JP2013130362A - 空気清浄機 - Google Patents

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友規 加茂
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Abstract

【課題】センサを搭載した空気清浄機であって、当該センサで安定したセンシングが可能な空気清浄機を提供する。
【解決手段】空気清浄機100は、給気孔2および排気孔3を有する筐体1と、給気孔2から空気を取り込み、排気孔3から排出させるためのファン5と、給気孔2から取り込まれた空気を清浄するためのフィルタ9と、ファン5によって取り込まれた空気のうちの少なくとも一部を取り込んで、その空気中の微粒子量をセンシングするための第2検出装置10と、第2検出装置10に流入する空気の単位流量を検出するための第1検出装置6と、第1検出装置6で検出された単位流量に基づいて、第2検出装置10に空気取り込むための動作時間である取り込み時間を制御するためのセンシング時間調整機構を含む制御装置7とを有する。
【選択図】図2

Description

この発明は空気清浄機に関し、特に、センサを搭載した空気清浄機に関する。
空気雰囲気の汚染度を検知するためのセンサを搭載した空気清浄機が提案されている。たとえば特開平2−83014号公報(以下、特許文献1)は、メカニカルフィルタや電気集塵方式フィルタなどの汚染空気雰囲気を清浄化するための浄化部と、ガスセンサや塵濃度計などの空気雰囲気の汚染度検知部とを本体内に含む空気清浄機であって、送風機が動作することで本体に導入された空気が浄化部され、その後の空気の一部が検知部を収納している検知室に流れ込む構成を開示している。
従って、この空気清浄機では、センサに空気を送り込むために浄化部に空気を送り込むための送風機とは別の送風機を必要とせず、これらを兼用させることができる。
特開平2−83014号公報
ところで、一般的に、センサでの検出量は当該センサに導入される空気量に比例する。そのため、空気清浄機のファンが低速で動作するときと高速で動作するときとでは、センサでの検出量に大幅な差異が生じることになる。
空気清浄機のファンの動作は、たとえばユーザ操作や、他のセンサでの検出結果などによって変化するものである。そのため、空気清浄機のファンで生じる気流を利用してセンサにて空気雰囲気を検出している場合には、そのファンの動作が変化することでセンサでの検出量が変化してしまい、安定的な検出を行なうことができない、という問題がある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、センサを搭載した空気清浄機であって、当該センサで安定したセンシングが可能な空気清浄機を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、空気清浄機は、給気孔および排気孔を有する筐体と、給気孔から空気を筐体内へと取り込み、排気孔から筐体外へ排出させるための空気移動機構と、筐体内の、給気孔から取り込まれた空気を清浄するための空気清浄機構と、筐体内の、空気移動機構によって給気孔から取り込まれた空気のうちの少なくとも一部を取り込んで、その空気中の微粒子量をセンシングするためのセンサ機構と、センサ機構に流入する空気の単位流量を検出するための検出手段と、検出手段で検出された単位流量に基づいて、センサ機構へ給気孔から取り込まれた空気のうちの少なくとも一部をセンサ機構に取り込むための動作時間である取り込み時間を制御するためのセンシング時間調整機構とを備える。
好ましくは、センシング時間調整機構は、予めセンサ機構に流入する空気の単位流量を取り込み時間に換算するための換算情報を記憶しておき、検出手段で検出された単位流量を取り込み時間に換算する。
より好ましくは、換算情報は、センサ機構に流入する空気の単位流量が増加するに連れて、単位流量に対して一定の関係を有して取り込み時間が短くなるような、センサ機構に流入する空気の単位流量と取り込み時間との関係を規定する情報である。
より好ましくは、換算情報は、センサ機構に流入する空気の単位流量と取り込み時間との積が所定値となる、センサ機構に流入する空気の単位流量と取り込み時間との関係を規定する情報である。
好ましくは、換算情報は、センサ機構に流入する空気の単位流量が増加するに連れて段階的に取り込み時間が短くなるような、センサ機構に流入する空気の単位流量と取り込み時間との関係を規定する情報である。
より好ましくは、センサ機構でのセンサ結果を、取り込み時間でセンサ機構に取り込まれた空気量に基づいて標準化するための標準化手段をさらに備える。
この発明によると、センサを搭載した空気清浄機において、空気清浄機構への空気導入機構を兼用して当該センサにセンサ対象の空気を導入する機構とした場合に、その空気導入機構での動作と関わりなく当該センサで安定したセンシングが可能となる。
実施の形態にかかる空気清浄機の実施の形態にかかる空気清浄機の、外観の具体例を示す図である。 空気清浄機の断面の概略を示す図である 加熱前後における生物由来の粒子の蛍光強度の変化と、加熱前後における粉塵の蛍光強度の変化とを示すグラフである。 生物由来の粒子を検出する捕集工程を示す図である。 生物由来の粒子を検出する蛍光測定工程(加熱前)を示す図である。 生物由来の粒子を検出する加熱工程を示す図である。 生物由来の粒子を検出する蛍光測定工程(加熱後)を示す図である。 生物由来の粒子を検出するリフレッシュ工程を示す図である。 加熱前後の蛍光強度の増大量ΔFと、生物由来の粒子濃度との関係を示すグラフである。 空気清浄機に含まれる第2検出装置の外観の具体例を示す斜視図である。 図10中の第2検出装置の外観を示す別の斜視図である。 図10中の第2検出装置を示す分解組み立て図である。 図10中の第2検出装置の内部構造を示す斜視図である。 図11中の第2検出装置からファンが取り外された状態を示す斜視図である。 移動機構部を構成する回転ベースを示す斜視図である。 図15中の回転ベースを示す分解組み立て図である。 捕集工程および加熱工程時の粒子検出装置を示す断面図である。 蛍光測定工程(加熱前,加熱後)時の第2検出装置を示す断面図である。 リフレッシュ工程時の第2検出装置を示す断面図である。 第2検出装置の動作の流れを示すフローチャートである。 第2検出装置の内部構造を示す斜視図である。 リフレッシュ工程時の捕集基板およびブラシ清掃アームの動きを示す断面図である。 リフレッシュ工程時の捕集基板およびブラシ清掃アームの動きを示す別の断面図である。 リフレッシュ工程時の捕集基板およびブラシ清掃アームの動きを示すさらに別の断面図である。 ブラシ、ブラシ清掃アームおよび捕集基板の高さ関係を示す図である。 空気清浄機に含まれる制御装置の構成の具体例を示す図である。 空気清浄機に含まれる制御装置の構成の具体例を示す図である。 換算情報で規定されるファンの回転量Rとセンシング時間Tとの対応の、第1の例を表わした図である。 換算情報で規定されるファンの回転量Rとセンシング時間Tとの対応の、第2の例を表わした図である。 図29に表わされたファンの回転量Rに対して規定されるセンシング時間Tで第2検出装置が駆動された場合の、ファンの回転量Rに対するセンシング対象の空気量Vの関係を表わした図である。 制御装置7での制御の流れを表わすフローチャートである。
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
<装置構成>
図1は、本実施の形態にかかる空気清浄機100の実施の形態にかかる空気清浄機の、外観の具体例を示す図である。また、図2は、空気清浄機100の断面の概略を示す図である。
図1および図2を参照して、空気清浄機100は、給気孔2および排気孔3を有する筐体であるキャビネット1を有する。
キャビネット1は、好ましくは略直方体形状を有し、空気移動機構としてのファン5と、空気雰囲気を検出するためのセンサ機構に流入する空気の単位流量を検出するための機構としての、ファン5の単位時間当たりの回転量(回転速度、単位時間当たりの回転数、等)を検出するための第1検出装置6と、制御装置7と、空気中の微粒子量を検出することで空気雰囲気を検出するためのセンサ機構である第2検出装置10とを収容する。キャビネット1の互いに対向して配置される2側面に、それぞれ、給気孔2および排気孔3が設けられる。給気孔2は図1の前面側に設けられ、排気孔3は図1の上面側に設けられる。図1の前面側を仮に正面と呼び、図1の上面側を仮に上面と呼ぶ。図2は、直方体形状であるキャビネット1の側面に対して平行に切って得られる矩形断面を表わしている。
