JP2013127575A - カートリッジ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】軸受部材20に導電樹脂を射出成形することによって形成された、カートリッジが装置本体に装着された際に装置本体と現像ローラとの導電経路となる接点部であって、貫通孔20cを貫通する貫通部19fと、貫通部19fの軸線方向の一端側に設けられた、現像ローラを回転可能に支持する芯がね支持部19bと、貫通部19fの軸線方向の他端側に設けられた、前記軸線方向と交差する方向に延びた接触面19aとを有し、芯がね支持部19bと接触面19aで前記軸線方向において軸受部材20を挟み込むように構成された接点部19を備え、芯がね支持部19bと接触面19aの少なくとも一方は、前記軸線方向と直交する面に対して傾斜したテーパ部(20h,20i)を有する
【選択図】図1
Description
このようなカートリッジ方式では、カートリッジを画像形成装置本体に装着した状態で画像形成装置本体の本体電極とカートリッジの電気接点部が接触し、感光体ドラムやプロセス手段等の被給電部材が画像形成装置本体と電気的に接続される。これにより、感光体ドラムや現像剤担持体の帯電等のプロセス工程、感光体ドラムのアース接続、及び静電容量測定を用いたトナー残量検知等が可能となる。
なお、関連する従来例が開示された文献としては、特許文献1がある。
しかし、このような場合には、プロセス手段の支持部材と導電性の樹脂は相溶性が無いため密着性が低く、プロセス手段の支持部材基準から導電性の樹脂で成形される電気接点部において、製品機能上必要な位置精度を出すのが難しくなることが懸念される。このため、2材質間に隙間やガタが発生してしまうことが懸念される。
導電性の樹脂で成形される電気接点部は特に精度が必要とされ、この精度を満足しない場合はカートリッジの機能に影響を及ぼす可能性が出てくる。
また、物流時にプロセスカートリッジに衝撃が加わった際には、電気接点部の脱落や、支持部材に対する電気接点部の浮きが発生してしまうことが懸念される。
本発明は上記した事情を鑑みてなされたものであり、軸受枠体に対する電極部材の位置精度をより高めるとともに、物流時の電極部材の脱落や軸受枠体に対する浮きを防止することを目的とする。
画像形成装置の装置本体に着脱可能なカートリッジであって、
被給電部材と、
樹脂で成形された、貫通孔が設けられた枠体と、
前記枠体に導電樹脂を射出成形することによって形成された、前記カートリッジが前記装置本体に装着された際に前記装置本体と前記被給電部材との導電経路となる電極部材であって、前記貫通孔を貫通する貫通部と、前記貫通部の軸線方向の一端側に設けられた、前記被給電部材を回転可能に支持する支持部と、前記貫通部の軸線方向の他端側に設けられた、前記軸線方向と交差する方向に延びた係合部とを有し、前記支持部と前記係合部で
前記軸線方向において前記枠体を挟み込むように構成された電極部材と、
を備え、
前記支持部と前記係合部の少なくともいずれか一方は、前記軸線方向と直交する面に対して傾斜したテーパ部を有することを特徴とする。
本発明は、電子写真画像形成装置本体に着脱可能なカートリッジに関する。ここで、電子写真画像形成装置とは、電子写真方式の画像形成プロセスを用いて、記録材に画像を形成するものである。そして、電子写真画像形成装置の例としては、電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えばレーザビームプリンタ、LEDプリンタ等)、ファクシミリ装置、及びワードプロセッサ等が含まれる。
また、カートリッジとは、電子写真感光体ドラム(電子写真感光体)を支持するドラムカートリッジ、現像手段を支持する現像カートリッジ、及び電子写真感光体ドラムとプロセス手段を一体的にカートリッジ化したプロセスカートリッジ等を総称したものである。プロセス手段は、電子写真感光体ドラムに作用するものである。その例としては、電子写真感光体ドラムに作用する帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段等の他、現像剤担持体(現像ローラ)にトナーを塗布するトナー供給ローラや、トナーの残量検知手段等も含む。
以下、本実施例に係る電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置)について説明する。以下の説明では、画像形成装置の構成部材のうち、特に、プロセスカートリッジ、現像
カートリッジ及び電気接点部(以下、接点部とする)の構成及び、成形方法について詳しく説明する。
