JP2013130396A - マイクロチップ - Google Patents
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Abstract
【課題】気泡を生じることなく、短時間かつ容易に試料溶液をウェル又は流路の内部に導入可能なマイクロチップの提供。
【解決手段】内部が大気圧に対して負圧とされ、液体が穿刺注入される導入部と、内部が大気圧に対して負圧とされ、前記液体を導入部内に穿刺注入するためのニードルを穿刺して管空内を脱気するための脱気領域と、が独立して設けられているマイクロチップを提供する。このマイクロチップでは、ニードルを脱気領域に穿刺した後に導入部に穿刺するようにすることで、ニードルの管空内の空気が除去された状態で導入部への液体注入を行うことができる。
【選択図】図3
【解決手段】内部が大気圧に対して負圧とされ、液体が穿刺注入される導入部と、内部が大気圧に対して負圧とされ、前記液体を導入部内に穿刺注入するためのニードルを穿刺して管空内を脱気するための脱気領域と、が独立して設けられているマイクロチップを提供する。このマイクロチップでは、ニードルを脱気領域に穿刺した後に導入部に穿刺するようにすることで、ニードルの管空内の空気が除去された状態で導入部への液体注入を行うことができる。
【選択図】図3
Description
本技術は、マイクロチップに関する。より詳しくは、マイクロチップに配設された領域内に溶液を導入し、該溶液に含まれる物質あるいは該物質の反応生成物の分析を行うためのマイクロチップに関する。
近年、半導体産業における微細加工技術を応用し、シリコン製やガラス製の基板に化学的あるいは生物学的な分析を行うためのウェル又は流路を設けたマイクロチップが開発されてきている。マイクロチップは、少量の試料で分析が可能で、ディスポーザブルユーズ(使い捨て)が可能であるため、貴重な微量試料や多数の検体を扱う生物学的分析に特に利用されている。
利用例の一つとして、マイクロチップに配設された複数の領域内に物質を導入し、該物質あるいはその反応生成物を光学的に検出する光学検出装置がある。このような光学検出装置としては、マイクロチップの流路内で複数の物質を電気泳動により分離し、分離された各物質を光学的に検出する電気泳動装置や、マイクロチップのウェル内で複数の物質間の反応を進行させ、生成する物質を光学的に検出する反応装置(例えば、核酸増幅装置)などがある。
マイクロチップを用いた分析では、試料が微量であるがゆえに、ウェル又は流路への試料溶液の導入が難しく、ウェル等の内部に存在する空気によって試料溶液の導入が阻害されたり、導入に時間がかかったりする場合があった。また、試料溶液の導入の際に、ウェル等の内部に気泡が生じ、各ウェル等に導入される試料溶液の量がばらつき、分析の精度が低下するという問題があった。また、試料の加熱を伴う分析では、ウェル等の内部に残存した気泡が膨脹し、試料溶液を移動させたり、反応を阻害したりすることがあり、分析の精度及び効率を低下させる要因となっていた。
マイクロチップにおける試料溶液の導入を容易にするため、特許文献1には、「溶液が導入される領域が、内部を大気圧に対して負圧とされて配設されたマイクロチップ。」が開示されている。このマイクロチップでは、内部が負圧とされた領域内にニードルを用いて試料溶液を注入し、陰圧によって吸引させるようにすることで、試料溶液を短時間かつ容易に導入できる。
上記のように、従来のマイクロチップでは、試料溶液の導入の際にウェル又は流路の内部に気泡が生じ、分析の精度又は効率を低下させる問題があった。そこで、本技術は、気泡を生じることなく、短時間かつ容易に試料溶液をウェル又は流路に導入可能なマイクロチップを提供することを主な目的とする。
上記課題解決のため、本技術は、内部が大気圧に対して負圧とされ、液体が穿刺注入される導入領域と、内部が大気圧に対して負圧とされ、前記液体を前記導入領域内に穿刺注入するための中空管を穿刺して管空内を脱気するための脱気領域と、が独立して設けられているマイクロチップを提供する。
このマイクロチップでは、中空管を脱気領域に穿刺した後に導入領域に穿刺するようにすることで、中空管の管空内の空気が除去された状態で導入領域への液体注入を行うことができる。
このマイクロチップでは、前記導入領域と前記脱気領域は、脱気領域に穿刺された前記中空管が脱気領域を挿通してさらに導入領域に穿刺されるように配置されていることが好ましい。
このマイクロチップでは、中空管を脱気領域に穿刺した後に導入領域に穿刺するようにすることで、中空管の管空内の空気が除去された状態で導入領域への液体注入を行うことができる。
このマイクロチップでは、前記導入領域と前記脱気領域は、脱気領域に穿刺された前記中空管が脱気領域を挿通してさらに導入領域に穿刺されるように配置されていることが好ましい。
本技術により、気泡を生じることなく、短時間かつ容易に試料溶液をウェル又は流路の内部に導入可能なマイクロチップが提供される。
