JP6298026B2 - 多関節ロボットのたわみを計測するたわみ計測システム - Google Patents

多関節ロボットのたわみを計測するたわみ計測システム Download PDF

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Description

本発明は、多関節ロボットの各関節軸や関節軸間のリンクなどのたわみを計測するたわみ計測システムに関する。
多関節ロボットにおいては、各関節軸や関節軸間のリンクなどの機構部が、ロボットアーム部の先端に取付けられたツールの重さによって弾性変形することが知られている。このような弾性変形はロボットアーム部の先端の位置決め精度に影響するため、従前より、関節軸やリンクなどの弾性変形を考慮してロボットアーム部の位置(角度)を制御することが行われている。
例えば、特許文献1に示される発明においては、関節軸を回転ばねとみなし、関節軸に定義された座標系の座標軸回りにおける関節軸のばね定数を予め測定し設定しておく。そして、設定されたばね定数と、座標軸回りに関節軸に作用するトルクとから、座標軸回りにおける関節軸のたわみ量を計算し、このたわみ量に基づいてロボットアーム部の目標位置を補正している。
このようにロボットアーム部の目標位置を補正する場合には、前述したように関節軸のばね定数を予め定めておく必要がある。関節軸のばね定数を事前に決定する方法については種々提案されており、以下の特許文献2、特許文献3および特許文献4などに開示されるようなばね定数の決定方法がある。
特許文献2に開示された発明においては、まず、制御装置からロボットの関節軸に目標位置として与えられる指令角度と、実際に計測した関節軸の回転角度とのずれ量を求めている。そして、関節軸に作用するトルクを求め、求めた角度のずれ量と求めたトルクとに基づいて、関節軸のばね定数を算出している。
また、特許文献3に開示された発明においては、ロボットの関節軸に連結された二つのアーム部のそれぞれに角度確認位置を設けておき、制御部により関節軸を回転させて両方のアーム部の角度確認位置を位置合わせする。そして、この位置合わせ時に制御部から関節軸に与えられた指令位置(角度)と、関節軸がたわまないとした場合に前述の位置合わせ時に必要な理論上の指令位置(角度)との差を、たわみ補正量として求める。そして、そのたわみ補正量を関節軸に作用する負荷トルクにより除算した値をばね定数として定めている。
さらに、特許文献4に開示された発明においては、まず、質量の異なる二つの重りをロボットアーム部の先端に交互に取付け、重り毎に、関節軸に連結されたロボットアーム部の回転方向のたわみ量を計測する。そして、前述した2つの重りの質量の差と、重り毎に計測されたアーム部のたわみ量の差とから、関節軸のばね定数を算出している。
特開2002−307344号公報 特開2010−058256号公報 特開2013−244540号公報 特開2011−125956号公報
しかしながら、特許文献2、特許文献3および特許文献4に開示されるようなばね定数の決定方法には、各々、次のような問題点がある。
特許文献2に開示される発明については、制御部から関節軸に指令角度が与えられたときに関節軸の実際の回転角度を計測する必要がある。このため、回転角度センサを関節軸に取付ける作業が生じ、またコストもかかる。
特許文献3に開示される発明においては、ばね定数を算出するために何らかの方法によって関節軸の理論上の指令位置(角度)を予め決定しておく必要がある。しかし、そのような理論上の指令位置を適切に決定するのは当業者にとって簡単ではない。
特許文献4に開示される発明については、ばね定数の算出のために重りをロボットアーム部の先端に取付ける作業が必要である。このため、重りを取付ける作業は作業者にとって重労働となる。
そこで本発明は、上述したような問題点に鑑み、安価で、かつ作業者にとって簡易な作業により、前述したばね定数を求めることができるたわみ計測システムを提供することを目的とする。
本発明の第一態様によれば、多関節ロボットの機構部のたわみを計測するたわみ計測システムであって、
多関節ロボットの任意の機構部と該多関節ロボットから離れた位置とのうちの一方に配置された被測定マークと、
多関節ロボットの任意の機構部と該多関節ロボットから離れた位置とのうちの他方に配置されていて、被測定マークの位置を測定する位置計測器と、
多関節ロボットと位置計測器をそれぞれ制御する制御装置とを備え、
制御装置は、
被測定マークと位置計測器の相対的位置関係が機構部のたわみによってのみ変化するように、多関節ロボットの姿勢を変更させるロボット制御部と、
前記の姿勢の変更前と変更後のそれぞれにおいて位置計測器により被測定マークの位置を計測し、前記の姿勢の変更前に計測された被測定マークの位置と前記の姿勢の変更後に計測された被測定マークの位置との間の移動量に基づいて、機構部の実たわみ量を算出するたわみ量計算部とを有する、たわみ計測システムが提供される。
本発明の第二態様によれば、多関節ロボットの機構部のたわみを計測するたわみ計測システムであって、
それぞれ、多関節ロボットの異なる二つのリンクに配置された二つの被測定マークと、
多関節ロボットから離れた位置に二つの被測定マークの両方と相対して配置されていて、二つの被測定マークの両方の位置を測定する位置計測器と、
多関節ロボットと位置計測器をそれぞれ制御する制御装置とを備え、
制御装置は、
二つの被測定マークの相対的位置関係が二つのリンクを連結する関節軸のたわみによってのみ変化するように、多関節ロボットの姿勢を変更させるロボット制御部と、
前記の姿勢の変更前と変更後のそれぞれにおいて、位置計測器により二つの被測定マークの両方の位置を計測し、前記の姿勢の変更前に計測された二つの被測定マークのうちの一方の被測定マークの位置と前記の姿勢の変更後に計測された当該一方の被測定マークとの間の移動量と、前記の姿勢の変更前に計測された二つの被測定マークのうちの他方の被測定マークの位置と前記の姿勢の変更後に計測された当該他方の被測定マークとの間の移動量との差に基づいて、関節軸の実たわみ量を算出するたわみ量計算部とを有する、たわみ計測システムが提供される。
本発明の第三態様によれば、第一態様または第二態様のたわみ計測システムであって、
制御装置は、
前記の姿勢の変更前と変更後のそれぞれにおいて、機構部もしくは関節軸に作用するトルクを取得し、
前記の姿勢の変更前に取得されたトルクと前記の姿勢の変更後に取得されたトルクとの間の変化量を算出し、
算出された実たわみ量、トルクの変化量、および空間上の被測定マークの位置に基づき、機構部を回転ばねとみなしたときの当該機構部のばね定数を算出するばね定数算出部とをさらに有する、たわみ計測システムが提供される。
本発明の第四態様によれば、第一態様から第三態様のいずれかのたわみ計測システムであって、被測定マークは発光体である、たわみ計測システムが提供される。
本発明の第五態様によれば、第一態様から第四態様のいずれかのたわみ計測システムであって、位置計測器はCCDカメラである、たわみ計測システムが提供される。
本発明の第六態様によれば、第一態様から第四態様のいずれかのたわみ計測システムであって、位置計測器はPSDである、たわみ計測システムが提供される。
本発明の第一態様、第二態様、第四態様、第五態様および第六態様によれば、作業者はロボットおよびその近傍に被測定マークとカメラなどの位置計測器とを設置することにより、多関節ロボットの姿勢に応じてリンクや関節軸などの機構部に発生する実たわみ量を取得することができる。このような被測定マークと位置計測器の設置作業は、従来技術のように重りや回転角度センサの取付け作業と比べ、作業者にとって簡易な作業となる。
