JP2013130629A - 電気泳動表示装置の駆動方法、電気泳動表示装置、電子機器及び電子時計 - Google Patents

電気泳動表示装置の駆動方法、電気泳動表示装置、電子機器及び電子時計 Download PDF

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Abstract

【課題】 DCバランスをとりつつイオンの不均一な分布で生じる残像を抑制する電気泳動表示装置の駆動方法等を提供する。
【解決手段】 共通電極に第1、第2の電位を繰り返す駆動パルス信号に基づく電圧を印加し、画素電極に駆動パルス信号の反転又は正転信号に基づく電圧を印加して画像を書き換える部分駆動方式によって、表示部に第1の画像を第2色で表示させる第1画像予備表示工程S1、第1の画像を第1色で表示させる第1画像表示工程S2、第1の画像の背景を第2色で表示させる第1画像予備消去工程S3、第1の画像の背景を第1色で表示させる第1画像消去工程S4、第2の画像の背景を第1色で表示させる第2画像予備表示工程S11、第2の画像の背景を第2色で表示させる第2画像表示工程S12、第2の画像を第1色で表示させる第2画像予備消去工程S13、第2の画像を第2色で表示させる第2画像消去工程S14を含む。
【選択図】図14

Description

本発明は、電気泳動表示装置の駆動方法、電気泳動表示装置、電子機器及び電子時計等に関する。
近年、電源を切っても画像を保持できるメモリー性を有する表示パネルが開発され、電子時計等にも使用されている。メモリー性を有する表示パネルとしては、EPD(Electrophoretic Display)すなわち電気泳動表示装置や、メモリー性液晶表示装置等が知られている。
電気泳動表示装置は、視野角の広さ、コントラスト比の高さ、柔軟性、反射型ディスプレイであるゆえの低消費電力などの優れた利点がある。
一方で、特許文献1に記載されているように、電気泳動表示装置において電極間に印加される電界の時間平均がほぼゼロでなければ、装置の動作寿命が短くなる恐れがある。つまり、電気泳動表示装置の長期信頼性を確保するためには、DCバランスがとられること、すなわち印加される電界の時間平均がほぼゼロになることが必要になる。
特表2005−530201号公報
ここで、電気泳動表示装置は、表示部の全体を描画する全面駆動方式、又は書き換え対象である一部を描画することも可能な部分駆動方式により画像を表示することができる。電気泳動表示装置の表示部は、例えば画像の画素に対応する画素電極と透明な共通電極とを含み、これらの電極のそれぞれに電圧を印加して、発生した電界によって電気泳動素子を移動させることで画像を更新する。
常に全面駆動方式で表示部の全体を描画すると、部分駆動方式と比べて表示画像の更新に時間がかかる。そこで、部分駆動方式を主として用いることで、電圧の印加に用いる信号の駆動時間を短くすることが考えられる。
しかし、部分駆動方式においては表示部の一部のみを描画するため、例えば電気泳動表示層と、複数の画素電極が形成された駆動電極層との間に存在する接着層のイオン分布を不均一にする可能性がある。イオン分布が不均一であると、実効的な電界の強さに差異が生じる。そのため、例えば隣接する画素を同色に表示しようとしても、画素によって反射率が異なり、一種の残像として認識されることがある。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものである。本発明のいくつかの態様によれば、DCバランスをとりつつ、イオンの不均一な分布で生じる残像を抑制する電気泳動表示装置の駆動方法等を提供する。
(1)本発明は、一対の基板間に電気泳動粒子を含む電気泳動素子を狭持し、少なくとも第1色と第2色を表示可能な画素を有する表示部を含み、一方の前記基板と前記電気泳動素子との間に前記画素に対応する画素電極が形成され、他方の前記基板と前記電気泳動素子との間に、複数の前記画素電極と対向する共通電極が形成された電気泳動表示装置の駆動方法であって、前記共通電極に第1の電位と第2の電位とを繰り返す駆動パルス信号に基づく電圧を印加し、複数の前記画素電極のそれぞれに前記駆動パルス信号の反転信号、又は正転信号に基づく電圧を印加し、前記画素電極と前記共通電極との間に生じた電界によって前記電気泳動粒子を移動させることで前記表示部に表示される画像を書き換える部分駆動方式によって、前記表示部に第1の画像を第2色で表示させる第1画像予備表示工程と、前記第1画像予備表示工程の後に、前記部分駆動方式によって、前記表示部に前記第1の画像を第1色で表示させる第1画像表示工程と、前記第1画像表示工程の後に、前記部分駆動方式によって、前記表示部に前記第1の画像の背景を前記第2色で表示させる第1画像予備消去工程と、前記第1画像予備消去工程の後に、前記部分駆動方式によって、前記表示部に前記第1の画像の背景を前記第1色で表示させる第1画像消去工程と、前記第1画像消去工程の後に、前記部分駆動方式によって、前記表示部に第2の画像の背景を前記第1色で表示させる第2画像予備表示工程と、前記第2画像予備表示工程の後に、前記部分駆動方式によって、前記表示部に前記第2の画像の背景を前記第2色で表示させる第2画像表示工程と、前記第2画像表示工程の後に、前記部分駆動方式によって、前記表示部に前記第2の画像を前記第1色で表示させる第2画像予備消去工程と、を含み、前記第2画像予備消去工程の後に、前記部分駆動方式によって、前記表示部に前記第2の画像を前記第2色で表示させる第2画像消去工程と、を含み、前記第2画像消去工程の後に、次の第1画像予備表示工程が実行される。
本発明によれば、部分駆動方式によって8つの工程を順に実行する。8つの工程は、4つの主要な工程(以下、主要工程)と、これらの工程のそれぞれの前に行われる4つの予備工程を含む。4つの主要工程は、第1の画像を第1色で表示させる第1画像表示工程、第1の画像の背景を第1色で表示させる第1画像消去工程、第2の画像の背景を第2色で表示させる第2画像表示工程、第2の画像を第2色で表示させる第2画像消去工程、である。
4つの予備工程は、第1の画像を第2色で表示させる第1画像予備表示工程、第1の画像の背景を第2色で表示させる第1画像予備消去工程、第2の画像の背景を第1色で表示させる第2画像予備表示工程、第2の画像を第1色で表示させる第2画像予備消去工程、である。
また、部分駆動方式は、共通電極に第1の電位と第2の電位とを繰り返す駆動パルス信号に基づく電圧を印加し、複数の画素電極のそれぞれに駆動パルス信号の反転信号、又は正転信号に基づく電圧を印加し、画素電極と共通電極との間に生じた電界によって電気泳動粒子を移動させることで表示部に表示される画像を書き換える。部分駆動方式では、表示部の全体だけでなく、書き換え対象である一部を描画することが可能である。
ここで、第1色とは例えば黒色であり、第2色とは例えば白色である。第1の画像、第2の画像は表示部の一部に表示される画像であって、文字、数字、文章、図形、記号、模様等のいずれか又はこれらの組み合わせであってもよい。また、第1の画像、第2の画像は、第1画像表示工程、第2画像表示工程で表示される度に異なる文字、数字、文章、図形、記号、模様等に変化してもよい。第1の画像の背景、第2の画像の背景は、表示部におけるそれぞれ第1の画像以外の部分、第2の画像以外の部分をいう。
本発明の電気泳動表示装置の駆動方法では、4つの主要工程でDCバランスをとることができ、また、4つの予備工程でDCバランスをとることができるので、全体としてDCバランスをとることができる。例えば、4つの主要工程では、第1画像表示工程と第1画像消去工程とで合わせて表示部全体を第1色に表示する。そして、第2画像表示工程と第2画像消去工程とで合わせて表示部全体を第2色に表示するのでDCバランスがとられる。4つの予備工程についても同様である。
また、8つの工程の全ては部分駆動方式によって実行される。そのため、全面駆動方式に比べて駆動時間を短くすることが可能である。そして、4つの予備工程を備えているので、例えば接着層内のイオンの不均一な分布で生じる残像を抑制することができる。
本発明では、4つの主要工程それぞれの前に、続く工程と同じ書き換え対象(例えば第1の画像)を反転した色で表示する予備工程を実行する。そのため、4つの主要工程の実行時には、書き換え対象の画素について接着層内のイオンの分布が均一になっている。
よって、本発明の電気泳動表示装置の駆動方法は、DCバランスをとりつつ、イオンの不均一な分布で生じる残像を抑制する。そのため、長期信頼性を確保でき、表示品質が向上する。