以下、本技術を実施するための好適な形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。説明は以下の順序により行う。
1.第一実施形態に係るマイクロチップ
(1)マイクロチップ1aの構成
(2)マイクロチップ1aへのサンプル液の導入
2.第二実施形態に係るマイクロチップ
(1)マイクロチップ1cの構成
(2)マイクロチップ1cへのサンプル液の導入
3.第三実施形態に係るマイクロチップ
(1)マイクロチップ1dの構成
(2)マイクロチップ1dへのサンプル液の導入
4.第四実施形態に係るマイクロチップ
(1)マイクロチップ1eの構成
(2)マイクロチップ1eへのサンプル液の導入
1.第一実施形態に係るマイクロチップ
(1)マイクロチップ1aの構成
(2)マイクロチップ1aへのサンプル液の導入
2.第二実施形態に係るマイクロチップ
(1)マイクロチップ1cの構成
(2)マイクロチップ1cへのサンプル液の導入
3.第三実施形態に係るマイクロチップ
(1)マイクロチップ1dの構成
(2)マイクロチップ1dへのサンプル液の導入
4.第四実施形態に係るマイクロチップ
(1)マイクロチップ1eの構成
(2)マイクロチップ1eへのサンプル液の導入
1.第一実施形態に係るマイクロチップ
(1)マイクロチップ1aの構成
図1及び図2は、本技術の第一実施形態に係るマイクロチップの構成を説明する模式図である。図1は上面模式図であり、図2は図1中P−P断面に対応する断面模式図である。
(1)マイクロチップ1aの構成
図1及び図2は、本技術の第一実施形態に係るマイクロチップの構成を説明する模式図である。図1は上面模式図であり、図2は図1中P−P断面に対応する断面模式図である。
図中符号1aで示すマイクロチップは、試料溶液(サンプル液)が導入される領域(導入領域)として、導入部2、流路31〜35及びウェル41〜45が設けられている。導入部2は、外部からサンプル液が注入される領域であり、ウェル41〜45はサンプル液に含まれる物質あるいは該物質の反応生成物の分析場となる領域である。流路31〜35は、一端において導入部2に連通する主流路と、この主流路から分岐してウェル41〜45に分岐する分岐流路とからなり、導入部2に注入されたサンプル液をウェル41〜45に送液する。ここでは、流路31によりサンプル液の供給を受ける5つのウェルを全てウェル41とし、同様に流路32,33,34,35によりサンプル液の供給を受ける各5つのウェルをそれぞれウェル42,43,44,45として説明する。
また、マイクロチップ1aには、導入部2、流路31〜35及びウェル41〜45とは別個独立の領域として、脱気領域5が設けられている。脱気領域5は、サンプル液の注入のため導入部2に穿刺される中空管(ニードル)の管空内を脱気するための領域である。
マイクロチップ1aは、導入部2、流路31〜35、ウェル41〜45及び脱気領域5を形成した基板層12に基板層11を貼り合わせ、さらに基板層11に基板層13を貼り合わせることにより構成されている。マイクロチップ1aでは、基板層11と基板層12との貼り合わせを大気圧に対して負圧下で行うことにより、導入部2、流路31〜35、ウェル41〜45及び脱気領域5の内部が大気圧に対して負圧(例えば1/100気圧)となるように気密に封止されている。さらに、基板層11と基板層12の貼り合わせは真空下で行い、導入部2等の内部が真空となるように気密に封止することが好ましい。
基板層11,12,13の材料は、ガラスや各種プラスチック類とできる。好ましくは、基板層11を弾性を有する材料とし、基板層12,13をガス不透過性を備える材料とする。
弾性を有する材料としては、ポリジメチルシロキサン(PDMS)等のシリコーン系エラストマーの他、アクリル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、フッ素系エラストマー、スチレン系エラストマー、エポキシ系エラストマー、天然ゴムなどを採用できる。これらの材料のうち、特に弾性に加えてガス透過性を有する材料(例えばPDMS)を用いて基板層11を形成した場合には、基板層11と基板層12との貼り合わせは大気圧(常圧)下で行ってもよい。貼り合わせの後、基板層11,12を負圧(真空)下に静置すれば、導入部2等内の空気が基板層11を透過して排出されるため、導入部2等の内部を大気圧に対して負圧(真空)にできる。
