JP2013126756A - 調製ニーダおよびニーダの洗浄方法、ホットメルトプリプレグ - Google Patents

調製ニーダおよびニーダの洗浄方法、ホットメルトプリプレグ Download PDF

Info

Publication number
JP2013126756A
JP2013126756A JP2012244259A JP2012244259A JP2013126756A JP 2013126756 A JP2013126756 A JP 2013126756A JP 2012244259 A JP2012244259 A JP 2012244259A JP 2012244259 A JP2012244259 A JP 2012244259A JP 2013126756 A JP2013126756 A JP 2013126756A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
kneader
organic solvent
resin composition
cleaning
thermosetting resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012244259A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsukasa Uchida
吏 内田
Masateru Goto
正輝 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2012244259A priority Critical patent/JP2013126756A/ja
Publication of JP2013126756A publication Critical patent/JP2013126756A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Accessories For Mixers (AREA)

Abstract

【課題】熱硬化性樹脂組成物を調製した後、ニーダ内面に残留した樹脂組成物による洗浄ムラを発生させずに、少ない有機溶剤量で効率的にニーダ内面を洗浄する構造を備えた調製ニーダならびにその洗浄方法を提供する。
【解決手段】熱硬化性樹脂組成物を調製するためのニーダ1において、ニーダの内面に残留した調製後の樹脂組成物を除去するために用いられる有機溶剤を噴射する2個以上のスプレーノズル3が、ニーダの内面で、その底面からニーダ高さの50%以上の箇所に、ニーダの円周方向に実質的に等角度となるように、かつ、スプレーノズルの噴射角度が水平方向から上側へ0°〜80°の範囲となるように設置されていることを特徴とし、好適には、洗浄後の有機溶剤を貯蔵するタンクを有し、有機溶剤の再利用が可能なものとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ホットメルトプリプレグに好適に使用される熱硬化性樹脂組成物を調製するための、洗浄性が良好なニーダ、およびニーダの内面を、有機溶剤を用いて洗浄する方法に関する。さらに詳しくは、有機溶剤を、ニーダ内面に設置されたスプレーノズルから噴射し、噴射された有機溶剤を常時、ニーダ底面の回収口から回収して、循環ポンプにて循環して、繰り返しスプレーノズルより有機溶剤を噴射することができる構造を備えたニーダ、およびその洗浄方法に関する。
従来、特許文献1に示すように、ホットメルトプリプレグ、特に炭素繊維複合材料の製造に供する炭素繊維プリプレグに用いられる熱硬化性樹脂組成物の調製には、高粘度の液体も効率よく撹拌・混練可能なニーダが用いられている。
ニーダによる調製はバッチ生産であり、次バッチ生産品への異物等の混入を防止するために、生産終了後ニーダ内面を洗浄する必要がある。ニーダの内面に付着した熱硬化性樹脂組成物を洗浄する方法として、従来ニーダ内に単に有機溶剤を投入し、ニーダの撹拌翼を回転させ、撹拌翼やニーダ内面に付着した熱硬化性樹脂組成物を溶解・除去していた。しかし、この方法では、ニーダ内上部に付着した熱硬化性樹脂組成物を除去するために、熱硬化性樹脂組成物とほぼ同容積の有機溶剤を投入しなければならず、熱硬化性樹脂組成物に対する有機溶剤の溶解度と比較しても非常に多い量を投入する必要があり、非効率であった。
特開2006−124555号公報
熱硬化性樹脂組成物を調製した後、ニーダの内面に残留した樹脂組成物による洗浄ムラを発生させずに、少ない有機溶剤量で効率的にニーダ内面を洗浄する構造を備えた調製ニーダならびにその洗浄方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成からなる。すなわち、本発明は、熱硬化性樹脂組成物を調製した後、樹脂組成物が残留したニーダの内面の洗浄方法において、ニーダの内面で、その底面からニーダ高さの50%以上の箇所に、ニーダの円周方向に実質的に等角度となるように設置された2個以上のスプレーノズルを用い、ニーダ容量に対する体積比が5〜25%の有機溶剤を、スプレーノズルから噴射角度が水平方向から上向きに0°〜80°の範囲に噴射し、スプレーノズルより噴射した有機溶剤をニーダ底面の回収口より回収し、循環ポンプで循環することにより有機溶剤をスプレーノズルよりニーダの内面に繰り返し噴射して、1分当たりのスプレーノズルからの有機溶剤の吐出量をニーダ容量で除した値である循環比を0.05〜0.5min−1とし、かつ、循環比と洗浄時間の積である全循環比を0.25〜15の範囲とすることを特徴とするものである。
