JP2013133020A - 動力伝達装置および車両用駆動装置 - Google Patents

動力伝達装置および車両用駆動装置 Download PDF

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隆人 遠藤
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Abstract

【課題】回転電機の大型化の抑制と回転数の抑制とを両立できる動力伝達装置および車両用駆動装置を提供すること。
【解決手段】第一遊星歯車機構11は、第一ブレーキ16に接続された回転要素R1の回転が規制された状態で第二回転電機MG2の回転数を減速して出力軸31に出力する。第二遊星歯車機構12は、エンジン1の動力を出力軸と反力要素S2とに分配する。第三遊星歯車機構13は、反力要素、第一回転電機MG1、第二ブレーキ16にそれぞれ接続された回転要素を有し、第二ブレーキに接続された回転要素R3の回転が規制された状態で第一回転電機の回転数を減速して反力要素に出力する。クラッチ15は、係合することにより第三遊星歯車機構の各回転要素を一体回転させる。第一ブレーキおよび第二ブレーキを開放し、かつクラッチを係合することで第一遊星歯車機構および第二遊星歯車機構が独立した4つの回転要素の差動機構として機能する。
【選択図】図1

Description

本発明は、動力伝達装置および車両用駆動装置に関する。
従来、クラッチやブレーキによってモードを切り替え可能な動力伝達装置が提案されている。例えば、特許文献1には、内燃機関と発電機と出力部材とに連結された第1遊星歯車機構と、電動機と出力部材とに連結された第2遊星歯車機構と、ブレーキ機構と、クラッチ機構とを備えたハイブリッド駆動装置が開示されている。特許文献1のハイブリッド駆動装置では、低速モードと高速モードとの切替がなされる。
特開2008−114811号公報
回転電機のトルクを抑制して回転電機の大型化を抑制できることや、回転電機の回転数が過大となることを抑制できることが望ましい。例えば、モードに応じて回転電機のトルクや回転数を適切に制御できることが好ましい。
本発明の目的は、回転電機の大型化の抑制と回転数の抑制とを両立できる動力伝達装置および車両用駆動装置を提供することである。
本発明の動力伝達装置は、第一遊星歯車機構と、第二遊星歯車機構と、第三遊星歯車機構と、第一ブレーキと、第二ブレーキと、クラッチとを備え、前記第一遊星歯車機構は、出力軸に接続された回転要素と、前記第一ブレーキに接続された回転要素と、第二回転電機に接続された回転要素とを有し、前記第一ブレーキに接続された回転要素の回転が規制された状態で前記第二回転電機の回転数を減速して前記出力軸に出力し、前記第二遊星歯車機構は、前記出力軸に接続された回転要素と、エンジンに接続された回転要素と、反力要素とを有し、前記エンジンの動力を前記出力軸と前記反力要素とに分配し、前記第三遊星歯車機構は、前記反力要素に接続された回転要素と、第一回転電機に接続された回転要素と、前記第二ブレーキに接続された回転要素とを有し、前記第二ブレーキに接続された回転要素の回転が規制された状態で前記第一回転電機の回転数を減速して前記反力要素に出力し、前記クラッチは、係合することにより前記第三遊星歯車機構の各回転要素を一体回転させ、前記第一ブレーキおよび前記第二ブレーキを開放し、かつ前記クラッチを係合することで前記第一遊星歯車機構および前記第二遊星歯車機構が独立した4つの回転要素の差動機構として機能することを特徴とする。
上記動力伝達装置において、1つのブレーキが前記第一ブレーキと前記第二ブレーキとを兼ねていることが好ましい。
本発明の車両用駆動装置は、上記動力伝達装置を備え、前記第一ブレーキおよび前記第二ブレーキを開放し、かつ前記クラッチを係合して走行するときに、前記第一回転電機のトルクを抑制する制御を行うことを特徴とする。
本発明に係る動力伝達装置は、第一遊星歯車機構と、第二遊星歯車機構と、第三遊星歯車機構と、第一ブレーキと、第二ブレーキと、クラッチとを備える。第一遊星歯車機構は、出力軸に接続された回転要素と、第一ブレーキに接続された回転要素と、第二回転電機に接続された回転要素とを有し、第一ブレーキに接続された回転要素の回転が規制された状態で第二回転電機の回転数を減速して出力軸に出力する。
第二遊星歯車機構は、出力軸に接続された回転要素と、エンジンに接続された回転要素と、反力要素とを有し、エンジンの動力を出力軸と反力要素とに分配する。第三遊星歯車機構は、反力要素に接続された回転要素と、第一回転電機に接続された回転要素と、第二ブレーキに接続された回転要素とを有し、第二ブレーキに接続された回転要素の回転が規制された状態で第一回転電機の回転数を減速して反力要素に出力する。クラッチは、係合することにより第三遊星歯車機構の各回転要素を一体回転させる。第一ブレーキおよび第二ブレーキを開放し、かつクラッチを係合することで第一遊星歯車機構および第二遊星歯車機構が独立した4つの回転要素の差動機構として機能する。
本発明に係る動力伝達装置によれば、第一回転電機の回転数を減速して反力要素に出力する状態と、等速で反力要素に出力する状態とをクラッチによって切り替えることができ、回転電機の大型化の抑制と回転数の抑制とを両立できるという効果を奏する。
