JP2013145217A - マイクロチップ及びマイクロチップ内への液体の導入方法 - Google Patents

マイクロチップ及びマイクロチップ内への液体の導入方法 Download PDF

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真寛 松本
Kensuke Kojima
健介 小嶋
Yoshiaki Kato
義明 加藤
Hidetoshi Watanabe
英俊 渡辺
Toshio Watanabe
俊夫 渡辺
Michihiro Onishi
通博 大西
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Abstract

【課題】溶液の導入が簡便で、精度の高い分析を可能とするマイクロチップの提供。
【解決手段】弾性変形による自己封止性を備える基板層と、該基板層を含んで形成される領域と、該領域内の該基板層と対向する面に突設された穿刺構造体と、を備えるマイクロチップ、を提供する。このマイクロチップでは、ニードル等の別部品を必要とせず、かつ気泡を生じず容易に溶液の導入ができる。このため、マイクロチップ内部に気泡が生じず、精度の高い分析が可能となる。
【選択図】図2

Description

本技術は、マイクロチップに関する。より詳しくは、マイクロチップに配設された領域内に溶液を導入し、該溶液に含まれる物質あるいは該物質の反応生成物の分析を行うためのマイクロチップに関する。
近年、半導体産業における微細加工技術を応用し、シリコーン製やガラス製の基板上に化学的分析又は生物学的分析を行うためのウェルや流路を設けたマイクロチップが開発されている。マイクロチップは、少量の試料で分析が可能で、ディスポーザブルユーズ(使い捨て)が可能であるため、貴重な微量試料や多数の検体を扱う生物学的分析に特に利用されている。
利用例の一つとして、マイクロチップに配設された複数の領域内に物質を導入し、該物質、あるいはその反応生成物を光学的に検出する光学検出装置がある。このような光学検出装置としては、マイクロチップの流路内で複数の物質を電気泳動により分離し、分離された各物質を光学的に検出する電気泳動装置や、マイクロチップのウェル内で複数の物質間の反応を進行させ、生成する物質を光学的に検出する反応装置(例えば、核酸増幅装置)などがある。
マイクロチップを用いた分析では、試料が微量であるがゆえに、ウェルや流路内への試料溶液の導入が難しく、ウェル等内部に存在する空気によって試料溶液の導入が阻害されたり、導入に時間がかかったりする場合があった。また、試料溶液の導入の際に、ウェル等の内部に気泡が生じ、各ウェル等に導入された試料溶液の量がばらつき、分析の精度が低下するという問題があった。また、試料の加熱を伴う分析では、ウェル等の内部に残存した気泡が膨張し、試料溶液を移動させたり、反応を阻害したりすることがあり、分析の精度及び効率を低下させる要因となっていた。
マイクロチップにおける試料溶液の導入を容易にするために、特許文献1には、「溶液が導入される領域が、内部を大気圧に対して負圧とされて配設されたマイクロチップ」が開示されている。このマイクロチップでは、内部が負圧とされた領域内にニードルを用いて試料溶液を注入することで、陰圧によって試料溶液を領域内に吸引し、短時間で容易に導入することができる。
特開2011−163984号公報
本技術は、ニードル等の別部品を必要とせず、かつ気泡を生じず容易に、マイクロチップ内の領域へ、試料溶液を導入可能とするマイクロチップを提供することを主な目的とする。
上記課題解決のため、本技術は、
弾性変形による自己封止性を備える基板層と、該基板層を含んで形成される領域と、該領域内の該基板層と対向する面に突設された穿刺構造体と、を備えるマイクロチップを提供する。
前記領域は、大気圧に対して負圧とされ、前記領域を形成する前記基板層の一部が、外力によって前記領域へ陥凹可能な押し込み部として構成され、前記押し込み部を陥凹させることにより、前記押し込み部に対向して配設された前記穿刺構造体が前記押し込み部を穿通するよう構成され、前記穿刺構造体に前記領域内部とマイクロチップ外部との連絡路が形成されている、マイクロチップであっても良い。