給気孔2はキャビネット1の正面の下寄りに設けられ、正面上寄りには、さらに、情報表示部である表示パネル4が設けられる。その他、図示しない操作用のスイッチなどが設けられていてもよい。
空気導入機構はファンに限定されず、ポンプや熱ヒータなどであってもよい。ファン5が回転することで、給気孔2からキャビネット1内に外気が導入される。好ましくは、図1に点線で示されるように、キャビネット1内には給気孔2および排気孔3をそれぞれの端部とした流路管8が設けられる。これによって、ファン5の回転によって給気孔2からキャビネット1内に導入された外気は流路管8を通って排気孔3からキャビネット1外に排気される。
給気孔2には、空気清浄機構としてのフィルタ9が設けられる。ファン5の回転によって給気孔2からキャビネット1内に導入された外気はフィルタ9を抜けて流路管8に導入される。これにより、空気中に含まれる埃や微生物などがフィルタ9に付着し、それらが除去されて清浄化された空気が流路管8を通って排気孔3からキャビネット1外に排気される。
流路管8には、後述する第2検出装置10の開口部120がその内部に含まれている。流路管8が設けられていない場合には、給気孔2から排気孔3に向かう流路上に開口部120があるように第2検出装置10が配置される。これによって給気孔2からキャビネット1内に導入された外気の一部が開口部120から第2検出装置10に取り込まれる。
制御装置7は、表示パネル4、第1検出装置6、および第2検出装置10に電気的に接続され、これらの動作を制御する。また、図示しない操作スイッチが空気清浄機100に備えられる場合、当該操作スイッチおよびファン5の図示しない駆動機構がさらに制御装置7に電気的に接続されて、制御装置7が操作スイッチによる操作(ON/OFF、強/弱、等)に応じてファン5の駆動を制御するようにしてもよい。
第1検出装置6は、第2検出装置10に取り込まれる空気量を検出するための機構であればよく、本例では、ファン5の回転量を検出する構成とする。この場合、第1検出装置6はたとえばファン5の回転軸と接続されて、その回転量を検出するような構成であってもよい。
第1検出装置6は、その検出値を制御装置7に入力する。制御装置7は入力された検出値に対して予め記憶している係数を用いることで、センサ機構である第2検出装置10に流入する空気量を算出することができる。この係数は、予め実験的に決定しておくことができる。
第1検出装置6での空気量の検出原理は上のものに限定されない。他の例として、第1検出装置6が流量計であって、第2検出装置10の後述する開口部120付近に設置されていることで、センサ機構である第2検出装置10に流入する空気量を検出する構成であってもよい。
または、上述のように制御装置7がファン5の駆動を制御する場合、第1検出装置6は制御装置7に含まれて、その制御量に対して予め記憶している係数を用いることで、センサ機構である第2検出装置10に流入する空気量を算出することができる。この係数は、予め実験的に決定しておくことができる。
制御装置7は、第1検出装置6での検出値から得られたセンサ機構である第2検出装置10に流入する空気量に応じて、第2検出装置10の動作を制御する。また、第1検出装置6での検出値から得られたセンサ機構である第2検出装置10に流入する空気量に基づく表示を表示パネル4に行なわせてもよい。
第2検出装置10は、取り込まれた空気中の微粒子量を検出することで該空気の雰囲気を検出するための機構であれば、特定の構成に限定されない。例えば、埃センサや花粉センサやガスセンサなどであってもよい。以降の説明では、第2検出装置10は導入された空気中に浮遊する微粒子から花粉や微生物、カビといった生物由来の粒子を検出するための装置であるとする。その検出原理や具体的な構成、検出動作については後に詳しく説明する。もちろん、第2検出装置10は生物由来の粒子を検出するための装置に限定されるものではなく、また、生物由来の粒子を検出するための原理、動作も、後述するものに限定されるものではない。
第2検出装置10の図示しない通気孔から、ファン5の駆動によって機外から取り込まれた外気の一部がその内部に導入され、その内部を通過することで、通過する空気がセンシングされる。第2検出装置10は、制御装置7での制御信号に従って検出動作を行ない、その検出値を制御装置7に入力する。
制御装置7は、第2検出装置10での検出値から得られた空気雰囲気の検出結果を、表示パネル4に表示させる。また、先述のように、制御装置7がファン5の駆動を制御する場合、第2検出装置10での検出値から得られた空気雰囲気の検出結果に応じてファン5の駆動を制御してもよい。
<第2検出装置の具体例>
先述のように、第2検出装置10が花粉や微生物、カビといった生物由来の粒子を検出するための装置である場合について、具体的に説明する。最初に、第2検出装置10を用いて生物由来の粒子を検出する原理について説明する。
[空気雰囲気の検出原理の一例]
図3は、加熱前後における生物由来の粒子の蛍光強度の変化と、加熱前後における粉塵の蛍光強度の変化とを示すグラフである。
空気中に浮遊する生物由来の粒子に紫外光または青色光を照射すると、生物由来の粒子は蛍光を発する。しかしながら、空気中には化学繊維の埃など(以下、粉塵ともいう)の、同様に蛍光を発する粒子が浮遊しており、蛍光を検出するのみでは、生物由来の粒子からのものであるのか粉塵からのものであるのかが区別されない。
一方、図3中に示すように、生物由来の粒子および粉塵に対してそれぞれ加熱処理を施し、加熱前後における蛍光強度(蛍光量)の変化を測定すると、粉塵から発せられる蛍光強度が加熱処理によって変化しないのに対して、生物由来の粒子から発せられる蛍光強度は、加熱処理によって増加する。本例における第2検出装置10では、生物由来の粒子と粉塵とが混合する粒子に対して、加熱前後の蛍光強度を測定し、その差分を求めることにより、生物由来の粒子の量を特定する。
図4から図8は、生物由来の粒子を検出する工程を示す図である。図4を参照して、まず、粒子を捕集基板510に捕集する(捕集工程)。
本工程では、捕集基板510を静電針530に対向配置するとともに、捕集基板510および静電針530間に電位差を生じさせる。ファン5の駆動により、空気が捕集基板510に向けて導入されると、空気中に浮遊する粒子600は、静電針530の周囲にて帯電される。帯電された粒子600は、静電気力によって捕集基板510の表面に吸着される。捕集基板510に捕集された粒子600には、生物由来の粒子600Aと、化学繊維の埃などの粉塵600Bとが含まれる。
図5を参照して、次に、加熱前の粒子600から発せられる蛍光の強度を測定する(蛍光測定工程(加熱前))。本工程では、半導体レーザなどの発光素子550から捕集基板510に捕集された粒子600に向けて励起光を照射するとともに、粒子600から発せられた蛍光をレンズ560を通じて受光素子565にて受光する。
図6を参照して、次に、ヒータ520を用いて、捕集基板510に捕集された粒子600を加熱する。加熱後、捕集基板510を冷却する(加熱工程)。
図7を参照して、次に、加熱後の粒子600から発せられる蛍光の強度を測定する(蛍光測定工程(加熱後))。既に説明したように、粉塵600Bから発せられる蛍光強度が加熱処理によって変化しないのに対して、生物由来の粒子600Aから発せられる蛍光強度は、加熱処理によって増加する。このため、本工程では、図5中の蛍光測定工程(加熱前)で測定された蛍光強度よりも大きい値の蛍光強度が測定される。
図9は、加熱前後の蛍光強度の増大量ΔFと、生物由来の粒子濃度との関係を示すグラフである。図9を参照して、加熱前の蛍光強度と加熱後の蛍光強度との差から、蛍光強度の増大量ΔF1を算出する。予め用意した蛍光強度の増大量ΔFと生物由来の粒子濃度Nとの関係に基づき、算出された増大量ΔF1に対応する生物由来の粒子濃度N1を特定する。なお、増大量△Fと生物由来の粒子濃度Nとの対応関係は、予め実験的に決められる。
図8を参照して、次に、生物由来の粒子の検出を終えた粒子600を捕集基板510から除去する(リフレッシュ工程)。
[第2検出装置の全体構造について]
図10は、第2検出装置10の外観の一例を示す斜視図である。図12は、図10中の第2検出装置10の外観を示す別の斜視図である。図12は、図10中の第2検出装置10を示す分解組み立て図である。図13は、図10中の第2検出装置10の内部構造を示す斜視図である。
