JP2013131330A - 電池及び電極板 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極板に湾曲、しわ、波打ち等の不具合が生じるのを防止または抑制すると共に、電池容量が低減するのを防止または抑制できる電池等を提供すること。
【解決手段】電池100は、帯状でアルミニウム合金からなる電極箔122に厚み方向GHに圧縮された活物質層123を有する電極板121を備える。電極箔122は、長手方向EHに帯状に延び、自身の上に活物質層123が形成された電極部122wと、幅方向FHの一方の端部に位置して長手方向EHに帯状に延び、自身が露出する集電部122mとを有する。そして、集電部122mのアルミニウムの平均含有率B(%)を、電極部122wのアルミニウムの平均含有率A(%)よりも高くしてなる。
【選択図】図6

Description

本発明は、帯状でアルミニウム合金からなる電極箔の幅方向の一部に、自身の厚み方向に圧縮された活物質層(合剤層)を有する電極板を備える電池及び電極板に関する。
従来より、帯状でアルミニウム合金からなる電極箔の幅方向の一部に、電極箔の長手方向に帯状に延びる形態に形成され、自身の厚み方向に圧縮された活物質層を有する帯状の電極板、及び、この電極板を備える電池が知られている。この電極板は、次のようにして形成する。即ち、活物質等を含む活物質ペーストを、電極箔の幅方向の一部に塗布し乾燥させて、電極箔の上に活物質層を形成する。その後、この電極板を加圧ロール等によりプレスして、活物質層を厚み方向に圧縮し、その密度を高める。
その際、電極板のうち、活物質層が形成された部位である塗工部(電極板の電極部)は、加圧ロールによって加圧されるが、活物質層が形成されていない部位である未塗工部(電極板の集電部)は、電極箔のみからなり厚みが薄いため、加圧ロールによって加圧されない。このため、電極箔のうち、その上に活物質層が形成された塗工部をなす部位である電極部(電極箔の電極部)は、プレスにより活物質層と共に圧延されるが、活物質層が形成されていない未塗工部をなす部位である集電部(電極箔の集電部)は、圧延されない。その結果、電極板が湾曲したり、電極板にしわや波打ちなどができる不具合が生じていた。このような不具合が生じると、正負の電極板をセパレータを介して捲回して電極体を形成したときに、巻きズレなどが発生し、電極体を所定形状に形成できなかったり、電池容量が低減するなどの不具合が生じる。
そこでこの問題を解決すべく、いくつかの提案がなされている。
(1)特許文献1,2には、電極箔に活物質層を塗工形成した後、電極板をプレスする前に、電極板の未塗工部(電極箔の集電部)に加熱処理を施すことにより、電極箔の集電部を電極部よりも延び易くすることが記載されている。これにより、電極板をプレスしたときに、電極箔の電極部がプレスにより圧延されるのに伴って、延び易くされた集電部も延ばされる。従って、電極板に湾曲、しわ、波打ち等の不具合が生じるのを防止または抑制できる。
なお、活物質層を塗工形成する前の電極箔単体の状態で、集電部となる部分に予め加熱処理を施しておくことも考えられる。しかし、このようにすると、加熱処理で主に集電部となる部分に波打ち等の変形が生じてしまうので好ましくない。
(2)また、特許文献2には、電極箔のうち集電部となる部分に予め凹凸を設けておくことにより、集電部を電極部よりも延び易くすることも記載されている。これにより、電極板に湾曲、しわ、波打ち等の不具合が生じるのを防止または抑制する。
(3)また、特許文献3には、活物質層を塗工形成する前に、電極箔のうち集電部となる部分に予めテープを貼っておき、活物質層を塗工形成した後の、電極板の塗工部と未塗工部の厚みを等しくする。この状態で電極板をプレスし、その後、テープを剥離して電極箔の集電部を露出させる手法が記載されている。この方法では、プレス時の塗工部と未塗工部の厚みが等しく、電極箔全体(電極部及び集電部)にほぼ均等に圧力が掛かるので、電極板に湾曲、しわ、波打ち等の不具合が生じるのを防止または抑制できる。
特開2007−273390号公報 特許第4233670号公報 特開2000−133250号公報
しかしながら、(1)の方法では、電極板の未塗工部(電極箔の集電部)に加熱処理をした際に、この熱が活物質層まで伝わり、活物質層の構造等が変化する。その結果、電池容量が低減してしまう。
また、(2)の方法では、電極箔の集電部となる部分に予め凹凸を設ける際、電極箔に波打ちが生じる。この波打ちが生じた電極箔に活物質層を塗工形成して、これをプレスすると、活物質層に応力が掛かって活物質層の剥離が生じる。その結果、電池容量が低減してしまう。更に、電極箔の集電部となる部分に凹凸を設ける際、電極箔の電極部となる部分にその変形が及ぶことも避け難い。このような変形は、活物質層を塗工形成したときに、活物質層の厚みに変動を生じさせるため、電池容量のバラツキが生じる。
また、(3)の方法では、プレス後にテープを剥離する際に、テープと共に活物質層の端部も剥がれるので、活物質層が剥離した分、電池容量が低減してしまう。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、電極板に湾曲、しわ、波打ち等の不具合が生じるのを防止または抑制すると共に、電池容量が低減するのを防止または抑制できる電池及び電極板を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の一態様は、帯状でアルミニウム合金からなる電極箔の幅方向の一部に、自身の厚み方向に圧縮された活物質層を有する電極板を備える電池であって、前記電極箔は、自身の長手方向に帯状に延び、自身の上に前記活物質層が形成された電極部と、前記幅方向の一方の端部に位置して前記長手方向に帯状に延び、自身が露出する集電部と、を有し、前記集電部のアルミニウムの平均含有率B(%)を、前記電極部のアルミニウムの平均含有率A(%)よりも高くしてなる電池である。