また、ガス不透過性を備える材料としては、ガラスやプラスチック類、金属類、セラミック類などを採用できる。プラスチック類としては、PMMA(ポリメチルメタアクリレート:アクリル樹脂)、PC(ポリカーボネート)、PS(ポリスチレン)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、SAN樹脂(スチレン−アクリロニトリル共重合体)、MS樹脂(MMA−スチレン共重合体)、TPX(ポリ(4−メチルペンテン−1))、ポリオレフィン、SiMA(シロキサニルメタクリレートモノマー)−MMA共重合体、SiMA−フッ素含有モノマー共重合体、シリコーンマクロマー(A)−HFBuMA(ヘプタフルオロブチルメタクリレート)−MMA3元共重合体、ジ置換ポリアセチレン系ポリマー等が挙げられる。金属類としては、アルミニウム、銅、ステンレス(SUS)、ケイ素、チタン、タングステン等が挙げられる。セラミック類としては、アルミナ(Al2O3)、窒化アルミ(AlN)、炭化ケイ素(SiC)、酸化チタン(TiO2)、酸化ジルコニア(ZrO2)、石英等が挙げられる。
基板層11をPDMSなどの弾性を有する材料により形成することで、マイクロチップ1aに次に説明する「自己封止性」を付与することができる。また、基板層12,13をガス不透過性を備える材料により形成することで、ウェル41〜45内に導入されたサンプル液が加熱によって気化し、基板層11を透過して消失(液抜け)するのを防止できる。
ウェル41〜45内に導入された物質の分析を光学的に行う場合には、基板層11,12,13の材料は、光透過性を有し、自家蛍光が少なく、波長分散が小さいために光学誤差の少ない材料を選択することが好ましい。
基板層12への導入部2、流路31〜35、ウェル41〜45及び脱気領域5の成形は、例えば、ガラス製基板層のウェットエッチング又はドライエッチングによって、あるいはプラスチック製基板層のナノインプリント、射出成型又は切削加工によって行うことができる。導入部2等は、基板層11に成形されてもよく、あるいは基板層11に一部を基板層12に残りの部分を成形されてもよい。基板層11,12,13の貼り合わせは、例えば、熱融着、接着剤、陽極接合、粘着シートを用いた接合、プラズマ活性化結合及び超音波接合等の公知の手法により行うことができる。
(2)マイクロチップ1aへのサンプル液の導入
次に、図3も参照して、マイクロチップ1aへのサンプル液の導入方法を説明する。図3は、マイクロチップ1aの断面模式図であり、図1中P−P断面に対応する。
次に、図3も参照して、マイクロチップ1aへのサンプル液の導入方法を説明する。図3は、マイクロチップ1aの断面模式図であり、図1中P−P断面に対応する。
[注入手順]
マイクロチップ1aへのサンプル溶液の導入は、図3(B)に示すように、中空管(以下、「ニードルN」と称する)を用いてサンプル液を導入部2に穿刺注入することによって行う。基板層13の導入部2に対応する位置にはニードルNを挿過させるための開口が設けられており、ニードルNはこの開口から基板層11の表面に穿刺される。ニードルNは、先端が基板層11を貫通し、導入部2に到達するまで穿刺される。
マイクロチップ1aへのサンプル溶液の導入は、図3(B)に示すように、中空管(以下、「ニードルN」と称する)を用いてサンプル液を導入部2に穿刺注入することによって行う。基板層13の導入部2に対応する位置にはニードルNを挿過させるための開口が設けられており、ニードルNはこの開口から基板層11の表面に穿刺される。ニードルNは、先端が基板層11を貫通し、導入部2に到達するまで穿刺される。
マイクロチップ1aでは、導入部2、流路31〜35、ウェル41〜45の内部が大気圧に対して負圧とされているため、ニードルNの先端が導入部2に達すると、ニードルNの他端に接続されたサンプル液保持容器内のサンプル液が陰圧によって吸引され、ニードルNの管空を通って導入部2に導入される。導入部2に導入されたサンプル液は、陰圧によってさらに流路31〜35及びウェル41〜45に送液される。
このとき、導入部2に穿刺されたニードルNの管空内に空気が存在していると、この空気も導入部2に吸引され、流路31〜35又はウェル41〜45の内部で気泡となってしまう場合がある。これを防止するため、マイクロチップ1aにおけるサンプル液導入では、導入部2にニードルNを穿刺してサンプル液の注入を行う注入手順の前に、ニードルNを脱気領域5に穿刺して管空内の空気を除去する脱気手順を行う(図3(A)参照)。
[脱気手順]
すなわち、サンプル液注入に先立って、まず、ニードルNを、基板層13の脱気領域5に対応する位置に設けられた開口を挿過させて基板層11の表面に穿刺し、ニードルNの先端を基板層11を貫通させて脱気領域5に到達させる。脱気領域5の内部も大気圧に対して負圧とされているため、ニードルNの先端が脱気領域5に達すると、管空内の空気が陰圧によって吸引され、サンプル液とともにニードルNの先端から排出される。その結果、ニードルNの管空内が脱気される。
すなわち、サンプル液注入に先立って、まず、ニードルNを、基板層13の脱気領域5に対応する位置に設けられた開口を挿過させて基板層11の表面に穿刺し、ニードルNの先端を基板層11を貫通させて脱気領域5に到達させる。脱気領域5の内部も大気圧に対して負圧とされているため、ニードルNの先端が脱気領域5に達すると、管空内の空気が陰圧によって吸引され、サンプル液とともにニードルNの先端から排出される。その結果、ニードルNの管空内が脱気される。
