JP2013129769A - 熱可塑性樹脂用成形助剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱可塑性樹脂の成形に際して、成形物に着色を与えず、室温で成形機に移送する際のハンドリング性に優れ、かつ成形体の硬度および耐オイルブリード性を発現するような、成形助剤を提供する。
【解決手段】本成形助剤は、流動パラフィン100質量部に対して、式(1)で示される界面活性剤および式(2)で示される界面活性剤の混合物10〜30質量部を配合してなる。式(1)で示される界面活性剤と式(2)で示される界面活性剤の質量比が、{式(1)で示される界面活性剤の質量/式(2)で示される界面活性剤の質量}=70/30〜5/95の範囲である。 RO−(RO)−H ・・・(1) (R1はステアリル基であり、ROはオキシエチレン基であり、nの平均付加モル数は1〜5である。) RO−(RO)−H ・・・(2) (Rはイソステアリル基であり、ROはオキシエチレン基であり、nの平均付加モル数は1〜5である。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂用成形助剤に関するものである。
近年、電子機器、レジャー用品、日常用品等の分野に用いられる高分子エラストマー組成物として、その用途拡大に伴って、低硬度化、低弾性率、高強度な材料が求められている。このようなエラストマー組成物の主な樹脂成分としては、非結晶性のスチレン系熱可塑性エラストマーが低硬度化の上で非常に適している。
スチレン系熱可塑性エラストマーは、熱可塑性樹脂の中で低硬度性に極めて優れており、しかも結合強度の強い三次元構造を持ち、軟化剤により選択的に軟化される結合であり、多量の軟化剤が配合可能な点で優れている。軟化剤としては、相溶性がよく、成形加工性、流動性、柔軟性を付与可能な流動パラフィン等が使用されている。
ところが、スチレン系熱可塑性エラストマーに多量の軟化剤を添加した場合、低硬度化は可能となるが、成形品表面にベタツキが生じたり、加熱応力下において軟化剤のブリードアウトが発生し、隣接する部品や材料が汚染させる問題点があった。上記問題を解決するために、樹脂成分としてオレフィン系樹脂を添加する、熱可塑性エラストマー組成物が提案されている(特許文献1)。
また添加剤成分として界面活性剤を添加する、パラフィン系軟化剤及び界面活性剤で構成される熱可塑性エラストマー用軟化剤組成物、それを用いた柔軟な熱可塑性エラストマー組成物が提案されている(特許文献2)。この中で界面活性剤を添加することにより、軟化剤のブリードアウトを抑制する効果が挙げられている。
特開2001−220513号公報 特開2004−323552号公報
しかしながら、特許文献1記載の組成物では、ブリードアウトは抑制されるものの、硬度の上昇が生じ、低硬度化は達成されていない。
また、特許文献2では、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルが配合されているが、アルキル基がオレイル基の場合、この軟化剤組成物を使用すると成形時、高温に晒されることにより、成形物が着色してしまう問題があった。さらに軟化剤は流動パラフィンで液体のため、通常、ポンプ等で移送して配合する必要があるが、アルキル基がステアリル基の場合、固体の界面活性剤を軟化剤に添加することとなり、軟化剤組成物も固体になってしまい、ポンプ等で移送することができず、一度、軟化剤組成物を加温する必要があった。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、熱可塑性樹脂の成形に際して、成形物に着色を与えず、室温(25℃)で成形機に移送する際のハンドリング性に優れ、かつ成形体の硬度および耐オイルブリード性を発現するような、成形助剤を提供することを目的とする。
本発明は、熱可塑性樹脂の成形時に配合される成形助剤を提供する。本成形助剤は、流動パラフィン100質量部に対して、式(1)で示される界面活性剤および式(2)で示される界面活性剤の混合物10〜30質量部を配合してなり、前記式(1)で示される界面活性剤と前記式(2)で示される界面活性剤の質量比が、{式(1)で示される界面活性剤の質量/式(2)で示される界面活性剤の質量}=70/30〜5/95の範囲である。
O−(RO)−H ・・・(1)(R1はステアリル基であり、ROはオキシエチレン基であり、nの平均付加モル数は1〜5である。) RO−(RO)−H ・・・(2)(Rはイソステアリル基であり、ROはオキシエチレン基であり、nの平均付加モル数は1〜5である。)
好適な実施形態においては、成形助剤が、流動パラフィン100質量部に対して、0.5〜5質量部のヒンダードフェノール系酸化防止剤を含有する。
好適な実施形態においては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤がn−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートである。
本発明の成形助剤を熱可塑性樹脂の成形に際して前記割合で配合すると、室温(25℃)で成形機に移送する際のハンドリング性に優れ、成形物に着色を与えず、かつ成形体の硬度および耐オイルブリード性を発現できる。
[式(1)で示される界面活性剤]
式(1)中のRはステアリル基であり、ROはオキシエチレン基である。またnは、オキシエチレン基の平均付加モル数であり、1〜5であり、好ましくは1〜3であり、もっとも好ましくは2である。nを5以下とすることによって成形助剤の融点が低下し、成形助剤を移送して熱可塑性樹脂に供給するときにハンドリング性が優れる。
「式(2)で示される界面活性剤」
