JP6466774B2 - マイクロチップ - Google Patents

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Description

本発明は、注入された試料溶液を試薬と反応させるマイクロチップに関する。
近年、遺伝子検査として、PCR(Polymerase Chain Reaction)法やLAMP(Loop−mediated Isothermal Amplification)法などを利用した核酸増幅装置が利用されている。そして、この核酸増幅装置を用いた遺伝子検査において、マイクロチップ内で核酸を増幅させる技術が開発された(例えば、特許文献1,2参照)。このマイクロチップは、互いに重ね合わされた複数の透明な基板層を備える。基板層の間には、大気圧に対して減圧された反応空間が形成される。反応空間は、試料溶液が穿刺注入される導入部(注入空間)と、核酸を増幅させる試薬が封入された複数の反応空間と、導入部と各反応空間とに連通される流路と、に分けられる。このため、試料溶液を注入するニードル(中空管)を導入部に穿刺すると、試料溶液は、反応空間の陰圧により、ニードルから導入部に導入され、更に流路を通って各反応空間に導入される。そして、試料溶液に含まれる核酸は、各反応空間において試薬と混合し、所定の温度でインキュベーションすることにより増幅する。
また、特許文献1に記載されたマイクロチップでは、更に、基板層の間に、反応空間に対して独立するとともに、大気圧に対して減圧された脱気空間が形成される。このマイクロチップでは、ニードルを反応空間の導入部に穿刺する前に、ニードルを脱気空間に穿刺する。すると、脱気空間の陰圧により、ニードル内の空気が脱気空間に排出される。
特開2013−130396号公報 特開2011−163984号公報
ところで、このようなマイクロチップは、反応空間が減圧状態に保持されていることを前提としている。しかしながら、製造上の問題などから、反応空間に空気がリークしてしまい、反応空間の減圧状態が十分に保持されていない場合がある。このような場合、ニードルを導入部に穿刺しても、試料溶液を反応空間内に吸引する力が弱いため、試料溶液が全ての反応空間に導入されない可能性がある。このような場合、検査ミスとなる可能性が高いが、その原因を突き止めることは容易ではない。
また、試料溶液の多くは透明であるため、使用済みのマイクロチップと使用前のマイクロチップとを見間違える可能性がある。その結果、誤って使用済みのマイクロチップを用いて遺伝子検査を行う可能性もある。
そこで、本発明は、反応空間の減圧状態が保たれているかを確認でき、更には使用の有無も確認できるマイクロチップを提供することを目的とする。
本発明に係るマイクロチップは、透明なチップ本体に、互いに独立した反応空間及び確認空間が形成されており、反応空間及び確認空間は、大気圧に対して減圧されており、反応空間には、注入される試料溶液と反応させるための試薬が封入されており、確認空間には、試料溶液が混ざると変色する変色剤が封入されている。
本発明に係るマイクロチップでは、確認空間の減圧状態が十分に保持されている場合、確認空間に注入された試料溶液は、確認空間の陰圧により確認空間全体に行き渡る。そして、変色剤は、試料溶液と混合されて、変色する。一方、確認空間の減圧状態が十分に保持されていない場合、試料溶液を確認空間に吸引する力が弱いため、確認空間に注入した試料溶液は、確認空間全体に行き渡らない。その結果、変色剤は、試料溶液と混合されないため、変色しない。又は、変色剤は、試料溶液と十分に混合されないため、変色しても、確認空間の減圧状態が十分に保持されている場合に比べて変色の程度が小さい。
ここで、反応空間及び確認空間が同じチップ本体に形成されているため、反応空間の減圧状態と確認空間の減圧状態とは略同じであると考えられる。そして、確認空間は、透明なチップ本体に形成されているため、マイクロチップの外側から、確認空間における変色剤の変色状態を観察することができる。ここで、透明とは、色を視認できる程度に透過性を有することをいう。このため、マイクロチップの外側から、確認空間における変色剤の変色状態を観察することで、反応空間の減圧状態が保たれているかを確認することができる。しかも、確認空間における変色剤の変色状態を視覚的に観察することで、マイクロチップの使用の有無も確認することができる。
確認空間は、試料溶液が穿刺注入される第一注入空間と、変色剤が封入された変色剤封入空間と、第一注入空間と変色剤封入空間とを連通する第一流路と、を有してもよい。このマイクロチップでは、試料溶液が穿刺注入される第一注入空間と、変色剤が封入された変色剤封入空間とが、第一流路を介して分けられている。このため、試料溶液を穿刺注入するニードルに変色剤が付着するのを防止することができる。これにより、同じニードルで試料溶液を反応空間に注入しても、反応空間に変色剤が混入されるのを防止することができる。