この電池では、アルミニウム合金からなる電極箔のうち、活物質層(合剤層)が存在しないで自身が露出する集電部のアルミニウムの平均含有率B(%)を、自身の上に活物質層が形成された電極部のアルミニウムの平均含有率A(%)よりも高くしている(B>A)。アルミニウムの平均含有率が高いと柔らかく延び易いので、この電極箔では、集電部は電極部よりも延び易くなっている。このため、電極箔に活物質層を形成した後、これをプレスして電極板を形成したときに、電極板が湾曲したり、電極板にしわや波打ちなどが生じる不具合を、防止または抑制できる。従って、この電極板を用いた電池では、電極板の巻きズレ等を防止または抑制でき、また、電池容量が低減する不具合を防止または抑制できる。
なお、電極箔の「電極部」及び「集電部」は、それぞれ、単一のアルミニウム合金からなるものでもよいし、複数種のアルミニウム合金をクラッドして形成したものでもよい。なお、本明細書において、「アルミニウム合金」には、後述するように、国際アルミニウム合金名及びJIS規格における1000番系のものも含む。
更に、上記の電池であって、前記電極部は、単一の第1アルミニウム合金からなる非クラッド部であり、前記集電部は、前記第1アルミニウム合金に、これよりもアルミニウムの含有率の高い第2アルミニウム合金をクラッドしたクラッド部である電池とすると良い。
このように電極部を単一の第1アルミニウム合金からなる非クラッド部とすると共に、集電部をこの第1アルミニウム合金に、これよりもアルミニウムの含有率の高い第2アルミニウム合金をクラッドしたクラッド部とすることで、集電部のアルミニウムの平均含有率B(%)が電極部のアルミニウムの平均含有率A(%)よりも高くされた電極箔を容易に形成できる。従って、電極箔及び電極板を安価にすることができ、電池を安価にすることができる。
なお、「第1アルミニウム合金」及び「第2アルミニウム合金」としては、国際アルミニウム合金名及びJIS規格における、1100,1N30など1000番系のアルミニウム合金や、2017など2000番系のアルミニウム合金、3003など3000番系のアルミニウム合金、4032など4000番系のアルミニウム合金、5052など5000番系のアルミニウム合金、6061など6000番系のアルミニウム合金、7075など7000番系のアルミニウム合金が挙げられる。
また、「集電部」は、第1アルミニウム合金からなる被クラッド材の両面に第2アルミニウム合金からなるクラッド材をクラッドしたものでもよいし、第1アルミニウム合金からなる被クラッド材のいずれか一方の面に第2アルミニウム合金からなるクラッド材をクラッドしたものでもよい。
更に、上記のいずれかに記載の電池であって、前記電極部を圧延したときの前記電極部の延び率C(%)と、前記集電部を圧延したときの前記集電部の延び率D(%)とが、0.090≦(D−C)/D≦0.60の関係を満たしてなる電池とすると良い。
電極箔の電極部及び集電部の延び率C,Dをこのような関係にすることで、電極板に湾曲、しわ、波打ち等の不具合が生じるのを、より効果的に防止または抑制できる。
なお、「延び率」とは、電極部のみを単体で(または集電部のみを単体で)加圧ロール等により圧延したときに、圧延前の電極部(または集電部)の長さに対し、圧延によって延ばされた長さの割合を指す。具体的には、長さ1000mmの電極部(または集電部)を、加圧ロールにより2.0t/cmの線圧で圧延したときに、電極部(または集電部)の長さが1020mmとなった場合には、圧延前の長さが1000mm、圧延によって延ばされた長さが20mmであるので、延び率C(または延び率D)は2.0%となる。
また、他の態様は、帯状でアルミニウム合金からなる電極箔の幅方向の一部に、自身の厚み方向に圧縮された活物質層を有する、電池用の電極板であって、前記電極箔は、自身の長手方向に帯状に延び、自身の上に前記活物質層が形成された電極部と、前記幅方向の一方の端部に位置して前記長手方向に帯状に延び、自身が露出する集電部と、を有し、前記集電部のアルミニウムの平均含有率B(%)を、前記電極部のアルミニウムの平均含有率A(%)よりも高くしてなる電極板である。
この電極板では、アルミニウム合金からなる電極箔のうち、集電部のアルミニウムの平均含有率B(%)を、電極部のアルミニウムの平均含有率A(%)よりも高くしているので、集電部は電極部よりも延び易くなっている。このため、前述したように、電極板に湾曲、しわ、波打ち等の不具合が生じるのを防止または抑制できる。
更に、上記の電極板であって、前記電極部は、単一の第1アルミニウム合金からなる非クラッド部であり、前記集電部は、前記第1アルミニウム合金に、これよりもアルミニウムの含有率の高い第2アルミニウム合金をクラッドしたクラッド部である電極板とすると良い。
このように電極部及び集電部を形成することで、集電部のアルミニウムの平均含有率B(%)が電極部のアルミニウムの平均含有率A(%)よりも高くされた電極箔を容易に形成できる。従って、電極箔及び電極板を安価にすることができる。
更に、上記のいずれかに記載の電極板であって、前記電極部を圧延したときの前記電極部の延び率C(%)と、前記集電部を圧延したときの前記集電部の延び率D(%)とが、0.090≦(D−C)/D≦0.60の関係を満たしてなる電極板とすると良い。