前記穿刺構造体表面に、先端から前記マイクロチップ内の固定位置の方向へ溝が設けられることにより、前記連絡路が形成されている、マイクロチップであっても良い。
また、前記穿刺構造体の先端に先端開口部と、側面に側面開口部とが形成され、該先端開口部と該側面開口部とは前記穿刺構造体内部で連通されることにより、前記連絡路が形成されている、マイクロチップであっても良い。
前記押し込み部には、一又は二以上の溝が形成されていても良い。
また、前記押し込み部は、前記マイクロチップを構成する他の基板層と接着していないことが好ましい。
本技術はまた、内部が大気圧に対して負圧とされた領域が配設されたマイクロチップの、該領域を形成する基板層に、液体が充填された容器を、押し当てて陥凹させ、前記領域に形成された穿刺構造体を前記基板層と前記容器に穿通させ、前記領域と前記容器内空とを前記穿刺構造体を介して連絡させて、前記液体を前記領域へ導入する手順を含む、マイクロチップ内への液体導入方法を提供する。
本技術により、溶液の導入が容易で、精度の高い分析が可能なマイクロチップが提供される。
本技術に係るマイクロチップAの構成を説明する図である。 マイクロチップAにおける溶液の導入過程を説明する断面模式図である。 本技術に係るマイクロチップに導入される溶液を保持するためのサンプル容器B1,B2,B3の形状を説明する断面模式図である。 マイクロチップAとその変形実施形態において押し込み部22に設けられる溝221,222,223の形状を説明する上面模式図である。 マイクロチップAとその変形実施形態における穿刺構造体23a,23bの形状を説明する断面模式図である。
以下、本技術を実施するための好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。説明は以下の順序で行う。

1.本技術に係るマイクロチップAの構成について
2.マイクロチップAへの溶液の導入について
(2−1)溶液の導入方法
(2−2)サンプル容器B1,B2,B3
3.マイクロチップAの変形実施形態について
(3−1)押し込み部22
(3−2)穿刺構造体23a,23b
1.本技術に係るマイクロチップAの構成について
本技術に係るマイクロチップの実施形態として、マイクロチップAを図1に模式的に示す。図1(A)は、マイクロチップAの上面模式図である。図1(B)は、(A)中P−P線の断面図を示す。
マイクロチップAは、図1(A)に示すように、外部から溶液が導入される導入口21と、溶液に含まれる物質、又は該物質の反応生成物の分析場となる複数のウェル4とが配設され、溶液のマイクロチップAへの導入時には、導入口21と各々のウェル4とは、流路3によって連通される。
本実施形態のマイクロチップAに導入する溶液とは、分析対象物、又は他の物質と反応して分析対象物を生成する物質を含む溶液を指す。分析対象物としては、DNAやRNA等の核酸、ペプチド、抗体等を含めたタンパク質など、を挙げることができる。また血液等、前記の分析対象物を含んだ生体試料自体、又はその希釈溶液も、マイクロチップAに導入する溶液とすることができる。また、マイクロチップAを用いる分析手法としては、例えば、温度サイクルを実施する従来のPCR(Polymerase Chain Reaction)法や温度サイクルを伴わない各種等温増幅法等の、核酸増幅反応を利用した分析手法が含まれる。
マイクロチップAは、図1(B)に示すように、複数の基板層1a,1b,1cから構成される。すなわち、流路3及び複数のウェル4等が形成された基板層1aと、一部が押し込み部22として構成された基板層1bとが貼り合わされ、マイクロチップA内に、領域Eが形成されている。押し込み部22が構成される基板層1bは、後述する理由により、弾性変形による自己封止性を備える材質で構成されていることが好ましい。本技術において「自己封止性」とは、例えば、弾性を有する材質の弾性変形による復元力等によって、穿刺された部分が自然に封止されることを指す。図1(B)に示すように、基板層1bはまた、基板層1cに形成された導入口21が、押し込み部22と重なる位置で、基板層1cとも貼り合わされている。
本技術に係るマイクロチップAにおいて、導入口21と押し込み部22と、押し込み部22と基板層1aとの間に形成されるマイクロチップ内部の領域Eと、領域E内に設けられた穿刺構造体23aを総称して、導入部2とする(図2(B)参照)。
