの頂点が配置される順三角形構造体42と、下側に1つの頂点を有するとともに上側に2つの頂点が配置される逆三角形構造体41との2種類の三角形構造体40を有する。順三角形構造体42は、三角形の頂点のみで上層と接するものであり、逆三角形構造体41は、三角形の辺をもって上層と接するものである。すなわち、逆三角形構造体41は、いわゆる「逆三角形」となっている。そして、第2構造部12から第5構造部15までの同一階層の層構造部Lでは、この順三角形構造体42と逆三角形構造体41とが円周上に交互に配置された交互層構造部20が形成されている。そして、第1構造部11では、順三角形構造体42のみによって形成されている。
本実施の形態では、第1構造部11から第4構造部14までは半径Rの同一の球に内接する多数の三角形構造体40から構成され、また、第5構造部15は半径Rの同一の円柱に内接する多数の三角形構造体40から構成される。
前記ドーム状構造物10は、フレーム部材50の端部同士を連結するとともに三角形構造体40の三角形の各頂点に相当する位置にそれぞれ設けられている固定手段70としてのコネクタ71を備えている。
そして、各三角形構造体40の各辺に相当する位置にそれぞれ設けたフレーム部材50と各三角形構造体40の各頂点に相当する位置にそれぞれ設けた固定手段70としてのコネクタ71とから、図1に示すドーム状のトラス骨格が構築されている。そして、このドーム状のトラス骨格がドーム状構造物10の構造躯体となる。
前記コネクタ71の材質は金属であり、フレーム部材50の材質は木質である。もちろん、材質はこれに限定されるものではなく、フレーム部材50の材質を金属にしてもよい。
前記第5構造部15の下端に設けられるコネクタ71をベースコネクタ72とする。このベースコネクタ72は、第5構造部15の下端の頂点に集まるフレーム部材50の端部同士を連結するためのものである。また、ベースコネクタ72は、4本のフレーム部材50の端部同士を連結するための部材として機能するとともに、トラス骨格を基礎に接合するための部材としても機能する。
前記第4構造部14と第5構造部15との境界線上に設けられるコネクタ71をビームコネクタ73とする。前記ビームコネクタ73は、第4構造部14と第5構造部15との境界線上の頂点に集まる6本のフレーム部材50の端部同士を連結するためのものである。
前記ベースコネクタ72及びビームコネクタ73以外のコネクタ71であって、5本のフレーム部材50の端部が集まる位置(5個の三角形構造体40の頂点が集まる位置)に設けられるコネクタ71を5アームコネクタ74とする。この5アームコネクタ74は、その位置に集まる5本のフレーム部材50の端部同士を連結するためのものである。
前記ベースコネクタ72及びビームコネクタ73以外のコネクタ71であって、6本のフレーム部材50の端部が集まる位置(6個の三角形構造体40の頂点が集まる位置)に設けられるコネクタ71を6アームコネクタ75とする。この6アームコネクタ75は、その位置に集まる6本のフレーム部材50の端部同士を連結するためのものである。
図2に示すように、1つの三角形構造体40においては三角形の各辺に相当する位置にそれぞれフレーム部材50が配置されている。そして、そのフレーム部材50の端部同士がコネクタ71で固定されている。この図2に示す三角形構造体40は、第3構造部13の三角形構造体40のうちの1つを示すものであって、三角形の頂点に相当する位置に配置されたコネクタ71には、6アームコネクタ75が形成されている。
前記6アームコネクタ75は、円筒状のハブ76と、このハブ76の一方の開口を塞ぐように設けられた平板状の補強平板部78と、フレーム部材50を接合するためのものであって、ハブ76の外周面から外方へ向けて突出する平板状の6枚のアーム77とを有している。
前記アーム77は、6アームコネクタ75が配置される三角形の頂点に集まるフレーム部材50と同じ数だけ設けられている。6アームコネクタ75が配置される三角形の頂点には、6本のフレーム部材50が集まる。このため、アーム77は6枚設けられている。また、各アーム77は、各フレーム部材50と1対1に対応する。つまり、1枚のアーム77に1本のフレーム部材50が接合される。
また、各アーム77は、その端部がハブ76の外周面と補強平板部78との双方に接合されている。これにより、1本のフレーム部材50を1枚のアーム77で支持するのに十分な強度を発揮する。
前記フレーム部材50は、三角形構造体40の各辺に相当する位置に配置されている。そして、このフレーム部材50は全体形状が直方体状の木質から形成されている。このフレーム部材50の端部は、前記コネクタ71のアーム77にボルト及びナット(図示せず)で固定されている。そして、三角形の各辺に相当する位置に設けられた3本のフレーム部材50が、コネクタ71により連結されることにより、三角形のトラス骨格となる三角形構造体40が形成されている。