図1は、実施形態に係る車両の概略構成を示すスケルトン図である。 図2は、入力スプリットモードの動力伝達装置の共線図である。 図3は、入力スプリットモードの動力伝達装置の他の共線図である。 図4は、モード切替時の動力伝達装置の共線図である。 図5は、複合スプリットモードの動力伝達装置の低車速時の共線図である。 図6は、複合スプリットモードの動力伝達装置の高車速時の共線図である。 図7は、各回転電機のトルクと減速比との関係を示す図である。 図8は、各回転電機の回転数と減速比との関係を示す図である。
以下に、本発明の実施形態に係る動力伝達装置および車両用駆動装置につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態]
図1から図8を参照して、実施形態について説明する。本実施形態は、動力伝達装置および車両用駆動装置に関する。図1は、本発明の実施形態に係る車両の概略構成を示すスケルトン図である。
図1に示す車両100は、エンジン1、第一遊星歯車機構11、第二遊星歯車機構12、第三遊星歯車機構13、クラッチ15、ブレーキ16、第一回転電機MG1、第二回転電機MG2、駆動輪38およびECU50を含んで構成されている。本実施形態の動力伝達装置20は、第一遊星歯車機構11、第二遊星歯車機構12、第三遊星歯車機構13、クラッチ15、ブレーキ16およびECU50を含んで構成されている。また、本実施形態の車両用駆動装置30は、動力伝達装置20、エンジン1、第一回転電機MG1および第二回転電機MG2を含んで構成されている。
エンジン1は、燃料の燃焼エネルギーを回転軸の回転運動に変換して出力する。エンジン1の回転軸は、動力伝達装置20の入力軸2と接続されている。入力軸2は、エンジン1の回転軸と同軸上に配置されている。入力軸2は、第二遊星歯車機構12のキャリアである第二キャリアC2に接続されている。
第一遊星歯車機構11、第二遊星歯車機構12および第三遊星歯車機構13は、入力軸2の回転軸線Xと同軸上に隣接して配置されている。回転軸線Xと同軸上には、エンジン1に近い側から順に、第二回転電機MG2、第一遊星歯車機構11、第二遊星歯車機構12、第三遊星歯車機構13、第一回転電機MG1が配置されている。第一回転電機MG1と第二回転電機MG2とは、遊星歯車機構11,12,13を挟んで軸方向において互いに対向している。
なお、本明細書では、特に記載しない限り、「軸方向」とは回転軸線Xの方向を示し、「径方向」とは回転軸線Xを中心として、回転軸線Xと直交する半径方向を示し、「周方向」とは回転軸線X周りの回転方向を示すものとする。
第一遊星歯車機構11は、第一サンギアS1、第一ピニオンギアP1、第一リングギアR1および第一キャリアC1を有する。第二遊星歯車機構12は、第二サンギアS2、第二ピニオンギアP2、第二リングギアR2および第二キャリアC2を有する。第三遊星歯車機構13は、第三サンギアS3、第三ピニオンギアP3、第三リングギアR3および第三キャリアC3を有する。
第一遊星歯車機構11および第三遊星歯車機構13は、シングルピニオン式の遊星歯車機構である。第一サンギアS1および第三サンギアS3は、回転軸線Xと同軸上に回転自在に支持されている。リングギアR1,R3は、それぞれサンギアS1,S3の径方向外側でかつサンギアS1,S3と同軸上に回転自在に配置されている。ピニオンギアP1,P3は、それぞれサンギアS1,S3とリングギアR1,R3との間に配置されており、サンギアS1,S3およびリングギアR1,R3と噛み合っている。
第一キャリアC1および第三キャリアC3は、入力軸2と同軸上に回転自在に配置されている。第一キャリアC1は第一ピニオンギアP1を回転自在に支持している。第一ピニオンギアP1は、第一ピニオンギアP1の回転軸線を回転中心として回転(自転)可能であると共に、第一キャリアC1と一体となって入力軸2の回転軸線Xを回転中心として回転(公転)可能である。
第三キャリアC3は第三ピニオンギアP3を回転自在に支持している。第三ピニオンギアP3は、第三ピニオンギアP3の回転軸線を回転中心として回転(自転)可能であると共に、第三キャリアC3と一体となって入力軸2の回転軸線Xを回転中心として回転(公転)可能である。
第二遊星歯車機構12は、ダブルピニオン式の遊星歯車機構である。第二サンギアS2は、回転軸線Xと同軸上に回転自在に支持されている。第二リングギアR2は、第二サンギアS2の径方向外側でかつ第二サンギアS2と同軸上に回転自在に配置されている。第二ピニオンギアP2は、第二サンギアS2と第二リングギアR2との間に配置されている。第二ピニオンギアP2は、互いに噛み合う一対のギアを有する。一対のギアは、相対的に径方向内側に配置され、第二サンギアS2と噛み合う内側ギアと、相対的に径方向外側に配置され、第二リングギアR2と噛み合う外側ギアとを有する。
第二キャリアC2は、外側ギアおよび内側ギアを回転自在に支持している。外側ギアおよび内側ギアは、それぞれの回転軸線を回転中心として回転(自転)可能であると共に、第二キャリアC2と一体となって入力軸2の回転軸線Xを回転中心として回転(公転)可能である。
第一サンギアS1には、第二回転電機MG2が接続されている。つまり、第一サンギアS1は、第二回転電機MG2に接続された回転要素であり、第二回転電機MG2の動力が入力される入力要素である。また、第三サンギアS3には、第一回転電機MG1が接続されている。つまり、第三サンギアS3は、第一回転電機MG1が接続された回転要素であり、第一回転電機MG1の動力が入力される入力要素である。
