JP2013129033A - ロボット教示点作成方法およびロボットシステム - Google Patents

ロボット教示点作成方法およびロボットシステム Download PDF

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Abstract

【課題】目標点に高精度に位置合わせするための教示点を作成する。
【解決手段】基準点Pに先端Tが位置する姿勢F(P)にロボットを制御し、基準点Pと姿勢F(P)のロボットの先端Tとの誤差ΔEを計測する。次に、姿勢F(P)のロボットの変動誤差成分ΔE(F(P))を算出し、誤差ΔEおよび変動誤差成分ΔE(F(P))に基づいて固定誤差成分ΔEを算出する。続いて、目標点Pにロボットの先端Tが位置する姿勢F(P)のロボットに生じる変動誤差成分ΔE(F(P))を算出する。そして、固定誤差成分ΔEおよび変動誤差成分ΔE(F(P))に基づいて、目標点Pにロボットの先端Tを位置合わせする教示点Pを算出する。
【選択図】図3

Description

本発明は、ロボットの教示点を作成する方法およびシステムに関する。
従来より、加工装置に対して位置決めされたワークを該加工装置によって加工することが行われている。加工装置によってワークを高精度に加工するために、ワークと加工装置との位置関係が計測され、その計測結果に基づいてワークまたは加工装置のいずれか一方に対する他方の相対位置を補正することが行われている。
例えば、特許文献1に記載する加工システムは、ワークの複数のねじ穴にねじを締め付ける加工システムであって、レーザ測距儀を用いてワークまでの距離を測定し、その測定結果に基づいて、加工システムが記憶するねじ穴位置座標を補正する。そして、補正されたねじ穴の座標に基づいて締め付けツールがねじ穴にねじを締め付ける。ねじ穴がどのような位置にあっても締め付けができるように、締め付けツールは、多関節アーム(多関節ロボット)の先端に取り付けられている。
特許第4583361号公報
しかしながら、特許文献1に記載する加工システムの場合、多関節ロボットの先端に締め付けツールが取り付けられているために、ワークの複数のねじ穴それぞれについて、締め付け精度が異なる。
具体的に説明すると、ロボットの先端(締め付けツールの先端)を目標点(ねじ穴の正面位置)に位置合わせするために、その目標点を教示点として教示してロボットを動作させても、ロボットの動力伝達機構に含まれる歯車のガタ、関節を駆動するモータの軸のねじれ、リンクのたわみやねじれなどを原因としてロボットに生じるたわみにより、実際の先端は目標点からずれる、すなわち誤差が生じる。また、その誤差は、ロボットの姿勢によって異なる。
したがって、姿勢によって異なるロボットに生じるたわみを原因として、ワークの複数のねじ穴それぞれについて、ロボットの先端の目標点への位置合わせ精度が異なる。その結果、ねじ穴それぞれについて、締め付け精度が異なる。
この対処として、ワークの複数のねじ穴それぞれについて、ロボットの先端と目標点との間の誤差を計測し、その計測した誤差を考慮してロボットの先端が目標点に高精度に位置合わせされる教示点を作成することが考えられる。しかしながら、複数の目標点それぞれについて誤差の計測を実行しなければならず、それには時間がかかる。
そこで、本発明は、複数の目標点それぞれにロボットの先端を高精度に位置合わせするための複数の教示点を短時間で作成することを課題とする。
上述の課題を解決するために、本発明の第1の態様によれば、
目標点にロボットの代表点を位置合わせするための教示点を作成するロボット教示点作成方法であって、
基準点にロボットの代表点が位置する第1の姿勢にロボットを制御する工程(1)と、
基準点と第1の姿勢のロボットの代表点との間の誤差を計測する工程(2)と、
ロボットの姿勢によって変動する変動誤差成分であって、第1の姿勢のロボットに生じる第1の変動誤差成分を算出する工程(3)と、
誤差および第1の変動誤差成分に基づいて、姿勢によって変動しない固定誤差成分を算出する工程(4)と、
目標点にロボットの代表点が位置する第2の姿勢のロボットに生じる第2の変動誤差成分を算出する工程(5)と、
固定誤差成分および第2の変動誤差成分に基づいて、目標点にロボットの代表点を位置合わせするための教示点を算出する工程(6)とを含む、ロボット教示点作成方法が提供される。
本発明の第2の態様によれば、
工程(5)が、
固定誤差成分および基準点に基づいて、固定誤差成分が補償された基準点として仮の基準点を設定する工程(5−1)と、
仮の目標点を、仮の基準点との間で、基準点と目標点との間の位置関係と同一の位置関係を実現できる位置に設定する工程(5−2)と、
仮の目標点にロボットの代表点が位置する第2の姿勢を算出する工程(5−3)と、
第2の姿勢のロボットに生じる、第2の変動誤差成分を算出する工程(5−4)と、を含む、第1の態様に記載のロボット教示点作成方法が提供される。
本発明の第3の態様によれば、
目標点にロボットの代表点を位置合わせするための教示点を作成するロボット教示点作成方法であって、
基準点にロボットの代表点が位置合わせされる第1の姿勢にロボットを手動操作する工程(1)と、
第1の姿勢に基づいてロボットの代表点の位置を算出する工程(2)と、
ロボットの代表点の位置と基準点の位置との間の誤差を算出する工程(3)と、
ロボットの姿勢によって変動する変動誤差成分であって、第1の姿勢のロボットに生じる第1の変動誤差成分を算出する工程(4)と、
誤差および第1の変動誤差成分に基づいて、姿勢によって変動しない固定誤差成分を算出する工程(5)と、
目標点にロボットの代表点が位置する第2の姿勢のロボットに生じる第2の変動誤差成分を算出する工程(6)と、
固定誤差成分および第2の変動誤差成分に基づいて、目標点にロボットの代表点を位置合わせするための教示点を算出する工程(7)とを含む、ロボット教示点作成方法が提供される。
本発明の第4の態様によれば、
工程(6)が、
