JP2013126677A - 多電極サブマージアーク溶接用フラックス入りワイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、HAZ靱性を確保するために適用される3電極以上の多電極SAW法の溶接時において、経済生産性に優れたフラックス入りワイヤを提供することにある。
【解決手段】3電極以上の多電極サブマージアーク溶接に使用されるフラックス入りワイヤであって、ワイヤ径が3.2mm以下で、かつ、鋼製外皮および充填フラックスの一方または両方の合計がワイヤ全質量に対して質量%で、C:0.04〜0.22%、Si:0.1〜0.6%、Mn:1.0〜3.0%、Ni:4.0〜10.0%、Mo;3.0%以下、Ti;0.01〜0.25%、REM:0.01〜0.5%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、前記ワイヤ全質量に対する前記充填フラックスの充填率が10〜40質量%であることを特徴とするサブマージアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
【選択図】図1

Description

本発明は、天然ガス、原油輸送用ラインパイプ等、あるいは構造用パイプ等の用途に供される高強度の大径溶接鋼管の製管溶接に使用される多電極サブマージアーク溶接用フラックス入りワイヤに関する。
近年、天然ガス、あるいは原油輸送用パイプラインのトータルコスト削減のため、操業圧力の高圧化とともに使用鋼材量の低減と現地溶接施工コスト削減が可能な高強度大径鋼管をこれら用途への適用が検討され始めている。このような高強度大径鋼管は、その溶接部の品質が優れていること、溶接ビード概観が美麗であること、また、大入熱での高速溶接が可能であること等の特長から、一般的にサブマージアーク溶接による内外面からの両面一層溶接によって製造される。また、適用される鋼管の高強度化、あるいは厚肉化、といった要求は強く、かかる要求を満足させるための鋼管素材、溶接方法および溶接材料の開発は極めて重要である。
しかしながら、上述した高強度化、あるいは厚肉化された鋼材の溶接部、特に溶接熱影響部(以下、HAZと記載する。)においては、その機械的特性、低温靱性の確保が困難である、という事例がしばしば散見される。
これは、材料に要求される強度特性を得るために鋼材に化学成分を多量に含有していること、さらに、多電極両面一層サブマージアーク溶接により生成されるHAZの領域が比較的大きいために生じる問題であり、それを解決するために鋼管の素材である鋼材の組成および溶接方法が多く提案されている。
例えば、特許文献1および2には、細径ワイヤを用いた多電極サブマージアーク溶接方法(以下、「細径SAW法」と記載する。)が開示されている。この細径SAWでは、細径ワイヤの使用による電流密度増加効果と深溶込み特性によって得られる溶接入熱の低減効果により、適用される鋼管の化学成分を変更することなく所定のHAZ靱性を得ることが可能な溶接方法であり、上述したような高強度で厚肉の鋼管(高強度・厚肉鋼管)のみならず、比較的低強度の鋼管であっても厳しい低温靱性が要求されるような場合でも、細径SAW法の靱性向上効果が期待できることから、今後適用の拡大が見込まれている。
ところで、上記細径SAW法に適用される溶接材料は、中実のソリッドワイヤもしくは中空構造内にフラックス成分を充填したフラックス入りワイヤのいずれかを用いることとされており、一般的なサブマージアーク溶接方法には前者が適用される場合が多い。
高強度・厚肉鋼管、あるいは低温靱性が要求される鋼管用溶接ワイヤは、その機械的特性、特に低温靱性を確保するために、Ni、Mo等の合金元索を添加して製造されるが、このような高合金系のソリッドワイヤは一般的に強度が高いために、溶接ワイヤ生産工程のうち線引き・縮径工程の生産性が極めて低下するという問題がある。
このため実際の溶接ワイヤ生産工程では、縮径工程の途中で軟化熱処理を実施せざるを得ず、熱処理を実施した場含においてもワイヤ表面にヒビまたは割れ等が発生する場合もある。これらの問題は、一般的なサブマージアーク溶接用溶接ワイヤでは許容されうる場合もある。細径SAW法では、溶接ワイヤとして概ね4.0mm径が用いられる場合が多い。しかし、この径よりも細い細径SAW用溶接ワイヤの製造工程では、縮径加工がさらに厳しくなり、その生産性・経済性が著しく低下してしまう。