第一回転電機MG1および第二回転電機MG2は、インバータを介してバッテリと接続されている。第一回転電機MG1および第二回転電機MG2は、バッテリから供給される電力を機械的な動力に変換して出力することができると共に、入力される動力によって駆動されて機械的な動力を電力に変換することができる。第一回転電機MG1および第二回転電機MG2によって発電された電力は、バッテリに蓄電可能である。第一回転電機MG1および第二回転電機MG2としては、例えば、交流同期型のモータジェネレータを用いることができる。
第一回転電機MG1は、回転軸4、ステータ5およびロータ6を有する。回転軸4は、回転軸線Xと同軸上に配置されており、第三サンギアS3と接続されている。従って、ロータ6は、第三サンギアS3と一体回転する。
第二回転電機MG2は、回転軸7、ステータ8およびロータ9を有する。回転軸7は、回転軸線Xと同軸上に配置されており、第一サンギアS1と接続されている。従って、ロータ9は、第一サンギアS1と一体回転する。第一キャリアC1は、カウンタドライブギア31および第二リングギアR2と接続されている。第一キャリアC1は、接続部材10を介して第二リングギアR2と接続されている。これにより、第一キャリアC1と第二リングギアR2とは一体回転する。
カウンタドライブギア31は、出力軸に配置され、駆動輪38と接続された出力ギアである。遊星歯車機構11,12,13によって分配され、あるいは合成された動力は、カウンタドライブギア31を介して駆動輪38に出力される。第一キャリアC1および第二リングギアR2は、それぞれ出力軸に接続された回転要素である。
カウンタドライブギア31は、第一遊星歯車機構11の径方向外側に配置されており、第一キャリアC1および第二リングギアR2と一体回転する。カウンタドライブギア31は、第二回転電機MG2との干渉を避けて第二回転電機MG2よりも軸方向の第一回転電機側に配置されている。
第一リングギアR1は、接続部材14を介して第三リングギアR3と接続されている。接続部材14は、円筒形状をなしており、第二遊星歯車機構12の径方向外側に配置されている。第一リングギアR1と第三リングギアR3とは一体回転する。
第二キャリアC2は、入力軸2を介してエンジン1と接続されている。つまり、第二キャリアC2は、エンジン1に接続された回転要素であり、エンジン1の動力が入力される入力要素である。
第二サンギアS2は、反力が入力される反力要素である。エンジン1から第二キャリアC2に対して入力されるエンジントルクは、第二リングギアR2と第二サンギアS2とに分配される。第二サンギアS2には、エンジントルクに対する反力が入力される。第二サンギアS2がエンジントルクに対する反力受けとなることで、エンジントルクが第二リングギアR2から出力軸に出力される。第二サンギアS2は、第三キャリアC3と接続されている。第二サンギアS2の回転軸3は、第三キャリアC3と接続されており、第二サンギアS2と第三キャリアC3とは一体回転する。第三キャリアC3は、反力要素としての第二サンギアS2に接続された回転要素である。
カウンタドライブギア31は、カウンタドリブンギア32と噛み合っている。カウンタドリブンギア32は、カウンタシャフト33を介してドライブピニオンギア34と接続されている。つまり、ドライブピニオンギア34は、カウンタドリブンギア32と同軸上に配置されており、かつカウンタドリブンギア32と一体回転する。ドライブピニオンギア34は、差動機構36のデフリングギア35と噛み合っている。差動機構36は、駆動軸37を介して左右の駆動輪38と接続されている。
ECU50は、コンピュータを有する電子制御ユニットである。ECU50は、車両100の各部を制御する制御装置としての機能を有している。ECU50は、エンジン1、クラッチ15、ブレーキ16、第一回転電機MG1および第二回転電機MG2と接続されており、エンジン1、クラッチ15、ブレーキ16、第一回転電機MG1および第二回転電機MG2をそれぞれ制御する。
車両1は、EV走行あるいはHV走行を選択的に実行することができる。EV走行は、エンジン1の動力によらずに、第二回転電機MG2を動力源として車両1を走行させる走行モードである。また、ECU50は、車両100の運転状態等に基づいて、車両100をHV走行モードで走行させることができる。HV走行モードは、少なくともエンジン1を動力源として車両100を走行させる走行モードである。HV走行モードでは、エンジン1の動力によって車両100を走行させるエンジン走行、あるいはエンジン1の動力および第二回転電機MG2の動力によって車両100を走行させるHV走行を実施することができる。
クラッチ15は、第三遊星歯車機構13の回転要素である第三サンギアS3、第三キャリアC3および第三リングギアR3が差動回転可能な状態と差動回転不能な状態とを切り替える。言い換えると、クラッチ15は、第三サンギアS3と第三キャリアC3と第三リングギアR3とが相対回転可能な状態と一体回転する状態とを切り替える。具体的には、クラッチ15は、第一リングギアR1および第三リングギアR3と、第三サンギアS3とを接続し、あるいは切り離す噛合い式のクラッチ装置である。
クラッチ15は、クラッチスリーブ21、ドグ歯22、ドグ歯23および図示しないアクチュエータを含んで構成されている。ドグ歯22は、支持部材25を介して第一回転電機MG1の回転軸4と接続されている。ドグ歯22は、径方向の外側に向けて突出する外歯である。ドグ歯22の歯筋が延在する方向は、軸方向である。