ニードルNの管空内の空気を完全に吸引するため、脱気領域5の容積は、ニードルNの管空内の容積よりも大きくすることが望ましい。
管空内を脱気した後、ニードルNを脱気領域5から引き抜く。このとき、基板層11をPDMSなどの弾性を有する材料により形成しておくことで、ニードルNの抜去後に、基板層11の弾性変形による復元力で穿刺箇所が自然に封止されるようにできる。本技術においては、基板層の弾性変形によるニードル穿刺箇所の自然封止を、基板層の「自己封止性」と定義するものとする。
脱気領域5の容積がニードルNの管空内の容積よりも大きい場合、その容積差分に相応する体積のサンプル液が脱気領域5に吸引されるが、この自己封止性によって脱気領域5に排出されたサンプル液がマイクロチップの外部に漏れ出ることを防止できる。サンプル液がマイクロチップの外部に漏れ出ると、サンプルの混入(コンタミネーション)や汚染の原因となる。
ニードルNを脱気領域5から引き抜いた後、上述した手順に従って、脱気後のニードルNを導入部2に穿刺して注入手順を行うことにより、流路31〜35又はウェル41〜45の内部に気泡を生じることなくサンプル液を導入できる。
サンプル液の導入後、ニードルNを導入部2から引き抜く。このときも、基板層11をPDMSなどの弾性を有する材料により形成しておくことで、ニードルNの抜去後に、基板層11の弾性変形による復元力で穿刺箇所が自然に封止されるようにできる。
基板11の弾性変形による自己封止を確実とするため、ニードルNには、サンプル液の注入が可能であることを条件に、径の細いものを使用することが望ましい。具体的には、インスリン用注射針として用いられる、先端外径が0.2mm程度の無痛針が好適に使用される。無痛針の基部に接続されるサンプル液保持容器には、汎用のマイクロピペット用チップの先端部を切断したもの用いることができる。これの構成によれば、チップ先端部にサンプル液を充填し、無痛針を導入部2に穿刺することで、マイクロチップ1a内の陰圧によって無痛針に接続されたチップ先端部内のサンプル液が導入部2に吸引されるようにできる。
ニードルNとして、先端外径0.2mmの無痛針を用いる場合、例えばPDMSにより形成された基板層11の厚みは0.5mm以上、加熱が行われる場合には0.7mm以上とされることが好適である。
以上のように、本実施形態に係るマイクロチップ1aでは、脱気手順においてニードルNを脱気領域5に穿刺して管空内の空気を除去した後、注入手順においてニードルNを導入部2に穿刺することで、流路31〜35又はウェル41〜45の内部に気泡を生じることなくサンプル液の導入を行うことができる。
本実施形態では、ガス不透過性を備える基板層12に導入部2、流路31〜35、ウェル41〜45及び脱気領域5を形成し、自己封止性を備える基板層11を貼り合わせ、さらにガス不透過性を備える基板層13を積層した3層構造としたマイクロチップ1aについて説明した。基板層13は、導入部2、流路31〜35、ウェル41〜45及び脱気領域5の減圧状態を維持するため、またウェル41〜45内に導入されたサンプル液の液抜けを防止するために基板層11に貼り合わされることが好ましい。ただし、基板層13は、本技術に係るマイクロチップにおいて必須の構成となるものではなく、本技術に係るマイクロチップは図4に示すマイクロチップ1bのように、基板層11,12からなる2層構造としてもよい。
2.第二実施形態に係るマイクロチップ
(1)マイクロチップ1cの構成
図5は、本技術の第二実施形態に係るマイクロチップの構成を説明する断面模式図である。図中符号1cで示すマイクロチップは、第一実施形態に係るマイクロチップ1aと導入部2、流路31〜35、ウェル41〜45、基板層11,12の構成において同様である。マイクロチップ1cは、脱気領域5を埋込部材51の内空に構成し、基板層13に埋設している点で、脱気領域5を基板層11と基板層12との貼り合わせによって構成したマイクロチップ1aと異なっている。
(1)マイクロチップ1cの構成
図5は、本技術の第二実施形態に係るマイクロチップの構成を説明する断面模式図である。図中符号1cで示すマイクロチップは、第一実施形態に係るマイクロチップ1aと導入部2、流路31〜35、ウェル41〜45、基板層11,12の構成において同様である。マイクロチップ1cは、脱気領域5を埋込部材51の内空に構成し、基板層13に埋設している点で、脱気領域5を基板層11と基板層12との貼り合わせによって構成したマイクロチップ1aと異なっている。
マイクロチップ1cにおいて、脱気領域5は、導入部2、流路31〜35及びウェル41〜45とは別個独立の領域として、埋込部材51の内空に構成されている。埋込部材51は、自己封止性を備える部材により構成され、具体的には基板層11と同様にPDMSなどの弾性を有する材料によって形成される。なお、基板層11,12,13の材料は、マイクロチップ1aにおいて同一の符号を付した基板層と同じである。