さらに、本発明の第一態様および第二態様によれば、多関節ロボットの姿勢を変更させたときの被測定マークの位置の変化から、機構部の実たわみ量を求めるようにしている。さらに言えば、被測定マークの位置の変化を位置計測器により測定する際に、被測定マークと位置計測器の相対的位置関係が機構部のたわみによってのみ変化するように多関節ロボットの姿勢を変更させるようにしている。このことにより、当該機構部に発生している実たわみ量のみが正確に得られる。
さらに、本発明の第三態様によれば、前述したように正確に得られた実たわみ量を機構部のばね定数の算出に利用しているため、当該ばね定数を精度よく定めることができる。
添付図面に示される本発明の典型的な実施形態の詳細な説明から、本発明のこれらの目的、特徴および利点ならびに他の目的、特徴および利点がさらに明確になるであろう。
第一実施形態のたわみ計測システムの全体構成を示した図である。 第一実施形態のたわみ計測システムにおける制御構成要素を示したブロック図である。 図1に示されたロボットの構造をより詳しく説明するための図である。 図3に示されたロボットを構成する各関節軸と各アーム部をモデル化して表した図である。 第一実施形態のたわみ計測システムによってロボットのたわみを計測するときの処理フローを示すフローチャートである。 図1に示されたロボットの1番目の計測姿勢を示した図である。 図1に示されたロボットの2番目の計測姿勢を示した図である。 図6に示されたロボットの1番目の計測姿勢のときにカメラにより撮像された画像と、図7に示されたロボットの2番目の計測姿勢のときにカメラにより撮像された画像とを重ねあわせたものを表した図である。 第二実施形態のたわみ計測システムの全体構成を示した図である。 第二実施形態のたわみ計測システムによってロボットのたわみを計測するときの処理フローを示すフローチャートである。 図9に示されたロボットの1番目の計測姿勢を示した図である。 図9に示されたロボットの2番目の計測姿勢を示した図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下の図面において、同じ部材には同じ参照符号が付けられている。そして、異なる図面において同じ参照符号が付されたものは同じ機能を有する構成要素であることを意味するものとする。また、理解を容易にするために、これらの図面は縮尺を適宜変更している。また本発明は、図面に描かれた形態に限定されるものでない。
まず、本発明の概要について述べる。
多関節ロボットにおいては、ロボットアーム部の先端に取付けられたツールの重さが各関節軸や関節軸間のリンクに作用して関節軸やリンクがたわむ場合がある。このように関節軸やリンクがたわむ場合、例えば、ロボットアーム部の先端に取付けられたツールを当該ツールの目標位置に基づいて位置決めしようとしても、位置決めされたツールの実位置は目標位置からずれてしまう。したがって、このようにロボットアーム部の先端に取付けられたツールを位置決め制御するときには、関節軸やリンクのたわみ量を推定し、このたわみ量の推定値に基づいて、ツールの目標位置を補正することが必要となる。
このようなツールの位置決め制御において前述した関節軸やリンクのたわみ量を推定する際、従前より、関節軸またはリンクを回転ばねとみなして、この回転ばねのばね定数を算定することが行われている。回転ばねのばね定数が定まると、当該回転ばねの回転軸回りに作用する負荷トルクの値を当該ばね定数の値で除算することにより回転ばねのたわみ量(たわみ角)を求めることができる。つまり、回転ばねとみなした関節軸またはリンクの回転軸回りに所定の負荷トルクが作用したときの、当該関節軸またはリンクの回転軸回りのたわみ量(たわみ角)を推定できるようになる。また、前述したばね定数をより正確に定められれば、関節軸またはリンクの回転軸回りのたわみ量(たわみ角)もより正確に推定できるようになり、前述したロボットアーム部の先端のツールの位置決め精度を向上させることができる。
そこで、本願においては、前述したロボットアーム部の位置決め制御において関節軸またはリンクのたわみ量を推定するのに必要なばね定数を正確に算定することが可能な発明を提案することとする。特に、本願においては、ロボットアーム部を位置決め制御したときに実際に関節軸またはリンクに発生するたわみ量を位置計測器により計測し、計測された実際のたわみ量(以下、実たわみ量と称す。)に基づいて、前述のばね定数を正確に求める発明を提案することとする。
よって、以下に説明する各実施形態においては、多関節ロボットの関節軸またはリンクの実たわみ量を計測することが可能なたわみ計測システムを示すこととする。さらに、以下の各実施形態においては、関節軸またはリンクの実たわみ量を用いて、関節軸またはリンクのばね定数を決定することが可能なたわみ計測システムも示すこととする。
(第一実施形態)
図1は、第一実施形態のたわみ計測システムの全体構成を示した図である。
図1に示されるように、第一実施形態のたわみ計測システム10は、ロボット11の所定の機構部に取付けられた被測定マーク12と、被測定マーク12の位置を計測する位置計測器としてのカメラ13と、ロボット11およびカメラ13をそれぞれ制御する制御装置14と、を備える。
さらに、制御装置14は、ロボット制御部31と実たわみ量計算部32とばね定数算出部33とを含んでいる。ロボット制御部31は、被測定マーク12とカメラ13の相対的位置関係が上記の機構部のたわみによってのみ変化するように、ロボット11の姿勢を変更させる。そして、たわみ計算部32は、ロボット11の姿勢の変更前と変更後のそれぞれにおいてカメラ13により被測定マーク12の位置を計測し、ロボット11の姿勢の変更前に計測された被測定マーク12の位置とロボット11の姿勢の変更後に計測された被測定マーク12の位置との間の移動量に基づいて、上記の機構部の実たわみ量を算出する。さらに、ばね定数計算部33は、上記のロボット11の姿勢の変更前と変更後のそれぞれにおいて、上記の機構部に作用するトルクを取得し、取得されたトルクの変化量を算出し、算出された実たわみ量、トルクの変化量、および空間上の被測定マーク12の位置に基づき、上記の機構部を回転ばねとみなしたときの当該機構部のばね定数を算出する。
図1に示されるロボット11は、典型的な垂直多関節ロボットである。ロボット11と制御装置14とはケーブル22を介して互いに接続されている。さらに、カメラ13と制御装置14とはケーブル23を介して接続されている。
被測定マーク12は、ロボット11の所定の機構部、例えばリンクもしくは関節軸、におけるたわみ量を計測するために使用される。本実施形態においては、被測定マーク12は、ロボット11における第一関節軸と第二関節軸との間のリンク(図3の符号11b1参照)に取付けられている。
カメラ13は、ロボット11から離れた位置に設置および固定されている。さらに、カメラ13は、カメラ13により撮像された画像内に被測定マーク12の全体像が表示されるように、ロボット11上の被測定マーク12と相対して設置および固定される。カメラ13の設置には例えば三脚が用いられる。さらに、ロボット11がどのように動作してもカメラ13の位置が変わらないように、カメラ13はロボット11の動作範囲より外側に設置されている。
図2は、たわみ計測システム10における制御構成要素を示したブロック図である。
前述したロボット11は、n個の関節軸と、それぞれの関節軸間を連結する(n−1)個のリンクとからなるロボットアーム部を備える。そして、図2に示されるようにn個のモータ15−1〜15−nがそれぞれn個の関節軸に設けられている。なお、nは自然数であり、本実施形態においては、nは6である。また、各リンクはアーム部とも呼ばれている。
図2に示されるように、制御装置14内には、CPU16と、RAM、ROM、不揮発性メモリなどを含むメモリ17と、n個のサーボ制御器18−1〜18−nと、n個のサーボアンプ19−1〜19−nと、画像処理プロセッサ20と、カメラインタフェイス(カメラI/F)21とが備えられている。このような構成要素は、バス24を通じて相互接続されている。なお、図2に示されるCPU16が、前述したロボット制御部31、実たわみ量計算部32、およびばね定数算出部33に対応するものとなっている。