ドグ歯23は、支持部材26を介して接続部材14と接続されている。ドグ歯23は、接続部材14の径方向外側に配置されている。ドグ歯23は径方向の外側に向けて突出する外歯である。ドグ歯23の歯筋が延在する方向は、軸方向である。ドグ歯23とドグ歯22とは、軸方向において隣接して配置され、かつ側面が互いに対向している。ドグ歯22は、ドグ歯23に対して軸方向の第一回転電機側に配置されている。ドグ歯22とドグ歯23とは外径が等しい。
クラッチスリーブ21は、ドグ歯22およびドグ歯23と噛み合うドグ歯21aを有している。ドグ歯21aは、クラッチスリーブ21の内周に配置された内歯である。ドグ歯21aの歯筋が延在する方向は、軸方向である。クラッチスリーブ21は、アクチュエータから与えられる駆動力によって軸方向に移動する。クラッチ15は、クラッチスリーブ21のドグ歯21aがドグ歯22およびドグ歯23と噛み合う係合状態と、ドグ歯21aがドグ歯22と噛み合わず、かつドグ歯23と噛み合う開放状態と、に切り替え可能である。
係合状態のクラッチ15は、ドグ歯22とドグ歯23とを相対回転不能に接続する。従って、クラッチ15が係合状態であると、第一回転電機MG1および第三サンギアS3と、第一リングギアR1および第三リングギアR3とが一体回転する。クラッチ15が係合状態であると、第三サンギアS3と第三リングギアR3とが接続され、第三遊星歯車機構13の各回転要素S3,C3,R3は一体回転する。従って、第三遊星歯車機構13は、第一回転電機MG1の回転を等速で第三サンギアS3から第三キャリアC3に伝達する。言い換えると、クラッチ15が係合状態であると、第三遊星歯車機構13では変速がなされないこととなり、第二サンギアS2に対して第一回転電機MG1が直接に接続されている場合と同様にして第一回転電機MG1の回転が第二サンギアS2に伝達される。
一方、クラッチ15が開放状態であると、第一回転電機MG1および第三サンギアS3と、第一リングギアR1および第三リングギアR3との相対回転が許容される。開放状態のクラッチ15は、第三遊星歯車機構13の各回転要素S3,C3,R3の相対回転を許容する。
ブレーキ16は、第一リングギアR1および第三リングギアR3の回転を許容する状態と、リングギアR1,R3の回転を規制する状態とを切り替える。ブレーキ16は、車体と接続部材14とを接続し、あるいは切り離す噛合い式のクラッチ装置である。ブレーキ16は、第一リングギアR1の回転を規制する第一ブレーキとしての機能と、第三リングギアR3の回転を規制する第二ブレーキとしての機能とを兼ね備えている。つまり、本実施形態では、1つのブレーキ16が、第一ブレーキと第二ブレーキとを兼ねている。第一リングギアR1は、第一ブレーキとしてのブレーキ16に接続された回転要素である。また、第三リングギアR3は、第二ブレーキとしてのブレーキ16に接続された回転要素である。
ブレーキ16は、クラッチスリーブ21、ドグ歯23、ドグ歯24および図示しないアクチュエータを含んで構成されている。クラッチ15のアクチュエータと、ブレーキ16のアクチュエータとは共用されている。ドグ歯24は、車体と接続されている。ドグ歯24は、支持部材27を介して車体側、例えば、動力伝達装置20のケースに対して固定されている。従って、ドグ歯24は、回転軸線X周りに回転不能である。ドグ歯24は、径方向外側に向けて突出する外歯である。ドグ歯24の歯筋が延在する方向は、軸方向である。ドグ歯24とドグ歯23とは、軸方向において隣接して配置され、かつ側面が互いに対向している。ドグ歯24は、ドグ歯23を挟んでドグ歯22と軸方向において互いに対向している。ドグ歯24とドグ歯23とは外径が等しい。
ブレーキ16は、クラッチスリーブ21のドグ歯21aがドグ歯23およびドグ歯24と噛み合う係合状態と、ドグ歯21aがドグ歯24と噛み合わず、かつドグ歯23と噛み合う開放状態と、に切り替え可能である。係合状態のブレーキ16は、ドグ歯24とドグ歯23とを相対回転不能に接続する。従って、ブレーキ16が係合状態であると、第一リングギアR1および第三リングギアR3の回転が規制される。本実施形態では、クラッチスリーブ21のドグ歯21aがドグ歯24と噛み合う位置では、ドグ歯21aはドグ歯22とは噛み合わない。つまり、クラッチ15とブレーキ16とが同時に係合状態とならないように、クラッチスリーブ21が構成されている。
従って、ブレーキ16が係合状態であると、クラッチ15は開放状態である。この場合、ブレーキ16の係合によって第三リングギアR3の回転が規制され、クラッチ15の開放によって第三遊星歯車機構13の各回転要素の差動回転が許容される。従って、第三サンギアS3に入力される第一回転電機MG1の回転は、減速されて第三キャリアC3に出力される。つまり、第三遊星歯車機構13は、ブレーキ16に接続された第三リングギアR3の回転が規制された状態で第一回転電機MG1の回転数を減速して第三キャリアC3から第二サンギアS2に出力する減速歯車装置として機能する。