固定誤差成分および基準点に基づいて、固定誤差成分が補償された基準点として仮の基準点を設定する工程(6−1)と、
仮の目標点を、仮の基準点との間で、基準点と目標点との間の位置関係と同一の位置関係を実現できる位置に設定する工程(6−2)と、
仮の目標点にロボットの代表点が位置する第2の姿勢を算出する工程(6−3)と、
第2の姿勢のロボットに生じる、第2の変動誤差成分を算出する工程(6−4)と、を含む、第3の態様に記載のロボット教示点作成方法が提供される。
本発明の第5の態様によれば、
目標点がワークの表面上に存在し、
目標点の位置からロボット側且つワーク表面垂直方向に第1の距離離れた第2の目標点が存在し、
仮の目標点の位置からロボット側且つワーク表面垂直方向に第1の距離離れた位置を、仮の第2の目標点と設定する工程と、
仮の第2の目標点にロボットの代表点が位置する第3の姿勢を算出する工程と、
第3の姿勢のロボットに生じる第3の変動誤差成分を算出する工程と、
仮の第2の目標点の位置および第3の変動誤差成分に基づいて、第2の目標点にロボットの代表点を位置合わせするための第2の教示点を算出する工程とを含む、第2または第4の態様に記載のロボット教示点作成方法が提供される。
本発明の第6の態様によれば、
ロボットの代表点が穴あけ工具の先端であって、
目標点の位置から反ロボット側且つワーク表面垂直方向に第2の距離離れた第3の目標点が存在し、
仮の目標点の位置から反ロボット側且つワーク表面垂直方向に第2の距離離れた位置を、仮の第3の目標点と設定する工程と、
仮の第3の目標点にロボットの代表点が位置する第4の姿勢を算出する工程と、
第4の姿勢のロボットに生じる第4の変動誤差成分を算出する工程と、
仮の第3の目標点の位置および第4の変動誤差成分に基づいて、第3の目標点にロボットの代表点を位置合わせするための第3の教示点を算出する工程とを含む、第5の態様に記載のロボット教示点作成方法が提供される。
本発明の第7の態様によれば、
目標点にロボットの代表点を位置合わせするための教示点を作成するロボットシステムであって、
基準点と目標点とが定義されたワークと、
基準点とロボットの先端との間の距離を計測するための計測装置と、
ロボットを制御する制御装置を有し、
制御装置が、
基準点の位置を取得する動作(1)と、
基準点にロボットの代表点が位置する第1の姿勢にロボットを制御する動作(2)と、
計測装置を介して基準点と第1の姿勢のロボットの代表点との間の誤差を計測する動作(3)と、
ロボットの姿勢によって変動する変動誤差成分であって、第1の姿勢のロボットに生じる第1の変動誤差成分を算出する動作(4)と、
誤差および第1の変動誤差成分に基づいて、姿勢によって変動しない固定誤差成分を算出する動作(5)と、
目標点にロボットの代表点が位置する第2の姿勢のロボットに生じる第2の変動誤差成分を算出する動作(6)と、
固定誤差成分および第2の変動誤差成分に基づいて、目標点にロボットの代表点を位置合わせするための教示点を算出する動作(7)とを実行する、ロボットシステムが提供される。
本発明の第8の態様によれば、
動作(6)が、
固定誤差成分および基準点に基づいて、固定誤差成分が補償された基準点として仮の基準点を設定する動作(6−1)と、
仮の目標点を、仮の基準点との間で、基準点と目標点との間の位置関係と同一の位置関係を実現できる位置に設定する動作(6−2)と、
仮の目標点にロボットの代表点が位置する第2の姿勢を算出する動作(6−3)と、
第2の姿勢のロボットに生じる、第2の変動誤差成分を算出する動作(6−4)と、を含む、第7の態様に記載のロボットシステムが提供される。
本発明の第9の態様によれば、
目標点にロボットの代表点を位置合わせするための教示点を作成するロボットシステムであって、
基準点と目標点とが定義されたワークと、
ロボットを手動操作するための手動操作装置と、
ロボットを制御する制御装置を有し、
制御装置が、
手動操作装置を介して基準点にロボットの代表点が位置合わせされる第1の姿勢にロボットが手動操作されると、
第1の姿勢に基づいてロボットの代表点の位置を算出する動作(1)と、
基準点の位置を取得する動作と(2)、
ロボットの代表点の位置と基準点の位置との間の誤差を算出する動作(3)と、
ロボットの姿勢によって変動する変動誤差成分であって、第1の姿勢のロボットに生じる第1の変動誤差成分を算出する動作(4)と、
誤差および第1の変動誤差成分に基づいて、姿勢によって変動しない固定誤差成分を算出する動作(5)と、
目標点にロボットの代表点が位置する第2の姿勢のロボットに生じる第2の変動誤差成分を算出する動作(6)と、
固定誤差成分および第2の変動誤差成分に基づいて、目標点にロボットの代表点を位置合わせするための教示点を算出する動作(7)とを実行する、ロボットシステムが提供される。
本発明の第10の態様によれば、
動作(6)が、
固定誤差成分および基準点に基づいて、固定誤差成分が補償された基準点として仮の基準点を設定する動作(6−1)と、
仮の目標点を、仮の基準点との間で、基準点と目標点との間の位置関係と同一の位置関係を実現できる位置に設定する動作(6−2)と、
仮の目標点にロボットの代表点が位置する第2の姿勢を算出する動作(6−3)と、
第2の姿勢のロボットに生じる、第2の変動誤差成分を算出する動作(6−4)と、を含む、第9の態様に記載のロボットシステムが提供される。
本発明によれば、基準点とロボットの先端との間の誤差を計測するだけで、後は計算のみで目標点にロボットの代表点を高精度に位置合わせするための教示点を作成することができる。したがって、複数の目標点にロボットの先端を高精度に位置合わせするための複数の教示点を短時間で作成することができる。