一方、この問題を解決するために特許文献3および4には、サブマージアーク溶接用のフラックス入りワイヤの鋼製外皮内の中空に金属(合金)粉、フラックス成分等を充填して製造することが開示されている。この方法は、ソリッドワイヤ製造時のようなワイヤ伸線時の加工硬化の問題がなく、細径の高含金系ワイヤであっても加工硬化に伴う製造性の低下は基本的に小さく、生産性・経済性に優れている。
しかしながら、一方で、フラックス入りワイヤの製造工程での、充填される合金成分およびフラックスの均質性が一定でないことに起因して溶接金属中の化学成分の変動が生ずる。この化学成分の変動は、ソリッドワイヤに比してやや大きいことや、充填される合金成分およびフラックスの化学成分の種類またはその含有量によっては、溶接金属の酸素量が上昇しやすくなる傾向にあるという問題がある。一方、溶接金属の靱性を確保する観点では特に溶接金属を低酸素化とすることが要望されている。また、溶接金属の酸素がある程度高い状況下であったとしても、溶接金属の靱性を劣化させないような化学組成を有するフラックス入りワイヤがあわせて要望されている。
特開2003−33876号公報 特開2006−263814号公報 特開昭48−85443号公報 特開61−242791号公報
前述したように、合金成分が多く含有される高強度鋼管用溶接ワイヤはその生産性の観点からフラックス入りワイヤが望ましく、かつ、溶接金属の各種特性を確保する必要がある。特に、溶接金属の低温靱性を確保するための成分設計が重要である。
本発明は、上記の要請に有利に応えるもので、背景技術や諸問題を鑑み、HAZ靱性を確保するために適用される3電極以上の多電極SAW法の溶接時において、所定の溶接金属の特性を満足させるために好適、かつ経済生産性に優れたフラックス入りワイヤを提供することにある
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その要旨構成は以下の通りである。すなわち、
[1] 3電極以上の多電極サブマージアーク溶接に使用されるフラックス入りワイヤであって、ワイヤ径が3.2mm以下で、かつ、鋼製外皮および充填フラックスの一方または両方の合計がワイヤ全質量に対して質量%で、C:0.04〜0.22%、Si:0.1〜0.6%、Mn:1.0〜3.0%、Ni:4.0〜10.0%、Mo;3.0%以下、Ti;0.01〜0.25%、REM:0.01〜0.5%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、前記ワイヤ全質量に対する前記充填フラックスの充填率が10〜40質量%であることを特徴とするサブマージアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
[2] 前記フラックス入りワイヤにおいて、さらに鋼製外皮および充填フラックスの一方または両方の合計がワイヤ全質量に対して質量%で、B;0.005%以下、Cu;0.5%以下、Cr;1.0%以下、V:0.1%以下、Nb;0.05%以下の中から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする[1]記載のサブマージアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
本発明によれば、天然ガス、原油輸送用高強度ラインパイプ、構造用高強度鋼管等、高強度と低温靱性が要求される溶接鋼管を優れた生産性・経済性の元に提供することが可能となる。
実施例における溶接継手作製用の開先形状を示した図である。 実施例における衝撃試験片採取位置を示した図である。
以下、本発明の実施の形態を以下に述べる。前述したように、本発明が対象とする溶接方法は、細径の溶接ワイヤを使用した多電極サブマージアーク溶接方法である。本発明において細径とは3.2mm以下の溶接ワイヤを意味するものとする。この細径の溶接ワイヤを使用した多電極サブマージアーク溶接方法は、ワイヤの細径化により溶接時の電流密度を向上させ、その効果により、投入される溶接入熱量を低減した場合でも深い板厚方向の溶け込みを得ることが達成することが出来る。