クラッチ15が開放状態かつブレーキ16が係合状態のときは、エンジン1から第二キャリアC2に入力される動力が、第二遊星歯車機構12において出力軸と第一回転電機MG1とに分配される。以下の説明では、動力伝達装置20においてクラッチ15が開放状態かつブレーキ16が係合状態であるモードを「入力スプリットモード」あるいは「Loモード」と記載する。入力スプリットモードでは、第一リングギアR1の回転が規制されている。第一遊星歯車機構11は、ブレーキ16に接続された第一リングギアR1の回転が規制された状態で、第二回転電機MG2の回転数を減速して第一キャリアC1から出力軸に出力する。つまり、クラッチ15が開放状態かつブレーキ16が係合状態のモードは、「入力スプリット+MG2減速」モードとなる。
図2および図3は、入力スプリットモードであるときの動力伝達装置20の共線図である。図2には、車両100の発進時の状態、図3には走行中の状態が示されている。入力スプリットモードは、車両100の発進時や比較的低速で走行するときに選択されるモードである。図2において、符号41は第一遊星歯車機構11の各回転要素の回転数の関係、符号42は第二遊星歯車機構12の各回転要素の回転数の関係、符号43は第三遊星歯車機構13の各回転要素の回転数の関係を示す。また、符号Eはエンジン1、符号Gは第一回転電機MG1、符号Mは第二回転電機MG2、符号Oはカウンタドリブンギア32、符号Bはブレーキ16、符号Cはクラッチ15をそれぞれ示している。
共線図上における第一遊星歯車機構11および第二遊星歯車機構12の各回転要素の並び順は、第一リングギアR1および第二サンギアS2、第一キャリアC1および第二リングギアR2、第二キャリアC2、第一サンギアS1の順である。
入力スプリットモードでは、ブレーキ16が係合状態であることから第一リングギアR1および第三リングギアR3の回転数は0である。また、第一キャリアC1と第二リングギアR2とカウンタドリブンギア32とは互いに接続されており、回転数が同一である。また、入力スプリットモードでは、各遊星歯車機構11,12,13はそれぞれ差動回転可能である。第一回転電機MG1のトルクは、第三サンギアS3から第三キャリアC3を介して第二サンギアS2に入力される。第二サンギアS2に入力されるトルクは、エンジン1から第二キャリアC2に入力されるトルクに対する反力トルクとなり、エンジントルクを第二リングギアR2からカウンタドライブギア31に出力させることができる。
一方、ブレーキ16が開放状態であると、第一リングギアR1および第三リングギアR3の回転が許容される。本実施形態では、クラッチスリーブ21のドグ歯21aがドグ歯22と噛み合う位置では、ドグ歯21aがドグ歯24とは噛み合わない。従って、クラッチ15が係合状態であると、ブレーキ16は開放状態である。この場合、ブレーキ16の開放によって第三リングギアR3の回転が許容されていることから、第三遊星歯車機構13の各回転要素である第三サンギアS3、第三キャリアC3および第三リングギアR3は、第一回転電機MG1の回転と共に一体回転することができる。
動力伝達装置20において、クラッチ15が係合状態かつブレーキ16が開放状態のモードを「複合スプリットモード」あるいは「Hiモード」と記載する。図4は、モード切替時の動力伝達装置20の共線図、図5および図6は、複合スプリットモードであるときの動力伝達装置20の共線図である。図5には、相対的に低車速の状態、図6には、相対的に高車速の状態が示されている。
複合スプリットモードでは、クラッチ15が係合していることにより、第一リングギアR1と、第三遊星歯車機構13の3つの回転要素(第三リングギアR3、第三キャリアC3、第三サンギアS3)と、第二サンギアS2とが一体に連結される。第一リングギアR1と第二サンギアS2とが連結されることから、第一遊星歯車機構11および第二遊星歯車機構12は4要素プラネタリとして機能する。図4乃至図6に示すように、同一の直線上に、第一リングギアR1および第二サンギアS2の回転数を示す点、第一キャリアC1および第二リングギアR2の回転数を示す点、第二キャリアC2の回転数を示す点、第一サンギアS1の回転数を示す点がこの順で並ぶ。
つまり、本実施形態の動力伝達装置20では、ブレーキ16を開放し、かつクラッチ15を係合することで、第一遊星歯車機構11および第二遊星歯車機構12が独立した4つの回転要素の差動機構として機能する。また、第三遊星歯車機構13の3つの回転要素は、第一リングギアR1および第二サンギアS2と同じ回転数で一体回転する。
複合スプリットモードでは、エンジン1の出力する動力に対して、第一回転電機MG1、第二回転電機MG2のいずれによっても反力を受けることができる。エンジン1の反力を第一回転電機MG1あるいは第二回転電機MG2の一方または両方でトルクを分担して受けることが可能となり、効率の良い動作点で動作させたり、熱によるトルク制限等の制約を緩和したりすることが可能となる。よって、車両100の高効率化が可能となる。例えば、第一回転電機MG1および第二回転電機MG2のうち、効率良く動作できる方の回転電機によって優先的に反力を受けるようにすれば、効率の向上を図ることができる。また、いずれか一方の回転電機において熱によるトルク制限がなされた場合に、他方の回転電機の回生(あるいは出力)によってアシストすることで、必要な反力を満足させることが可能となる。
入力スプリットモードと複合スプリットモードとの切り替えは、図4に示すように、第一回転電機MG1の回転数が0のときになされる。入力スプリットモードから複合スプリットモードへの切り替えを例に説明すると、発進時には図2に示すようにカウンタドライブギア31の回転数(出力回転数)が小であり、エンジン回転数と出力回転数との比である減速比iが大きい。この場合、符号42で示す直線の傾きが大きく、第二サンギアS2の回転数が大きなものとなるため、これに対応して第一回転電機MG1の回転数も大きくなる。入力スプリットモードでは、エンジン回転数が出力回転数よりも大きいアンダードライブとなる。
