JP2013126334A - 変速機構を有する電気機械装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】変速機構を有する電気機械装置を小型化する。
【解決手段】電気機械装置は、中心軸と、中心軸を中心とする第1の電気機械機構部、変速機構部、第2の電気機械機構部、及び、変速機構部に負荷を接続する負荷接続部と、が一定的に構成される。変速機構部には、第2の電気機械機構部が設けられており、第1の電気機械機構部から前記変速機構部に入力された回転運動は、第2の電気機械機構部による変速機構部の制御により回転制御されて、変速機構部から前記負荷接続部に伝達される。
【選択図】図1

Description

本発明は、変速機構を有する電気機械装置に関する。
遊星ギア機構を用いた変速機構を有するモーター装置として、例えば、下記の特許文献1に記載されたものが知られている。
特開平8−308178号公報
従来例のモーター装置は、変速機構としての遊星ギア機構と、遊星ギア機構のサンギアに接続される第1のモーターと、遊星ギア機構のインターナルギアに接続される第2のモーターと、をそれぞれ単体で用意し、それぞれを接続することによって構成された動力発生装置であるが、装置の小型化の面で十分であるとは言えない。このような動力発生装置が組み込まれる装置全体の小型化のためには、従来例のモーター装置のような変速機構を有する動力発生装置である、電力と動力とを変換する電気機械装置が、よりコンパクトに構成されることが望ましい。
本発明は、変速機構を有する電気機械装置を小型化する技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
電気機械装置であって、中心軸と、前記中止軸を中心とする、第1の電気機械機構部、変速機構部、第2の電気機械機構部、および、前記変速機構部に負荷を接続する負荷接続部と、が一体的に構成されており、前記変速機構部には、前記第2の電気機械機構部が設けられており、前記第1の電気機械機構部から前記変速機構部に入力された回転運動は、前記第2の電気機械機構部による前記変速機構部の制御により回転制御されて、前記変速機構部から前記負荷接続部に伝達される、電気機械装置。
この電気機械装置によれば、変速機構を有する電気機械装置を小型化することが可能である。
[適用例2]
適用例1に記載の電気機械装置であって、前記第1の電気機械機機構部のローター内部には、前記変速機構部の少なくとも一部が設けられている、電気機械装置。
[適用例3]
電気機械装置であって、中心軸と、前記中心軸を中心とする、第1の電気機械機構部、変速機構部、第2の電気機械機構部、および、前記変速機構部に負荷を接続する負荷接続部と、を備え、前記第1の電気機械機構部は、前記中心軸の外周に沿って配置された第1のローター磁石を有する第1のローターと、前記第1のローターの外周に配置された第1のステーターと、を備え、前記第2の電気機械機構部は、前記中心軸の外周に沿って配置された第2のローター磁石を有する第2のローターと、前記第2のローターの外周に配置された第2のステーターと、を備え、前記変速機構部は、前記第1のローターと接続または一体に形成される回転入力部と、前記負荷接続部に接続または一体に形成される回転出力部と、前記第2のローターと接続または一体に形成され、前記回転入力部と前記回転出力部の回転数の関係を可変に制御する回転制御部と、を備え、第1のローターには、前記中心軸と前記第1のローター磁石との間において、少なくとも前記中心軸の軸方向の一方に開口する第1の収容空間が形成されており、前記第2のローターには、前記中心軸と前記第2のローター磁石との間において、前記中心軸の軸方向の両側で開口する第2の収容空間が形成されており、前記変速機構部は、前記第1および第2の収容空間に収容されている、電気機械装置。
この電気機械装置によれば、変速機構部が第1の電気機械機構部の第1のローターの第1の収容空間および第2の電気機械機構部の第2のローターの第2の収容空間に収容され、第1の電気機械機構部の第1のローターおよび第2の電気機械機構部の第2のローターと、変速機構部とが、一体的に構成される。これにより、第1の電気機械機構部と変速機構部と変速機構部を制御するための第2の電気機械機構部とを有する電気機械装置を小型化することが可能である。
[適用例4]
適用例3に記載の電気機械装置であって、前記変速機構部は、前記変速機構部の中心部に配置されたサンギアと、前記変速機構部の外周部に配置されたリングギアと、前記サンギアと前記リングギアとの間に配置されたプラネタリーギアと、前記プラネタリーギアを接続されたプラネタリーキャリアと、を有する遊星ギア機構を含み、前記変速機構部は、前記サンギアと前記プラネタリーキャリアのうち一方が前記回転入力部であり、他方が前記回転出力部であり、前記リングギアが前記回転制御部である、電気機械装置。
この電気機械装置によれば、変速機構部としての遊星ギア機構と、第1の電気機械機構部の第1のローターと、第2の電気機械機構部の第2のローターとが一体的に構成されるため、電気機械装置が小型化される。
[適用例5]
適用例3に記載の電気機械装置であって、
前記変速機構部は、外縁にエピトロコイド平行曲線形状を有し中心に形成された第1の孔と前記第1の孔の周りに形成された複数の第2の孔とを有する曲線板と、前記曲線板の前記エピトロコイド平行曲線と接するように配置される外ピンと、前記第2の孔の中に配置される内ピンと、前記第1の孔の中に配置される偏心体と、を有するサイクロ機構を含み、前記偏心体と前記内ピンのうち一方が前記回転入力部であり、他方が前記回転出力部であり、前記外ピンが前記回転制御部である、電気機械装置。
この電気機械装置によれば、変速機構部としてのサイクロ機構と、第1の電気機械機構部の第1のローターと、第2の電気機械機構部の第2のローターとが一体的に構成されるため、電気機械装置が小型化される。
[適用例6]
適用例3に記載の電気機械装置であって、前記変速機構部は、前記中心軸の外周沿って配列された第1の磁気変速ローター磁石を有する第1の磁気変速ローターと、前記第1の磁気変速ローター磁石に対向するように配列された第2の磁気変速ローター磁石を有する第2の磁気変速ローターと、前記第1の磁気変速ローターと前記第2の磁気変速ローターとの間に配列された磁極片と、前記自極片を支持するキャリアと、を有する磁気変速機構を含み、前記第1の磁気変速ローターと前記キャリアのうち一方が前記回転入力部であり、他方が前記回転出力部であり、前記第2の磁気変速ローターが前記回転制御部である、電気機械装置。 この電気機械装置によれば、変速機構部としての磁気変速機構と、第1の電気機械機構部の第1のローターと、第2の電気機械機構部の第2のローターとが一体的に構成されるため、電気機械装置が小型化される。