このため、ある板厚の鋼板(鋼管)を両面一層溶接する場合に必要とされる溶接入熱量が大幅に低減され、その結果、HAZ靱性の確保も容易となる。本発明の細径ワイヤは、多電極サブマージアーク溶接方法に適用されることが前提である。
一方で細径フラックス入りワイヤの適用に際しての溶接金属部の特性に関して最も懸念される事項は、溶接金属部の酸素量増大に伴う低温靱性の低下である。一般的に高強度鋼溶接金属部の靱性は、酸素量を低減させることにより向上する傾向がある。溶接金属部の酸素量は適用される母材および溶接ワイヤの組成、含まれる脱酸元素の量、散布されるフラックスの組成比・塩基度、溶接条件(電流、電圧、調度等)といった多様な支配因子によって決定されるため、その制御は極めて困難である。
さらに、フラックス入りワイヤの特徴として、充填剤に含有される酸化物や結晶水などの影響により、ソリッドワイヤと比較して酸素量が高くなる傾向がある。さらに、また、細径SAW法は溶接入熱量が低いため、一般的なSAW溶接と比較して溶融部の凝固速度が速くなり、溶融池内の脱酸反応、脱酸生成物の浮上が十分に促進されないと傾向がある。その結果として、溶接金属部の酸素量が低下しないといった問題が生じる。
そこで、本発明者らは、上記問題を解決するために鋭意検討を行い、溶接ワイヤの製造にあたってフラックス入りワイヤの製造工程の特長を活かし、REMを比較的多く含有したフラックスを充填成分として使用することにより、酸素量がある程度多く含まれる溶接金属においても、低温靱性の確保が可能であるという新たな知見を見出した。
以下に本発明の細径サブマージアーク溶接用フラックス入りワイヤの成分等限定理由に関して説明する。以下の説明で特に断らない場合以外は、%は鋼製外皮および充填フラックスの一方または両方の合計がワイヤ全質量に対する質量%を表している。
C:0.04〜0.22%
Cは溶接金属部の強度を確保するため強化元素として含有させる。また、溶接アーク雰囲気下でのCOガス生成反応により、溶接金属の酸素量を低下させる効果のみならず、発生するCOガスのシールド効果により溶接金属部へのNの巻き込み混入を防ぐ、という複合効果を有する極めて重要な元素である。しかし、Cの含有量0.04%未満ではCOガスのシールド効果が不十分であり、また、高強度鋼への適用を想定した場合には強度不足となる。一方、含有量が0.22%を超える場合、溶接金属の金属組織がマルテンサイト組織などの焼入組織となり、靱性が低下する。
従って、C含有量は0.04〜0,22%に規定する。
Si:0.1〜0.6%
Siは溶接金属部の強度を確保するため強化元素として含有させる。また、Siは脱酸能を有するために、溶接金属部の酸素量を低下させる効果を有する。その含有量は0.1%未満ではこの効果は不十分であり、0.6%を超えて含有すると溶接金属中に低靱性のM−A(Martensite−Austenite constituent)と呼ばれるオーステナイトとマルテンサイトの混合組織の生成を助長させ、靱性が低下する。従って、Si含有量は0.1〜0.6%に規定する。
Mn:1.0〜3.0%
Mnは焼入性を向上させることにより、溶接金属の強度確保に寄与し、また他の合金成分に比較して安価であることから、積極的な添加が有効である。しかし、その含有量が1.0%未満では、焼入性が不足するため溶接金属部の強度が低下する。また、一方で、3.0%を超えると焼入性が過剰となり、靱性が低下する。従ってMn含有量は1.0〜3.0%に規定する。
Ni:4.0〜10.0%
Niは焼入性向上に効果があり、溶接金属部の強度確保に寄与すると共に、特に高強度が必要とされる溶接金属の場合の低温靱性の向上に有効に作用する。しかし、Niの含有量が4.0%未満ではその効果が十分ではなく、10%を超えると靱性向上効果が飽和するとともに、溶接条件等によっては溶接金儒部の高温割れを助長させる場合がある。従って、Ni含有量は10.0%以下に規定する。
Mo;3.0%以下
Moは焼入性向上により溶接金属部の強度確保に寄与するが、Niと同様に強度要求値が比較的高い場合に特にその効果が発揮され、3.0%以下の範囲で含有させる。3.0%を超える場合、焼入性が過多となり、靱性低下の原因となる。従ってMo含有量は3.0%以下とする。