本発明の一実施の形態に係るロボットシステムの構成を概略的に示す図 ワークに定義された基準点および目標点を説明するための図 目標点にロボットの先端を高精度に位置合わせするための、本発明に係る教示点作成方法を概念的に説明するための図 図3に説明する概念的な教示点作成方法のフローを示す図 ロボットシステムの固定誤差成分を算出する方法のフローを示す図 教示点を作成する方法のフローを示す図 ロボットシステムの固定誤差成分の算出について説明するための図 仮の目標点の設定について説明するための図 教示点の作成について説明するための図 別の教示点の作成について説明するための図 別のロボットシステムの固定誤差成分を算出する方法のフローを示す図
図1は、本発明の一実施の形態に係るロボットシステムの構成を概略的に示している。図1に示すロボットシステム10は、ワークWの複数箇所に複数の穴を形成するものである。
ロボットシステム10は、多関節型のロボット12と、ロボット12を制御するコントローラ14と、ワークWを固定する治具16と、ワークWに複数の穴を形成する穴あけ装置18と、ビジョンセンサ20とを有する。
ロボット12は、多関節型のロボットであって、複数の関節12a〜12fと、フランジ12gとを備える。フランジ12gには、穴あけ装置18とビジョンセンサ20とが取り付けられている。
コントローラ14は、ロボット12を制御する装置であって、作業者によって教示された教示点に基づいてロボット12の複数の関節12a〜12fそれぞれの関節角度を制御することにより、ロボット12の先端の位置を変更するように構成されている。なお、本実施の形態のコントローラ14は、後述するが、自動で教示点を作成する機能を備えている。
治具16は、ロボット12に対して位置決めされた状態で設置されている。また、治具16は、ワークWをロボット12に対して位置決めして保持するように構成されている。具体的には、ワークWの表面Waには2つの基準点P1,P2が定義されており、その2つの基準点P1,P2にロボット12がアクセスできるように、治具16はワークWを位置決め保持する。
なお、2つの基準点P1,P2は、ビジョンセンサ20の撮像画像から特定できる点、例えば図2に示すように開口の中心などによって定義されている。
穴あけ装置18は、ワークWに穴を形成するものであって、穴あけツールとして、例えばドリル18aを備える。本実施の形態においては、ドリル18aの先端が、ロボット12の先端Tとして定義されている。
ビジョンセンサ20は、ロボット12の先端Tおよびその周囲を撮像するためのものであって、コントローラ14からの指示に基づいて撮像し、その撮像画像データをコントローラ14に送信するように構成されている。
ここからは、本発明に係る、コントローラ14の自動で教示点を作成する機能について説明する。
コントローラ14の自動で教示点を作成する機能について説明する前に、まず、本発明の概念を、図3を参照しながら説明する。
図3に示すように、目標点Pを教示点と設定し、その目標点Pにロボットの先端Tが位置する姿勢F(P)にロボットを制御した場合、実際には、先端Tが完全に目標点Pに一致せず、先端Tと目標点Pとの間に誤差ΔEが生じる。したがって、目標点Pに先端Tを位置合わせするためには、目標点Pから−ΔEずれた位置を教示点Pとすればよい。
そのためには、誤差ΔEを計測する必要がある。しかしながら、目標点Pが複数存在する場合、従来のように、各目標点Pを教示点として教示してロボットを動作させ、各目標点Pに対する誤差ΔEを計測すると、当然ながら手間がかかる。その結果、複数の目標点Pに先端Tを位置合わせできる複数の教示点Pを求めるのに時間がかかる。
そこで、複数の目標点Pに先端Tが位置合わせできる複数の教示点Pを求める時間を短縮するために、発明者は、図3に示すように、姿勢F(P)のロボットに生じる誤差ΔEが、ロボットの姿勢によって変動する誤差成分ΔE(F(P))(以下、「変動誤差成分Δ(F(P))」と称する)と、ロボットの姿勢によって変動しない誤差成分ΔE(以下、「固定誤差成分ΔEs」と称する)からなることに着目した。
ここで言う、変動誤差成分ΔE(F(P))は、例えば、リンクのたわみやねじれ、ロボットの動力伝達機構に含まれる歯車のガタ、関節を駆動するモータの軸のねじれなどを原因としてロボットに生じるたわみによる目標点Pとロボットの先端Tとの間の誤差であって、姿勢によって変動する(異なる)誤差を言う。変動誤差成分ΔE(F(P))は、目標点Pからロボットの先端Tが変位した量と、その変位方向に対応する。
この変動誤差成分ΔE(F(P))は、目標点Pを教示点と設定し、目標点Pにロボットの先端Tが位置する姿勢F(P)を、姿勢F(P)のロボットに生じるたわみを考慮せずに、ロボットのリンク長と複数の関節それぞれの関節角度とを用いて幾何学的に算出するために生じる。姿勢F(P)によってロボット先端におけるたわみ量やたわみ方向が異なるため、姿勢F(P)によって変動誤差成分ΔE(F(P))も異なる。
また、ここで言う、固定誤差成分ΔEは、ロボットの姿勢によって変動しない、すなわちどのような教示点であっても生じる一定の誤差を言う。
例えば、固定誤差成分ΔEは、目標点Pがワーク上の点である場合、ロボットに対するワークの配置誤差によって生じる。本実施の形態の場合、ロボット12の据え付け誤差、治具16の据え付け誤差、ワークWの治具16への取り付け誤差などによって生じる。
このような変動誤差成分と固定誤差成分とを利用した、目標点Pに先端Tを高精度に位置合わせするための教示点Pの作成方法およびその流れについて図4に示すフローを参照しながら説明する。
図4に示すように、ステップS100において、図3に示すように、目標点Pに対する位置関係が既知の基準点Pにロボットの先端Tが位置する姿勢F(P)にロボットを制御する。なお、ここでは、基準点Pの位置がロボットに対する位置で与えられ、一方、目標点Pの位置がロボットではなく基準点Pに対する位置で与えられる場合を例に挙げる。
次に、ステップS110において、図3に示すように、基準点Pとロボットの実際の先端Tとの間の誤差ΔEを計測する。
続いて、ステップS120において、姿勢F(P)のときのロボットに生じる変動誤差成分ΔE(F(P))を算出する。変動誤差成分ΔE(F(P))は、姿勢F(P)のときの複数の関節それぞれの関節角度、複数のリンクそれぞれの長さ、ロボットの複数の構成要素それぞれの重量、関節を駆動するモータ軸のねじれ剛性、リンクそれぞれに生じるたわみやねじれなどから算出することができる。なお、姿勢F(P)に対応する変動誤差成分ΔE(F(P))を予め実測してデータとして記憶しておいてもよい。