(2)この電気泳動表示装置の駆動方法において、前記第1画像消去工程の後、前記第2画像予備表示工程の前に、前記表示部の全画素を前記第1色で表示させる第1単一色表示工程と、前記第2画像消去工程の後、次の第1画像予備表示工程の前に、前記表示部の全画素を前記第2色で表示させる第2単一色表示工程と、を含んでもよい。
本発明によれば、第1単一色表示工程および第2単一色表示工程を含むことで、第1の画像や第2の画像の輪郭部分に生じる境界線(以下、パターン境界線)がある場合でも、パターン境界線を目立たなくすることができる。
4つの主要工程のうち第1画像表示工程、第1画像消去工程では、部分駆動方式によって第1の画像を表示、消去する。また、第2画像表示工程、第2画像消去工程でも、部分駆動方式によって第2の画像を表示、消去する。しかし、第1の画像、第2の画像を消去した後に、パターン境界線が視認されることがある。パターン境界線は、例えば後述する電気泳動粒子のうち、最後に駆動された色の粒子が斜め方向の電界により広がるために生じると考えられている。
本発明の電気泳動表示装置の駆動方法は、第1画像消去工程の後に、全画素を第1色で表示させる第1単一色表示工程を実行する。また、第2画像消去工程の後に、全画素を第2色で表示させる第2単一色表示工程を実行する。そのため、万一パターン境界線が生じても消去を行い、表示品質を向上させることができる。
第1単一色表示工程、第2単一色表示工程は、表示更新にかかる時間を短縮するために部分駆動方式で行われることが好ましいが、全面駆動方式でもよい。なお、第1単一色表示工程および第2単一色表示工程では、それぞれの工程で、複数回の単一色表示を行ってもよい。例えば、第1単一色表示工程において、全画素を第1色、第2色、第1色の順に表示してもよい。この場合には、第2単一色表示工程において、全画素を第2色、第1色、第2色の順に表示する。
なお、本発明の電気泳動表示装置の駆動方法では、第1単一色表示工程と第2単一色表示工程とでDCバランスがとられることになる。よって、本発明の電気泳動表示装置の駆動方法の全体としてもDCバランスがとられている。
(3)この電気泳動表示装置の駆動方法において、前記第1画像予備表示工程、前記第1画像予備消去工程、前記第2画像予備表示工程、および前記第2画像予備消去工程は、これらの工程以外の工程よりも、電圧時間積が小さくてもよい。
本発明によれば、予備工程(第1画像予備表示工程、第1画像予備消去工程、第2画像予備表示工程、第2画像予備消去工程)を含んでも、予備工程の電圧時間積を主要工程(予備工程以外の工程)よりも小さくすることで、予備工程が追加されることによる表示画像の更新時間および消費電力の少なくとも一方の増大を抑えることができる。
(4)本発明は、前記の電気泳動表示装置の駆動方法を実行する制御部を備えた電気泳動表示装置であってもよい。
本発明によれば、電気泳動表示装置が含む制御部によって前記の制御方法が実現される。そのため、本発明の電気泳動表示装置は、DCバランスをとりつつ、イオンの不均一な分布で生じる残像を抑制する。そのため、長期的信頼性に優れており、表示品質が向上する。
(5)本発明は、前記電気泳動表示装置を含む電子機器であってもよい。
(6)本発明は、前記電気泳動表示装置を含む電子時計であってもよい。
これらの発明の電子機器、電子時計は、前記の電気泳動表示装置を用いることで、DCバランスをとりつつ、イオンの不均一な分布で生じる残像を抑制する。そのため、長期的信頼性に優れ、表示品質のよい電子機器、電子時計を実現できる。
第1実施形態における電気泳動表示装置のブロック図。 第1実施形態における電気泳動表示装置の画素の構成例を示す図。 図3(A)は電気泳動素子の構成例を示す図。図3(B)、図3(C)は電気泳動素子の動作の説明図。 図4(A)〜図4(B)は部分駆動方式の波形図、反射率の例。 図5(A)〜図5(D)は局所的なコントラスト比の低下を説明する図。 図6(A)〜図6(B)は全面駆動方式の波形図、反射率の例。 図7(A)〜図7(E)は全面駆動方式での残像発生を説明する図。 図8(A)〜図8(H)は比較例における表示例。 比較例のフローチャート。 図10(A)〜図10(C)は比較例での残像発生を説明する図。 図11(A)〜図11(D)は比較例での残像発生の例を示す図。 図12(A)〜図12(B)は第1実施形態における比較例での残像の解消を説明する図。 図13(A)〜図13(H)は第1実施形態の表示例。 第1実施形態のフローチャート。 第1実施形態の波形図。 図16(A)〜図16(J)は第2実施形態の表示例。 第2実施形態のフローチャート。 適用例の電子機器のブロック図。 図19(A)は電子機器の一例である電子時計の図、図19(B)は電子機器の一例である電子ペーパーの図。
1.第1実施形態
本発明の第1実施形態について図1〜図7(E)、図12(A)〜図15を参照して説明する。第1実施形態の電気泳動表示装置は、文字、数字、写真、模様、イラスト等の様々な画像を表示可能であるとする。なお、第1実施形態の電気泳動表示装置の駆動方法を説明するために、比較例の電気泳動表示装置の駆動方法(以下、単に比較例とよぶ)について途中で説明する。比較例も、第1実施形態と同じ構成の電気泳動表示装置で実現できる。比較例は図8(A)〜図11(D)を参照して説明する。
1.1.電気泳動表示装置の構成
図1は、本実施形態のアクティブマトリックス方式の電気泳動表示装置の構成を示す図である。
電気泳動表示装置10は、表示制御回路60、表示部3を含む。表示制御回路60は、表示部3を制御する制御部であり、走査線駆動回路61、データ線駆動回路62、コントローラー63、共通電源変調回路64、記憶部160を含む。
走査線駆動回路61、データ線駆動回路62、共通電源変調回路64、記憶部160は、それぞれコントローラー63と接続されている。コントローラー63は、例えば時刻信号等の入力信号(図外)に基づいて、これらを総合的に制御する。
記憶部160は、例えばVRAMと、例えばフラッシュメモリー等の不揮発性メモリーを含んでいてもよい(図外)。VRAMは表示部3に表示させる画像のデータを記憶する。VRAMは複数のバンクに分かれており、それぞれが個別のVRAMとして機能してもよい。また、不揮発性メモリーはVRAMに記憶されたデータを構成する要素のデータ(例えばパーツデータや背景データ)を記憶する。なお、記憶部160は、その他に例えばSRAM、DRAM等を含んでいてもよい。
表示部3には、走査線駆動回路61から延びる複数の走査線66と、データ線駆動回路62から延びる複数のデータ線68とが形成されており、これらの交差位置に対応して複数の画素40が設けられている。
走査線駆動回路61は、m本の走査線66(Y1、Y2、…、Ym)により各画素40に接続されている。走査線駆動回路61は、コントローラー63の制御に従って1行目からm行目までの走査線66を順次選択することで、画素40に設けられた駆動用TFT48(図2参照)のオンタイミングを規定する選択信号を供給する。
データ線駆動回路62は、n本のデータ線68(X1、X2、…、Xn)により各画素40に接続されている。データ線駆動回路62は、コントローラー63の制御に従って、画素40のそれぞれに対応する1ビットの画像データを規定する画像信号を画素40に供給する。なお、本実施形態では、画素データ「0」を規定する場合には、ローレベルの画像信号を画素40に供給し、画素データ「1」を規定する場合には、ハイレベルの画像信号を画素40に供給するものとする。
表示部3には、また、共通電源変調回路64から延びる低電位電源線49(Vss)、高電位電源線50(Vdd)、共通電極配線55(Vcom)、第1のパルス信号線91(S1)、第2のパルス信号線92(S2)が設けられており、それぞれの配線は画素40と接続されている。共通電源変調回路64は、コントローラー63の制御に従って上記配線のそれぞれに供給する各種信号を生成する一方、これら各配線の電気的な接続及び切断(ハイインピーダンス化、Hi−Z)を行う。
1.2.画素部分の回路構成
図2は、図1の画素40の回路構成図である。なお、図1と同じ配線には同じ番号を付しており、説明は省略する。また、全画素に共通の共通電極配線55については記載を省略している。
画素40には、駆動用TFT(Thin Film Transistor)48と、ラッチ回路70と、スイッチ回路80が設けられている。画素40は、ラッチ回路70により画像信号を電位として保持するSRAM(Static Random Access Memory)方式の構成をとる。