反応空間は、試料溶液が穿刺注入される第二注入空間と、試薬が封入された複数の試薬封入空間と、第二注入空間と試薬封入空間とを連通する第二流路と、を有してもよい。このマイクロチップでは、試料溶液が穿刺注入される第二注入空間に、第二流路を介して、試薬が封入された複数の試薬封入空間が連通されている。このため、一つのマイクロチップで、試料溶液を複数の試薬に混ぜることができる。これにより、一度に複数項目の検査を行うことができるとともに、検査時間の短縮化を図ることができる。
チップ本体は、反応空間を形成する反応空間用凹部と、確認空間を形成する確認空間用凹部と、が形成された第一板状部と、第一板状部に重ね合わされ、反応空間用凹部を覆うことで反応空間を形成するとともに、確認空間用凹部を覆うことで確認空間を形成する第二板状部と、第二板状部の第一板状部とは反対側に重ね合わされる第三薄膜部と、を備え、第一板状部及び第三薄膜部は、ガス不透過性を有し、第二板状部は、自己封止性を有してもよい。このマイクロチップでは、反応空間及び確認空間がガス不透過性を有する第一板状部及び第三薄膜部に挟まれているため、反応空間及び確認空間の減圧状態を適切に保持することができる。また、第三薄膜部から第二板状部にニードル等を穿刺することで、試料溶液を反応空間及び確認空間に穿刺注入することができる。この場合、第二板状部は、自己封止性を有するため、穿刺により形成された第二板状部の穴を自然に封止することができる。
本発明によれば、マイクロチップの反応空間の減圧状態が保たれているかを確認でき、更には使用の有無も確認できる。
第1実施形態のマイクロチップを示す平面図である。 図1に示すII−II線における概略断面図である。 図1に示すIII−III線における概略断面図である。 確認空間に試料溶液を穿刺注入している状態を示す図である。 反応空間に試料溶液を穿刺注入している状態を示す図である。 第2実施形態のマイクロチップを示す平面図である。 図6に示すVII−VII線における概略断面図である。 確認空間に試料溶液を穿刺注入している状態を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明に係るマイクロチップの実施形態を説明する。実施形態に係るマイクロチップは、核酸を増幅して遺伝子検査を行うために、ニードル(中空管)により核酸を含む試料溶液が穿刺注入されるマイクロチップである。なお、各図において同一又は相当する要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態のマイクロチップを示す平面図である。図2は、図1に示すII−II線における概略断面図である。図3は、図1に示すIII−III線における概略断面図である。図1〜図3に示すように、本実施形態のマイクロチップ1は、透明なチップ本体2に、互いに独立した反応空間3及び確認空間4が形成されている。本実施形態において透明とは、色を視認できる程度に透過性を有することをいう。このため、チップ本体2は、完全な透明であってもよいが、色を視認できる程度の半透明であってもよい。
反応空間3は、マイクロチップ1の内部に形成された密閉空間である。反応空間3は、大気圧に対して減圧されており、例えば、1/100気圧以下とすることができる。反応空間3には、注入される試料溶液と反応させるための試薬5が封入されている。本実施形態では、試薬5として、試料溶液に含まれる核酸に対応する試薬を用いる。
反応空間3は、注入空間3a(第二注入空間)と、複数の試薬封入空間3bと、流路3c(第二流路)と、を有する。
注入空間3aは、試料溶液が穿刺注入される空間であり、セル、またはウェルとも呼ばれる。注入空間3aの空間形状は、特に限定されないが、例えば、略円柱状の空間とすることができる。
試薬封入空間3bは、試薬5が封入された空間であり、セル、またはウェルとも呼ばれる。試薬封入空間3bの数及び配置は、特に限定されないが、例えば、縦方向(図1における上下方向)に5列、横方向(図1における左右方向)に5列の、合計25個とすることができる。試薬封入空間3bが複数である場合、各試薬封入空間3bに、それぞれ異なる核酸を増幅反応させる試薬を封入することが好ましい。これにより、注入空間3aに穿刺注入した試料溶液に含まれる核酸に対応する試薬5が封入された試薬封入空間3bにおいてのみ、核酸を増幅反応させることができる。試薬封入空間3bの空間形状は、特に限定されないが、例えば、略円柱状の空間とすることができる。