電極箔の電極部及び集電部の延び率C,Dをこのような関係にすることで、電極板に湾曲、しわ、波打ち等の不具合が生じるのを、より効果的に防止または抑制できる。
実施形態1に係るリチウムイオン二次電池を示す斜視図である。 実施形態1に係るリチウムイオン二次電池を示す縦断面図である。 実施形態1に係り、電極体を示す斜視図である。 実施形態1に係り、正極板及び負極板をセパレータを介して互いに重ねた状態を示す部分平面図である。 実施形態1に係り、正極板を示す平面図である。 実施形態1に係り、正極板を示す断面図である。 実施形態2に係るハイブリッド自動車を示す説明図である。 実施形態3に係るハンマードリルを示す説明図である。
(実施形態1)
以下、本発明の第1の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。図1及び図2に、本実施形態1に係るリチウムイオン二次電池100(以下、単に電池100とも言う)を示す。また、図3及び図4に、この電池100を構成する捲回型の電極体120及びこれを展開した状態を示す。また、図5及び図6に、本実施形態1に係る正極板(電極板)121を示す。なお、図1及び図2における上方を電池100の上側、下方を電池100の下側として説明する。また、電池100の厚み方向をBH、幅方向をCH、高さ方向をDHとして説明する。
この電池100は、ハイブリッド自動車や電気自動車等の車両や、ハンマードリル等の電池使用機器に搭載される角型電池である。この電池100は、直方体形状の電池ケース110と、この電池ケース110内に収容された扁平状捲回型の電極体120と、電池ケース110に支持された正極端子150及び負極端子160等から構成されている(図1及び図2参照)。また、電池ケース110内には、非水系の電解液117が保持されている。
このうち電池ケース110は、金属(具体的にはアルミニウム)により形成されている。この電池ケース110は、上側のみが開口した箱状のケース本体部材111と、このケース本体部材111の開口111hを閉塞する形態で溶接された矩形板状のケース蓋部材113とから構成されている(図1及び図2参照)。
ケース蓋部材113には、その長手方向(電池100の幅方向CHでもある)の中央付近に、電池ケース110の内圧が所定の作動圧力に達した際に破断する非復帰型の安全弁113vが設けられている。また、ケース蓋部材113のうち、この安全弁113vの近傍には、電解液117を電池ケース110内に注入するために用いられる注液孔113hが設けられている。この注液孔113hは、封止部材115で気密に封止されている。
また、ケース蓋部材113のうち、その長手方向の両端近傍には、電池ケース110の内部から外部に延出する形態の正極端子(正極端子部材)150及び負極端子(負極端子部材)160がそれぞれ固設されている。具体的には、これらの端子150,160は、これらにバスバや圧着端子など電池外の接続端子を締結するためのボルト153,163と共に、樹脂からなる絶縁部材155,165を介して、ケース蓋部材113に固設されている。
次に、電極体120について説明する(図2〜図4参照)。この電極体120は、上側のみが開口した袋状の絶縁フィルム包囲体119内に収容され、軸線AX方向が電池100の幅方向CHと平行となるように横倒しにした状態で、電池ケース110内に収容されている(図2参照)。この電極体120は、帯状の正極板121と帯状の負極板131とを、多孔質膜からなる帯状の2枚のセパレータ141,141を介して互いに重ねて(図4参照)、軸線AX周りに捲回し、扁平状に圧縮したものである(図3参照)。
このうち正極板(電極板)121(図4〜図6参照)は、芯材として、アルミニウム合金からなる帯状の正極電極箔(電極箔)122を有する。この正極電極箔122は、長さ(長手方向EHの寸法)が690mm、幅(幅方向FHの寸法)が55mm、厚さ(厚み方向GHの寸法)が15μmである。この正極電極箔122の両主面のうち幅方向FHの一端側の一部(図4,図5中、下方)には、それぞれ長手方向EHに帯状に延びる正極活物質層(正極合剤層)123,123が形成されている。これらの正極活物質層123,123は、正極活物質と導電剤と結着剤とからなり、後述するように、自身の厚み方向に圧縮されて、それぞれ厚さ125μm、密度2.8g/cm3 となっている。
正極電極箔122のうち、自身の長手方向EHに幅50mmの帯状に延び、自身の上に正極活物質層123,123が形成された部位が、正極箔電極部(電極部)122wである。一方、自身の幅方向FHの一方の端部(図4,図5中、上方、図6中、右方)に位置して自身の長手方向EHに幅5mmの帯状に延び、自身が露出する部位が、正極箔集電部(集電部)122mである。
そして、この正極電極箔122では、正極箔集電部122mにおけるアルミニウムの平均含有率B(具体的には98.44%)が、正極箔電極部122wにおけるアルミニウムの平均含有率A(具体的には97.23%)よりも高くされている。
より詳細には、正極箔電極部122wは、アルミニウムの含有率が97.23%の3003アルミニウム合金GK1(以下、単に3003合金とも言う)のみからなり、クラッド化されていない非クラッド部である(図6参照)。
