JP2013126616A - 流体流通装置、抽出方法及び反応方法 - Google Patents

流体流通装置、抽出方法及び反応方法 Download PDF

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Abstract

【課題】混合流体に含まれる複数の流体同士の相互作用が生じた後、その混合流体から所望の流体又は生成物を分離する分離作業を簡略化する。
【解決手段】流体流通装置では、分離ヘッダ3は、流路構造体2に形成された第1混合流体流路38の下流側の端部と連通する内部空間3aを有し、この内部空間3aに流入する混合流体の流れ方向に対して直交する方向における当該内部空間3aの断面は、第1混合流体流路38から当該内部空間3aに流入した混合流体が軽質流体と重質流体とに比重差によって分離するような断面形状を有し、軽質流体導出路40は、内部空間3aのうち軽質流体が溜まる部分に繋がり、導出ノズル4は、内部空間3aのうち重質流体が溜まる部分に繋がるように分離ヘッダ3に設けられている。
【選択図】図5

Description

本発明は、流体流通装置、抽出方法及び反応方法に関するものである。
従来、複数の流体同士を合流させて相互作用を生じさせる手段としての流体流通装置が知られている。下記特許文献1には、このような流体流通装置の一例としてのマイクロリアクタが示されている。
特許文献1に示されたマイクロリアクタは、2流体を合流させて流すための流路が形成されたプレートを備えている。このプレートに形成された流路は、2流体のうち一方の流体である第1流体を流すための第1流路と、もう一方の流体である第2流体を流すための第2流路と、これらの両流路を流れる流体が合流した後、その混合流体が流れる混合流体流路とを有している。第1流路と第2流路の上流側の各端部には、各流路に流体を導入するための入口がそれぞれ形成されており、第1流路と第2流路は、それらの入口から下流側へ向かうにつれて徐々に互いに接近するように延びている。そして、第1流路の下流側の端部と第2流路の下流側の端部は、混合流体流路の上流側の端部に繋がっている。混合流体流路の下流側の端部には、当該混合流体流路を通って流れる混合流体を取り出すための出口が形成されている。混合流体流路では、上記混合流体が、微小長さを有する第1流体の複数のスラグと微小長さを有する第2流体の複数のスラグとが流通方向に沿って交互に並ぶスラグ流の状態で下流側へ流れつつ、その混合流体中で第1流体と第2流体との接触界面を介して両流体同士の相互作用が生じる。
特開2009−233483号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のマイクロリアクタでは、混合流体において第1流体と第2流体との相互作用が生じた後、その混合流体に含まれる第1流体、第2流体及び相互作用によって生じた生成物等が全て混ざり合った状態で混合流体流路の出口から排出されるため、その排出された流体から第1流体と第2流体を分離したり、生成物を分離したりするための分離作業が非常に煩雑になるという問題点がある。
この発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、混合流体に含まれる複数の流体同士の相互作用が生じた後、その混合流体から所望の流体又は生成物を分離する分離作業を簡略化することである。
上記目的を達成するために、この発明による流体流通装置は、流体を流通させる流体流通装置であって、流体を流通させるための流通路が内部に形成された流路構造体と、前記流路構造体に取り付けられ、前記流通路を通って流れる流体を比重の小さい軽質流体とその軽質流体よりも比重の大きい重質流体とに比重差によって分離させるための分離ヘッダと、前記分離ヘッダで分離された軽質流体をその分離ヘッダから導出するための軽質流体導出部と、前記分離ヘッダで分離された重質流体をその分離ヘッダから導出するための重質流体導出部とを備え、前記流通路は、互いに混合された複数種類の流体からなる混合流体が流れる混合流体流路を有し、前記分離ヘッダは、前記混合流体流路の下流側の端部と連通する内部空間を有し、この内部空間に流入する前記混合流体の流れ方向に対して直交する方向における当該内部空間の断面は、前記混合流体流路から当該内部空間に流入した前記混合流体が軽質流体と重質流体とに比重差によって分離するような断面形状を有し、前記軽質流体導出部は、前記内部空間のうち前記軽質流体が溜まる部分に繋がり、前記重質流体導出部は、前記内部空間のうち前記重質流体が溜まる部分に繋がっている。
この流体流通装置では、混合流体流路の下流側に分離ヘッダの内部空間が繋がっていて、その内部空間に流入する混合流体の流れ方向に対して直交する方向における当該内部空間の断面は混合流体流路から当該内部空間に流入した混合流体が軽質流体と重質流体とに比重差によって分離するような断面形状を有しており、さらに、その内部空間のうち軽質流体が溜まる部分に軽質流体導出部が繋がり、その内部空間のうち重質流体が溜まる部分に重質流体導出部が繋がっているため、例えば、混合流体から分離したい物質が軽質流体に含まれる場合には前記内部空間から軽質流体導出部を通じてその物質が含まれる軽質流体を導出することができ、混合流体から分離したい物質が重質流体に含まれる場合には前記内部空間から重質流体導出部を通じてその物質が含まれる重質流体を導出することができる。すなわち、この流体流通装置では、混合流体流路を流れる混合流体中でその混合流体に含まれる複数の流体同士の相互作用が生じた後、その混合流体から所望の流体を分離して取り出すことができる。さらに、この流体流通装置では、当該流体流通装置が備える分離ヘッダの内部空間で混合流体が軽質流体と重質流体に分離されるため、その軽質流体又は重質流体が所望の流体である場合には流体流通装置から導出された後の軽質流体又は重質流体について分離作業を行う必要がない。また、軽質流体又は重質流体に所望の生成物が含まれる場合には、その軽質流体又は重質流体からの生成物の分離は、流通路を流れる複数種類の流体及び生成物が全て混ざり合った状態の混合流体から所望の生成物を分離する場合に比べて簡略な分離作業で行える。従って、この流体流通装置では、混合流体に含まれる複数の流体同士の相互作用が生じた後、その混合流体から所望の流体又は生成物を分離する分離作業を簡略化することができる。
上記流体流通装置において、前記内部空間に流入する前記混合流体の流れ方向に対して直交する方向における前記内部空間の断面は、当該内部空間に流入する前記混合流体についてのフルード数が1よりも小さくなるように設定された相当直径を有することが好ましい。
この構成によれば、分離ヘッダの内部空間に流入した混合流体に作用する重力の影響をその混合流体の流れ方向への慣性力よりも大きくすることができる。具体的には、分離ヘッダの内部空間に流入した混合流体についてのフルード数Frは、Fr=U/(D・g)1/2という数式で表される。ここで、Uは、分離ヘッダの内部空間に流入した混合流体の流速であり、Dは、混合流体の流れ方向に対して直交する方向における内部空間の断面の相当直径であり、gは、重力加速度である。なお、内部空間の断面の相当直径とは、任意の形状に形成された内部空間の断面に対して等価な円形断面を想定する場合のその円形断面の直径のことを意味し、混合流体の流れ方向に対して直交する方向における内部空間の断面積をA、その内部空間の断面の周長をuとすると、相当直径D=4A/uという数式で表される。前記フルード数Frが1よりも小さい場合とは、分離ヘッダの内部空間では当該内部空間に流入した流体の流れ方向への慣性力よりも重力の影響の方が支配的となることを意味する。このため、本構成のように、分離ヘッダの内部空間の断面が、当該内部空間に流入する混合流体についてのフルード数が1よりも小さくなるように設定された相当直径を有していれば、当該空間に流入した混合流体に作用する重力の影響をその流体の流れ方向への慣性力よりも支配的にすることができ、その結果、当該内部空間において混合流体のうちの重質流体を下方へ沈ませてその混合流体を重質流体と軽質流体とに分離することができる。従って、本構成によれば、混合流体流路から分離ヘッダの内部空間に流入した混合流体が軽質流体と重質流体とに比重差によって分離するような分離ヘッダの内部空間の具体的な断面形状を得ることができる。