各三角形構造体40には、1つの三角形構造体40の室外側に位置する三角形の面を覆う外側面状体80が形成されている(図3参照)。さらに、各三角形構造体40には、1つの三角形構造体40の室内側に位置する三角形の面を覆う内側面状体90が形成されている(図3参照)。この外側面状体80及び内側面状体90は木質からなる三角形の平板である。そして、この三角形構造体40の内部には、3本のフレーム部材50と外側面状体80と内側面状体90とにより囲まれる内部空間100が形成されている(図3参照)。
前記フレーム部材50には、隣接する三角形構造体40の内部空間100同士を連通して通気するための連通手段としてのフレーム部材通気孔60が形成されている。前記フレーム部材通気孔60は1つのフレーム部材50の長尺方向に略等間隔で6個形成されている。もちろん、この連通手段としてのフレーム部材通気孔60の個数や形状等は、これに限定されるものではなく、隣接する内部空間100の空気が自由に移動できるようなものであれば他の個数や形状であってもよく、また、孔状でなくても隣接する三角形構造体40の内部空間100同士を連通するものであれば外側面状体80又は内側面状体90側に開口する断面凹状の溝でもよい。このフレーム部材通気孔60がフレーム部材50に形成されていることにより、当該フレーム部材50によって隔てられる2つの内部空間100同士が連通する。そして、このフレーム部材通気孔60は三角形構造体40の3本のフレーム部材50の全てに同様に形成されている。これにより当該三角形構造体40の内部空間100は、この三角形構造体40の3本のフレーム部材50に隣接する3個の三角形構造体40の内部空間100と連通する。そして、全ての三角形構造体40のフレーム部材50にも、同様にフレーム部材通気孔60が形成されていることにより、全ての三角形構造体40の内部空間100同士が連通する1つの通気層105が形成されている。
前記三角形構造体40の内部空間100には、外側面状体80と内側面状体90との間に渡されて、外側面状体80と内側面状体90とを支持する補強部材140が形成されている。この補強部材140により内部空間100が複数の小空間143に仕切られている。
具体的には、前記補強部材140は縦方向に配置された3枚の縦補強部材141と横方向に配置された1枚の横補強部材142とを備えている。これらの縦補強部材141及び横補強部材142により三角形構造体40の内部空間100は、5個の小空間143に分割されている。そして、各補強部材140には小空間143同士を連通する補強部材用通気孔150が形成されている。この補強部材用通気孔150は隣接する小空間143同士を連通するものである。この補強部材用通気孔150は補強部材140により仕切られた小空間143同士の内部の空気が互いに移動可能となるように形成されているものである。
交互層構造部20においては、同一階層で隣接する順三角形構造体42と逆三角形構造体41との境界に位置するフレーム部材50のフレーム部材通気孔60を介して、順三角形構造体42の内部空間100から同一階層で隣接する逆三角形構造体41の内部空間100へ連通する隣接連通部360が形成されている。この隣接連通部360を介して同一階層の交互層構造部20において順三角形構造体42の内部空間100から同一階層で隣接する逆三角形構造体41の内部空間100への通気が行われる。
交互層構造部20においては、逆三角形構造体41とこれに接する上層の順三角形構造体42との境界に位置するフレーム部材50のフレーム部材通気孔60を介して逆三角形構造体41の内部空間100からその上層に位置する順三角形構造体42の内部空間100へ連通する上層連通部370が形成されている。この上層連通部370を介して交互層構造部20において上位階層への通気が行われる。
図3に示すように、2つの隣接する三角形構造体40の間には1本のフレーム部材50が形成されている。フレーム部材50には隣接する内部空間100同士を連通するためのフレーム部材通気孔60が形成されている。このフレーム部材通気孔60が形成されていることにより、隣接する内部空間100同士が連通する通気層105として機能するものである。図3に示すフレーム部材50は、同一階層における隣接する三角形構造体40間に配置されているものである。図3では、図中の右側の三角形構造体40が順三角形構造体42により形成され、図中の左側の三角形構造体40が逆三角形構造体41により形成されている。この場合、順三角形構造体42の内部空間100内の空気が温度上昇により膨張し、フレーム部材50のフレーム部材通気孔60から逆三角形構造体41の内部空間100へ移動する。