[適用例7]
適用例3ないし適用例6のいずれか一つに記載の電気機械装置であって、前記第2の電気機械機構部の動作を制御することにより前記変速機構部の動作を制御する変速機構制御部を備え、前記変速機構制御部は、前記第2のステーターに配置された電磁コイルを駆動して前記第2のローターを回転させることにより、前記回転制御部の回転を所望の回転に制御する駆動制御部と、前記回転制御部の回転を減速させる際に、前記電磁コイルからのエネルギーの回生を行う回生制御部と、を備え、前記回生制御部は、前記電磁コイルに生じる誘起電圧のゼロクロス点を中心とした第1の回生区間を設定して回生を実行する第1の回生モードと、前記電磁コイルに生じる誘起電圧の極大点を中心とした第2の回生区間を設定して回生を実行する第2の回生モードと、を有し、前記第1の回生モードで回生されるエネルギー量が前記第2の回生モードで回生されるエネルギー量以下となるように前記第1と第2の回生区間の幅を設定する、電気機械装置。
この電気機械装置によれば、回生エネルギー量が小さいときは、電磁コイルに生じる誘起電圧のゼロクロス点を中心とした第1の回生区間で回生を行い、回生エネルギー量が大きいときは、電磁コイルに生じる誘起電圧の極大点を中心とした第2の回生区間で回生を実行する。これにより、回生エネルギー量に対する回生エネルギーの変化を滑らかに調整することでき、回生動作を滑らかに実行することができる。この結果、無段階で連続的かつ滑らかに変速動作を実現することが可能であり、これに伴って無段階で連続的かつ滑らかにトルクの伝達量を変化させることが可能である。
[適用例8]
適用例7に記載の電気機械装置であって、前記回生制御部は、前記第1又は第2の回生区間の幅が所定の第1の値以下となる場合には、前記第1の回生モードによる回生を実行し、前記第1又は第2の回生区間の幅が前記第1の値よりも大きな所定の第2の値以上となる場合には、前記第2の回生モードによる回生を実行する、電気機械装置。
この電気機械装置によれば、回生区間が短く回生するエネルギー量が小さいときは、電磁コイルに生じる誘起電圧のゼロクロス点を中心とした第1の回生区間で回生を行い、回生区間が長く回生エネルギー量が大きいときは、電磁コイルに生じる誘起電圧の極大点を中心とした第2の回生区間で回生を行うので、回生時において滑らかに動作させることができる。
[適用例9]
適用例8に記載の電気機械装置であって、前記回生制御部は、回生されるエネルギー量が増大してゆく際に前記第1の回生モードから前記第2の回生モードへの切り換えを行うとともに、前記切り換えの直前における前記第1の回生区間の幅よりも、前記切り換えの直後の前記第2の回生区間の幅を小さく設定する、電気機械装置。
この電気機械装置によれば、第1の回生モードから第2の回生モードへの切り換えるときに、切り換え前後の回生エネルギーの変化を少なくすることができるので、回生時において滑らかに動作させることができる。
[適用例10]
適用例7または適用例8に記載の電気機械装置であって、前記回生制御部は、回生されるエネルギー量が減少してゆく際に前記第2の回生モードから前記第1の回生モードへの切り換えを行うとともに、前記切り換えの直前における前記第2の回生区間の幅よりも、前記切り換えの直後の前記第1の回生区間の幅を大きく設定する、電気機械装置。
この電気機械装置によれば、第2の回生モードから第1の回生モードへの切り換えるときに、切り換え前後の回生エネルギーの変化を少なくすることができるので、回生時において滑らかに動作させることができる。
[適用例11]
適用例9または適用例10に記載の電気機械装置であって、前記回生制御部は、前記第1の回生モードと前記第2の回生モードの切り換え時において、切り換え前後の回生されるエネルギー量が同じ値となるように、切り換え直後の第1又は第2の回生区間の幅を設定する、電気機械装置。
この電気機械装置によれば、第1の回生モードと前記第2の回生モードの切り換え時において、切り換え前後の回生されるエネルギー量が同じ値となるように、切り換えるので、切り換え前後の回生エネルギー量が連続し、回生時において滑らかに動作させることができる。
[適用例12]
適用例7ないし適用例11のいずれ一つに記載の変速装置であって、電気機械装置であって、前記回転制御部の回転の減速の開始時には、前記第1の回生モードでの回生が実行される、電気機械装置。
この電気機械装置によれば、減速の開始時において、回生エネルギー量に対する回生エネルギーの変化の割合を小さくすることができるので、減速の開始動作を滑らかにすることができる。
[適用例13]
適用例12に記載の電気機械装置であって、さらに、前記回転制御部の回転の減速の終了時には、前記第1の回生モードでの回生が実行される、電気機械装置。
この電気機械装置によれば、減速の終了時において、回生エネルギー量に対する回生エネルギーの変化の割合を小さくすることができるので、減速の終了動作を滑らかにすることができる。
[適用例14]
動力発生装置であって、中心軸と、前記中止軸を中心とする、第1の駆動機構部、変速機構部、第2の駆動機構部、および、前記変速機構部に負荷を接続する負荷接続部と、が一体的に構成されており、前記変速機構部には、前記第2の駆動機構部が設けられており、前記第1の駆動機構部から前記変速機構部に入力された回転運動は、前記第2の駆動機構部による前記変速機構部の制御により回転制御されて、前記変速機構部から前記負荷接続部に伝達される、電気機械装置。
この動力発生装置によれば、変速機構を有する動力発生装置を小型化することが可能である。
[適用例15]
動力発生装置であって、中心軸と、 前記中心軸を中心とする、第1の駆動機構部、変速機構部、第2の駆動機構部、および、前記変速機構部に負荷を接続する負荷接続部と、を備え、前記第1の駆動機構部は、前記中心軸の外周に沿って配置された第1のローター磁石を有する第1のローターと、前記第1のローターの外周に配置された第1のステーターと、を備え、前記第2の駆動機構部は、前記中心軸の外周に沿って配置された第2のローター磁石を有する第2のローターと、前記第2のローターの外周に配置された第2のステーターと、を備え、前記変速機構部は、前記第1のローターと接続または一体に形成される回転入力部と、前記負荷接続部に接続または一体に形成される回転出力部と、前記第2のローターと接続または一体に形成され、前記回転入力部と前記回転出力部の回転数の関係を可変に制御する回転制御部と、を備え、第1のローターには、前記中心軸と前記第1のローター磁石との間において、少なくとも前記中心軸の軸方向の一方に開口する第1の収容空間が形成されており、前記第2のローターには、前記中心軸と前記第2のローター磁石との間において、前記中心軸の軸方向の両側で開口する第2の収容空間が形成されており、前記変速機構部は、前記第1および第2の収容空間に収容されている、動力発生装置。