上記流体流通装置において、前記流通路は、第1流体が導入される第1導入路と、第2流体が導入される第2導入路と、前記第1導入路の下流側の端部及び前記第2導入路の下流側の端部に繋がり、前記第1導入路を流れる前記第1流体と前記第2導入路を流れる前記第2流体とが混合するようにそれら両流体同士を合流させる合流部とを有し、前記混合流体流路は、前記合流部の下流側に繋がり、当該混合流体流路には、前記合流部で合流して互いに混合された前記第1流体と前記第2流体からなる混合流体が流入してもよい。
この構成によれば、第1導入路に第1流体を導入するとともに第2導入路に第2流体を導入するだけで、それら両流体が合流部で互いに混合するように合流し、混合流体流路においてその混合した両流体同士の相互作用が生じ、その後、分離ヘッダの内部空間で自動的に混合流体が比重差によって軽質流体と重質流体とに分離する。すなわち、本構成では、流体流通装置内で第1流体と第2流体との混合から比重差による分離までの工程を全て行うことができる。このため、例えば、流通路が第1導入路、第2導入路及び合流部を備えておらず、流体流通装置の外部で第1流体と第2流体を混合してからその混合流体を混合流体流路に導入する必要がある流体流通装置に比べて、両流体の混合に要する装置を省略することができる。すなわち、本構成によれば、混合用の装置を別途設けることなく、流体流通装置内で第1流体と第2流体との混合から比重差による分離までの工程を全て行うことができる。
上記流体流通装置において、前記軽質流体導出部は、前記内部空間の前記軽質流体が溜まる部分に繋がるように前記流路構造体の内部に形成され、前記内部空間から前記軽質流体が流入する軽質流体導出路であり、前記流路構造体の内部には、前記軽質流体に混合するための流体が導入され、その流体を前記軽質流体導出路を流れる前記軽質流体に合流させるように前記軽質流体導出路に繋がる軽質側導入路が形成されていてもよい。
この構成によれば、軽質流体導出路を流れる軽質流体に対して軽質側導入路から追加の流体を合流させることができるため、軽質流体に対して追加の流体を混合させて相互作用させることができる。しかも、この構成では、分離ヘッダの内部空間で重質流体と分離した軽質流体に対して追加の流体を混合させることができるので、例えば混合流体中に軽質流体と追加の流体との相互作用の効率を低下させる物質が含まれていてその物質の大部分が分離ヘッダの内部空間で分離した重質流体に含まれる場合に、その物質の含有率の低下した軽質流体に対して追加の流体を混合させて相互作用させることができる。この結果、軽質流体と追加の流体との相互作用の効率を向上することができる。
上記流体流通装置において、前記重質流体導出部は、前記内部空間の前記重質流体が溜まる部分に繋がるように前記流路構造体の内部に形成され、前記内部空間から前記重質流体が流入する重質流体導出路であり、前記流路構造体の内部には、前記重質流体に混合するための流体が導入され、その流体を前記重質流体導出路を流れる前記重質流体に合流させるように前記重質流体導出路に繋がる重質側導入路が形成されていてもよい。
この構成によれば、重質流体導出路を流れる重質流体に対して重質側導入路から追加の流体を合流させることができるため、重質流体に対して追加の流体を混合させて相互作用させることができる。しかも、この構成では、分離ヘッダの内部空間で軽質流体と分離した重質流体に対して追加の流体を混合させることができるので、例えば混合流体中に重質流体と追加の流体との相互作用の効率を低下させる物質が含まれていてその物質の大部分が分離ヘッダの内部空間で分離した軽質流体に含まれる場合に、その物質の含有率の低下した重質流体に対して追加の流体を混合させて相互作用させることができる。この結果、重質流体と追加の流体との相互作用の効率を向上することができる。
本発明による抽出方法は、上記流体流通装置を用いて、抽出対象物を含む被抽出流体とその被抽出流体から前記抽出対象物を抽出するための流体である抽出剤とを混合し、前記被抽出流体から前記抽出剤へ前記抽出対象物を抽出させる抽出方法であって、前記被抽出流体と前記抽出剤のうちの一方の流体である一流体を前記第1導入路に導入するとともに、前記被抽出流体と前記抽出剤とのうちの他方の流体である他流体を前記第2導入路に導入する流体導入工程と、前記第1導入路に導入した前記一流体と前記第2導入路に導入した前記他流体が前記合流部で互いに混合するように合流し、その合流した両流体からなる混合流体が前記混合流体流路を流れながら、その混合流体中において前記被抽出流体と前記抽出剤との接触界面を介して前記被抽出流体から前記抽出剤へ前記抽出対象物を抽出させる抽出工程と、前記混合流体が前記混合流体流路から前記分離ヘッダの前記内部空間に流入してその内部空間で比重が小さい軽質流体とその軽質流体よりも比重が大きい重質流体とに比重差によって分離し、分離した軽質流体が前記内部空間から前記軽質流体導出部に導出され、分離した重質流体が前記内部空間から前記重質流体導出部に導出される分離工程とを備えている。
この抽出方法では、抽出工程後の混合流体が分離ヘッダの内部空間で軽質流体と重質流体とに分離されて、軽質流体は軽質流体導出部に導出され、重質流体は重質流体導出部に導出される。このため、例えば、抽出対象物を抽出した抽出剤が軽質流体である場合には、その抽出対象物を含む抽出剤を分離ヘッダの内部空間から軽質流体導出部を通じて取り出したり、抽出対象物を抽出した抽出剤が重質流体である場合には、その抽出対象物を含む抽出剤を分離ヘッダの内部空間から重質流体導出部を通じて取り出したりすることができる。さらに、この抽出方法では、流体流通装置が備える分離ヘッダの内部空間で抽出対象物を含む抽出剤を分離することができるため、流体流通装置から排出された後の流体についての抽出対象物の分離作業に係る作業負担を軽減することができる。
また、本発明による反応方法は、上記流体流通装置を用いて、互いに反応し得る流体からなる第1反応剤と第2反応剤とを混合してそれら両反応剤同士を反応させる反応方法であって、前記第1反応剤を前記第1導入路に導入するとともに前記第2反応剤を前記第2導入路に導入する反応剤導入工程と、前記第1導入路に導入した前記第1反応剤と前記第2導入路に導入した前記第2反応剤が前記合流部で互いに混合するように合流し、その合流した両反応剤からなる混合流体が前記混合流体流路を流れながら、その混合流体中において前記第1反応剤と前記第2反応剤との接触界面を介して前記第1反応剤と前記第2反応剤とを相互に反応させる反応工程と、前記混合流体が前記混合流体流路から前記分離ヘッダの前記内部空間に流入してその内部空間で比重が小さい軽質流体とその軽質流体よりも比重が大きい重質流体とに比重差によって分離し、分離した軽質流体が前記内部空間から前記軽質流体導出部に導出され、分離した重質流体が前記内部空間から前記重質流体導出部に導出される分離工程とを備えている。
この反応方法では、反応工程後の混合流体が分離ヘッダの内部空間で軽質流体と重質流体とに分離されて、軽質流体は軽質流体導出部に導出され、重質流体は重質流体導出部に導出される。このため、例えば、反応生成物が軽質流体に含まれる場合にはその反応生成物を含む軽質流体を分離ヘッダの内部空間から軽質流体導出部を通じて取り出したり、反応生成物が重質流体に含まれる場合にはその反応生成物を含む重質流体を分離ヘッダの内部空間から重質流体導出部を通じて取り出したりすることができる。さらに、この反応方法では、流体流通装置が備える分離ヘッダの内部空間で反応生成物を含む流体を分離することができるため、流体流通装置から排出された後の流体についての反応生成物の分離作業に係る作業負担を軽減することができる。
以上説明したように、本発明によれば、混合流体に含まれる複数の流体同士の相互作用が生じた後、その混合流体から所望の流体又は生成物を分離する分離作業を簡略化することができる。