各三角形構造体40の外側面状体80の室外側には外部の水分が室内側に進入しないようにするための防水シート180が貼付されている。この防水シート180は、具体的には、アスファルトフーフィングが使用されている。そして、防水シート180の室外側には、風雨からドーム状構造物10を守るための外表面材190が形成されている。この外表面材190は、上層では屋根材としての機能を果たすとともに、下層では壁材としての機能を果たす。この外表面材190の材質としては、セラミック材が使用されている。
前記三角形構造体40のフレーム部材50の両面には、室内側の部材を固定するための木質からなる受け材170が受け材締結具230により固定されている。
前記三角形構造体40の内側面状体90の室内側には熱の伝導を抑えるための断熱材による断熱層130が形成されている。この断熱層130はロックウール等を含有する繊維系断熱材が押し固められたボード状のものが使用されている。このボード状の断熱層130は室内側から室内側締結具240により受け材170に固定されている。隣接する2つの断熱層130の間に発生する隙間には、発泡系断熱材であるウレタンフォーム200が充填されている。
前記断熱層130の室内側には室内側シート材210が貼付されている。そして、この室内側シート材210の室内側には内装仕上げ材220が固定されている。
図4に示すように、第1構造部11の5個の三角形構造体40のうちの1つの三角形構造体40には、その内部空間100の空気を屋外に排出するための排気孔110が形成されている。この排気孔110には、この排気孔110の上部を覆って屋外からの風雨の進入を防ぐためのフード部材111が形成されている。このフード部材111は、金属板を折り曲げることで縦断面形状が略コ字状に形成されている。このフード部材111は、外表面材190と防水シート180との間に差し込まれる差し込み片117と、この差し込み片117の上端から折り曲げられるとともに排気孔110の上部を覆う折り曲げ片118とを備えている。そして、折り曲げ片118の下端縁と外表面材190との間には、排気孔110から排出された空気を外方に出すために開口する開口部116が形成されている。
具体的には、第1構造部11の1つの三角形構造体40の外側面状体80の上部には、内部空間100から屋外に向かって開放された外側面状体排気孔112が形成されている。そして、この外側面状体排気孔112に相対する位置の防水シート180には、外側面状体排気孔112から屋外に向かって開放された防水シート排気孔113が形成されている。そして、この防水シート排気孔113に相対する位置のフード部材111には、防水シート排気孔113から屋外に向かって開放されたフード部材排気孔114が形成されている。そして、外表面材190には、フード部材111を取付可能に屋外に向かって開口する外表面材排気孔115が形成されている。すなわち、外側面状体排気孔112、防水シート排気孔113、フード部材排気孔114及び外表面材排気孔115により、内部空間100と外部との間を貫通する排気孔110が形成されている。そして、内部空間100の空気は、この排気孔110から開口部116を通って、屋外に排出可能に形成されている。
なお、本実施の形態では、第1構造部11の5個の三角形構造体40の1つに上述した排気孔110が形成されているが必ずしもこれに限定されるものではない。たとえば、第1構造部11の2つ以上の三角形構造体40に同様の排気孔110が形成されるようにしてもよい。
また、上述した排気孔110の代わりに、あるいは、上述した排気孔110に加えて、第1構造部11より下方の層構造部L(たとえば第2構造部12)の三角形構造体40に同様の形状の排気孔110が形成されるようにしてもよい。
図5に示すように、コンクリートからなる基礎30の上にベースコネクタ72が固定されている。そして、このベースコネクタ72のアーム77に最下層である第5構造部15の三角形構造体40の順三角形構造体42が固定されている。そして、この第5構造部15の順三角形構造体42の下端には屋外に向かって開放された吸気孔120が設けられている。前記第5構造部15の順三角形構造体42の室外側では、外側面状体80と防水シート180と外表面材190とは、フレーム部材50よりも下方まで、具体的には、基礎30の上端面よりも下方まで延設されている。前記吸気孔120は、これらの外側面状体80、防水シート180及び外表面材190の下端と基礎30との間にあって、屋外からの空気が入り込み可能な隙間に形成されている。この吸気孔120から入り込んだ屋外の空気は、フレーム部材通気孔60を介して、通気層105内を上昇する。
なお、内側面状体90の室内側には、図3で説明したものと同様に、断熱層130、室内側シート材210及び内装仕上げ材220が形成されている。
(作用及び効果)