そして、ステップS130において、ステップS110で計測された誤差ΔEと、ステップS120で算出された変動誤差成分ΔE(F(P))とに基づいて、具体的には、誤差ΔEから変動誤差成分ΔE(F(P)を減算して、固定誤差成分ΔEを算出する。
ステップS130で固定誤差成分ΔEが算出されると、ステップS140において、図3に示すように、基準点Pから−ΔEずれた位置に仮の基準点P’を設定する。すなわち、固定誤差成分ΔEが補償された基準点Pとして仮の基準点P’が設定される。
次に、ステップS150において、仮の目標点P’を、仮の基準点P’との間で、基準点Pと目標点Pとの間の位置関係と同一の位置関係を実現できる位置に設定する。その結果、仮の目標点P’は、目標点Pから−ΔEずれた位置に設定される(固定誤差成分ΔEが補償された目標点Pとして仮の目標点P’が設定される)。
続いて、ステップS160において、仮の目標点P’にロボットの先端Tが位置する姿勢F(P’)を算出する。補足すると、目標点Pにロボットの先端Tが位置する姿勢F(P)は、目標点Pの位置がロボットに対する位置で与えられていないために算出することができない。そのために、仮の目標点P’にロボットの先端Tが位置する姿勢F(P’)を、目標点Pにロボットの先端Tが位置する姿勢F(P)の代わりとして算出している。なお、仮の目標点P’(仮の目標点P’になりうる点)にロボットの先端Tが位置する姿勢F(P’)を予め求めて記憶装置(図示せず)に記憶し、仮の目標点P’に対応する姿勢F(P’)を記憶装置から取得するようにしてもよい。
ステップS170において、図3に示すように、姿勢F(P’)のロボットに生じる、先端Tにおける変動誤差成分ΔE(F(P’))を算出する。ステップS120で変動誤差成分ΔE(F(P))を算出した方法と同様の方法によって算出する。
次に、ステップS180において、図3に示すように、ステップS140で設定された仮の目標点P’の位置と、ステップS160で算出された変動誤差成分ΔE(F(P’))とに基づいて、具体的には、仮の目標点P’から−ΔE(F(P’))ずれた位置に、目標点Pにロボットの先端Tが高精度に位置合わせされる教示点Pが作成される。
この教示点Pに位置する姿勢F(P)にロボットを制御すると、ロボットの先端Tは、教示点Pから変動誤差成分ΔE(F(P’))だけずれ、さらに固定誤差成分ΔEだけずれ、そして、目標点Pに高精度に位置合わせされる。
このような教示点作成方法によれば、基準点Pと姿勢F(P)のロボットの先端Tとの間の誤差ΔEを計測するだけで、後は計算のみで目標点Pにロボットの先端Tを高精度に位置合わせするための教示点Pを作成することができる。したがって、複数の目標点Pにロボットの先端Tを高精度に位置合わせするための複数の教示点Pを短時間で作成することができる。
また、このような教示点作成方法によれば、目標点Pの位置がロボットに対する位置でなくても、基準点Pと目標点Pとの位置関係が既知であれば、目標点Pにロボットの先端Tを高精度に位置合わせするための教示点Pを作成することができる。
ここで補足すると、図3に示す変動誤差成分ΔE(F(P)),ΔE(F(P’))は、姿勢F(P),F(P’)が異なる姿勢であるため、厳密に言えば、同一ではない。しかしながら、変動誤差成分ΔE(F(P))とΔE(F(P’))との差は、変動誤差成分ΔE(F(P’))に比べて一般に小さい。したがって、変動誤差成分ΔE(F(P)),ΔE(F(P’))を実質的に同一とみなすことが可能である。以上の理由から、目標点Pの位置がロボットではなく基準点Pに対する位置として与えられる場合は、仮の目標点P’から求められた変動誤差成分ΔE(F(P’))に基づいて、目標点Pにロボットの先端Tを高精度に位置合わせすることができる教示点Pを作成することができる。
一方、目標点Pの位置がロボットに対する位置で与えられる場合、仮の目標点P’を求めることなく、目標点Pに先端Tが位置する姿勢F(P)を算出することができる、すなわち、姿勢F(P)のロボットに生じる変動誤差成分ΔE(F(P))を算出することができる。その結果、変動誤差成分ΔE(F(P))に基づいて、目標点Pにロボットの先端Tを高精度に位置合わせすることができる教示点Pを作成することができる。
この上述の概念にしたがって、コントローラ14は、自動で教示点を作成する。具体的には、図1や図2に示すように、ワークWの表面Waには、3つの穴を形成するために必要な目標点P1〜P3が定義されている。この目標点P1〜P3は、ワークWの表面Waに形成される、穴の開口の中心に対応する。また、目標点P1〜P3は、2つの基準点P1,P2をワークWの表面Waに沿って最短の長さで結ぶ仮想線Lを等分するように、仮想線L上に配置されている。すなわち、目標点P1〜P3の位置は、基準点P1,P2に対する位置で定義されている。このような目標点P1〜P3にロボット12の先端Tを高精度に位置合わせするための3つの教示点P1〜P3が作成される。
また、穴の加工開始点に対応し、目標点P1,P2,P3の位置からロボット12側且つ表面Waに対して垂直方向に距離D1離れた目標点P4,P5,P6にロボット12の先端Tを高精度に位置決めするための3つの教示点P4,P5,P6が作成される。
さらに、穴の加工終了点に対応し、目標点P1,P2,P3の位置から反ロボット12側且つ表面Waに対して垂直方向に距離D2離れた目標点P7,P8,P9にロボット12の先端Tを高精度に位置決めするための3つの教示点P7,P8,P9が作成される。
以下、9つの教示点P1〜P9の作成方法およびその流れについて、図5A〜5Bと、図6A〜6Dとを参照しながら説明する。
