第1の発明は、衣類を収容し回転可能に設けられた回転ドラムと、前記回転ドラムを回転駆動させるモータと、熱源と送風手段と吹出口と吸込口とを有するとともに前記吹出口および前記吸込口を介して前記回転ドラムに温風を循環させる循環経路と、前記回転ドラムの外側に取り付けられ前記回転ドラムを回転させることで回転ドラム内の衣類が接触するように設けられた第1の電極および第2の電極2組の電極と、前記2組の電極それぞれの抵抗値を検知する抵抗検知手段と、前記吹出口近傍に配置された温風温度を検知する温度検知手段と、前記モータ、熱源、送風手段等を制御し、前記抵抗検知手段、温度検知手段からの検知結果から乾燥運転を制御する制御手段とを備え、前記第1の電極は、前記回転ドラムの回転方向に対して、前記回転ドラムの最下点から略90度より上方かつ略180度より下方の位置に設けられ、前記第2の電極は、前記回転ドラムの最下点近傍に設けられたものである。
これによって、2組の電極の設置位置を最適化し、回転ドラム内に投入された被乾燥物の電極への運転初期の接触頻度から、衣類量を正確に検知することができ、常に乾燥状態も検知することができるので、乾燥後に衣類量に応じた最適な遅延時間を設定でき、効率良く衣類の乾燥を行うことができ、衣類乾燥に対する省エネ性、正確性、信頼性を確実に向上させることができるものである。
第2の発明は、複数の乾燥運転コースを有し、乾燥運転コースの違いによっては、前記2組の電極を、乾燥状態検知電極と衣類量検知電極とに分けて用いたものである。
これによって、2組の電極の回転ドラム内での設置位置を最適化し、回転ドラム内に投入された被乾燥物の電極への運転初期の接触頻度から、衣類量を正確に検知することができ、乾燥コースの違いによって電極の機能を変えることができるので、衣類量に合ったアイロンコースの閾値を設けることによって、正確にアイロンコースを行うことができ、さらに乾燥後に衣類量に応じた最適な遅延時間を設定でき、ある温度以上にならないと乾燥検知を行わないので、効率良く衣類の乾燥を行うことができ、衣類乾燥に対する省エネ性、正確性、信頼性を確実に向上させることができるものである。
第3の発明は、複数の乾燥運転コースは、所定の乾燥率に到達したら乾燥を終了する標準コースと、所定の乾燥率に到達する前に乾燥を終了するアイロンコースとを有し、前記標準コースにおいては、第2の電極を乾燥状態検知電極とするとともに第1の電極を衣類量検知電極とし、前記アイロンコースにおいては、前記第1の電極を乾燥状態検知電極ならびに衣類量検知電極としたものである。
これによって、2組の電極の回転ドラム内での設置位置を最適化し、回転ドラム内に投入された被乾燥物の電極への運転初期の接触頻度から、衣類量を正確に検知することができ、アイロンコース時に衣類量検知電極を乾燥検知電極として共用し、衣類量にあった閾値を設定することによって、常に乾燥状態も検知することができるので、正確にアイロンコースを行うことができ、さらに乾燥後に衣類量に応じた最適な遅延時間を設定できるので、効率良く衣類の乾燥を行うことができ、衣類乾燥に対する省エネ性、正確性、信頼性を確実に向上させることができるものである。
第4の発明は、アイロンコースにおいて、制御手段は、乾燥運転初期の抵抗検知手段の検知結果から、回転ドラム内の衣類量を検知し、アイロンコースの乾燥終了判定の閾値を設定してから乾燥状態を検知し、遅延時間を設定するものである。
これによって、制御手段に抵抗検知手段の情報を取り込んで、これらの出力変動を認識し判定することによって、衣類量、アイロンコースの乾燥状態を正確に検知することができ、衣類量に応じて最適な遅延時間の設定を行い、効率良く衣類の乾燥を行うことができ、衣類乾燥に対する省エネ性、正確性、信頼性を確実に向上させることができるものである。
第5の発明は、制御手段は、乾燥中のある期間内における抵抗検知手段の検知結果の平均出力を算出し、次の期間の平均出力が所定範囲に収まるように閾値を設けるようにしたものである。
これによって、制御手段に各電極からの抵抗検知手段の情報を取り込んで、これらの出力変動を認識し判定することによって、衣類量、アイロンコースや標準コース時の乾燥状態を正確に検知することができ、衣類量に応じて最適なアイロンコースの閾値や乾燥後の遅延時間の設定を行い、効率良く衣類の乾燥を行うことができ、衣類乾燥に対する省エネ性、正確性、信頼性を確実に向上させることができるものである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態の衣類乾燥機において、本発明の動作について図面を参照しながら説明する。なお、本発明の実施の形態における衣類乾燥機の基本構成は従来と同じであり、図9を援用する。図1は、本発明の実施の形態1における衣類乾燥機を正面から見た概略模式図を示すものである。以下に本実施の形態における構成を説明する。