この動力発生装置によれば、変速機構部が第1の駆動機構部の第1のローターの第1の収容空間および第2の駆動機構部の第2のローターの第2の収容空間に収容され、第1の駆動機構部の第1のローターおよび第2の駆動機構部の第2のローターと、変速機構部とが、一体的に構成される。これにより、第1の駆動機構部と変速機構部と変速機構部を制御するための第2の駆動機構部とを有する動力発生装置を小型化することが可能である。
[適用例16]
適用例1ないし適用例13のいずれか一つに記載の電気機械装置を備える移動体。
[適用例17]
適用例1ないし適用例13のいずれか一つに記載の電気機械装置を備えるロボット。
本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、動力発生装置や発電装置などの電気機械装置、それを用いた移動体、ロボット、電気機械装置の制御方法等様々な形態で実現することができる。
第1実施例としての動力発生装置の内部構成を示す概略断面図である。 第1実施例としての動力発生装置の各構成部を分解して示す概略分解断面図である。 第1実施例の動力発生装置の変速機構部によって回転駆動力が伝達される機構を説明するための模式図である。 動力発生装置の動作を制御する制御部について示すブロック図である。 変速制御モーター制御部のドライバ回路の構成を示す説明図である。 変速制御モーター制御部の駆動制御部の内部構成と動作を示す説明図である。 センサー出力波形と駆動信号波形の対応関係を示す説明図である。 PWM部の内部構成の一例を示すブロック図である。 モーター正転時のPWM部の動作を示すタイミングチャートである。 モーター逆転時のPWM部の動作を示すタイミングチャートである。 励磁区間設定部の内部構成と動作を示す説明図である。 符号化部の動作とタイミングチャートを示す説明図である。 変速制御モーター部の駆動波形を示す説明図である。 変速制御モーター制御部に含まれる回生制御部および整流回路の内部構成を示す説明図である。 A相PWM制御部における回生区間設定部の内部構成を示す説明図である。 回生区間の幅が大きいときに実行される回生モードにおけるエネルギーの回生パターンを示す説明図である。 回生区間の幅が小さいときのエネルギーの回生パターンを示す説明図である。 EPWMの値と回生エネルギーの回収率のバリエーションを示す説明図である。 EPWMの値と回生エネルギーの回収率のバリエーションを示す説明図である。 EPWMの値と回生エネルギーの回収率のバリエーションを示す説明図である。 EPWMの値と回生エネルギーの回収率のバリエーションを示す説明図である。 変速機構部を構成する各ギアの回転数の関係を示す説明図である。 第1実施例の他の構成例としての動力発生装置の構成を示す概略断面図である。 第1実施例の他の構成例としての動力発生装置の構成を示す概略断面図である。 第2実施例としての動力発生装置の内部構成を示す概略断面図である。 第2実施例としての動力発生装置の各構成部を分解して示す概略分解断面図である。 サイクロ機構を模式的に示す説明図である。 第3実施例としての動力発生装置の構成を示す概略断面図である。 永久磁石と電磁コイル群の構成を示す説明図である。 第4実施例としての動力発生装置の構成を示す概略断面図である。 エンコーダーの構成の一例を示す説明図である。 第5実施例としての動力発生装置の内部構成を示す概略断面図である。 磁気変速機構を模式的に示す説明図である。 動力発生装置を利用した移動体の一例である電動自転車(電動アシスト自転車)を示す説明図である。 動力発生装置を利用したロボットの一例を示す説明図である。 動力発生装置を利用した双腕7軸ロボットの一例を示す説明図である。 動力発生装置を利用した鉄道車両を示す説明図である。
A.第1実施例:
A1.動力発生装置の構成:
図1は、第1実施例としての動力発生装置100の内部構成を示す概略断面図であり、図2は、第1実施例としての動力発生装置100の各構成部を分解して示す概略分解断面図である。この動力発生装置100は、ケーシング122に収容されており、中心軸110と、駆動機構としての駆動モーター部120と、変速機構としての変速機構部130と、変速制御機構としての変速制御モーター部140と、を備える。
駆動モーター部120と変速機構部130とは、後述するように、互いに嵌合して一体化するように配置され、中心軸110は、一体化された駆動モーター部120と変速機構部130の中央を貫通するように配置される。中心軸110は、軸方向(図中一点鎖線で示す方向)に延びる貫通孔111を有しており、貫通孔111には、動力発生装置100に電力や制御信号を送信するための導電線の束である導電線束25が挿通されている。
ケーシング122は、2つのケーシング部122a,122bで構成されている。一方のケーシング部122aは、駆動モーター部120および変速機構部130を収容可能に、その底面(図1および図2の紙面右側)とは反対側の面(図1および図2の紙面右側)が開放された略円筒状の中空容体であり、底面の中央には、中心軸110を挿通するための貫通孔1221が形成されている。ケーシング部122aと中心軸110とは互いに固定的に取り付けられる。他方のケーシング部122bは、一方のケーシング部122aの開放面を覆うための蓋体であり、その中央部には、後述する負荷接続部136が挿通される開口1222が形成された円環板形状を有している。このケーシング部122bは、一方のケーシング部122aに固定用ボルト114で固定的に取り付けられる。ケーシング122は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP;carbon fiber reinforced plastics)などの樹脂材料によって構成されるものとしても良い。これによって、動力発生装置100の軽量化が可能である。