本実施の形態によれば、図1に示すように、三角形構造体40の三角形の各辺に相当するフレーム部材50が三角形の頂点の位置で固定手段70としてのコネクタ71で連結されることにより三角形構造体40の三角形が形成される。同時に、隣接する他の三角形構造体40のフレーム部材50の端部も当該固定手段70としてのコネクタ71で連結される。これにより、複数の三角形構造体40が連続して設けられる。
そして、各三角形構造体40の三角形の各辺に相当する位置にそれぞれ設けたフレーム部材50と各三角形構造体40の三角形の各頂点に相当する位置にそれぞれ設けた固定手段70としてのコネクタ71とからドーム状のトラス骨格が構築され、このドーム状のトラス骨格が、ドーム状構造物10の構造躯体となる。
本実施の形態によれば、図2及び図3に示すように、三角形構造体40のフレーム部材50と外側面状体80と内側面状体90とに囲まれる内部空間100に水蒸気を多量に含んだ空気が進入しても、フレーム部材50のフレーム部材通気孔60を介して、その湿気を含んだ空気が三角形構造体40に隣接する他の三角形構造体40の内部空間100へ拡散して移動する。具体的には、順三角形構造体42の内部空間100に湿気を含んだ空気が入り込んだ場合、その湿気を含んだ空気は、同一階層で隣接する順三角形構造体42と逆三角形構造体41との境界に位置するフレーム部材50の隣接連通部360としてのフレーム部材通気孔60を介して、左右の逆三角形構造体41の内部空間100へ移動する。
本実施の形態では、図2に示すように、交互層構造部20の隣接連通部360から逆三角形構造体41の内部空間100に水蒸気を多量に含んだ空気が進入しても、上層連通部370を介して湿気を含んだ空気がこの逆三角形構造体41の上層に隣接する順三角形構造体42の内部空間100へ拡散して移動する。具体的には、三角形構造体40の内部空間100にある湿気を含んだ空気は、屋外又は室内側からの熱により膨張し容積を増すとともに上方へ移動する。逆三角形構造体41において、内部空間100の水平断面は上方になる程、断面積が増加する。これにより、容積を増しながら上昇しようとする空気が逆三角形構造体41の内部空間100内でスムーズに上方へ移動するとともに上方へ移動するに従って拡散が促される。その空気は最後に逆三角形構造体41の水平断面積が最大となる辺(いわゆる底辺)に位置するとともに上層と接する境界に位置するフレーム部材50に到達する。到達した空気は、そのフレーム部材50のフレーム部材通気孔60を介して、その上層に位置する順三角形構造体42の内部空間100内へ移動する。結果として、逆三角形構造体41の内部空間100の空気が上層連通部370を介して上層の順三角形構造体42の内部空間100へスムーズに移動する。これにより、交互層構造部20において上層への空気の移動が良好に行われる。
これらにより、その湿気を含んだ空気が特定の三角形構造体40の内部空間100に滞留することが防止される。したがって、三角形構造体40の内部空間100内での結露の発生が抑えられる。その結果として、三角形構造体40の内部空間100内は乾燥状態が維持され、内部空間100の環境が良好に維持される。これにより、耐久性のあるドーム状構造物10の提供が可能となる。
本実施の形態によれば、図2に示すように、外側面状体80と内側面状体90とが、補強部材140により支持されているため、外側面状体80と内側面状体90との変形がそれぞれ抑えられ、剛性が高められる。その結果として、ドーム状構造物10全体としても剛性が高められる。
そして、この補強部材140には、補強部材140により仕切られる内部空間100の小空間143同士を連通する補強部材用通気孔150が形成されている。このため、内部空間100の小空間143同士の空気の移動が妨げられることがなく、空気が自由に移動できる。これにより、内部空間100内の通気層105における良好な空気の流れが維持される。
本実施の形態によれば、図5に示すように、屋外の空気が第5構造部15の吸気孔120から通気層105内に入り込む。そして、この吸気孔120から通気層105内に入り込んだ空気は、屋外側の太陽光の照射を起因とする温度上昇や室内暖房の熱等を起因とする温度上昇により、膨張して通気層105としての内部空間100内を上昇する。この上昇した空気は、フレーム部材50のフレーム部材通気孔60や補強部材140の補強部材用通気孔150を通って、さらに隣接連通部360や上層連通部370を介して(図2参照)上層に位置する三角形構造体40の内部空間100へ移動する。最終的に、この移動した空気は最上層の第1構造部11の三角形構造体40の内部空間100へ移動する。そこで、移動してきた空気は、図4に示すように、第1構造部11の三角形構造体40の内部空間100から排気孔110を通ってフード部材111内部に排出される。そして、その排出された空気はフード部材111の開口部116を通って屋外へ排気される。