式(2)中のRはイソステアリル基であり、ROはオキシエチレン基である。またnは、オキシエチレン基の平均付加モル数であり、1〜5であり、好ましくは1〜3であり、もっとも好ましくは2である。nを5以下とすることによって成形助剤の融点が低下し、成形助剤を移送して熱可塑性樹脂に供給するときにハンドリング性が優れる。
[流動パラフィン]
本発明に用いる流動パラフィンは、石油から得た液状の炭化水素類の混合物であり、常温常圧において液状のものと定義づけられるものである。特に制限されるものではないが、樹脂組成物の成形温度の観点から、40℃における動粘度が3〜200mm/sで、引火点が140℃〜300℃のものが好ましく、40℃における動粘度が5〜150mm2/sで、引火点が150℃〜280℃のものがさらに好ましい。
なお、動粘度はJIS Z 8803に準拠して測定した値であり、引火点はJIS K 2265に準拠して測定される値である。
[配合比率]
流動パラフィンと、式(1)及び式(2)で示される2種類の混合物からなるエーテル型ノニオン系界面活性剤の配合割合は、流動パラフィン100質量部に対して、式(1)及び式(2)で示される前記混合物の配合割合を10〜30質量部とし、好ましくは15〜25質量部の範囲であり、もっとも好ましくは15〜20質量部である。前記の配合割合で用いると、成形物の着色を抑制できる。
本発明者は、式(1)で示される界面活性剤は、オイルブリード性に寄与することを見出した。一方、式(2)で示される界面活性剤は、成形助剤の液体化に大きな寄与をするため、式(1)で示される界面活性剤と式(2)で示される界面活性剤バランスが大変重要であり、好適な範囲があるということを見出した。
また、式(1)で示される界面活性剤と式(2)で示される界面活性剤の質量比は、{式(1)で示される界面活性剤の質量/式(2)で示される界面活性剤の質量}=70/30〜5/95の範囲である。この質量比率は、好ましくは65以下/35以上であり、さらに好ましくは60以下/40以上である。また、この質量比率は、好ましくは10以上/90以下であり、さらに好ましくは20以上/80以下であり、もっとも好ましくは30以上/70以下である。質量比が前記の範囲にあると、融点が室温(25℃)より低くなり、液体となるため、ハンドリング性に優れる成形助剤が得られ、耐オイルブリード性を有する成形物となる。
[熱可塑性樹脂組成物]
本発明は、熱可塑性樹脂の成形助剤として配合される。
こうした熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などが挙げられる。
本発明の成形助剤は、特にスチレン系熱可塑性エラストマー組成物に対して好適に適用できる。
スチレン系熱可塑性エラストマーとは、ポリスチレン系ハードセグメントとソフトセグメントとのブロック共重合体である。このブロック共重合体は、ジブロック共重合体、ポリスチレン系ハードセグメントが末端部を構成するトリブロック共重合体、ポリスチレン系ハードセグメントが末端部を構成するマルチブロック共重合体のいずれであってもよい。
また、ポリスチレン系ハードセグメントとしては、以下の一種または二種以上を例示できる。
ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリ(o−メチルスチレン)、ポリ(m−メチルスチレン)、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(1,3−ジメチルスチレン)、ポリビニルナフタレン、ポリビニルアントラセンが挙げられ、特に好ましくはポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)が挙げられる。
ソフトセグメントとしては、以下の一種または二種以上を例示できる。
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレンが挙げられる。
具体的には、スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−イソプレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)およびスチレン−エチレン−エチレン−プロピレンスチレンブロック共重合体(SEEPS)などが使用できる。好ましくは、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体およびスチレン−エチレン−エチレンプロピレン−スチレンブロック共重合体などが使用できる。
[熱可塑性樹脂の配合比率]
スチレン系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性樹脂の質量比率は、流動パラフィン100質量部に対して10質量部以上が好ましく、15質量部以上がさらに好ましい。熱可塑性樹脂が10質量部未満であると、成形物のベタツキが著しくなり、成形助剤のブリードアウトも見られ易くなる。また、熱可塑性樹脂の質量比率は、流動パラフィン100質量部に対して100質量部以下が好ましく、75質量部以下がさらに好ましい。これが100質量部を超えると、成形助剤の吸収量が少なくなり、ゲル化が困難となって成形性が劣るようになる。
ゲルエラストマーは、スチレン系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性樹脂と流動パラフィンとを含むゲルであり、室温(25℃)における硬度が40A以下、好ましくは10A以下である。
[添加成分]