図1において、衣類乾燥機10は、被乾燥物を投入し乾燥時に回転する回転ドラム11と、回転ドラム11の回転方向に対して回転ドラム11の最下点から略90度より上方かつ略180度より下方の位置(すなわち上部)に設けられた第1の電極12と、回転ドラム11の最下点近傍の位置(すなわち下部)に設けられた第2の電極13とを有する。第1の電極12は衣類量検知電極として、第2の電極13は乾燥検知電極として示している。これらの電極12、13は棒状の金属から成っており、長さが2〜10cm程度のものがそれぞれ2本で構成されている。
今、ドラムの回転方向が正面向かって時計方向、すなわち右回りであるとすると、回転ドラムの断面における垂線に対してドラムの回転方向と逆方向に30度の位置になるように衣類量検知電極12が設置されている。この衣類量検知電極12は、乾燥機の電源が入り、ドラムが回転してから1分から5分程度の初期の間に、回転ドラム内に投入された衣類量を検知するものである。この位置に設置することによって、電極からの出力と衣類量とがほぼリニアな関係になっており、電極からの出力が大きいと衣類量が多く、出力が中くらいであると衣類量は中程度であると判定することができる。
これら電極12、13は、抵抗検知手段104に接続されており、これらの情報は制御手段105に入力されている。この抵抗検知手段104によって抵抗値が閾値以上であるかどうかを判定し、閾値以上である回数をカウントすることが可能である。例えば、1秒間に10回カウントできるとすると、閾値以上の値は10秒間で最大100回ということになる。この10秒間に得られる値の1分間の平均値をカウントすることによって衣類量を判定することができる。また、乾燥検知電極13および衣類量検知電極12を用いて、例えば閾値以上のカウントが0になった状態が3分継続したら乾燥終了を検知することができる。
乾燥のコースは一般的に標準コースと、アイロンコースとがある。この標準コースにおける乾燥終了時の衣類の含水率は0±3%と規定され、乾燥終了前のアイロンコースに関しては衣類の含水率は12±4%と規定されている。このコース選択は乾燥運転前に行われ、従来は回路の抵抗値を変更して、閾値を変えてアイロンコースを行っていた。
本発明では、アイロンコースが選択されて乾燥運転が開始された場合、衣類量検知電極12の機能に乾燥検知電極を付加し、衣類量を検知した後に乾燥も検知するようにしたものである。特にアイロンコースにおいては完全な乾燥状態ではないので、その検知を判定することは極めて困難であり、従来は乾燥終了検知とは別の抵抗を用いて閾値を変えて行っていた。
今回、上部の電極を用いて衣類量検知後に乾燥検知も行うようにすることによって、アイロンコースを容易に正確に検知することができるようになる。すなわち、上部の電極を用いて、乾燥初期に衣類量を検知し、その衣類量をアイロンコース時の閾値へフィードバックすることによって、乾燥機に投入した衣類量に応じたアイロンコースを行うことができる。
また、標準コースにおいては、下部の電極を乾燥検知電極、上部の電極を衣類量検知電極とすることによって、運転初期に衣類量を検知し、アイロンコースを正確に検知することができると、その後の遅延時間を衣類量に合わせて最適に設定することができる。通常、遅延時間は衣類量に関係なく5分間と設定されているが、衣類量を検知でき、その値を遅延時間にフィードバックさせると、1分から20分の自動設定が可能となり、衣類量が小さい時、例えば1kgの時は遅延時間を1分としたり、8kgの時は20分としたりする運転を行うことが可能となる。
次に、図1に示された衣類乾燥機において、本発明の動作について図面を参照しながら説明する。図2は同実施の形態に係る衣類乾燥機の処理手順を示すフローチャートを示すものである。以下に本実施の形態におけるフローを説明する。
まず、抵抗検知手段104及び温度検知手段70を持った衣類乾燥機10において、乾燥検知電極である電極13が回転ドラム11内におけるドア近傍の下部に設置されており、また衣類量検知電極である電極12が回転ドラムの垂線に対して左30度の位置に設置されており、ドラム内で衣類が接触した時の衣類の表面抵抗を検知するようになっている。また、温度検知手段70であるサーミスタはドラムの熱風吹出口近傍に設置されており、ドラムから出てくる熱風の温度を検知することができるようになっている。この電極は衣類の湿度が高いと抵抗が小さく、湿度が低くなると抵抗が高くなるものである。
まず、この衣類乾燥機10の回転ドラム11内に乾燥させたい非乾燥状態の衣類を投入する(ステップS0)。衣類乾燥機のドライレベルや様々の設定を行い、運転させたい乾燥コースの設定を行う(ステップS1)。乾燥コースとしては、各種衣類に対して、主に標準コースとアイロンコースとがある。このコースにおいて、アイロンコースが選択されると(ステップS2)、上部の電極を衣類量検知電極兼乾燥検知電極として用いるように設定される(ステップS3)。一方、標準コースが選択されると(ステップS4)、下部の電極を乾燥検知、上部の電極を衣類量検知電極として用いるように設定され(ステップS5)、乾燥運転がスタートする(ステップS6)。
