JP2013130072A - 内燃機関の排ガス浄化装置及び浄化方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンジン1の排ガス通路2には、迂回流路14と、SCR触媒10とが配設されている。迂回流路14は、エンジン1の直下流の排ガス通路2に設けられている。迂回流路14には、還流制御弁32、固体還元剤38及びコイルヒータ36が設けられている。固体還元剤制御部18は、排ガスの温度が固体還元剤38の放出温度以上となった場合に、還流制御弁32を開いて、排ガスを迂回流路14内に流入させる。そして、排ガスの温度を利用して固体還元剤38を昇華させてアンモニアを発生させる。また、固体還元剤制御部18は還流制御弁32を開くと同時に、コイルヒータ36の加熱出力を低下させる又はコイルヒータ36を停止する。
【選択図】 図1
Description
この排ガス浄化装置は、固体還元剤を加熱して昇華させるヒータ等の固体還元剤加熱手段を備えていないため、排ガスの温度を利用して固体還元剤を昇華させている。したがって、始動時等の排ガスの温度が低い場合に排ガスを通過させても固体還元剤が昇華しないため、NOxを還元できない場合があった。
そこで、特許文献2には、ディーゼルエンジンの排ガス通路に設けられた還元触媒と、ディーゼルエンジンと還元触媒との間に設けられ、排ガス通路を迂回する迂回流路と、当該迂回流路に設けられた固体還元剤と、当該固体還元剤を加熱して昇華させる固体還元剤加熱手段と、を備えた排ガス浄化装置が開示されている。この排ガス浄化装置は、固体還元剤加熱手段で固体還元剤を常時加熱して昇華させてアンモニアを発生させるものである。即ち排ガスの温度に関わらず、常時アンモニアを発生させることができる。迂回流路を通過した排ガスは、アンモニアを含み還元触媒へ流入する。その後、排ガスに含まれるNOxは、還元触媒内でアンモニアによって還元され、窒素及び水となり浄化される。
また、内燃機関の高負荷時等には、排ガスの量が増加するため、必要となる還元剤の量も増加する。したがって、固体還元剤の加熱温度を高くして大量の還元剤を昇華させる必要がある。そこで、固体還元剤加熱手段の加熱出力を増加させると、燃料の消費量も増加するために、燃費が大幅に低下してしまうという問題点があった。
一端が前記内燃機関の直下流の前記排ガス通路に接続され、且つ他端が前記一端と前記還元触媒との間の前記排ガス通路に接続されて、前記排ガス通路を流れる前記排ガスの一部を分岐可能な迂回流路と、
前記排ガス通路に接続され、前記迂回流路に流入する前記排ガスの温度を計測する温度センサと、
前記迂回流路に流入する排ガスの流れを調整する排ガス調整手段と、
前記迂回流路に設けられ、固体還元剤を貯蔵する固体還元剤貯蔵手段と、
前記固体還元剤を加熱して流体還元剤を放出させる固体還元剤加熱手段と、
前記温度センサによる計測結果に応じて、前記排ガス調整手段及び前記固体還元剤加熱手段を制御して前記迂回流路に排ガスを流す制御手段と、を備えることを特徴とする。
また、迂回流路を内燃機関の直下流に設けたため、高温の排ガスを固体還元剤に供給することができる。例えば、内燃機関から離れた位置に固体還元剤を設けた場合、排ガスの温度が低下するため、固体還元剤を十分に加熱することが出来ないときがあるが、本発明によれば、固体還元剤を効率良く加熱することができる。
また、固体還元剤加熱手段を備えているため、排ガスの温度が低い場合でも固体還元剤から流体還元剤を放出させることができる。これにより、排ガスの温度が低い場合でも流体還元剤を排ガス中に供給できるため、NOxを確実に浄化することができる。
さらに、排ガス調整手段で排ガスの流れ調整することで、固体還元剤から流体還元剤を取り出す必要の無いとき等に迂回流路への排ガスの流入を防止できるため、排圧低減が可能となる。
前記温度センサによる計測結果が、前記固体還元剤から前記流体還元剤が放出される放出温度以上の場合に、前記排ガス調整手段を制御して、前記排ガスを前記迂回流路へ流入可能としてもよい。
前記温度センサによる計測結果が、前記固体還元剤から前記流体還元剤が放出される放出温度以上で、且つ所定温度値未満の場合に、前記固体還元剤加熱手段の加熱出力を低下させることしてもよい。
前記温度センサによる計測結果に応じて、前記排ガス調整手段を制御して前記迂回流路に排ガスを流すとともに、前記固体還元剤加熱手段を制御することを特徴とする。
また、迂回流路を内燃機関の直下流に設けたため、高温の排ガスを固体還元剤に供給することができる。例えば、内燃機関から離れた位置に固体還元剤を設けた場合、排ガスの温度が低下するため、固体還元剤を十分に加熱することが出来ないときがあるが、本発明によれば、固体還元剤を効率良く加熱することができる。