すなわち、階層構造の最下層に位置する吸気孔120から三角形構造体40の内部空間100に入り込んだ空気は、上層に位置する排気孔110まで連通する通気層105を介して、ドーム状構造物10の三角形構造体40の内部空間100内を上昇する。このように、三角形構造体40の内部の通気層105に吸気孔120から排気孔110に向かって自然に上昇する空気の流れが形成される。これにより、フレーム部材50と外側面状体80と内側面状体90とに囲まれる内部空間100内に室内側から湿気のある空気が進入しても、通気層105内の上昇する空気の流れによって、効率的に排気孔110から屋外に排出される。したがって、結露の元になる水蒸気が素早く屋外に排出される。このように、ドーム状構造物10の三角形構造体40の周囲全面の内部空間100に自然な空気の流れを発生させる通気層105が形成されることにより三角形構造体40の内部空間100内の換気が促進される。
本実施の形態によれば、図3に示すように、内側面状体90の室内側には断熱層130が形成されている。これにより、内部空間100には断熱層130が充填されてなく、内部空間100における全部の空間が上昇する空気を移動させるための通気層105の空間として利用される。
通常、内部空間100内の一部に断熱層130を設けると、内部空間100は断熱層130を設けていない一部の空間だけしか通気層105として利用できない。このような内部空間100の一部にだけ通気層105を設ける場合と比較して、本発明は内部空間100内に大量の空気の流れを発生させることができる。これにより、前記内部空間100内の湿気のある空気を効率的に排出させることができ、より一層、内部空間100の環境が良好となる。
また、断熱層130が、内側面状体90の室内側に形成されている。このため、屋外の温度が低い冬季において、断熱層130は屋外や屋外に近い内部空間100内よりも温度が高い室内側の空気中の影響を強く受ける。これにより、断熱層130が、内部空間100内や外側面状体80の室外側に形成されるよりも、温度が比較的に高く、飽和水蒸気量の高い空気中に形成されることになる。その結果として断熱層130自身に結露が発生する可能性を低下させることができる。これにより、断熱層130の断熱性能が良好な状態に維持される。
(第2の実施の形態)
図6に示すように、第2の実施の形態に係る三角形構造体40は、3本のフレーム部材50を三角形の各辺に相当する位置に固定したものである。そして、この三角形構造体40の室外側に位置する面には外側面状体80が形成され、この三角形構造体40の室内側に位置する面には、内側面状体90が形成されている。そして、この三角形構造体40と外側面状体80と内側面状体90とにより平面視が三角形の三角形構造パネル160が形成されている。
本実施の形態では、平面視が三角形の三角形構造パネル160が、複数個、隙間なく互いに連結されることによりドーム状のドーム状構造物10が形成されているものである。
本実施の形態に係るドーム状構造物10は平面視が三角形の三角形構造パネル160をあらかじめ工場等により形成しておくことが可能である。したがって、このような三角形構造パネル160は、あらかじめ一体となった状態のものを現場作業で連結して組み立てることが可能となる。これにより、現場での作業が極めて単純化でき施工も短時間でできる。
なお、ここで、前記三角形構造パネル160の3つのフレーム部材50の端部同士は特に図示していないが釘又はネジ等の締結部材により固定されている。なお、接着剤によりフレーム部材50の端部同士を接合してもよい。
隣接する三角形構造パネル160同士は、特に図示していないが釘又はネジ等の締結部材により固定されている。なお、接着材を用いて隣接するフレーム部材50同士を接合してもよい。
本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、三角形構造パネル160の室外側に位置する面には、外側面状体80が形成され、三角形構造パネル160の室内側に位置する面には、内側面状体90が形成されている。そして、三角形構造パネル160の内部にはフレーム部材50と外側面状体80と内側面状体90とにより囲まれる内部空間100が形成されている。