押し込み部22は、マイクロチップAの内側に対しては、基板層1aの、穿刺構造体23aが形成された面と対向している(図1(B)参照)。穿刺構造体23aは、領域Eに、押し込み部22の面と直行する方向に形成されている。穿刺構造体23aの先端から基板層1aとの固定位置の方向に、溝231が設けられている。本技術に係るマイクロチップAに形成される穿刺構造体は、例えば、図1(B)に示す穿刺構造体23aのように、基板層1aと一体成形によって構成されていても良く、或いは、別体として成形されたものを、基板層1aに圧入等によって固定させても良い。何れの方法による成形であっても、穿刺構造体23aは、領域E内において、押し込み部22と対向する面に突設されていれば良い。
上記のように、基板層1bは、押し込み部22の部分においては、接合する基板層1a及び1cと接着されていない。このため、導入口21から押し込み部22を外力によって押すと、押し込み部22は、導入部2内の領域Eへ陥凹できる。押し込み部22が、より容易に領域Eに向って陥凹されるために、基板層1bが弾性を有する材質からなることが好ましい。また、押し込み部22の一部に、溝221を設けて、押し込み部22の変形を、より容易にすることも可能である。図1(B)において、溝221は、押し込み部22の導入口21と対向する面に形成されているが、溝221が形成される位置はこれに限定されず、押し込み部22の基板層1aと対向する面であっても良い。
弾性を有する材質としては、ポリジメチルシロキサン(PDMS)等のシリコーン系エラストマーの他、アクリル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、フッ素系エラストマー、スチレン系エラストマー、エポキシ系エラストマー、天然ゴムなどが挙げられる。
基板層1a,1cの材質は、ガス不透過性を有することが好ましい。これにより、ウェル4内に導入した溶液が、反応促進等の目的で加熱された際に、気化して基板層を透過し、消失(液抜け)してしまうのを防止できる。なお、本技術に係るマイクロチップAにおいては、マイクロチップAの外面を構成する基板層のみが、ガス不透過性を有する材質で構成されていれば良い。また、マイクロチップAを構成する基板層の枚数は限定されない。
ガス不透過性を備える基板層の材質は、ガラス、プラスチック類、金属類及びセラミック類などが採用できる。プラスチック類としては、PMMA(ポリメチルメタアクリレート:アクリル樹脂)、PC(ポリカーボネート)、PS(ポリスチレン)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、SAN樹脂(スチレン−アクリロニトリル共重合体)、MS樹脂(MMA−スチレン共重合体)、TPX(ポリ(4−メチルペンテン−1))、ポリオレフィン、SiMA(シロキサニルメタクリレートモノマー)−MMA共重合体、SiMA−フッ素含有モノマー共重合体、シリコーンマクロマー(A)−HFBuMA(ヘプタフルオロブチルメタクリレート)−MMA3元共重合体、ジ置換ポリアセチレン系ポリマー等が挙げられる。金属類としては、アルミニウム、銅、ステンレス(SUS)、ケイ素、チタン、タングステン等が挙げられる。セラミック類としては、アルミナ(Al)、窒化アルミ(AlN)、炭化ケイ素(SiC)、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニア(ZrO)、石英等が挙げられる。
本技術に係るマイクロチップAのウェル4に保持された物質を、光学的に分析する場合においては、基板層の材質は、光透過性を有し自家蛍光が少なく波長分散が小さいことで光学誤差の少ない材料を選択することが好ましい。
基板層1a,1b,1cへの導入口21、流路3等の成形は、例えばガラス製基板層のウェットエッチングやドライエッチングによって、又はプラスチック製基板層のナノインプリントや射出成型、切削加工等の方法によって行うことができる。図1(B)に示すマイクロチップAに形成される流路3やウェル4等の各領域は、基板層1bに形成されても良く、基板層1aに領域の一部が形成され、基板層1bにも領域の一部が形成されても良い。