流路3cは、注入空間3aと各試薬封入空間3bとを連通する流路であり、ルート、またはチャンネルとも呼ばれる。具体的に説明すると、注入空間3aから一本の流路3cが延び、注入空間3aから反応空間3に至る途中で流路3cが試薬封入空間3bの個数に分岐し、分岐した各流路3cが各試薬封入空間3bに接続される。流路3cの断面形状は、特に限定されないが、例えば、半円形とすることができる。
確認空間4は、マイクロチップ1の内部に形成された密閉空間である。確認空間4は、大気圧に対して減圧されており、例えば、1/100気圧以下とすることができる。確認空間4には、試料溶液が混ざると変色する変色剤6が封入されている。
ここで、変色するとは、色相、明度、彩度などの色の各要素が変わること、無色と有色との間で変わること、などをいう。変色剤6としては、水と反応して変色する化合物や組成物が好ましく、例えば、塩化コバルト(II)(無水物)、硫酸銅(II)(無水物)、特許第4537767号公報に記載された水分/湿度インジケータ、特許第4100776号に記載された変色インジケータ、特許第3298217号公報に記載された水分インジケータ用組成物などを用いることができる。
確認空間4は、変色剤6が封入された空間であり、セル、またはウェルとも呼ばれる。確認空間4の空間形状は、特に限定されないが、例えば、略円柱状の空間とすることができる。
チップ本体2は、薄い略矩形板状に形成されている。チップ本体2は、第一板状部7と、第二板状部8と、第三薄膜部9と、を備える。第一板状部7、第二板状部8及び第三薄膜部9は、この順で重ね合わされて互いに密着している。なお、本実施形態においては、第一板状部7側を下側といい、第三薄膜部9側を上側という。
第一板状部7は、薄い略矩形板状に形成されている。第一板状部7の第二板状部8側の上面には、反応空間用凹部7aと、確認空間用凹部7bと、が形成されている。反応空間用凹部7aは、反応空間3を形成するための凹部である。反応空間用凹部7aの形状は、注入空間3a、複数の試薬封入空間3b及び流路3cのそれぞれの形状に対応する。確認空間用凹部7bは、確認空間4を形成するための凹部である。確認空間用凹部7bの形状は、確認空間4の形状に対応する。
第一板状部7は、ガス不透過性を有する。第一板状部7の素材としては、特に限定されないが、ガス不透過性を有するガラス、合成樹脂などを用いることができる。合成樹脂としては、PMMA(ポリメチルメタアクリレート:アクリル樹脂)、PC(ポリカーボネート)、PS(ポリスチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等が挙げられる。
第二板状部8は、薄い略矩形板状に形成されている。第二板状部8は、少なくとも反応空間用凹部7a及び確認空間用凹部7bを覆っている。この場合、第二板状部8は、第一板状部7の全面を覆うことが好ましい。第二板状部8は、反応空間用凹部7aを覆うことで、第一板状部7との間に反応空間3の注入空間3a、複数の試薬封入空間3b及び流路3cを形成する。また、第二板状部8は、確認空間用凹部7bを覆うことで、第一板状部7との間に確認空間4を形成する。
第二板状部8は、自己封止性を有する。自己封止性とは、穿刺等により穴が開けられても、自己の弾性変形による復元力により、この穴が自然に封止される性質をいう。第二板状部8に用いる弾性素材としては、シリコーン系エラストマー、アクリル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、フッ素系エラストマー等を挙げることができる。第二板状部は、更に、ガス透過性を有することが好ましく、自己封止性及びガス透過性を有する弾性素材であるPDMS(ポリジメチルシロキサン)を採用することができる。
第三薄膜部9は、薄い略矩形板状に形成されている。第三薄膜部9は、第二板状部8の第一板状部7とは反対側に重ね合わされて、第一板状部7と対向している。この場合、第三薄膜部9は、第二板状部8の全面に重ね合わされることが好ましい。第三薄膜部としては、公知の合成樹脂フィルムを使用することができる。例えば、ポリオレフィンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリエステルフィルム、およびポリアクリルニトリルフィルムを挙げることができる。この中でも、ポリビニルアルコールフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアクリロニトリルフィルムは、ガスバリア性が高いため好ましい。