駆動モーター部120は、ローター121と、ステーター124とを備える。駆動モーター部120は、以下に説明するように、ラジアルギャップ型の構成を有している。ローター121の本体部は略円盤形状を有しており、その本体部の側壁の外周面には、永久磁石123が円筒形に配列されている。永久磁石123の磁束の方向は、放射方向である。なお、永久磁石123の裏側の面(ローター121の側壁側の面)には、磁力効率を向上させるための磁石バックヨーク125が配置されている。
ローター121は、その中央に中心軸110を挿通させるための貫通孔1211を有している。なお、貫通孔1211の内壁面と、中心軸110の外周面との間には、ローター121が中心軸110を中心に回転可能とするための軸受け部112が配置されている。軸受け部112は、例えば、ボールベアリングによって構成することができる。
ローター121の変速機構部130と対向する側の面には、貫通孔1211を中心とする略円環状の溝として形成された凹部1212が設けられている。貫通孔1211と凹部1212とを隔てる略円筒状の隔壁1213の外側の壁面には、ギア歯121tが形成されている。以後、このローター121の中央に設けられたギア歯121tを有する隔壁1213を「ローターギア1213」とも呼ぶ。後述するように、本実施例におけるローターギア1213は、遊星ギア機構のサンギアとして機能する。
ケーシング部122aの内周面には、ステーター124としての電磁コイル(以下、「電磁コイル124」とも呼ぶ)が、ローター121の永久磁石123と間隔を有しつつ対向するように円筒形に配列されている。即ち、駆動モーター部120では、ステーターとしての電磁コイル124が、中心軸110を中心としてローター121を回転させる。なお、電磁コイル124とケーシング部122aとの間には、磁力効率を向上させるためのコイルバックヨーク128が配置されている。
ケーシング部122aの底面には、永久磁石123の位置を検出する位置検出部126と、ローター121の回転を制御するための回転制御回路127が設けられている。位置検出部126は、例えば、ホール素子と温度補償回路と増幅器回路を用いたホールICによって構成され、永久磁石123の周回軌道の位置に対応するように配置されている。位置検出部126は、回転制御回路127と信号線を介して接続されている。
回転制御回路127には、導電線束25から分岐した導電線が接続されている。また、回転制御回路127は、電磁コイル124と電気的に接続されている。回転制御回路127は、位置検出部126が出力する検出信号を動力発生装置100の駆動を制御する制御部(図示せず)に送信する。また、回転制御回路127は、制御部からの制御信号に従って、電磁コイル124に電力を供給して磁界を発生させ、ローター121を回転させる。また、回転制御回路127は、制御部からの制御信号に従って、ローター121の回転に応じて電磁コイル124に発生した誘起電力を出力し、ローター121の回転を減速させる。
変速機構部130は、ローター121のローターギア1213とともに遊星ギア機構を構成する。変速機構部130は、サンギアとしてのローターギア1213と、リングギア131と、3個のプラネタリーギア132と、プラネタリーギア132を支持するプラネタリーキャリア133とを備える。なお、図1および図2では便宜上、2個のプラネタリーギア132のみを図示してある。
リングギア131は、内壁面にギア歯131tが設けられた略円環状のギアであり、ローター121の凹部1212に収容される、また、リングギア131は、凹部1212の外側でプラネタリーキャリア133の外周に配置された略円筒状のリングキャリアに支持されるように一体的に形成されている。また、リングギア131の内周面と、ローターギア1213の外周面との間には、3個のプラネタリーギア132が、ローターギア1213の外周に沿って、ほぼ等間隔で配置される。なお、プラネタリーギア132のギア歯132tと、リングギア131のギア歯131tおよびローターギア1213のギア歯121tとが互いに噛み合うことにより、これら3種のギア1213,132,1311は連結される。
プラネタリーキャリア133は、3つのプラネタリーギア132を支持する略円筒状の部材である。プラネタリーキャリア133の底面の中央には、中心軸110を挿通する貫通孔1331が設けられている。貫通孔1331の内壁面と、中心軸110の外周面との間には、プラネタリーキャリア133が中心軸110を中心に回転可能とするための軸受け部112が配置されている。なお、プラネタリーキャリア133に取り付けられた軸受け部112と、ローター121に取り付けられた軸受け部112との間には、スペーサー115が配置される。
ここで、リングキャリア1312の中央部には、リングギア131の内周空間に連通する略円形形状の開口部1313が形成されており、プラネタリーキャリア133は、その開口部1313に配置される。プラネタリーキャリア133の駆動モーター部120側の底面(図3および図4の紙面右側)には、ローター121の凹部1212に収容されたプラネタリーギア132の回転軸132sを回転可能に保持するための軸孔1332が形成されている。
プラネタリーキャリア133の外周面と、リングキャリア1312の開口部1313の側壁面との間には、プラネタリーキャリア133とリングキャリア1312とが中心軸110を中心に互いに独立して回転可能とするための軸受け部135が配置されている。
プラネタリーキャリア133の外側の底面(図1および図2の紙面左側)には、軸受け部135を保持固定するための負荷接続部136が固定用ボルト114によってプラネタリーキャリア133に固定されている。なお、この負荷接続部136には、図示しない負荷の回転軸が図示しないボルトによって固定される。なお、この負荷固定用のボルトとして、固定用ボルト114を兼用するようにしてもよい。
変速制御モーター部140は、ローター141と、ステーター144と、を備える。変速制御モーター部140も、以下で説明するように、ラジアルギャップ型の構成をしている。ローター141は変速機構部130のリングキャリア1312であり、リングキャリア1312の外周面には、永久磁石143が円筒形に配列されている。永久磁石143の磁束の方向は、放射方向である。なお、永久磁石143の裏側の面(リングキャリア1312の外周面)には、磁力効率を向上させるための磁石バックヨーク145が配置されている。