基板層の貼り合わせには、例えば、熱融着、接着剤、陽極接合、粘着シートを用いた接合、プラズマ活性化結合、超音波接合等の公知の手法により行うことができる。何れの手法を用いて複数の基板層を貼り合わせた場合であっても、流路3やウェル4等の、溶液が導入される各領域が、大気圧に対して負圧(例えば1/100気圧)となって気密に封止されれば良い。例えば、図1(B)に示す、穿刺構造体23a、流路3、ウェル4が形成された基板層1aと、押し込み部22が設けられた基板層1bとの貼り合わせを真空下で行い、各領域の内部が真空となるように気密に封止することが好ましい。
2.マイクロチップAへの溶液の導入について
(2−1)溶液の導入方法
マイクロチップAにおける溶液の導入方法について、図2を参照しながら、説明する。図2(A)から(C)は、図1(B)に示すマイクロチップAの導入部2の部分断面模式図を拡大したものである。
本実施形態のマイクロチップAへの溶液の導入には、図2(A)に示すサンプル容器B1を用いる。サンプル容器B1の領域Eには、予め溶液が充填されており、蓋部5a側を、矢印Xで示す方向に、マイクロチップAに設けられた導入口21から、押し込み部22に押し当てる。なお、基板層1cに形成された円形の導入口21(図1(A)参照)に合わせて、図2に示すサンプル容器B1の挿入部6aも、導入口21と略同一の直径の円柱に形成さている。
図2(A)に示す矢印Xの方向に、サンプル容器B1が押し込み部22に押し当てられると、図2(B)に示すように、弾性を有する材質で構成される押し込み部22は、導入部2内の領域Eへ陥凹する。また、押し込み部22に溝221が形成されることにより、溝221の部分から押し込み部22は、領域Eに向ってより曲がり易くなり、押し込み部22の領域Eへの陥凹が更に容易となる。
サンプル容器B1の蓋部5aが押し込み部22に押し当てられて、押し込み部22が陥凹すると、押し込み部22に対向して基板層1aに形成された穿刺構造体23aが、押し込み部22とサンプル容器B1の蓋部5aを穿通し、穿刺構造体23aの側面に形成された溝231の一の端は、サンプル容器B1内の領域Eに到達する。一方、溝231のもう一の端は、基板層1aにおける穿刺構造体23aとの固定位置に近い、導入部2内の領域Eに存在する。この結果、サンプル容器B1の領域Eと、マイクロチップA内の領域Eとが、穿刺構造体23aに形成された溝231を連絡路として、連通された状態となる。
この連絡路は、穿刺構造体23aが押し込み部22を穿通して、穿刺構造体23aに設けられた溝231の先端が、マイクロチップAの外部に到達して、初めて形成される。図2(B)に示すように、押し込み部22とサンプル容器B1の蓋部5aとが密着して穿刺構造体23aに穿通されるように構成されていると、穿刺構造体23aの溝231の先端が、外気に触れることなく、サンプル容器B1内の領域Eに到達した後、連絡路が構成されるため、連絡路を介して気泡が導入部2内の領域Eに入ることを防止できる。
導入部2内の領域Eを含めたマイクロチップA内の領域は、大気圧に対して負圧に保持されているため、穿刺構造体23aに形成された連絡路(溝231)を介して、サンプル容器B1の領域Eと連通すると、連絡路の両端において、圧力差が生じる。圧力差によって、サンプル容器B1の領域Eからは、溶液が矢印Fの方向へ流れ、連絡路内に流入する。連絡路を通過した溶液は、矢印Fで示す方向に流れて領域Eに充填され、その後、流路3を経てウェル4に到達する(図2において、流路3及びウェル4は省略)。
溶液をマイクロチップA内へ導入後、サンプル容器B1は、図2(C)の矢印Yで示す方向に、導入部2から引き抜かれ、押し込み部22は、溶液導入前の位置まで戻る。この時、押し込み部22が、自己封止性を有する材質で構成していると、穿刺構造体23aの穿通によって押し込み部22に形成された貫通孔211は封止され、気泡等がマイクロチップ内に入ることが防止される。一方、サンプル容器B1の蓋部5aについても、押し込み部22と同様に、自己封止が可能な材質から形成されている場合、穿刺構造体23aの穿通によって形成された貫通孔51は封止される。このため、サンプル容器B1をマイクロチップAから引き抜いた後の、蓋部5aからの溶液の漏れが防止される。