車速が増加して出力回転数が増加すると、図3に示すように符号42で示す直線の傾きは小さくなり、これに対応して第一回転電機MG1の回転数が減少する。ECU50は、第一回転電機MG1の回転数が0となると、動力伝達装置20を入力スプリットモードから複合スプリットモードに切り替える。具体的には、クラッチ15およびブレーキ16の共通のアクチュエータに対して、ブレーキ16を開放し、クラッチ15を係合する指令を出力する。アクチュエータは、クラッチスリーブ21を第一回転電機側に移動させ、ドグ歯21aと車体側のドグ歯24との係合を解除してドグ歯21aを第一回転電機側のドグ歯22に係合させる。これにより、ブレーキ16が開放され、クラッチ15が係合されて複合スプリットモードが実現される。ブレーキ開放、クラッチ係合の同期切替制御となり、回転電機のトルク反転もないので、制御性が良好である。
複合スプリットモードにおいて、低車速の領域では、図5に示すようにエンジン回転数が出力回転数を上回るアンダードライブの状態となる。アンダードライブの状態では、第一回転電機MG1の回転数は、出力回転数よりも小さく、第二回転電機MG2の回転数は、出力回転数よりも大きい。一方、高車速の領域では、図6に示すようにエンジン回転数が出力回転数を下回るオーバードライブの状態となる。オーバードライブの状態では、第一回転電機MG1の回転数は、出力回転数よりも大きく、第二回転電機MG2の回転数は、出力回転数よりも小さい。
本実施形態の動力伝達装置20では、入力スプリットモードと複合スプリットモードとのモード切替時に、第一回転電機MG1の変速比が変更される。入力スプリットモードでは、第一回転電機MG1の回転は、第三遊星歯車機構13によって減速して第二サンギアS2に伝達される。これに対して、複合スプリットモードでは、第一回転電機MG1の回転は、第三遊星歯車機構13によって等速で第二サンギアS2に伝達される。このように、モードに応じて第一回転電機MG1から第二サンギアS2への変速比が適切に切り替えられることにより、第一回転電機MG1の回転数が過大になることが抑制され、適正な回転数が維持される。また、第一回転電機MG1に対して要求されるトルクが低減され、第一回転電機MG1の体格の増大や損失の増加が抑制される。
図7は、各回転電機MG1,MG2のトルクと減速比との関係、図8は、各回転電機MG1,MG2の回転数と減速比との関係を示す図である。図7において、横軸は減速比i(=エンジン回転数/出力回転数)、縦軸はトルク比(=回転電機MG1,MG2のトルク/エンジントルク)を示す。図8において、横軸は減速比i、縦軸は回転数比(=回転電機MG1,MG2の回転数/エンジン回転数)を示す。
図7および図8に示すように、本実施形態の動力伝達装置20は、所定の減速比iよりも低速側の減速比の領域では入力スプリットモード(Loモード)が選択され、所定の減速比iよりも高速側の減速比の領域では複合スプリットモード(Hiモード)が選択される。
図7において、符号201aは、Loモードにおける第一回転電機MG1のトルク比、201bは、Hiモードにおける第一回転電機MG1のトルク比を示す。符号202aは、Loモードにおける第二回転電機MG2のトルク比、202bは、Hiモードにおける第二回転電機MG2のトルク比を示す。また、符号203は、第一回転電機MG1が第三遊星歯車機構13を介さずに第二サンギアS2に接続された場合のLoモードにおける第一回転電機MG1のトルク比を示す。
図8において、符号204aは、Loモードにおける第一回転電機MG1の回転数比、204bは、Hiモードにおける第一回転電機MG1の回転数比を示す。また、符号205aは、Loモードにおける第二回転電機MG2の回転数比、205bは、Hiモードにおける第二回転電機MG2の回転数比を示す。また、符号206は、第一回転電機MG1が第三遊星歯車機構13を介さずに第二サンギアS2に接続された場合のLoモードにおける第一回転電機MG1の回転数比を示す。
本実施形態の動力伝達装置20では、入力スプリットモード(Loモード)において、第一回転電機MG1の回転数は、第三遊星歯車機構13によって減速されて第二サンギアS2に出力される。従って、Loモードにおける第一回転電機MG1の回転数比204aは、符号206に示す回転数比、すなわち第三遊星歯車機構13を介さずに第一回転電機MG1が第二サンギアS2に接続された場合の回転数比よりも大きな値(絶対値が大きい高速の回転数比)となる。これにより、Loモードにおける第一回転電機MG1の出力トルクが抑制され、第一回転電機MG1の体格の増加や損失の増加が抑制される。図7に矢印Y1で示すように、本実施形態のLoモードにおける第一回転電機MG1のトルク比201aは、第三遊星歯車機構13を介さずに第一回転電機MG1が第二サンギアS2に接続された場合のトルク比203よりも低減される。