図10から図13を参照して、一例として、第2検出装置10は、筐体としてのキャビネット11と、ファン16と、捕集部20と、蛍光検出部30と、清掃部50とを有する。
キャビネット11は、略直方体形状を有し、捕集部20、蛍光検出部30、清掃部50を収容する。本例では、キャビネット11が、第1筐体としての上キャビネット12と、第2筐体としての下キャビネット14とから構成されている。下キャビネット14は、一方向に開口する箱形状を有する。上キャビネット12は、下キャビネット14の開口を塞ぐ平板形状を有する。一例として、キャビネット11は、60mm×50mm(上キャビネット12の縦、横)×30mm(高さ)の大きさを有する。
キャビネット11は、側面11mおよび側面11nを有する。側面11mおよび側面11nは、互いに対向して配置されている。側面11mは、上キャビネット12に形成され、側面11nは、下キャビネット14に形成されている。
キャビネット11には、筒状部材としての捕集筒15が一体に形成されている。捕集筒15は、側面11mに開口し、側面11mから側面11nに向けて円筒状に延びている。捕集筒15は、後述する静電針22を取り囲むように設けられている。捕集筒15は、静電針22と対向して位置決めされた捕集基板71に向けて、粒子を含む空気を案内する。
図14は、図11中の第2検出装置10からファンが取り外された状態を示す斜視図である。図11および図14を参照して、ファン16は、正転方向および反転方向に回転駆動可能である。ファン16が正転方向に駆動されることにより、キャビネット11の内部の空気がファン16を通じてキャビネット11の外部に排出される。ファン16が反転方向に駆動されることにより、キャビネット11の外部の空気がファン16を通じてキャビネット11の内部に導入される。
ファン16は、キャビネット11の側面11nに取り付けられている。ファン16が取り付けられたキャビネット11の位置には、開口部120が形成されている。開口部120は、捕集筒15と向かい合う範囲(図14中の2点鎖線122に示す範囲)と、後述するブラシ51と向かい合う範囲(図14中の2点鎖線121に示す範囲)とを含むように開口している。開口部120は、捕集筒15と向かい合う範囲とブラシ51と向かい合う範囲とで連続的に形成されている。
このような構成によって、ファン16は、捕集工程と、加熱工程時の冷却と、リフレッシュ工程とで兼用して用いられる。これにより、第2検出装置10の小型化や低コスト化を図ることができる。
図10から図13を参照して、捕集部20は、図4を参照して説明した捕集工程を実行し、空気中に含まれる粒子を捕集基板71に捕集する。捕集部20は、電源部としての高圧電源21と、放電電極としての静電針22とを有する。
捕集基板71は、生物由来の粒子と化学繊維の埃などの粉塵とが混合した粒子が捕集される捕集部材として設けられている。捕集基板71は、ガラス板から形成されている。粒子を吸着するガラス板の表面には、導電性の透明被膜が形成されている。捕集基板71は、ガラス板に限定されず、セラミックもしくは金属などから形成されてもよい。被膜は、透明被膜に限定されず、たとえば、セラミック等から形成された捕集基板71の表面に、金属被膜が形成されてもよい。また、捕集基板71が金属から形成される場合、その表面に被膜を形成する必要はない。
高圧電源21は、捕集基板71と静電針22との間に電位差を生じさせるための電源部として設けられている。
静電針22は、高圧電源21から延出し、捕集筒15を貫通して捕集筒15の内部に達している。捕集工程時、捕集基板71は、静電針22と対向して配置される。本例では、静電針22が、高圧電源21の正極に電気的に接続されている。捕集基板71に形成された被膜は、高圧電源21の負極に電気的に接続されている。
なお、静電針22が高圧電源21の正極に電気的に接続されている場合に、捕集基板71に形成された被膜が接地電位に接続されてもよいし、静電針22が高圧電源21の負極に電気的に接続され、捕集基板71に形成された被膜が高圧電源21の正極に電気的に接続されてもよい。
捕集工程時、ファン16が正転方向に駆動されると、キャビネット11内部の空気が排気されると同時に、キャビネット11の外部の空気が捕集筒15を通って捕集基板71に向けて導入される。この際、高圧電源21によって静電針22と捕集基板71との間に電位差を発生させると、空気中の粒子は、静電針22の周囲で正極に帯電される。正極に帯電された粒子が、静電気力によって捕集基板71に移動し、導電性の被膜に吸着されることによって、捕集基板71に捕集される。
このように本例の第2検出装置10は、静電気力を利用した静電捕集により、粒子を捕集基板71に捕集する。この場合、粒子の検出時に粒子を確実に捕集基板71に保持するとともに、粒子の検出後には粒子を容易に捕集基板71から除去することができる。
また、放電電極として針状の静電針22を用いることによって、帯電した粒子を、静電針22に対向する捕集基板71の表面であって、後述する発光素子の照射領域に対応した極めて狭い領域に吸着させることができる。これにより、蛍光測定工程において、吸着された微生物を効率的に検出することができる。
蛍光検出部30は、図5および図7を参照して説明した蛍光測定工程(加熱前,加熱後)を実行する。蛍光検出部30は、励起光源部31および受光部41から構成されている。励起光源部31は、捕集基板71に捕集された粒子に向けて励起光を照射する。受光部41は、励起光の照射に伴って粒子から発せられる蛍光を受光する。
励起光源部31は、光源としての発光素子32と、励起部フレーム33と、集光レンズ34と、レンズ押さえ35とを有する。受光部41は、ノイズシールド42と、増幅回路43と、受光素子44と、受光部フレーム45と、フレネルレンズ46と、レンズ押さえ47とを有する。発光素子32としては、半導体レーザまたはLED(Light Emitting Diode)素子などが用いられる。発光素子32から発せられる光は、生物由来の粒子を励起して蛍光を発せさせるものであれば、紫外または可視いずれの領域の波長を有してもよい。受光素子44としては、フォトダイオードまたはイメージセンサなどが用いられる。
受光素子44は、制御装置7と電気的に接続されて、蛍光の受光量に応じた信号を制御装置7に入力する。
清掃部50は、図8を参照して説明したリフレッシュ工程を実行し、粒子を捕集基板71から除去する。清掃部50は、清掃具としてのブラシ51と、ベース部としてのブラシ固定部52およびブラシ押さえ53とを有する。清掃部50は、高圧電源21に対して固定支持されている。リフレッシュ工程時、清掃部50は静止している。
ブラシ51は、繊維集合体から形成されている。ブラシ51は、導電性を有する繊維集合体から形成されている。ブラシ51は、たとえば、カーボンファイバから形成されている。ブラシ51を形成する繊維集合体の線径は、φ0.05mm以上φ0.2mm以下であることが好ましい。
ブラシ51は、自由端51pと、自由端51pの反対側の端部に配置される支持端51qとを有する(図13を参照)。支持端51qは、ブラシ固定部52およびブラシ押さえ53により支持されている。ブラシ51は、支持端51qから自由端51pに向けて垂れ下がるように設けられる。ブラシ51は、後述するリフレッシュ位置93に固定支持されている。ブラシ51の自由端51pが捕集基板71の表面に接触した状態で捕集基板71が移動することにより、粒子が捕集基板71から除去される。
なお、本例では、捕集基板71から粒子を除去する捕集具としてブラシ51を用いたが、捕集具はこれに限られず、たとえば、捕集基板71の表面と接触する平板状のワイパーであってもよいし、捕集基板71の表面に向けて空気を噴き出すノズルであってもよい。
第2検出装置10は、加熱部としてのヒータ76と、移動機構部60とをさらに有する。
ヒータ76は、図6を参照して説明した加熱工程を実行し、捕集基板71に捕集された粒子を加熱する。
移動機構部60は、捕集基板71を搭載し、捕集工程、蛍光測定工程(加熱前,加熱後)、リフレッシュ工程および加熱工程間で捕集基板71を移動させる。移動機構部60は、モータホルダ61と、回転駆動可能な駆動部としての回転モータ62と、モータ押さえ63と、アーム部としての回転ベース64を有する。
図15は、移動機構部を構成する回転ベースを示す斜視図である。図16は、図15中の回転ベースを示す分解組み立て図である。図15中には、裏側(キャビネット11の側面11n側)から見た回転ベース64が示され、図16中には、表側(キャビネット11の側面11m側)から見た回転ベース64が示されている。