また、本発明の洗浄方法は、ニーダの内面の洗浄に1回以上使用され、貯蔵された有機溶剤を使用してニーダの内面を洗浄する粗洗浄工程と、新品の有機溶剤を使用してニーダの内面を洗浄する本洗浄工程とを有することが好ましく、本洗浄回数を増加することで、より高い洗浄効果を得られるのでより好ましい。さらには、粗洗浄工程での有機溶剤(再利用された有機溶剤)の使用量の総量を基準として、新品の有機溶剤を使用する本洗浄工程における洗浄回数n(n≧2の場合)と洗浄1回あたりの有機溶剤(新品の有機溶剤)の使用量を決定することにより、有機溶剤の物質収支を概ね一致させ、連続的に運転可能な洗浄システムを構築することが好ましい。
さらに、本発明の熱硬化性樹脂組成物の調製ニーダは、ニーダの内面に残留した調製後の樹脂組成物を除去するために用いられる有機溶剤を噴射する2個以上のスプレーノズルが、ニーダの内面で、その底面からニーダ高さの50%以上の箇所に、ニーダの円周方向に実質的に等角度となるように、かつ、スプレーノズルの噴射角度が水平方向から上向きに0°〜80°の範囲となるように設置されていることを特徴とするものである。
また、かかるニーダには、残留した樹脂組成物の除去に用いられ、回収された有機溶剤を循環させるための、循環ラインと循環ポンプを備え、循環ポンプの入り側には濾過フィルターが設置されていることが好ましい。さらには、有機溶剤をニーダへ送液する設備、洗浄後の有機溶剤をニーダから排出する設備のほか、有機溶剤を貯蔵するタンクとして、新品の有機溶剤を貯蔵する有機溶剤タンクと、1回以上洗浄に使用した有機溶剤を貯蔵する洗浄液タンクを備え、ニーダの内面の洗浄に使用した有機溶剤を再利用できるように構成されていることが好ましい。
また、本発明では、かかる調製ニーダを用いて、または、かかる方法で洗浄されたニーダを用いて調製された熱硬化性樹脂組成物を用い、ホットメルトプリプレグとすることが好適である。
なお、本発明は前記熱硬化性樹脂組成物が、熱可塑性樹脂を含んだエポキシ樹脂組成物であることが好ましい。
本発明の調製ニーダ、ないしニーダの洗浄方法によれば、ニーダ細部に存在する熱硬化性樹脂組成物を溶解してほぼ確実に洗浄することが可能であり、有機溶剤の循環設備を備えたことで、洗浄1回あたりニーダ容量対比非常に少ない有機溶剤量で、洗浄後のニーダ内の熱硬化性樹脂組成物の残量を(例えば、熱硬化性樹脂組成物の調製量対比0.5ppm以下程度にまで)低減化できる洗浄が可能となる。さらには、有機溶剤を再利用することにより、洗浄効率を向上させ、実質的に有機溶剤の使用量を低減することが可能であり、また、そのような調製ニーダ、ないしニーダの洗浄方法により、熱硬化性樹脂組成物への異物等の混入を抑止できるため、調製される熱硬化性樹脂組成物は良好な品質、品位が求められるホットメルトプリプレグに好適に用いられる。
本発明の一実施態様に係る調製ニーダの、ニーダ洗浄における洗浄ラインの概略図である。
以下、本発明の熱硬化性樹脂組成物の調製ニーダ、ならびにその洗浄方法について説明する。本発明は、エポキシ樹脂を始めとした熱硬化性樹脂を主成分とした樹脂組成物を、撹拌・混練することにより調製される調製ニーダにおいて適用される。
本発明の調製ニーダは、熱硬化性樹脂組成物を調製するためのニーダであって、ニーダの内面に残留した調製後の樹脂組成物を除去する(具体的には、溶解して取り除く)ための有機溶剤を噴射するスプレーノズルを2個以上備え、ニーダの内面で、その底面からニーダ高さの50%以上の箇所に、ニーダの円周方向に実質的に等角度で設置されており、かつ、その2個以上のスプレーノズルの噴射角度が水平方向から上側へ0°〜80°の範囲となるように設置されたものである。なお、ニーダの円周方向に実質的に等角度とは、本発明の目的を達成できる範囲において、多少の角度のずれ(例えば、最大角度と最小角度の差が10°以下程度)を許容するものであることを意味している。
樹脂組成物の調製高さは、好ましくは60〜85%である。ここで、調製高さとは、調製ニーダにその最大能力量の樹脂組成物を投入した際の底面から液面までの静止時の高さの、ニーダ高さに対する比と定義している。したがって、スプレーノズルの設置位置はその底面からニーダ高さの50%以上、好ましくは55%以上とすることによって、ニーダの内面の上部の洗浄が十分実施できる。また、70%以下とすることで、ニーダの内面の下部の洗浄を効率的に行えてより好ましい。
有機溶剤を噴射するスプレーノズルはニーダ内周に沿って、実質的に等間隔で2箇所以上に設置されることが必要で、より好ましくは3〜6箇所、さらに好ましくは4〜5箇所に設置することである。2箇所以上とすることによって洗浄における死角を無くすことができる。また、6箇所以下とすることで、設備費用の低減が可能となる。なお、実質的に等間隔とは、実質的に等角度と同じ趣旨で多少の間隔の相違を許容するものであることを意味している。
さらに、本発明に用いられる2個以上のスプレーノズルは全て水平方向から上向きに0°〜80°の角度で設置されていることを特徴とする。こうすることで、スプレーノズルから噴射された有機溶剤は、ニーダ天井を含めた全体に確実に行き渡ることにより、死角なく洗浄することができる。さらに好ましい角度は40°〜50°である。