前述したメモリ17のROMには、ロボット11と制御装置14の基本機能を支えるシステムプログラムが格納されている。さらに、このROMには、カメラ13により撮像されたロボット11の画像から被測定マーク12を検出する画像処理プログラム、および公知のNewton−Euler法によってロボット11の各関節軸に作用する負荷トルクを計算するプログラムも格納されている。
前述したメモリ17の不揮発性メモリには、ロボット11の動作プログラムと、後述するロボット11のたわみ量を計算する際に用いられるパラメータ、例えば被測定マーク12の寸法とが格納されている。
前述したメモリ17のRAMは、カメラ13により撮像されたロボット11の画像を生成する映像信号のデータや、CPU16が実行する各種演算処理におけるデータなどを一時記憶する記憶領域として使用される。
サーボ制御器18−1〜18−nは、CPU16により、ロボット11を制御するための演算処理、例えばロボット11の各関節軸に作用するトルクの計算、逆変換の計算など、を経て作成された移動指令を受取る。そして、サーボ制御器18−1〜18−nは、受取った移動指令と、ロボット11の各関節軸に付属するパルスコーダ(図示せず)から受取るフィードバック信号とを比較しつつ、サーボアンプ19−1〜19−nにそれぞれトルク指令を出力する。そして、各サーボアンプ19−1〜19−nは、各トルク指令に基づいて電流を各関節軸のモータ15−1〜15−nに供給して各モータ15−1〜15−nを駆動する。
また、図2に示されるカメラ13は、例えばCCDカメラであり、制御装置14内のカメラインタフェイス21と接続されている。CCDカメラは、撮像対象を受光デバイス面、例えばCCDアレイ面により二次元画像として検出する機能を有する。
図2に示された制御装置14においては、CPU16からカメラインタフェイス21を介してカメラ13に撮像指令が送られた時に、カメラ13に設定された電子シャッタ機能により撮影が実行される。そして、カメラインタフェイス21を介して映像信号、すなわちカメラ13の撮影した画像がメモリ17のRAMに格納される。RAMに格納された映像信号は、画像処理プロセッサ20を利用して解析される。さらに、RAM内の画像処理プログラムによって、カメラ13の撮影した画像上の被測定マーク12の位置と寸法が求められる。
図3は、図1に示されたロボット11の構造をより詳しく説明するための図である。また、図4は、図3に示されたロボット11の各関節軸と各リンクをモデル化して、それぞれの関節軸の位置や回転方向を表した図である。
本実施形態のロボット11は、図3および図4に示されるように、第一関節軸11a1、第二関節軸11a2、第三関節軸11a3、第四関節軸11a4、第五関節軸11a5、および第六関節軸11a6を有している。また、それぞれの関節軸間にリンクが存在する。また、各々の関節軸11a1〜11a6は、隣接する二つのリンク同士を互いに連結しているロボット部位であり、隣接する二つのリンクはリンク間の関節軸を中心として相対的に回転することができる。
そして、図3および図4から分かるように、第二関節軸11a2、第三関節軸11a3および第五関節軸11a5はそれぞれ、関節軸回りに負荷トルクが作用する軸部である。また、第一関節部11a1と第二関節部11a2との間のリンク11b1もまた、垂直方向に位置する第一関節軸11a1の上端部を回転支点とした負荷トルクが作用するロボット部位と考えられる。
そこで、第一実施形態においては、そのような負荷トルクの作用によりリンク11b1がたわむと想定し、上述したたわみ計測システム10により、リンク11b1の実たわみ量を計測することとする。このため、被測定マーク12は、リンク11b1に取付けられている。
さらに、図3に示されるように、実空間でのリンク11b1上に、以下の条件1)〜3)を満たすワールド座標系(XYZ座標系)が設けられており、このワールド座標系を用いてリンク11b1の実たわみ量が計測されるようにする。
1)Z軸は第一関節軸11a1の回転軸と一致する。
2)Y軸は第二関節軸11a2の回転軸と平行である。
3)第二関節軸11a2の回転軸はXY平面上にある。
また、図3中の符号Owは、リンク11b1上に定義されたワールド座標系の原点を表している。この原点Owを基準とするXYZ軸の方向は、図3中に拡大図によって示されている。図3に示されたワールド座標系においては、図3の右方向に+X軸、図3の上方向に+Z軸、図3の紙面に対して奥行方向に+Y軸をそれぞれ定義している。
なお、以降の各実施形態において記述される「ワールド座標系」という用語は、すべて、前述したようにロボット11上に定義されたXYZ座標系を指すものとする。
次に、第一実施形態のたわみ計測システム10の動作を説明する。但し、以下では、図3に示されたXZ平面でのリンク11b1の実たわみ量を計測する場合を例にして説明することとする。
図5は、第一実施形態のたわみ計測システム10によってロボット11のたわみを計測するときの処理フローを示すフローチャートである。
ロボット11のたわみ計測を開始したとき、まず、図5のステップS11に示されるように、制御装置14は、ロボット11の計測姿勢の順番をカウントするカウンタ(図示せず)の値Nを1にセットする。さらに、制御装置14のロボット制御部31は、ロボット11の計測姿勢がN番目(すなわちN←1)の計測姿勢になるように、ロボット11を移動させる。(図5のステップS12)。
図6はロボット11の1番目の計測姿勢を示した図であり、図7はロボット11の2番目の計測姿勢を示した図である。
第一実施形態においては、図6に示されたロボット11の1番目の計測姿勢と、図7に示されたロボット11の2番目の計測姿勢とにおいて、第一関節軸11a1のモータに与えられる回転指令角度の値は同じ値にしている。つまり、図6に示された1番目の計測姿勢から図7に示された2番目の計測姿勢にロボット11の姿勢を変更させる際、第一関節軸11a1は軸回りに回転しないようにする。これによって、ロボット11のリンク11b1に取付けられた被測定マーク12と、ロボット11上の被測定マーク12と相対して設置されたカメラ13(図1参照)との相対的な位置関係は、ロボット11のリンク11b1のたわみの影響のみによって変化することになる。
再び図5を参照すると、上述したステップS12の後、制御装置14は、ロボット11の姿勢が前述した1番目の計測姿勢であるときにカメラ13により被測定マーク12を撮像する(図5のステップS13)。なお、図6および図7から分かるように、本実施形態の被測定マーク12は円形の図柄とされている。
さらに、制御装置14はカメラ13の撮像した画像に対して画像処理を実施することによって、画像上の被測定マーク12の位置pNと寸法dNを取得する(図5のステップS14)。続いて、前述したNの値を一つ大きくする(図5のステップS15)。その後、制御装置14によりNの値が2より大きいか否かを判断し(図5のステップS16)、仮にNの値が2より大きくない場合は上述したステップS12〜ステップS15を繰返す。
これにより、図6に示されたロボット11の1番目の計測姿勢のときのカメラ画像上の被測定マーク12の位置p1と寸法d1、ならびに、図7に示されたロボット11の2番目の計測姿勢のときのカメラ画像上の被測定マーク12の位置p2と寸法d2、が取得される。なお、上述したステップS16においてNの値が2より大きい場合は、制御装置14はカメラ13による被測定マーク12の計測を終了する。続いて、制御装置14は、取得された被測定マーク12の位置p1および位置p2から、カメラ画像上における被測定マーク12の移動量p’を計算する(図5のステップS17)。
そして、ステップS17の後、制御装置14は、前述したカメラ画像上の被測定マーク12の移動量p’と寸法d1、d2から、ワールド座標系での被測定マーク12の実移動量Pを計算する(図5のステップS18)。