図13、図15および図16を参照して、回転ベース64には、回転モータ62の出力軸が接続されている。回転モータ62の駆動に伴って、回転ベース64は、図13中に仮想線として描かれた回転中心軸66を中心に回転(正転、反転)する。
回転ベース64は、樹脂材料により形成されている。回転ベース64は、その構成部位として、中心部67と、基板支持部68と、清掃具初期化部材としてのブラシ清掃アーム81と、センシング対象部82とを有する。
中心部67は、回転モータ62の出力軸に接続されている。中心部67は、キャビネット11により回転中心軸66を中心に回転自在に支持されている。基板支持部68は、中心部67から回転中心軸66の半径方向に延伸し、その先端で捕集基板71を搭載している。基板支持部68は、捕集基板71を搭載する位置で枠形状を有する。ブラシ清掃アーム81およびセンシング対象部82については、後の項目で詳細に説明する。
捕集基板71の裏面には、ヒータ76が貼り合わされている。ヒータ76は、回転ベース64の回転時、捕集基板71とともに移動する。ヒータ76には、ヒータ76の電力供給線や、ヒータ76に内蔵されたセンサの信号線を含む、複数の配線111,112,113が接続されている。配線111,112,113は、フレキシブル基板96を通じてキャビネット11の外部に引き出されている。
図17は、捕集工程および加熱工程時の第2検出装置10を示す断面図である。図18は、蛍光測定工程(加熱前,加熱後)時の第2検出装置10を示す断面図である。図19は、リフレッシュ工程時の第2検出装置10を示す断面図である。図17から図19中には、キャビネット11の側面11n側から見た第2検出装置10の断面が示されている。
図17から図19を参照して、本例における第2検出装置10では、捕集基板71が、捕集工程および加熱工程時に、図17中に示す第1位置としての捕集・加熱位置91に移動され、蛍光測定工程(加熱前,加熱後)時に、図18中に示す第2位置としての検出位置92に移動され、リフレッシュ工程時に、図19中に示す第3位置としてのリフレッシュ位置93に移動される。捕集・加熱位置91と、検出位置92と、リフレッシュ位置93とは、互いに離れて配置されている。
なお、図19中のリフレッシュ位置93は、代表的な例として示したものであり、実際には、リフレッシュ工程時に捕集基板71を移動させつつ、捕集基板71の表面をブラシ51に接触させて捕集基板71から粒子を除去するため、捕集基板71とブラシ51とが接触する間の捕集基板71の移動範囲がリフレッシュ位置93に相当する。
捕集基板71は、捕集・加熱位置91、検出位置92およびリフレッシュ位置93間を移動する間、同一平面内に保持される。捕集基板71は、捕集・加熱位置91、検出位置92およびリフレッシュ位置93間を移動する間、回転中心軸66に直交する同一平面内に保持される。
すなわち、本例における第2検出装置10は、捕集基板71を、同一平面内に保持しながら、捕集・加熱位置91、検出位置92およびリフレッシュ位置93の間で移動させる移動機構部60を備える。本例では、捕集基板71を同一平面内で移動させるため、捕集・加熱位置91、検出位置92およびリフレッシュ位置93の各位置における捕集基板71の位置決め精度を向上させることができる。また、回転中心軸66の軸方向において捕集基板71が移動しないため、第2検出装置10の全高を低く抑えることができる。
捕集・加熱位置91と、検出位置92と、リフレッシュ位置93とは、円周上に並んで配置されている。捕集・加熱位置91と、検出位置92と、リフレッシュ位置93とは、回転中心軸66を中心とする円周上に並んで配置されている。捕集基板71の移動方向において、捕集・加熱位置91は、検出位置92とリフレッシュ位置93との間に配置されている。言い換えれば、捕集基板71の移動方向において、リフレッシュ位置93は、捕集・加熱位置91から見て検出位置92の反対側に配置されている。捕集基板71の移動方向において、検出位置92、捕集・加熱位置91およびリフレッシュ位置93が挙げた順に並んで配置されている。
捕集・加熱位置91とリフレッシュ位置93との間の捕集基板71の移動距離よりも、検出位置92とリフレッシュ位置93との間の捕集基板71の移動距離の方が大きい。捕集・加熱位置91、検出位置92およびリフレッシュ位置93の間における捕集基板71の移動範囲は、回転中心軸66の軸周りにおいて180°以下である。
続いて、本例における第2検出装置10の動作について説明する。図20は、第2検出装置10での動作の流れの一例を示すフローチャートである。
なお、以下の説明では、図17から図19中において、回転中心軸66を中心とする時計周りの回転を正転方向といい、回転中心軸66を中心とする反時計周りの回転を反転方向という。
図17および図20を参照して、まず、捕集基板71を捕集・加熱位置91に位置決めして、捕集工程を実施する(S101)。この際、ファン16を正転方向に駆動させることによって、キャビネット11内部に空気を導入するとともに、高圧電源21によって静電針22と捕集基板71との間に電位差を発生させ、空気中の粒子を捕集基板71の表面に捕集する。
図18および図20を参照して、次に、回転モータ62を駆動させることによって回転ベース64を正転方向に回転させ、捕集基板71を捕集・加熱位置91から検出位置92に移動させる(S102)。次に、励起光源部31によって、捕集基板71に捕集された粒子に向けて励起光を照射するとともに、受光部41によって、励起光の照射に伴って粒子から発せられる蛍光を受光する。これにより、捕集基板71に捕集された粒子の加熱前の蛍光強度を測定する(S103)。
図17および図20を参照して、次に、回転モータ62を駆動させることによって回転ベース64を反転方向に回転させ、捕集基板71を検出位置92から捕集・加熱位置91に移動させる(S104)。次に、ヒータ76に通電することによって、捕集基板71に捕集された粒子を加熱する(S105)。次に、ヒータ76への通電を停止して、捕集基板71を冷却する(S106)。この際、ファン16を反転方向に駆動させることによって、空気をキャビネット11内部に導入し、捕集基板71の冷却を促進させる。
図18および図20を参照して、次に、回転モータ62を駆動させることによって回転ベース64を正転方向に回転させ、捕集基板71を捕集・加熱位置91から検出位置92に移動させる(S107)。次に、励起光源部31によって、捕集基板71に捕集された粒子に向けて励起光を照射するとともに、受光部41によって、励起光の照射に伴って粒子から発せられる蛍光を受光する。これにより、捕集基板71に捕集された粒子の加熱後の蛍光強度を測定する(S108)。
図19および図20を参照して、次に、回転モータ62を駆動させることによって回転ベース64を反転方向に回転させ、捕集基板71を検出位置92からリフレッシュ位置93に移動させる。リフレッシュ位置93において回転ベース64を反転方向に回転させ、さらに正転方向に回転させることによって、捕集基板71の表面をブラシ51に接触させる。これにより、捕集基板71から粒子を除去する(S109)。
リフレッシュ工程時、ファン16を正転方向に駆動させることによって、捕集基板71から除去されて空気中を飛散する粒子を開口部120を通じてキャビネット11の外部に排出する。開口部120を通じてキャビネット11の外部に排出された粒子を回収するため、開口部120とファン16との間にフィルタを設けることが好ましい。
この際、捕集基板71が、図17中に示す捕集・加熱位置91から図19中に示すリフレッシュ位置93に近づくに従って、捕集基板71と捕集筒15とが重なる範囲が小さくなるため、空気の導入口である捕集筒15の開口面積が大きくなる。これにより、粒子を効率的にキャビネット11の外部に回収することができる。一方、捕集工程時には、捕集基板71に遮蔽されることによって捕集筒15の開口面積が小さくなるため、空気の導入ロスを減らすことができる。
この例では、清掃部50を静止させたまま捕集基板71の移動によってリフレッシュ工程を実施するため、リフレッシュ工程を実施するための移動機構部を別途設ける必要がない。このため、第2検出装置10の小型化や低コスト化を図ることができる。
図17および図20を参照して、回転モータ62を駆動させることによって回転ベース64を正転方向に回転させ、捕集基板71をリフレッシュ位置93から捕集・加熱位置91に移動させる(S110)。以上のS101〜S110の工程を繰り返すことによって、生物由来の粒子の検出を連続的に実施する。