このように構成されるマイクロチップ1は、次のように製造できる。まず、第一板状部7、第二板状部8及び第三薄膜部9を用意し、反応空間用凹部7aの試薬封入空間3bに対応する凹部に試薬5を封入するとともに、確認空間用凹部7bに変色剤6を封入する。そして、減圧雰囲気下(大気圧に対して減圧された状態)において、第一板状部7、第二板状部8及び第三薄膜部9を重ね合せて互いに密着させる。これにより、チップ本体2の内部に、反応空間3及び確認空間4が形成され、反応空間3及び確認空間4は、大気圧に対して減圧された状態となり、反応空間3及び確認空間4は、略同じ気圧となる。
次に、マイクロチップ1を用いた遺伝子検査の方法について説明する。
この遺伝子検査では、確認空間4に試料溶液を穿刺注入する確認工程(S1)を経た後に、反応空間3に試料溶液を穿刺注入する反応工程(S2)を行う。
図4は、確認空間に試料溶液を穿刺注入している状態を示す図である。図4に示すように、確認工程(S1)では、試料溶液が充填された容器(不図示)に接続されたニードルNを用いて、試料溶液を確認空間4に穿刺注入する。具体的に説明すると、ニードルNを、確認空間用貫通孔9bから第二板状部8に穿刺し、ニードルNの先端部分を確認空間4に挿入する。
すると、確認空間4の減圧状態が十分に保持されている場合、試料溶液は、確認空間4の陰圧により、ニードルNから確認空間4に吸引されて、確認空間4全体に行き渡る。そして、変色剤6は、試料溶液と混合されて、変色する。このため、使用済みのマイクロチップ1では、確認空間4における変色剤6が変色した状態となっている。
一方、確認空間4の減圧状態が十分に保持されていない場合、確認空間4の陰圧が弱くなっているため、試料溶液を確認空間4に吸引する力が弱くなる。このため、試料溶液が確認空間4に吸入されないで変色剤6が変色しないか、吸入されたとしても変色剤6と十分混合されず変色むらが生じる。
また、ニードルNの管内に空気が残っていた場合、ニードルNの先端部を確認空間4に挿入することで、この空気も試料溶液と一緒に確認空間4に吸引される。これにより、ニードルNから空気が排出される。このように、確認空間4は、ニードルNから脱気する脱気空間としても機能する。また、確認空間4への挿入時に、ニードルNの内壁が試料溶液に触れることで共洗いの効果があり、その後の反応空間3への穿刺時にスムースな液注入をもたらす。但し、ニードルNの管内に混入されている空気の量は微量であるため、変色剤6の変色状態を観察する上で、この空気の影響は殆ど無視できる。
確認空間4と反応空間3は同一のチップ上に形成されており、各空間の減圧状態も同一である。したがって、上述した確認工程(S1)で変色剤が変色しないか、変色むらが生じた場合には、確認空間4だけではなく反応空間3も真空度が低下していると考えられる。このため、続く反応工程(S2)を実施しても、誤った結果をもたらすことになる。確認工程(S1)を実施して、変色剤6が変色しないか、変色むらが生じた場合には、直ちに検査を中止することにより、真空度が低下したマイクロチップ1による検査ミスを防止することができる。
図5は、反応空間に試料溶液を穿刺注入している状態を示す図である。図5に示すように、反応工程(S2)では、確認工程(S1)と同じニードルNを用いて、試料溶液を反応空間3に穿刺注入する。具体的に説明すると、ニードルNを、反応空間用貫通孔9aから第二板状部8に穿刺し、ニードルNの先端部分を反応空間3の注入空間3aに挿入する。
すると、反応空間3の減圧状態が十分に保持されている場合、試料溶液は、反応空間3の陰圧により、ニードルNから注入空間3aに吸引されて、注入空間3aから流路3cを伝って全ての試薬封入空間3bに行き渡る。なお、確認工程(S1)においてニードルN内の空気を除去しているため、ニードルNからは注入空間3aに空気が流入しない。そして、試薬5は、各試薬封入空間3bにおいて、試料溶液と混合される。その後所定の温度でインキュベーションすることにより核酸が増幅する。
その後、各試薬封入空間3bで増幅生成物の有無を検出する。増幅反応により生成された核酸の検出にあたっては、公知の検出方法を適用することができる。また、増幅反応後だけではなく、増幅反応を経時的に観察して増幅生成物を検出することも可能である。さらに各試薬封入空間3bに封入するプライマーセットを異なったものにすることで、多項目の核酸増幅反応を実施することも可能である。
なお、確認空間4の観察容易性の観点からは、平面視における確認空間4の面積(図1における確認空間4の面積)は、1mm以上であることが好ましく、2mm以上であることが更に好ましい。一方、省スペース化の観点からは、平面視における確認空間4の面積は、6mm以下であることが好ましく、4mm以下であることが更に好ましい。