固定誤差成分ΔEを算出するためのフローを示す図5Aに示すように、まず、ステップS200において、コントローラ14は、ワークWの2つの基準点P1,P2の位置データ(座標)を取得する。なお、2つの基準点P1,P2の位置データ(座標)は、例えば、ロボット12、治具16、およびワークWの配置図面(CADデータ)に基づいて予め求められており、コントローラ14の記憶部(図示せず)に記憶されている。
次に、ステップS210において、コントローラ14は、ステップS210で取得した基準点P1にロボット12の先端Tが位置する姿勢F(P1)にロボット12を制御する。
続いて、ステップS220において、コントローラ14は、図6Aに示すように、基準点P1とロボット12の先端Tとの間の誤差ΔE1を計測する。
誤差ΔE1の計測は、コントローラ14がビジョンセンサ20を制御して撮影した画像を用いて行われる。具体的には、撮像画像上において、基準点P1とロボット12の先端Tとの間の距離を計測する。次に、ロボット12の姿勢からビジョンセンサ20の撮影方向を割り出す。そして、撮像画像上における基準点P1とロボット12の先端Tとの間の距離およびビジョンセンサ20の撮影方向に基づいて、基準点P1とロボット12の先端Tとの間の空間上の距離、すなわち誤差ΔE1を算出する。
ステップS230において、コントローラ14は、図6Aに示すように、姿勢F(P1)のときのロボット12に生じる変動誤差成分ΔE(F(P1))を算出する。変動誤差成分ΔE(F(P1))は、姿勢F(P1)のときの複数の関節それぞれの関節角度、複数のリンクそれぞれの長さ、ロボット12の構成要素の重量、関節を駆動するモータ軸のねじれ剛性、リンクそれぞれのたわみなどから算出することができる。
ステップS240において、コントローラ14は、図6Aに示すように、ステップS220で計測した誤差ΔE1と、ステップS230で算出した変動誤差成分ΔE(F(P1))とに基づいて、固定誤差成分ΔE1を算出する。
ステップS250において、コントローラ14は、ステップS210で取得した基準点P2にロボット12の先端Tが位置する姿勢F(P2)にロボット12を制御する。
ステップS260において、ステップS220と同様に、コントローラ14は、図6Aに示すように、基準点P2とロボット12の先端Tとの間の誤差ΔE2を計測する。
ステップS270において、ステップS230と同様に、コントロローラ14は、図6Aに示すように、姿勢F(P2)のときのロボット12に生じる変動誤差成分ΔE(F(P2))を算出する。
ステップS280において、コントローラ14は、図6Aに示すように、ステップS260で計測した誤差ΔE2と、ステップS270で算出した変動誤差成分ΔE(F(P2)とに基づいて、固定誤差成分ΔE2を算出する。
ステップS290において、コントローラ14は、ステップS240で算出した固定誤差成分ΔE1と、ステップS280で算出した固定誤差成分ΔE2との平均値として、平均固定誤差成分ΔEを算出する。以後、この平均固定誤差成分ΔEが、教示点P1〜P9を作成する際に使用される。
ここからは、ステップS290で算出された(平均)固定誤差成分ΔEを用いて、教示点P1〜P9を作成する方法について説明する。なお、教示点P1,P4,P7を作成する方法について説明することにより、他の教示点の作成方法についての説明を行ったものとする(教示点P2,P3がP1と同一の方法で作成され、教示点P5,P6がP4と同一の方法で作成され、教示点P8,P9がP7と同一の方法で作成されるからである)。
教示点P1,P4,P7を作成するためのフローを示す図5Bに示すように、ステップS300において、コントローラ14は、図6Bに示すように、基準点P1,P2から、ステップS290で算出された固定誤差成分ΔEが補償された基準点P1,P2として、すなわち基準点P1,P2から−ΔEずれた、仮の基準点P1’,P2’を設定する。
ステップS310において、コントローラ14は、図6Bに示すように、仮の目標点P1’を、仮の基準点P1’,P2’との間で、目標点P1,P2と基準点P1の間の位置関係と同一の位置関係を実現できる位置に設定する。
本実施の形態においては、図1に示すように、目標点P1〜P3は、2つの基準点P1,P2をワークWの表面Waに沿って最短の長さで結ぶ仮想線Lを等分するように、その仮想線L上に等間隔に配置されている。したがって、仮の目標点P1’〜P3’は、仮の基準点P1,P2を結んで仮想線Lと同一形状の仮想線L’を等分するように、その仮想線L’上に設定される。その結果、仮の目標点P1’〜P3’は、目標点P1〜P3から−ΔEずれた位置に設定される。
なお、コントローラ14は、目標点P1,P2と基準点P1,P2の間の位置関係を、例えば、ワークWのCADデータに基づいて取得する。
ステップS320において、コントローラ14は、仮の目標点P1’にロボット12の先端Tが位置する姿勢F(P1’)を算出する。
ステップS330において、コントローラ14は、図6Cに示すように、姿勢F(P1’)のロボット12に生じる、変動誤差成分ΔE(F(P1’))を算出する。
ステップS340において、コントローラ14は、図6Cに示すように、ステップS310で設定した仮の目標点P1’の位置と、ステップS330で算出した変動誤差成分ΔE(F(P1’))とに基づいて、目標点P1にロボットの先端Tが高精度に位置合わせされる教示点P1を作成する。具体的には、仮の目標点P1’から−ΔE(F(P1’))ずれた位置に教示点P1が作成される。
次に、ステップS350において、コントローラ14は、図6Dに示すように、仮の目標点P1’からロボット12側に且つワークWの表面Waに対して垂直方向に距離D1離れた位置に仮の目標点P4’を設定する。その結果、固定誤差成分ΔEが補償された目標点P4として仮の目標点P4’が設定される。
続いて、ステップS360において、コントローラ14は、図6Dに示すように、仮の目標点P1’から反ロボット12側に且つワークWの表面Waに対して垂直方向に距離D2離れた位置に仮の目標点P7’を設定する。その結果、固定誤差成分ΔEが補償された目標点P7として仮の目標点P7’が設定される。