また、本発明は残留した樹脂組成物の溶解、除去に用いる有機溶剤を循環させるための、循環ラインと、循環ポンプを備え、循環ポンプの入り側には濾過フィルターが設置されていることが好ましい。濾過フィルターは、未溶解の樹脂組成物を除去するために設置され、金網フィルター、繊維フィルターなどが使用できる。好ましいフィルタースペックとしては、JISZ8801−1(2006)の金網フィルターで、フィルター目開きが1.0mm以下である。
さらには、本発明は、有機溶剤を貯蔵するタンクとして、新品の有機溶剤を貯蔵する有機溶剤タンクと、1回以上洗浄に使用した有機溶剤を貯蔵する洗浄液タンクが設置されていることが好ましく、ニーダの内面の洗浄に使用された後、貯蔵しておいた有機溶剤をニーダへ送液し、ニーダ洗浄に再利用することが可能である。このとき、洗浄液タンクの出側にも有機溶剤中の異物を除去するためにストレーナーフィルターが設置されていることが好ましく、内部に備え付けるフィルターには金網フィルター、繊維フィルターなどを使用できる。好ましいフィルタースペックとしては、JISZ8801−1(2006)の金網フィルターで、フィルター目開きが1.0mm以下、さらに好ましくは目開き0.5mm以下である。
本発明のニーダの洗浄方法は、上記ニーダを用い、ポンプにて所定の圧力にてニーダ内面にスプレーノズルから噴射される、ニーダ容量に対し5〜25%の体積量の有機溶剤を循環させ、ニーダ内面にスプレーノズルから噴射して循環洗浄することを特徴とする。有機溶剤の量をニーダ容積に対する体積比で5%以上とすることで、ニーダ内面に残留した樹脂組成物を実質的に問題のない範囲に有機溶剤に溶解でき、また25%以下とすることで、使用する有機溶剤の量を削減することができる。有機溶剤を回収、循環させる際、有機溶剤内に溶け残った樹脂組成物がスプレーノズル内で詰まることを防止するため、循環ライン内の循環ポンプの入り側には、例えばJIS標準篩で目開きが1.0mm以下である濾過フィルターを設置することが好ましい。なお、スプレーノズルから噴射される有機溶剤の吐出圧力については、有機溶剤がニーダ内全面に行き渡るようにノズルスペックおよびポンプスペックを決定する。また、1分当たりのスプレー吐出量をニーダ容量で除した値を溶剤の循環回数(以下、循環比とする)と定義して、循環比を0.05〜0.5min−1と設定することによって、ニーダ内面に残留した樹脂組成物を効率良く溶解させることができる。さらに好ましくは0.1〜0.3min−1である。
また、本発明のニーダ洗浄方法は、洗浄時間との積を全循環比と定義すると、全循環比を0.25〜15とすると良く、1〜6であることが好ましい。全循環比を0.25〜15とすることによって、ニーダ内面に残留した樹脂組成物の溶解とニーダ内面の洗浄時間の短縮が可能となり、残留した樹脂組成物の量を、熱硬化性樹脂組成物の調製量対比0.5ppm以下とすることができる。
以下、本発明のニーダ洗浄方法をより詳しく説明する。まず、ニーダ底面の回収口を閉止した後、有機溶剤を貯蔵しているタンクから、洗浄対象であるニーダ内面に有機溶剤を送液ポンプにて送液する。所要の有機溶剤量の計量には、一例を挙げれば有機溶剤タンク下面に設置したロードセルにて、送液前後の重量を計測することで計量することが一例として挙げられる。また、別の一例によれば、配管ラインに設置した質量流量計にて計量を実施することも可能である。送液された有機溶剤は、スプレーノズルからニーダ内面に噴射され、全量を噴射した時点で、ニーダ底面の回収口を開放し、配管循環ラインの循環ポンプの入り側に設置された、例えばJIS標準篩で目開き1.0mmのフィルターを通過させて、不溶物を濾しとり、フィルター以降に設置したされた循環ポンプにて圧力を加え、スプレーノズルの配管に合流させ、再度スプレーノズルから噴射する。有機溶剤がスプレーノズルへの配管に合流される際、タンクより送液時の配管に逆流させないために、タンクと送液配管をつなぐ開閉弁を閉じると良い。この間、回収口は開放し続け、循環ポンプも運転し続けることで、有機溶剤はニーダと配管内を循環し続け、ニーダ内全域に常時有機溶剤が噴射され続けることになる。なお、併せて、有機溶剤の噴射中に、ニーダ内面に設置している撹拌ブレードを回転させることで、ノズルから噴射された有機溶剤はブレードに当たり跳ね返り、それにより、有機溶剤はさらにニーダ内の全方位に拡散することになり、洗浄能力を高めることができるので好ましい。このとき、ブレードの回転数は30rpm以上が好ましく、より洗浄効果を高めるためには、60rpm以上がより好ましい。また、残留した樹脂組成物の有機溶剤への溶解度を向上させるため、洗浄中の有機溶剤温度は40〜60℃に加温することが好ましい。
有機溶剤を所定時間循環させた後、ニーダ内の有機溶剤は、回収口から回収され、循環ポンプにて洗浄液タンクにまで送液される。送液中にスプレーノズル側の配管に有機溶剤が流れ出すことを防止するため、スプレーノズル側配管の開閉弁は閉じておくと良い。ニーダ内の有機溶剤を全て回収した後に、ポンプを停止させると良い。ニーダ底面の回収口を閉止し、有機溶剤をニーダへ送液する操作から、所定時間循環させた後に洗浄液タンクまで送液する操作までを1回の洗浄とする。