Ti;0.01〜0.25%
Tiは脱酸元累として溶接金属部の低酸素化に効果を有すると共に、部分的にTi酸化物やTi窒化物として溶接金属内に生成し、靱性向上に寄与する。これらの効果は含有量が0.01%未満では発現せず、また、0.25%を超えて含有した場合、Ti炭化物の生成が助長され、靱性を署しく低下させる。従って、Ti含有量は0.01〜0.25%に規定する。
REM:0.01〜0.5%
REMは本発明において最も重要な元索であり、その含有の効果および限定理由は以下の通りである。REMは主にCe,La等のアルカリ土類金属で構成され、比較的強い脱酸能を有する。また、REMの脱酸生成物はAl酸化物等の凝集しやすい酸化物と異なり、一部は酸化物、硫化物、これらの複合介在物として微細に生成することが知られている。この微細に分散したREMの硫化物等によるミクロ組織の微細化効果を利用し、例えば大入熱溶接用鋼板等では数十ppmのREMを添加し、その靱性を向上される試みがなされている。
一方、溶接金属で同様の効果を達成させるためには、溶接ワイヤの溶融、再凝固過程においてREMの歩留まりが著しく低いために、予め溶接ワイヤに多量のREMを添加しておく必要があるが、一般的なソリッドワイヤの場合、その溶製段階で多量のREMを添加することは、製鋼時のノズル閉塞やビレットの割れの原因となり、種々の製造性の低下を助長するために現実に使用することは極めて困難である。
一方、フラックス入りワイヤの場合、充填剤の中に直接REMを含有させることが可能であることから、溶接時の低い歩留まり率であっても溶接金属内に十分にREM酸硫化物を残すことが可能となる。しかしながら、含有量が0,01%来満では溶接金属内にREMが歩留まらず、一方、0.5%を超えて過剰に添加すると逆にREM酸硫化物の量が多くなり過ぎ、靱性低下を引き起こす。従ってREM含有量は0.01〜0.5%に規定する。
ワイヤ全質量に対する充填フラックス成分の質量%(充填率):10〜40%
ワイヤ全質量とは鋼製外皮および充填フラックスの全質量である。ワイヤ全質量に対する充填フラックス成分の質量比を充填率(%)と云う。この充填率(%)が10%未満の場合、成型が困難になるとともに、強度靱性を確保するための合金成分が不足する。一方、充填率が40%を超える場合、溶接ワイヤ製造過程で伸線性が低下し、製造工程の途中での断線等が発生し、溶接ワイヤの製造性を害する。従って、ワイヤ全質量中の充填フラックスの充填率は10〜40質量%とする。さらに好ましくは、この充填率は20〜35%である。
また本発明では、以下に示す成分の1種以上を任意的、選択的に含有した場合においてもそれぞれの元素が有する所定の効果を得ることが出来る。
B;0.005%以下
Bは通常Bの形で添加され、アーク中で解離し、焼入性確保と靱性を低下する粒界フェライトの生成抑制に有効なBを溶接金属に供給する目的で含有される。しかし、Bの形での添加は、溶接条件によって溶接金属への歩留まりが一定せず、そのため、含有の効果は得られないことが多い。そこで、本発明では、Bを含有させる場合には、鋼製外皮および充填フラックスの一方または両方に金属状態でBを含有させることが好ましい。このBは0.005%を超えて添加すると溶接金属部のBが高くなり過ぎ、焼入性の過多に伴う靱性低下や、場合によっては低温割れを助長する。従って、B量は0.005%以下に規定する。また、含有量が0.001%未満では歩留まりが低くなり、Bが溶接金属内に残存せず上記の効果が得られない場合があるので、下限は0.001%とすることが好ましい。
Cu;0.5%以下、Cr;1.0%以下、V:0.1%以下、Nb;0.05%以下
上記元素群は主に溶接金属部の強度を調整する目的で添加される。従って、これまでに記載した元素群で所定の特性が満足可能な場合は含有する必要がないことから、それぞれの含有量下限値は規定しない。また、それぞれが上記既定値を超えて添加された場合、強度が高くなり過ぎ、靱性の低下を助長させる。従って各元素の含有量の上限値は上記したそれぞれの値を適用する。
以下、本発明の効果を実施例により詳細に説明する。