このように、本実施形態のマイクロチップ1では、確認空間4における変色剤6の変色状態を視覚的に観察することで、マイクロチップ1の使用の有無も確認することができる。これにより、誤って使用済みのマイクロチップ1を用いて遺伝子検査を行うことを防止することができる。
また、このマイクロチップ1では、反応空間3及び確認空間4がガス不透過性を有する第一板状部7及び第三薄膜部9に挟まれているため、反応空間3及び確認空間4の減圧状態を適切に保持することができる。また、第三薄膜部9側(上側)から第二板状部8にニードルNを穿刺することで、試料溶液を反応空間3及び確認空間4に穿刺注入することができる。この場合、第二板状部8は、自己封止性を有するため、穿刺により形成された第二板状部8の穴を自然に封止することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、基本的に第1実施形態と同様であり、確認空間の形状のみが第1実施形態と相違する。このため、以下では、第1実施形態と相違する事項のみを説明し、第1実施形態と同様の事項の説明を省略する。
図6は、第2実施形態のマイクロチップを示す平面図である。図7は、図6に示すVII−VII線における概略断面図である。図6及び図7に示すように、本実施形態のマイクロチップ11は、透明なチップ本体12に、互いに独立した反応空間3及び確認空間4が形成されている。本実施形態において透明とは、色を視認できる程度に透過性を有することをいう。
確認空間14は、第1実施形態の確認空間4に対応する。確認空間14は、マイクロチップ1の内部に形成された密閉空間である。確認空間14は、大気圧に対して減圧されており、例えば、1/100気圧以下とすることができる。確認空間14には、試料溶液が混ざると変色する変色剤6が封入されている。
確認空間14は、注入空間14a(第一注入空間)と、変色剤封入空間14bと、流路14c(第二流路)と、を有する。
注入空間14aは、試料溶液が穿刺注入される空間であり、セル、またはウェルとも呼ばれる。注入空間14aの空間形状は、特に限定されないが、例えば、略円柱状の空間とすることができる。
変色剤封入空間14bは、変色剤6が封入された空間であり、セルとも呼ばれる。変色剤封入空間14bは、一つで良いが、場合によっては複数あってもよい。変色剤封入空間14bの空間形状は、特に限定されないが、例えば、略円柱状の空間とすることができる。
流路14cは、注入空間14aと変色剤封入空間14bとを連通する流路であり、ルート、またはチャンネルとも呼ばれる。流路14cの断面形状は、特に限定されないが、例えば、半円形とすることができる。流路14cの断面積及び注入空間14aから変色剤封入空間14bに至る流路14cの長さは、試料溶液を通過させつつ試料溶液の逆流を防止できる程度に設定されており、更に、大きな気泡が通過できない程度に設定されていることが好ましい。具体的には、流路14cの断面積は、0.0001mm以上0.01mm以下であることが好ましく、0.0005mm以上0.0025mm以下であることが更に好ましい。また、注入空間14aから変色剤封入空間14bに至る流路14cの長さは、1mm以上10mm以下であることが好ましく、2mm以上5mm以下であることが更に好ましい。
チップ本体12は、薄い略矩形板状に形成されている。チップ本体12は、第一板状部17と、第二板状部8と、第三薄膜部9と、を備える。第一板状部17、第二板状部8及び第三薄膜部9は、この順で重ね合わされて互いに密着している。なお、本実施形態においては、第一板状部17側を下側といい、第三薄膜部9側を上側という。
第一板状部17は、第1実施形態の第一板状部7に対応する。第一板状部17は、薄い略矩形板状に形成されている。第一板状部17の第二板状部8側の上面には、反応空間用凹部7aと、確認空間用凹部17bと、が形成されている。反応空間用凹部7aは、第1実施形態の反応空間用凹部7aと同様である。確認空間用凹部17bは、確認空間4を形成するための凹部である。確認空間用凹部17bの形状は、注入空間14a、変色剤封入空間14b及び流路14cのそれぞれの形状に対応する。このため、第二板状部8が確認空間用凹部17bを覆うことで、第一板状部17と第二板状部8との間に、確認空間4の注入空間14a、変色剤封入空間14b及び流路14cが形成される。なお、第一板状部17の素材は、第1実施形態の第一板状部7の素材と同様である。
次に、マイクロチップ11を用いた遺伝子検査の方法について説明する。
この遺伝子検査では、確認空間4に試料溶液を穿刺注入する確認工程(S11)を経た後に、反応空間3に試料溶液を穿刺注入する反応工程(S2)を行う。なお、反応工程(S2)は、第1実施形態と同様である。