以上に説明した、第2検出装置10の構造の具体例についてまとめて説明すると、第2検出装置10は、導入された空気中の生物由来の粒子を検出する。第2検出装置10は、粒子を捕集部材としての捕集基板71に捕集する捕集部20と、捕集基板71に捕集された粒子に向けて励起光を照射するとともに、粒子から発せられる蛍光を受光する蛍光検出部30と、捕集部20により捕集基板71に粒子を捕集する第1位置としての捕集・加熱位置91および蛍光検出部30により蛍光を受光する第2位置としての検出位置92とは離れた第3位置としてのリフレッシュ位置93で、粒子を捕集基板71から除去する清掃部50とを備える。
また別に、第2検出装置10は、導入された空気中の生物由来の粒子を検出する。第2検出装置10は、粒子を捕集部材としての捕集基板71に捕集する捕集部20と、捕集基板71に捕集された粒子に向けて励起光を照射するとともに、粒子から発せられる蛍光を受光する蛍光検出部30と、粒子を捕集基板71から除去する清掃部50と、捕集基板71を、捕集部20により捕集基板71に粒子を捕集する第1位置としての捕集・加熱位置91と、蛍光検出部30により蛍光を受光する第2位置としての検出位置92と、清掃部50により捕集基板71から粒子を除去する第3位置としてのリフレッシュ位置93との間で移動させる移動機構部60とを備える。
さらに別に、第2検出装置10は、導入された空気中の生物由来の粒子を検出する。第2検出装置10は、粒子を捕集部材としての捕集基板71に捕集する捕集部20と、捕集基板71に捕集された粒子に向けて励起光を照射するとともに、粒子から発せられる蛍光を受光する蛍光検出部30と、粒子を捕集基板71から除去する清掃部50とを備える。捕集基板71は、正転方向および反転方向に回転移動することにより、捕集部20により捕集基板71に粒子を捕集する第1位置としての捕集・加熱位置91と、蛍光検出部30により蛍光を受光する第2位置としての検出位置92と、清掃部50により捕集基板71から粒子を除去する第3位置としてのリフレッシュ位置93との間を移動する。
上に説明した例では、粒子を捕集基板71から除去するための清掃部50を設けることによって、捕集基板71を繰り返し使用して生物由来の粒子の検出を行なうことができる。このため、1回の検出ごとに捕集基板71を交換する場合と比較して、粒子検出にかかる費用を低コストにできる。
また、上に説明した例では、粒子を捕集基板71から除去するリフレッシュ工程が、捕集・加熱位置91および検出位置92から離れたリフレッシュ位置93で実施される。このため、捕集基板71から除去された粒子が、次工程の捕集工程時に再び捕集基板71に捕集されたり、捕集基板71から検出位置92に侵入した粒子が発光素子32や受光素子44などの光学系に付着したりすることを防止できる。特にこの例では、リフレッシュ位置93と検出位置92との間を遮るように捕集・加熱位置91が設けられているため、捕集基板71から除去された粒子が検出位置92に侵入することを効果的に防ぐことができる。これらの理由により、第2検出装置10によれば、生物由来の粒子の検出を高精度に行なうことができる。
また、この例では、捕集・加熱位置91、検出位置92およびリフレッシュ位置93が円周上に並んで配置されており、捕集基板71は回転することによって、これらの各位置間を移動する。このような構成によれば、捕集部20、蛍光検出部30および清掃部50をコンパクトな空間に配置して、第2検出装置10の小型化を図ることができる。また、この例では、捕集基板71が正転方向および反転方向に回転して捕集・加熱位置91、検出位置92およびリフレッシュ位置93の各位置に移動するため、フレキシブル基板96を通じて引き出される複数の配線や静電捕集のための配線が絡み合わないという効果も奏される。
加熱部としてのヒータ76の構造についてまとめて説明すると、本例における第2検出装置10は、捕集基板71に捕集された粒子を加熱するための加熱部としてのヒータ76を有する。蛍光検出部30により把握される加熱前の粒子から発せられる蛍光強度と加熱後の粒子から発せられる蛍光強度との差分から、生物由来の粒子を検出する。ヒータ76によって粒子を加熱するとき、捕集基板71は、第1位置としての捕集・加熱位置91に移動される。ヒータ76は、移動機構部60によって捕集基板71とともに移動される。ヒータ76によって加熱された捕集基板71は、ファン16によってキャビネット11内に導入された空気により冷却される。
上に説明した例では、捕集基板71に捕集された粒子を加熱する加熱工程を、捕集基板71に粒子を捕集する捕集工程と同じ位置(捕集・加熱位置91)で実施することにより、第2検出装置10の小型化を図ることができる。また、ヒータ76を移動機構部60に搭載して、捕集基板71と一緒に移動させる構成により、第2検出装置10の構造を簡易化できる。
[第2検出装置の構成部品の配置について]
図13、図17から図19を参照して、一例として、第2検出装置10では、捕集部20、蛍光検出部30および清掃部50の各構成部品が、回転中心軸66を中心にその周方向に並んで配置されている。
捕集筒15および静電針22は、捕集・加熱位置91に向かい合って配置されている。高圧電源21および清掃部50は、リフレッシュ位置93に向かい合って配置されている。受光部41は、検出位置92に向かい合って配置されている。
捕集筒15と受光部41とは、回転中心軸66を中心とする周方向において互いに隣り合って配置されている。励起光源部31は、回転中心軸66を中心とする周方向において、捕集筒15とは反対側で受光部41と隣り合って配置されている。すなわち、回転中心軸66を中心とする周方向において、励起光源部31と捕集筒15との間に受光部41が配置されている。励起光源部31は、回転中心軸66を挟んで捕集筒15の反対側に配置されている。
高圧電源21は、回転中心軸66を中心とする周方向において、受光部41とは反対側で捕集筒15と隣り合って配置されている。すなわち、回転中心軸66を中心とする周方向において、高圧電源21と受光部41との間に捕集筒15が配置されている。高圧電源21は、回転中心軸66を挟んで受光部41の反対側に配置されている。高圧電源21と励起光源部31とは、回転中心軸66を中心とする周方向において互いに隣り合って配置されている。
回転中心軸66の軸方向から見た場合に、捕集筒15、受光部41および高圧電源21は、回転中心軸66の軸周りにおける捕集基板71の移動範囲と重なって配置されている。回転中心軸66の軸方向から見た場合に、励起光源部31は、回転中心軸66の軸周りにおける捕集基板71の移動範囲からずれて配置されている。
本例では、捕集基板71の移動方向において、励起光源部31は、受光部41に対して捕集筒15の反対側に配置されている。このように構成により、励起光源部31の配置に起因して、捕集・加熱位置91と検出位置92との間の距離が長くなることを防止している。
回転中心軸66の軸方向から見た場合に、清掃部50は、高圧電源21と重なって配置されている。より具体的には、清掃部50を構成するブラシ固定部52が、高圧電源21に取り付けられている。図13中に示すように、励起光源部31および受光部41は、それぞれ、高さH1(回転中心軸66の軸方向の長さ)および高さH2を有する。高圧電源21は、高さH3を有する。高さH3は、高さH1および高さH2よりも小さく、高さH1は、高さH2よりも大きい(H3<H2<H1)。
本例では、清掃部50を、励起光源部31、受光部41および高圧電源21のうち最も小さい高さを有する高圧電源21と重ねて設けることによって、キャビネット11内の限られた空間に捕集部20、蛍光検出部30および清掃部50の各構成部品を効率よく配置している。
また、本例では、清掃部50と捕集筒15とが回転中心軸66を中心とする周方向において互いに隣り合って配置されている。このような構成によって、捕集工程、加熱工程時の冷却およびリフレッシュ工程間におけるファン16の兼用を可能としている。
図21は、第2検出装置10の内部構造を示す斜視図である。図21を参照して、受光部41および励起光源部31と、清掃部50との間を遮るように、捕集筒15および移動機構部60が設けられている。
このような構成により、リフレッシュ位置93において捕集基板71から除去された粒子が検出位置92に侵入することを効果的に抑制できる。また、リフレッシュ位置93から検出位置92への粒子の侵入を防止することを目的にキャビネット11内に隔壁を設ける必要がなく、捕集・加熱位置91、検出位置92およびリフレッシュ位置93がキャビネット11内の同一空間に設けられる。このため、第2検出装置10を小型化することができる。
[ブラシのクリーニング構造について]