上述した溶液の導入方法を、本技術において実施可能とするために、導入部2を構成する押し込み部22、穿刺構造体23a等は、以下に述べる構成であることが好ましい。
先ず、押し込み部22が穿刺構造体23aによって穿通される位置まで陥凹可能であることが必要である。そこで、前述の押し込み部22の材質や、押し込み部22への溝221の形成に加え、図2(A)に示す、基板層1aの領域Eに面する部分に切欠き11を設けることも、押し込み部22の陥凹のために好ましい。切欠き11によって、押し込み部22が変形するための領域Eの空間が広がり、押し込み部22の陥凹がより容易となる。
また、図2(A)に示すように、押し込み部22は、サンプル容器B1の蓋部5aが押し当てられる面積の直径dよりも長い直径dの面積で構成されることが好ましい。すなわち、押し込み部22は、外力によって押圧される部分より広い面積で設けられることが好ましい。これによって、弾性を有する材質で形成された押し込み部22がより可撓制を有して、押し込み部22は、穿刺構造体23aによる穿刺可能な位置まで陥凹が可能となる。
一方、基板層1aに形成される穿刺構造体23aにおいて、前述のサンプル容器B1内の領域Eと導入部2内の領域Eとの間に連絡路が形成されるために、図2(A)に示す穿刺構造体23aの溝231の長さlは、基板層1bの押し込み部22とサンプル容器Bの蓋部5aとを合わせた厚みより長く形成される。また、穿刺構造体23aは、押し込み部22とサンプル容器Bの蓋部5aとを穿通可能とするため、両者を構成する材質より硬い材質で構成することが好ましい。
更に、本実施形態のマイクロチップAにおいては、サンプル容器B1の蓋部5aを、押し込み部22の適切な位置に押し当てるために、例えば、図2(A)に示すように、基板層1cにおいて、押し込み部22と対向する面に切欠き12,12が形成されていても良い。基板層1cに切欠き12,12を設けることにより、導入口21の面積の直径を、サンプル容器B1の挿入部6aの直径dと略同一の長さに形成することが可能となり、サンプル容器B1の蓋部5aを、穿刺構造体23aによって穿通される押し込み部22の一部分に押し当てることが容易になる。
また、図2(A)に示すように、サンプル容器B1が、挿入部6aと、挿入部6aの直径dより太い突出部7とから構成されている場合、サンプル容器B1を押し込み部22に押し込んだ際、突出部7の直径がマイクロチップAの導入口21の直径より長いために、所定の位置でサンプル容器B1の押し込みが止まる。このため、サンプル容器B1のマイクロチップAに対して垂直方向の位置決めが容易となる。
ここまで、マイクロチップAの構成において、導入口21は、図1(A)に示す円形とし、それに合わせて、サンプル容器B1の蓋部5aも円形として説明した。しかし、本技術に係るマイクロチップAにおいては、導入口21の形状やサンプル容器B1の蓋部5aの形状は、円形に限定されず、正方形、矩形又は多角形等の他の形状であっても良い。また、この導入口21やサンプル容器B1の蓋部5aの形状に合わせて、サンプル容器B1の挿入部6aや押し込み部22等の形状を決めれば良い。
本技術に係るマイクロチップAでは、溶液の導入は、サンプル容器B1を導入口21から押し込み部22に押し当てて、マイクロチップAに内蔵された穿刺構造体23aに穿通させ、導入部内の領域Eとサンプル容器内の領域Eとを連絡させてることによって行う。従って、本技術に係るマイクロチップAへの溶液の導入においては、ニードル等の鋭利な部材を必要としない。そのため、本技術に係るマイクロチップAを用いることで、操作者が誤ってニードルを手などに刺してしまう、針刺し事故等を防止することができる。
また、導入口21は、押し込み部22が穿刺構造体23aに穿通されるまでは、導入部内の領域Eと連通していないため、気泡がマイクロチップ内の各領域に入ることが防止される。このため、マイクロチップAにおいては、気泡の混入による溶液の通流障害や、加熱時に気泡が膨張して生じる溶液の移動などを解消することができ、分析の精度の低下が避けられる。従って、本技術に係るマイクロチップAにおいては、溶液の導入が容易でかつ精度の高い分析が可能となる。
(2−2)サンプル容器B1,B2,B3