一方、正極箔集電部122mは、この3003合金GK1の両面に、これよりもアルミニウムの含有率の高い、アルミニウムの含有率が99.65%の1N30アルミニウム合金GK2(以下、単に1N30合金とも言う)が、後述するようにクラッドされたクラッド部である。この正極箔集電部122mにおける、3003合金GK1と1N30合金GK2との割合は、3003合金:1N30合金=50:50である。このため、この正極箔集電部122mにおけるアルミニウムの平均含有率Bは、前述のように、98.44%となる。なお、本実施形態1では、3003合金GK1が、前述の第1アルミニウム合金に相当し、1N30合金GK2が、前述の第2アルミニウム合金に相当する。
また、この正極電極箔122では、正極箔電極部122wの延び率Cが1.0%であり、正極箔集電部122mの延び率Dが1.4%である。従って、(D−C)/D=0.29であり、後述する0.090≦(D−C)/D≦0.60の関係を満たしている。
なお、延び率C,Dは、次のように求めた。即ち、長さ(長手方向EHの寸法)1000mmの正極電極箔122を用意し、これを切断して、正極箔電極部122wと正極箔集電部122mに分けた。次に、正極箔電極部122wのみを単体で、加圧ロールにより線圧2.0t/cmで圧延して、圧延後の長さを測定した。圧延後の長さは1010mmであったので、圧延によって延ばされた長さは10mmであり、延び率Cは1.0%と求められた。同様に、正極箔集電部122mのみを単体で加圧ロールにより圧延して、圧延後の長さを測定した。圧延後の長さは1014mmであったので、圧延によって延ばされた長さは14mmであり、延び率Dは1.4%と求められた。
また、正極板121のうち、自身の厚み方向(正極電極箔122の厚み方向GHでもある)に正極電極箔122及び正極活物質層123,123が存在し、自身の長手方向(正極電極箔122の長手方向EHでもある)に幅50mmの帯状に延びる部位(前述の正極箔電極部122wに対応する部位)が、正極板電極部121wである。この正極板電極部121wは、電極体120を構成した状態において、その全域がセパレータ141を介して、負極板131の後述する負極板電極部131wと対向している(図4参照)。
一方、正極板121のうち、自身の厚み方向GHに正極活物質層123が存在しないで正極電極箔122のみからなり、自身の幅方向FHの他端側の端部(図4及び図5中、上方、図6中、右方)に位置して自身の長手方向EHに幅5mmの帯状に延びる部位(前述の正極箔集電部122mでもある)が、正極板集電部121mである。この正極板集電部121m(正極箔集電部122m)の幅方向FHの一部は、セパレータ141から軸線AX方向(電池100の幅方向CH)の一方側ACに渦巻き状をなして突出しており、前述した正極端子(正極端子部材)150と接続(溶接)している(図2参照)。
次に、負極板131について説明する(図4参照)。負極板131は、芯材として、純銅または銅合金からなる帯状の負極電極箔132を有する。この負極電極箔132の両主面のうち幅方向の一端側の一部(図4中、上方)には、それぞれ長手方向に帯状に延びる負極活物質層(負極合剤層)133,133が形成されている。これらの負極活物質層133は、負極活物質と結着剤と増粘剤とからなり、後述するように自身の厚み方向に圧縮されたものである。
負極板131のうち、自身の厚み方向に負極電極箔132及び負極活物質層133,133が存在し、自身の長手方向に帯状に延びる部位が、負極板電極部131wである。この負極板電極部131wは、電極体120を構成した状態において、その全域がセパレータ141と対向している。
一方、負極板131のうち、自身の厚み方向に負極活物質層133が存在しないで負極電極箔132のみからなり、自身の幅方向の他端側の端部(図4中、下方)に位置して自身の長手方向に帯状に延びる部位が、負極板集電部131mである。この負極板集電部131mの幅方向の一部は、セパレータ141から軸線AX方向の他方側ADに渦巻き状をなして突出しており、前述した負極端子(負極端子部材)160と接続(溶接)している(図2参照)
また、セパレータ141,141(図4参照)は、いずれも樹脂からなる多孔質膜であり、帯状をなす。
以上で説明したように、本実施形態1に係る電池100及び正極板121では、アルミニウム合金からなる正極電極箔122のうち、正極活物質層123が存在しないで自身が露出する正極箔集電部122mのアルミニウムの平均含有率B(具体的には98.44%)を、自身の上に正極活物質層123,123が形成された正極箔電極部122wのアルミニウムの平均含有率A(具体的には97.23%)よりも高くしている。従って、この正極電極箔122では、正極箔集電部122mは正極箔電極部122wよりも延び易くなっている。このため、後述するように、正極電極箔122に正極活物質層123,123を形成した後、これをプレスして正極板121を形成したときに、正極板121が湾曲したり、正極板121にしわや波打ちなどが生じる不具合を抑制できる。従って、この正極板121を用いた電池100では、正極板121等の巻きズレ等を防止でき、また、電池容量が低減する不具合を防止できる。
更に、本実施形態1では、正極箔電極部122wを単一の3003合金GK1からなる非クラッド部とすると共に、正極箔集電部122mをこの3003合金GK1に、これよりもアルミニウムの含有率の高い1N30合金GK2をクラッドしたクラッド部としている。このようにすることで、正極箔集電部122mのアルミニウムの平均含有率B(%)が正極箔電極部122wのアルミニウムの平均含有率A(%)よりも高くされた正極電極箔122を容易に形成できる。従って、正極板121及び電池100を安価にすることができる。
また、本実施形態1では、正極箔電極部122wの延び率C(%)と正極箔集電部122mの延び率D(%)とが、0.090≦(D−C)/D≦0.60を満たしている。このようにすることで、正極板121に湾曲、しわ、波打ち等の不具合が生じるのを、より効果的に抑制できる。