ここで、ステップS17およびステップS18について、より具体的に説明する。
図8は、図6に示されたロボット11の1番目の計測姿勢のときにカメラ13により撮像された画像と、図7に示されたロボット11の2番目の計測姿勢のときにカメラ13により撮像された画像とを重ねあわせたものを表している。
さらに、図8においては、ロボット11の1番目の計測姿勢のときに撮像された被測定マーク12が被測定マーク12−1として表示され、ロボット11の2番目の計測姿勢のときに撮像された被測定マーク12が被測定マーク12−1として表示されている。また、図8において、被測定マーク12−1の中心C1から被測定マーク12−2の中心C2に向かう矢印Qの長さは、画像13a上における被測定マーク12−1と被測定マーク12−2との間の移動量p’を表している。なお、本実施形態のカメラ13による画像13aは、図8に示されるように長方形の画像である。
前述したステップS17にて被測定マーク12の移動量p’を計算するには、まず、制御装置14は、図8に示された画像13aから、前述した被測定マーク12−1の位置p1と、前述した被測定マーク12−2の位置p2とをそれぞれ取得する。このとき、被測定マーク12−1の位置p1として被測定マーク12−1の中心C1の座標値が取得され、また、被測定マーク12−2の位置p2としては被測定マーク12−2の中心C2の座標値が取得される。
なお、図8に示される長方形の画像13a上の座標値は、画像13aの左上角を原点Ocとし、原点Ocから図8の右方向に+Y軸、原点から図8の下方向に+X軸を定義した二次元座標系により得られるものとする。このため、前述の被測定マーク12−1の中心C1の座標値は(x1,y1)として表され、前述の被測定マーク12−2の中心C2の座標値は(x2,y2)として表される。それらの座標値は画像13aを構成している画素での座標値(単位:ピクセル)とする。
そして、制御装置14は、画像13a上の被測定マーク12−2の中心C2の座標値(x2,y2)から、画像13a上の被測定マーク12−1の中心C1の座標値(x1,y1)を減算することにより、画像13a上の被測定マーク12の移動量p’(=(px,py))を算出する。なお、pxは画面13aの座標系のX方向における移動量であり、x2からx1を減算した値である。また、pyは画面13aの座標系のY方向における移動量であり、y2からy1を減算した値である。
続いて、前述したステップS18、すなわち、ワールド座標系での被測定マーク12の実移動量Pを計算する処理を説明する。
被測定マーク12の実移動量Pは、ワールド座標系の座標値(Px,Py,Pz)を用いて表されるものとする。そして、制御装置14は以下の式(1)を用いることにより、画像13a上の被測定マーク12の移動量p’を表す座標値(px,py)を、前述したワールド座標系の座標値(Px,Py,Pz)に変換することができる。
Figure 0006298026
上記の式(1)においては、(2D/(d1+d2))は、被測定マーク12のワールド座標系での寸法Dと、画像13a上における被測定マーク12−1の寸法d1と被測定マーク12−2の寸法d2との平均値との間の倍率を表している。
また本実施形態においては、寸法D、d1、およびd2はそれぞれ、円形とした被測定マーク12の直径(単位:mm)である。寸法d1と寸法d2の値は、上述した図5のステップS12〜ステップS15により取得される。寸法Dの値は、作業者により事前に取得して制御装置14のメモリ17に記憶されているものとする。
また、上記の式(1)から分かるように、図8に示された画像13aの座標系の+Y軸と+X軸がそれぞれ図3に示されたワールド座標系の+X軸と−Z軸に対応するものとして、被測定マーク12の実移動量Pを算出する。そして、上記の式(1)によって算出されるPx,Py,Pzの値が、図6に示されたロボット11の計測姿勢から図7に示されたロボット11の計測姿勢に変更されたときの被測定マーク12の実移動量Pを表すものとなる。
但し、本実施形態においては、2次元のカメラ画像上の被測定マーク12の移動量p’をワールド座標系での座標値に変換するため、上記式(1)によって算出されるPyの値は0となる。したがって、前述した実移動量Pを求める際には、上記の式(1)により算出されたPxの値とPzの値を用いて、次式(2)より、実移動量Pを算出することができる。以上の計算は、制御装置14内のたわみ量計算部32により行われる。
Figure 0006298026
なお、前述した被測定マーク12の実移動量Pを正確に取得するためには、カメラ画像上の被測定マーク12の移動量p’を正確に計測する必要がある。そのため、第一実施形態においては、図8に示された画像13a内に被測定マーク12−1と被測定マーク12−2の両方が可能な限り大きく現れるように、カメラ13が設置されていることが好ましい。
以上のようにして、第一実施形態のたわみ計測システム10は、上記の式(1)および式(2)を用い、ワールド座標系での被測定マーク12の実移動量Pを計算している。なお、第一実施形態においては、算出された実移動量Pは、図3に示されたワールド座標系のXZ平面でのリンク11b1の実たわみ量に相当する。
続いて、再び図5を参照すると、上述したステップS18の後、制御装置14は、上記式(1)による被測定マーク12の実移動量Pと、後述するトルクの変化量、およびワールド座標系での被測定マーク12の座標値などを用いて、リンク11b1のばね定数を決定する(図5のステップS19)。
ここで、ステップS19の内容(ばね定数の決定処理)を詳述する。
第一実施形態においては、前述したようにリンク11b1のたわみ量を考慮してロボット11の先端のツールを位置決め制御するために、リンク11b1を回転ばねとみなして、この回転ばねのばね定数を事前に決定しておく。回転ばねのばね定数が定まれば、当該回転ばねの回転軸回りに作用する負荷トルクの値を当該ばね定数の値で除算することにより、回転ばねとしてのリンク11b1のたわみ量(たわみ角)を推定することができる。そして、前述したばね定数をより正確に定められれば、リンク11b1のたわみ量(たわみ角)もより正確に推定できるようになる。また、前述したツールの位置決め制御を実施する際、正確に推定されたリンク11b1のたわみ量に基づいてツールの目標位置を補正することにより、前述したロボットの先端のツールの位置決め精度を向上させることができる。
以上のことより、本実施形態のたわみ計測システム10は、制御装置14内のばね定数算出部33によりリンク11b1のばね定数を決定する処理を行えるようにしている。
但し、第一実施形態においては、回転ばねとみなしたリンク11b1の回転軸はワールド座標系のY軸(図3参照)に一致するものとしている。つまり、第一実施形態においては、前述したワールド座標系でのY軸回りのリンク11b1のたわみ量を推定するためのばね定数を決定するものとする。
そこで、まず、ワールド座標系のY軸回りの負荷トルクによりリンク11b1が当該Y軸回りにたわむとした場合の、Y軸回りのリンク11b1の回転移動量(回転角度)を推定する。この回転移動量は、次式(3)のように、リンク11b1に作用するワールド座標系のY軸回りの負荷トルクの変化量をリンク11b1のばね定数で除算することにより求めることができる。
M=(T2−T1)/k1 ・・・(3)
上記の式(3)において、Mは、リンク11b1の回転移動量の推定値を表している。k1は、求めるべきリンク11b1のばね定数である。
また、(T2−T1)は、リンク11b1に作用するワールド座標系のY軸回りの負荷トルクの変化量を表している。具体的には、(T2−T1)は、図7に示されたロボット11の計測姿勢のときにリンク11b1に作用するワールド座標系のY軸回りの負荷トルクT2から、図6に示されたロボット11の計測姿勢のときにリンク11b1に作用するワールド座標系のY軸回りの負荷トルクT1を減算した値とする。