駆動用TFT48は、N−MOSトランジスタからなる画素スイッチング素子である。駆動用TFT48のゲート端子は走査線66に接続され、ソース端子はデータ線68に接続され、ドレイン端子はラッチ回路70のデータ入力端子に接続されている。ラッチ回路70は転送インバーター70tと帰還インバーター70fとを備えている。転送インバーター70t、帰還インバーター70fには、低電位電源線49(Vss)と高電位電源線50(Vdd)から電源電圧が供給される。
スイッチ回路80は、トランスミッションゲートTG1、TG2からなり、ラッチ回路70に記憶された画素データのレベルに応じて、画素電極35(図3(B)、図3(C)参照)に信号を出力する。なお、Vaは、1つの画素40の画素電極へ供給される電位(信号)を意味する。
ラッチ回路70に画素データ「1」(ハイレベルの画像信号)が記憶されて、トランスミッションゲートTG1がオン状態となると、スイッチ回路80はVaとして信号S1を供給する。一方、ラッチ回路70に画素データ「0」(ローレベルの画像信号)が記憶されて、トランスミッションゲートTG2がオン状態となると、スイッチ回路80はVaとして信号S2を供給する。このような回路構成により、表示制御回路60はそれぞれの画素40の画素電極に対して供給する電位(信号)を制御することが可能である。
1.3.表示方式
本実施形態の電気泳動表示装置10は、二粒子系マイクロカプセル型の電気泳動方式であるとする。分散液は無色透明、電気泳動粒子は白色又は黒色のものであるとすると、白色又は黒色の2色を基本色として少なくとも2色を表示できる。ここでは、電気泳動表示装置10は、基本色として黒色と白色とを表示可能であるとして説明する。そして、黒色を表示している画素を白色で表示すること、又は白色を表示している画素を黒色で表示することを反転と表現する。
図3(A)は、本実施形態の電気泳動素子132の構成を示す図である。電気泳動素子132は素子基板130と対向基板131(図3(B)、図3(C)参照)との間に挟まれている。電気泳動素子132は、複数のマイクロカプセル120を配列して構成される。マイクロカプセル120は、例えば無色透明な分散液と、複数の白色の電気泳動粒子(白色粒子127)と、複数の黒色の電気泳動粒子(黒色粒子126)とを封入している。本実施形態では、例えば白色粒子127は負に帯電しており、黒色粒子126は正に帯電しているとする。
図3(B)は、電気泳動表示装置10の表示部3の部分断面図である。素子基板130と対向基板131は、マイクロカプセル120を配列してなる電気泳動素子132を狭持している。表示部3(図1参照)は、素子基板130の電気泳動素子132側に、複数の画素電極35が形成された駆動電極層350を含む。図3(B)では、画素電極35として画素電極35Aと画素電極35Bが示されている。画素電極35により、画素ごとに電位を供給することが可能である(例えば、Va、Vb)。ここで、画素電極35Aを有する画素を画素40Aとし、画素電極35Bを有する画素を画素40Bとする。画素40A、画素40Bは画素40(図1、図2参照)に対応する2つの画素である。
一方、対向基板131は透明基板であり、表示部3において対向基板131側に画像表示がなされる。表示部3は、対向基板131の電気泳動素子132側に、平面形状の共通電極37が形成された共通電極層370を含む。なお、共通電極37は透明電極である。共通電極37は、画素電極35と異なり全画素に共通の電極であり、電位Vcomが供給される。
共通電極層370と駆動電極層350との間に設けられた電気泳動表示層360に電気泳動素子132が配置されており、電気泳動表示層360が表示領域となる。共通電極37と画素電極(例えば、35A、35B)との間の電位差に応じて、画素毎に所望の表示色を表示させることができる。なお、電気泳動表示層360を駆動電極層350に対して固定するために、これらの間に例えば導電性の接着層(図外)が設けられることがある。
図3(B)では、共通電極側の電位Vcomが画素40Aの画素電極の電位Vaよりも高電位である。このとき、負に帯電した白色粒子127が共通電極37側に引き寄せられ、正に帯電した黒色粒子126が画素電極35A側に引き寄せられるため、画素40Aは白色を表示していると視認される。
図3(C)では、共通電極側の電位Vcomが画素40Aの画素電極の電位Vaよりも低電位である。このときは逆に、正に帯電した黒色粒子126が共通電極37側に引き寄せられ、負に帯電した白色粒子127が画素電極35A側に引き寄せられるため、画素40Aは黒色を表示していると視認される。なお、図3(C)の構成は図3(B)と同様であり説明は省略する。また、図3(B)、図3(C)ではVa、Vb、Vcomを固定された電位として説明したが、実際にはVa、Vb、Vcomは時間とともに電位が変化する。以下では、電位Va、Vb、Vcomを与える信号をパルス信号という。そして、特に共通電極へのパルス信号を駆動パルス信号という。
ここで、図3(B)の後に、図3(C)の状態に変化したとする。このとき、画素40Aは白色の後に黒色が表示されており、印加電界の方向が正反対に変化している。画素40Aについては、印加電界が対称的でありDCバランスがとられている。一方、画素40Bは白色だけが表示されており、印加電界が対称的でなく、DCバランスがとられていない。電気泳動表示装置の長期信頼性を確保するためには、この例の画素40Aのように、反転表示を行う必要がある。
1.4.駆動方式
まず、制御部(図1の表示制御回路60が対応)が表示部に画像を表示する制御を行うときのパルス信号の駆動方式について図4(A)〜図7(E)を参照して説明する。
1.4.1.部分駆動方式
図4(A)は部分駆動方式の波形図である。電気泳動表示装置では、応答速度を速めるために、表示部の全体を描画するのではなく、書き換え対象である一部を描画する場合がある。部分駆動方式によって、書き換え対象である一部の描画ができる。なお、図4(A)のVa、Vb、Vcomは図3(B)〜図3(C)と同じであり、Va、Vb、Vcomはハイレベル(VH)、ローレベル(VL)、またはハイインピーダンス状態(Hi−Z)をとり得る。
図4(A)のVcomは、共通電極への駆動パルス信号の例を示す。ここでのVcomは、あるパルス幅T1(以下、単にT1とする)で第1の電位を共通電極に印加するパルスの後に、短いパルス幅T2(以下、単にT2とする)で第2の電位を共通電極に印加するパルス(逆電位駆動パルス)が続き、それが繰り返される。ただし、図4(A)のように駆動停止の直前では例外的に第1の電位を共通電極に印加して終了する。パルス幅の短い逆電位駆動パルスにより、部分書き換え時の駆動時間をより短縮することができる。ここで、白色表示をする場合には第1の電位はVH(第2の電位はVL)であり、黒色表示をする場合には第1の電位はVL(第2の電位はVH)である。また、例えば、T2はT1の1%〜15%程の短い時間であってもよい。
この例では、画素40Aの画素電極に印加される電位Vaを与えるパルス信号は駆動パルス信号の反転信号である。また、画素40Bの画素電極に印加される電位Vbを与えるパルス信号は駆動パルス信号と同じ信号(正転信号)である。画素40Aと画素40Bは例えば図3(B)で示された2つの画素である。画素40Aは、図4(A)の「白色表示」と示された期間に黒色から白色へと書き換えられ、「黒色表示」と示された期間に白色から黒色へと書き換えられる。一方、画素40Bは、共通電極と画素電極との間に電界を生じないため書き換えが行われずに当初からの黒色表示を維持する。
図4(B)は、図4(A)の例による画素40A、画素40Bの色(反射率)の変化を示す図である。まず、画素40Aについて説明する。画素40Aは最初に黒色で表示されているものとする。「白色表示」のT1に対応する区間では、画素電極の電位はVLで共通電極の電位はVHであるため白色表示に近づく。しかし、「白色表示」のT2に対応する区間では、画素電極の電位はVHで共通電極の電位はVLであるため黒色表示に近づく。しかし、T1>T2であるため、画素40Aは「白色表示」の期間の最後には白色で表示される。そして、画素40AはVcomの極性が反転した「黒色表示」の期間の最後には黒色で表示される。
一方、画素40Bは、常にVcomと同じ信号が画素電極に供給されているので電位差が生じることはなく当初からの黒色表示を続ける。このように部分駆動方式では、変化させたい画素のみを駆動することができ、画像の書き換えにおける応答速度を速めることができる。特に、パルス幅の短い逆電位駆動パルスを使用することで部分書き換え時の駆動時間を短縮することができる。