本発明の第1実施形態による流体流通装置の斜視図である。 本発明の第1実施形態による流体流通装置の流路構造体を構成する基板の表面を示す図である。 図2に示した基板の裏面を示す図である。 図2中のIV−IV線に沿った第1実施形態による流路構造体の部分的な断面図である。 本発明の第1実施形態による流体流通装置において第1混合流体流路から分離ヘッダの内部空間に流入した混合流体が重質流体と軽質流体に分離して流れる様子を説明するための図である。 本発明の第2実施形態による流体流通装置の斜視図である。 本発明の第2実施形態による流路構造体の図4に対応する断面図である。 本発明の第2実施形態による流体流通装置において第1混合流体流路から分離ヘッダの内部空間に流入した混合流体が重質流体と軽質流体に分離して流れる様子を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
まず、図1〜図5を参照して、本発明の第1実施形態による流体流通装置の構成について説明する。
この第1実施形態による流体流通装置は、複数の流体が互いに混合するようにそれらの流体を流通させてそれらの流体同士の相互作用を生じさせるものである。
具体的には、この流体流通装置は、例えば、マイクロリアクタ、熱交換器または抽出装置等に用いられる。この流体流通装置がマイクロリアクタに用いられる場合には、互いに反応し得る複数種類の反応剤の流体が当該流体流通装置内を流通して混合されることにより、それらの流体同士の相互作用として化学反応が生じ、所望の反応生成物が得られる。また、この流体流通装置が熱交換器に用いられる場合には、当該流体流通装置内を流通する複数種類の流体のうちの所定の流体から別の流体への伝熱が行われる。また、この伝熱により、流体の蒸発又は凝縮が行われる場合がある。また、この流体流通装置が抽出装置に用いられる場合には、抽出対象物を含む一方の流体と抽出媒体である他方の流体とが当該流体流通装置内を流通して混合されることにより、一方の流体から他方の流体へ抽出対象物が抽出される。
この第1実施形態による流体流通装置は、流路構造体2と、分離ヘッダ3と、導出ノズル4とを備えている。
流路構造体2は、第1流体と第2流体が互いに混合するように両流体を流通させるとともにその混合後の流体を分離ヘッダ3の後述する内部空間3aに導入するための導入側流通路2aと、分離ヘッダ3の内部空間3aから流体を導出するとともにその流体に追加の流体を混合させて流通させるための導出側流通路2bとが内部に形成された直方体状の構造体である。なお、導入側流通路2aは、本発明の流通路の概念に含まれるものである。流路構造体2は、図1に示すように、複数の基板5と、複数の封止板6を備えている。これらの基板5及び封止板6は、矩形状の平板によってそれぞれ形成されている。
基板5は、その厚み方向において一方側を向く表面5a(図2参照)と、この表面5aと反対方向を向く裏面5b(図3参照)とを有する。基板5の表面5aには、複数の第1溝部10と、複数の第2溝部12とがエッチング加工によって形成されている。第1溝部10と第2溝部12は、同数設けられている。複数の第1溝部10は、基板5の長手方向に沿ってその基板5の長手方向の一端から他端側へ向かってその基板5の中間の所定の位置まで直線的に延びている。また、複数の第1溝部10は、基板5の長手方向に直交する幅方向に等間隔で互いに平行に並ぶように配置されている。複数の第2溝部12は、複数の第1溝部10に対して基板5の長手方向の前記他端側へ間隔をあけて配置されている。複数の第2溝部12は、基板5の幅方向の一端から他端側へ向かって延び、それぞれ対応する第1溝部10の延長線上で屈曲してその対応する第1溝部10と同方向において基板5の長手方向の前記他端まで延びている。
基板5の裏面5bには、複数の第3溝部14と、複数の第4溝部16と、複数の第5溝部18とがエッチング加工によって形成されている。第3溝部14、第4溝部16及び第5溝部18は、それぞれ同数設けられており、その数は、基板5の表面5aに形成された第1溝部10の数と同じである。そして、基板5の裏面5bに形成された各第3溝部14、各第4溝部16及び各第5溝部18と、基板5の表面5aに形成された各第1溝部10及び各第2溝部12とは、互いに対応している。複数の第3溝部14と、複数の第4溝部16と、複数の第5溝部18は、基板5の長手方向における前記一端側から前記他端側へ間隔をあけて配置されている。複数の第3溝部14は、基板5の幅方向の一端から他端側へ向かって延び、それぞれ対応する第1溝部10の裏側の位置で屈曲してその第1溝部10に沿って基板5の長手方向の前記他端側へ延びている。複数の第4溝部16の形状は、複数の第3溝部14の形状と同様である。また、複数の第5溝部18の形状は、複数の第3溝部14の形状と同様である。この複数の第5溝部18は、第3溝部14の端部が形成されている基板5の幅方向の一端から他端側へ向かって延び、それぞれ対応する第2溝部12が屈曲している点の裏側の位置で屈曲してその第2溝部12のうち基板5の長手方向に延びている部分に沿って基板5の長手方向の前記他端側へ延びている。
また、基板5には、複数の第1穴部20、複数の第2穴部22及び複数の第3穴部24が形成されている。
各第1穴部20は、基板5のうち当該基板5の表面5aに垂直な方向から見て各第1溝部10と重なる各第3溝部14の端部が位置する部位にそれぞれ設けられている。各第1穴部20は、基板5を表面5aから裏面5bへ当該基板5の厚み方向に貫通して各第3溝部14とその表側に位置する第1溝部10とを連通させている。
各第2穴部22は、基板5のうち当該基板5の表面5aに垂直な方向から見て各第1溝部10の第2溝部12側の端部と重なる各第4溝部16の端部が位置する部位にそれぞれ設けられている。各第2穴部22は、基板5を表面5aから裏面5bへ当該基板5の厚み方向に貫通して各第4溝部16とその表側に位置する第1溝部10とを連通させている。
各第3穴部24は、基板5のうち当該基板5の表面5aに垂直な方向から見て各第2溝部12と重なる各第5溝部18の端部が位置する部位にそれぞれ設けられている。各第3穴部24は、基板5を表面5aから裏面5bへ当該基板5の厚み方向に貫通して各第5溝部18とその表側に位置する第2溝部12とを連通させている。
封止板6は、基板5と交互に積層されている。基板5の表側に積層された封止板6は、その基板5の表面5aを覆った状態でその表面5aに拡散接合されており、基板5の裏側に積層された封止板6は、その基板5の裏面5bを覆った状態でその裏面5bに拡散接合されている。基板5の表面5aに接合された封止板6は、その表面5aに形成された第1溝部10、第2溝部12、第1穴部20、第2穴部22及び第3穴部24の各々の開口を封止している。基板5の裏面5bに接合された封止板6は、その裏面5bに形成された第3溝部14、第4溝部16、第5溝部18、第1穴部20、第2穴部22及び第3穴部24の各々の開口を封止している。
流路構造体2は、当該流路構造体2を構成する基板5及び封止板6の長手方向、すなわち前記第1溝部10が延びる方向が鉛直方向(重力方向)に一致するように配置される。流路構造体2の内部には、複数の前記導入側流通路2aと、複数の前記導出側流通路2bとが設けられている。導入側流通路2aと導出側流通路2bは、一対一で対応するように設けられている。導出側流通路2bと導入側流通路2aは、流路構造体2内において上下に間隔をあけて配置されている。また、流路構造体2内では、基板5の表面5a及び裏面5bに沿って複数の導入側流通路2aが並列に配置されるとともに複数の導出側流通路2bが並列に配置されている。そして、この並列に配置された複数の導入側流通路2aを1組として、複数組の導入側流通路2aが基板5及び封止板6の積層方向に等間隔に並ぶように配置され、また、前記並列に配置された複数の導出側流通路2bを1組として、複数組の導出側流通路2bが基板5及び封止板6の積層方向に等間隔に並ぶように配置されている。