図2を用いて、本実施例に係る画像形成装置Aについて説明する。図2(a)は、プロセスカートリッジBを装着した画像形成装置(レーザビームプリンタ)Aの概略構成を示す断面図である。
次に、図2(a),(b)を用いて、プロセスカートリッジBについて説明する。図2(b)は、本実施例のプロセスカートリッジBの概略構成を説明するための断面図である。
現像カートリッジCは、トナー(不図示)、現像ローラ12及びトナー供給ローラ16などで構成される現像手段と、トナーを収容し前記現像手段を支持する現像カートリッジ枠体8とを有する。
また、ドラムカートリッジDは、感光体ドラム7やクリーニングブレード14等の構成部材と、これら構成部材を支持するドラムカートリッジ枠体13とから構成されている。
そして、現像ローラ12の表面に形成されたトナーが、感光体ドラム7上に形成された潜像に対応して感光体ドラム7へと転移されることによって感光体ドラム7上にトナー像が形成される。
その後、感光体ドラム7の表面が帯電手段(プロセス手段)としての帯電ローラ18によって一様に帯電され、光学系1による潜像形成が可能な状態となる。
図2(b),3,4を用いて、現像カートリッジの概略構成について説明する。
図3(a)は、プロセスカートリッジBが装置本体100に装着された状態における現像カートリッジCの概略構成を示す斜視図であり、図3(b)は、図3(a)の部分断面図である。図4(a)は、現像カートリッジCの軸受周辺の概略構成を示す側面図、図4
(b)は、図4(a)に示すX−X断面で切断した軸受周辺の部分断面を示す斜視図である。
現像ローラ12を回転可能に支持する軸受Fは、後述するように樹脂で成形された軸受枠体としての軸受部材20と、電極部材としての接点部19とから構成されている。また、軸受Fは、現像カートリッジ枠体8の長手方向両端にそれぞれ取り付けられている。図3(a)においては、現像カートリッジ枠体8の長手方向両端に取り付けられた軸受Fのうち、左側の軸受部材を20L、右側の軸受部材を20Rで示している。
また、現像ブレード11は、現像ローラ12上のトナー層を規制するためのものである。
現像カートリッジCは、加圧バネ39によりドラムカートリッジDに付勢されているため、現像ローラ12が感光体ドラム7に当接した状態となっている。
図3,4,16を用いて、現像ローラ12とトナー供給ローラ16の給電方法について説明する。本実施例では、現像ローラ12への電圧印加構成とトナー供給ローラ16への電圧印加構成は同じであるため、現像ローラ12への電圧印加構成を例に挙げて説明を行う。
ここで、現像ローラ12は、回転可能に設けられ、装置本体100に設けられた電気接点としての本体電極21に電気的に接続される被給電部材に相当する。また後述するが、接点部19は、軸受部材20を型27,28で挟み込んだ際にできる隙間に導電性の樹脂(導電樹脂)34を注入することで形成される(図15参照)。このように、接点部19は、軸受部材20に当接した型と軸受部材20との間の空間に、導電性の樹脂が射出成形され、装置本体100の本体電極21と現像ローラ12とを電気的に接続するものである。なお、接点部19と同様にして、装置本体100の本体電極21とトナー供給ローラ16とを電気的に接続する導電経路としてのトナー供給ローラ電極17が形成される。
図16に示すように、接点部19は軸受部材20に一体に成形されている(具体的な成形方法については後述の(8)で説明する)。これにより、軸受Fが構成されている。
接点部19は、後述する貫通孔20cを貫通する貫通部19fと、貫通孔20cの軸線方向において貫通部19fの一端側に設けられた第一接点部19bと、他端側に設けられた第二接点部19aを有している。以下、第一接点部を支持部としての芯がね支持部19b、第二接点部を係合部としての接触面19aとする。接触面19aは軸受部材20の片面側(一方の面側、一方側)に露出している。
そして図3のようにプロセスカートリッジBが装置本体100に装着されると、装置本体100の本体電気接点としての本体電極21と、軸受Fのうち軸受部材20に一体に成形された導電樹脂34(図15参照)からなる接点部19の接触面19aとが接触する。
部材20の片面に露出している。
芯がね支持部19bは、現像ローラ12の芯がね端部12bを回転可能に支持しており、芯がね端部12bの周面及び端面12cと接触している。
ここで、本実施例では本体電極21と接点部19が直接接続されているが、本体電極21と接点部19の間に別の導電性の部材を介して間接的に電気的に接続されるものであってもよい。
図14は、現像ローラ12の端部及び接点部19周辺の概略構成を示す断面図であり、(a)は現像ローラ12と軸受Fの組み付け前の状態を示し、(b)は組み付けが完了した状態を示している。