ケーシング部122aの内周面には、駆動モーター部120のステーターとしての電磁コイル124の横に、ステーター144としての電磁コイル(以下、「電磁コイル144」とも呼ぶ)が、リングキャリア1312の永久磁石143と間隔を有しつつ対向するように円筒形に配列されている。即ち、変速制御モーター部140では、駆動モーター部120と同様に、ステーターとしての電磁コイル144が、中心軸110を中心としてローター141としてのリングキャリア1312およびリングギア131を回転させる。なお、電磁コイル144とケーシング部122aとの間にも、磁力効率を向上させるためのコイルバックヨーク148が配置されている。
ケーシング部122bには、永久磁石143の位置を検出する位置検出部146と、ローター141としてのリングキャリア1312の回転を制御するための回転制御回路147が設けられている。位置検出部146は、駆動モーター部120の位置検出部126と同様に、例えば、ホール素子によって構成され、永久磁石143の周回軌道の位置に対応するように配置されている。位置検出部146は、回転制御回路147と信号線を介して接続されている。
回転制御回路147には、導電線束25から分岐した導電線が接続されている。また、回転制御回路147は、電磁コイル144と電気的に接続されている。回転制御回路147は、位置検出部146が出力する検出信号を、導電線束25を介して動力発生装置100の駆動を制御する制御部(図示せず)に送信する。そして、回転制御回路147は、制御部から導電線束25を介して供給される制御信号に従って、電磁コイル144に電力を供給して磁界を発生させ、ローター141を回転させる。また、回転制御回路147は、ローター141が回転することで電磁コイル144に発生する誘起電圧を、制御部(不図示)から導電線束25を介して供給される制御信号に従って回生制御させることにより、ローター141の回転を制動させる。以下において、「回生」は「制動」を含むものとして説明する。以上のように、電磁コイル144に電力を供給する駆動制御と、電力を回生する回生制御とを組み合わせることで、ローター141の回転を時計方向、停止、反時計方向、フリー回転の状態で制御して、後述するように、変速機構部130の動作を制御することにより、駆動モーター部120からの回転運動を無段階で変速させることができる。
なお、ケーシング部122bの開口1222の内壁面には、挿通された負荷接続部136の外周面と接するようにシール部150が設けられている。このシール部150として、例えば、ブラシシール部を設けた場合には、ケーシング122内部にチリやホコリ等の侵入を抑制する。これによって動力発生装置100の劣化を抑制することができる。また、ゴムシール部を設けた場合には、ケーシング122の内部を機密にシールする。これによって、気流による動力発生装置100におけるギアやローターの回転損失を低減することができる。なお、このシール部150は必ずしも必要ではなく省略してもよい。
また、ケーシング部122aの外側(図1および図2の紙面右側)およびプラネタリーキャリア133の外側(図1および図2の紙面左側)には、中心軸110の保持性を向上させるための軸受けリング113が嵌合的に取り付けられている。
図3は、第1実施例の動力発生装置100の変速機構部130によって回転駆動力が伝達される機構を説明するための模式図である。図3は、中心軸110の軸方向に沿って駆動モーター部120側から変速機構部130を見たときの、サンギアとしてのローターギア1213と、3個のプラネタリーギア132と、プラネタリーキャリア133と、リングギア131およびリングキャリア1312とが模式的に図示されている。なお、図3では、便宜上各ギアのギア歯は省略されている。
ここで、動力発生装置100において、ローター121の回転にともなってサンギアであるローターギア1213が、一点鎖線の矢印で図示する方向(以下、「時計周り」と呼ぶ)に回転する場合を想定する。上述したとおり、リングキャリア1312は変速制御モーター部140のローター141として機能するので、リングギア131は、変速制御モーター部140の駆動状態に応じて破線の矢印で示すように時計周りや反時計周りに回転、あるいは、停止する。ローターギア1213の回転に伴って、各プラネタリーギア132は、自身の回転軸132sを中心に実線矢印で示す反時計周りに回転(「自転」とも呼ぶ)する。このとき、各プラネタリーギア132は、リングギア131の回転状態に応じて、ローターギア1213の周りを二点鎖線の矢印で示すように時計回りあるいは反時計周りに周回移動(「公転」とも呼ぶ)する。各プラネタリーギア132の周回移動に伴って、プラネタリーキャリア133が回転し、プラネタリーキャリア133に負荷接続部136を介して接続された図示しない負荷がプラネタリーキャリア133と一体的に回転する。すなわち、変速制御モーター部140によって制御されるローター141であるリングキャリア1312およびリングギア131の回転状態に応じて、負荷の回転が制御され、負荷に伝達される回転駆動力が制御されることになる。すなわち、変速機構部130において、リングギア131が回転制御部であり、サンギアとしてのローターギア1213が回転入力部であり、プラネタリーキャリア133が回転出力部である。なお、リングギア131の回転(「制御回転」とも呼ぶ)の状態に応じて制御される、サンギアとしてのローターギア1213の回転(「入力回転」とも呼ぶ)と、プラネタリーキャリア133の回転(「出力回転」とも呼ぶ)との関係については、後で詳述する。
A2.動力発生装置の制御部の構成:
図4は、動力発生装置100の動作を制御する制御部について示すブロック図である。この制御部200は、上述したように導電線束25を介して駆動モーター部120の回転制御回路127および変速制御モーター部140の回転制御回路147に接続されており、駆動モーター部120および変速制御モーター部140の動作を制御する。
制御部200は、CPU210と、駆動モーター制御部220と、変速制御モーター制御部230と、を備えている。駆動モーター制御部220と変速制御モーター制御部230は、バス212を介してCPU210と接続されている。
駆動モーター制御部220は、駆動制御部820およびドライバ回路840と、回生制御部830および整流回路850とを備えている。駆動制御部820は、位置検出部126に含まれる磁気センサー、本例では、2相の磁気センサー126A,126Bから回転制御回路127を介して供給される信号に基づいて、ドライバ回路840を介して電磁コイル124、本例では、2相の電磁コイル124A,124Bに磁界を発生させることにより、駆動モーター部120の回転を駆動する。また、回生制御部830は、2相の電磁コイル124A,124Bから回転制御回路127を介し出力された誘起電力を、整流回路850を介して受け取って、駆動モーター部120から電力を回生する。