さらに、上記の負荷トルクT1、T2の値は、制御装置14に事前に記憶されているものとする。例えば、図6に示されたロボット11の計測姿勢のときと図7に示されたロボット11の計測姿勢のときに、制御装置14は、公知のNewton−Euler法によってロボット11の第一関節軸11a1に作用する負荷トルクのワールド座標系のY軸回りの成分を計算し、それぞれの値をワールド座標系のY軸回りの負荷トルクT1、T2として制御装置14のメモリ17内に記憶させておく。なお、これまでの時点においては、ばね定数k1の値は未だ定まらない。そのため、上記式(3)により推定される回転移動量Mは、未定のばね定数k1を含む変数である。
続いて、ワールド座標系のY軸回りの負荷トルクがリンク11b1に作用することによりリンク11b1が当該Y軸回りにたわむとした場合の、Y軸回りの被測定マーク12の移動量P’を推定する。以降、この推定される被測定マーク12の移動量P’を、被測定マーク12の推定移動量P’と呼ぶ。
このY軸回りの被測定マーク12の推定移動量P’については、下記式(4)より算出することができる。つまり、前述した回転移動量M(回転角度)は微小であるとし、当該回転移動量を中心角とした円弧の長さが推定移動量P’であるとしている。
P’=r×M ・・・(4)
上記式(4)において、rは、図3に示されたワールド座標系の原点Owからロボット11上の被測定マーク12の中心位置までの距離である。
上記の距離rの値については、作業者が、図3に示されたワールド座標系の原点Owからロボット11上の被測定マーク12の中心位置までの距離rを実際に計測して、制御装置14のメモリ17に予め記憶させている。また、距離rを実測する時のロボット11の姿勢は、前述したロボット11の1番目の計測姿勢であってもよいし、2番目の計測姿勢であってもよい。
さらに、前述した推定移動量P’を算出する上記の式(4)については、上記式(3)を用いて、未定のばね定数k1を含む次式(5)に置換することができる。
P’=r×((T2−T1)/k1) ・・・(5)
なお、上記の式(5)において、ばね定数k1以外のrやT1、T2の値は上述したように制御装置14のメモリ17内に記憶されている。
そして、第一実施形態においては、上記式(5)の右辺の計算式の結果が上記式(2)により計算された実移動量Pの値と等しくなるように、リンク11b1のばね定数k1の値を決定する。つまり、前述した推定移動量P’と実移動量Pとの差がゼロになるように、ばね定数k1の値を決定している。このことにより、リンク11b1のばね定数k1は、リンク11b1の実たわみ量に則した正確な値となる。
また、第一実施形態においては、上記式(3)を用いることにより、ロボット11のワールド座標系でのY軸回りに所定の負荷トルクが作用するときの、当該Y軸回りのリンク11b1の回転移動量、すなわちたわみ量を推定することができる。このとき、前述のように算出されたばね定数k1の値を上記式(3)に事前に定めておくことにより、たわみ量の推定値もまた、リンク11b1の実たわみ量に則した正確な値として得られる。これにより、前述したようにロボット11の先端のツールを位置決め制御するときに、そのようなたわみ量の推定値に基づいて、ツールの目標位置を正確に補正できるようになる。
なお、第一実施形態の制御装置14のCPU16は、上述したようにリンク11b1のばね定数k1を算出するばね定数算出部33を備えている。そして、CPU16は、当該ばね定数算出部33により算出したリンク11b1のばね定数k1をメモリ17内に記憶させ、ロボット11の制御時にメモリ17から読出すものであることが好ましい。
また、上述した第一実施形態においては、ワールド座標系でのY軸回りのリンク11b1のたわみ量を実際に測定し、この実たわみ量に基づいて、リンク11b1のY軸回りのばね定数を決定している。しかし、本発明は、ワールド座標系でのY軸回りのリンク11b1の実たわみ量とばね定数を求めるものに限定されない。つまり、本発明においては、第一実施形態のロボット11上の被測定マーク12の取付位置を別の位置に変更して、ロボット11のワールド座標系でのX軸回りまたはZ軸回りのリンク11b1の実たわみ量とばね定数を求めるようにしてもよい。勿論、実たわみ量の計測対象やばね定数の算出対象においても、ロボット11のリンク11b1以外のリンクでもよい。
また、上述した第一実施形態において、ロボット11に取付けられる被測定マーク12の数は一つに限られない。本発明においては、ばね定数k1の値をより精度良く決定するために、少なくとも一つの被測定マーク12がロボット11に取付けられていることが好ましい。また、カメラ13の数については、少なくとも一つのカメラ13が有ればよい。
さらに、上述した第一実施形態においては、被測定マーク12はロボット11に取付けられ、カメラ13はロボット11から離れた位置に固定されているが、本発明はこのような態様に限定されない。つまり、本発明においては、カメラ13がロボット11に取付けられ、被測定マーク12がロボット11から離れた位置に固定されていてもよい。
また、第一実施形態の被測定マーク12は印刷した線の組合せからなるマークであるが、このようなマークに本発明は限定されない。また、本発明においては、被測定マーク12として発光体が用いられていてもよい。被計測マーク12として発光体を用いる場合は、位置計測器としてカメラ13の代わりに、PSD(Position sensitive detector)が用いられてもよい。つまり、上述した第一実施形態でのたわみ計測と同様に、ロボット11の姿勢を変更させたときのPSD上の発光体の移動量を取得し、当該移動量からロボット11の実たわみ量を計測すればよい。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態について説明する。但し、ここでは、第一実施形態と同じ構成要素については同一の符号を使用して説明を割愛する。よって、第一実施形態の構成要素に対して異なる点のみを以下に述べる。
第二実施形態においては、図3に示されたワールド座標系での第二関節軸11a2の軸回りの実たわみ量とばね定数を求める場合を例示することとする。
図9は、第二実施形態のたわみ計測システムの全体構成を示した図である。
前述した第二関節軸11a2の軸回りのたわみを計測するため、二つの被測定マーク12A、12Bがロボット11に取付けられている。より具体的には、図9に示されるように、一方の被測定マーク12Aは、第二関節軸11a2と第三関節軸11a3との間のリンク11b2に配置されている。そして、他方の被測定マーク12Bは、第一関節軸11a1と第二関節軸11a2との間のリンク11b1に配置されている。但し、図9に示されるように、2つの被測定マーク12A、12B間の距離が可能な限り短くなるように、被測定マーク12Bは第二関節軸11a2の近傍に配置されていることが好ましい。
さらに、二つの被測定マーク12A、12Bのそれぞれの寸法は等しく、また、両被測定マーク12A、12Bの図柄も同じである。そして、カメラ13の画像内に被測定マーク12Aと被測定マーク12Bの両方の全体像が収まるように、カメラ13は設置されている。
また、第二実施形態のロボット制御部31は、二つの被測定マーク12A、12Bの相対的位置関係が二つのリンク11b1、11b2を連結する第二関節軸11a2のたわみによってのみ変化するように、ロボット11の姿勢を変更させる。そして、第二実施形態のたわみ量計算部32は、ロボット11の姿勢の変更前と変更後のそれぞれにおいてカメラ13により二つの被測定マーク12A、12Bの両方の位置を計測し、ロボット11の姿勢の変更前と変更後での二つの被測定マーク12A、12Bの相対的な移動量に基づいて、第二関節軸11a2の実たわみ量を算出する。さらに、第二実施形態のばね定数計算部33は、上記のロボット11の姿勢の変更前と変更後のそれぞれにおいて、第二関節軸11a2に作用するトルクを取得し、取得されたトルクの変化量を算出し、算出された実たわみ量、トルクの変化量、および空間上の被測定マーク12Aの位置に基づき、上記の第二関節軸11a2を回転ばねとみなしたときの当該第二関節軸11a2のばね定数を算出する。