マイクロチップ1cは、導入部2、流路31〜35及びウェル41〜45を形成した基板層12に基板層11を貼り合わせ、さらに基板層11に貼り合わされた基板層13に埋込部材51を埋設することにより構成されている。マイクロチップ1cも、マイクロチップ1aと同様に、基板層11と基板層12との貼り合わせを大気圧に対して負圧下で行うことにより、導入部2、流路31〜35、ウェル41〜45の内部が大気圧に対して負圧(好ましくは真空)となるように気密に封止されている。埋込部材51についても、同様に負圧下で部材の形成を行うことにより、内部を大気圧に対して負圧とできる。導入部2等及び埋込部材51の内部は、基板層11及び埋込部材51をPDMS等の弾性に加えてガス透過性を有する材料により形成した場合には、大気圧(常圧)下で基板層の貼り合わせ及び部材の形成を行った後負圧(真空)下に静置することによって減圧してもよい。
(2)マイクロチップ1cへのサンプル液の導入
次に、図6も参照して、マイクロチップ1cへのサンプル液の導入方法を説明する。
次に、図6も参照して、マイクロチップ1cへのサンプル液の導入方法を説明する。
[脱気手順]
マイクロチップ1cへのサンプル溶液の導入では、まず、図6(A)に示すように、ニードルNを基板層13の導入部2に対応する位置に埋設された埋込部材51に穿刺し、ニードルNの先端を埋込部材51の内空として構成された脱気領域5に到達させる。脱気領域5は大気圧に対して負圧とされているため、ニードルNの先端が脱気領域5に達すると、管空内の空気が陰圧によって吸引され、ニードルNの他端に接続されたサンプル液保持容器から吸引されてくるサンプル液とともにニードルNの先端から排出される。これにより、ニードルNの管空内が脱気される。
マイクロチップ1cへのサンプル溶液の導入では、まず、図6(A)に示すように、ニードルNを基板層13の導入部2に対応する位置に埋設された埋込部材51に穿刺し、ニードルNの先端を埋込部材51の内空として構成された脱気領域5に到達させる。脱気領域5は大気圧に対して負圧とされているため、ニードルNの先端が脱気領域5に達すると、管空内の空気が陰圧によって吸引され、ニードルNの他端に接続されたサンプル液保持容器から吸引されてくるサンプル液とともにニードルNの先端から排出される。これにより、ニードルNの管空内が脱気される。
[注入手順]
管空内を脱気した後、ニードルNを、埋込部材51を貫通させて基板層11に穿刺し、先端が基板層11を貫通して導入部2に到達するまで刺し込む。
管空内を脱気した後、ニードルNを、埋込部材51を貫通させて基板層11に穿刺し、先端が基板層11を貫通して導入部2に到達するまで刺し込む。
マイクロチップ1cでは、導入部2、流路31〜35、ウェル41〜45の内部が大気圧に対して負圧とされているため、ニードルNの先端が導入部2に達すると、サンプル液保持容器からサンプル液が陰圧によって吸引され、導入部2に導入される。導入部2に導入されたサンプル液は、陰圧によってさらに流路31〜35及びウェル41〜45に送液される。
サンプル液の導入後、ニードルNを導入部2及び埋込部材51から引き抜く。このとき、基板層11及び埋込部材51をPDMSなどの弾性を有する材料により形成しておくことで、ニードルNの抜去後に、基板層11及び埋込部材51の弾性変形による復元力で穿刺箇所が自然に封止されるようにできる。埋込部材51は、ニードルNが貫通する面をPDMSなどの弾性材料によって形成し、ニードルNが貫通しない面を他の材料(例えば、強度に優れた材料)によって形成したものとしてもよい。
以上のように、本実施形態に係るマイクロチップ1cでは、脱気手順においてニードルNを脱気領域5に穿刺して管空内の空気を除去した後、注入手順においてニードルNを導入部2に穿刺することで、流路31〜35又はウェル41〜45の内部に気泡を生じることなくサンプル液の導入を行うことができる。
本実施形態では、ガス不透過性を備える基板層12に、自己封止性を備える基板層11とガス不透過性を備える基板層13とを順に積層し、基板層13に埋込部材51を埋設したマイクロチップ1cについて説明した。基板層13は、導入部2、流路31〜35、ウェル41〜45及び脱気領域5の減圧状態を維持するため、またウェル41〜45内に導入されたサンプル液の液抜けを防止するために基板層11に貼り合わされることが好ましい。ただし、本技術に係るマイクロチップは、基板層11,12からなる2層構造としてもよい。この場合、埋込部材51は、基板層11表面の脱気領域5に対応する位置に配置される。
3.第三実施形態に係るマイクロチップ
(1)マイクロチップ1dの構成