変速制御モーター制御部230も、駆動モーター制御部220と同様に、駆動制御部420およびドライバ回路440と、回生制御部430および整流回路450とを備えている。駆動制御部420は、位置検出部146に含まれる磁気センサー、本例では、2相の磁気センサー146A,146Bから回転制御回路147を介して供給される信号に基づいて、ドライバ回路440を介して電磁コイル144、本例では、2相の電磁コイル144A,144Bに磁界を発生させることにより、変速制御モーター部140の回転を駆動する。また、回生制御部430は、2相の電磁コイル144A,144Bから回転制御回路147を介して出漁された誘起電力を、整流回路850を介して受け取って、変速制御モーター部140から電力を回生する。
なお、駆動制御部とドライバ回路とをまとめて「駆動回路」とも呼ぶ。また、回生制御部と整流回路とをまとめて「回生回路」とも呼ぶ。また、駆動制御部を「駆動信号生成回路」とも呼ぶ。
ここで、駆動モーター制御部220の内部構成および動作と、変速制御モーター制御部230の内部構成および動作とは、基本的に同じである。上述したように、変速機構部130の、サンギアとしてのローターギア1213の回転と、プラネタリーキャリア133の回転との関係は、リングギア131の回転の状態に応じて制御され、リングギア131の回転は、変速制御モーター部140の動作によって制御される。そこで、以下では、変速制御モーター部140の動作を制御する変速制御モーター制御部230の内部構成および動作を例に説明する。
(1)変速制御モーター制御部の駆動回路の構成および動作
図5は、変速制御モーター制御部230のドライバ回路440(図4)の構成を示す説明図である。A相ドライバ回路440Aは、A相電磁コイル144Aに、交流の駆動信号DRVA1,DRVA2を供給するためのH型ブリッジ回路である。なお、駆動信号を示すブロックの端子部分に付されている白丸は、負論理であり信号が反転していることを示している。また、符号IA1,IA2が付された矢印は、A1駆動信号DRVA1とA2駆動信号DRVA2によって流れる電流方向をそれぞれ示している。B相ドライバ回路440Bの構成もA相ドライバ回路440Aの構成と同じである。なお、信号を反転させる負論理をなくし、H側のPチャネルMOS−FETを、L側と同様のNチャネルMOS−FETに変更すれば、周波数特性に優れた駆動を実現することもできる。
図6は、変速制御モーター制御部230の駆動制御部420(図4)の内部構成と動作を示す説明図である。駆動制御部420は、基本クロック生成回路510と、1/N分周器520と、PWM部530と、正逆方向指示値レジスタ540と、乗算器550と、符号化部560と、AD変換部570と、電圧指令値レジスタ580と、励磁区間設定部590とを備えている。なお、駆動制御部420は、A相用の駆動信号とB相用の駆動信号の両方を生成する回路であり、基本クロック生成回路510、1/N分周器520、および、正逆方向指示値レジスタ540は、A相とB相とで共通で用いられている。A相用とB相用とでそれぞれに存在するその他の構成要素は、図6(A)では図示の便宜上、A相用の回路構成のみとして描かれているが、B相用についても、A相用と同じ構成要素が駆動制御部420内に設けられている。以下の説明では、A相を例に説明することとする。
基本クロック生成回路510は、所定の周波数を有するクロック信号PCLを発生する回路であり、例えばPLL回路を含む周波数シンセサイザで構成される。1/N分周器520は、クロック信号PCLの1/Nの周波数を有するクロック信号SDCを発生する。Nの値は所定の一定値に設定される。このNの値は、予めCPU210によって1/N分周器520に設定される。PWM部530は、クロック信号PCL,SDCと、乗算器550から供給される乗算値Maと、正逆方向指示値レジスタ540から供給される正逆方向指示値RIと、符号化部560から供給される正負符号信号Paと、励磁区間設定部590から供給される励磁区間信号Eaとに応じて、駆動信号DRVA1,DRVA2(図5)を生成する。この動作については後述する。
正逆方向指示値レジスタ540内には、モーターの回転方向を示す値RIがCPU210によって設定される。本実施例では、正逆方向指示値RIがLレベルのときにモーターが正転し、Hレベルのときに逆転する。PWM部530に供給される他の信号Ma,Pa,Eaは以下のように決定される。
A相の磁気センサー146Aの出力SSAは、AD変換部570に供給される。このセンサー出力SSAのレンジは、例えばGND(接地電位)からVDD(電源電圧)までであり、その中位点(=VDD/2)が出力波形の中位点(正弦波の原点を通る点)である。AD変換部570は、このセンサー出力SSAをAD変換して、センサー出力のデジタル値を生成する。AD変換部570の出力のレンジは、例えばFFh〜0h(語尾の"h"は16進数であることを示す)であり、中央値80hがセンサー波形の中位点に相当する。
符号化部560は、AD変換後のセンサー出力値のレンジを変換するとともに、センサー出力値の中位点の値を0に設定する。この結果、符号化部560で生成されるセンサー出力値Xaは、正側の所定の範囲(例えば+127〜0)と負側の所定の範囲(例えば0〜−128)の値を取る。但し、符号化部560から乗算器550に供給されるのは、センサー出力値Xaの絶対値であり、その正負符号は正負符号信号PaとしてPWM部530に供給される。
電圧指令値レジスタ580は、CPU210によって設定された電圧指令値Yaを格納する。この電圧指令値Yaは、後述する励磁区間信号Eaとともに、モーターの印加電圧を設定する値として機能するものであり、例えば0〜1.0の値を取る。仮に、非励磁区間を設けずに全区間を励磁区間とするように励磁区間信号Eaを設定した場合には、Ya=0は印加電圧をゼロとすることを意味し、Ya=1.0は印加電圧を最大値とすることを意味する。乗算器550は、符号化部560から出力されたセンサー出力値Xaと、電圧指令値Yaとを乗算して整数化し、その乗算値MaをPWM部530に供給する。
図6(B)〜(E)は、乗算値Maが種々の値を取る場合におけるPWM部530の動作を示している。ここでは、全期間が励磁区間であり非励磁区間が無いものと仮定している。PWM部530は、クロック信号SDCの1周期の間に、デューティがMa/Nであるパルスを1つ発生させる回路である。すなわち、図6(B)〜(E)に示すように、乗算値Maが増加するに従って、駆動信号DRVA1,DRVA2のパルスのデューティが増加する。なお、第1の駆動信号DRVA1は、センサー出力SSAが正のときにのみパルスを発生する信号であり、第2の駆動信号DRVA2はセンサー出力SSAが負のときにのみパルスを発生する信号であるが、図6(B)〜(E)ではこれらを合わせて記載している。また、便宜上、第2の駆動信号DRVA2を負側のパルスとして描いている。