本発明のニーダ洗浄方法においては、ニーダの内面の洗浄に1回以上使用され、貯蔵された有機溶剤を再利用してニーダの内面を洗浄する洗浄工程(粗洗浄工程)と、新品の有機溶剤を使用してニーダの内面を洗浄する洗浄工程(本洗浄工程)を、それぞれ少なくとも1回以上含むことが、新品の有機溶剤量の使用量を減らすとともに、期待する洗浄効果を得ることができ好ましい。なお、本発明により期待される洗浄効果を得るためには、新品の有機溶剤には溶剤中の不揮発分の濃度が50ppm以下である有機溶剤を使用することが好ましく、また、再利用する有機溶剤にはニーダ内面に残留していた樹脂組成物などを含む不揮発分の濃度が1000ppm以下である有機溶剤を使用することが好ましい。
粗洗浄工程における有機溶剤(すなわち、再利用された有機溶剤)の使用量の総量を基準として、新品の有機溶剤を使用する本洗浄工程における洗浄回数と洗浄1回あたりの有機溶剤(すなわち、新品の有機溶剤)の使用量を決定することにより、有機溶剤の物質収支を概ね一致させ、連続的に運転可能な洗浄システムを構築するため、本洗浄工程に使用する洗浄1回あたりの有機溶剤量は、粗洗浄工程に使用する総有機溶剤量を本洗浄工程の洗浄回数nで除した量を使用することが好ましく、洗浄回数nをn≧2とすることにより、より高い洗浄効果が得られるので好ましい。なお、有機溶剤の物質収支を概ね一致させるという観点から、粗洗浄工程に使用する総有機溶剤量を本洗浄工程の洗浄回数nで除した量とすることが好適であるが、ニーダの内面の洗浄に使用された有機溶剤の一部を廃棄するなど、物質収支の調整を新品の有機溶剤の量で調整することがあり得ることを踏まえれば、粗洗浄工程に使用する総有機溶剤量を本洗浄工程の洗浄回数nで除した量の80〜100%の量とすると良い。
ニーダ内面に微量に付着した有機溶剤については、ニーダ内面を有機溶剤の沸点付近まで加熱させることで、有機溶剤を揮発させ、ほぼ完全に除去することが可能となる。
本発明の調製ニーダとしては、熱硬化性樹脂組成物に大きな剪断力を与え、均一に分散し混練するため、シグマ型攪拌のブレードを持つオープンニーダ、または、遊星運動を行う2軸または3軸の攪拌ブレードを持つプラネタリーミキサー、スパイラルミキサーなどが適している。特にプラネタリーミキサーが望ましい。
プラネタリーミキサーは、モータ等の駆動源により適宜の伝達機構を介して遊星運動する複数本の駆動軸を有し、該駆動軸には容器内に挿入されるようそれぞれブレードが取り付けられている。ブレードはより剪断能力を高めるために、捻り(ねじり)を加えることもある。容器内に処理材料を投入し、ブレードを降下させてセットし、容器内で複数本のブレードを遊星運動させると、ブレードと容器の内壁、底壁間および複数本のブレード間でそれぞれ剪断力を処理材料に与えることができる。本発明を適用するプラネタリーミキサーの容量は特に制限はないが100Lから1000Lまでが好ましい。
本発明に使用するスプレーノズルは一流体ノズルやタンク容器洗浄ノズルが使用可能である。一流体ノズルとしては、噴霧形態が同心円上に広がるフルコーンタイプやホロコーンタイプが適している。またタンク容器洗浄ノズルについては、エアーモータまたは電源モータを回転の駆動源とするモータドライブ式3次元回転ノズル、洗浄液の圧力を駆動源として3次元回転する液圧3次元回転ノズル、液圧2次元ノズル、複数のオリフィスなどによる球状シャワーによる固定式ノズルなどが適している。中でも一流体ノズルのフルコーンタイプが廉価であることから望ましい。
本発明の調製ニーダにて混練され、調製後に残留した洗浄の対象となる熱硬化性樹脂組成物としては、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂等を有してなる樹脂組成物が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物には、熱硬化性樹脂に使用される硬化剤、増粘剤、収縮防止剤等も適宜用いられるが、特に限定するものではない。なお、用いられる熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂の具体例としては、ポリオールから得られるグリシジルエーテル、活性水素を複数個有するアミンより得られるグリシジルアミン、ポリカルボン酸より得られるグリシジルエステルや、分子内に複数の2重結合を有する化合物を酸化して得られるポリエポキシド等が挙げられる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルアミノフェノール、テトラグリシジルキシレンジアミンのようなグリシジルアミン型エポキシ樹脂等あるいはこれらの組み合わせが好適に用いられる。
かかるエポキシ樹脂組成物に使用される硬化剤としては、エポキシ基と反応し得る活性基を有する化合物であれば用いることができる。例えば、アミン系硬化剤として、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミン、m−キシリレンジアミンのような脂肪族アミン類、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジエチルジフェニルメタン、ジアミノジエチルジフェニルスルホンなどの芳香族アミン類、ベンジルジメチルアミン、テトラメチルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの第3アミン類、また、ジシアンジアミドのような塩基性活性水素化合物や、アジピン酸ジヒドラジドなどの有機酸ジヒドラジド、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、などのイミダゾール類が挙げられる。また、酸無水物系硬化剤として、ポリアジビン酸無水物、ポリ(エチルオクタデカン二酸)無水物、ポリセバシン酸無水物などの脂肪族酸無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物などの脂環式酸無水物、無水フタル酸、無水トリメット酸、無水ピロメリット酸、グリセロールトリストリメリテートなどの芳香族酸無水物、無水ヘット酸、テトラブロモ無水フタル酸などのハロゲン系酸無水物が挙げられる。本発明においては、比較的低温で硬化し、かつ保存安定性が良好なことから、硬化剤としてアミン系硬化剤、中でも塩基性活性水素化合物を好ましく用いることができる。