また、本実施形態の動力伝達装置20では、複合スプリットモード(Hiモード)において、第一回転電機MG1の回転数は、第三遊星歯車機構13によって等速で第二サンギアS2に出力される。従って、Hiモードにおいて第一回転電機MG1の回転数が過大となることが抑制される。Hiモードにおいて、Loモードと同様に第三遊星歯車機構13によって第一回転電機MG1が増速されると、第一回転電機MG1の最高回転数が過大になる可能性がある。しかしながら、本実施形態では、LoモードからHiモードへの切り替え時に第一回転電機MG1の変速比が切り替えられる。変速比の切り替えによって、動力伝達装置20は、第一回転電機MG1の回転を第二サンギアS2の回転に対して増速する状態から、第一回転電機MG1の回転を第二サンギアS2の回転と等速とする状態に変化する。
このように、本実施形態の動力伝達装置20によれば、第一回転電機MG1に対する要求トルクが抑制されることで第一回転電機MG1の大型化や損失の増加が抑制され、かつ第三遊星歯車機構13において変速比の切り替えがなされることで第一回転電機MG1の回転数が過大となることが抑制される。
なお、本実施形態の動力伝達装置20では、第一リングギアR1の回転を規制する第一ブレーキと、第三リングギアR3の回転を規制する第二ブレーキとを1つのブレーキ16が兼ねているが、これに代えて、第一ブレーキと第二ブレーキとが独立して設けられてもよい。本実施形態では、第一ブレーキと第二ブレーキとを1つのブレーキ16が兼ねることで、動力伝達装置20の小型化、低コスト化が図られている。
また、本実施形態の車両用駆動装置30は、Hiモードでブレーキ16を開放し、かつクラッチ15を係合して走行するときに、第一回転電機MG1のトルクを抑制する制御を行う。本実施形態の動力伝達装置20では、Loモードにおいて第一回転電機MG1の回転が減速して第二サンギアS2に伝達される。これにより、図7を参照して説明したように、Loモードにおける第一回転電機MG1に対する要求トルクが低減される。
しかしながら、図7に符号201cで示すように、LoモードからHiモードに切り替えた直後は第一回転電機MG1のトルクが大きなものとなる。これは、LoモードからHiモードへの切り替えによって第三遊星歯車機構13の変速比が変更されることに対応している。Hiモードにおいて、低速側の減速比iの領域では、Loモードの場合よりも第一回転電機MG1のトルク比が大きく、減速比iが高速側の値となるに従い第一回転電機MG1のトルク比が減少する。低速側の領域での第一回転電機MG1のトルクを低減することができれば、全減速比の領域で第一回転電機MG1のトルクを低減することができる。これにより、第一回転電機MG1の最大トルク性能を低減させ、第一回転電機MG1の小型化に寄与することができる。
Hiモードにおける第一回転電機MG1のトルクを抑制し低減する制御として、ECU50は、エンジン1のトルクを低減することができる。例えば、アクセル開度と車速とに基づいて算出される運転者の要求トルクからエンジントルクを決定する場合に、同じ要求トルクに対して、符号201cで示す領域で決定されるエンジントルクは、他の領域で決定されるエンジントルクよりも低トルクとされる。これにより、エンジントルクの反力を受ける第一回転電機MG1のトルクが低減する。
以上説明したように、本実施形態では、第一遊星歯車機構11および第二遊星歯車機構12の各一要素が連結し、第一遊星歯車機構11の他の要素にブレーキが連結され、第二遊星歯車機構12の他の要素に第三遊星歯車機構13を介して第一回転電機MG1が連結され、第一回転電機MG1の回転数が0であるときにブレーキ16を開放し、かつクラッチ15を係合することによってモード切替と共に第一回転電機MG1の変速比を同時に変更する動力伝達装置20の一例が開示されている。
この動力伝達装置20では、二つのモードによって必要な第一回転電機MG1の回転数が異なる場合に、モード切替と同時に第一回転電機MG1の変速比を適切に切り替えることにより、第一回転電機MG1の回転数が過大となることを抑制することができ、かつ第一回転電機MG1のトルクを低減することができる。
より具体的には、遊星歯車機構11,12の互いに連結した要素が出力軸と連結しており、第一遊星歯車機構11の残りの要素はブレーキ16、第二回転電機MG2とそれぞれ連結され、第二遊星歯車機構12の残りの要素は、エンジン1、第三遊星歯車機構13を介した第一回転電機MG1とそれぞれ連結されている。第一回転電機MG1の回転数が0であるときに、ブレーキ16を開放し、第三遊星歯車機構13を一体回転させるクラッチ15を係合することによって、入力スプリットモードから複合スプリットモードに切り替えられ、かつ第三遊星歯車機構13での第一回転電機MG1の変速比は、第一回転電機MG1から見て減速から等速に変更される。
本実施形態の具体例は、こうした動力伝達装置の一例であり、各部の構成については適宜変更可能である。例えば、各遊星歯車機構11,12,13の配列や、各回転要素とエンジン1、回転電機MG1,MG2、クラッチ15、ブレーキ16との対応関係などは、本実施形態で例示したものと異なるものであってもよい。
また、本実施形態では、クラッチ15およびブレーキ16がドグクラッチにより構成されているが、これに代えて、他の係合装置によってクラッチ15あるいはブレーキ16が構成されてもよい。
[実施形態の第1変形例]
上記実施形態では、符号201cで示す減速比の領域においてエンジントルクを低減することにより、第一回転電機MG1のトルクが抑制された。本変形例では、エンジントルクを低減することに代えて、エンジン回転数を低減することにより第一回転電機MG1のトルクを低減する。この場合、例えば、車速と運転者の要求駆動力とに基づいて予めマップ等に定められた回転数よりもエンジン回転数を低減するようにしてもよい。エンジン回転数が低減されることにより、図7に矢印Y2で示すように、動作点が高速側の減速比iの点にずらされる。これにより、第一回転電機MG1のトルクが低減する。