本発明の成形助剤は、引火点を向上させる目的で、酸化防止剤を含んでいても良い。引火点を向上させることにより、樹脂成形時に成形助剤が蒸散し、引火する危険性を防ぎ、安全性を高めることが出来る。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が、着色防止の観点から好ましい。ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−メチルー6−t−ブチルフェノール)、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、モノ(α−メチルベンジル)フェノール、ジ(α−メチルベンジル)フェノール、ジ(α−メチルベンジル)フェノールが挙げられ、さらにn−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが成形助剤に対する溶解性の観点から好ましい。
酸化防止剤を用いる場合、流動パラフィン100質量部に対して、酸化防止剤を0.5〜5質量部の範囲であり、好ましくは1〜3質量部の範囲である。酸化防止剤が前記の範囲にあると、引火点が向上した成形助剤を得ることが出来る。
本発明の目的を損なわない範囲で、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、結晶化剤、ブロッキング防止剤、シール性改良剤、離型剤、着色剤、顔料、難燃剤等を配合することが出来る。
[製造]
本発明の成形助剤は、流動パラフィン、式(1)及び式(2)で示される2種類の混合物からなるエーテル型ノニオン系界面活性剤、および必要に応じて酸化防止剤を配合し、室温あるいは加温(60℃以下)した状態で、混合装置にて混合して得ることが出来る。
界面活性剤の配合物は、式(1)で示される界面活性剤と式(2)で示される界面活性剤とを別々に製造し、両者を混合することによって製造することが出来る。また、ステアリルアルコール及びイソステアリルアルコールを混合し、触媒の存在下、アルキレンオキシドを付加させることによっても製造することが出来る。
スチレン系熱可塑性エラストマー組成物等の熱可塑性樹脂組成物は、好ましくは100〜230℃の混練温度で、混練装置またはオートクレーブにて溶融混練または溶融混合し、目的の型に流し込み冷却するか、もしくは冷却で得られたブロックを100〜230℃でプレス成形を行うこと等により、直接目的のスチレン系熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体を得ることができる。この際、成形助剤は室温でポンプで移送し、熱可塑性樹脂組成物に配合できる。
使用する混練装置としては、オートクレーブ、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、単軸押出機、二軸押出機、多軸押出機等を使用することが出来る。
[用途]
成形体の具体的な用途としては、防振シート、シール、多孔質シート、チップ等の防振部材、鞄の緩衝材、熱伝導ゲルシート、測定機器の制振パット、靴の中敷き、フットケア用衝撃吸収剤、バンパーやヘルメットの衝撃吸収剤、ベット、マットレス、枕、クッションとしての衝撃吸収剤、肘あて、膝あて、スキー靴、トゥ・シューズ、グローブ等のスポーツ関係の衝撃吸収剤、荷物の輸送用のスポンジ等の衝撃吸収剤、さらに成形助剤の徐放性を利用してパック等の化粧品や湿布、芳香剤等に応用が可能である。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
流動パラフィン((株)モレスコ製、商品名モレスコホワイトP−60)100gにポリオキシエチレン(2モル)ステアリルエーテル(S202と表記)14g、ポリオキシエチレン(2モル)イソステアリルエーテル(IS202と表記)6g、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート((株)ADEKA製、商品名アデカスタブAO−50、AO−50と表記)1.5gを加え、40℃にて均一になるまで攪拌して、成形助剤を得た。2軸押出機にスチレン系熱可塑性エラストマーとしてスチレン−エチレン−ブチレンスチレンブロック共重合体((株)クラレ製、セプトン8004、SEBSと表記)を25g仕込み、成形助剤をポンプにて移送させ、混練温度190℃で混練を行い、シート状に押出してから、適宜加工して硬さ及びオイルブリード試験に使用できる所望の厚さと形状のシート状ゲルエラストマーを得た。
(実施例2)
実施例1のポリオキシエチレン(2モル)ステアリルエーテルを14gから12g、ポリオキシエチレン(2モル)イソステアリルエーテルを6gから8gに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、成形助剤及びゲルエラストマーを得た。
(実施例3)
実施例1のポリオキシエチレン(2モル)ステアリルエーテルを14gから10g、ポリオキシエチレン(2モル)イソステアリルエーテルを6gから10gに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、成形助剤及びゲルエラストマーを得た。
(実施例4)
実施例1のポリオキシエチレン(2モル)ステアリルエーテルを14gから8g、ポリオキシエチレン(2モル)イソステアリルエーテルを6gから12gに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、成形助剤及びゲルエラストマーを得た。
(実施例5)
実施例1のポリオキシエチレン(2モル)ステアリルエーテルを14gから6g、ポリオキシエチレン(2モル)イソステアリルエーテルを6gから14gに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、成形助剤及びゲルエラストマーを得た。