アイロンコースの乾燥運転が開始されると、回転ドラムが回転を始め、ヒートポンプによって暖められた熱風がドラム内に導入され、この熱風が衣類を温めた後、ドラムから吹き出される。この吹き出される熱風の最初の5分程度の間の抵抗を衣類量検知電極12で計測する。この衣類量検知電極12の抵抗は、抵抗検知手段104によって抵抗値の逆数が閾値以上であるかどうかを判定し、閾値以上である回数をカウントすることが可能である。今、1秒間に10回カウントできるとすると、閾値以上の値は10秒間で最大100回ということになり、衣類乾燥機の最大容量8kgの場合はほぼ90回から100回程度となる。この10秒間の値の1分間の平均値をカウントすることによって衣類量を判定することができる。この平均出力は衣類量が多いと大きく、衣類量が少ないと小さくなる。この関係により、ドラムの上方にある電極を用いることによって抵抗を検知し、ある期間におけるこの閾値以上の数をカウントすることによって、ドラム内に投入した衣類量を判定することができる。
次に、乾燥検知電極と衣類量検知電極とを兼用した電極12を用いて、これらの電極の抵抗を計測する。これらの抵抗値の逆数が閾値以上であるかどうかを判定し、閾値以上である回数をカウントする。このカウント数がある一定期間衣類量に応じたある閾値以下であるかどうかをチェックする。例えば、衣類量が1kgと判定された時、このカウント数が2分間で10以下を継続するかどうかを判定し、継続すればアイロンコースしたと判断することができる。この乾燥初期に検知した衣類量をもとにアイロンコースと判定するための閾値を、衣類量の関数として設定することができる。通常、アイロンコースの閾値は回路上の抵抗を変えることによって、閾値を変えており、衣類量に関係なく設定されるため、衣類量が1kgと8kgとでは乾燥状態が異なり、最終含水率が規格値から大きくはずれることもある。従って、衣類量が正確に検知でき、その値をアイロンコースの閾値にフィードバックさせると、出力に対する閾値の自動設定が可能となり、衣類量が中くらいの時、例えば4kgの時はアイロンコースの閾値を20としてアイロンコースを行うことが可能となる。このように最適なアイロンコース時の閾値を用いることによってエネルギー消費の少ない最適な乾燥を終了させることができる。
また、標準コースにおいて、通常の最終の乾燥遅延時間は衣類量に関係なく5分間と設定されているが、衣類量が検知でき、その値を遅延時間にフィードバックさせると、1分から20分の自動設定が可能となり、衣類量が中くらいの時、例えば4kgの時は遅延時間を10分として運転することが可能となる。このように最適な遅延時間を用いることによってエネルギー消費の少ない最適な乾燥を終了させることができる。
例えば、コットン標準コースでタオルやシーツ等の衣類6kgを乾燥させると、最初の1分程度でドラム上部の電極への接触頻度から抵抗を計測し、この抵抗から閾値以上の回数をカウントすることによって衣類量を検知することができる。この後ドラム下部に設置された電極の抵抗から3分間で閾値以上であれば乾燥と判定し、これらより乾燥後の遅延時間を衣類量6kgに合わせた時間、約15分に自動設定することができる。
また、温度センサからの出力より温度が十分に上昇していない時は、乾燥の判定をまだ行わないようにする。例えば、乾燥機内に入る温風の温度が70℃以上になったら、乾燥の判定を行うようにすることができる。
このように、電極の回転ドラム内での設置位置を最適化し、回転ドラム内に投入された被乾燥物の電極への運転初期の接触頻度から、衣類量を正確に検知することができ、アイロンコース時に衣類量検知電極を乾燥検知電極として共用し、衣類量にあった閾値を設定することによって、常に乾燥状態も検知することができるので、正確にアイロンコースを行うことができ、さらに乾燥後に衣類量に応じた最適な遅延時間を設定できるので、効率良く衣類の乾燥を行うことができ、衣類乾燥に対する省エネ性、正確性、信頼性を確実に向上させることができる。
この乾燥工程初期における回転ドラム11上部に設置された1組の電極12から得られる出力と衣類量との関係を図3に示す。電極12は抵抗検知手段104に接続されており、さらに制御手段105に入力されて処理される。この抵抗検知手段104によって抵抗値の逆数が閾値以上であるかどうかを制御手段105で判定し、閾値以上である回数をカウントしている。例えば、1秒間に10回カウントできるとすると、閾値以上の値は10秒間で最大100回ということになり、衣類乾燥機の最大容量8kgの場合はほぼ90回から100回程度となる。図3の縦軸は10秒間でのカウント数の1分間の平均値を取っているので、最大値は100となる。この平均出力を検知することによって衣類量を判定することができる。すなわち、この平均出力は衣類量が多いと大きく、衣類量が少ないと小さくなる。この関係により、ドラムの上方にある電極を用いることによって抵抗を検知し、ある期間におけるこの閾値以上の数をカウントすることによって、ドラム内に投入した衣類量を判定することができる。今、平均出力の閾値をα、βの2つ設けると、衣類量を多、中、少の3段階のレベルの状態に分けることができる。これによって、アイロンコース時の閾値を衣類量のレベルに合わせて自動設定することができ、また、乾燥終了検知をした後の遅延時間も衣類量のレベルに合わせて自動設定することができ、省エネ性の高い衣類乾燥機を構成することができる。