かかるエポキシ樹脂組成物には、上記のエポキシ樹脂、硬化剤の他、高分子化合物、有機粒子、無機粒子など、他の成分を適宜その目的に応じて配合することができる。
かかる高分子化合物としては、熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。かかる熱可塑性樹脂を配合すれば、前記樹脂組成物の粘度やプリプレグの取り扱い性の適正化、また極性の高いものは、接着性を改善する効果が期待できるため好ましい。
かかる熱可塑性樹脂としては、主鎖に、炭素−炭素結合、アミド結合、イミド結合、エステル結合、エーテル結合、カーボネート結合、ウレタン結合、尿素結合、チオエーテル結合、スルホン結合、イミダゾール結合、カルボニル結合から選ばれる結合を有する熱可塑性樹脂が好ましく使用される。これら熱可塑性樹脂の中でも、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリアラミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンズイミダゾール、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンのようなエンジニアリングプラスチックに属する熱可塑性樹脂の一群がより好ましく使用される。特に好ましくは、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなどが、耐熱性にも優れることから好適に使用される。
かかる熱可塑性樹脂の配合量は、エポキシ樹脂組成物における全エポキシ樹脂100質量部に対して、好ましくは1〜20質量部配合するのが、エポキシ樹脂組成物に適度な粘弾性を与え、成形時に材料を扱いやすくすると共に、得られる炭素繊維強化プラスチックの力学的強度を高める作用を有するのでよい。
また、かかるエポキシ樹脂組成物に配合する有機粒子としては、ゴム粒子または熱可塑性樹脂粒子が好ましく用いられる。これらの粒子は、樹脂の靭性向上、炭素繊維強化プラスチック製部材の耐衝撃性向上の効果を有するので好ましい。また、熱可塑性樹脂粒子としては、ポリアミドあるいはポリイミドの粒子が好ましく用いられる。
さらに、かかるゴム粒子としては、架橋ゴム粒子、および架橋ゴム粒子の表面に異種ポリマーをグラフト重合したコアシェルゴム粒子が好ましく用いられる。
かかるエポキシ樹脂組成物に配合する無機粒子としては、シリカ、アルミナ、スメクタイト、合成マイカ、カーボンブラック等を配合することができる。これらの無機粒子は、主としてレオロジー制御、すなわち、増粘や揺変性付与のために、エポキシ樹脂組成物に配合する。
本発明に適用される樹脂組成物としては、エポキシ樹脂、硬化剤、熱可塑性樹脂を必須成分としたエポキシ樹脂組成物が、本発明の洗浄効果が大きく好ましい。
本発明に用いられる有機溶剤としては、メタノール、エタノール、ブタノール、イソブタノール、プロパノール、ベンジルアルコール、ペンタノール等の1価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの2価アルコール、グリセリンなどの3価アルコールに代表されるアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル類、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブのようなエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンのようなケトン類、トルエン、クシレンのような芳香族炭化水素類、4塩化炭素、アセト二トリル、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンのような非プロトン性有機極性溶媒類などから選択されるいずれか1つ以上の有機溶剤を使用することができる。
以下に、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いた際に、ニーダ内面に残留した熱硬化性樹脂の測定方法を示す。
<残留した熱硬化性樹脂残留量(エポキシ樹脂組成物)量の測定>
残留したエポキシ樹脂量の測定は、JIS K 7236:2009「エポキシ樹脂のエポキシ基含有量の求め方」のエポキシ基含有量測定に準じて測定する。
ニーダ内面に残留した熱硬化性樹脂組成物量について、溶剤を揮発させた後のニーダ内に、トルエン−メタノール混合溶剤(3:1の混合比)をニーダ容量に対して2%を投入し、ブレードで10分間撹拌して、ニーダ内に残留するエポキシ樹脂をトルエン−メタノール混合溶剤中に溶解させる。トルエン−メタノール混合溶剤から10gをサンプリングする。