(実施例6)
実施例1のポリオキシエチレン(2モル)ステアリルエーテルを14gから2g、ポリオキシエチレン(2モル)イソステアリルエーテルを6gから18gに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、成形助剤及びゲルエラストマーを得た。
(実施例7)
実施例1のポリオキシエチレン(2モル)ステアリルエーテルを14gから9gに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、成形助剤及びゲルエラストマーを得た。
(実施例8)
実施例2において、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを配合しなかった以外は、実施例2と同様の操作を行い、成形助剤及びゲルエラストマーを得た。
(比較例1)
実施例1のポリオキシエチレン(2モル)ステアリルエーテルを14gから20gに変更し、ポリオキシエチレン(2モル)イソステアリルエーテルを配合しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行ったが、成形助剤が固体となり、ポンプ移送する際に詰まってしまい、ゲルエラストマーは得られなかった。
(比較例2)
実施例1のポリオキシエチレン(2モル)ステアリルエーテルを14gから20gに変更し、ポリオキシエチレン(2モル)イソステアリルエーテルを配合しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行ったが、成形助剤が固体となり、ポンプ移送する際に詰まってしまい、ゲルエラストマーは得られなかった。
(比較例3)
実施例1のポリオキシエチレン(2モル)イソステアリルエーテルを14gから20gに変更し、ポリオキシエチレン(2モル)ステアリルエーテルを配合しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行い、成形助剤及びゲルエラストマーを得た。
[評価方法]
上記にて得られた実施例1〜8、比較例1〜3の成形助剤及びゲルエラストマーについて、以下の方法により各種特性評価を行った。その結果を表1、2に示す。
(成形助剤の融点)
JIS K 0064に準拠して測定を行った。
(成形助剤の性状)
室温(25℃)における成形助剤の性状を確認した。
(成形助剤の引火点)
JIS K 2265に準拠して測定を行った。
(成形助剤のハンドリング性)
成形助剤をポンプ移送する際に詰まりがないものを○、あるものを×とした。
(成形物の着色)
成形物の着色において、黄変がないものを○、あるものを×とした。
(硬度)
厚さ10mmのシートを作製し、JIS K 6253に準拠して測定を行った。尚、A硬度測定範囲外の軟らかいサンプルの測定値は0で表した。
(オイルブリード試験)
縦50mm×横50mm×厚み2mmのシートを作製し、そのシートをそのまま1週間放置して、シート表面を目視で確認した。
「○」: オイルのブリードアウトが見られない。
「×」: オイルのブリードアウトが見られる。
Figure 2013129769
Figure 2013129769
表1、2に示した結果から以下のことがわかった。
表1に示した結果より、実施例1〜8においては、成形助剤の融点が室温(25℃)以下であり、液体となるため、ポンプ移送の際に詰まりがなくハンドリング性に優れていることを確認できた。また酸化防止剤を添加することにより、引火点が向上し、樹脂成形時に成形助剤が引火する危険性を防ぎ、安全性を高めることも確認できた。さらにこれらの成形助剤を用いたゲルエラストマーは着色もなく、低硬度で耐オイルブリード性の優れた成形体が得られることがわかった。
一方、表2に示した結果より、比較例1、2では成形助剤の融点が室温(25℃)以上となるため、ポンプ移送の際に詰まりがあり、ハンドリング性が悪化し、ゲルエラストマーが得られなかった。また比較例3では室温(25℃)において液体の界面活性剤を単独で使用していることから、この成形助剤を用いたゲルエラストマーは耐オイルブリード性が悪化した。

Claims (3)

  1. 熱可塑性樹脂の成形時に配合される成形助剤であって、
    流動パラフィン100質量部に対して、式(1)で示される界面活性剤および式(2)で示される界面活性剤の混合物10〜30質量部を配合してなり、前記式(1)で示される界面活性剤と前記式(2)で示される界面活性剤の質量比が、{式(1)で示される界面活性剤の質量/式(2)で示される界面活性剤の質量}=70/30〜5/95の範囲である、熱可塑性樹脂の成形助剤。
    O−(RO)−H ・・・(1)
    (R1はステアリル基であり、ROはオキシエチレン基であり、nの平均付加モル数は1〜5である。)
    O−(RO)−H ・・・(2)
    (Rはイソステアリル基であり、ROはオキシエチレン基であり、nの平均付加モル数は1〜5である。)
  2. 前記成形助剤が、前記流動パラフィン100質量部に対して、0.5〜5質量部のヒンダードフェノール系酸化防止剤を含有することを特徴とする、請求項1記載の成形助剤。
  3. 前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤がn−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートであることを特徴とする、請求項2記載の成形助剤。
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