本変形例の制御によれば、バッテリの充放電収支を保ったまま第二回転電機MG2のトルクを増大し、かつ第一回転電機MG1のトルクを低減することができる。
[実施形態の第2変形例]
実施形態の第2変形例では、第二回転電機MG2に発電をさせることによって第一回転電機MG1のトルクを低減する。ECU50は、符号201cで示す減速比の領域において、第二回転電機MG2に発電をさせてバッテリを充電する。例えば、減速比i以外の運転条件等に基づいて第二回転電機MG2による発電が要求されない場合であっても第二回転電機MG2に発電を行わせる。あるいは、減速比i以外の運転条件等に基づいて要求される第二回転電機MG2の発電量に対して、第二回転電機MG2に対する発電量の指令値を大きなものとする。言い換えると、符号201cで示す減速比の領域では、第二回転電機MG2の発電量を増加させることにより、第二回転電機MG2のトルク分担を大きくする。第二回転電機MG2のトルクが増大することにより、第一回転電機MG1のトルクが低減される。
[実施形態の第3変形例]
実施形態の第3変形例では、クラッチ15とブレーキ16とを同時係合することで固定ギア段を形成し、図7に矢印Y3で示すように、第一回転電機MG1のトルクを0とする。クラッチ15とブレーキ16とを同時に係合した場合、第一リングギアR1および第三遊星歯車機構13の各回転要素の回転が規制される。また、第二サンギアS2の回転も規制される。従って、第二サンギアS2は、ブレーキ16によって回転が規制されていることで、第一回転電機MG1のトルクを必要とせずにエンジントルクの反力受けとして機能することができる。第二遊星歯車機構12では、第二サンギアS2の回転がブレーキ16によって規制されることで固定ギア段が形成される。
よって、本変形例によれば、第一回転電機MG1のトルクを低減することができる。なお、クラッチ15とブレーキ16とを同時に係合可能とする方法としては、例えば、クラッチスリーブ21のドグ歯21aをドグ歯22,23,24に同時に係合可能なものとすればよい。このようにすれば、ドグ歯21aがドグ歯22,23と係合し、かつドグ歯24とは係合しない状態(クラッチ係合、ブレーキ開放)と、ドグ歯21aがドグ歯22,23,24と係合する状態(クラッチ係合、ブレーキ係合)と、ドグ歯21aがドグ歯23,24と係合し、かつドグ歯22とは係合しない状態(クラッチ開放、ブレーキ係合)とを切り替えることが可能となる。
あるいは、ブレーキ16とは別に、第一回転電機MG1の回転軸4や第二サンギアS2の回転軸3や接続部材14等の回転を規制するブレーキを設けるようにしてもよい。
上記の実施形態および変形例に開示された内容は、適宜組み合わせて実行することができる。
1 エンジン
11 第一遊星歯車機構
12 第二遊星歯車機構
13 第三遊星歯車機構
15 クラッチ
16 ブレーキ
20 動力伝達装置
30 車両用駆動装置
31 カウンタドライブギア
38 駆動輪
50 ECU
S1 第一サンギア
S2 第二サンギア
S3 第三サンギア
P1 第一ピニオンギア
P2 第二ピニオンギア
P3 第三ピニオンギア
R1 第一リングギア
R2 第二リングギア
R3 第三リングギア
C1 第一キャリア
C2 第二キャリア
C3 第三キャリア

Claims (3)

  1. 第一遊星歯車機構と、第二遊星歯車機構と、第三遊星歯車機構と、第一ブレーキと、第二ブレーキと、クラッチとを備え、
    前記第一遊星歯車機構は、出力軸に接続された回転要素と、前記第一ブレーキに接続された回転要素と、第二回転電機に接続された回転要素とを有し、前記第一ブレーキに接続された回転要素の回転が規制された状態で前記第二回転電機の回転数を減速して前記出力軸に出力し、
    前記第二遊星歯車機構は、前記出力軸に接続された回転要素と、エンジンに接続された回転要素と、反力要素とを有し、前記エンジンの動力を前記出力軸と前記反力要素とに分配し、
    前記第三遊星歯車機構は、前記反力要素に接続された回転要素と、第一回転電機に接続された回転要素と、前記第二ブレーキに接続された回転要素とを有し、前記第二ブレーキに接続された回転要素の回転が規制された状態で前記第一回転電機の回転数を減速して前記反力要素に出力し、
    前記クラッチは、係合することにより前記第三遊星歯車機構の各回転要素を一体回転させ、
    前記第一ブレーキおよび前記第二ブレーキを開放し、かつ前記クラッチを係合することで前記第一遊星歯車機構および前記第二遊星歯車機構が独立した4つの回転要素の差動機構として機能する
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  2. 1つのブレーキが前記第一ブレーキと前記第二ブレーキとを兼ねている
    請求項1に記載の動力伝達装置。
  3. 請求項1または2に記載の動力伝達装置を備え、
    前記第一ブレーキおよび前記第二ブレーキを開放し、かつ前記クラッチを係合して走行するときに、前記第一回転電機のトルクを抑制する制御を行う
    ことを特徴とする車両用駆動装置。
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