サンプリングしたトルエン−メタノール混合溶剤に試薬1級HCl1.4mlを100mlのDMFで調製したHCl・DMF溶液を25mL加えて、15分間放置し、トルエン−メタノール混合溶剤内のエポキシ樹脂のエポキシ基を反応させ開環させる。反応後に1級メタノール約30mLを加え、2〜3滴のBPB溶液(ブロムフェノールブルー)を加え、溶液内に超過して残っているHClを0.1NのKOHにて滴定を実施する。終点は黄→青の点とする。なお、同時に試料トルエン−メタノール混合溶剤を加えないブランク試験も実施する。滴定結果から(式1)を用いてエポキシ基含有量を求める。
エポキシ基含有量(meq/g)=0.1×(B−A)×F÷S (式1)
A:試験時のKOH滴定量
B:ブランク確認時のKOH滴定量
F:0.1NKOH溶液の力価
S:トルエン−メタノール混合溶剤(10g)。
エポキシ濃度既知のエポキシ樹脂組成物が溶解したトルエン−メタノール混合溶剤にて作成した検量線を用いて、求めたエポキシ基含有量から、エポキシ濃度に変換する。求めたエポキシ濃度から(式2)を用いて、ニーダ内残留エポキシ樹脂量を求める。
ニーダ内残留エポキシ樹脂量(g)=10×ρ×C (式2)
C:エポキシ濃度(wt%)
ρ:トルエン−メタノール混合溶剤密度(g/cm)。
(実施例1)
プラネタリーミキサーにて三菱化学製jER1005Fを20質量部、jER828については80質量部を溶融混練した後、40℃から60℃で三菱化学製DICY−7を5質量部、CVCスペシャリティケミカルズ製オミキュア24については4.2質量部を加えて混練し、樹脂組成物300kgを得た。
原料投入量から取り出し量を差し引いた値からミキサー内に残留した樹脂組成物量を計算し、調製した樹脂組成物をミキサーから取り出したときに残留した樹脂組成物が10kgであると確認した後、ニーダ容量に対して8%の新品(不揮発分濃度6ppm)のトルエン−メタノール混合洗浄溶剤(3:1の混合比)を有機溶剤タンクより送液し、撹拌ブレード70rpmで回転させているミキサー内にスプレーノズルから噴射した。その後、ニーダ底面に溜まった洗浄溶剤を、ニーダ底面の回収口を開放し、循環ラインの循環ポンプの入り側に設置された、JIS標準篩で目開き1.0mmのフィルターを通過させ、不溶物を濾しとり、フィルター以降に設置された循環ポンプにて圧力を加え、循環比0.14min−1にて再度スプレーノズルから噴射した。この連続噴射状態を10分間継続後ニーダ内の洗浄溶剤を、回収口から回収し、洗浄液タンクにまで送液した。ニーダ内の洗浄溶剤を洗浄液タンクへと送液した後、循環ポンプを停止させた。ニーダ内面に微量に付着したトルエン−メタノール混合洗浄溶剤については、ニーダ内面を80℃まで加熱して、揮発させ、完全に除去した。そして、ニーダ内に残留したエポキシ樹脂組成物量を求めた。
(実施例2)
実施例1と同じミキサーにて、同じ組成比のエポキシ樹脂組成物を調製し、抜出後に表1に示す条件によって洗浄した結果を表1に示す。
ミキサー容量に対し、洗浄溶剤量が5〜25%となる実施例1,2では、洗浄後のエポキシ樹脂残留量が調製樹脂組成物量300kgに対し、0.5ppm以下に抑えることができており、エポキシ樹脂組成物の溶け残りなく良好な洗浄効果を得ることができた。
(実施例3)
また、循環比を実施例1に対し半分にした実施例3の場合、実施例1よりも洗浄効果は低下したが、樹脂残留量を0.5ppm以下に十分抑えることができ、エポキシ樹脂組成物の溶け残りなく良好な洗浄効果を得ることができた。
(実施例4)
また、全循環比を実施例1に対し半分にした実施例4の場合、実施例1よりも洗浄効果は低下したが、樹脂残留量を0.5ppm以下に十分抑えることができ、エポキシ樹脂組成物の溶け残りなく良好な洗浄効果を得ることができた。
(実施例5)
また、全循環比を実施例1に対し2倍にした実施例5の場合、樹脂残留量を0.5ppm以下に十分抑えることができ、エポキシ樹脂組成物の溶け残りなく、実施例1と同等の良好な洗浄効果を得ることができた。
(実施例6)
洗浄溶剤比を実施例2より小さい、ニーダ容量に対して10%のトルエン−メタノール混合洗浄溶剤(3:1の混合比)の再利用液を洗浄液タンクより送液し、撹拌ブレード70rpmで回転させているミキサー内にスプレーノズルから噴射した。この連続噴射状態を10分間継続後ニーダ内の洗浄溶剤を、回収口から回収し、洗浄液タンクにまで送液した。その後、ニーダ容量に対して10%の新品のトルエン−メタノール混合洗浄溶剤(3:1の混合比)を有機溶剤タンクより送液し、撹拌ブレード70rpmで回転させているミキサー内にスプレーノズルから噴射し、溶剤を10分間連続噴射して、本洗浄工程を完了した。粗洗浄工程を導入することで、実施例2より少ない有機溶剤量で、エポキシ樹脂組成物の溶け残りなく、実施例2と同等の良好な洗浄効果を得ることができた。
(実施例7)
洗浄溶剤比が実施例2より小さい、ニーダ容量に対して10%のトルエン−メタノール混合洗浄溶剤(3:1の混合比)の再利用液を洗浄液タンクより送液し、撹拌ブレード70rpmで回転させているミキサー内にスプレーノズルから噴射した。この連続噴射状態を10分間継続後ニーダ内の洗浄溶剤を、回収口から回収し、洗浄液タンクにまで送液する粗洗浄工程を実施した後、ニーダ容量に対して5%の新品のトルエン−メタノール混合洗浄溶剤(3:1の混合比)を有機溶剤タンクより送液し、撹拌ブレード70rpmで回転させているミキサー内にスプレーノズルから噴射し、溶剤を5分間連続噴射するという本洗浄工程を2回繰り返した。本洗浄工程を2度に分けて洗浄することで、実施例2よりも少ない有機溶剤使用量で、エポキシ樹脂組成物の溶け残りなく、実施例2および6より高い洗浄効果を得ることができた。