図7は、本技術の第三実施形態に係るマイクロチップの構成を説明する断面模式図である。図中符号1dで示すマイクロチップは、第一実施形態に係るマイクロチップ1aと導入部2、流路31〜35、ウェル41〜45、基板層11,12,13の構成において同様である。マイクロチップ1dでは、マイクロチップ1aにおいて基板層13の導入部2に対応する位置に設けたニードルNを挿過させるための開口を、基板層14を積層し塞ぐことによって脱気領域5として構成している。
(1)マイクロチップ1dの構成
図7は、本技術の第三実施形態に係るマイクロチップの構成を説明する断面模式図である。図中符号1dで示すマイクロチップは、第一実施形態に係るマイクロチップ1aと導入部2、流路31〜35、ウェル41〜45、基板層11,12,13の構成において同様である。マイクロチップ1dでは、マイクロチップ1aにおいて基板層13の導入部2に対応する位置に設けたニードルNを挿過させるための開口を、基板層14を積層し塞ぐことによって脱気領域5として構成している。
マイクロチップ1dにおいて、脱気領域5は、導入部2、流路31〜35及びウェル41〜45とは別個独立の領域として、基板層13と基板層14との貼り合わせによって構成されている。基板層14は、基板層11と同様に自己封止性を備える材料から形成される。なお、基板層11,12,13の材料は、マイクロチップ1aにおいて同一の符号を付した基板層と同じである。
マイクロチップ1dは、導入部2、流路31〜35及びウェル41〜45を形成した基板層12に基板層11を貼り合わせ、さらに脱気領域5を形成した基板層13と基板層14を順に貼り合わせることにより構成されている。マイクロチップ1dでは、基板層11と基板層12との貼り合わせ及び基板層13と基板層14との貼り合わせを大気圧に対して負圧下で行うことにより、導入部2、流路31〜35、ウェル41〜45及び脱気領域5の内部が大気圧に対して負圧(好ましくは真空)となるように気密に封止されている。基板層11,14をPDMS等の弾性に加えてガス透過性を有する材料により形成した場合には、大気圧(常圧)下で基板層の貼り合わせを行った後負圧(真空)下に静置することによって、導入部2等及び脱気領域5を減圧してもよい。
(2)マイクロチップ1dへのサンプル液の導入
[脱気手順]
マイクロチップ1dへのサンプル溶液の導入では、まず、ニードルNを基板層14の脱気領域5に対応する位置に穿刺し、ニードルNの先端を基板層14を貫通させて脱気領域5に到達させる。脱気領域5の内部は大気圧に対して負圧とされているため、ニードルNの先端が脱気領域5に達すると、管空内の空気が陰圧によって吸引され、ニードルNの他端に接続されたサンプル液保持容器から吸引されてくるサンプル液とともにニードルNの先端から排出される。これにより、ニードルNの管空内が脱気される。
[脱気手順]
マイクロチップ1dへのサンプル溶液の導入では、まず、ニードルNを基板層14の脱気領域5に対応する位置に穿刺し、ニードルNの先端を基板層14を貫通させて脱気領域5に到達させる。脱気領域5の内部は大気圧に対して負圧とされているため、ニードルNの先端が脱気領域5に達すると、管空内の空気が陰圧によって吸引され、ニードルNの他端に接続されたサンプル液保持容器から吸引されてくるサンプル液とともにニードルNの先端から排出される。これにより、ニードルNの管空内が脱気される。
[注入手順]
管空内を脱気した後、ニードルNを、脱気領域5を挿通させて基板層11に穿刺し、ニードルNの先端が基板層11を貫通して導入部2に到達するまで刺し込む。
管空内を脱気した後、ニードルNを、脱気領域5を挿通させて基板層11に穿刺し、ニードルNの先端が基板層11を貫通して導入部2に到達するまで刺し込む。
マイクロチップ1dでは、導入部2、流路31〜35、ウェル41〜45の内部が大気圧に対して負圧とされているため、ニードルNの先端が導入部2に達すると、サンプル液保持容器からサンプル液が陰圧によって吸引され、導入部2に導入される。導入部2に導入されたサンプル液は、陰圧によってさらに流路31〜35及びウェル41〜45に送液される。
サンプル液の導入後、ニードルNを導入部2及び脱気領域5から引き抜く。このとき、基板層11,14をPDMSなどの弾性を有する材料により形成しておくことで、ニードルNの抜去後に、基板層11,14の弾性変形による復元力で穿刺箇所が自然に封止されるようにできる。
以上のように、本実施形態に係るマイクロチップ1dでは、脱気手順においてニードルNを脱気領域5に穿刺して管空内の空気を除去した後、注入手順においてニードルNを導入部2に穿刺することで、流路31〜35又はウェル41〜45の内部に気泡を生じることなくサンプル液の導入を行うことができる。
4.第四実施形態に係るマイクロチップ
(1)マイクロチップ1eの構成
図8は、本技術の第四実施形態に係るマイクロチップの構成を説明する断面模式図である。図中符号1eで示すマイクロチップは、第一実施形態に係るマイクロチップ1aと導入部2、流路31〜35、ウェル41〜45の構成において同様である。マイクロチップ1eは、脱気領域5を埋込部材51の内空に構成し、貼り合わされた基板層12と基板層13との間に挿入するようにして埋設している点を特徴としている。