以上の点を除いた構成は、上述した第一実施形態のたわみ計測システム10と同じである。また、ロボット11の三次元位置を定義するワールド座標系についても、図3に示されたワールド座標系と同じように定義されているものとする。また、カメラ13により撮像された画像や、当該画像に定義されるxy座標系についても、上述した第一実施形態のカメラ13の画像13a(図8参照)と同じものとする。
次に、第二実施形態のたわみ計測システム10の動作を説明する。
図10は、第二実施形態のたわみ計測システム10によってロボット11のたわみを計測するときの処理フローを示すフローチャートである。
ロボット11のたわみ計測を開始したとき、まず、図10のステップS21に示されるように、制御装置14は、ロボット11の計測姿勢の順番をカウントするカウンタ(図示せず)の値Nを1にセットする。さらに、制御装置14のロボット制御部31は、ロボット11の計測姿勢がN番目(すなわちN←1)の計測姿勢になるように、ロボット11を移動させる。(図10のステップS22)。
図11は図9に示されたロボットの1番目の計測姿勢を示した図であり、図12は図9に示されたロボットの2番目の計測姿勢を示した図である。
第二実施形態においては、図11に示されたロボット11の1番目の計測姿勢と、図12に示されたロボット11の2番目の計測姿勢とにおいて、ロボット11の第一関節軸11a1と第二関節軸11a2のそれぞれのモータ(図示せず)に与えられる回転指令角度の値は同じ値にしている。つまり、ロボット11の計測姿勢を図11に示された1番目の計測姿勢から図12に示された2番目の計測姿勢に変更させる際、第一関節軸11a1と第二関節軸11a2のそれぞれは軸回りに回転しないようにする。これによって、前述した被測定マーク12Aと被測定マーク12Bとの相対的な位置関係は、第二関節軸11a2の軸回りのたわみの影響のみによって変化することになる。
再び図10を参照すると、上述したステップS22の後、制御装置14は、ロボット11の姿勢が前述した1番目の計測姿勢であるときにカメラ13により2つの被測定マーク12A、12Bを同時に撮像する(図10のステップS23)。なお、第二実施形態の被測定マーク12A、12Bは同じ円形の図柄からなる。また、被測定マーク12Aの形状および寸法はそれぞれ被測定マーク12Bの形状および寸法と同じである。
さらに、制御装置14はカメラ13の撮像した画像に対して画像処理を実施することによって、画像上の被測定マーク12Aの位置pA Nと寸法dA N、および画像上の被測定マーク12Bの位置pB Nと寸法dB Nを取得する(図10のステップS24)。続いて、前述したNの値を一つ大きくする(図10のステップS25)。その後、制御装置14によりNの値が2より大きいか否かを判断し(図10のステップS26)、仮にNの値が2より大きくない場合は上述したステップS22〜ステップS25を繰返す。
以上の計測処理により、図11に示されたロボット11の1番目の計測姿勢のときのカメラ画像上の被測定マーク12Aの位置pA 1と寸法dA 1および被測定マーク12Bの位置pB 1と寸法dB 1が取得される。さらに、図12に示されたロボット11の2番目の計測姿勢のときのカメラ画像上の被測定マーク12Aの位置pA 2と寸法dA 2および被測定マーク12Bの位置pB 2と寸法dB 2が取得される。なお、上述したステップS26においてNの値が2より大きい場合は、制御装置14はカメラ13による二つの被測定マーク12A、12Bの計測を終了する。
続いて、制御装置14は、取得された被測定マーク12Aの位置pA 1と位置pA 2、および取得された被測定マーク12Bの位置pB 1と位置pB 2から、カメラ画像上の二つの被測定マーク12A、12B間の相対移動量p”を計算する(図10のステップS27)。
そして、ステップS27の後、制御装置14は、取得されたカメラ画像における二つの被測定マーク12A、12B間の相対移動量p”と寸法dA 1、dA 2、dB 1、dB 2から、ワールド座標系での二つの被測定マーク12A、12B間の相対的な実移動量Pを計算する(図10のステップS28)。
ここで、ステップS27およびステップS28について、より具体的に説明する。
前述したステップS27において被測定マーク12A、12B間の相対移動量p”を計算する。このとき、まず、制御装置14は、前述したカメラ画像上の被測定マーク12Aの位置pA 1と位置pA 2として、各計測姿勢でのカメラ画像上の被測定マーク12Aの中心の座標値をそれぞれ取得する。前述した被測定マーク12Bの位置pB 1と位置pB 2についても、制御装置14は、各計測姿勢でのカメラ画像上の被測定マーク12Bの中心の座標値をそれぞれ取得する。このとき、前述した1番目の計測姿勢でのカメラ画像上の被測定マーク12Aの中心の座標値は(xA 1,yA 1)として表され、前述した2番目の計測姿勢でのカメラ画像上の被測定マーク12Aの中心の座標値は(xA 2,yA 2)として表されるものとする。さらに、前述した1番目の計測姿勢での被測定マーク12Bの中心の座標値は(xB 1,yB 1)として表され、前述した2番目の被測定マーク12Bの中心の座標値は(xB 2,yB 2)として表されるものとする。
そして、制御装置14は、前述した2番目の計測姿勢でのカメラ画像上の座標値(xA 2,yA 2)から、前述した1番目の計測姿勢でのカメラ画像上の座標値(xA 1,yA 1)を減算することにより、カメラ画像上での被測定マーク12Aの移動量pAを算出する。
さらに、制御装置14は、前述した2番目の計測姿勢でのカメラ画像上の座標値(xB 2,yB 2)から、前述した1番目の計測姿勢でのカメラ画像上の座標値(xB 1,yB 1)を減算することにより、カメラ画像上での被測定マーク12Bの移動量pBを算出する。
そして、制御装置14は、算出された移動量pAの座標値から、算出された移動量pBを減算することにより、被測定マーク12A、12B間の相対移動量p”を算出している。この算出結果もまた、上述した第一実施形態と同様にカメラ画像の座標系を用いて、p”=(px,py)と表されるものとする。なお、pxはカメラ画像の座標系でのX方向における移動量であり、(xA 2−xA 1)から(xB 2−xB 1)を減算した値である。また、pyはカメラ画像の座標系でのY方向における移動量であり、(yA 2−yA 1)から(yB 2−yB 1)を減算した値である。以上により、カメラ画像上における二つの被測定マーク12A、12B間の相対移動量p”が取得される。
続いて、前述したステップS28、すなわち、二つの被測定マーク12A、12B間の相対的な実移動量Pを計算する処理を説明する。
被測定マーク12の実移動量Pは、ロボット11の三次元位置を定義するワールド座標系の座標値(Px,Py,Pz)を用いて表されるものとする。このワールド座標系の定義は、上述した第一実施形態と同じものとする(図3参照)。
本実施形態において、以下の式(6)を用いることにより、カメラ画像上における二つの被測定マーク12A、12B間の相対移動量p”を表す座標値(px,py)を、前述したワールド座標系の座標値(Px,Py,Pz)に変換することができる。
Figure 0006298026
上記の式(6)においては、(4D/(dA 1+dA 2+dB 1+dB 2))は、同一寸法からなる被測定マーク12A、12Bのワールド座標系での寸法Dと、カメラ画像上における寸法dA 1、dA 2、dB 1およびdB 2の平均値との間の倍率を表している。また第二実施形態において、寸法D、dA 1、dA 2、dB 1およびdB 2はそれぞれ被測定マークの直径(単位:mm)であるとする。寸法dA 1、dA 2、dB 1およびdB 2のそれぞれの値は、上述した図10のステップS22〜ステップS25により取得される。また、寸法Dの値は作業者により事前に測定されて制御装置14のメモリ17に記憶されているものとする。