(比較例1)
実施例1と同じミキサーにて、同じ組成比のエポキシ樹脂組成物を調製し、抜出後に表1に示す条件によって洗浄した結果、ノズル個数を1つまで減らした比較例1では、ノズルの死角のエポキシ樹脂組成物を溶解できなかったため残留量を0.5ppm以下に抑えることができず、適正な洗浄効果を得ることはできなかった。
(比較例2)
また、ノズル設置高さをニーダ底面から30%の位置に設置した比較例2では、ニーダ上部まで溶剤が十分に行き渡らなかったため、ニーダ上部にエポキシ樹脂組成物が溶け残り、残留量を0.5ppm以下に抑えることができず、適正な洗浄効果を得ることはできなかった。
(比較例3)
また、ノズル設置角度を85°に設置した比較例3では、ニーダ全域に均一に溶剤が行き渡らず、中央の攪拌ブレード部分にエポキシ樹脂組成物が溶け残り、残留量を0.5ppm以下に抑えることができず、適正な洗浄効果を得ることはできなかった。
(比較例4)
同様にノズル設置角度を−20°に設置した比較例4では、ニーダ上部に溶剤が行き渡らなかったため、ニーダ上部にエポキシ樹脂組成物が溶け残り、残留量を0.5ppm以下に抑えることができず、適正な洗浄効果を得ることはできなかった。
Figure 2013126756
(参考例1)
実施例1と同じミキサーにて、同じ組成比のエポキシ樹脂組成物を調製し、抜出後に表2に示す条件によって洗浄した結果、洗浄溶剤量比を2%まで減らした参考例1では、ニーダ全域に均一に有機溶剤を噴射できたものの、有機溶剤中のエポキシ樹脂組成物濃度が高くなったため樹脂組成物が十分に溶剤中に溶解せず、残留量を0.5ppm以下に抑えることができず、適正な洗浄効果を得ることはできなかった。
(参考例2)
また、循環比を0.02min−1まで減らした参考例2の場合、ニーダ全域に均一に有機溶剤を噴射できたものの、十分な溶剤量を噴射できなかったため、残留量を0.5ppm以下に抑えることができず、適正な洗浄効果を得ることはできなかった。
(参考例3)
さらに、全循環比を0.14まで減らした参考例3の場合、ニーダ全域に均一に有機溶剤を噴射できたものの、規定時間内に必要な溶剤量を噴射できなかったため、残留量を0.5ppm以下に抑えることができず、適正な洗浄効果を得ることはできなかった。
(参考例4)
また、本洗浄回数を0回とした参考例4の場合、ニーダ全域に均一に有機溶剤を噴射できたものの、再利用した有機溶剤(不揮発分濃度162ppm)を使用しているため、有機溶剤中のエポキシ樹脂組成物濃度が非常に高くなり、残留量は大きく上昇し、適正な洗浄効果を得ることはできなかった。
Figure 2013126756
熱硬化性樹脂組成物を調製するニーダ等の混練設備内において、少ない有機溶剤量および洗浄時間で高い洗浄効果を得ることができる。
1:プラネタリーミキサー
2:撹拌ブレード
3:スプレーノズル
4:メッシュフィルター
5:循環ポンプ
6:溶剤配管

Claims (9)

  1. 熱硬化性樹脂組成物を調製した後、樹脂組成物が残留したニーダの内面を洗浄する方法において、ニーダの内面で、その底面からニーダ高さの50%以上の箇所に、ニーダの円周方向に実質的に等角度となるように設置された2個以上のスプレーノズルを用い、ニーダ容量に対する体積比が5〜25%の有機溶剤を、スプレーノズルから噴射角度が水平方向から上向きに0°〜80°の範囲に噴射し、スプレーノズルより噴射した有機溶剤をニーダ底面の回収口より回収し、循環ポンプで循環することにより有機溶剤をスプレーノズルよりニーダの内面に繰り返し噴射して、1分当たりのスプレーノズルからの有機溶剤の吐出量をニーダ容量で除した値である循環比を0.05〜0.5min−1とし、かつ、循環比と洗浄時間の積である全循環比を0.25〜15の範囲とすることを特徴とするニーダ洗浄方法。
  2. ニーダの内面の洗浄に1回以上使用され、貯蔵された有機溶剤を再利用してニーダの内面を洗浄する洗浄工程(粗洗浄工程)と、新品の有機溶剤を使用してニーダの内面を洗浄する洗浄工程(本洗浄工程)を、それぞれ少なくとも1回以上含む、請求項1に記載のニーダ洗浄方法。
  3. 本洗浄工程に使用する洗浄1回あたりの有機溶剤量は、粗洗浄工程に使用する総有機溶剤量を本洗浄工程の洗浄回数n(但し、n≧2)で除した量の80〜100%の量である、請求項2に記載のニーダ洗浄方法。
  4. 熱硬化性樹脂組成物が、熱可塑性樹脂を含んだエポキシ樹脂組成物である、請求項1〜3のいずれかに記載のニーダ洗浄方法。
  5. 熱硬化性樹脂組成物を調製するためのニーダにおいて、ニーダの内面に残留した調製後の樹脂組成物を除去するために用いられる有機溶剤を噴射する2個以上のスプレーノズルが、ニーダの内面で、その底面からニーダ高さの50%以上の箇所に、ニーダの円周方向に実質的に等角度となるように、かつ、スプレーノズルの噴射角度が水平方向から上向きに0°〜80°の範囲となるように設置されていることを特徴とする、熱硬化性樹脂組成物の調製ニーダ。