まず、Startボタンが押下されると、設定ファイルやマトリックステーブル等の初期ファイルを読み込み、それから電極からの出力を取得する。この出力を用いて衣類量判定処理を行う。回転ドラムの上方に設置した1組の電極12において0.1sec毎に1データを取得し、10秒間に100データを連続取得する。このデータのうち閾値以上のデータをカウントする。10秒間のカウント数を検知するためには、運転初期の1分間を6分割しその中から平均出力を検知し、2つ以上設けた閾値より衣類量を以下のように判定する。
平均出力>α の場合「多」
α>平均出力>β の場合「中」
β>平均出力 の場合「少」
これを運転初期の5分間で繰り返し、各1分間で判定を行う。各1分間で同じ判定結果であればOKであるが、もし違う判定結果が出れば次の判定を同じように行い、さらに10分間、定期的に繰り返し、判定値を残時間にフィードバックする。さらに、アイロンコース時の閾値や乾燥が終了した後の遅延時間を判定値に合った値に自動設定することができる。
このように回転ドラム上部の電極より乾燥初期の接触抵抗の逆数が閾値より高いデータ数が多いと、投入した衣類量が多いと判定されるので、アイロンコース時の閾値を高くしたり、乾燥後の最終の遅延時間を設定値より長くすることができる。逆に、乾燥初期において電極からの接触抵抗の逆数が閾値より高いデータ数が少ないと、投入した衣類量が少ないと判定されるので、アイロンコース時の閾値を低くしたり、乾燥後の最終の遅延時間を設定値より短くすることができる。
図4は、ドラム内の前面の様々な位置に設置した電極から得られる出力と衣類量との関係を示した図である。ドラムの回転方向が時計回りとすると、電極が左側の下部にある場合、衣類は電極にあたりやすいので、センサの出力は出やすく、衣類が少量でもセンサ出力は高いことがわかる。次第に電極を左側の上部に設置していくと、衣類が次第に電極にあたりにくくなるので、衣類が少量の場合の出力が低下していき、あるところで衣類量とセンサ出力がほぼリニアな関係になる位置が存在する。それを超えて右側の領域になると、上部の電極には衣類があたりにくくなるので、少量の衣類の場合、センサ出力が低くなっていることがわかる。そして次第に電極を右側の下部に設置していくと、衣類が次第に電極にあたりやすくなるので、衣類が少量の場合の出力が上昇していき、あるところで衣類量とセンサ出力がほぼリニアな関係になる位置が存在する。
以上のように、電極の位置を最適にすることによって、電極からの出力をもとにドラムに投入された衣類量を判定することができ、アイロンコースの閾値や乾燥検知の遅延時間にフィードバックすることができる。
この乾燥工程全般における回転ドラム11上部に設置された1組の電極12または13から得られる出力と時間との関係を図5に示す。電極12、13は抵抗検知手段104に接続されており、さらに制御手段105に入力されて処理される。あとの処理は図3の場合と同様であり、例えばアイロンコースの場合、電極12を用いて乾燥検知を行うので、出力は下部の電極よりも早く低下し、アイロンコースを容易に検知することができる。今、衣類量が4kgと検知されたとすると、衣類量に合った閾値γが設定され、この閾値γより低い出力に2分以上なったらアイロンコースを検知したと判断できる。これによって、アイロンコース時の閾値を衣類量のレベルに合わせて自動設定することができ、省エネ性の高い衣類乾燥機を構成することができる。
このようにドラム内での電極の設置位置の最適化を行うことによって、衣類量検知および乾燥検知の検知精度の向上が可能である。また、設定する乾燥コースの違いによって乾燥検知として使用するセンサを変え、さらに検知した衣類量に適したアイロンコースの閾値や乾燥終了時の遅延時間を用いることによって、最適なアイロンコースを行うことができ、効率的に低コストで乾燥終了検知を行うことができる。
すなわち、非乾燥状態の衣類を回転ドラム槽内に入れ、設定された乾燥コースによって使用する電極の機能を変更し、乾燥運転が開始されたら、衣類量検知電極を用いて初期の抵抗値を検知し、この抵抗値の逆数のデータ数が少ないか多いかでドラム内に投入された衣類量を判定することができる。また、アイロンコースにおいて、この衣類量に応じて閾値を設定することによって、アイロンコースを正確に検知することができる。さらに、乾燥検知電極からのこれらのデータ数が全くなくなったりすることによって、乾燥がほぼ終了したと判定できる。これより、この衣類量に応じて乾燥後の遅延時間を設定することができる。
このように制御手段105に抵抗検知手段104の情報を取り込んで、これらの出力変動を認識し判定することによって、衣類量、乾燥状態を正確に検知することができ、アイロンコースにおける閾値を衣類量に応じて最適な値に自動設定することができ、また乾燥終了後に衣類量に応じて最適な遅延時間の自動設定を行うことができるので、効率良く衣類の乾燥を行うことができ、衣類乾燥に対する省エネ性、正確性、信頼性を確実に向上させることができる。