本実施の形態に係るフレーム部材50には、第1の実施の形態のフレーム部材50と同様のフレーム部材通気孔60が形成されている。本実施の形態では、隣接する三角形構造パネル160のフレーム部材50同士が接触した状態で固定された際、各フレーム部材通気孔60同士が整合するように、隣接する三角形構造パネル160のフレーム部材50のフレーム部材通気孔60の位置が形成されている。この三角形構造パネル160には、第1の実施の形態と同様の隣接連通部360及び上層連通部370が形成されている。三角形構造パネル160の内部空間100の内部には、第1の実施の形態と同様の補強部材用通気孔150を有する補強部材140が形成されている。これらのフレーム部材通気孔60や補強部材用通気孔150により、また、隣接連通部360や上層連通部370により、第1の実施の形態と同様に三角形構造パネル160の内部空間100同士を連通する通気層105が形成されているものである(図3参照)。また、第1の実施の形態と同様な排気孔110及び吸気孔120が形成されている(図4及び図5参照)。そして、吸気孔120からフレーム部材通気孔60及び補強部材用通気孔150を介してさらに隣接連通部360や上層連通部370を介して排気孔110まで連通する通気層105により自然な空気の上昇流が発生し、良好な換気性能を有する点は、第1の実施の形態と同様のものである。
10 ドーム状構造物 L 層構造部
11 第1構造部 12 第2構造部
13 第3構造部 14 第4構造部
15 第5構造部 20 交互層構造部
30 基礎 40 三角形構造体
41 逆三角形構造体 42 順三角形構造体
50 フレーム部材 60 フレーム部材通気孔
70 固定手段 71 コネクタ
72 ベースコネクタ 73 ビームコネクタ
74 5アームコネクタ 75 6アームコネクタ
76 ハブ 77 アーム
78 補強平板部 80 外側面状体
90 内側面状体 100 内部空間
105 通気層 110 排気孔
111 フード部材 112 外側面状体排気孔
113 防水シート排気孔 114 フード部材排気孔
115 外表面材排気孔 116 開口部
117 差し込み片 118 折り曲げ片
120 吸気孔 121 吸気取り込み口
130 断熱層 140 補強部材
141 縦補強部材 142 横補強部材
143 小空間 150 補強部材用通気孔
160 三角形構造パネル 170 受け材
180 防水シート 190 外表面材
200 ウレタンフォーム 210 室内側シート材
220 内装仕上げ材 230 受け材締結具
240 室内側締結具 360 隣接連通部
370 上層連通部

Claims (6)

  1. 三角形の各辺に相当する位置にそれぞれ設けられている3本のフレーム部材からなる三角形構造体が、複数個、隙間なく立体的に連設されることによりドーム状に形成されたドーム状構造物であって、
    前記三角形構造体には、
    前記三角形構造体の室外側に位置する面を覆う外側面状体が形成されるとともに、前記三角形構造体の室内側に位置する面を覆う内側面状体が形成され、
    前記三角形構造体の内部には、前記フレーム部材と、前記外側面状体と、前記内側面状体とにより囲まれる内部空間が形成され、
    前記フレーム部材には、隣接する前記三角形構造体の前記内部空間同士を連通して通気するためのフレーム部材通気孔が形成されていることを特徴とするドーム状構造物。
  2. 前記三角形構造体は、
    前記フレーム部材の端部同士を連結するとともに、前記三角形の各頂点に相当する位置にそれぞれ設けられている固定手段を備えていることを特徴とする請求項1記載のドーム状構造物。
  3. 前記三角形構造体と、前記外側面状体と、前記内側面状体とにより、平面視が三角形の三角形構造パネルが形成され、
    この三角形構造パネルが、複数個、隙間なく立体的に連結されることによりドーム状に形成されていることを特徴とする請求項1記載のドーム状構造物。
  4. 前記三角形構造体を隙間なく連設することにより環状に形成された層構造部を複数、積み重ねた階層構造により形成され、
    上層の前記層構造部に位置する前記三角形構造体の前記外側面状体には、前記内部空間から屋外に開放された排気孔が設けられ、
    最下層の前記層構造部に位置する前記三角形構造体の下端には、前記内部空間から屋外に開放された吸気孔が設けられ、
    前記吸気孔から、前記フレーム部材通気孔を介して、前記排気孔まで連通する通気層が形成されていることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載のドーム状構造物。
  5. 前記内側面状体の室内側には、断熱材による断熱層が形成されていることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載のドーム状構造物。
  6. 前記内部空間には、前記外側面状体と前記内側面状体との間に渡されて、前記外側面状体及び前記内側面状体を支持する補強部材が形成され、
    前記補強部材には、前記補強部材により仕切られる前記内部空間同士を連通する補強部材用通気孔が形成されていることを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載のドーム状構造物。
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