各導入側流通路2aは、図4に示すように、第1導入路32と、第2導入路34と、第1合流部36と、第1混合流体流路38とを有する。
第1導入路32は、第1流体が導入されて流れる部分である。この第1導入路32は、当該第1導入路32に第1流体を導入するための第1導入口32a(図1参照)を有する。第1導入口32aは、流路構造体2の下面に開口しており、第1導入路32の上流側の端部に配置されている。第1導入路32は、その第1導入口32aから流路構造体2の長手方向に沿って上方へ直線的に延びている。第1導入路32は、基板5の表面5aに形成された開口が封止板6によって封止された第1溝部10のうち第1穴部20に対して第2穴部22と反対側に位置する部分によって形成されている。
第2導入路34は、第2流体が導入されて流れる部分である。この第2導入路34は、当該第2導入路34に第2流体を導入するための第2導入口34a(図1参照)を有する。第2導入口34aは、流路構造体2のうち基板5及び封止板6の積層方向及び当該流路構造体2の長手方向(上下方向)に対して直交する幅方向において一方側を向く側面に開口しており、第2導入路34の上流側の端部に配置されている。第2導入路34は、その第2導入口34aが形成された流路構造体2の側面から反対側の側面へ向かって延び、その第2導入路34が属する導入側流通路2aの第1導入路32と対応する位置で屈曲してその第1導入路32に沿って上方へ直線的に延びている。第2導入路34は、基板5の裏面5bに形成された開口が封止板6によって封止された第3溝部14によって形成されている。
第1合流部36(図4参照)は、第1導入路32を流れる第1流体と第2導入路34を流れる第2流体とを合流させる部分であり、本発明の合流部の概念に含まれる。第1合流部36は、第1導入路32の下流側の端部(上端)及び第2導入路34の下流側の端部(上端)と繋がっている。第1合流部36は、基板5の表面5a側の開口がその表面5aに接合された封止板6によって封止され且つ基板5の裏面5b側の開口がその裏面5bに接合された封止板6によって封止された第1穴部20によって形成されている。第1合流部36では、第1導入路32から第1流体が直線的に流入し、その第1流体に対して第2導入路34から当該第1合流部36に流入した第2流体が略水平方向において第1導入路32側(基板5の表面5a側)へ移動しながら合流する。
第1混合流体流路38は、第1合流部36で合流して互いに混合された第1流体と第2流体からなる混合流体が流れる部分である。この第1混合流体流路38は、本発明の混合流体流路の概念に含まれる。第1混合流体流路38は、混合流体がその流通方向に沿って第1流体の複数の微小なスラグと第2流体の複数の微小なスラグが交互に並ぶスラグ流の状態で流れるように構成されている。第1混合流体流路38の上流側の端部、すなわち第1混合流体流路38のうち基板5の表面5a側に設けられた部分の下端部は、第1合流部36の下流側の端部(上端)に繋がっている。この第1混合流体流路38は、当該第1混合流体流路38が繋がる第1合流部36から第1導入路32の延長線上において上方へ直線的に延びた後、基板5を厚み方向に貫通して基板5の裏面5b側へ延び、その後、下方へ直線的に延び、さらにその後屈曲して前記第2導入口34aが形成された流路構造体2の側面へ向かって延びている。第1混合流体流路38の下流側の端部は、前記第2導入口34aが形成された流路構造体2の側面に開口しており、第2導入口34aから上方へ間隔をあけて配置されている。混合流体は、この第1混合流体流路38内をスラグ流の状態で流れ、その混合流体中で第1流体のスラグと第2流体のスラグとの接触界面を介して第1流体と第2流体との相互作用が生じる。また、第1混合流体流路38は、基板5の表面5aに形成された開口が封止板6によって封止された第1溝部10のうち第1穴部20と第2穴部22との間に位置する部分と、基板5の表面5a側の開口がその表面5aに接合された封止板6によって封止され且つ基板5の裏面5b側の開口がその裏面5bに接合された封止板6によって封止された第2穴部22と、基板5の裏面5bに形成された開口がその裏面5bに接合された封止板6によって封止された第4溝部16とによって形成されている。この第1混合流体流路38の混合流体の流れ方向に直交する断面は、1mm程度の相当直径を有している。
各導出側流通路2bは、軽質流体導出路40と、軽質側導入路42と、第2合流部44と、第2混合流体流路46とを有する。
軽質流体導出路40は、分離ヘッダ3の後述する内部空間3aから後述する軽質流体を導出するための流路である。軽質流体導出路40は、分離ヘッダ3の後述する内部空間3aのうち後述する軽質流体が溜まる部分に繋がるように流路構造体2の内部に形成されており、分離ヘッダ3の内部空間3aから軽質流体が流入するように構成されている。軽質流体導出路40の上流側の端部は、第2導入口34a及び第1混合流体流路38の下流側の端部が形成された流路構造体2の側面に開口しており、第1混合流体流路38の下流側の端部から上方へ間隔をあけて配置されている。軽質流体導出路40は、第2導入路34と同様の構造を有している。具体的には、軽質流体導出路40は、その上流側の端部が形成された流路構造体2の側面から反対側の側面へ向かって延び、当該軽質流体導出路40が属する導出側流通路2bと対応する導入側流通路2aの第1導入路32の延長線上で屈曲して上方へ直線的に延びている。軽質流体導出路40は、基板5の裏面5bに形成された開口がその裏面5bに接合された封止板6によって封止された第5溝部18によって形成されている。
軽質側導入路42は、軽質流体に混合するための追加の流体が導入されて流れる部分である。なお、前記追加の流体は、前記第1流体及び前記第2流体と異なる種類の流体に限らず、前記第1流体と同じ種類の流体、又は、前記第2流体と同じ種類の流体であってもよい。軽質側導入路42は、当該軽質側導入路42に流体を導入するための図略の軽質側導入口を有する。この軽質側導入口は、軽質側導入路42の上流側の端部に配置されており、流路構造体2のうち第2導入口34a、第1混合流体流路38の下流側の端部及び軽質流体導出路40の上流側の端部が形成された側面と反対側の側面に開口するように形成されている。軽質側導入路42は、軽質側導入口が形成された流路構造体2の側面から反対側の側面へ向かって延び、当該軽質側導入路42が属する導出側流通路2bの軽質流体導出路40が屈曲している点で屈曲して上方へ直線的に延びている。軽質側導入路42は、基板5の表面5aに形成された開口がその表面5aに接合された封止板6によって封止された第2溝部12によって形成されている。軽質側導入路42は、当該軽質側導入路42に導入された追加の流体を軽質流体導出路40を流れる軽質流体に合流させるように軽質流体導出路40に繋がっている。具体的には、軽質側導入路42は、第2合流部44を介して軽質流体導出路40と繋がっている。
第2合流部44は、軽質流体導出路40を流れる軽質流体と軽質側導入路42を流れる追加の流体とを合流させる部分である。この第2合流部44は、軽質流体導出路40の下流側の端部及び軽質側導入路42の下流側の端部と繋がっている。第2合流部44は、基板5の表面5a側の開口がその表面5aに接合された封止板6によって封止され且つ基板5の裏面5b側の開口がその裏面5bに接合された封止板6によって封止された第3穴部24によって形成されている。この第2合流部44では、軽質側導入路42から流入した追加の流体に対して軽質流体導出路40から当該第2合流部44に流入した軽質流体が略水平方向において軽質側導入路42側(基板5の表面5a側)へ移動しながら合流する。