また、上記の式(6)から分かるように、図8に示された画像13aの座標系の+Y軸と+X軸がそれぞれ図3に示されたワールド座標系の+X軸と−Z軸に対応すると仮定して、二つの被測定マーク12A、12B間の相対的な実移動量Pを算出する。そして、上記の式(6)によって算出されるPx,Py,Pzの値が、図11に示されるロボット11の計測姿勢から図12に示されるロボット11の計測姿勢に変更されたときの二つの被測定マーク12A、12B間の相対的な実移動量Pを表すものとなる。
但し、本実施形態においては、上述したように2次元のカメラ画像上における二つの被測定マーク12A、12B間の相対移動量p”をワールド座標系での座標値に変換するため、上記式(6)によって算出されるPyの値は0となる。したがって、実移動量Pの値を求める際には、上記の式(6)により算出されたPxの値とPzの値を用いて、実移動量Pを算出することができる。この計算式は、上述の第一実施形態に記載されている式(2)と同じである。そして、第二実施形態においては、算出された実移動量Pは、図12に示される第二関節軸11a2の軸回りのたわみ量に相当することになる。
以上のようにして、第二実施形態のたわみ計測システム10は、カメラ13により計測されたロボット11の上の二つの被測定マーク12A、12B間の相対位置の変化量に基づいて、ロボット11の第二関節軸11a2の軸回りのたわみ量を取得している。また、このたわみ量の計算は、制御装置14のCPU16内のたわみ量計算部32により行われる。
続いて、再び図10を参照すると、上述したステップS28の後、制御装置14は、前述した二つの被測定マーク12A、12B間の相対的な実移動量Pと、後述するトルクの変化量、およびワールド座標系での被測定マーク12Aの位置などを用いて、第二関節軸11a2のばね定数を決定する(図10のステップS29)。
ここで、上記ステップS29の内容(ばね定数の決定処理)を詳述する。
第二実施形態においては、前述したように第二関節軸11a2の軸回りのたわみ量を考慮してロボット11の先端のツールを位置決め制御するために、第二関節軸11a2を回転ばねとみなして、この回転ばねのばね定数を事前に決定しておく。回転ばねのばね定数が定まれば、当該回転ばねの回転軸回りに作用する負荷トルクの値を当該ばね定数の値で除算することにより、回転ばねとしての第二関節軸11a2の軸回りのたわみ量(たわみ角)を推定することができる。そして、前述したばね定数をより正確に定められれば、第二関節軸11a2の軸回りのたわみ量(たわみ角)もより正確に推定できるようになる。そして、前述したツールの位置決め制御を実施する際、正確に推定された第二関節軸11a2の軸回りのたわみ量に基づいてツールの目標位置を補正することにより、前述したロボットの先端のツールの位置決め精度を向上させることができる。
以上のことより、第二実施形態のたわみ計測システム10は、制御装置14内のばね定数算出部33により、第二関節軸11a2の軸回りのばね定数を決定する処理を行えるようにしている。
まず、第二関節軸11a2の軸回りに負荷トルクが作用する場合の、当該第二関節軸11a2の軸回りの回転移動量(回転角度)を推定する。この回転移動量は、次式(7)のように、第二関節軸11a2の軸回りに作用する負荷トルクの変化量を第二関節軸11a2の軸回りのばね定数で除算することにより求めることができる。
M=(T2−T1)/k2 ・・・(7)
上記の式(7)において、Mは、第二関節軸11a2の軸回りの回転移動量の推定値を表している。k2は、求めるべき第二関節軸11a2のばね定数である。
また、上記の式(7)中の(T2−T1)は、第二関節軸11a2の軸回りに作用する負荷トルクの変化量を表している。具体的には、(T2−T1)の値は、図12に示されたロボット11の計測姿勢のときに第二関節軸11a2の軸回りに作用する負荷トルクT2から、図11に示されたロボット11の計測姿勢のときに第二関節軸11a2の軸回りに作用する負荷トルクT1を減算した値とする。
さらに、上記の負荷トルクT1、T2の値は、制御装置14に事前に記憶されているものとする。例えば、図11に示されたロボット11の計測姿勢のときと図12に示されたロボット11の計測姿勢のときに、制御装置14は、第二関節軸11a2を回転駆動するモータを流れる電流値からトルク値をそれぞれ取得して制御装置14のメモリ17内に記憶させておく。なお、これまでの時点においては、第二関節軸11a2のばね定数k2の値は未だ定まらない。そのため、上記式(7)により推定される回転移動量Mは、未定のばね定数k2を含む変数である。
続いて、第二関節軸11a2の軸回りに負荷トルクが作用することにより第二関節軸11a2の軸回りに第二関節軸11a2がたわんだとした場合の、二つの被測定マーク12A、12B間の相対的な移動量P’を推定する。
この二つの被測定マーク12A、12B間の相対的な推定移動量P’については、前述した回転移動量M(回転角度)を中心角とする円弧の長さが推定移動量P’であると仮定して、下記式(8)より算出することができる。式(8)は、上述した第一実施形態の式(4)と同じである。
P’=r×M ・・・(8)
但し、上記式(8)において、rは、ワールド座標系での第二関節軸11a2の軸芯の位置から被測定マーク12Aの中心位置までの距離を表している。
上記の距離rの値については、作業者が、ワールド座標系での第二関節軸11a2の軸芯の位置から被測定マーク12Aの中心位置までの距離rを実際に計測して、制御装置14のメモリ17に予め記憶させている。また、距離rを実測する時のロボット11の姿勢は、前述したロボット11の1番目の計測姿勢であってもよいし、前述した2番目の計測姿勢であってもよい。
さらに、前述した推定移動量P’を算出する上記の式(8)については、上記式(7)を用いて、未定のばね定数k2を含む次式(9)に置換することができる。
P’=r×((T2−T1)/k2) ・・・(9)
なお、上記の式(9)において、ばね定数k2以外のrやT1、T2の値は上述したように既に取得されていて制御装置14のメモリ17内に記憶されている。
そして、第二実施形態においては、上記式(9)の右辺の計算式の結果が上記の式(6)および式(2)により計算された実移動量Pの値と等しくなるように、第二関節軸11a2のばね定数k2の値を決定する。つまり、前述した推定移動量P’と実移動量Pとの差がゼロになるように、前述のばね定数k2の値を決定している。このことにより、第二関節軸11a2のばね定数k2は、第二関節軸11a2の軸回りの実たわみ量に則した正確な値となる。
また、第二実施形態においては、上記式(7)を用いることにより、ワールド座標系での第二関節軸11a2の軸回りに負荷トルクが作用する場合の、当該軸回りの第二関節軸11a2の回転移動量、すなわちたわみ量を推定することができる。このとき、前述のように算出されたばね定数k2の値を上記式(7)に事前に定めておくことにより、たわみ量の推定値もまた、第二関節軸11a2の軸回りの実たわみ量に則した正確な値として得られる。これにより、前述したようにロボット11の先端のツールを位置決め制御するときに、そのようなたわみ量の推定値に基づいて、ツールの目標位置を正確に補正できるようになる。
なお、第二実施形態の制御装置14のCPU16は、上述したように第二関節軸11a2のばね定数k2を算出するばね定数算出部33を備えている。そして、CPU16は、当該ばね定数算出部33により算出した第二関節軸11a2のばね定数k2をメモリ17内に記憶させ、ロボット11の制御時にメモリ17から読出すものであることが好ましい。