このとき、芯がね支持部19bはプロセスカートリッジBの内側へ突き出た凸形状19baを有している。また、現像ローラ12の芯がね端部12bの端部(端縁)には凹形状12caが設けられている。
このような構成で、現像ローラ12の芯がね端部12bを支持すると共に、芯がね端部12bに電気的に接続しても良い。
図4,5,16を用いて、軸受部材20の形状について説明する。
図5(a),(b)は軸受部材20の表裏外観図である。図5(d),(e)は、図5(c)に示す位置(Y−Y)で切断した時の図5(a),(b)のビューに対応した軸受部材20を示す部分断面図である。図5(f)は、図5(c)に示す位置(Y−Y)で切断した時の軸受部材20を示す断面図である。
また、接点部19を形成する際に型27が接触する型当接面20d、型28が接触する型当接面20eを有している。
芯がね支持部形成部20bは、型28(図7参照)との型当接面20eよりプロセスカートリッジBの長手方向(図5(f)中矢印N方向の逆側)に凹んだ形状となっている。
軸受部材20は、トンネル形状20cを有している。そして、このトンネル形状20cの内部空間は、接点形成部20aと芯がね支持部形成部20bそれぞれに設けられた端面(図5(f)に示す面20f,面20g)を両端面とする壁部に設けられた貫通孔となっている。
また、図5(f)に示すように、トンネル形状20cの出口、入口に相当する両端部(両端面)にはテーパ(テーパ部)20h,20iが設けられている。なお、図5(f)に示す面20fは、テーパ20iが設けられることで存在せずに仮想面となっているが、テーパ20iの大きさは限定されるものではなく、面20fを残してテーパ20iが設けられるものであってもよい。
図4,6を用いて、接点部19の接触面19aを形成する型27について説明する。図6は、軸受部材20に当接させる2つの型の内の一つであって、接点部19の接触面19aを形成する際に使用する型27について示す図である。
接触面19aを形成する型27は、軸受部材20に突き当たる当接面27a及び接触面19aを成形する掘り込み(凹み)27bを有している。図6は一例として接触面19aが3か所形成可能な構成とした型27を示した図である。
図4,7を用いて、接点部19の芯がね支持部19bを形成する型28について説明する。図7は、軸受部材20に当接させる2つの型の内の(6)で説明した型のもう一方の型であって、接点部19の芯がね支持部19bを形成する際に使用する型28を示す図である。
芯がね支持部19bを形成する型28は、軸受部材20に突き当たる当接面28a、芯がね支持部19bの内径を成形する突起28b及び、導電性の樹脂34を注入するためのゲート30が挿入される注入口28cを有している。図7は一例として芯がね支持部19bが3か所形成可能な構成とした型28を示した図である。
図4〜9,15,16を用いて接触面19a及び芯がね支持部19bの形成方法について説明する。図15は、型27,28が軸受部材20に当接してから導電性の樹脂の注入が完了するまでを時系列的に表した概略断面図である。図8は、型27,28が軸受部材20に当接するまでを時系列的に示した概略斜視図である。
次に、図8(b)に示すように、型27を軸受部材20に(図中矢印方向に)当接させる。この時、軸受部材20の型当接面20dと、型27の軸受部材20との当接面27aが突き当たる。2つの型27,28を軸受部材20に当接させて挟み込んだ状態が図8(c)である。
このとき、図15(a)に示すように、型27とトンネル形状20cの外周面との隙間、及び、プロセスカートリッジの長手方向での型27とトンネル形状20cとの隙間が接点形成部20aとなる。また、型28の突起28bと軸受部材20との隙間が芯がね支持部形成部20bとなる。
その後、図15(b)に示すように、導電性の樹脂34がゲート30から注入口28cを介して芯がね支持部形成部20bに注入される。
次に、軸受部材20のトンネル形状20c内部空間を通り接点形成部20aまで導電性の樹脂34が到達する。トンネル形状20c先端からあふれた導電性の樹脂34は、接点
形成部20aに入り込み、型27と、テーパ部19gを含めたトンネル形状20cとの隙間空間を満たしていく。
このようにして形成された軸受Fにおいては、図9,15,16に示すように、接点形成部20aに入り込んだ導電性の樹脂が接触面19aを形成し、芯がね支持部形成部20bに入り込んだ導電性の樹脂が芯がね支持部19bを形成している。
芯がね支持部19bの内径面は、現像ローラ12を組付ける際、現像ローラ12の芯がね端部12bを回転可能に支持する。また、芯がね支持部19bの端面と芯がね支持部19bの内径面は、現像ローラ12と接点部19を電気的に接続するための接点部となる。