図7(A)〜(C)は、センサー出力の波形とPWM部530で生成される駆動信号の波形の対応関係を示す説明図である。図中、「Hiz」は電磁コイルを未励磁状態としたハイインピーダンス状態を意味している。図6で説明したように、駆動信号DRVA1,DRVA2はセンサー出力SSAのアナログ波形をそのまま利用したPWM制御によって生成される。従って、これらの駆動信号DRVA1,DRVA2を用いて、各コイルに、センサー出力SSAの変化と対応するレベル変化を示す実効電圧を供給することが可能である。
PWM部530は、さらに、励磁区間設定部590から供給される励磁区間信号Eaで示される励磁区間のみに駆動信号を出力し、励磁区間以外の区間(非励磁区間)では駆動信号を出力しないように構成されている。図7(C)は、励磁区間信号Eaによって励磁区間EPと非励磁区間NEPを設定した場合の駆動信号波形を示している。励磁区間EPでは図7(B)の駆動信号パルスがそのまま発生し、非励磁区間NEPでは駆動信号パルスが発生しない。このように、励磁区間EPと非励磁区間NEPを設定するようにすれば、逆起電力波形の中位点近傍(すなわち、センサー出力の中位点近傍)においてコイルに電圧を印加しないので、モーターの効率をさらに向上させることが可能である。なお、励磁区間EPは、逆起電力波形のピークを中心とする対称な区間に設定されることが好ましく、非励磁区間NEPは、逆起電力波形の中位点(中心点)を中心とする対称な区間に設定されることが好ましい。
なお、前述したように、電圧指令値Yaを1未満の値に設定すれば、乗算値Maが電圧指令値Yaに比例して小さくなる。従って、電圧指令値Yaによっても、実効的な印加電圧を調整することが可能である。
上述の説明から理解できるように、本実施例のモーターでは、電圧指令値Yaと、励磁区間信号Eaとの両方を利用して印加電圧を調整することが可能である。望ましい印加電圧と、電圧指令値Ya及び励磁区間信号Eaとの関係は、予め制御部200内のメモリ(不図示)にテーブルとして格納されていることが望ましい。こうすれば、制御部200が、望ましい印加電圧の目標値を受信したときに、CPU210がその目標値に応じて、電圧指令値Yaと、励磁区間信号Eaとを駆動制御部420に設定することが可能である。なお、印加電圧の調整には、電圧指令値Yaと、励磁区間信号Eaの両方を利用する必要はなく、いずれか一方のみを利用するようにしてもよい。
図8は、PWM部530(図6)の内部構成の一例を示すブロック図である。PWM部530は、カウンタ531と、EXOR回路533と、駆動波形形成部535とを備えている。これらは以下のように動作する。
図9は、モーター正転時のPWM部530の動作を示すタイミングチャートである。この図には、2つのクロック信号PCL,SDCと、正逆方向指示値RIと、励磁区間信号Eaと、乗算値Maと、正負符号信号Paと、カウンタ531内のカウント値CM1と、カウンタ531の出力S1と、EXOR回路533の出力S2と、駆動波形形成部535の出力信号DRVA1,DRVA2とが示されている。カウンタ531は、クロック信号SDCの1期間毎に、クロック信号PCLに同期してカウント値CM1を0までダウンカウントする動作を繰り返す。カウント値CM1の初期値は乗算値Maに設定される。なお、図9では、図示の便宜上、乗算値Maとして負の値も描かれているが、カウンタ531で使用されるのはその絶対値|Ma|である。カウンタ531の出力S1は、カウント値CM1が0で無い場合にはHレベルに設定され、カウント値CM1が0になるとLレベルに立ち下がる。
EXOR回路533は、正負符号信号Paと正逆方向指示値RIとの排他的論理和を示す信号S2を出力する。モーターが正転する場合には、正逆方向指示値RIがLレベルである。従って、EXOR回路533の出力S2は、正負符号信号Paと同じ信号となる。駆動波形形成部535は、カウンタ531の出力S1と、EXOR回路533の出力S2から、駆動信号DRVA1,DRVA2を生成する。すなわち、カウンタ531の出力S1のうち、EXOR回路533の出力S2がLレベルの期間の信号を第1の駆動信号DRVA1として出力し、出力S2がHレベルの期間の信号を第2の駆動信号DRVA2として出力する。なお、図9の右端部付近では、励磁区間信号EaがLレベルに立ち下がり、これによって非励磁区間NEPが設定されている。従って、この非励磁区間NEPでは、いずれの駆動信号DRVA1,DRVA2も出力されず、ハイインピーダンス状態に維持される。
図10は、モーター逆転時のPWM部530の動作を示すタイミングチャートである。モーター逆転時には、正逆方向指示値RIがHレベルに設定される。この結果、2つの駆動信号DRVA1,DRVA2が図9から入れ替わっており、この結果、モーターが逆転することが理解できる。
なお、本実施例において、モーターの正転方向は、リングギア131(図1〜3)を、時計周りに回転させる方向とし、逆転方向は、リングギア131を反時計周りに回転させる方向とする。
図11は、励磁区間設定部590の内部構成と動作を示す説明図である。図11(A)に示すように、励磁区間設定部590は、電子可変抵抗器592と、電圧比較器594,596と、OR回路598とを有している。電子可変抵抗器592の抵抗値Rvは、CPU210によって設定される。電子可変抵抗器592の両端の電圧V1,V2は、電圧比較器594,596の一方の入力端子に与えられている。電圧比較器594,596の他方の入力端子には、センサー出力SSAが供給されている。電圧比較器594,596の出力信号Sp,Snは、OR回路598に入力されている。OR回路598の出力は、励磁区間と非励磁区間とを区別するための励磁区間信号Eaである。
図11(B)は、励磁区間設定部590の動作を示している。電子可変抵抗器592の両端電圧V1,V2は、抵抗値Rvを調整することによって変更される。具体的には、両端電圧V1,V2は、電圧レンジの中央値(=VDD/2)からの差分が等しい値に設定される。センサー出力SSAが第1の電圧V1よりも高い場合には第1の電圧比較器594の出力SpがHレベルとなり、一方、センサー出力SSAが第2の電圧V2よりも低い場合には第2の電圧比較器596の出力SnがHレベルとなる。励磁区間信号Eaは、これらの出力信号Sp,Snの論理和を取った信号である。従って、図11(B)の下部に示すように、励磁区間信号Eaは、励磁区間EPと非励磁区間NEPとを示す信号として使用することができる。励磁区間EPと非励磁区間NEPの設定は、CPU210が可変抵抗値Rvを調整することによって行なわれる。