次いで、上記正極板121及び電池100の製造方法について説明する。まず、正極板121の製造方法について説明する。なお、正極板121(後述する負極板131も同様である)は、2枚の正極板121,121が幅方向FHに繋がった一対の正極板を一挙に製造した後に、これを中央で切断して、個々の正極板121,121に分ける。
まず、アルミニウム合金からなる帯状の正極電極箔(正極板121の2枚分)を形成する。具体的には、3003合金GK1からなる帯状の金属板材(被クラッド材)と、1N30合金GK2からなる帯状の金属板材(クラッド材)をそれぞれ用意する。そして、3003合金GK1からなる金属板材のうち、幅方向の両端部の表裏面に、それぞれ1N30合金GK2からなる金属板材を重ねてクラッドする。これにより、正極箔電極部122wとなる部位が単一の3003合金GK1のみからなり(非クラッド部)、正極箔集電部122mとなる部位が3003合金GK1に1N30合金GK2がクラッドされた(クラッド部)、2枚分の正極電極箔を、容易に形成できる(図6参照)。
次に、この正極電極箔のうち、一方の主面の幅方向FHの中央部に、正極活物質、導電材及び結着剤を含む正極活物質ペーストを塗布し、熱風により乾燥させて、長手方向EHに帯状に延びる2枚分の正極活物質層を形成する。同様に、正極電極箔のうち、反対側の主面の幅方向FHの中央部にも、上記の正極活物質ペーストを塗布し、熱風により乾燥させて、長手方向EHに帯状に延びる2枚分の正極活物質層を形成する。次に、この正極板を加圧ロールにより線圧2.0t/cmでプレスして、正極活物質層をそれぞれ厚み方向GHに圧縮し、その密度を高める。その後、この正極板を中央で切断すれば、個々の正極板121が形成される(図5及び図6参照)。
また別途、負極板131を製造する。即ち、純銅または銅合金からなる帯状の負極電極箔(負極板121の2枚分)を用意する。そして、この負極電極箔のうち、一方の主面の幅方向の中央部に、負極活物質、結着剤及び増粘剤を含む負極活物質ペーストを塗布し、熱風により乾燥させて、長手方向に帯状に延びる2枚分の負極活物質層を形成する。同様に、負極電極箔132のうち、反対側の主面の幅方向の中央部にも、上記の負極活物質ペーストを塗布し、熱風により乾燥させて、長手方向に帯状に延びる2枚分の負極活物質層を形成する。次に、この負極板を加圧ロールによりプレスして、負極活物質層をそれぞれ厚み方向に圧縮し、その密度を高める。その後、この負極板を中央で切断すれば、個々の負極板131が形成される(図4参照)。
次に、帯状のセパレータ141,141を2枚用意し、前述の正極板121と負極板131とをセパレータ141,141を介して互いに重ね(図4参照)、巻き芯を用いて軸線AX周りに捲回する。その後、これを扁平状に圧縮して電極体120を形成する(図3参照)。
また別途、ケース蓋部材113と正極端子部材150と負極端子部材160とボルト153,163とを用意し、これらを射出成形用の金型にセットする。そして、射出成形により絶縁部材155,165を一体的に成形して、ケース蓋部材113に正極端子部材150及び負極端子部材160を固設しておく(図1及び図2参照)。
次に、正極端子150及び負極端子160を前述の電極体120にそれぞれ接続(溶接)する。その後、ケース本体部材111及び絶縁フィルム包囲体119を用意し、ケース本体部材111内に絶縁フィルム包囲体119を介して電極体120を収容すると共に、ケース本体部材111の開口111hをケース蓋部材113で塞ぐ。そして、ケース本体部材111とケース蓋部材113とを溶接する(図1及び図2参照)。
その後、電解液117を注液孔113hから電池ケース110内に注液し、封止部材115で注液孔113hを気密に封止する。その後は、この電池100について、初期充電やエージング、各種検査を行う。かくして、電池100が完成する。
(実施例及び比較例)
次いで、本実施形態1の効果を検証するために行った試験の結果について説明する。実施例1として、実施形態1に係る正極板121を製造し、更にこれを用いて実施形態1に係る電池100を製造した。この正極板121及び電池100では、前述したように、正極電極箔122の正極箔電極部122wは、3003合金のみからなる非クラッド部(アルミニウムの平均含有率A=97.23%、延び率C=1.0%)である。一方、正極箔集電部122mは、3003合金:1N30合金=50:50からなるクラッド部(アルミニウムの平均含有率B=98.44%、延び率D=1.4%)である。
また、実施例2として、正極箔集電部122mを、3003合金:1N30合金=5:95からなるクラッド部(アルミニウムの平均含有率B=99.53%、延び率D=1.9%)に変更し、それ以外は実施形態1と同様にして正極板及び電池を製造した。
また、実施例3として、正極箔集電部122mを、3003合金:1N30合金=95:5からなるクラッド部(アルミニウムの平均含有率B=97.35%、延び率D=1.1%)に変更し、それ以外は実施形態1と同様にして正極板及び電池を製造した。
また、実施例4として、正極箔集電部122mを、3003合金:1085合金=5:95からなるクラッド部(アルミニウムの平均含有率B=99.80%、延び率D=2.5%)に変更し、それ以外は実施形態1と同様にして正極板及び電池を製造した。
一方、比較例1として、正極箔集電部122mを、3003合金のみからなる非クラッド部(アルミニウムの平均含有率B=97.23%、延び率D=1.0%)に変更し、それ以外は実施形態1と同様にして正極板及び電池を製造した。