また、上述した第二実施形態においては、ワールド座標系での第二関節軸11a2の軸回りのたわみ量を実際に測定し、この実たわみ量に基づいて、第二関節軸11a2のばね定数を決定している。しかし、本発明は、ワールド座標系での第二関節軸11a2の軸回りの実たわみ量とばね定数を求めるものに限定されない。つまり、本発明においては、第二実施形態のロボット11上の二つの被測定マーク12A、12Bの取付位置を別の関節軸、例えば第三関節軸11a3や第五関節軸11a5などの近傍に変更して、第三関節軸11a3や第五関節軸11a5などの実たわみ量とばね定数を求めるようにしてもよい。
さらに、上述した第二実施形態においては、二つの被測定マーク12A、12Bの相対的な実移動量を取得できればよいので、ロボット11の1回目の計測姿勢と2回目の計測姿勢においてカメラ13の位置が変わってしまってもたわみ量を計算することができる。したがって、上述した第二実施形態においては、カメラ13を固定せずに、作業者がカメラ13を持ってロボット11上の二つの被測定マーク12A、12Bを撮影してもよい。
また、第二実施形態の二つの被測定マーク12A、12Bは印刷した線の組合せからなるマークであるが、このようなマークに本発明は限定されない。また、本発明においては、各被測定マーク12A、12Bとして発光体が用いられていてもよい。各被測定マーク12A、12Bとして発光体を用いる場合は、位置計測器としてカメラ13の代わりに、PSD(Position sensitive detector)が用いられてもよい。つまり、上述した第一実施形態でのたわみ計測と同様に、ロボット11の姿勢を変更させたときのPSD上の発光体の移動量を取得し、当該移動量からロボット11の所定の機構部の実たわみ量を計測すればよい。
さらに、以上に説明したような第一実施形態および第二実施形態においては、上述したようにリンク11b1や第二関節軸11a2などの機構部の実たわみ量やばね定数を取得するのに、作業者は被測定マークとカメラなどの位置計測器とを設置するだけで済む。つまり、第一実施形態および第二実施形態によるたわみ計測システムによれば、作業者にとって比較的簡易な作業により、機構部の実たわみ量やばね定数を取得することができる。
さらに、上述した第一実施形態および第二実施形態においては、カメラやPSDなどの位置計測器により被測定マークの位置の変化を測定する際に、被測定マークと位置計測器の相対的位置関係が機構部のたわみによってのみ変化するようにロボット11の姿勢を変更させるようにしている。このことにより、当該機構部に発生している実たわみ量のみが正確に得られる。さらに、このように正確に得られた実たわみ量を機構部のばね定数の算出に利用しているため、当該ばね定数を精度よく定めることができる。
以上、多関節ロボットを例にして本発明を説明したが、本発明は、多関節ロボットのたわみを計測する場合に限定されず、複数の関節軸により連結されたリンク機構を備える機械全般のたわみ計測に適用できる。
また、以上では典型的な実施形態を用いて本発明を説明したが、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなしに、上述の各実施形態に変更および種々の他の変更、省略、追加を行うことができるのを理解できるであろう。また、上述の各実施形態を適宜組み合わせることは本発明の範囲に含まれる。
10 たわみ計測システム
11 ロボット
11a1 第一関節軸
11a2 第二関節軸
11a3 第三関節軸
11a4 第四関節軸
11a5 第五関節軸
11a6 第六関節軸
11b1、11b2 リンク
12、12−1、12−2、12A、12B 被測定マーク
13 カメラ
14 制御装置
15−1〜15−n モータ
16 CPU
17 メモリ
18−1〜18−n サーボ制御器
19−1〜19−n サーボアンプ
20 画像処理プロセッサ
21 カメラインタフェイス
22、23 ケーブル
24 バス
31 ロボット制御部
32 たわみ量計算部
33 ばね定数算出部

Claims (6)

  1. 多関節ロボット(11)の機構部のたわみを計測するたわみ計測システム(10)であって、
    前記多関節ロボット(11)の任意の機構部と前記多関節ロボット(11)から離れた位置のうちの一方に配置された被測定マーク(12)と、
    前記多関節ロボット(11)の任意の機構部と前記多関節ロボット(11)から離れた位置のうちの他方に配置されていて、前記被測定マーク(12)の位置を測定する位置計測器(13)と、
    前記多関節ロボット(11)と前記位置計測器(13)をそれぞれ制御する制御装置(14)とを備え、
    前記制御装置(14)は、
    前記被測定マーク(12)と前記位置計測器(13)の相対的位置関係が前記機構部のたわみによってのみ変化するように、前記多関節ロボット(11)の姿勢を変更させるロボット制御部(31)と、
    前記姿勢の変更前と変更後のそれぞれにおいて前記位置計測器(13)により前記被測定マーク(12)の位置を計測し、前記姿勢の変更前に計測された前記被測定マーク(12)の位置と前記姿勢の変更後に計測された前記被測定マーク(12)の位置との間の移動量に基づいて、前記機構部の実たわみ量を算出するたわみ量計算部(32)とを有する、たわみ計測システム。
  2. 多関節ロボット(11)の機構部のたわみを計測するたわみ計測システム(10)であって、
    それぞれ前記多関節ロボット(11)の異なる二つのリンクに配置された二つの被測定マーク(12A、12B)と、
    前記多関節ロボット(11)から離れた位置に前記二つの被測定マーク(12A、12B)の両方と相対して配置されていて、前記二つの被測定マーク(12A、12B)の両方の位置を測定する位置計測器(13)と、
    前記多関節ロボット(11)と前記位置計測器(13)をそれぞれ制御する制御装置(14)とを備え、
    前記制御装置(14)は、
    前記二つの被測定マーク(12A、12B)の相対的位置関係が前記二つのリンクを連結する関節軸のたわみによってのみ変化するように、前記多関節ロボット(11)の姿勢を変更させるロボット制御部(31)と、
    前記姿勢の変更前と変更後のそれぞれにおいて前記位置計測器(13)により前記二つの被測定マーク(12A、12B)の両方の位置を計測し、
    前記姿勢の変更前に計測された前記二つの被測定マーク(12A、12B)のうちの一方の被測定マーク(12A)の位置と前記姿勢の変更後に計測された当該一方の被測定マーク(12A)との間の移動量と、前記姿勢の変更前に計測された前記二つの被測定マーク(12A、12B)のうちの他方の被測定マーク(12B)の位置と前記姿勢の変更後に計測された当該他方の被測定マーク(12B)との間の移動量との差に基づいて、前記関節軸の実たわみ量を算出するたわみ量計算部(32)とを有する、たわみ計測システム。
  3. 前記制御装置(14)は、
    前記姿勢の変更前と変更後のそれぞれにおいて、前記機構部もしくは前記関節軸に作用するトルクを取得し、
    前記姿勢の変更前に取得されたトルクと前記姿勢の変更後に取得されたトルクとの間の変化量を算出し、
    算出された前記実たわみ量、前記トルクの変化量、および空間上の前記被測定マーク(12、12A、12B)の位置に基づき、前記機構部を回転ばねとみなしたときの当該機構部のばね定数を算出するばね定数算出部(33)をさらに有する、請求項1または請求項2に記載のたわみ計測システム。
  4. 前記被測定マーク(12、12A、12B)は発光体である、請求項1から3のいずれか一項に記載のたわみ計測システム。
  5. 前記位置計測器(13)はCCDカメラである、請求項1から4のいずれか一項に記載のたわみ計測システム。
  6. 前記位置計測器(13)はPSDである、請求項1から4のいずれか一項に記載のたわみ計測システム。
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