また、固体還元剤加熱手段を用いることで、排ガスの温度が低い場合でも固体還元剤から流体還元剤を放出させることができる。これにより、排ガスの温度が低い場合でも流体還元剤を排ガス中に供給できるため、NOxを確実に浄化することができる。
さらに、排ガス調整手段で排ガスの流れ調整することで、固体還元剤から流体還元剤を取り出す必要の無いとき等に迂回流路への排ガスの流入を防止できるため、排圧低減が可能となる。
図1〜図3に示すように、ディーゼルエンジン(以下、エンジン1という)の排ガス浄化装置3は、DOC(Diesel Oxidation Catalyst:酸化触媒)6と、DPF(Diesel Particulate Filter:ディーゼルパティキュレートフィルター)8と、SCR(Selective Catalyst Reduction:選択還元触媒)触媒10と、を備え、これらは排ガス通路2に配設されている。
ECUは、図示しないCPU、ROM及びRAMから構成されるマイクロコンピューターを備えている。ECUは、エンジン1の運転条件や運転者の要求に応じてエンジン1の運転状態を制御する。
還流制御弁32は、迂回流路14の一端側端部に設けられており、迂回流路14に流入する排ガスの流れを調整する。還流制御弁32の開閉は、固体還元剤制御部18により制御される。固体還元剤制御部18は、第1温度センサ20により計測された排ガスの温度が、固体還元剤38から流体還元剤を放出可能な放出温度以上の場合に還流制御弁32を開き、放出温度未満の場合に還流制御弁32を閉じる。
固体還元剤制御部18は、第1温度センサ20による計測結果が、放出温度以上、且つ所定温度未満の場合、コイルヒータ36の加熱出力を低減する。これにより、コイルヒータ36を加熱するために必要な燃料の消費量を低減することができる。係る場合には、燃費への影響を低減することができる。
また、固体還元剤制御部18は、第1温度センサ20による計測結果が所定温度以上の場合にコイルヒータ36を停止する。これにより、コイルヒータ36を加熱するための燃料を消費しなくなる。コイルヒータ36を加熱させるための燃料は、エンジン1に供給される燃料としても用いられているため、燃料の消費量を低減させることで、燃費への影響を大幅に低減することができる。
アンモニア供給用ポンプ40が設けられているため、発生したアンモニアを含む排ガスを排ガス通路2に確実に供給することができる。アンモニア供給用ポンプ40の稼働及び停止は、固体還元剤制御部18により制御される。固体還元剤制御部18は、還流制御弁32を開くと同時にアンモニア供給用ポンプ40を稼働させ、還流制御弁32を閉じると同時にアンモニア供給用ポンプ40を停止させる。
DPF8に入る排ガスの温度は、DPF8の上流側のケース9に取り付けられた第2温度センサ22にて計測される。
第2温度センサ22及び第3温度センサ24は、それぞれ計測結果を電気信号として固体還元剤制御部18へ出力する。
このように、SCR触媒10の上流側及び下流側にそれぞれ第1NOx濃度センサ28、第2NOx濃度センサ30が設けられているため、SCR触媒10に流入する排ガスに含まれるNOxの濃度及びSCR触媒10を通過した後の排ガスに含まれるNOxの濃度を正確に把握することができる。これにより、NOx浄化率(第1NOx濃度センサ28により計測されたNOx濃度/第2NOx濃度センサ30により計測されたNOx濃度)を算出することができる。
図4に示すように、まず、固体還元剤制御部18は、冷態運転状態であることを検出したら(ステップS2)、コイルヒータ36で固体還元剤38を加熱する(ステップS4)。続いて、アンモニア供給用ポンプ40を稼働させる。コイルヒータ36によって固体還元剤38を加熱することにより、アンモニアが発生する。発生したアンモニアは、アンモニア供給用ポンプ40により排ガス通路2に送給され、排ガス通路2を通過してきた排ガスと合流してDOC6、DPF8、SCR触媒10に流入する。これにより、排ガス中に含まれるNOxが浄化される。
一方、固体還元剤制御部18は、ステップS8において、排ガスの温度T1が放出温度以上の場合、排ガスを迂回流路14に流すことが可能であると判定する(ステップS12)。係る場合に、固体還元剤制御部18は、還流制御弁32を開放する(ステップS14)。また、アンモニア供給用ポンプ40を稼働させる。これにより、迂回流路14にはエンジン1から排出された高温の排ガスの一部が流入する。高温の排ガスが迂回流路14を通過する際に、固体還元剤38を加熱することにより、アンモニアが発生する。発生したアンモニアは、アンモニア供給用ポンプ40により排ガス通路2に送給される。
固体還元剤制御部18は、ステップS16において、排ガスの温度T1が所定温度以上であると判定すると、コイルヒータ36による加熱を停止する(ステップS20)。これにより、コイルヒータ36を稼働させるための燃料の消費量を大幅に低減することができる。