図3は、これまで示したサンプル容器B1及びその変形実施形態の断面模式図である。図3(A)に示すサンプル容器B1では、蓋部5aが押し込み部22に押し当てられたが、サンプル容器B1の蓋部5aが小さいほど、押し込み部22に加える力が集中し易くなり、押し込み部22を押して陥凹させることが、更に容易となる。そこで、例えば、図3(B)に示すように、サンプル容器B2の挿入部6bを蓋部5bに向かって細くし、蓋部5bの直径dを、サンプル容器B1の蓋部5aの直径dに比べ短くしても良い。また図3(C)に示すように、サンプル容器B3の蓋部5cの部分をU字型にして、押し込み部22接する面積の直径dを、サンプル容器B1の蓋部5aの直径dに比べて短くしても良い。
上記の何れのサンプル容器であっても、挿入部の直径dは、マイクロチップに形成された導入口21の直径と略同一である方が、押し込み部22を押す際のサンプル容器B1,B2,B3の位置決めが容易となる。また、図3においては、蓋部5a,5b,5cを、押し込み部22へ押し当てるように構成されているが、本技術に係るマイクロチップAへ導入する溶液を保持するサンプル容器B1,B2,B3においては、押し込み部22へ押し当てる部分は、穿刺構造体23aによって穿通可能な材質で構成されていれば、何れの部分でも良く、蓋部5a,5b,5cに限定されない。
3.マイクロチップAの変形実施形態について
上述したマイクロチップAの変形実施形態における、押し込み部22及び穿刺構造体23a,23bの構成について説明する。
(3−1)押し込み部22
図4(A)から(C)は、マイクロチップAにおいて、基板層1bの押し込み部22を示す上面模式図である。図示された押し込み部22の位置が理解しやすいように、基板層1cに形成された導入口21の位置を破線で示す。図4(A)は、これまで述べてきた、一つの円形の溝221が形成されている押し込み部22を示す。この溝221によって、押し込み部22は、マイクロチップ内へ、より陥凹され易くなる。
一方、図4(B)に示す溝221,222のように、押し込み部22に形成される溝は、同心円状に複数であっても良い。更に、図4(C)に示す溝223のように、螺旋状に形成された溝223を押し込み部22に設けることも可能である。溝221,222,223の形成面積や深さ等は、押し込み部22の材質等に合わせて、押し込み部22をマイクロチップA内へ陥凹可能とするように構成されれば、何れであっても良い。なお、図4に示した溝221,222,223は、何れも円形、又は曲線で構成されているが、溝221,222,223は、サンプル容器の形状等に合わせて、四角形、矩形、又は多角形とすることも可能である。
(3−2)穿刺構造体23a,23b
図5(A)及び(B)は、穿刺構造体23a,23bの、押し込み部22及びサンプル容器B1の蓋部5aを穿通した状態における断面模式図である。図5(A)に示す穿刺構造体23aは、これまで説明した構成のものであり、側面に形成された溝231が、導入部2内の領域Eと、マイクロチップAの外部であるサンプル容器B内の領域Eとを連絡する連絡路となる。
一方、図5(B)に示す穿刺構造体23bでは、先端に先端開口部232が形成され、側面にも側面開口部233が形成され、先端開口部232と側面開口部233とは、穿刺構造体23b内部で連通されている。このため、押し込み部22が外力によって導入部2内の領域Eへ陥凹されて、穿刺構造体23bが押し込み部22とサンプル容器B1の蓋部5aを穿通すると、サンプル容器B1内の領域Eに穿刺構造体23bの先端開口部232が到達し、穿刺構造体23bの内部の空間に、領域Eと領域Eとの連絡路が形成される。領域Eに保持されていた溶液は、矢印Fで示す方向へ流れ、穿刺構造体23bの内部を通流し、矢印Fで示す方向へ流れ、導入部2の領域Eへ到達する。その後、溶液は領域Eから、流路3を経て各ウェル4に到達する(図5において、流路3及びウェル4は省略)。
図5(B)に示す穿刺構造体23bの場合、(A)に示す穿刺構造体23aと異なり中空に形成されている。そのため、穿刺構造体23bは、基板層1aとは別体として成形し、圧入等によって基板層1aに固定されることが好ましい。また、側面開口部233から先端開口部232までの長さlは、押し込み部22とサンプル容器B1の蓋部5aとを合わせた厚みより長く形成されている。図5(A)及び(B)に例示した構成の他、穿刺構造体は、押し込み部22とサンプル容器B1の蓋部5aを穿通した状態で、サンプル容器B1内の領域Eと導入部2内の領域Eとの連絡路が形成されるよう構成されていれば、何れの構成であっても良い。