なお、書き換え対象である一部を描画する場合に適していることから、このようなパルス信号の駆動方式を部分駆動方式と呼ぶ。しかし、部分駆動方式は、書き換え対象を表示部の一部の画素に限るものではない。そのため、表示部の全画素を、部分駆動方式で描画することが可能である。
1.4.2.部分駆動方式での問題
図5(A)〜図5(D)は、部分駆動方式で一部の領域を書き換え続けた場合における局所的なコントラスト比の低下を説明する図である。図5(A)〜図5(C)では、表示部3に時刻表示(10:05、又は10:06)が行われており、部分駆動方式で分一桁を含む領域51を書き換えている。
図5(A)では時刻10:05が表示されている。そして、時刻が10:06に変化するときに、図5(B)のように領域51の分一桁の「5」を反転表示(白色に表示)して消去する。次に、図5(C)のように、白色を背景とする黒色の「6」が正転表示される。このとき、図5(A)と図5(B)とでDCバランスがとられ、しかも表示部3の一部である領域51の範囲で更新されるので更新表示にかかる時間は短くてすむ。図5(A)〜図5(C)のように時刻表示を部分駆動方式によって更新することで、DCバランスをとって長期信頼性を確保し、早い更新表示が可能な電気泳動表示装置を実現できる。
しかし、このような更新表示を長期間続けると、局所的なコントラスト比の低下を生じることがある。この様子を表したのが図5(D)である。図5(D)では、表示部3の全面を白色表示しているが、領域51においてコントラスト比の低下が生じている。そのため、領域51の白色が他の領域(例えば領域52)と異なっている。
ここで、局所的なコントラスト比の低下は、表示部3の一部の領域51に電界を印加することを長い間繰り返すことで生じる。つまり、領域51についての電圧の印加に用いる信号を駆動する回数と、領域51以外の領域(例えば領域52)についての駆動回数とが、時間の経過と共に大きく異なってくることで生じる。図5(D)のような局所的なコントラスト比の低下は、表示部3の表示品質を低下させてしまう。
1.4.3.全面駆動方式
図6(A)は全面駆動方式の波形図である。電気泳動表示装置では、表示部の全体を描画する全面駆動方式で画像を表示することもできる。このとき、表示部の一部の領域に電界を印加することを長い間繰り返すことがないので、部分駆動方式とは異なり、局所的なコントラスト比の低下を生じることはない。なお、図6(A)のVa、Vb、VcomやVH、VLは、図3(A)〜図4(B)と同じであり説明を省略する。
図6(A)は、全面駆動方式によって、画素40Aを黒色から白色に、画素40Bを白色から黒色に変化させる場合の波形図を示す。図6(A)では表示色が変化する間、Vaはローレベル(VL)のままであり、Vbはハイレベル(VH)のままである。そして、VcomはVLとVHとを等しい時間だけ繰り返している。つまり、図6(A)のパルス幅T3(以下、単にT3とする)とパルス幅T4(以下、単にT4とする)とは等しい。
図6(B)は、図6(A)の例による画素40A、画素40Bの色(反射率)の変化を示す図である。画素40Aについては、最初に黒色で表示されている。図6(B)のT3に対応する区間では、画素電極の電位はVLで共通電極の電位はVHであるため白色表示に近づく。図6(B)のT4に対応する区間では、画素電極と共通電極に電位差が生じないので色は維持される。そして、最終的には画素40Aは黒色から白色に変化する。
一方、画素40Bについては、最初に白色で表示されている。図6(B)のT3に対応する区間では、画素電極と共通電極に電位差が生じないので色は維持される。図6(B)のT4に対応する区間では、画素電極の電位はVHで共通電極の電位はVLであるため黒色表示に近づく。そして、最終的には画素40Bは白色から黒色に変化する。
ここで、全面駆動方式では、表示部3の全ての画素の画素電極にVL又はVHの電位が印加される。そして、表示部の一部の領域に対してのみ電界を印加することを長い間繰り返すことがないので、局所的なコントラスト比の低下を生じることはない。
なお、全面駆動方式では、表示部の全画素が描画の対象であり、表示部の一部の画素だけを書き換えることはできない。その名称の通り、表示部の全画素を描画することになる。
1.4.4.全面駆動方式での問題
図7(A)〜図7(E)は全面駆動方式での残像の発生を説明する図である。まず、図7(A)のように、表示部3を4つの領域(左上、右上、左下、右下)に分割し、左上の領域、右上の領域を特にそれぞれ領域X、領域Yとよぶことにする。ここで、図3(B)のように隣り合う画素40A、画素40Bがあり、それぞれ領域X、領域Yに含まれるものとする。
図7(B)〜図7(D)は、全面駆動方式で画像を更新した様子を表す。まず、図7(B)では領域Xを含む表示部3の左半分が白色で表示されており、領域Yを含む右半分が黒色で表示されている。図7(B)は更新前の元画像であるとする。
その後、領域X、領域Yを含む上半分が黒色の画像となるように表示画像の更新が行われるとする。このとき、DCバランスをとるために、まず図7(C)のように反転表示が行われる。つまり、図7(C)のように領域X、領域Yは白色で表示される。
そして、図7(D)のように領域X、領域Yを含む上半分が黒色の画像が表示されるが、領域Yの黒色と領域Xの黒色とは異なっている。図7(D)の例では、領域Xの黒色は領域Yの黒色よりも反射率が高い。このような反射率の違いにより、全面駆動方式によって画像を更新した場合に残像が発生することがある。
図7(E)は、領域Xに含まれる画素40Aと、領域Yに含まれる画素40Bの反射率の変化を比較したものである。図7(E)の区間Tは図7(B)に、区間Tは図7(C)に、区間Tは図7(D)に対応する。まず、画素40Aは、最初(区間T)は白色であって、その後に白色、黒色と変化する(区間T、T)。この変化を(白色、白色、黒色)のように表現する。すると、画素40Bの変化は(黒色、白色、黒色)と表すことができる。
ここで、全面駆動方式でパルス信号の駆動時間を十分長くした場合(TEX分だけTを延ばす場合)には画素40Aも画素40Bも図7(E)の反射率R(=R)に収束する。そのため、反射率に差が生じないので、残像が発生することもない。しかし、実際には表示画像の更新時間を短くするためにTEX分の延長はない。すると、(白色、白色、黒色)と変化する画素40Aは反射率Rに、(黒色、白色、黒色)と変化する画素40Bは反射率Rになるので、反射率に差が生じて残像が発生する。
よって、部分駆動方式ではなく、全面駆動方式を行った場合には、局所的なコントラスト比の低下は生じないが、別の問題として同方式に固有の残像(以下、全面駆動方式固有の残像とする)が発生するおそれがある。そのため、局所的なコントラスト比の低下や全面駆動方式固有の残像の問題を発生させない電気泳動表示装置の駆動方法が求められている。
1.5.比較例における表示例
局所的なコントラスト比の低下や全面駆動方式固有の残像を発生させない電気泳動表示装置の駆動方法として、まず、以下の比較例の方法が考えられる。図8(A)〜図8(H)は比較例における表示例を表す。図8(A)〜図8(H)のそれぞれの左図は表示部3の表示画像を表し、右図は表示部3の表示を行うために駆動される画素を濃灰色(ダークグレー)で表した駆動画素13を表す。駆動画素13の下部には、全面駆動方式か部分駆動方式かの区別と、駆動画素13の濃灰色(ダークグレー)で表された画素が黒色表示されるのか、白色表示されるのかの区別が示されている。
図8(A)〜図8(H)の工程名は、後述するフローチャートの工程名に対応するものである。なお、工程名のあとに付してある括弧で囲まれた数字は、同じ名称の工程を区別するためのもので、実行の順番を表している。
ここで、電気泳動表示装置の制御部は、表示部の画像を、すでに表示している元画像から次の新画像へと更新する制御を行う。つまり、元画像を消去し、新画像を表示するための制御を実行する。
元画像を消去する制御や新画像を表示する制御は所定の順番で実行される。画像の更新に関する制御を実行するそれぞれの段階を工程という。例えば、制御部が第1画像表示制御を実行する段階を第1画像表示工程と表現する。そして、以下において各工程で制御部が対応する制御を実行することを、単に「工程を実行する」と表現する。例えば第1画像表示工程において制御部が第1画像表示制御を実行することを、単に第1画像表示工程を実行する、と表現する。