第2混合流体流路46は、第2合流部44で合流して混合された軽質流体と追加の流体からなる混合流体が流れる流路である。第2混合流体流路46は、当該第2混合流体流路46を流れる混合流体がスラグ流の状態で流れるように構成されている。第2混合流体流路46の上流側の端部、すなわち第2混合流体流路46の下端部は、第2合流部44の下流側の端部(上端)に繋がっている。この第2混合流体流路46は、当該第2混合流体流路46が繋がる第2合流部44から上方へ直線的に延びている。第2混合流体流路46の下流側の端部は、流路構造体2の上面(第1導入口32aが形成された面と反対側を向く面)に開口している。第2混合流体流路46を流れる混合流体は、スラグ流の状態で下流側へ流れ、その混合流体中で当該混合流体を構成する各流体同士の相互作用が生じる。この第2混合流体流路46の混合流体の流れ方向に直交する断面は、1mm程度の相当直径を有している。また、第2混合流体流路46は、基板5の表面5aに形成された開口が封止板6によって封止された第2溝部12のうち第3穴部24よりも上側に位置する部分によって形成されている。
分離ヘッダ3(図1参照)は、前記導入側流通路2aを通って流れる流体、具体的には第1混合流体流路38を通って流れる第1流体と第2流体との混合流体を比重の小さい軽質流体とその軽質流体よりも比重の大きい重質流体とに比重差によって分離させるためのものである。この分離ヘッダ3は、流路構造体2の外面のうち第1混合流体流路38の下流側の端部及び軽質流体導出路40の上流側の端部が開口している側面に取り付けられている。具体的には、分離ヘッダ3は、全ての第1混合流体流路38の下流側の端部及び全ての軽質流体導出路40の上流側の端部を覆うように流路構造体2の側面に取り付けられている。また、分離ヘッダ3は、流路構造体2に設けられた全ての第1混合流体流路38の下流側の端部及び全ての軽質流体導出路40の上流側の端部と連通する内部空間3a(図5参照)を有する。
内部空間3aは、第1混合流体流路38から当該内部空間3aに流入した混合流体を比重差によって分離させる空間である。具体的には、内部空間3aに流入する混合流体の流れ方向(混合流体の流入方向)に対して直交する方向における当該内部空間3aの断面は、第1混合流体流路38から内部空間3aに流入した混合流体が軽質流体と重質流体とに比重差によって自然に分離するような断面形状を有している。詳しくは、内部空間3aに流入する混合流体の流れ方向に対して直交する方向における当該内部空間3aの断面は、当該内部空間3aに流入する混合流体についてのフルード数が1よりも小さくなるように設定された相当直径を有する。より詳しくは、内部空間3aに流入する混合流体についてのフルード数をFrとすると、このフルード数Frは、次式(1)で表され、当該フルード数Frが1よりも小さくなるように内部空間3aに流入する混合流体の流れ方向に直交する断面の相当直径Dが設定されている
Fr=U/(D・g)1/2・・・(1)
この式(1)において、Uは、内部空間3aに流入する混合流体の流速であり、gは、重力加速度である。なお、流体流通装置の実質的な使用範囲では、当該流体流通装置内を流れる流体の流量は、1本の流通路当たり約10ml/min以下である。内部空間3aには、流路構造体2内に形成された全ての導入側流通路2aの第1混合流体流路38から混合流体が流入するため、内部空間3aに流入する混合流体の流量は、それら全ての導入側流通路2aの第1混合流体流路38を流れる混合流体の合計流量となる。例えば、流路構造体2内に100本の導入側流通路2aが形成されている場合には、流体流通装置の実質的な使用範囲では、内部空間3aに流入する混合流体の流量は、約1000ml/minとなる。内部空間3aに流入する混合流体の流速Uは、このような混合流体の合計流量に基づいて求められる。そして、このような流体流通装置の実質的な使用範囲における流量で混合流体を流通させる場合には、内部空間3aの前記相当直径Lが約10mm以上であれば、前記フルード数Frは、1よりも小さくなる。
前記フルード数Frが1よりも小さくなるということは、内部空間3aでは、流入した混合流体の流れ方向への慣性力よりもその混合流体に作用する重力の影響の方が支配的になることを意味する。このため、内部空間3aに流入した混合流体のうちの重質流体は、流れ方向への慣性力よりも重力の影響を強く受けて下方へ沈み、その結果、混合流体が重質流体と軽質流体とに自然に分離する。そして、図5に示すように、重質流体は、当該内部空間3aの下部領域に溜まり、軽質流体は、その重質流体の上側に浮いた状態となる。第1混合流体流路38の下流側の端部は、分離ヘッダ3の内部空間3aのうち重質流体が溜まる部分、すなわち内部空間3aの下部領域に繋がっている。また、軽質流体導出路40の上流側の端部は、分離ヘッダ3の内部空間3aのうち軽質流体が溜まる部分、すなわち内部空間3aの上下方向の中央位置よりも上側に位置する当該内部空間3aの上部領域に繋がっている。図5に示すように内部空間3aにおいて軽質流体と重質流体とが上下に分離した状態では、第1混合流体流路38から内部空間3aに流入してくる混合流体のうちの軽質流体が、内部空間3aに溜まった重質流体の層中を通り抜けてその重質流体の層上に浮き上がる。
導出ノズル4は、分離ヘッダ3に設けられている。この導出ノズル4は、分離ヘッダ3の内部空間3aで分離された重質流体を導出するためのものであり、本発明の重質流体導出部の概念に含まれる。導出ノズル4は、内部空間3aのうち重質流体が溜まる部分、すなわち内部空間3aの上下方向の中央位置よりも下側に位置する当該内部空間3aの下部領域に繋がるように分離ヘッダ3に設けられている。導出ノズル4には、図略の配管が接続され、内部空間3aから重質流体が導出ノズル4及びそれに接続された配管を通じて排出されるようになっている。
以上のように構成されたこの第1実施形態による流体流通装置は、上記したように、マイクロリアクタ、熱交換器または抽出装置等に用いられるが、次に、それらの使用例のうち当該第1実施形態による流体流通装置を抽出装置として用いる場合及びマイクロリアクタ(反応装置)として用いる場合について説明する。
まず、この第1実施形態による流体流通装置を抽出装置として用いる場合、すなわち、当該第1実施形態による流体流通装置を用いた抽出方法について説明する。
この抽出方法では、上記流体流通装置を用いて、抽出対象物を含む被抽出流体とその被抽出流体から抽出対象物を抽出するための流体である抽出剤とを混合し、その被流出流体から抽出剤へ抽出対象物を抽出させる。
具体的には、被抽出流体を各第1導入口32aから各第1導入路32に所定の流量(流速)で導入するとともに、抽出剤を各第2導入口34aから各第2導入路34に所定の流量(流速)で導入する(流体導入工程)。
各第1導入路32に導入された被抽出流体は、その第1導入路32内を流れて第1合流部36に流入し、各第2導入路34に導入された抽出剤は、その第2導入路34内を流れて第1合流部36に流入する。そして、この被抽出流体と抽出剤は、第1合流部36内で互いに混合するように合流する。第1合流部36で合流した被抽出流体と抽出剤からなる混合流体は、第1混合流体流路38に流入し、その第1混合流体流路38内を被抽出流体の複数の微小なスラグと抽出剤の複数の微小なスラグとが当該混合流体の流通方向に沿って交互に並ぶスラグ流の状態で下流側へ流れる。この混合流体中において、被抽出流体のスラグと抽出剤のスラグとの接触界面を介して被抽出流体から抽出剤へ抽出対象物が抽出される(抽出工程)。
この後、混合流体は、各第1混合流体流路38から分離ヘッダ3の内部空間3aへ流入してその内部空間3aにおいて軽質流体と重質流体とに比重差によって分離し、分離した重質流体は、内部空間3aから導出ノズル4を通じて導出され、分離した軽質流体は、内部空間3aから各軽質流体導出路40に導出される(分離工程)。ここで、例えば、抽出剤が被抽出流体よりも比重が大きい場合には、内部空間3aにおいて抽出剤が重質流体として下方に沈み、被抽出流体が軽質流体として抽出剤の上側に浮いた状態となる。下方に沈んだ重質流体としての抽出剤には、抽出対象物が多く含まれ、その抽出剤の上側に浮いた軽質流体としての被抽出流体中の抽出対象物の含有率は、第1導入路32に導入した被抽出流体における抽出対象物の含有率に比べて小さくなっている。
内部空間3aから各軽質流体導出路40に導出された軽質流体は、その軽質流体導出路40から第2合流部44に流入する。一方、各軽質側導入口から各軽質側導入路42に新しい追加の抽出剤を所定の流量で導入し、その抽出剤を軽質側導入路42から第2合流部44へ流入させて軽質流体と合流させる。