ステップS370において、コントローラ14は、仮の目標点P4’にロボット12の先端Tが位置する姿勢F(P4’)を算出する。
ステップS380において、コントローラ14は、姿勢F(P4’)のロボット12に生じる、先端Tにおけるたわみ誤差成分ΔE(F(P4’))を算出する。
ステップS390において、コントローラ14は、ステップS350で設定した仮の目標点P4’の位置と、ステップS380で算出した変動誤差成分ΔE(F(P4’))とに基づいて、目標点P4にロボットの先端Tが高精度に位置合わせされる教示点P4を作成する。具体的には、仮の目標点P4’から−ΔE(F(P4’))ずれた位置に教示点P4が作成される。
ステップS400において、コントローラ14は、仮の目標点P7’にロボット12の先端Tが位置する姿勢F(P7’)を算出する。
ステップS410において、コントローラ14は、姿勢F(P7’)のロボット12に生じる、先端Tにおける変動誤差成分ΔE(F(P7’))を算出する。
ステップS420において、コントローラ14は、ステップS360で設定した仮の目標点P7’の位置と、ステップS410で算出した変動誤差成分ΔE(F(P7’))とに基づいて、目標点P7にロボットの先端Tが高精度に位置合わせされる教示点P7を作成する。具体的には、仮の目標点P7’から−ΔE(F(P7’))ずれた位置に教示点P7が作成される。
本実施の形態によれば、基準点P1と姿勢F(P1)のロボットの先端Tとの間の誤差ΔE1と、基準点P2と姿勢F(P2)のロボットの先端Tとの間の誤差ΔE2とを計測するだけで、後は計算のみで、ワークWに定義されている目標点P1〜P9にロボットの先端Tを高精度に位置合わせするための教示点P1〜P9を作成することができる。したがって、複数の目標点P1〜P9にロボットの先端Tを高精度に位置合わせするための複数の教示点P1〜P9を短時間で作成することができる。
また、目標点P1〜P9の位置がロボット12に対する位置でなくても、基準点P1,P2と目標点P1〜P9との位置関係があれば(例えばワークWのCADデータがあれば)、目標点P1〜P9にロボットの先端Tを高精度に位置合わせするための教示点P1〜P9を作成することができる。
さらに、穴の開口中心に対応する目標点P1〜P3、穴の加工開始点に対応する目標点P4〜P6、および穴の加工終了点に対応する目標点P7〜P9にロボット12の先端T、すなわちドリル18aの先端Tを高精度に位置合わせできるため、ワークWに高精度の穴を形成することができる。すなわち、基準点P1,P2を結ぶ仮想線Lを等分する位置からワークWの表面Waに対して垂直に延びる3つの穴を高精度に形成することができる。
以上、上述の実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されない。
上述の実施の形態の場合、ロボット12がワークWの表面Waに向かってドリル18aを送るものであるが、本発明はこれに限らない。穴あけ装置18に、ドリル18aを送る送り機構を設けてもよい。この場合、ロボット12によって目標点P4〜P6にドリル18aの先端Tが位置合わせされた後、送り機構を備える穴あけ装置18が、ドリル18aをワークWに向かって所定の送り速度で送るように、ロボットシステム10が構成される。要するに複数の位置での位置決めを行う機械に適用可能である。
また、上述の実施の形態の場合、目標点P1〜P3に孔が形成されるが、基準点P1,P2にも孔を形成してもよい。この場合、例えば基準点P1に穴を形成するための教示点は、図5Aに示すステップS220で計測された誤差ΔE1とステップS200で取得した基準点P1の位置とに基づいて、作成することができる。すなわち、教示点の位置は、基準点P1から−ΔE1の位置に決定される。
また、上述の実施の形態の場合、ワークWに定義された2つの基準点P1,P2に基づいて算出された固定誤差成分ΔE1,ΔE2の平均(平均固定誤差成分ΔE)を用いて、目標点P1〜P9にロボット12の先端Tを高精度に位置合わせすることができる教示点P1〜P9を作成しているが、本発明はこれに限らない。例えば、図1や図6Aに示すように、目標点P1に対する教示点P1を算出する場合は近い方の基準点P1の固定誤差成分ΔE1を用い、目標点P3に対する教示点P3を算出する場合は近い方の基準点P2の固定誤差成分ΔE2を用いるようにしてもよい。
また、ワーク上の複数の基準点におけるΔEを図4のステップS100〜S130と同様の方法で算出し、得られた複数のΔEに基づいて、任意の目標点におけるΔEを解析的に求めてもよい。
本発明において、固定誤差成分ΔEを求めるための基準点Pが少なくとも1つ存在すればよい。ただし、複数の基準点Pに基づいて求められた複数の固定誤差成分ΔEを用いる方が、目標点Pにロボット先端Tを位置合わせできる教示点Pを高精度に作成できることは明らかであり、また好ましい。
さらに、上述の実施の形態の場合、ロボット12に取り付けられたビジョンセンサ20を用いて、基準点P1,P2とロボット12の先端Tとの間の誤差ΔE1,ΔE2を計測しているが、本発明はこれに限らない。ビジョンセンサ20は、ロボット12以外の場所、例えば治具16に取り付けられてもよい。
加えて、基準点を用いて固定誤差成分ΔEを算出する方法は、図5Aに示す方法以外の方法も考えられる。それについて、図7を参照しながら説明する。
図7に示す、固定誤差成分ΔEを算出する方法では、例えばティーチングペンダントなどの手動操作装置を介して作業者がロボット12を手動操作するステップが存在する。
図7に示すように、ステップS500において、コントローラ14は、ワークWの2つの基準点P1,P2の位置(座標)を取得する。
次に、ステップS510において、作業者がティーチングペンダントを介して、基準点P1にロボット12の先端Tが位置合わせされる姿勢F1にロボット12を手動操作する。なお、上述の実施の形態と異なり、作業者の目視によってロボット12の先端Tが基準点P1に位置合わせされるため、図6Aに示すような空間上の誤差ΔE1は生じない。