図8(A)は、第1画像表示工程(1)を実行したときの表示部3の表示画像と、そのための駆動画素13を表す。第1画像表示工程(1)では、部分駆動方式によって、表示部3に時刻表示10:05(第1の画像に対応)を黒色(第1色に対応)で表示する。なお、第1画像表示工程(1)の実行前は、表示部3は全面が白色の状態であったとする。
図8(B)は、第1画像消去工程(1)を実行したときの表示部3の表示画像と、そのための駆動画素13を表す。第1画像消去工程(1)では、部分駆動方式によって、表示部3に時刻表示10:05以外の部分(第1の画像の背景に対応)を黒色(第1色に対応)で表示する。このとき、表示部3は、全面が黒色の状態になる。
図8(C)は、第2画像表示工程(1)を実行したときの表示部3の表示画像と、そのための駆動画素13を表す。第2画像表示工程(1)では、部分駆動方式で、表示部3に時刻表示10:06以外の部分(第2の画像の背景に対応)を白色(第2色に対応)で表示する。このとき、表示部3には、黒色で時刻表示10:06が表示されることになる。
図8(D)は、第2画像消去工程(1)を実行したときの表示部3の表示画像と、そのための駆動画素13を表す。第2画像消去工程(1)では、部分駆動方式で、時刻表示10:06(第2の画像に対応)を白色(第2色に対応)で表示する。このとき、表示部3は、全面が白色の状態になる。
図8(E)は、第2画像消去工程(1)の後で、次の第1画像表示工程(2)を実行したときの表示部3の表示画像と、そのための駆動画素13を表す。第1画像表示工程(2)では、部分駆動方式で、表示部3に時刻表示10:07(第1の画像に対応)を黒色(第1色に対応)で表示する。
以下、図8(F)〜図8(H)は、それぞれ図8(B)〜図8(D)で、第1の画像が時刻表示10:07、第2の画像が時刻表示10:08である場合に対応するので、詳細な説明を省略する。なお、図8(A)〜図8(H)の例では、1分おきに時刻表示が変化して、各工程もその変化に対応して実行される。例えば、時刻表示10:05が表示(図8(A))されてから1分後に、表示部3は全面が黒色の状態になり(図8(B))、続けて時刻表示10:06が表示される(図8(C))。
これらの工程(第1画像表示工程、第1画像消去工程、第2画像表示工程、第2画像消去工程)は、全て部分駆動方式であり、全面駆動方式固有の残像は発生しない。
ここで、第1画像表示工程(1)と第1画像消去工程(1)の駆動画素13を合わせると表示部全体の画素を黒色へと変化させている(図8(A)〜図8(B)のa1)。一方、第2画像表示工程(1)と第2画像消去工程(1)の駆動画素13を合わせると表示部全体の画素を白色へと変化させている(図8(C)〜図8(D)のb1)。よって、これらの4つの工程で、DCバランスがとられている(図8(A)〜図8(D)のa1とb1)。なお、図8(E)〜図8(H)のa2とb2についても、同様にDCバランスがとられることになる。
ここで、比較例では、部分駆動方式で生じ得る局所的なコントラスト比の低下の問題もない。つまり、表示部全体の画素を黒色(第1画像表示工程と第1画像消去工程)、又は白色(第2画像表示工程と第2画像消去工程)へと変化させているので、表示部全体に均一に電界を印加しているからである。
局所的なコントラスト比の低下は、表示部の一部の領域(以下、特定領域)に電界を印加することを長い間繰り返すことで生じる。つまり、特定領域についての電圧の印加に用いる信号を駆動する回数と、特定領域以外の領域についての駆動回数とが、時間の経過と共に大きく異なってくることで生じる。本発明の電気泳動表示装置の駆動方法では、このような特定領域が生じることはないため、局所的なコントラスト比の低下は発生しない。
よって、比較例は、DCバランスをとりつつ、局所的なコントラスト比の低下や全面駆動方式固有の残像の問題を発生させない電気泳動表示装置の駆動方法である。
1.6.比較例のフローチャート
図9のフローチャートは、制御部が行う比較例の制御処理を表す。図9のように、第1の画像(例えば、分一桁が奇数の時刻表示)を第1色(例えば黒色)で表示させる第1画像表示工程(S2)が実行される。そして、第1の画像の背景を第1色で表示することで表示部全体を第1色にする第1画像消去工程(S4)が実行される。続いて、第2の画像(例えば、分一桁が偶数の時刻表示)の背景を第2色(例えば白色)で表示させる第2画像表示工程(S12)が実行される。そして、第2の画像を第2色で表示することで表示部全体を第2色にする第2画像消去工程(S14)が実行される。そして、第2画像消去工程(S14)の後は、次の第1画像表示工程(S2)に戻る。
ここで、比較例では、これらの4つの工程でDCバランスがとられるため、時刻表示のように偶数回の表示画像の更新(表示および消去)が予定されている用途に適している。
1.7.比較例の問題点
しかし、比較例の電気泳動表示装置の駆動方法では、電気泳動表示装置によっては別の理由により残像が生じる可能性がある。図10(A)〜図10(C)は比較例で残像が発生する理由を説明する図である。
図10(A)〜図10(C)において、共通電極37と画素電極35A又は画素電極35Bとの間の矢印は電界を表している。図10(A)〜図10(C)は、図3(B)〜図3(C)で記載を省略した接着層38を含んでいる。接着層38はマイクロカプセルを配列してなる電気泳動素子を固定させる層であり、ここでは、説明のために縮尺を変えて、実際よりも厚く図示している。図10(B)〜図10(C)の領域39Aは、接着層38における画素電極35A付近の領域である。
なお、画素40Aと画素40Bの回路構成は例えば図2と同じであり、それぞれのラッチ回路に保持された画像データに応じて、Va、VbとしてS1またはS2を出力する。つまり、Va、Vb、Vcomは、ハイレベル(VH)、ローレベル(VL)、またはハイインピーダンス状態(Hi−Z)をとり得る。また、図3(A)〜図3(C)と同じ要素には同じ符号を付しており説明を省略する。
ここで、接着層38が導電性の材料で構成されている場合、比較例の電気泳動表示装置の駆動方法でも残像の問題が生じる可能性がある。まず、図10(A)のように、共通電極と画素電極の間に電界が印加される前は、接着層38のイオン(図10(A)〜図10(C)のプラスと記された丸)の分布は均一であると考えられる。
しかし、部分駆動方式で隣接する画素の一方にのみ電界が印加される場合には、イオンの分布に偏りが生じる。図10(B)の例は、画素40Aのみに電界を印加することで領域39Aからイオンが逃げ出し、領域39Aにおいて抵抗が大きくなる様子を表している。つまり、画素40Aのみに黒色表示する電界を印加し、画素40Bはそれまでの黒色を維持すると、領域39Aに存在したイオンが電気的な斥力を受けて拡散する。そのため、領域39Aのイオン濃度が低くなり、画素40A側の抵抗が大きくなる。
すると、その後に画素40A、画素40Bを共に同色で表示するために電界を印加しても、抵抗が大きい画素40A側の電界は弱められて、画素40Aと画素40Bとで反射率が異なる。図10(C)はこのような問題が生じた様子を表している。図10(C)では、画素40Aと画素40Bを共に白色で表示するために電界を印加している。しかし、矢印の太さが示すように、抵抗が大きい画素40A側の実効的な電界は弱められており、画素40B側に比べて電気泳動粒子を移動させにくい。そのため、画素40Bに比べて、画素40Aの反射率は低く黒っぽい色になる。そのため、残像が生じたと思われる可能性がある。
なお、ここではイオンが電気的な斥力を受けて拡散して領域39Aのイオン濃度が低くなる例を示した。しかし、接着層のイオンの種類と電界の方向の組み合わせによっては、イオンが電気的な引力を受けて集中し、領域39Aのイオン濃度が高くなり、画素40A側の抵抗が小さくなることもあり得る。
ここで、この問題について、図11(A)〜図11(D)を用いて視覚的に説明する。なお、図7(A)〜図7(D)と同じ要素には同じ符号を付しており、説明を省略する。まず、図11(A)のように、隣り合う画素40A、画素40Bがあり、それぞれ領域X、領域Yに含まれるものとする。画素40A、画素40Bは、図10(A)〜図10(C)の同じ符号の画素に対応する。
図11(B)は、領域Xを含む表示部3の左半分が白色で表示されており、領域Yを含む右半分が黒色で表示されている。図11(B)は、例えば比較例の第1画像表示工程(図9のS2参照)が終了した後の表示である。このとき、画素40A、画素40Bは図10(A)のような状態になっているものとする。