表1の化学組成を有する軟鋼帯鋼を使用しU型に成型加工を行い、内部に予め成分調整を行った各種メタル系フラックスを充填し、O型にラップ成型後、伸線、焼鈍工程によりサブマージアーク溶接用フラックス入りワイヤを作製した。なお、ワイヤ径は本発明範囲内である2.4および3.2mm径の細径ワイヤを基本とし、一部、比較例として一般的なサブマージアーク溶接で多く適用されている4.0mm径の溶接用フラックス入りワイヤを用いた。表2に本発明および比較例となる溶接フラックス入りワイヤ成分をまとめて記載する。
Figure 2013126677
Figure 2013126677
表2に示した溶接フラックス入りワイヤを用いて厚鋼板の岡面1層サブマージアーク溶接を実施した。サブマージアーク溶接時に使用した溶融型フラックスを表3に示す。
Figure 2013126677
供した鋼板は板厚25.4mmの厚鋼板であり、細径ワイヤを用いた場合、また比較例として4.0mmφワイヤを用いた場合の開先形状を図1にそれぞれ示す。また、それぞれの開先形状、電極数、および適用溶接ワイヤ径に適合、使用した溶接条件を表4にまとめて記載する。
Figure 2013126677
細径ワイヤを適用する場合、板厚方向の溶込深さが大きくなることから、同じ板厚であっても開先断面積を小さく、溶接入熱を小さく出来ることが特徴である。
内面および外面のそれぞれの溶接終了後、図2に示すように、外面側鋼板表面下7mm位置を中心に、シャルピー衝撃試験片(JIS Z2202 4号)を採取し、その低温靱性を評価した。評価した切欠位置は、(A)溶接金属中心部、および(B)溶融線部(溶接金属と熱影響部の割合がそれぞれ50%となるようにシャルピー衝撃試験片のノッチ底面が当たるようにした位置)、のそれぞれとし、評価は−30℃での吸収エネルギーが100J以上であれば良好と規定した。評価結果をまとめて表5に記載する。
Figure 2013126677
表5で示すように、本発明からなる細径SAW用フラックス入りワイヤを用いた継手(A1〜A16)では、溶接金属部、および溶融線部の低温靱性が極めて良好であることが明らかである。これに対して、溶接ワイヤの化学組成、もしくはフラックスの充填率等、本発明で規定した範囲を逸脱する比較例(B1〜B12)の場合、細径多電極溶接の適用により溶接入熱量が低減されているために、溶融線部の低温靱性は良好であるものの、溶接金属部の靱性が低くなった。また、比較例のワイヤ製造工程において、ワイヤの折れ曲がり、もしくは断線などが発生し、製造性が低下し、さらに溶接作業中にもワイヤの折れ曲がり、もしくは断線現象が生じた。4.0mm径のワイヤを用いた比較例B13〜B15の場合、溶接金属部の靱性は所定の性能を滴足するが、入熱が過多となるために溶融線部の低温靱性が低い結果となっている。

Claims (2)

  1. 3電極以上の多電極サブマージアーク溶接に使用されるフラックス入りワイヤであって、
    ワイヤ径が3.2mm以下で、かつ、鋼製外皮および充填フラックスの一方または両方の合計がワイヤ全質量に対して質量%で、C:0.04〜0.22%、Si:0.1〜0.6%、Mn:1.0〜3.0%、Ni:4.0〜10.0%、Mo;3.0%以下、Ti;0.01〜0.25%、REM:0.01〜0.5%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、前記ワイヤ全質量に対する前記充填フラックスの充填率が10〜40質量%であることを特徴とするサブマージアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
  2. 前記フラックス入りワイヤにおいて、さらに鋼製外皮および充填フラックスの一方または両方の合計がワイヤ全質量に対して質量%で、B;0.005%以下、Cu;0.5%以下、Cr;1.0%以下、V:0.1%以下、Nb;0.05%以下の中から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする請求項1記載のサブマージアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
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