そして、排ガスの温度T1が所定温度値以上の場合には、コイルヒータ36を停止するため、燃料の消費量を大幅に低減することができる。これにより、燃費への影響を大幅に低減することができる。
図5に示すように、エンジン11の直下流の排ガス通路2には、ターボ過給機4のタービン4aが配設されている。また、ターボ過給機4のタービン4aとDOC6との間に、排ガス通路2を迂回する迂回流路14が設けられている。
2 排ガス通路
3 排ガス浄化装置
4 ターボ過給機
4a タービン
5 燃料噴射弁
6 DOC
7 燃焼室
8 DPF
9 ケース
10 SCR触媒
11 エンジン
14 迂回流路
14a 一端
14b 他端
18 固体還元剤制御部
20 第1温度センサ
22 第2温度センサ
24 第3温度センサ
26 酸素濃度センサ
28 第1NOx濃度センサ
30 第2NOx濃度センサ
32 還流制御弁
34 収納容器
36 コイルヒータ
38 固体還元剤
40 アンモニア供給用ポンプ
42 逆止弁
Claims (7)
- 内燃機関に接続された排ガス通路に設けられ、排ガスに含まれるNOxを還元する還元触媒と、
一端が前記内燃機関の直下流の前記排ガス通路に接続され、且つ他端が前記一端と前記還元触媒との間の前記排ガス通路に接続されて、前記排ガス通路を流れる前記排ガスの一部を分岐可能な迂回流路と、
前記排ガス通路に接続され、前記迂回流路に流入する前記排ガスの温度を計測する温度センサと、
前記迂回流路に流入する排ガスの流れを調整する排ガス調整手段と、
前記迂回流路に設けられ、固体還元剤を貯蔵する固体還元剤貯蔵手段と、
前記固体還元剤を加熱して流体還元剤を放出させる固体還元剤加熱手段と、
前記温度センサによる計測結果に応じて、前記排ガス調整手段及び前記固体還元剤加熱手段を制御して前記迂回流路に排ガスを流す制御手段と、を備えることを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。 - 前記迂回流路の前記固体還元剤加熱手段により放出された流体還元剤を前記排ガス通路に供給する還元剤供給手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排ガス浄化装置。
- 前記制御手段は、
前記温度センサによる計測結果が、前記固体還元剤から前記流体還元剤が放出される放出温度以上の場合に、前記排ガス調整手段を制御して、前記排ガスを前記迂回流路へ流入可能にすることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の排ガス浄化装置。 - 前記制御手段は、
前記温度センサによる計測結果が、前記固体還元剤から前記流体還元剤が放出される放出温度以上で、且つ所定温度値未満の場合に、前記固体還元剤加熱手段の加熱出力を低下させることを特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項に記載の内燃機関の排ガス浄化装置。 - 前記制御手段は、前記温度センサによる計測結果が所定温度値以上の場合に、前記固体還元剤加熱手段による加熱を停止することを特徴とする請求項1〜4のうち何れか1項に記載の内燃機関の排ガス浄化装置。
- 前記内燃機関は、当該内燃機関からの排ガスにより駆動する過給機のタービンを有しており、
前記迂回流路は、前記タービンの直下流の前記排ガス通路に配設されていることを特徴とする請求項1〜5のうち何れか一項に記載の内燃機関の排ガス浄化装置。 - 内燃機関に接続された排ガス通路に設けられ、排ガスに含まれるNOxを還元する還元触媒と、一端が前記内燃機関の直下流の前記排ガス通路に接続され、且つ他端が前記一端と前記還元触媒との間の前記排ガス通路に接続されて、前記排ガス通路を流れる前記排ガスの一部を分岐可能な迂回流路と、前記排ガス通路に接続され、前記迂回流路に流入する前記排ガスの温度を計測する温度センサと、前記迂回流路に流入する排ガスの流れを調整する排ガス調整手段と、前記迂回流路に設けられ、固体還元剤を貯蔵する固体還元剤貯蔵手段と、前記固体還元剤を加熱して流体還元剤を放出させる固体還元剤加熱手段と、前記温度センサによる計測結果に応じて、前記排ガス調整手段及び前記固体還元剤加熱手段を制御して前記迂回流路に排ガスを流す制御手段と、を備える内燃機関の排ガス浄化装置を用いた浄化方法であって、
前記温度センサによる計測結果に応じて、前記排ガス調整手段を制御して前記迂回流路に排ガスを流すとともに、前記固体還元剤加熱手段を制御することを特徴とする浄化方法。
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