図11(C)は、領域X、領域Yを含めた画面全体が黒色で表示されている。図11(C)は、例えば比較例の第1画像消去工程(図9のS4参照)が終了した後の表示である。このとき、白色であった領域Xについては、黒色に表示するための電界が印加される。しかし、黒色であった領域Yについては、共通電極と画素電極とに同一の電圧を印加して表示色を維持する。つまり、図11(C)の表示を行う第1画像消去工程では、画素40A、画素40Bは図10(B)に示した状態になっている。
図11(D)は、領域X、領域Yを共に白色に表示したが、領域Xと領域Yとで反射率が異なるため残像のように見える状態を示している。図11(D)は、例えば比較例の第2画像表示工程(図9のS12参照)が終了した後の表示である。このとき、第2画像表示工程では、接着層の画素40A側のイオン濃度が低くなっている。そのため、図10(C)のように画素40A側の電界が弱まる状態になっている。その結果、図11(D)のように、領域X側の白色表示が黒っぽくなる。
このように、比較例では、部分駆動方式を用いることで解決したはずの残像の問題が再び生じる可能性がある。しかも、接着層は様々な材料が用いられるため、イオン濃度の変化は上記の例に限られない。したがって、本実施形態における電気泳動表示装置の駆動方法は、比較例で生じ得る残像の問題を解決する必要がある。
1.8.本実施形態における電気泳動表示装置の駆動方法
本実施形態における電気泳動表示装置の駆動方法について図12(A)〜図15を用いて説明する。なお、図1〜図11(D)と同じ要素については同じ符号を付しており説明を省略する。
図12(A)〜図12(B)は、比較例で生じ得る残像を解消する方法について説明する図である。図12(A)は、図10(B)のような画素40Aと画素40Bとのイオン濃度の分布の不均一を解消する工程を示している。図12(A)は、図10(B)の後に実行され、画素40Aと画素40Bを共に黒色表示するように電界を印加している。このとき、領域39Bに存在したイオンも電気的な斥力を受けて拡散し、領域39Bのイオン濃度は領域39Aと同様に低くなる。なお、領域39Bは、接着層38における画素電極35B付近の領域である。
図12(B)は、図12(A)に続いて画素40A、画素40Bを白色で表示する工程を表している。図12(B)は、比較例における図10(C)の工程に対応する。ここで、図10(C)では領域39Aのイオン濃度が低いために画素40Aの反射率が画素40Bよりも低下しており、残像が見えていた。図12(B)では、領域39Bのイオン濃度も領域39Aと同じであるため、画素40A、画素40Bで電界の強さは同じであり、同じ反射率の白色を表示して残像の問題を解消することができる。なお、この例では、画素40A、画素40Bは共に電界が弱まるために、印加時間を長くするなどの調整を行ってもよい。
図12(A)の工程は、図12(B)における画素40A、画素40Bの白色表示を反転表示(黒色表示)するものである。そして、図12(A)の工程を追加しても、それまで表示されていた色(この例では黒色)を表示し続けるように電界を印加するので、見た目に変化はなく使用者が違和感を覚えることもない。
本実施形態では、図12(A)のように、続く工程での書き換え対象を反転表示する工程を含めることで、比較例での残像を解消することができる。具体的には、比較例と同じ4つの主要工程のそれぞれの前に、書き換え対象を反転表示する4つの予備工程を含める。
図13(A)〜図13(H)は、本実施形態における電気泳動表示装置の駆動方法による表示例を表す。ここで、図13(B)の第1画像表示工程、図13(D)の第1画像消去工程、図13(F)の第2画像表示工程、図13(H)の第2画像消去工程は、比較例と同じである。しかし、それぞれの工程の前に、書き換え対象を反転表示する4つの予備工程が実行される。4つの予備工程は、具体的には、図13(A)の第1画像予備表示工程、図13(C)の第1画像予備消去工程、図13(E)の第2画像予備表示工程、図13(G)の第2画像予備消去工程である。
図13(A)は、第1画像予備表示工程を実行したときの表示部3の表示画像と、そのための駆動画素13を表す。第1画像予備表示工程では、部分駆動方式によって、表示部3に時刻表示10:05(第1の画像に対応)を白色(第2色に対応)で表示する。なお、第1画像予備表示工程の実行前は、表示部3は全面が白色の状態であったとする。
第1画像予備表示工程では、続く第1画像表示工程(図13(B))と同じ書き換え対象(時刻表示10:05)を、第1画像表示工程の場合とは反転して表示する。このとき、表示部3に変化はないが、書き換え対象の画素におけるイオン濃度を同じにして(図12(B)参照)、第1画像表示工程において残像が生じることを回避できる。
図13(B)は、第1画像表示工程を実行したときの表示部3の表示画像と、そのための駆動画素13を表す。図13(B)は、比較例の説明における図8(A)と同じであり、重複を避けるために説明を省略する。
図13(C)は、第1画像予備消去工程を実行したときの表示部3の表示画像と、そのための駆動画素13を表す。第1画像予備消去工程では、部分駆動方式によって、表示部3に時刻表示10:05以外の部分(第1の画像の背景に対応)を白色(第2色に対応)で表示する。
第1画像予備消去工程では、続く第1画像消去工程(図13(D))と同じ書き換え対象(時刻表示10:05)を、第1画像消去工程の場合とは反転して表示する。このとき、表示部3に変化はないが、書き換え対象の画素におけるイオン濃度を同じにして、第1画像消去工程において残像が生じることを回避できる。
図13(D)は、第1画像消去工程を実行したときの表示部3の表示画像と、そのための駆動画素13を表す。図13(D)は、比較例の説明における図8(B)と同じであり、重複を避けるために説明を省略する。
図13(E)は、第2画像予備表示工程を実行したときの表示部3の表示画像と、そのための駆動画素13を表す。第2画像予備表示工程では、部分駆動方式で、表示部3に時刻表示10:06以外の部分(第2の画像の背景に対応)を黒色(第1色に対応)で表示する。このとき、続く第2画像表示工程の反転表示をしており、表示部3に変化はないが、書き換え対象の画素におけるイオン濃度を同じにして残像を回避できる。
図13(F)は、第2画像表示工程を実行したときの表示部3の表示画像と、そのための駆動画素13を表す。図13(F)は、比較例の説明における図8(C)と同じであり説明を省略する。
図13(G)は、第2画像予備消去工程を実行したときの表示部3の表示画像と、そのための駆動画素13を表す。第2画像予備消去工程では、部分駆動方式で、時刻表示10:06(第2の画像に対応)を黒色(第1色に対応)で表示する。このとき、続く第2画像消去工程の反転表示をしており、表示部3に変化はないが、書き換え対象の画素におけるイオン濃度を同じにして残像を回避できる。
図13(H)は、第2画像消去工程を実行したときの表示部3の表示画像と、そのための駆動画素13を表す。図13(H)は、比較例の説明における図8(D)と同じであり説明を省略する。なお、第2画像消去工程の実行後には、次の第1画像予備表示工程(図外)が実行されて、同じように各工程が繰り返されることになる。この例において、次の第1画像予備表示工程の第1の画像は時刻表示10:07である。
これらの工程は、比較例のように全て部分駆動方式であり、全面駆動方式で表示画像の更新処理の時間を短くするときに生じる残像(全面駆動方式固有の残像)は発生しない。また、主要工程(比較例と共通する工程)のそれぞれの直前には、書き換え対象を反転表示する予備工程があるため、イオン分布の不均一に基づく残像も生じない。
ここで、本実施形態の電気泳動表示装置の駆動方法も全体としてDCバランスが取られている。まず、4つの予備工程を1つのグループg0とする。すると、グループg0のうち、第1画像予備表示工程(図13(A))と第1画像予備消去工程(図13(C))の駆動画素13を合わせると表示部全体の画素を白色へと変化させている。一方、第2画像予備表示工程(図13(E))と第2画像予備消去工程(図13(G))の駆動画素13を合わせると表示部全体の画素を黒色へと変化させている。よって、これらの4つの予備工程で、DCバランスがとられている。
また、4つの主要工程を1つのグループg1とする。グループg1については、比較例と工程が同じであり、前記のようにDCバランスがとられている。よって、グループg0とグループg1を合わせた全体としても、DCバランスがとられることになる。その結果、本実施形態の電気泳動表示装置では、長期信頼性を確保でき表示品質が向上する。