このように接触面19aと芯がね支持部19bは、導電性の樹脂34が上述のような流路(ゲート30→注入口28c→芯がね支持部形成部20b→トンネル形状20c内部空間→接点形成部20a)を通り成形されることで、軸受部材20に一体的に成形される。トンネル形状20cの内部空間(貫通孔内)を貫通して成形された樹脂部分は、電極部材の貫通部に相当する。
図15(c)は、導電性の樹脂34の注入が完了した状態を示す図である。
図9は、軸受Fの形成において樹脂の注入が完了した後の離型を時系列的に示した図である。
まず始めに、図9(a)に示すように、ゲート30が型28の注入口28cより(図中矢印方向に)退避する。図9(b)は、ゲート30が退避した状態が示されている。次に、図9(c)に示すように、型27が軸受部材20より(図中矢印方向に)離型する。最後に、図9(d)に示すように、型28が軸受部材20より(図中矢印方向に)離型する。このことで、軸受部材20に接点部19(接触面19a、芯がね支持部19b)が一体的に形成された状態となる。
次に、図1,5,10,16を用いて、成形された接点部19の抜け止め(以下、アンカー形状)、及び2材の調心について説明を行う。
図1(a)は軸受部材20と接点部19の概略構成を模式的に示す断面図である。図1(b)は図1(a)におけるテーパ20i(19h)を示す部分拡大図であり、成形時にテーパ20i(19h)に作用する力について説明するための図である。
図10は、離型が完了し、成形が終わった接点部19について各機能を説明するための図である。軸受部材20は非表示にしている。
また、このような構成をとるのは、軸受部材20と接点部19は異材質でかつ相溶性が無い材料のため、密着せずに浮きや脱落が発生する可能性があるためである。
さらに、図5(f),16(f)に示すように、接点部19においては、トンネル形状20cの内径19cよりも、接触面19a裏側の面径19d、及び、芯がね支持部19b裏側の面径19eの方が大きい形状となっている。
これにより、接点部19に対して図5(f)中矢印N方向に力が加わっても(逆方向でも同様)、面径19dの面は軸受部材20の面20gに、面径19eの面は軸受部材20の面20fに突き当たる。このため、接点部19の軸受部材20に対する浮きや脱落の発生を防ぐことができる。
このように、軸受部材20を挟み込んで接点部19を形成することで、物流時等にプロセスカートリッジBに衝撃が加わった場合でも、接点部19が軸受部材20から脱落したり、接点部19が軸受部材20から浮いたりすることを防止できる。
仮に、接点部19がアンカー形状のない平面的な構成であった場合は、一方向に力が加わった際は脱落してしまう恐れがある。そのため、前述したように接点部19を立体的な構成にすることで、接点部19にいずれの方向に力が加わっても、がたつき(浮き)や脱落が防止できる抜け止め機能を果たすことが可能となる。
そして、本実施例において、接点部19の成形は、軸受部材20の成形後に、導電性の樹脂34を注入し、軸受部材20に導電性の樹脂34を一体に成形することで行われる。
特に、本実施例では、接点部19の成形時に、軸受部材20の成形後、軸受部材20の(溶融)樹脂材料が冷え切って固化する前に、導電性の樹脂34を注入することで、軸受部材20に導電性の樹脂34を一体に成形して軸受Fを成形している。
このため、収縮率の差(後で注入する方が収縮率が大きい)から、導電性の樹脂34が、軸受部材20を挟み込み締め付ける構成となっている。
このような、成形後の導電性の樹脂34の収縮により軸受部材20を導電性の樹脂34で挟み込むような構成においては、次のように、より外れ難い構成となる。すなわち、軸受部材20(面20g,20fを両端面とする壁面)を挟み込む接触面19aと芯がね支持部19bは、図16(f)に矢印で示すF1,F2方向にそれぞれ収縮するため軸受部材20に接点部19が食い付くこととなり、より外れ難い構成となる。
また、本実施例では、接点部19には、カーボンブラックを約10%含むポリアセタールを使用している。カーボンブラックを使用することで、生産装置へのダメージ(摩耗等)を極力減らすことができる。なお、生産装置へのダメージを減らすことができるものであれば、カーボンブラックに限らず、カーボンファイバー、他の金属系添加剤等を用いてもよい。
図1,図5(f)に示すように、トンネル形状20cの出口、入口に相当する両端部分には、それぞれテーパ20h,20iが設けられている。このテーパは、トンネル形状20cの内部空間(貫通孔)の内壁の貫通(軸線)方向の両端部において、貫通方向でトンネル形状20c(壁部)の中心から外方(軸線方向と交差する方向)に向かって拡径するように設けられている。