図8は、確認空間に試料溶液を穿刺注入している状態を示す図である。図8に示すように、確認工程(S11)では、ニードルNを用いて、試料溶液を確認空間14に穿刺注入する。具体的に説明すると、ニードルNを、確認空間用貫通孔9bから第二板状部8に穿刺し、ニードルNの先端部分を確認空間14の注入空間に挿入する。
すると、確認空間14の減圧状態が十分に保持されている場合、試料溶液は、確認空間14の陰圧により、ニードルNから注入空間14aに吸引されて、注入空間14aから流路14cを伝って変色剤封入空間14b全体に行き渡る。そして、変色剤6は、試料溶液と混合されて、変色する。このため、使用済みのマイクロチップ1では、変色剤封入空間14bにおける変色剤6が変色した状態となっている。
一方、確認空間14の減圧状態が十分に保持されていない場合、確認空間14の陰圧が弱くなっているため、試料溶液を確認空間14に吸引する力が弱くなる。このため、試料溶液が、確認空間4に吸入されないで変色剤6が変色しないか、吸入されたとしても変色剤6と十分混合されず変色むらが生じる。
また、ニードルNの管内に空気が残っていた場合、ニードルNの先端部を確認空間14に挿入することで、この空気も試料溶液と一緒に注入空間14aに吸引される。これにより、ニードルNから空気が排出される。但し、注入空間14aと変色剤封入空間14bとが流路14cを介して分けられているため、ニードルNから排出された空気が注入空間14aから変色剤封入空間14bに流れていくのが防止される。
このように、本実施形態のマイクロチップ11では、試料溶液が穿刺注入される注入空間14aと、変色剤6が封入された変色剤封入空間14bとが、第一流路を介して分けられている。このため、試料溶液を穿刺注入するニードルNに変色剤6が付着するのを防止することができる。これにより、同じニードルNで試料溶液を反応空間3に注入しても、反応空間3に変色剤6が混入されるのを防止することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではない。例えば、核酸を増幅させる遺伝子検査以外の検査に用いるマイクロチップに適用してもよく、また、チップ本体も適宜構成を変更してもよい。
1…マイクロチップ、2…チップ本体、3…反応空間、3a…注入空間(第二注入空間)、3b…試薬封入空間、3c…流路(第二流路)、4…確認空間、5…試薬、6…変色剤、7…第一板状部、7a…反応空間用凹部、7b…確認空間用凹部、8…第二板状部、9…第三薄膜部、9a…反応空間用貫通孔、9b…確認空間用貫通孔、11…マイクロチップ、12…チップ本体、14…確認空間、14a…注入空間(第一注入空間)、14b…変色剤封入空間、14c…流路(第一流路)、17…第一板状部、17b…確認空間用凹部、N…ニードル。

Claims (4)

  1. 透明なチップ本体に、互いに独立した反応空間及び確認空間が形成されており、
    前記反応空間及び前記確認空間は、大気圧に対して減圧されており、
    前記反応空間には、注入される試料溶液と反応させるための試薬が封入されており、
    前記確認空間には、前記試料溶液が混ざると変色する変色剤が封入されている、
    マイクロチップ。
  2. 前記確認空間は、
    前記試料溶液が穿刺注入される第一注入空間と、
    前記変色剤が封入された変色剤封入空間と、
    前記第一注入空間と前記変色剤封入空間とを連通する第一流路と、を有する、
    請求項1に記載されたマイクロチップ。
  3. 前記反応空間は、
    前記試料溶液が穿刺注入される第二注入空間と、
    前記試薬が封入された複数の試薬封入空間と、
    前記第二注入空間と前記試薬封入空間とを連通する第二流路と、を有する、
    請求項1又は2に記載されたマイクロチップ。
  4. 前記チップ本体は、
    前記反応空間を形成する反応空間用凹部と、前記確認空間を形成する確認空間用凹部と、が形成された第一板状部と、
    前記第一板状部に重ね合わされ、前記反応空間用凹部を覆うことで前記反応空間を形成するとともに、前記確認空間用凹部を覆うことで前記確認空間を形成する第二板状部と、
    前記第二板状部の前記第一板状部とは反対側に重ね合わされる第三薄膜部と、を備え、
    前記第一板状部及び前記第三薄膜部は、ガス不透過性を有し、
    前記第二板状部は、自己封止性を有する、
    請求項1〜3の何れか一項に記載のマイクロチップ。
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