  6. 残留した樹脂組成物の除去に用いられ、回収された有機溶剤を循環させるための、循環ラインと循環ポンプを備え、循環ポンプの入り側には濾過フィルターが設置されている、請求項5に記載の調製ニーダ。
  7. 有機溶剤を貯蔵するタンクとして、新品の有機溶剤を貯蔵する有機溶剤タンクと、1回以上洗浄に使用された有機溶剤を貯蔵する洗浄液タンクが設置されている、請求項5または6に記載の調製ニーダ。
  8. 請求項1〜4のいずれかに記載の方法で洗浄されたニーダを用いて、または、請求項5〜7のいずれかに記載の調製ニーダを用いて調製された熱硬化性樹脂組成物が用いられてなる、ホットメルトプリプレグ。
  9. 熱硬化性樹脂組成物が、熱可塑性樹脂を含んだエポキシ樹脂組成物である、請求項8に記載のホットメルトプリプレグ。
JP2012244259A 2011-11-18 2012-11-06 調製ニーダおよびニーダの洗浄方法、ホットメルトプリプレグ Pending JP2013126756A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012244259A JP2013126756A (ja) 2011-11-18 2012-11-06 調製ニーダおよびニーダの洗浄方法、ホットメルトプリプレグ

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011252179 2011-11-18
JP2011252179 2011-11-18
JP2012244259A JP2013126756A (ja) 2011-11-18 2012-11-06 調製ニーダおよびニーダの洗浄方法、ホットメルトプリプレグ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013126756A true JP2013126756A (ja) 2013-06-27

Family

ID=48777567

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012244259A Pending JP2013126756A (ja) 2011-11-18 2012-11-06 調製ニーダおよびニーダの洗浄方法、ホットメルトプリプレグ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013126756A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016063788A (ja) * 2014-09-25 2016-04-28 不二製油株式会社 油性菓子生地のコンチング方法及び装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016063788A (ja) * 2014-09-25 2016-04-28 不二製油株式会社 油性菓子生地のコンチング方法及び装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN103597004B (zh) 环氧树脂的高潜伏性的固化剂
WO2018184393A1 (zh) 一种石墨烯复合材料的连续式生产设备以及制备方法
JP5809028B2 (ja) エポキシ樹脂プレポリマーの除去方法および該方法を用いた炭素繊維強化樹脂中間基材からの炭素繊維の分離回収方法
CN101104725A (zh) 一种高性能环氧树脂复合材料的制备方法
CN102076735A (zh) 环氧树脂组合物以及使用该组合物的预浸料坯
CN102216394A (zh) 热固性树脂组合物以及使用该热固性树脂组合物的预浸料坯
KR101612296B1 (ko) 단열성이 우수한 폴리우레탄 폼 보드의 제조장치
CN1238460C (zh) 用于粉末冶金的粘结剂和混合粉末及混合粉末生产方法
JP2013126756A (ja) 調製ニーダおよびニーダの洗浄方法、ホットメルトプリプレグ
CN103962080A (zh) 一种易清洁的反应釜
CN103894079A (zh) 聚氨酯基中空纤维超滤膜的制备方法及其制品
CN106065302A (zh) 一种计算机通信配电柜安装用密封胶
CN105838202A (zh) 水性纳米汽车涂料的制备方法
CN208959762U (zh) 一种涂料生产用混料装置
CN102838839B (zh) 一种环氧树脂组合物及其制备方法
CN102827456B (zh) 环氧树脂组合物及其制备方法
JPH01108281A (ja) 反応性ホットメルト接着剤等の熱硬化性溶融可能混合物の製造方法および設備
CN202700409U (zh) 一种配料罐
KR101480809B1 (ko) 리그닌-폴리에스테르 수지 혼합 분말의 제조 방법 및 이에 따라 제조되는 리그닌-폴리에스테르 수지 혼합 분말
CN214915383U (zh) 一种水性聚氨酯生产用循环分散装置
CN208049923U (zh) 一种反应釜
JP2014062232A (ja) 撹拌装置に使用される容器、撹拌装置、及び非水電解質蓄電デバイス用セパレータの製造方法
JP2018130690A (ja) 加圧反応装置、及びそれを用いた有価金属の浸出処理方法
CN207119365U (zh) 高分子阻燃剂生产用搅拌器
CN105778724A (zh) 一种阴极水性涂料乳液及其生产工艺