特に、衣類乾燥機においては、衣類に熱を加えて乾燥させるためエネルギー消費量が大変大きく、このエネルギー消費をできるだけ少なくする必要がある。また、温度が高いので、時間が長いと衣類を傷めてしまう恐れがあるので、乾燥時間もできるだけ短い方がいい。従って、衣類量を検知することによって、アイロンコースの時間を最適にしたり、乾燥後の遅延時間を最適にすることは、乾燥に対して非常に効率良く、省エネ性、信頼性の優れた衣類の乾燥を行うことができる。
これによって、本実施の形態によると、2組の電極の回転ドラム内での設置位置を最適化し、回転ドラム内に投入された被乾燥物の電極への運転初期の接触頻度から、衣類量を正確に検知することができ、アイロンコース時に衣類量検知電極を乾燥検知電極として共用し、衣類量にあった閾値を設定することによって、常に乾燥状態も検知することができるので、正確にアイロンコースを行うことができ、さらに乾燥後に衣類量に応じた最適な遅延時間を設定できるので、効率良く衣類の乾燥を行うことができ、衣類乾燥に対する省エネ性、正確性、信頼性を確実に向上させることができるものである。本発明は、業務用の衣類乾燥機でもよく、また乾燥手段のある洗濯乾燥機にも適用できる。
(実施の形態2)
次に、図1に示された衣類乾燥機において、本発明の動作について図面を参照しながら説明する。図6は本発明の実施の形態2における衣類乾燥機の処理手順を示すフローチャートを示すものである。以下に本実施の形態におけるフローを説明する。
まず、抵抗検知手段104及び温度検知手段70を持った衣類乾燥機10において、乾燥検知電極である電極13が回転ドラム11内におけるドア近傍の下部に設置されており、また衣類量検知電極である電極12が回転ドラムの垂線に対して左30度近傍の位置に設置されており、ドラム内で衣類が接触した時の衣類の表面抵抗を検知するようになっている。また、温度検知手段70であるサーミスタはドラムの熱風吹出口近傍に設置されており、ドラムから出てくる熱風の温度を検知することができるようになっている。この電極は衣類の湿度が高いと抵抗が小さく、湿度が低くなると抵抗が高くなるものである。
まず、この衣類乾燥機10の回転ドラム11内に乾燥させたい非乾燥状態の衣類を投入する(ステップS0)。衣類乾燥機のドライレベルや様々の設定を行い、乾燥コースの設定をアイロンコースにする(ステップS1)。アイロンコースとは完全な乾燥の手前の状態であり、衣類の含水率としては12%程度と規定されており、この衣類は乾燥機から取り出した後、アイロンをかけるとしわの無いきれいな仕上げとなるものである。乾燥コースがアイロンコースに設定されると、上部の電極を衣類量検知電極兼乾燥検知電極として機能が設定される(ステップS22)。運転ボタン押下により乾燥運転を開始する(ステップS23)。乾燥運転がスタートすると、回転ドラムが回転を始め、ヒートポンプによって暖められた熱風がドラム内に導入され、この熱風が衣類を温めた後、ドラムから吹き出される。この吹き出される熱風の最初の5分程度の間の抵抗を衣類量検知電極12で計測する(ステップS24)。この衣類量検知電極12の抵抗は、抵抗検知手段104によって抵抗値の逆数が閾値以上であるかどうかを判定し、閾値以上である回数をカウントすることが可能である。今、1秒間に10回カウントできるとすると、閾値以上の値は10秒間で最大100回ということになり、衣類乾燥機の最大容量8kgの場合はほぼ90回から100回程度となる。この値を1分間で平均化し、この出力と衣類量との相関関係より衣類量を判定することができる(ステップS25)。この平均出力は衣類量が多いと大きく、衣類量が少ないと小さくなる。この関係により、ドラムの上方の電極を用いることによって抵抗を検知し、ある期間におけるこの閾値以上の数を定期的に10分間カウントすることによって、ドラム内に投入した衣類量を判定することができる。次に、この衣類量に応じてアイロンコース時の閾値を設定する(ステップS26)。次に、この乾燥機内に入る温風の温度がある温度、例えば70℃以上になったら(ステップS27)、この乾燥検知電極を用いて、この電極の抵抗を計測する。これらの抵抗値の逆数が閾値以上であるかどうかを判定し、閾値以上である回数をカウントする。このカウント数がある一定期間閾値以下であるかどうかをチェックする(ステップS28)。例えば、このカウント数が2分間で10以下を継続するかどうかを判定し、継続すればアイロンコース状態になったと判断することができる(ステップS29)。この乾燥初期に検知した衣類量をもとにアイロンコースと判定した後の遅延時間を、衣類量の関数として設定することができる(ステップS30)。通常、遅延時間は衣類量に関係なく3分間と設定されているが、衣類量が検知でき、その値を遅延時間にフィードバックさせると、1分から3分の自動設定が可能となり、衣類量が中くらいの時、例えば4kgの時は遅延時間を2分として運転することが可能となる。このように最適な遅延時間を用いることによってエネルギー消費の少ない最適なアイロンコースを終了させることができる(ステップS31)。