これらの工程順をフローチャートに表すと図14のようになる。なお、比較例の図9と同じ工程には同じ符号を付している。図14に示すように、まず第1の画像(例えば、分一桁が奇数の時刻表示)を第2色(例えば白色)で表示させる第1画像予備表示工程(S1)が実行され、続けて第1の画像を第1色(例えば黒色)で表示させる第1画像表示工程(S2)が実行される。
そして、第1の画像の背景を第2色で表示させる第1画像予備消去工程(S3)が実行され、続けて第1の画像の背景を第1色で表示させることで表示部全体を第1色にする第1画像消去工程(S4)が実行される。
その後、第2の画像(例えば、分一桁が偶数の時刻表示)の背景を第1色で表示させる第2画像予備表示工程(S11)が実行され、続いて第2の画像の背景を第2色で表示させる第2画像表示工程(S12)が実行される。
そして、第2の画像を第1色で表示させる第2画像予備消去工程(S13)が実行され、続いて第2の画像を第2色で表示させることで表示部全体を第2色にする第2画像消去工程(S14)が実行される。そして、第2画像消去工程(S14)の後は、次の第1画像予備表示工程(S1)に戻る。
なお、各工程の間の時間は適宜調整されてもよい。例えば、第1の画像や第2の画像が時刻表示の場合には、第1画像表示工程と第2画像表示工程との間が1分になるように調整されてもよい。
図15は本実施形態における波形図の例である。なお、図1〜図14と同じ要素には同じ符号を付しており説明を省略する。対応工程は図13(A)〜図13(H)と同じである。この例では、電位Vaが画素電極に印加される画素40Aは、第1の画像および第2の画像を構成する1つの画素であるとする。また、電位Vbが画素電極に印加される画素40Bは、第1の画像の背景および第2の画像の背景を構成する1つの画素であるとする。
例えば、第1画像予備表示工程では、第1の画像を白色で表示し(図15のVa参照)、第1の画像の背景を白色のまま維持する(図15のVb参照)。また、例えば、第1画像表示工程では、第1の画像を黒色で表示し(図15のVa参照)、第1の画像の背景を白色のまま維持する(図15のVb参照)。
本実施形態における電気泳動表示装置の駆動方法は、4つの予備工程を含むことでイオン分布の不均一に基づく残像の発生を回避する。このとき、予備工程は書き換え対象の画素におけるイオン濃度が同じになる程度の時間だけ実行されればよい。つまり、第1画像予備表示工程は、続く第1画像表示工程よりも実行時間が短くてもよい。第1画像予備消去工程、第2画像予備表示工程、第2画像予備消去工程は、それぞれ続く第1画像消去工程、第2画像表示工程、第2画像消去工程よりも実行時間が短くてもよい。
このとき、DCバランスをとるためには、主要工程の各工程の実行時間が同じであることが好ましい。また、予備工程の各工程の実行時間が同じであることが好ましい。このことを前提とすると、予備工程(第1画像予備表示工程、第1画像予備消去工程、第2画像予備表示工程、第2画像予備消去工程)の実行時間は主要工程よりも短い、と表現することができる。なお、図15ではVH、VLといった電位は固定であるが、可変である場合には、予備工程の電圧時間積が主要工程よりも小さくなるようにしてもよい。電圧時間積とは、共通電極と画素電極との間の電圧と、その印加時間とを乗じて得られる値である。
図15の波形図のように、予備工程の実行時間を主要工程よりも短くすることで、予備工程を含んでも、表示画像の更新時間が倍増するという問題が生じることはない。また、予備工程において電圧を低くする制御を行った場合には、予備工程が追加されることによる消費電力の増大を抑えることができる。
2.第2実施形態
本発明の第2実施形態について図16(A)〜図17を参照して説明する。第2実施形態についても、電気泳動表示装置の構成は第1実施形態と同じであるが(図1参照)、駆動方法が一部異なる。なお、図1〜図15と同じ要素については同じ符号を付しており説明を省略する。
2.1.パターン境界線
第1実施形態(および比較例)では、局所的なコントラスト比の低下を防ぐために、第1の画像(又は第2の画像)を駆動する工程と、第1の画像の背景(又は第2の画像の背景)を駆動する工程とを含む。ここで、電気泳動表示装置において電気泳動粒子のうち最後に駆動された色の粒子が広がりやすいことが知られている。そのため、第1の画像(又は第2の画像)の境界が工程によって内側又は外側にずれることがあり、輪郭部分に生じる境界線(パターン境界線)が視認される場合がある。
例えば、第1画像表示工程が長時間続いた場合に、第1の画像の輪郭を超えて背景の一部まで黒色が広がる可能性がある。その後の第1画像消去工程では、第1の画像の背景が黒色で表示される。しかし、既に黒色が広がった背景の一部を黒色表示した場合の反射率と、それ以外(白色)の背景を黒色表示した場合の反射率とが異なるため、パターン境界線が視認される可能性がある。第2実施形態では、このようなパターン境界線が万一発生しても、目立ちにくくすることができるため、表示品質を向上させることができる。
2.2.本実施形態の表示例
図16(A)〜図16(J)は本実施形態の表示例を表す。図16(A)〜図16(J)の工程名は、後述するフローチャートの工程名に対応するものである。なお、重複説明を避けるため、図13(A)〜図13(H)と異なる工程についてのみ説明する。
本実施形態では、図16(E)のように表示部3の全画素を黒色(第1色に対応)で表示させる第1単一色表示工程と、図16(J)のように表示部3の全画素を白色(第2色に対応)で表示させる第2単一色表示工程とを含む。なお、図16(A)〜図16(D)は、図13(A)〜図13(D)と同じ工程のため説明を省略する。また、図16(F)〜図16(I)は、図13(E)〜図13(H)と同じ工程のため説明を省略する。
図16(E)の第1単一色表示工程は、図16(D)の第1画像消去工程の後に、部分駆動方式で表示部3の全画素を黒色にする。このとき、図16(D)の第1画像消去工程で生じる可能性のあるパターン境界線を目立たなくすることができる。
また、図16(J)の第2単一色表示工程は、図16(I)の第2画像消去工程の後に、部分駆動方式で表示部3の全画素を白色にする。このとき、図16(I)の第2画像消去工程で生じる可能性のあるパターン境界線を目立たなくすることができる。
本実施形態の電気泳動表示装置の駆動方法では、第1単一色表示工程および第2単一色表示工程を含むことで、第1の画像や第2の画像の輪郭部分に生じる境界線(パターン境界線)がある場合にも、パターン境界線を目立たなくすることができる。なお、本発明の電気泳動表示装置の駆動方法では、第1単一色表示工程と第2単一色表示工程とでDCバランスがとられることになる(グループg2)。ここで、前記のようにグループg0とグループg1はそれぞれDCバランスが取られているので、全体としてDCバランスが取られている。
2.3.フローチャート
本実施形態の電気泳動表示装置の制御部が行う制御処理は、図17のフローチャートの通りである。なお、図14と同じステップ(工程)には同じ符号を付しており詳細な説明を省略する。
本実施形態では、第1の画像を、第2色で表示させる第1画像予備表示工程(S1)、第1色で表示させる第1画像表示工程(S2)が続いて実行される。そして、第1の画像の背景を、第2色で表示させる第1画像予備消去工程(S3)、第1色で表示させて表示部全体を第1色にする第1画像消去工程(S4)が続いて実行される。しかし、第1画像消去工程(S4)においてパターン境界線が生じる可能性がある。そこで、パターン境界線を目立たなくするために、表示部全体を第1色にする第1単一色表示工程を続いて実行する(S5)。本実施形態では、部分駆動方式で表示部全体を第1色にする。
その後、第2の画像の背景を、第1色で表示させる第2画像予備表示工程(S11)、第2色で表示させる第2画像表示工程(S12)が続いて実行される。そして、第2の画像を、第1色で表示させる第2画像予備消去工程(S13)、第2色で表示させて表示部全体を第2色にする第2画像消去工程(S14)が続いて実行される。しかし、第2画像消去工程(S14)においてパターン境界線が生じる可能性がある。そこで、パターン境界線を目立たなくするために、表示部全体を第2色にする第2単一色表示工程を続いて実行する(S15)。本実施形態では、部分駆動方式で表示部全体を第2色にする。そして、第2単一色表示工程(S15)の後は、次の第1画像予備表示工程(S1)に戻る。