(1)マイクロチップ1eの構成
図8は、本技術の第四実施形態に係るマイクロチップの構成を説明する断面模式図である。図中符号1eで示すマイクロチップは、第一実施形態に係るマイクロチップ1aと導入部2、流路31〜35、ウェル41〜45の構成において同様である。マイクロチップ1eは、脱気領域5を埋込部材51の内空に構成し、貼り合わされた基板層12と基板層13との間に挿入するようにして埋設している点を特徴としている。
マイクロチップ1eにおいて、脱気領域5は、導入部2、流路31〜35及びウェル41〜45とは別個独立の領域として、埋込部材51の内空に構成されている。埋込部材51は、自己封止性を備える部材により構成され、具体的には基板層11と同様にPDMSなどの弾性を有する材料によって形成される。なお、基板層12,13の材料は、マイクロチップ1aにおいて同一の符号を付した基板層と同じである。
マイクロチップ1eは、導入部2、流路31〜35及びウェル41〜45を形成した基板層12と基板層13との間に埋込部材51を挿入し、基板層の貼り合わせを行うことにより形成されている。マイクロチップ1eは、基板層12と基板層13との貼り合わせを大気圧に対して負圧下で行うことにより、導入部2、流路31〜35、ウェル41〜45の内部が大気圧に対して負圧(好ましくは真空)となるように気密に封止されている。埋込部材51についても、同様に負圧下で部材の形成を行うことにより、内部を大気圧に対して負圧とできる。また、埋込部材51をPDMS等の弾性に加えてガス透過性を有する材料により形成した場合には、大気圧(常圧)下で部材の形成を行った後負圧(真空)下に静置することによって導入部2等及び埋込部材51の内部を減圧してもよい。
(2)マイクロチップ1eへのサンプル液の導入
[脱気手順]
マイクロチップ1eへのサンプル溶液の導入では、まず、ニードルNを基板層12と基板層13との間の導入部2に対応する位置に埋設された埋込部材51に穿刺し、ニードルNの先端を埋込部材51の内空として構成された脱気領域5に到達させる。脱気領域5は大気圧に対して負圧とされているため、ニードルNの先端が脱気領域5に達すると、管空内の空気が陰圧によって吸引され、ニードルNの他端に接続されたサンプル液保持容器から吸引されてくるサンプル液とともにニードルNの先端から排出される。これにより、ニードルNの管空内が脱気される。
[脱気手順]
マイクロチップ1eへのサンプル溶液の導入では、まず、ニードルNを基板層12と基板層13との間の導入部2に対応する位置に埋設された埋込部材51に穿刺し、ニードルNの先端を埋込部材51の内空として構成された脱気領域5に到達させる。脱気領域5は大気圧に対して負圧とされているため、ニードルNの先端が脱気領域5に達すると、管空内の空気が陰圧によって吸引され、ニードルNの他端に接続されたサンプル液保持容器から吸引されてくるサンプル液とともにニードルNの先端から排出される。これにより、ニードルNの管空内が脱気される。
[注入手順]
管空内を脱気した後、ニードルNを、埋込部材51を貫通して、先端が埋込部材51に隣接する導入部2に到達するまで刺し込む。
管空内を脱気した後、ニードルNを、埋込部材51を貫通して、先端が埋込部材51に隣接する導入部2に到達するまで刺し込む。
マイクロチップ1eでは、導入部2、流路31〜35、ウェル41〜45の内部が大気圧に対して負圧とされているため、ニードルNの先端が導入部2内空に達すると、サンプル液保持容器からサンプル液が陰圧によって吸引され、導入部2に導入される。導入部2に導入されたサンプル液は、陰圧によってさらに流路31〜35及びウェル41〜45に送液される。
サンプル液の導入後、ニードルNを導入部2及び埋込部材51から引き抜く。このとき、埋込部材51をPDMSなどの弾性を有する材料により形成しておくことで、ニードルNの抜去後に、埋込部材51の弾性変形による復元力で穿刺箇所が自然に封止されるようにできる。
以上のように、本実施形態に係るマイクロチップ1eでは、脱気手順においてニードルNを脱気領域5に穿刺して管空内の空気を除去した後、注入手順においてニードルNを導入部2に穿刺することで、流路31〜35又はウェル41〜45の内部に気泡を生じることなくサンプル液の導入を行うことができる。
以上の各実施形態において、流路、ウェル及び脱気領域の形状、配設位置及び数は任意とでき、特に限定されないものとする。また、各実施形態においては、マイクロチップに形成され、サンプル溶液に含まれる物質あるいは該物質の反応生成物の分析場となる領域をウェルとして説明したが、この領域は流路などの任意形状とされたものであってよいものとする。
本技術に係るマイクロチップは以下のような構成をとることもできる。
(1)内部が大気圧に対して負圧とされ、液体が穿刺注入される導入領域と、内部が大気圧に対して負圧とされ、前記液体を前記導入領域内に穿刺注入するための中空管を穿刺して管空内を脱気するための脱気領域と、が独立して設けられているマイクロチップ。