例えば、コットンアイロンコースでタオルやシーツ等の衣類5kgを乾燥させると、最初の1分程度でドラム上部の電極への接触頻度から抵抗を計測し、この抵抗から閾値以上の回数をカウントすることによって衣類量を検知することができる。次に、この衣類量に応じたアイロンコースの閾値を設定することができ、ドラム上部に設置された電極の抵抗から2分間この閾値以下であればアイロンコースと判定し、これらより乾燥後の遅延時間を衣類量5kgに合わせた時間、約2分に自動設定することができる。
このように、複数の電極の回転ドラム内での設置位置を最適化し、回転ドラム内に投入された被乾燥物の電極への運転初期の接触頻度から、衣類量を正確に検知することができ、またアイロンコースにおいて容量検知電極を乾燥検知電極として共用し、アイロンコースの閾値を衣類量に応じて可変とすることによって、アイロンコース状態を容易に正確に検知することができ、乾燥後に衣類量に応じた最適な遅延時間を設定できるので、効率良く衣類の乾燥を行うことができ、衣類量の検知精度を向上させることができるので、衣類乾燥機の運転制御において衣類量に応じた最適なアイロンコースの閾値や遅延時間を設定することができ、衣類乾燥に対する省エネ性、正確性、信頼性を確実に向上させる。
また、温度センサからの出力より温度が十分に上昇していない時は、乾燥の判定をまだ行わないようにする。例えば、乾燥機内に入る温風の温度が70℃以上になってから、20分以上経過してから乾燥の判定を行うようにすることができる。
このように運転開始時にドラム上部の衣類量検知電極を用いることによって、効率的に低コストで衣類量の検知精度を向上させることができ、さらに乾燥運転継続中に衣類量検知電極を乾燥検知電極として使用し、衣類量に応じてアイロンコースの閾値を可変とすることによって、アイロンコースの検知精度も効率的に向上させることができる。特に、回転ドラム上部の電極を用いてアイロンコースを検知すると、下部の電極の出力より早く低下するので、容易に正確にアイロンコースを検知することができる。また、この衣類量に応じて遅延時間も設定することができるので、効率的なアイロンコースを行うことができる。
すなわち、非乾燥状態の衣類を回転ドラム槽内に入れ、乾燥運転が開始されたら、初期の抵抗値を検知し、この抵抗値の逆数のデータ数が少ないか多いか、またそれらデータの絶対値でドラム内に投入された衣類量を判定することができる。また、電極からのこれらのデータ数が衣類量に応じたある閾値以下になったりすることによって、アイロンコースに到達したと判定でき、この衣類量に応じて乾燥後の遅延時間も設定することができる。
このように制御手段105に各電極からの抵抗検知手段104の情報を取り込んで、これらの出力変動を認識し判定することによって、衣類量、その時の乾燥状態を正確に検知することができ、衣類量に応じて最適なアイロンコースの閾値や遅延時間の設定を行い、効率良く衣類の乾燥を行うことができ、衣類乾燥に対する省エネ性、正確性、信頼性を確実に向上させることができる。
(実施の形態3)
次に、図1に示された衣類乾燥機において、本発明の動作について図面を参照しながら説明する。図7は本発明の実施の形態3における衣類乾燥機の処理手順を示すフローチャートを示すものである。以下に本実施の形態におけるフローを説明する。
まず、抵抗検知手段104及び温度検知手段70を持った衣類乾燥機10において、乾燥検知電極である電極13が回転ドラム11内におけるドア近傍の下部に設置されており、また衣類量検知電極である電極12が回転ドラムの垂線に対して左30度近傍の位置に設置されており、ドラム内で衣類が接触した時の衣類の表面抵抗を検知するようになっている。また、温度検知手段70であるサーミスタはドラムの熱風吹出口近傍に設置されており、ドラムから出てくる熱風の温度を検知することができるようになっている。この電極は衣類の湿度が高いと抵抗が小さく、湿度が低くなると抵抗が高くなるものである。
まず、この衣類乾燥機10の回転ドラム11内に乾燥させたい非乾燥状態の衣類を投入する(ステップS0)。衣類乾燥機のドライレベルや様々の設定を行い、乾燥コースの設定をコットンの標準コースにする(ステップS1)。標準コースとは完全な乾燥の状態であり、衣類の含水率としては0%程度と規定されており、この衣類は乾燥機から取り出した後、きれいな仕上げとなっているものである。乾燥コースが標準コースに設定されると、下部の電極を乾燥検知電極とし、上部の電極を衣類量検知電極兼乾燥検知電極として機能が設定される(ステップS32)。運転ボタン押下により乾燥運転を開始する(ステップS33)。乾燥運転がスタートすると、回転ドラムが回転を始め、ヒートポンプによって暖められた熱風がドラム内に導入され、この熱風が衣類を温めた後、ドラムから吹き出される。