さらに、このテーパ20h,20iは、それぞれのテーパ頂点(テーパを構成する傾斜面を含んだ仮想円錐の頂点)が、芯がね支持部19bの中心軸線上(図1に示す1点鎖線H上)に位置するように設けられている。ここで、図1に示す1点鎖線Hは、芯がね支持部19bにより支持された現像ローラ12の回転軸に相当するものであり、テーパ20h,20iのテーパ頂点は、現像ローラ12の回転軸上に位置している。
接点部19は、成形後(樹脂が固化する際)に、成形品(成形物)の中心に向かって収縮するので、芯がね支持部19b周辺は図1に示すF1方向に、接触面19aはF2方向に向かって収縮する。これは、成形時に導電性の樹脂34が固化する際に、トンネル形状20cの両端部周辺の導電性の樹脂34がトンネル形状20cの貫通方向の中央(貫通部中央)に向かうように収縮すると換言できる。
この時、図1(b)に示すように、F1方向に収縮する力は軸受部材20のテーパ20iによりF11,F12方向に分かれる。そして、F11方向への分力により、芯がね支持部19bの外径中心は、芯がね支持部形成部20bの内径中心に一致するように調心される。
ここで、成形時に、導電性の樹脂34の注入により、テーパ20h,20iに当接した状態で接点部19のテーパ19g,19hが成形されるが、上述のように、成形後、樹脂が固化する際に収縮することで固化後においても、その当接状態は維持される。すなわち、テーパ19g,19hにおいては、導電性の樹脂34の固化の前後で、テーパ20h,20iとの当接状態が維持される。
これにより、成形後の、導電性の樹脂34が収縮し固化した状態において、テーパ20h,20iに対してそれぞれテーパ19g,19hが当接した状態となっているので、軸受部材20に対して接点部19をより確実に固定(位置決め)することができる。
このように、F1,F2方向にかかる接点部19の成形後の収縮時の力により、成形後の樹脂の収縮によるガタつき等の不具合を防止することができる。したがって、軸受部材20に対する芯がね支持部19b(接点部19)の位置精度をより高めることができ、また、軸受部材20に対する芯がね支持部19bの位置変動を抑えることができる。
ーパ20h,20iを設けているが、必要に応じて片側のみに設ける構成でも良く、両端部のうち少なくともいずれか一方に設けられるものであればよい。
テーパ20iのみを設けた場合には、上述したように調心を行うことができ、さらに、成形後の、導電性の樹脂34が収縮し固化した状態において、テーパ20iとテーパ19hとを当接状態にすることができる。これにより、軸受部材20に対する芯がね支持部19b(接点部19)の位置精度をより高めることができる。
また、テーパ20hのみを設けた場合には、成形後の、導電性の樹脂34が収縮し固化した状態において、テーパ20hとテーパ19gとを当接状態にすることができる。この場合においても、軸受部材20に対する芯がね支持部19b(接点部19)の位置精度をより高めることができる。
また、テーパ20h,20iのテーパ頂点は、芯がね支持部19bの中心軸上に位置するものであればよく、トンネル形状20cの内部空間の中心(図1(a)に示す1点鎖線Hに直交する方向におけるトンネル形状20cの中心)に一致しなくてもよい。
次に、図8(c),11を用いて、接触面19a、芯がね支持部19bを形成する工程内で行われる型締めについて説明する。
図8(c)は、軸受部材20に型27,28を当接させて型締めした状態を示す概略斜視図である。図11は、樹脂圧について説明するための概略断面図である。
本実施例では、型締めの際に、軸受部材20を型27,28で挟み込み、互いの型により軸受部材20の型当接面20d,20eの裏側をそれぞれ支持するように構成している。これは、型27,28の押付け力や樹脂注入時の樹脂圧Pによって軸受部材20の型当接面20d,20e、及び型27の当接面27a、型28の当接面28aが逃げないように、また軸受部材20に変形が生じないようにするためである。
次に、「(9)接点部の各形状の機能、抜け止め、部品間のがたつき防止、及び2材の調心」の項で記述した2色成形について、図12を用いて説明を行う。
図12は、1色目用の型22,23,25、及び2色目用の型23,24,25を用いて、簡易的な形状とした軸受Fを2色成形により製造する場合について説明するための概略断面図である。図12(a)は、型22,23,25が合わさった状態を示す図である。図12(b)は、1色目(軸受部材20)を成形した状態を示す図である。図12(c)は、型22が型24と入れ替わった状態を示す図である。図12(d)は、2色目(接点部19)を成形した状態を示す図である。