ここで、本実施形態の電気泳動表示装置では、これらの10の工程でDCバランスがとられるため、時刻表示のように偶数回の表示画像の更新(表示および消去)が予定されている用途に適している。
3.適用例
本発明の適用例について図18〜図19(B)を参照して説明する。なお、図1〜図17と同じ要素については同一符号を付して説明を省略する。第1実施形態、第2実施形態の電気泳動表示装置は、例えば時刻表示を行う電子時計などの電子機器に適用できる。
3.1.電子機器のブロック図
図18は適用例に係る電子機器1のブロック図である。電子機器1は、CPU2、入力部4、記憶部5、電気泳動表示装置10を含む。電気泳動表示装置10は、第1実施形態又は第2実施形態の電気泳動表示装置であって、様々な画像を表示する表示部3を含む。
CPU2は、他のブロックを制御し様々な演算や処理を行う。CPU2は、例えば記憶部5からプログラムを読み込み、プログラムに従って電気泳動表示装置10に時刻信号などを入力してもよい。
入力部4は、例えば電子機器1の使用者からの指示を受け取り、指示に応じた信号を他のブロックに出力してもよい。
記憶部5は、例えばDRAMやSRAMなどのメモリーであってもよいし、ROMを含んでいてもよい。CPU2が使用するプログラムは、例えば記憶部5が含むROMに書かれていてもよい。
表示部3は、電気泳動表示装置10の一部であって、例えば時刻を表示したり、文字、写真などを表示したりしてもよい。
電子機器1は、第1実施形態又は第2実施形態の電気泳動表示装置10を含むことで、表示画像のDCバランスをとりつつ、局所的なコントラスト比の低下や残像の発生を抑えることができる。そのため、長期的信頼性に優れ、表示品質のよい電子機器を実現できる。
3.2.電子機器の具体例
図19(A)〜図19(B)に、電子機器の具体例を示す。図19(A)は電子機器の1つである電子時計1000の正面図である。電子時計1000は、例えば腕時計であり、時計ケース1002と、時計ケース1002に連結された一対のバンド1003とを備える。時計ケース1002の正面には、電気泳動表示装置10の表示部3(図18参照)である表示部1004が設けられ、時刻表示1005を行っている。時計ケースの側面には、2つの操作ボタン1011と1012とが設けられ、入力部4(図18参照)として機能する。
また、例えば図19(B)は電子機器の1つである電子ペーパー1100の斜視図である。電子ペーパー1100は可撓性を有し、電気泳動表示装置10の表示部3(図18参照)である表示領域1101と、本体1102とを備えている。
第1実施形態、第2実施形態の電気泳動表示装置は、これらの具体例を含む、様々な電子機器に適用できる。そして、そのような電子機器は、DCバランスが取れていることで表示部の長期信頼性を確保でき、局所的なコントラスト比の低下、全面駆動方式固有の残像、イオンの不均一な分布で生じる残像の発生を抑えることで表示品質を向上させることができる。
4.その他
第2実施形態では、表示部の全画素を単一色表示する場合でも、部分駆動方式が用いられていた。しかし、全面駆動方式を用いてもよい。具体的には、第2実施形態において第1単一色表示工程、第2単一色表示工程で、全面駆動方式によって、表示部の全画素をそれぞれ第1色、第2色で表示させてもよい。
前記の実施形態においては、電気泳動表示装置は、黒粒子および白粒子による白黒二粒子系の電気泳動が行われるものに限られず、青白等の一粒子系の電気泳動を行っても良く、また、白黒以外の組み合わせでも構わない。
そして、電気泳動表示装置に限らず、メモリー性の表示手段に前記の駆動方法が適用されてもよい。例えば、ECD(Electrochromic Display=エレクトロクロミックディスプレイ)、強誘電性液晶ディスプレイ、コレステリック液晶ディスプレイ等である。
さらに、前記の適用例の電子時計は、腕時計に限らず、置き時計、掛け時計、懐中時計などの時計機能を有する機器に広く適用できる。
これらの例示に限らず、本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…電子機器、2…CPU、3…表示部、4…入力部、5…記憶部、10…電気泳動表示装置、13…駆動画素、35,35A,35B…画素電極、37…共通電極、38…接着層、39A,39B…領域、40,40A,40B…画素、48…駆動用TFT(Thin Film Transistor)、49…低電位電源線(Vss)、50…高電位電源線(Vdd)、51,52…領域、55…共通電極配線(Vcom)、60…表示制御回路、61…走査線駆動回路、62…データ線駆動回路、63…コントローラー、64…共通電源変調回路、66…走査線、68…データ線、70…ラッチ回路、80…スイッチ回路、91…第1のパルス信号線(S)、92…第2のパルス信号線(S)、120…マイクロカプセル、126…黒色粒子、127…白色粒子、130…素子基板、131…対向基板、132…電気泳動素子、160…記憶部、350…駆動電極層、360…電気泳動表示層、370…共通電極層、1000…電子時計、1002…時計ケース、1003…バンド、1004…表示部、1005…時刻表示、1011,1012…操作ボタン、1100…電子ペーパー、1101…表示領域、1102…本体

Claims (6)

  1. 一対の基板間に電気泳動粒子を含む電気泳動素子を狭持し、少なくとも第1色と第2色を表示可能な画素を有する表示部を含み、一方の前記基板と前記電気泳動素子との間に前記画素に対応する画素電極が形成され、他方の前記基板と前記電気泳動素子との間に、複数の前記画素電極と対向する共通電極が形成された電気泳動表示装置の駆動方法であって、
    前記共通電極に第1の電位と第2の電位とを繰り返す駆動パルス信号に基づく電圧を印加し、複数の前記画素電極のそれぞれに前記駆動パルス信号の反転信号、又は正転信号に基づく電圧を印加し、前記画素電極と前記共通電極との間に生じた電界によって前記電気泳動粒子を移動させることで前記表示部に表示される画像を書き換える部分駆動方式によって、前記表示部に第1の画像を第2色で表示させる第1画像予備表示工程と、
    前記第1画像予備表示工程の後に、前記部分駆動方式によって、前記表示部に前記第1の画像を第1色で表示させる第1画像表示工程と、
    前記第1画像表示工程の後に、前記部分駆動方式によって、前記表示部に前記第1の画像の背景を前記第2色で表示させる第1画像予備消去工程と、
    前記第1画像予備消去工程の後に、前記部分駆動方式によって、前記表示部に前記第1の画像の背景を前記第1色で表示させる第1画像消去工程と、
    前記第1画像消去工程の後に、前記部分駆動方式によって、前記表示部に第2の画像の背景を前記第1色で表示させる第2画像予備表示工程と、
    前記第2画像予備表示工程の後に、前記部分駆動方式によって、前記表示部に前記第2の画像の背景を前記第2色で表示させる第2画像表示工程と、
    前記第2画像表示工程の後に、前記部分駆動方式によって、前記表示部に前記第2の画像を前記第1色で表示させる第2画像予備消去工程と、を含み、
    前記第2画像予備消去工程の後に、前記部分駆動方式によって、前記表示部に前記第2の画像を前記第2色で表示させる第2画像消去工程と、を含み、
    前記第2画像消去工程の後に、次の第1画像予備表示工程が実行される、電気泳動表示装置の駆動方法。
  2. 請求項1に記載の電気泳動表示装置の駆動方法において、
    前記第1画像消去工程の後、前記第2画像予備表示工程の前に、前記表示部の全画素を前記第1色で表示させる第1単一色表示工程と、
    前記第2画像消去工程の後、次の第1画像予備表示工程の前に、前記表示部の全画素を前記第2色で表示させる第2単一色表示工程と、を含む電気泳動表示装置の駆動方法。
  3. 請求項1乃至2のいずれか1項に記載の電気泳動表示装置の駆動方法において、
    前記第1画像予備表示工程、前記第1画像予備消去工程、前記第2画像予備表示工程、および前記第2画像予備消去工程は、
    これらの工程以外の工程よりも、電圧時間積が小さい、電気泳動表示装置の駆動方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電気泳動表示装置の駆動方法を実行する制御部を備えた電気泳動表示装置。
  5. 請求項4に記載の電気泳動表示装置を含む電子機器。
  6. 請求項4に記載の電気泳動表示装置を含む電子時計。
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