また、比較例2として、正極箔集電部122mを、3003合金のみを用い、これを50:50の割合でクラッド化したクラッド部(アルミニウムの平均含有率B=97.23%、延び率D=1.0%)に変更し、それ以外は実施形態1と同様にして正極板及び電池を製造した。
また、比較例3として、正極箔集電部122mを、3003合金のみからなる非クラッド部(アルミニウムの平均含有率B=97.23%、延び率D=1.0%)に変更して正極板及び電池を製造した。なお、この比較例3では、正極電極箔に正極活物質層を塗工形成した後、正極板をプレスする前に、正極板集電部(正極箔集電部)に加熱処理(具体的には400℃で3秒間)を施して、正極箔集電部を正極箔電極部よりも延び易くした。それ以外は実施形態1と同様とした。
また、比較例4として、正極箔集電部122mを、3003合金のみからなる非クラッド部(アルミニウムの平均含有率B=97.23%、延び率D=1.0%)に変更して正極板及び電池を製造した。なお、この比較例4では、正極電極箔のうち正極箔集電部となる部分に予め凹凸を設けておくことにより、正極箔集電部を正極箔電極部よりも延び易くした。それ以外は実施形態1と同様とした。
また、比較例5として、正極箔集電部122mを、3003合金のみからなる非クラッド部(アルミニウムの平均含有率B=97.23%、延び率D=1.0%)に変更して正極板及び電池を製造した。なお、この比較例5では、正極活物質層を塗工形成する前に、正極電極箔のうち正極箔集電部となる部分に予めテープを貼っておき、正極活物質層を塗工形成した後の、正極板電極部と正極板集電部の厚みを等しくした。そして、この状態で電極板をプレスし、その後、テープを剥離して正極箔集電部を露出させた。それ以外は実施形態1と同様とした。
また、比較例6〜11では、正極箔電極部122wを、3003合金から1N30合金のみからなる非クラッド部(アルミニウムの平均含有率A=99.65%、延び率C=2.0%)に変更した。
これに加えて、比較例6では、正極箔集電部122mを、1N30合金のみからなる非クラッド部(アルミニウムの平均含有率B=99.65%、延び率D=2.0%)に変更し、それ以外は実施形態1と同様にして正極板及び電池を製造した。
また、比較例7では、正極箔集電部122mを、1N30合金のみを用い、これを50:50の割合でクラッド化したクラッド部(アルミニウムの平均含有率B=99.65%、延び率D=2.0%)に変更し、それ以外は実施形態1と同様にして正極板及び電池を製造した。
また、比較例8では、正極箔集電部122mを、1N30合金のみからなる非クラッド部(アルミニウムの平均含有率B=99.65%、延び率D=2.0%)に変更すると共に、比較例3と同様に、正極板集電部(正極箔集電部)に加熱処理を施した。それ以外は実施形態1と同様とした。
また、比較例9では、正極箔集電部122mを、1N30合金のみからなる非クラッド部(アルミニウムの平均含有率B=99.65%、延び率D=2.0%)に変更すると共に、比較例4と同様に、正極箔集電部となる部分に予め凹凸を設けた。それ以外は実施形態1と同様とした。
また、比較例10では、正極箔集電部122mを、1N30合金のみからなる非クラッド部(アルミニウムの平均含有率B=99.65%、延び率D=2.0%)に変更すると共に、比較例5と同様に、正極箔集電部となる部分に予めテープを貼り、プレス後に破がした。それ以外は実施形態1と同様とした。
また、比較例11では、正極箔集電部122mを、1N30合金:3003合金=50:50からなるクラッド部(アルミニウムの平均含有率B=98.44%、延び率D=1.4%)に変更し、それ以外は実施形態1と同様とした。つまり、この比較例11に係る正極板及び電池では、実施例1〜4に係る正極板及び電池とは逆に、正極箔電極部(延び率C=2.0%)の方が正極箔集電部(延び率D=1.4%)よりも延び易くなっている。
Figure 2013131330

上述した実施例1〜4及び比較例1〜11に係る各正極板について、1m当たりの湾曲量(mm)をそれぞれ測定した。具体的には、製造された正極板を平らな面の上に置き、正極板の長手方向EHの中央における湾曲量(正極板の長手方向EHの両端を結ぶ仮想直線からの距離)を測定した。その結果を表1に示す。
実施例1〜4及び比較例3,4,8,9に係る正極板では、湾曲量が0.4〜1.3mm/mと小さかった。これに対し、比較例5,10に係る正極板では、湾曲量が1.9〜2.0mm/mとやや大きかった。また、これら以外の比較例1,2,6,7,11に係る正極板では、湾曲量が6.5〜8.0mmと非常に大きかった。
このような結果を生じた理由は、以下であると考えられる。即ち、実施例1〜4に係る正極板では、正極箔集電部をクラッド部とし、正極箔集電部のアルミニウムの平均含有率B(%)を、正極箔電極部のアルミニウムの平均含有率A(%)よりも高くして、正極箔集電部を正極箔電極部よりも延び易くしている。また、比較例3,8に係る正極板では、加熱処理により、正極箔集電部を正極箔電極部よりも延び易くしている。また、比較例4,9に係る正極板では、凹凸を設けることにより、正極箔集電部を正極箔電極部よりも延び易くしている。つまり、これらの正極板では、いずれも、正極箔集電部が正極箔電極部よりも延び易くなっている。このため、正極電極箔に正極活物質層を塗工形成した後、正極板をプレスしたときに、電極箔電極部がプレスにより正極活物質層と共に圧延されるのに伴って、延び易くされた電極集電部も延ばされた。その結果、正極板の湾曲量が抑制されたと考えられる。