第2合流部44で合流して混合された軽質流体と抽出剤からなる混合流体は、第2混合流体流路46に流れ、その第2混合流体流路46内を被抽出流体の複数の微小なスラグと抽出剤の複数の微小なスラグとがその流通方向に沿って交互に並ぶスラグ流の状態で下流側へ流れる。この混合流体中において、被抽出流体から抽出剤への抽出対象物のさらなる抽出が行われる。最終的に、各第2混合流体流路46の下流側の端部から混合流体がそれぞれ排出されて回収される。
以上のようにして、第1実施形態による流体流通装置を用いた抽出方法が行われる。
次に、第1実施形態による流体流通装置をマイクロリアクタとして用いる場合、すなわち、当該第1実施形態による流体流通装置を用いた反応方法について説明する。
この反応方法では、上記流体流通装置を用いて、互いに反応し得る第1反応剤の流体と第2反応剤の流体とを混合してそれら両反応剤同士を反応させる。
具体的には、第1反応剤を各第1導入口32aから各第1導入路32に所定の流量(流速)で導入するとともに、第2反応剤を各第2導入口34aから各第2導入路34に所定の流量(流速)で導入する(反応剤導入工程)。
各第1導入路32に導入された第1反応剤は、その第1導入路32内を流れて第1合流部36に流入し、各第2導入路34に導入された第2反応剤は、その第2導入路34内を流れて第1合流部36に流入する。そして、この第1反応剤と第2反応剤は、第1合流部36内で互いに混合するように合流する。第1合流部36で合流した第1反応剤と第2反応剤からなる混合流体は、第1混合流体流路38に流入し、その第1混合流体流路38内を第1反応剤の複数の微小なスラグと第2反応剤の複数の微小なスラグとが当該混合流体の流通方向に沿って交互に並ぶスラグ流の状態で下流側へ流れる。この混合流体中において、第1反応剤のスラグと第2反応剤のスラグとの接触界面を介して第1反応剤と第2反応剤とが相互に反応し、反応生成物が生成される(反応工程)。
この後、混合流体は、各第1混合流体流路38から分離ヘッダ3の内部空間3aへ流入してその内部空間3aにおいて軽質流体と重質流体とに比重差によって分離し、分離した重質流体は、内部空間3aから導出ノズル4を通じて導出され、分離した軽質流体は、内部空間3aから各軽質流体導出路40に導出される(分離工程)。ここで、例えば、反応生成物の流体の比重が混合流体中の他の成分の比重よりも大きい場合には、内部空間3aにおいて反応生成物の流体が重質流体として下方に沈み、それ以外の成分の流体が軽質流体として反応生成物の流体の上側に浮いた状態となる。この軽質流体は、未反応の第1反応剤及び第2反応剤からなる。
内部空間3aから各軽質流体導出路40に導出された軽質流体は、その軽質流体導出路40から第2合流部44に流入する。一方、各軽質側導入口から各軽質側導入路42に追加の第2反応剤を所定の流量で導入し、その第2反応剤を軽質側導入路42から第2合流部44へ流入させて軽質流体と合流させる。
第2合流部44で合流して混合された軽質流体と追加の第2反応剤からなる混合流体は、第2混合流体流路46に流れ、その第2混合流体流路46内を未反応の第1反応剤の複数の微小なスラグと未反応の第2反応剤に追加の第2反応剤が加わったものの複数の微小なスラグとがその流通方向に沿って交互に並ぶスラグ流の状態で下流側へ流れる。この混合流体中において、第1反応剤と第2反応剤とのさらなる反応が生じ、反応生成物が生成される。最終的に、各第2混合流体流路46の下流側の端部から反応生成物を含む混合流体がそれぞれ排出されて回収される。
以上のようにして、この第1実施形態による流体流通装置を用いた反応方法が行われる。
この第1実施形態では、第1混合流体流路38において混合流体が第1流体の複数のスラグと第2流体の複数のスラグとが交互に並ぶスラグ流の状態で流れるため、混合流体の単位体積当たりにおける第1流体と第2流体との接触界面の面積を増やしてそれら第1流体と第2流体との相互作用を促進することができる。具体的には、この第1実施形態による流体流通装置を用いた抽出方法では、第1流体としての被抽出流体と第2流体としての抽出剤との接触界面の面積を増やして、被抽出流体から抽出剤への抽出対象物の抽出を促進することができる。また、この第1実施形態による流体流通装置を用いた反応方法では、第1流体としての第1反応剤と第2流体としての第2反応剤との接触界面の面積を増やして、それら両反応剤同士の反応を促進することができる。
また、この第1実施形態の流体流通装置では、第1混合流体流路38の下流側に繋がる分離ヘッダ3の内部空間3aの混合流体の流入方向に直交する方向の断面は、第1混合流体流路38から当該内部空間3aに流入した混合流体が軽質流体と重質流体とに比重差によって分離するような断面形状を有している。具体的には、内部空間3aの当該断面は、その内部空間3aに流入する混合流体についてのフルード数Frが1よりも小さくなるように設定された相当直径を有している。このため、この内部空間3aに流入した混合流体に作用する重力の影響がその混合流体の流れ方向への慣性力に比べて強くなり、当該内部空間3a内で混合流体が軽質流体と重質流体とに比重差によって自然に分離する。そして、分離ヘッダ3の内部空間3aのうち重質流体が溜まる部分には導出ノズル4が繋がっているため、内部空間3aで分離した重質流体を導出ノズル4を通じて流体流通装置の外部へ導出することができる。このため、混合流体から分離して除去したい物質が重質流体に含まれる場合や、混合流体から取得したい物質が重質流体に含まれる場合には、内部空間3aから導出ノズル4を通じてその物質を含む重質流体を流体流通装置の外部へ導出することができる。具体的には、この第1実施形態による流体流通装置を用いた抽出方法では、被抽出流体から抽出対象物を抽出した抽出剤が重質流体である場合には、その抽出対象物を含む抽出剤を導出ノズル4を通じて流体流通装置の外部へ導出することができる。また、この第1実施形態による流体流通装置を用いた反応方法では、第1反応剤と第2反応剤との反応によって生じた反応生成物を含む流体が重質流体である場合には、その反応生成物を含む流体を導出ノズル4を通じて流体流通装置の外部へ導出することができる。
さらに、この第1実施形態による流体流通装置では、その流体流通装置が備える分離ヘッダ3の内部空間3aで混合流体が重質流体と軽質流体に分離されてその重質流体が導出ノズル4を通じて導出されるため、その重質流体が所望の流体である場合には流体流通装置から導出された後の重質流体について分離作業を行う必要がない。また、分離ヘッダ3の内部空間3aで分離された重質流体又は軽質流体に所望の生成物が含まれる場合には、その軽質流体又は重質流体からの生成物の分離は、仮に流体流通装置内を流れる複数種類の流体及び生成物が全て混ざり合った状態で流体流通装置から排出された場合にその排出された流体から生成物を分離する場合に比べて、簡略な分離作業で行うことができる。
また、この第1実施形態による流体流通装置では、軽質側導入路42が、当該軽質側導入路42を流れる追加の流体を軽質流体導出路40を流れる軽質流体に合流させるように第2合流部44を介して軽質流体導出路40に繋がっているため、軽質流体に対して追加の流体を合流させて相互作用させることができる。しかも、この第1実施形態では、分離ヘッダ3の内部空間3aで重質流体と分離した軽質流体に対して追加の流体を合流させることができるので、例えば混合流体中に軽質流体と追加の流体との相互作用の効率を低下させる物質が含まれていてその物質の大部分が内部空間3aで分離した重質流体に含まれる場合に、その物質の含有率の低下した軽質流体に対して追加の流体を合流させて相互作用させることができる。その結果、軽質流体と追加の流体との相互作用の効率を向上することができる。具体的には、この第1実施形態による流体流通装置を用いた抽出方法では、混合流体中に抽出対象物を抽出した後の抽出剤が多く含まれている場合には、抽出効率が低下するため、その抽出後の抽出剤を重質流体として分離した後の軽質流体に対して新しい抽出剤を追加の流体として合流させて、抽出効率を向上させることができる。また、この第1実施形態による流体流通装置を用いた反応方法では、混合流体中に第1反応剤と第2反応剤との反応によって生じた反応生成物が多く含まれている場合には、反応効率が低下するため、その反応生成物を含む重質流体を分離した後の軽質流体に対して新しい第2反応剤を追加の流体として合流させて、反応効率を向上させることができる。