リフレッシュ工程時、清掃部50により捕集基板71から粒子が除去されるのに伴って、捕集基板71の表面と接触するブラシ51に粒子が付着する。本例における第2検出装置10は、清掃具初期化部材としてのブラシ清掃アーム81を有し、このブラシ清掃アーム81によってブラシ51に付着した粒子を除去する。
図15および図16を参照して、ブラシ清掃アーム81は、回転ベース64に一体に設けられている。ブラシ清掃アーム81は、回転ベース64の回転時、捕集基板71とともに移動する。ブラシ清掃アーム81は、回転ベース64の中心部67から回転中心軸66の半径方向に延伸する。ブラシ清掃アーム81がブラシ51の自由端51pに接触した状態で回転移動することにより、ブラシ51に付着した粒子が除去される。
ブラシ清掃アーム81は、回転中心軸66の軸周りにおいて基板支持部68と周方向にずれた位置に設けられている。図18中に示すように、捕集基板71が検出位置92に移動された時に、ブラシ清掃アーム81は、捕集基板71とブラシ51との間に配置される。
図22から図24は、リフレッシュ工程時の捕集基板およびブラシ清掃アームの動きを示す断面図である。図24中には、リフレッシュ工程時の捕集基板71の移動端が示されている。
図22から図24を参照して、粒子の加熱後の蛍光強度を測定した後、回転ベース64を反転方向に回転させ、捕集基板71を検出位置92からリフレッシュ位置93に向けて移動させる。
この際、まず、ブラシ清掃アーム81がブラシ51の自由端51pに接触しながら反転方向に移動することにより、ブラシ51に付着した粒子を除去する。同時に、ファン16を正転方向に駆動させることによって、ブラシ51から除去された粒子をリフレッシュ位置93からキャビネット11の外部に回収する。さらに回転ベース64を反転方向に回転させ、捕集基板71の表面をブラシ51に接触させることにより、捕集基板71から粒子を除去する。捕集基板71が図24中に示す移動端まで移動したら、回転ベース64を正転方向に回転させ、再び捕集基板71の表面をブラシ51に接触させることにより、捕集基板71から粒子を除去する。
本例では、捕集基板71が検出位置92に移動された時に、ブラシ清掃アーム81が捕集基板71とブラシ51との間に配置されるため、捕集基板71とブラシ51とが接触する前に、ブラシ清掃アーム81とブラシ51とが接触する。これにより、ブラシ清掃アーム81によってリフレッシュされたブラシ51により捕集基板71を清掃できるため、捕集基板71から粒子を効率的に除去することができる。
また、ブラシ清掃アーム81は、捕集基板71を搭載する回転ベース64に一体に設けられている。このような構成により、ブラシ清掃アーム81を移動させるための移動機構部を別途設ける必要がなくなり、第2検出装置10の小型化や低コスト化を図ることができる。
なお、キャビネット11内部には、粘着性を有する粒子捕獲部が設けられてもよい。粒子捕獲部は、たとえば、粘着性シートから形成される。粒子捕獲部は、リフレッシュ位置93や、リフレッシュ位置93と捕集・加熱位置91との間に設けられることが好ましい。このような構成によれば、ファン16の駆動による粒子の回収に加えて、粒子捕獲部によって捕集基板71もしくはブラシ51から除去された粒子を回収することができる。
図25は、ブラシ、ブラシ清掃アームおよび捕集基板の高さ関係を示す図である。図25を参照して、ブラシ清掃アーム81および捕集基板71は、それぞれ、ブラシ51の自由端51pと接触する頂面81aおよび頂面71aを有する。任意の位置を基準とした時のブラシ51の自由端51pの高さをH6とし、ブラシ清掃アーム81の頂面81aの高さをH7とし、捕集基板71の頂面71aの高さをH8とした場合に、H6<H8<H7の関係を満たすことが好ましい。
[第2検出装置の細部構造について]
第2検出装置10は、一例として、捕集基板71の位置を検出するための位置検出部として、位置センサ77および位置センサ78と、センシング対象部82とを有する。
図13、図17および図18を参照して、位置センサ77および位置センサ78は、センシング対象部82の近接を検知することによって捕集基板71の位置を検出するセンサである。位置センサ77および位置センサ78は、キャビネット11の内壁に取り付けられている。位置センサ77および位置センサ78は、回転中心軸66に直交する同一平面内に設けられている。回転中心軸66の軸方向から見た場合に、位置センサ77は、捕集・加熱位置91と検出位置92との間に配置され、位置センサ78は、捕集・加熱位置91とリフレッシュ位置93との間に配置されている。
図15を参照して、センシング対象部82は、回転ベース64に一体に設けられている。センシング対象部82は、回転ベース64の回転時、捕集基板71とともに移動する。センシング対象部82は、回転ベース64の中心部67から回転中心軸66の半径方向に延伸するブラシ清掃アーム81の先端に設けられている。
図13、図17および図18を参照して、図示しない制御部は、位置センサ78がセンシング対象部82の近接を検知した場合に、捕集基板71が捕集・加熱位置91に位置決めされたことを検出する。このとき、制御部は、捕集基板71への粒子の捕集が開始されるように、捕集部20およびファン16に向けて指令を出す。また、制御部は、位置センサ77がセンシング対象部82の近接を検知した場合に、捕集基板71が検出位置92に位置決めされたことを検出する。このとき、制御部は、生物由来の粒子の検出が開始されるように、蛍光検出部30に向けて指令を出す。
位置センサ78および位置センサ77を用いた捕集基板71の位置検出により、捕集工程および検出工程における捕集基板71の位置精度を向上させ、生物由来の粒子の検出の再現性を高めることができる。
図18を参照して、本例における第2検出装置10は、移動機構部60の移動端に配置され、移動機構部60の移動を規制する規制部材としての突出部19を有する。突出部19は、キャビネット11の内壁から突出して設けられている。突出部19は、検出位置92に隣り合った位置に設けられている。捕集基板71が検出位置92に移動された時、回転ベース64が突出部19に当接することにより、回転ベース64のそれ以上の移動が規制される。
<制御装置の構成>
図26および図27は、制御装置7の構成の具体例を示す図である。
図26を参照して、制御装置7は、第2検出装置10の受光素子44からの検出信号を処理するための信号処理部710と、各検出信号に基づいて第2検出装置10での動作の制御やその検出結果の処理などを行なうための測定部720とを含む。
図26では、信号処理部710の機能が主に電気回路であるハードウェア構成で実現される例が示されている。しかしながら、これら機能のうちの少なくとも一部は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を備え、該CPUが所定のプログラムを実行することによって実現される、ソフトウェア構成であってもよい。また、図26および図27では、測定部720の構成がソフトウェア構成である例が示されている。しかしながら、これら機能のうちの少なくとも一部は、電気回路などのハードウェア構成で実現されてもよい。
さらに図26を参照して、信号処理部710は、第2検出装置10の受光素子44に接続される電流−電圧変換回路711と、電流−電圧変換回路711に接続される増幅回路712とを含む。
測定部720は、制御部721と、記憶部722と、第2検出装置10のヒータ76おおよびファン16を駆動させるための駆動部723と、表示パネル4に検出結果等を表示させる処理を実行するための表示部724と含む。
第2検出装置10内に導入された空気に対して発光素子32から照射されることで、照射領域にある粒子からの蛍光が、受光素子44で受光される。受光素子44からの受光量に応じた電流信号は電流−電圧変換回路711に入力される。
電流−電圧変換回路711は、受光素子44から入力された電流信号より蛍光強度を表わすピーク電流値Hを検出し、電圧値Ehに変換する。電圧値Ehは増幅回路712で予め設定した増幅率に増幅され、測定部720に対して出力される。測定部720の制御部721は電圧値Ehの入力を受け付けて、順次、記憶部722に記憶させる。
制御部721は第2検出装置10の発光素子32および受光素子44と電気的に接続され、それらのON/OFFを制御する。
制御部721は駆動部723に対して、第2検出装置10での検出動作を開始/停止を指示する制御信号を出力する。駆動部723は第2検出装置10のヒータ76およびファン16を駆動させるための機構と電気的に接続されて、この制御信号に従ってヒータ76およびファン16を駆動させたり、駆動を停止させたりする。これによって、第2検出装置10での検出動作が行なわれる。