また、比較例5,10に係る正極板では、正極箔集電部となる部分に予めテープを貼ることで、正極板をプレスしたときに、正極電極箔全体(電極部及び集電部)にほぼ均等に圧力が掛かる。このため、プレスにより電極箔電極部と共に電極集電部も延ばされた。その結果、正極板の湾曲量がある程度抑制されたと考えられる。
これらに対し、比較例1,2,6,7に係る正極板では、いずれも、正極箔電極部と正極集電部の延び率C,Dが等しくなっている。或いは、比較例11に係る正極板では、正極箔電極部の延び率Cが正極箔集電部の延び率Dよりも大きくなっている。前述したように、正極板をプレスする際、正極板電極部は加圧ロールによって加圧されるが、正極板集電部は、正極電極箔のみからなり厚みが薄いため、加圧ロールによって加圧されない。このため、正極電極箔のうち、正極箔電極部はプレスにより正極活物質層と共に圧延されるが、正極箔集電部は圧延されない。その結果、正極板の湾曲量が大きくなったと考えられる。
また、前述した実施例1〜4及び比較例1〜11に係る各正極板について、正極活物質層に剥離が生じているか否かをそれぞれ調べた。具体的には、正極活物質層のうち、幅方向FHの正極板集電部側の端部(図4,図5中、上方、図6中、右方)において、正極活物質層が剥離しているか否かを目視で調査した。その結果を表1に示す。
実施例1〜4及び比較例1〜4,6〜9,11に係る正極板では、正極活物質層の端部に剥離が生じていなかった。これに対し、比較例5,10に係る正極板では、正極活物質層の端部に剥離が生じていた。このような剥離が生じた理由は、比較例5,10に係る正極板では、正極板をプレスした後、テープを剥がす際に、テープと共に正極活物質層の端部も剥がれてしまったからである。
また、前述した実施例1〜4及び比較例1〜11に係る各電池について、電池容量をそれぞれ測定した。その結果を表1に示す。実施例1〜4及び比較例1,2,6,7,11に係る電池では、電池容量が1.51〜1.54Ahと大きかった。これに対し、比較例3〜5,8〜10に係る電池では、電池容量が1.43〜1.46Ahと小さくなっていた。
実施例1〜4及び比較例1,2,6,7,11に係る電池に比して、比較例3〜5,8〜10に係る電池で電池容量が低下した理由は、以下であると考えられる。即ち、比較例3,8に係る電池では、正極箔集電部に加熱処理を行った際に、その熱が正極活物質層まで伝わり、正極活物質層の構造等が変化した。その結果、電池容量が低減したと考えられる。
また、比較例4,9に係る電池では、電極箔集電部となる部分に予め凹凸を設けた際、正極電極箔に波打ちが生じた。そして、この波打ちが生じた正極電極箔に正極活物質層を塗工形成して、これをプレスしたときに、正極活物質層に応力が掛かって正極活物質層の剥離が生じた。その結果、電池容量が低減したと考えられる。なお、電極箔集電部となる部分に凹凸を設けた際、電極箔電極部となる部分にもその変形が及び、正極活物質層を塗工形成したときに、正極活物質層の厚みに変動を生じた。このため、これらの電池では、電池容量のバラツキも生じ易い。
また、比較例5,10に係る電池では、プレス後にテープを剥離した際に、テープと共に正極活物質層の端部も剥がれてしまった。その結果、正極活物質層が剥離した分、電池容量が低減したと考えられる。
以上の結果より、正極箔集電部のアルミニウムの平均含有率B(%)を、正極箔電極部のアルミニウムの平均含有率A(%)よりも高くして、正極箔集電部を正極箔電極部よりも延び易くすることで、正極板の湾曲量を抑制できる共に、電池容量の低減を防止できることが判る。特に、正極箔電極部の延び率C(%)と正極箔集電部の延び率D(%)とが、0.090≦(D−C)/D≦0.60の関係を満たすことで、正極板の湾曲量を効果的に抑制できることが判る。
(実施形態2)
次いで、第2の実施の形態について説明する。本実施形態2に係るハイブリッド自動車(車両)700(以下、単に自動車700とも言う)は、実施形態1に係る電池100を搭載し、この電池100に蓄えた電気エネルギを、駆動源の駆動エネルギの全部または一部として使用するものである(図7参照)。
この自動車700は、電池100を複数組み合わせた組電池710を搭載し、エンジン740、フロントモータ720及びリアモータ730を併用して駆動するハイブリッド自動車である。具体的には、この自動車700は、その車体790に、エンジン740と、フロントモータ720及びリアモータ730と、組電池710(電池100)と、ケーブル750と、インバータ760とを搭載する。そして、この自動車700は、組電池710(電池100)に蓄えられた電気エネルギを用いて、フロントモータ720及びリアモータ730を駆動できるように構成されている。
前述したように、電池100は、正極板121等の巻きズレ等を防止でき、また、電池容量が低減する不具合を防止できるので、これを搭載する自動車700の性能及び信頼性を特に高くできる。
(実施形態3)
次いで、第3の実施の形態について説明する。本実施形態3のハンマードリル800は、実施形態1に係る電池100を搭載した電池使用機器である(図8参照)。このハンマードリル800は、本体820の底部821に、電池100を含むバッテリパック810が収容されており、このバッテリパック810を、ドリルを駆動するためのエネルギー源として利用している。
前述したように、電池100は、正極板121等の巻きズレ等を防止でき、また、電池容量が低減する不具合を防止できるので、これを搭載するハンマードリル800の性能及び信頼性を特に高くできる。