続いて、ステップS520において、コントローラ14は、ステップS510で作業者の手動操作によって実現されたロボット12の姿勢F1に基づいて、ロボット12の先端Tの位置(座標)P1を算出する。先端Tの位置P1は、姿勢F1のときの複数の関節それぞれの関節角度、リンク長などによって算出することができる。
ステップS530において、コントローラ14は、ステップS500で取得した基準点P1の位置と、ステップS520で算出されたロボット12の先端Tの位置P1との間の誤差ΔERM1を算出する。確認すると、外見上では基準点P1に先端Tは位置合わせされているが、数値上では、基準点P1の座標と先端Tの座標がΔERM1だけ異なっている。その理由は、ステップS520において、コントローラ14が、ロボット12に生じるたわみやロボット12の据え付け誤差などを考慮せずに先端Tの位置を算出しているためである。
ステップ540において、コントローラ14は、姿勢F1のロボット12に生じる、変動誤差成分ΔE(F1)を算出する。
ステップS550において、コントローラ14は、ステップS530で算出した誤差ΔERM1と、ステップS540で算出した変動誤差成分ΔE(F1)とに基づいて、固定誤差成分ΔE1を算出する。
次に、ステップS560において、ステップS510と同様に、作業者がティーチングペンダントを介して、基準点P2にロボット12の先端Tが位置合わせされる姿勢F2にロボット12を手動操作する。
続いて、ステップS570において、ステップS520と同様に、コントローラ14は、ステップS560で作業者の手動操作によって実現されたロボット12の姿勢F2に基づいて、ロボット12の先端Tの位置(座標)P2を算出する。
ステップS580において、ステップS530と同様に、コントローラ14は、ステップS500で取得した基準点P2の位置と、ステップS570で算出されたロボット12の先端Tの位置P2との間の誤差ΔERM2を算出する。
ステップ590において、コントローラ14は、姿勢F2のロボット12に生じる、先端Tにおける変動誤差成分ΔE(F2)を算出する。
ステップS600において、コントローラ14は、ステップS580で算出した誤差ΔERM2と、ステップS590で算出した変動誤差成分ΔE(F2)とに基づいて、固定誤差成分ΔE2を算出する。
ステップS610において、コントローラ14は、ステップS550で算出した固定誤差成分ΔE1と、ステップS610で算出した固定誤差成分ΔE2との平均値として、平均固定誤差成分ΔEを算出する。
このような、ロボットシステム10の固定誤差成分ΔEの算出方法によれば、ビジョンセンサ20は不要となる。
最後に、ロボットの先端Tを目標点に位置合わせされるロボットの部分として本発明を説明してきたが、本発明は、これに限定しない。例えば、ロボット12のフランジ12gの取り付け面の中心であってもよい。
また、上述の実施の形態においては、ロボットの先端が任意の位置に位置するときのロボットの姿勢は1つであるものとして説明してきたが、実際には複数存在する場合がある。そのために、例えば、図5BのステップS320において、仮の目標点P1’にロボットの先端Tが位置する複数の姿勢F(P1’)が算出される可能性がある。この場合、例えば、作業者が所望する、目標点にロボットの先端が位置合わせされているときのロボットの姿勢を取得し、その取得した所望の姿勢に近い方の姿勢F(P’)を選択するようにすればよい。
本発明は、穴あけ作業に限らず、多関節型のロボットを使用する作業であれば、あらゆる作業に適用可能である。
目標点
基準点
T 代表点(先端)
F(P) 第1の姿勢
ΔE 誤差
ΔE(F(P)) 第1の変動誤差成分
ΔE 固定誤差成分
’ 仮の基準点
’ 仮の目標点
F(P’) 第2の姿勢
ΔE(F(P’)) 第2の変動誤差成分

Claims (10)

  1. 目標点にロボットの代表点を位置合わせするための教示点を作成するロボット教示点作成方法であって、
    基準点にロボットの代表点が位置する第1の姿勢にロボットを制御する工程(1)と、
    基準点と第1の姿勢のロボットの代表点との間の誤差を計測する工程(2)と、
    ロボットの姿勢によって変動する変動誤差成分であって、第1の姿勢のロボットに生じる第1の変動誤差成分を算出する工程(3)と、
    誤差および第1の変動誤差成分に基づいて、姿勢によって変動しない固定誤差成分を算出する工程(4)と、
    目標点にロボットの代表点が位置する第2の姿勢のロボットに生じる第2の変動誤差成分を算出する工程(5)と、
    固定誤差成分および第2の変動誤差成分に基づいて、目標点にロボットの代表点を位置合わせするための教示点を算出する工程(6)とを含む、ロボット教示点作成方法。
  2. 工程(5)が、
    固定誤差成分および基準点に基づいて、固定誤差成分が補償された基準点として仮の基準点を設定する工程(5−1)と、
    仮の目標点を、仮の基準点との間で、基準点と目標点との間の位置関係と同一の位置関係を実現できる位置に設定する工程(5−2)と、
    仮の目標点にロボットの代表点が位置する第2の姿勢を算出する工程(5−3)と、
    第2の姿勢のロボットに生じる、第2の変動誤差成分を算出する工程(5−4)と、を含む、請求項1に記載のロボット教示点作成方法。
  3. 目標点にロボットの代表点を位置合わせするための教示点を作成するロボット教示点作成方法であって、
    基準点にロボットの代表点が位置合わせされる第1の姿勢にロボットを手動操作する工程(1)と、
    第1の姿勢に基づいてロボットの代表点の位置を算出する工程(2)と、
    ロボットの代表点の位置と基準点の位置との間の誤差を算出する工程(3)と、
    ロボットの姿勢によって変動する変動誤差成分であって、第1の姿勢のロボットに生じる第1の変動誤差成分を算出する工程(4)と、
    誤差および第1の変動誤差成分に基づいて、姿勢によって変動しない固定誤差成分を算出する工程(5)と、