また、この第1実施形態では、分離ヘッダ3の内部空間3aのうち重質流体が溜まる下部領域に第1混合流体流路38の下流側の端部が繋がっているため、内部空間3aにおいて軽質流体と重質流体とが上下に分離した状態では、第1混合流体流路38から内部空間3aに流入する混合流体のうちの軽質流体が、内部空間3aの下部領域に溜まった重質流体の層中を通り抜けてその重質流体の層上へ浮き上がる。この際、軽質流体と重質流体との接触界面の更新が生じ、軽質流体と重質流体との相互作用を内部空間3aにおいて促進することができる。
(第2実施形態)
次に、図6〜図8を参照して、本発明の第2実施形態による流体流通装置の構成について説明する。
この第2実施形態による流体流通装置は、上記第1実施形態による流体流通装置を上下逆に配置したものである。具体的には、この第2実施形態による流体流通装置は、図6に示すように、流路構造体2のうち第1導入口32aが形成された面が上側を向き、流路構造体2のうち第2混合流体流路46の下流側の端部が形成された面が下側を向くように配置される。
そして、この第2実施形態では、図8に示すように、第1混合流体流路38の下流側の端部が、分離ヘッダ3の内部空間3aのうち軽質流体が溜まる部分、すなわち内部空間3aの上部領域に繋がっている。また、この第2実施形態では、各導出側流通路2bは、上記軽質流体導出路40の代わりに重質流体導出路50を有している。この重質流体導出路50は、分離ヘッダ3の内部空間3aで分離された重質流体を導出するためのものである。重質流体導出路50は、上記軽質流体導出路40を上下逆にした構造を有する。重質流体導出路50は、分離ヘッダ3の内部空間3aのうち重質流体が溜まる部分に繋がるように流路構造体2の内部に形成されている。具体的には、重質流体導出路50の上流側の端部は、分離ヘッダ3の内部空間3aのうち重質流体が溜まる部分、すなわち内部空間3aの下部領域に繋がっており、その下部領域から当該重質流体導出路50に重質流体が流入する。
また、この第2実施形態では、各導出側流通路2bは、上記軽質側導入路42の代わりに重質側導入路52を有している。この重質側導入路52は、重質流体に混合するための追加の流体が導入されて流れる部分である。なお、重質流体に混合するための追加の流体は、第1流体及び第2流体と異なる種類の流体に限らず、第1流体と同じ種類の流体、又は、第2流体と同じ種類の流体であってもよい。重質側導入路52は、上記軽質側導入路42を上下逆にした構造を有する。重質側導入路52は、当該重質側導入路52を流れる追加の流体が重質流体導出路50を流れる重質流体に合流するように重質流体導出路50に繋がっている。具体的には、重質側導入路52は、第2合流部44を介して重質流体導出路50と繋がっている。
重質側導入路52から第2合流部44に流入した追加の流体に対して重質流体導出路50から第2合流部44に流入した重質流体が略水平方向において重質側導入路52側へ移動しながら合流する。第2合流部44で合流して混合された重質流体と追加の流体からなる混合流体は、第2混合流体流路46に流入し、その第2混合流体流路46内をスラグ流の状態で下流側へ流れる。この混合流体中では、相互作用が生じる。そして、第2混合流体流路46の下流側の端部から流路構造体2の下側へ混合流体が排出されて回収される。
また、この第2実施形態では、上記第1実施形態における導出ノズル4が、分離ヘッダ3の内部空間3aから軽質流体を導出するためのノズルとして用いられる。すなわち、この第2実施形態では、導出ノズル4は、本発明の軽質流体導出部の概念に含まれる。具体的には、この第2実施形態では、導出ノズル4は、内部空間3aのうち当該内部空間3aで分離した軽質流体が溜まる部分、すなわち内部空間3aの上部領域に繋がるように分離ヘッダ3に設けられており、内部空間3aに流入した混合流体から分離した軽質流体がこの導出ノズル4を通じて外部へ導出されるようになっている。
この第2実施形態による流体流通装置では、導出ノズル4が内部空間3aのうち軽質流体が溜まる部分に繋がるように分離ヘッダ3に設けられているため、内部空間3aで分離した軽質流体を導出ノズル4を通じて流体流通装置の外部へ導出することができる。このため、混合流体から分離して除去したい物質が軽質流体に含まれる場合や、混合流体から取得したい物質が軽質流体に含まれる場合には、内部空間3aから導出ノズル4を通じてその物質を含む軽質流体を流体流通装置の外部へ導出することができる。
また、この第2実施形態による流体流通装置では、重質側導入路52が、当該重質側導入路52を流れる追加の流体を重質流体導出路50に流れる重質流体に合流させるように第2合流部44を介して重質流体導出路50に繋がっているため、重質流体に対して追加の流体を合流させて相互作用させることができる。しかも、この第2実施形態では、分離ヘッダ3の内部空間3aで軽質流体と分離した重質流体に対して追加の流体を合流させることができるので、例えば混合流体中に重質流体と追加の流体との相互作用の効率を低下させる物質が含まれていてその物質の大部分が内部空間3aで分離した軽質流体中に含まれる場合に、その物質の含有率の低下した重質流体に対して追加の流体を合流させて相互作用させることができる。このため、重質流体と追加の流体との相互作用の効率を向上することができる。
また、この第2実施形態では、分離ヘッダ3の内部空間3aのうち軽質流体が溜まる上部領域に第1混合流体流路38の下流側の端部が繋がっているため、図8に示すように内部空間3aにおいて軽質流体と重質流体とが上下に分離した状態では、第1混合流体流路38から内部空間3aに流入する混合流体のうちの重質流体が、内部空間3aの上部領域に溜まった軽質重質流体の層中を通り抜けてその軽質流体の層下に沈む。この際、軽質流体と重質流体との接触界面の更新が生じ、軽質流体と重質流体との相互作用を内部空間3aにおいて促進することができる。
この第2実施形態による上記以外の効果は、上記第1実施形態による効果と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、流路構造体に形成されている流路の各部の構造は、上記した構造以外の構造であってもよい。
例えば、第1導入路は、第1混合流体流路が延びる方向に対して斜め方向に延びていたり、屈曲していたりしてもよい。また、第2導入路は、屈曲しないで直線的に延びていてもよい。この場合には、第2導入路は、第1導入路が延びる方向に対して平行な方向、斜め方向又は直交する方向に延びていてもよい。また、第1混合流体流路は、上記のような基板の表側から裏側へ回り込むように形成される必要はなく、基板の一方の面内に形成されていてもよい。その場合の第1混合流体流路の混合流体の流れ方向に沿った形状としては、様々な形状を採用することができる。また、軽質流体導出路、重質流体導出路、軽質側導入路及び重質側導入路も、上記以外の種々の形状に形成されていてもよい。また、第2混合流体流路は、混合流体の流れ方向において屈曲したり、所定回数折返されていてもよい。
また、導出側流通路は、軽質側導入路、重質側導入路、第2合流部及び第2混合流体流路を備えていなくてもよい。すなわち、上記第1実施形態であれば、軽質流体導出路が流路構造体の上端まで延びていてその軽質流体導出路の下流側の端部が流路構造体の上面に開口していてもよく、上記第2実施形態であれば、重質流体導出路が流路構造体の下端まで延びていてその重質流体導出路の下流側の端部が流路構造体の下面に開口していてもよい。