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上述の実施形態1〜3に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
例えば、実施形態1では、「正極箔電極部」を単一のアルミニウム合金からなる非クラッド部とし、「正極箔集電部」を2種類のアルミニウム合金をクラッド化したクラッド部としたが、「正極箔電極部」及び「正極箔集電部」の形態はこれに限られない。
例えば、正極箔集電部だけでなく、正極箔電極部も2種類のアルミニウム合金をクラッド化したクラッド部とし、正極箔集電部と正極箔電極部で2種類のアルミニウム合金の比率を変えることにより、正極箔集電部のアルミニウムの平均含有率Bを、正極箔電極部のアルミニウムの平均含有率Aよりも高くしてもよい。また、正極箔電極部を2種類のアルミニウム合金をクラッド化したクラッド部とする一方、正極箔集電部を単一のアルミニウム合金からなる非クラッド部とし、正極箔集電部のアルミニウムの平均含有率Bが、正極箔電極部のアルミニウムの平均含有率Aよりも高くなるようにしてもよい。また、正極箔電極部及び正極箔集電部は、それぞれ3種類以上のアルミニウム合金をクラッドすることにより形成してもよい。
また、実施形態1では、電極板として、正極電極箔122の両主面にそれぞれ正極活物質層123,123を形成した正極板121を例示したが、これに限られない。例えば、電極板を、電極箔の一方の主面のみに活物質層を形成したものとすることができる。
また、実施形態2では、本発明に係る電池100を搭載する車両として、ハイブリッド自動車700を例示したが、車両はこれに限られない。車両としては、例えば、電気自動車、プラグインハイブリッド自動車、ハイブリッド鉄道車両、フォークリフト、電気車いす、電動アシスト自転車、電動スクータなどが挙げられる。
また、実施形態3では、本発明に係る電池100を搭載する電池使用機器して、ハンマードリル800を例示したが、電池使用機器はこれに限られない。電池使用機器としては、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話、電池駆動の電動工具、無停電電源装置など、電池で駆動される各種の家電製品、オフィス機器、産業機器などが挙げられる。
100 リチウムイオン二次電池(電池)
110 電池ケース
120 電極体
121 正極板(電極板)
121w 正極板電極部
121m 正極板集電部
122 正極電極箔(電極箔)
122w 正極箔電極部(電極部)
122m 正極箔集電部(集電部)
123 正極活物質層(正極合剤層)
131 負極板
131w 負極板電極部
131m 負極板集電部
132 負極電極箔
133 負極活物質層(負極合剤層)
141 セパレータ
150 正極端子(正極端子部材)
160 負極端子(負極端子部材)
700 ハイブリッド自動車(車両)
710 組電池
800 ハンマードリル(電池使用機器)
810 バッテリパック
EH (正極電極箔の)長手方向
FH (正極電極箔の)幅方向
GH (正極電極箔の)厚み方向

Claims (6)

  1. 帯状でアルミニウム合金からなる電極箔の幅方向の一部に、自身の厚み方向に圧縮された活物質層を有する電極板を備える電池であって、
    前記電極箔は、
    自身の長手方向に帯状に延び、自身の上に前記活物質層が形成された電極部と、
    前記幅方向の一方の端部に位置して前記長手方向に帯状に延び、自身が露出する集電部と、を有し、
    前記集電部のアルミニウムの平均含有率B(%)を、前記電極部のアルミニウムの平均含有率A(%)よりも高くしてなる
    電池。
  2. 請求項1に記載の電池であって、
    前記電極部は、単一の第1アルミニウム合金からなる非クラッド部であり、
    前記集電部は、前記第1アルミニウム合金に、これよりもアルミニウムの含有率の高い第2アルミニウム合金をクラッドしたクラッド部である
    電池。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電池であって、
    前記電極部を圧延したときの前記電極部の延び率C(%)と、前記集電部を圧延したときの前記集電部の延び率D(%)とが、
    0.090≦(D−C)/D≦0.60
    の関係を満たしてなる
    電池。
  4. 帯状でアルミニウム合金からなる電極箔の幅方向の一部に、自身の厚み方向に圧縮された活物質層を有する、電池用の電極板であって、
    前記電極箔は、
    自身の長手方向に帯状に延び、自身の上に前記活物質層が形成された電極部と、
    前記幅方向の一方の端部に位置して前記長手方向に帯状に延び、自身が露出する集電部と、を有し、
    前記集電部のアルミニウムの平均含有率B(%)を、前記電極部のアルミニウムの平均含有率A(%)よりも高くしてなる
    電極板。
  5. 請求項4に記載の電極板であって、
    前記電極部は、単一の第1アルミニウム合金からなる非クラッド部であり、
    前記集電部は、前記第1アルミニウム合金に、これよりもアルミニウムの含有率の高い第2アルミニウム合金をクラッドしたクラッド部である
    電極板。
  6. 請求項4または請求項5に記載の電極板であって、
    前記電極部を圧延したときの前記電極部の延び率C(%)と、前記集電部を圧延したときの前記集電部の延び率D(%)とが、
    0.090≦(D−C)/D≦0.60
    の関係を満たしてなる
    電極板。
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