    目標点にロボットの代表点が位置する第2の姿勢のロボットに生じる第2の変動誤差成分を算出する工程(6)と、
    固定誤差成分および第2の変動誤差成分に基づいて、目標点にロボットの代表点を位置合わせするための教示点を算出する工程(7)とを含む、ロボット教示点作成方法。
  4. 工程(6)が、
    固定誤差成分および基準点に基づいて、固定誤差成分が補償された基準点として仮の基準点を設定する工程(6−1)と、
    仮の目標点を、仮の基準点との間で、基準点と目標点との間の位置関係と同一の位置関係を実現できる位置に設定する工程(6−2)と、
    仮の目標点にロボットの代表点が位置する第2の姿勢を算出する工程(6−3)と、
    第2の姿勢のロボットに生じる、第2の変動誤差成分を算出する工程(6−4)と、を含む、請求項3に記載のロボット教示点作成方法。
  5. 目標点がワークの表面上に存在し、
    目標点の位置からロボット側且つワーク表面垂直方向に第1の距離離れた第2の目標点が存在し、
    仮の目標点の位置からロボット側且つワーク表面垂直方向に第1の距離離れた位置を、仮の第2の目標点と設定する工程と、
    仮の第2の目標点にロボットの代表点が位置する第3の姿勢を算出する工程と、
    第3の姿勢のロボットに生じる第3の変動誤差成分を算出する工程と、
    仮の第2の目標点の位置および第3の変動誤差成分に基づいて、第2の目標点にロボットの代表点を位置合わせするための第2の教示点を算出する工程とを含む、請求項2または4に記載のロボット教示点作成方法。
  6. ロボットの代表点が穴あけ工具の先端であって、
    目標点の位置から反ロボット側且つワーク表面垂直方向に第2の距離離れた第3の目標点が存在し、
    仮の目標点の位置から反ロボット側且つワーク表面垂直方向に第2の距離離れた位置を、仮の第3の目標点と設定する工程と、
    仮の第3の目標点にロボットの代表点が位置する第4の姿勢を算出する工程と、
    第4の姿勢のロボットに生じる第4の変動誤差成分を算出する工程と、
    仮の第3の目標点の位置および第4の変動誤差成分に基づいて、第3の目標点にロボットの代表点を位置合わせするための第3の教示点を算出する工程とを含む、請求項5に記載のロボット教示点作成方法。
  7. 目標点にロボットの代表点を位置合わせするための教示点を作成するロボットシステムであって、
    基準点と目標点とが定義されたワークと、
    基準点とロボットの先端との間の距離を計測するための計測装置と、
    ロボットを制御する制御装置を有し、
    制御装置が、
    基準点の位置を取得する動作(1)と、
    基準点にロボットの代表点が位置する第1の姿勢にロボットを制御する動作(2)と、
    計測装置を介して基準点と第1の姿勢のロボットの代表点との間の誤差を計測する動作(3)と、
    ロボットの姿勢によって変動する変動誤差成分であって、第1の姿勢のロボットに生じる第1の変動誤差成分を算出する動作(4)と、
    誤差および第1の変動誤差成分に基づいて、姿勢によって変動しない固定誤差成分を算出する動作(5)と、
    目標点にロボットの代表点が位置する第2の姿勢のロボットに生じる第2の変動誤差成分を算出する動作(6)と、
    固定誤差成分および第2の変動誤差成分に基づいて、目標点にロボットの代表点を位置合わせするための教示点を算出する動作(7)とを実行する、ロボットシステム。
  8. 動作(6)が、
    固定誤差成分および基準点に基づいて、固定誤差成分が補償された基準点として仮の基準点を設定する動作(6−1)と、
    仮の目標点を、仮の基準点との間で、基準点と目標点との間の位置関係と同一の位置関係を実現できる位置に設定する動作(6−2)と、
    仮の目標点にロボットの代表点が位置する第2の姿勢を算出する動作(6−3)と、
    第2の姿勢のロボットに生じる、第2の変動誤差成分を算出する動作(6−4)と、を含む、請求項7に記載のロボットシステム。
  9. 目標点にロボットの代表点を位置合わせするための教示点を作成するロボットシステムであって、
    基準点と目標点とが定義されたワークと、
    ロボットを手動操作するための手動操作装置と、
    ロボットを制御する制御装置を有し、
    制御装置が、
    手動操作装置を介して基準点にロボットの代表点が位置合わせされる第1の姿勢にロボットが手動操作されると、
    第1の姿勢に基づいてロボットの代表点の位置を算出する動作(1)と、
    基準点の位置を取得する動作と(2)、
    ロボットの代表点の位置と基準点の位置との間の誤差を算出する動作(3)と、
    ロボットの姿勢によって変動する変動誤差成分であって、第1の姿勢のロボットに生じる第1の変動誤差成分を算出する動作(4)と、
    誤差および第1の変動誤差成分に基づいて、姿勢によって変動しない固定誤差成分を算出する動作(5)と、
    目標点にロボットの代表点が位置する第2の姿勢のロボットに生じる第2の変動誤差成分を算出する動作(6)と、
    固定誤差成分および第2の変動誤差成分に基づいて、目標点にロボットの代表点を位置合わせするための教示点を算出する動作(7)とを実行する、ロボットシステム。
  10. 動作(6)が、
    固定誤差成分および基準点に基づいて、固定誤差成分が補償された基準点として仮の基準点を設定する動作(6−1)と、
    仮の目標点を、仮の基準点との間で、基準点と目標点との間の位置関係と同一の位置関係を実現できる位置に設定する動作(6−2)と、
    仮の目標点にロボットの代表点が位置する第2の姿勢を算出する動作(6−3)と、
    第2の姿勢のロボットに生じる、第2の変動誤差成分を算出する動作(6−4)と、を含む、請求項9に記載のロボットシステム。
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