この吹き出される熱風の最初の3分程度の間の抵抗を上部の衣類量検知電極12で計測する(ステップS34)。この衣類量検知電極12の抵抗は、抵抗検知手段104によって抵抗値の逆数が閾値以上であるかどうかを判定し、閾値以上である回数をカウントすることが可能である。今、1秒間に10回カウントできるとすると、閾値以上の値は10秒間で最大100回ということになり、衣類量4kgの場合はほぼ60回から70回程度となる。この値を1分間で平均化し、この出力と衣類量との相関関係より衣類量を判定することができる(ステップS35)。この平均出力は衣類量が多いと大きく、衣類量が少ないと小さくなる。この関係により、ドラムの上方の電極を用いることによって抵抗を検知し、ある期間におけるこの閾値以上の数を定期的に15分間カウントすることによって、ドラム内に投入した衣類量を判定することができる。次に、この衣類量に応じてアイロンコース時の閾値を設定する(ステップS36)。この乾燥検知電極を用いて、この電極の抵抗を計測する。これらの抵抗値の逆数が閾値以上であるかどうかを判定し、閾値以上である回数をカウントする。このカウント数がある一定期間閾値以下であるかどうかをチェックする(ステップS37)。例えば、このカウント数が2分間で10以下を継続するかどうかを判定し、継続すればアイロンコース状態になったと判断することができる(ステップS28)。次に、下部の乾燥検知電極13を用いて、この電極の抵抗を計測する。これらの抵抗値の逆数が閾値以上であるかどうかを判定し、閾値以上である回数をカウントする。このカウント数がある一定期間閾値以下であるかどうかをチェックする(ステップS38)。例えば、このカウント数が5分間で5以下を継続するかどうかを判定し、継続すれば標準コース状態になったと判断することができる(ステップS39)。この乾燥初期に検知した衣類量をもとに標準コースと判定した後の遅延時間を、衣類量の関数として設定することができる(ステップS29)。通常、遅延時間は衣類量に関係なく10分間と設定されているが、衣類量が検知でき、その値を遅延時間にフィードバックさせると、1分から20分の自動設定が可能となり、衣類量が中くらいの時、例えば8kgの時は遅延時間を20分として運転することが可能となる。このように最適な遅延時間を用いることによってエネルギー消費の少ない最適な標準コースを終了させることができる(ステップS30)。
例えば、コットン標準コースでタオルやシーツ等の衣類8kgを乾燥させると、最初の1分程度でドラム上部の電極への接触頻度から抵抗を計測し、この抵抗から閾値以上の回数をカウントすることによって衣類量を検知することができる。次に、この衣類量に応じたアイロンコースの閾値を設定することができ、ドラム上部に設置された電極の抵抗から2分間この閾値以下であればアイロンコースと判定することができる。さらに、ドラム下部に設置された電極の抵抗から5分間で閾値以下であれば標準コースと判定することができ、これらより乾燥終了後の遅延時間を衣類量8kgに合わせた時間、約20分に自動設定することができる。
このように、複数の電極の回転ドラム内での設置位置を最適化し、回転ドラム内に投入された被乾燥物の電極への運転初期の接触頻度から、衣類量を正確に検知することができ、またアイロンコースにおいて衣類量検知電極を乾燥検知電極として共用し、アイロンコースの閾値を衣類量に応じて可変とすることによって、アイロンコース状態を容易に正確に検知することができ、さらに標準コース後に衣類量に応じた最適な遅延時間を設定できるので、効率良く衣類の乾燥を行うことができ、衣類量の検知精度を向上させることができるので、衣類乾燥機の運転制御において衣類量に応じた最適なアイロンコースの閾値や遅延時間を設定することができ、衣類乾燥に対する省エネ性、正確性、信頼性を確実に向上させる。
また、温度センサからの出力より温度が十分に上昇していない時は、乾燥の判定をまだ行わないようにする。例えば、乾燥機内に入る温風の温度が70℃以上になってかつ、初期の残時間の2/3が経過してから乾燥の判定を行うようにすることができる。こうすることによって、センサ出力のばらつきの大きな時は乾燥判定しないようにすることができ、乾燥の検知精度を向上させることができる。
このように運転開始時にドラム上部の衣類量検知電極を用いることによって、効率的に低コストで衣類量の検知精度を向上させることができ、さらに乾燥運転継続中に衣類量検知電極を乾燥検知電極として使用し、衣類量に応じてアイロンコースの閾値を可変とすることによって、アイロンコースの検知精度も効率的に向上させることができる。特に、回転ドラム上部の電極を用いてアイロンコースを検知すると、下部の電極の出力より早く低下するので、容易に正確にアイロンコースを検知することができる。さらに、この衣類量に応じて標準コース後の遅延時間も設定することができるので、効率的な乾燥を行うことができる。