また、流路構造体は、上記のように多数の基板5及び封止板6が積層された構造体からなるものに限らず、導入側流通路及び導出側流通路を形成するための溝が形成された単一の基板の表裏に封止板がそれぞれ1枚だけ接合された構造体からなっていてもよい。
また、流路構造体内には、基板及び封止板の積層方向において隣り合う流通路同士の間に、温度調節用の流体を流すための温調用流路が配設されていてもよい。
また、上記の第1流体、第2流体及び追加の流体は、それぞれ、液体又は気体のいずれであってもよい。
また、流路構造体の長手方向(第1導入路の延びる方向)が鉛直方向に対して多少斜めになるように流体流通装置が配置されてもよい。
また、導出ノズルを分離ヘッダに設けず、分離ヘッダの内部空間に繋がる軽質流体導出路及び重質流体導出路が両方とも流路構造体に形成されていてもよい。
また、第1混合流体流路38内及び第2混合流体流路46内を流れる混合流体の流動状態は、上記したようなスラグ流の状態に限定されない。混合流体流路38,46内を流れる混合流体の流動状態は、その混合流体を構成する流体の物理的性質及び流速によって決定されるものである。従って、混合流体流路38,46内を流れる混合流体は、その混合流体に含まれる複数種類の流体が層流状態で流れるような流動状態を呈していてもよい。この場合には、混合流体流路38,46内で混合流体を構成する各流体の層流同士の接触界面を介してそれら各流体同士の相互作用が行われる。
また、導入側流通路は、第1混合流体流路のみからなっていてもよい。具体的には、第1混合流体流路の分離ヘッダ側と反対側の端部が流路構造体の外面に開口するように第1混合流体流路が延びており、その第1混合流体流路の分離ヘッダと反対側の端部が当該第1混合流体流路に流体を導入するための導入口となっていてもよい。この場合には、流体流通装置の外部で複数種類の流体が混合されることによって調製された混合流体が導入口を通じて第1混合流体流路に導入され、その第1混合流体流路を流れて分離ヘッダの内部空間に導入されてもよい。
2 流路構造体
2a 導入側流通路(流通路)
3 分離ヘッダ
3a 内部空間
4 導出ノズル(重質流体導出部、軽質流体導出部)
32 第1導入路
34 第2導入路
36 第1合流部(合流部)
38 第1混合流体流路(混合流体流路)
40 軽質流体導出路(軽質流体導出部)
42 軽質側導入路
50 重質流体導出路(重質流体導出部)
52 重質側導入路

Claims (7)

  1. 流体を流通させる流体流通装置であって、
    流体を流通させるための流通路が内部に形成された流路構造体と、
    前記流路構造体に取り付けられ、前記流通路を通って流れる流体を比重の小さい軽質流体とその軽質流体よりも比重の大きい重質流体とに比重差によって分離させるための分離ヘッダと、
    前記分離ヘッダで分離された軽質流体をその分離ヘッダから導出するための軽質流体導出部と、
    前記分離ヘッダで分離された重質流体をその分離ヘッダから導出するための重質流体導出部とを備え、
    前記流通路は、互いに混合された複数種類の流体からなる混合流体が流れる混合流体流路を有し、
    前記分離ヘッダは、前記混合流体流路の下流側の端部と連通する内部空間を有し、この内部空間に流入する前記混合流体の流れ方向に対して直交する方向における当該内部空間の断面は、前記混合流体流路から当該内部空間に流入した前記混合流体が軽質流体と重質流体とに比重差によって分離するような断面形状を有し、
    前記軽質流体導出部は、前記内部空間のうち前記軽質流体が溜まる部分に繋がり、前記重質流体導出部は、前記内部空間のうち前記重質流体が溜まる部分に繋がっている、流体流通装置。
  2. 前記内部空間に流入する前記混合流体の流れ方向に対して直交する方向における前記内部空間の断面は、当該内部空間に流入する前記混合流体についてのフルード数が1よりも小さくなるように設定された相当直径を有する、請求項1に記載の流体流通装置。
  3. 前記流通路は、第1流体が導入される第1導入路と、第2流体が導入される第2導入路と、前記第1導入路の下流側の端部及び前記第2導入路の下流側の端部に繋がり、前記第1導入路を流れる前記第1流体と前記第2導入路を流れる前記第2流体とが混合するようにそれら両流体同士を合流させる合流部とを有し、
    前記混合流体流路は、前記合流部の下流側に繋がり、当該混合流体流路には、前記合流部で合流して互いに混合された前記第1流体と前記第2流体からなる混合流体が流入する、請求項1又は2に記載の流体流通装置。
  4. 前記軽質流体導出部は、前記内部空間の前記軽質流体が溜まる部分に繋がるように前記流路構造体の内部に形成され、前記内部空間から前記軽質流体が流入する軽質流体導出路であり、
    前記流路構造体の内部には、前記軽質流体に混合するための流体が導入され、その流体を前記軽質流体導出路を流れる前記軽質流体に合流させるように前記軽質流体導出路に繋がる軽質側導入路が形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の流体流通装置。
  5. 前記重質流体導出部は、前記内部空間の前記重質流体が溜まる部分に繋がるように前記流路構造体の内部に形成され、前記内部空間から前記重質流体が流入する重質流体導出路であり、
    前記流路構造体の内部には、前記重質流体に混合するための流体が導入され、その流体を前記重質流体導出路を流れる前記重質流体に合流させるように前記重質流体導出路に繋がる重質側導入路が形成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の流体流通装置。
  6. 請求項3に記載の流体流通装置を用いて、抽出対象物を含む被抽出流体とその被抽出流体から前記抽出対象物を抽出するための流体である抽出剤とを混合し、前記被抽出流体から前記抽出剤へ前記抽出対象物を抽出させる抽出方法であって、
    前記被抽出流体と前記抽出剤のうちの一方の流体である一流体を前記第1導入路に導入するとともに、前記被抽出流体と前記抽出剤とのうちの他方の流体である他流体を前記第2導入路に導入する流体導入工程と、
    前記第1導入路に導入した前記一流体と前記第2導入路に導入した前記他流体が前記合流部で互いに混合するように合流し、その合流した両流体からなる混合流体が前記混合流体流路を流れながら、その混合流体中において前記被抽出流体と前記抽出剤との接触界面を介して前記被抽出流体から前記抽出剤へ前記抽出対象物を抽出させる抽出工程と、
    前記混合流体が前記混合流体流路から前記分離ヘッダの前記内部空間に流入してその内部空間で比重が小さい軽質流体とその軽質流体よりも比重が大きい重質流体とに比重差によって分離し、分離した軽質流体が前記内部空間から前記軽質流体導出部に導出され、分離した重質流体が前記内部空間から前記重質流体導出部に導出される分離工程とを備えた、抽出方法。
  7. 請求項3に記載の流体流通装置を用いて、互いに反応し得る流体からなる第1反応剤と第2反応剤とを混合してそれら両反応剤同士を反応させる反応方法であって、
    前記第1反応剤を前記第1導入路に導入するとともに前記第2反応剤を前記第2導入路に導入する反応剤導入工程と、
    前記第1導入路に導入した前記第1反応剤と前記第2導入路に導入した前記第2反応剤が前記合流部で互いに混合するように合流し、その合流した両反応剤からなる混合流体が前記混合流体流路を流れながら、その混合流体中において前記第1反応剤と前記第2反応剤との接触界面を介して前記第1反応剤と前記第2反応剤とを相互に反応させる反応工程と、
    前記混合流体が前記混合流体流路から前記分離ヘッダの前記内部空間に流入してその内部空間で比重が小さい軽質流体とその軽質流体よりも比重が大きい重質流体とに比重差によって分離し、分離した軽質流体が前記内部空間から前記軽質流体導出部に導出され、分離した重質流体が前記内部空間から前記重質流体導出部に導出される分離工程とを備えた、反応方法。
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