このような2色成形を用いることで注入圧を高めることができ、注入圧が高まることで接点部19の形状を精度良く成形することができる。さらに本実施例では、成形時に、軸受部材20に設けられたテーパ20iと接点部19のテーパ19hとにより調心が行われるので、接点部19の位置精度がより高い状態で、接点部19が軸受部材20に一体に成形される。
図13(a)は、図12に示すような2色成形により一体的に成形された接点部19と軸受部材20を示す外観図である。図13(b)は、一体的に成形された接点部19と軸受部材20を示す平面図である。図13(c)は、図13(b)のV−V断面を示す概略断面図である。
このため、上述したような調心を行うことはできない。また、成形後に、導電性の樹脂34が収縮し固化した状態において、接点部19のうちトンネル形状20c内の部分と、トンネル形状20cの内部空間の内壁との間に隙間が生じることが懸念される。このような隙間が生じた場合には、軸受部材20に対して接点部19が、トンネル形状20cの内部空間の母線(芯がね支持部19bの中心軸に相当)に直交する方向に動いてしまうことが懸念される。
また、トンネル形状20cの両端部にはそれぞれテーパ20h,20iが設けられ、
接点部19には、成形時における樹脂の固化の前後でテーパ20h,20iとの当接状態が維持されるテーパ19g,19hが設けられている。これにより、成形後の樹脂の収縮
によるガタつき等の不具合を防止することができる。したがって、軸受部材20に対する芯がね支持部19b(接点部19)の位置精度をより高めることができ、また、軸受部材20に対する芯がね支持部19bの位置変動を抑えることができる。
また、軸受部材20を挟み込んで接点部19が形成されている。これにより、物流時等にプロセスカートリッジに衝撃が加わっても、アンカー形状により接点部19が軸受部材20から脱落するといったことや、接点部19が軸受部材20から浮いてしまうといった事象の発生を防止することができる。
また、本実施例では、接点部19の芯がね支持部19bは、現像ローラ12、トナー供給ローラ16の芯がねを支持する構成として説明したが、これに限るものではなく、摺動(回転)部材を支持するものであればよい。
また、本実施例においては、接点部19を軸受部材20に設けたが、接点部19を現像カートリッジ枠体8に設け、現像ローラ12やトナー供給ローラ16を現像カートリッジ枠体8に支持させる構成であっても良い。
図17では、現像ブレード11が現像ブレード端面11aで、軸受F(軸受部材20)に設けられた現像ブレード接点部31と接触している。そして、トンネル形状の両端部にはテーパが設けられている。
このような構成にすることで、回転体以外のプロセス手段に対しても、接点部の位置精度をより高め、電圧を印加することができる。
Claims (4)
- 画像形成装置の装置本体に着脱可能なカートリッジであって、
被給電部材と、
樹脂で成形された、貫通孔が設けられた枠体と、
前記枠体に導電樹脂を射出成形することによって形成された、前記カートリッジが前記装置本体に装着された際に前記装置本体と前記被給電部材との導電経路となる電極部材であって、前記貫通孔を貫通する貫通部と、前記貫通部の軸線方向の一端側に設けられた、前記被給電部材を回転可能に支持する支持部と、前記貫通部の軸線方向の他端側に設けられた、前記軸線方向と交差する方向に延びた係合部とを有し、前記支持部と前記係合部で前記軸線方向において前記枠体を挟み込むように構成された電極部材と、
を備え、
前記支持部と前記係合部の少なくともいずれか一方は、前記軸線方向と直交する面に対して傾斜したテーパ部を有することを特徴とするカートリッジ。 - 前記テーパ部を構成する傾斜面を含んだ仮想円錐の頂点は、前記電極部材により支持された前記被給電部材の回転軸上に位置することを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ。
- 前記電極部材の樹脂材料の収縮率は、前記枠体の樹脂材料の収縮率よりも大きく構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のカートリッジ。
- 前記係合部は、前記カートリッジが前記装置本体に装着された際に前記装置本体に設けられた本体電気接点と接触する接点部を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のカートリッジ。
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