すなわち、非乾燥状態の衣類を回転ドラム槽内に入れ、乾燥運転が開始されたら、初期の抵抗値を検知し、この抵抗値の逆数のデータ数が少ないか多いか、またそれらデータの絶対値でドラム内に投入された衣類量を判定することができる。また、電極からのこれらのデータ数が衣類量に応じたある閾値以下になったりすることによって、アイロンコースに到達したと判定でき、この衣類量に応じて最終乾燥後の遅延時間も設定することができる。
以上のように、制御手段105に各電極からの抵抗検知手段104の情報を取り込んで、これらの出力変動を認識し判定することによって、衣類量、その時の乾燥状態を正確に検知することができ、衣類量に応じて最適なアイロンコースの閾値や遅延時間の設定を行い、効率良く衣類の乾燥を行うことができ、衣類乾燥に対する省エネ性、正確性、信頼性を確実に向上させることができる。
(実施の形態4)
次に、図1に示された衣類乾燥機において、本発明の動作について図面を参照しながら説明する。図8は本発明の実施の形態4における衣類乾燥機の処理手順を示すフローチャートを示すものである。以下に本実施の形態におけるフローを説明する。
まず、この衣類乾燥機10の回転ドラム11内に乾燥させたい非乾燥状態の衣類を投入する。衣類乾燥機のドライレベルや様々の設定を行い、乾燥コースの設定をコットンの標準コースにし、運転ボタン押下により乾燥運転を開始する(ステップS41)。乾燥運転がスタートすると、回転ドラムが回転を始め、ヒートポンプによって暖められた熱風がドラム内に導入され、この熱風が衣類を温めた後、ドラムから吹き出される。この吹き出される熱風にさらされた衣類が電極に接触する中、導通状態を上部の衣類量検知電極12で計測する。この衣類量検知電極12の抵抗は、抵抗検知手段104によって抵抗値の逆数が閾値以上であるかどうかを判定し、閾値以上である回数をカウントすることが可能である。今、1秒間に10回カウントできるとすると、閾値以上の値は10秒間で最大100回ということになり、最大衣類量8kgの場合はほぼ90回から100回程度となる。この値を10秒間で平均化して、平均出力V1を取得する(ステップS42)。次に、同じように次の10秒間の平均出力V2を取得する(ステップS43)。今、V2−V1がある閾値A以上であれば(ステップS44)、V2−V1の値を閾値Aより小さいBの値に置き換える(ステップS45)。すなわち、V2の値がV1+Aより大きな値の時、V1+Bという小さな値に置き換える。次に、V2−V1がある閾値A以上でなく、V1−V2がある閾値C以上である時(ステップS46)、V1−V2の値を閾値Cの値に置き換える(ステップS47)。すなわち、V2の値がV1−Cより小さな値の時、V1−Cという値に置き換える。このようにして、各時間において電極からの出力をもとに平均出力を取得していく(ステップS48)。
この平均出力は衣類量が多いと大きく、衣類量が少ないと小さくなる。この関係により、ドラムの上方の電極を用いることによって抵抗を検知し、ある期間におけるこの閾値以上の数を定期的に1分間カウントすることによって、ドラム内に投入した衣類量を判定することができる。
特に、出力が大きくなった時は、ある閾値以上にならないように制限をかけ、また出力が小さくなった時は、減少量を最大半減までに抑制することによって、センサ出力のバラツキを抑制しようとするものである。
例えば、コットン標準コースでタオルやシーツ等の衣類8kgを乾燥させると、最初の10秒間で出力90が得られ、次に10秒ごとに95、100、85、90、100の出力が得られたとすると、それらの平均出力560/6=93を得ることができる。次に、同じように10秒ごとの出力が99と得られたとすると、今閾値Aが10であるとする、閾値A以上には大きくなっていないので、そのまま99の数値を出力として用いる。次に、同じように10秒ごとの出力が30と得られたとすると、今閾値Cが20であるとすると、閾値C以上に小さくなっているので、出力は30の数値を73に置き換えることとなる。
以上のように、電極から得られる情報の各時間の平均出力を取得し、次の時間の平均出力がある値以上に上昇しないように制限を加え、かつこの平均出力がある値以上に下降しないように制限を加えることによって、これら電極の出力変動を少なくすることができ、正確に衣類量や乾燥終了検知を認識し判定することができ、衣類量に応じて最適なアイロンコース時の閾値や乾燥終了後の遅延時間の設定を行い、効率良く衣類の乾燥を行うことができ、衣類乾燥に対する省エネ性、正確性、信頼性を確実に向上させることができる。
また、これらの衣類乾燥機の制御手段105で上記運転方法を行うためには、CPUコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な独自のプログラムが必要である。本実施の形態で説明した手段は、CPU(またはマイコン)、RAM、ROM、記憶・記録装置、I/Oなどを備えた電気・情報機器、コンピュータ、サーバ等のハードリソースを協働させるプログラムの形態で実施してもよい。プログラムの形態であれば、磁気メディアや光メディアなどの記録媒体に記録したりインターネットなどの通信回線を用いて配信することで新しい機能の配布・更新やそのインストール作業が簡単にできる。