(2)前記導入領域と前記脱気領域は、脱気領域に穿刺された前記中空管が、脱気領域を挿通してさらに導入領域に穿刺されるように配置されている上記(1)記載のマイクロチップ。
(3)前記脱気領域は、弾性変形による自己封止性を備える基板層を含んで構成された上記(1)又は(2)記載のマイクロチップ。
(4)前記脱気領域は、前記導入領域を構成する弾性変形による自己封止性を備える基板層と、該基板層に積層されたガス不透過性を備える基板層と、を含んで構成された上記(1)〜(3)のいずれかに記載のマイクロチップ。
(5)前記脱気領域は、弾性変形による自己封止性を備える部材により構成され、
該部材が、マイクロチップを形成する基板層表面に配置され、あるいは基板層に埋設されている上記(1)又は(2)記載のマイクロチップ。
(6)前記部材は、前記導入領域を構成する弾性変形による自己封止性を備えた基板層に積層されたガス不透過性を備える基板層に埋設されている上記(5)記載のマイクロチップ。
(7)内部が大気圧に対して負圧とされた領域が、液体が穿刺注入される導入領域とは別個独立に少なくとも一領域設けられているマイクロチップ。
(1)内部が大気圧に対して負圧とされ、液体が穿刺注入される導入領域と、内部が大気圧に対して負圧とされ、前記液体を前記導入領域内に穿刺注入するための中空管を穿刺して管空内を脱気するための脱気領域と、が独立して設けられているマイクロチップ。
(2)前記導入領域と前記脱気領域は、脱気領域に穿刺された前記中空管が、脱気領域を挿通してさらに導入領域に穿刺されるように配置されている上記(1)記載のマイクロチップ。
(3)前記脱気領域は、弾性変形による自己封止性を備える基板層を含んで構成された上記(1)又は(2)記載のマイクロチップ。
(4)前記脱気領域は、前記導入領域を構成する弾性変形による自己封止性を備える基板層と、該基板層に積層されたガス不透過性を備える基板層と、を含んで構成された上記(1)〜(3)のいずれかに記載のマイクロチップ。
(5)前記脱気領域は、弾性変形による自己封止性を備える部材により構成され、
該部材が、マイクロチップを形成する基板層表面に配置され、あるいは基板層に埋設されている上記(1)又は(2)記載のマイクロチップ。
(6)前記部材は、前記導入領域を構成する弾性変形による自己封止性を備えた基板層に積層されたガス不透過性を備える基板層に埋設されている上記(5)記載のマイクロチップ。
(7)内部が大気圧に対して負圧とされた領域が、液体が穿刺注入される導入領域とは別個独立に少なくとも一領域設けられているマイクロチップ。
本技術に係るマイクロチップによれば、気泡を生じることなく短時間で容易に試料溶液をウェルや流路の内部に導入でき、高い分析精度及び分析効率を得ることができる。従って、本技術に係るマイクロチップは、マイクロチップの流路内で複数の物質を電気泳動により分離し、分離された各物質を光学的に検出する電気泳動装置や、マイクロチップのウェル内で複数の物質間の反応を進行させ、生成する物質を光学的に検出する反応装置(例えば、核酸増幅装置)などに好適に用いられ得る。
1a,1b,1c,1d,1e:マイクロチップ、11,12,13,14:基板層、2:導入部、31,32,33,34,35:流路、41,42,43,44,45:ウェル、5:脱気領域、51:埋込部材、N:ニードル
Claims (7)
- 内部が大気圧に対して負圧とされ、液体が穿刺注入される導入領域と、
内部が大気圧に対して負圧とされ、前記液体を前記導入領域内に穿刺注入するための中空管を穿刺して管空内を脱気するための脱気領域と、が独立して設けられているマイクロチップ。 - 前記導入領域と前記脱気領域は、脱気領域に穿刺された前記中空管が脱気領域を挿通してさらに導入領域に穿刺されるように配置されている請求項1記載のマイクロチップ。
- 前記脱気領域は、弾性変形による自己封止性を備える基板層を含んで構成された請求項2記載のマイクロチップ。
- 前記脱気領域は、前記導入領域を構成する弾性変形による自己封止性を備える基板層と、該基板層に積層されたガス不透過性を備える基板層と、を含んで構成された請求項3記載のマイクロチップ。
- 前記脱気領域は、弾性変形による自己封止性を備える部材により構成され、
該部材が、マイクロチップを形成する基板層表面に配置され、あるいは基板層に埋設されている請求項2記載のマイクロチップ。 - 前記部材は、前記導入領域を構成する弾性変形による自己封止性を備えた基板層に積層されたガス不透過性を備える基板層に埋設されている請求項5記載のマイクロチップ。
- 内部が大気圧に対して負圧とされた領域が、液体が穿刺注入される導入領域とは別個独立に少なくとも一領域設けられているマイクロチップ。
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