なお、本例では、一例として、駆動部723によっては第2検出装置10のヒータ76およびファン16が駆動/停止することで第2検出装置10の検出動作、つまり、第2検出装置10への空気の取り込みの開始/終了が制御されるものとしている。しかしながら、第2検出装置10での検出動作の制御は、この方法に限定されるものではない。他の例として、駆動部723が第2検出装置10の高圧電源21と静電針22との間に設けられた図示しないスイッチを開閉させるための機構に接続されて、駆動部723によって該スイッチが開閉されることで第2検出装置10の検出動作が制御されてもよい。その他、第2検出装置10の捕集筒15の開口が開閉式である場合にその駆動機構に接続されて、駆動部723によって捕集筒15の開口が開閉されることで第2検出装置10の検出動作が制御されてもよい。
制御部721は、第2検出装置10での検出結果を出力する制御を行なうための検出制御部211と、第2検出装置10の駆動を制御するための駆動制御部212とを含む。
図27を参照して、検出制御部211は、記憶部722から検出結果として出力する対象の電圧値Ehを読み出すための読出部204と、電圧値Ehから生物由来の粒子からの蛍光によるものか否かを判別するための判別部205と、その判別結果に基づいて空気中の生物由来の粒子量(粒子数)を算出するための算出部206とを含む。
図3を用いて説明されたように、生物由来の粒子からの蛍光強度は加熱の前後で変化(増大)するのに対して、粉塵などの蛍光を発する粒子からの蛍光強度は加熱の前後で変化がない。そこで、判別部205は、図9に表わされたような生物由来の粒子か否かを判別するためのしきい値を予め記憶しておき、加熱前後の蛍光強度の差分をそのしきい値と比較することで、差分がしきい値より大なる場合には生物由来の粒子、そうでない場合には粉塵等の生物由来ではない粒子と判別する。
算出部206は、その判別結果に基づいて、第2検出装置10でセンシング時間Tの間の検出結果として、センシング時間T中に生物由来の粒子と判別された粒子量(粒子数)を算出する。たとえば、算出部206はカウンタを含み、センシング時間Tの間に生物由来の粒子と判別された粒子数をカウントしてもよい。
なお、図27に示されたように、検出制御部211には標準化部207が含まれて、算出部206で算出された粒子量が補正されてもよい。
算出された粒子量または標準化部207で補正された粒子量は表示部724に入力されて、表示パネル4で表示するための処理がなされる。
さらに図27を参照して、駆動制御部212は、第1検出装置6からの検出値の入力を受け付けるための入力部201と、後述する換算情報を予め記憶しておき、入力された検出値を当該換算情報を用いて換算することで第2検出装置10の駆動時間を算出するための換算部202と、その駆動時間で第2検出装置10を駆動させるよう駆動部723に対して制御信号を出力するためのセンシング時間調整部203とを含む。
換算部202に記憶される換算情報は、第2検出装置10に単位時間当たり取り込まれる空気量(単位流量)に相当するファン5の単位時間当たりの回転量Rと、第2検出装置10でのセンシング時間(検出動作を継続する時間)Tとの対応を規定した情報である。この情報は、予め換算部202に入力されている。換算部202は、第1検出装置6からの検出値で得られるファン5の単位時間当たりの回転量に対応した第2検出装置10でのセンシング時間を換算情報から読み出すことで、ファン5の単位時間当たりの回転量を第2検出装置10でのセンシング時間Tに換算する。
図28は、換算情報で規定されるファン5の単位時間当たりの回転量Rとセンシング時間Tとの対応の、第1の例を表わした図である。
図28を参照して、換算部202に記憶される換算情報は第1の例として、ファン5の単位時間当たりの回転量Rで表わされる第2検出装置10に単位時間当たり導入される空気量の増加に対して、センシング時間Tが反比例して減少する関係を規定する。
ここで、第2検出装置10に取り込まれてセンシング対象とされる空気量Vは、ファン5の単位時間当たりの回転量Rで表わされる第2検出装置10に単位時間当たり取り込まれる空気量にセンシング時間Tを乗じて(V=R×T)得られる。そのため、ファン5の単位時間当たりの回転量Rとセンシング時間Tとが図28に表わされた反比例の関係である場合には、これらの積で表わされる第2検出装置10でのセンシング対象の空気量Vは、ファン5の単位時間当たりの回転量Rで表わされる第2検出装置10に単位時間当たり取り込まれる空気量が変化した場合であっても常に一定となる。
換算部202は図28に表わされた換算情報に基づいてファン5の単位時間当たりの回転量Rを換算することでセンシング時間Tを算出し、センシング時間調整部203は当該センシング時間Tの間、第2検出装置10を動作させるよう駆動部723に対して制御信号を出力する。
換算部202に記憶される換算情報は、図28に表わされるように、ファン5の単位時間当たりの回転量Rで表わされる第2検出装置10に導入される空気量とセンシング時間Tとが反比例する関係を規定するものに限定されない。他の例として、図29は、換算部202に記憶される換算情報で規定されるファン5の単位時間当たりの回転量Rとセンシング時間Tとの対応の、第2の例を表わした図である。
図29を参照して、換算情報は、第2の例として、ファン5の単位時間当たりの回転量Rで表わされる第2検出装置10に導入される空気量の増加に対してセンシング時間Tが段階的に減少する関係を規定するものであってもよい。
なお、この場合、ファン5の単位時間当たりの回転量Rで表わされる第2検出装置10に単位時間当たり取り込まれる空気量と、センシング時間Tとの積で表わされる第2検出装置10でのセンシング対象の空気量Vは、ファン5の単位時間当たりの回転量Rで表わされる第2検出装置10に単位時間当たり取り込まれる空気量が変化すると一定とならない。
すなわち、図29では、ファン5の単位時間当たりの回転量のある範囲においては、回転量が増加しても、つまり第2検出装置10に単位時間当たり取り込まれる空気量が増加しても、その回転量のときのセンシング時間が一定と規定されている。そのため、その回転量の範囲においては、回転量が大きいほどセンシング対象の空気量Vが大きくなることになる。図30は、図29に表わされたファン5の単位時間当たりの回転量Rに対して規定されるセンシング時間Tで第2検出装置10が駆動された場合の、ファン5の単位時間当たりの回転量に対する第2検出装置10に取り込まれてセンシング対象とされる空気量Vの関係を表わした図である。
従って、この場合、センシング時間が一定と規定されているファン5の単位時間当たりの回転量の範囲においては、単位時間当たりの回転量Rが大きいほど第2検出装置10で生物由来の粒子が多く検出されることになる。
そこで、好ましくは標準化部207が、第2検出装置10に導入される空気量を標準化するように、算出部206での算出結果を補正する。このとき、標準化部207は、図29の換算部202に記憶される換算情報から図30の関係を算出して、その結果を用いて算出部206での算出結果を補正する。または、予め図29の換算情報に対応させて図30で表わされるファン5の単位時間当たりの回転量とセンシング対象の空気量Vとの関係を記憶しておき、第1検出装置6で検出されたファン5の単位時間当たりの回転量から対応するセンシング対象の空気量Vを読み出して、それを用いて算出部206での算出結果を補正してもよい。
ここで標準化部207は、算出部206での算出結果である、センシング対象の空気中の生物由来の粒子量(粒子数)を、図30の関係から得られたセンシング対象の空気量Vで除することで、算出部206での算出結果を補正する。これは、第2検出装置10でのセンシング対象の空気量Vを予め定められた基準空気量となるように標準化することに相当する。
<制御フロー>
図31は、制御装置7での制御の流れを表わすフローチャートである。図31のフローチャートに表わされた制御の流れは、制御装置7に含まれる図示しないCPUがメモリに記憶されるプログラムを読み出して実行し、図26および図27に示される各機能を発揮させることで実現される。この制御は、たとえば当該空気清浄機100の動作を開始させるための図示しないスイッチがONされるなどすることで開始される。
図31を参照して、ステップS201で、空気清浄機構の駆動が開始する。ここでは、ファン5の駆動が開始されて、空気清浄機100の給気孔2から外気が取り込まれ、フィルタ9を通ってその空気が清浄化されて排気孔3から排気される。