なお本技術は、以下のような構成もとることができる。
(1)弾性変形による自己封止性を備える基板層と、該基板層を含んで形成される領域と、該領域内の該基板層と対向する面に突設された穿刺構造体と、を備えるマイクロチップ。
(2)前記領域は、大気圧に対して負圧とされ、前記領域を形成する前記基板層の一部が、外力によって前記領域へ陥凹可能な押し込み部として構成され、前記押し込み部を陥凹させることにより、前記押し込み部に対向して配設された前記穿刺構造体が前記押し込み部を穿通するよう構成され、前記穿刺構造体に前記領域内部とマイクロチップ外部との連絡路が形成されている、上記(1)記載のマイクロチップ。
(3)前記穿刺構造体表面に、先端から前記マイクロチップ内の固定位置の方向へ溝が設けられることにより、前記連絡路が形成されている、上記(1)又は(2)記載のマイクロチップ。
(4)前記穿刺構造体の先端に先端開口部と、側面に側面開口部とが形成され、該先端開口部と該側面開口部とは前記穿刺構造体内部で連通されることにより、前記連絡路が形成されている、上記(1)又は(2)記載のマイクロチップ。
(5)前記押し込み部に、一又は二以上の溝が形成された、上記(1)から(4)の何れかに記載のマイクロチップ。
(6)前記押し込み部は、前記マイクロチップを構成する他の基板層と接着していない、上記(1)から(5)の何れかに記載のマイクロチップ。
本技術に係るマイクロチップによれば、簡便に溶液が導入でき、かつ高精度な分析を行うことができる。そのため、臨床における遺伝子型判定や病原体判定などのため、本技術に係るマイクロチップは用いられ得る。
A:マイクロチップ
B1,B2,B3:サンプル容器
,E:領域

1a,1b,1c:基板層
11,12:切欠き

2:導入部
21:導入口
211:貫通孔
22:押し込み部
221,222,223:溝
23a,23b:穿刺構造体
231:溝
232:先端開口部
233:側面開口部

3:流路
4:ウェル

5a,5b,5c:蓋部
51:貫通孔
6a,6b,6c:挿入部
7:突出部

Claims (7)

  1. 弾性変形による自己封止性を備える基板層と、
    該基板層を含んで形成される領域と、
    該領域内の該基板層と対向する面に突設された穿刺構造体と、を備えるマイクロチップ。
  2. 前記領域は、大気圧に対して負圧とされ、
    前記領域を形成する前記基板層の一部が、外力によって前記領域へ陥凹可能な押し込み部として構成され、
    前記押し込み部を陥凹させることにより、前記押し込み部に対向して配設された前記穿刺構造体が前記押し込み部を穿通するよう構成され、前記穿刺構造体に前記領域内部とマイクロチップ外部との連絡路が形成されている、請求項1記載のマイクロチップ。
  3. 前記穿刺構造体表面に、先端から前記マイクロチップ内の固定位置の方向へ溝が設けられることにより、前記連絡路が形成されている、請求項2記載のマイクロチップ。
  4. 前記穿刺構造体の先端に先端開口部と、側面に側面開口部とが形成され、該先端開口部と該側面開口部とは前記穿刺構造体内部で連通されることにより、前記連絡路が形成されている、請求項2記載のマイクロチップ。
  5. 前記押し込み部に、一又は二以上の溝が形成された、請求項3記載のマイクロチップ。
  6. 前記押し込み部は、前記マイクロチップを構成する他の基板層と接着していない、請求項5記載のマイクロチップ。
  7. 内部が大気圧に対して負圧とされた領域が配設されたマイクロチップの、
    該領域を形成する基板層に、液体が充填された容器を、押し当てて陥凹させ、
    前記領域に形成された穿刺構造体を前記基板層と前記容器に穿通させ、
    前記領域と前記容器内空とを前記穿刺構造体を介して連絡させて、
    前記液体を前記領域へ導入する手順を含む、
    マイクロチップ内への液体導入方法。
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