次に、ステップS203で制御部721は、第1検出装置6からの検出値に基づいてファン5の単位時間当たりの回転量Rを検出し、ステップS205で第2検出装置10でのセンシング時間Tを算出する。ここでは、先述のように、予め記憶している換算情報を用いてファン5の単位時間当たりの回転量Rをセンシング時間Tに換算する。
ステップS207で制御部721は第2検出装置10のファン16等を駆動して、センシングを開始する。そして、その開始からの経過時間がセンシング時間Tに達するか否かを監視する。
上記ステップS207でのセンシングの開始からセンシング時間Tが経過すると(ステップS209でYES)、ステップS211で制御部721は、第2検出装置10のファン16等の駆動を終了して、第2検出装置10でのセンシングを終了する。そして、ステップS213で制御部721は、センシング時間Tの間に検出された、加熱前後の蛍光強度の差分に基づいて生物由来の粒子と判断された粒子の数をカウントして、センシング結果としての粒子量を算出する。
なお、上記ステップS205でセンシング時間Tを換算する際に図29で表わされた、ファン5の回転量Rの増加に対して段階的に規定されたセンシング時間Tを適用した場合には、ステップS215で制御部721は第2検出装置10に導入された空気量を標準化する処理を行なう。図28で表わされた、ファン5の単位時間当たりの回転量Rの増加に対して反比例の関係で規定されたセンシング時間Tを適用した場合には、ステップS215の制御はスキップしてよい。
そして、ステップS217で制御部721は、上記ステップS213で得られたセンシング結果、または上記ステップS215で標準化されたセンシング結果を表示パネル4で出力する。
<実施の形態の効果>
本実施の形態にかかる空気清浄機100にて上記制御がなされることで、センシング時間T内に第2検出装置10に導入されセンシング対象とされた空気量Vを、ファン5の単位時間当たりの回転量Rが変化した場合であっても一定とすることができる。または、一定としてセンシング結果を標準化することができる。
このため、第2検出装置10への空気導入機構を空気清浄機100の空気清浄機構への空気導入機構と兼用とした場合に、空気清浄機100の空気清浄機構の動作と関わりなく第2検出装置10での安定してセンシングを行なうことが可能となる。
また、本実施の形態にかかる空気清浄機100ではセンシング時間Tを第2検出装置10への単位時間当たりの空気の導入量に応じて調整するものであるため、センシング時間Tを一定として実際の導入量を用いてセンシング結果を補正する方法よりも、センシング対象の空気量の変動を抑えることができ、より安定したセンシングが可能となる。
特に、第2検出装置10が上述したような生物由来の粒子を検出するものである場合、高精度を確保するためのセンシング条件の範囲がある範囲に限定されることが多い。センシング時間Tを一定とすると、空気清浄機100の空気清浄機構への導入量が大きくなると第2検出装置10へ導入される空気量も大きくなる。このとき、たとえば、上述のように捕集治具に空気中の粒子を捕集してセンシングするものである場合、捕集治具上が粒子で飽和するとそれ以上のセンシングができなくなる。また、この場合、精度も低下する。従って、この場合、センシングの精度が低下するという問題にもつながる。
しかしながら、本実施の形態にかかる空気清浄機100では、第2検出装置10でのセンシング対象の空気量を一定とすることができるため、安定したセンシングが可能となる。また、センシング対象の空気量を所定範囲とすることができるため、高精度でのセンシングが可能となる。
なお、上の例では、本実施の形態にかかる空気清浄機100が図1に表わされたように単体の空気清浄機である例が示されているが、本実施の形態にかかる空気清浄機100は、たとえばエアーコンディショナーや電気掃除機などの空気清浄機能を有するあらゆる装置に含まれるものであってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,11 キャビネット、2 給気孔、3 排気孔、4 表示パネル、5,16 ファン、6 第1検出装置、7 制御装置、8 流路管、9 フィルタ、10 第2検出装置、11m,11n 側面、12 上キャビネット、14 下キャビネット、15 捕集筒、19 突出部、20 捕集部、21 高圧電源、22,530 静電針、30 蛍光検出部、31 励起光源部、32,550 発光素子、33 励起部フレーム、34 集光レンズ、35,47 レンズ押さえ、41 受光部、42 ノイズシールド、43,712 増幅回路、44,565 受光素子、45 受光部フレーム、46 フレネルレンズ、50 清掃部、51 ブラシ、51p 自由端、51q 支持端、52 ブラシ固定部、53 ブラシ押さえ、60 移動機構部、61 モータホルダ、62 回転モータ、63 モータ押さえ、64 回転ベース、66 回転中心軸、67 中心部、68 基板支持部、71,510 集基板、71a,81a 頂面、76,520 ヒータ、77,78 位置センサ、81 ブラシ清掃アーム、82 センシング対象部、91 加熱位置、92 検出位置、93 リフレッシュ位置、96 フレキシブル基板、100 空気清浄機、111,112,113 配線、120 開口部、121,122 点鎖線、201 入力部、202 換算部、203 センシング時間調整部、204 読出部、205 判別部、206 算出部、207 標準化部、211 検出制御部、212 駆動制御部、560 レンズ、600,600A 粒子、600B 粉塵、710 信号処理部、711 電流−電圧変換回路、720 測定部、721 制御部、722 記憶部、723 駆動部、724 表示部。

Claims (6)

  1. 給気孔および排気孔を有する筐体と、
    前記給気孔から空気を前記筐体内へと取り込み、前記排気孔から前記筐体外へ排出させるための空気移動機構と、
    前記筐体内の、前記給気孔から取り込まれた空気を清浄するための空気清浄機構と、
    前記筐体内の、前記空気移動機構によって前記給気孔から取り込まれた空気のうちの少なくとも一部を取り込んで、その空気中の微粒子量をセンシングするためのセンサ機構と、
    前記センサ機構に流入する空気の単位流量を検出するための検出手段と、
    前記検出手段で検出された前記単位流量に基づいて、前記センサ機構へ前記給気孔から取り込まれた空気のうちの少なくとも一部を前記センサ機構に取り込むための動作時間である取り込み時間を制御するためのセンシング時間調整機構とを備える、空気清浄機。
  2. 前記センシング時間調整機構は、予め前記センサ機構に流入する空気の単位流量を前記取り込み時間に換算するための換算情報を記憶しておき、前記検出手段で検出された前記単位流量を前記取り込み時間に換算する、請求項1に記載の空気清浄機。
  3. 前記換算情報は、前記センサ機構に流入する空気の単位流量が増加するに連れて、前記単位流量に対して一定の関係を有して前記取り込み時間が短くなるような、前記センサ機構に流入する空気の単位流量と前記取り込み時間との関係を規定する情報である、請求項2に記載の空気清浄機。
  4. 前記換算情報は、前記センサ機構に流入する空気の単位流量と前記取り込み時間との積が所定値となる、前記センサ機構に流入する空気の単位流量と前記取り込み時間との関係を規定する情報である、請求項3に記載の空気清浄機。
  5. 前記換算情報は、前記センサ機構に流入する空気の単位流量が増加するに連れて段階的に前記取り込み時間が短くなるような、前記センサ機構に流入する空気の単位流量と前記取り込み時間との関係を規定する情報である、請求項3に記載の空気清浄機。
  6. 前記センサ機構でのセンサ結果を、前記取り込み時間で前記センサ機構に取り込まれた空気量に基づいて標準化するための標準化手段をさらに備える、請求項5に記載の空気清浄機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104566676A (zh) * 2015-01-19 2015-04-29 江苏慧融节能环境科技有限公司 空气净化器
JP2018146228A (ja) * 2014-03-25 2018-09-20 パナソニックIpマネジメント株式会社 情報提供装置
WO2021182672A1 (ko) * 2020-03-09 2021-09-16 엘지전자 주식회사 공기정화기

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