図12は、符号化部の動作とタイミングチャートを示す説明図である。ここでは、A相用の符号化部560(図6)を例にとり説明する。符号化部560は、ADC部570(図6)からADC信号を受け取り、センサー出力値Xaと正負符号信号Paを生成する。ここで、センサー出力値Xaは、ADC信号を+127〜−128にシフトし、その絶対値を取った値である。また、正負符号信号Paについては、ADC信号の値が0よりも小さい場合に正負符号信号PaをH、ADC信号の値が0よりも大きい場合に正負符号信号PaをLとしている。なお、正負符号信号Paの正負は、逆であってもよい。
図13は、変速制御モーター部の駆動波形を示す説明図である。図13(A)は、変速制御モーター部140の回転動作に伴ってA相の電磁コイル144Aに発生する誘起電圧波形に対応するA相の磁気センサー146Aのセンサー出力SSAの波形を示している。図13(B)は、変速制御モーター部140の駆動のための励磁区間EPを規定する励磁区間信号Eaの波形(以下、「WC制御波形」とも呼ぶ)を示している。図13(C)は、WC制御波形が図13(B)に示すときの、変速制御モーター部140に印加されるPWM駆動波形(アナログ)を示している。図13(D)は、WC制御波形が図13(B)に示すときの、変速制御モーター部140に印加されるPWM駆動波形(デジタル)を模式的に示している。図13(A)に示すように、誘起電圧波形に対応するセンサー出力波形は、ほぼ正弦波である。WC制御波形の活性期間(励磁区間EP)の中心は、図13(A)に示す誘起電圧波形が最大値を示す位相と同じである。図13(B)に示すように、図13(A)の誘起電圧波形がほぼゼロになる位相では、WC制御波形は非活性期間(非励磁区間NEP)となる。従って、図13(C)に示すアナログのPWM駆動波形は、励磁区間EPでは誘起電圧波形とほぼ相似となり、非励磁区間NEP、すなわち、図13(A)の誘起電圧波形がほぼゼロになる位相ではほぼゼロになっている。
図13(E)は、図13(B)に示すWC制御波形の活性期間を狭めた波形を示している。図13(F)は、WC制御波形が図13(E)に示すときの、変速制御モーター部140に印加されるPWM駆動波形(アナログ)を示している。図13(G)は、WC制御波形が図13(E)に示すときの、変速制御モーター部140に印加されるPWM駆動波形(デジタル)を模式的に示している。図13(F)に示すPWM駆動波形は、WC制御波形が非活性の状態(非励磁区間NEP)では、ゼロとなっている。また、図13(D)と図13(F)を比較すれば明らかなように、WC制御波形の活性期間(励磁区間EP)が短いほど、パルスの数が少なくなっている。
以上のように、励磁区間EPの幅を制御することにより、変速制御モーター部140に印加するPWM駆動波形を制御することができ、これに応じて変速制御モーター部140の駆動状態を制御することができる。
なお、図13は、励磁区間EPの幅を制御することにより、変速制御モーター部140に印加する駆動波形を制御することを示したが、図6において説明したように、乗算値Maを制御することによってもPWM駆動波形を制御することができ、これに応じて変速制御モーター部140の駆動状態を制御することができる。また、両方を組み合わせて制御することにより、変速制御モーター部140の駆動状態をより精細に制御することも可能である。
(2)変速制御モーター制御部の回生回路の構成および動作
図14は、変速制御モーター制御部230に含まれる回生制御部430および整流回路450(図4)の内部構成を示す説明図である。回生制御部430は、A相回生制御部430AとB相回生制御部450Bと、を備えている。また、整流回路450は、A相整流回路部450AとB相整流回路部430Bとを備えている。A相回生制御部430AおよびA相整流回路450Aの構成と、B相回生制御部430BとB相整流回路450Bの構成とは同じであるので、以下では、A相を例にとり説明する。
A相回生制御部430Aは、バス212に接続されたA相充電切換部432Aと、A相PWM制御部434Aと、A相NAND回路436Aと、を備えている。A相NAND回路436Aの3つの入力端子には、A相充電切換部432Aの出力と、A相PWM制御部434Aの出力MPaと、CPU210から出力される回生許可信号ERと、が与えられる。
A相充電切換部432Aは、A相電磁コイル144Aからの回生電力を回収する場合には「1」レベル(Hレベル)の信号を出力し、回収しない場合には「0」レベル(Lレベル)の信号を出力する。
A相PWM制御部434Aは、図6に示した駆動制御部420の励磁区間設定部590を回生区間設定部590Rに置き換えた点を除いて同様の構成を用いることができる。図15は、A相PWM制御部434Aにおける回生区間設定部590Rの内部構成を示す説明図である。図15(A)に示すように、回生区間設定部590Rは、図11(A)の励磁区間設定部590に加えてEXOR回路599を備えている。EXOR回路599の入力端子には、OR回路598の出力(励磁区間信号Ea)と、CPU210からの回生区間切換信号INVとが与えられる。EXOR回路599の出力が回生期間信号REaとして、励磁区間信号Eaの代わりにPWM部530(図6)に与えられる。
図15(B)に示すように、回生区間切換信号INVがLレベル(:0)の場合には、図11に示した場合と同様に、回生期間信号REaは、センサー出力SSAがピークとなる位相を中心とする期間が回生の活性区間としての回生区間REPとなり、センサー出力SSAが0となる位相を中心とする期間が回生の非活性区間としての非回生区間NREPとなる。これに対して、回生区間切換信号INVがHレベル(:1)の場合には、センサー出力SSAが0となる位相を中心とする期間が回生区間REPとなり、センサー出力SSAがピークとなる位相を中心とする期間が非回生区間NREPとなる。
従って、A相PWM制御部434Aでは、後述するように、回生区間切換信号INVに応じて、回生区間REPと非回生区間NEPの位相が切り換えられ、A相PWM駆動波形MPaの出力期間が切り換えられる。
A相NAND回路436Aの入力端子には、上記したように、A相充電切換部432Aの出力、回生許可信号ER、および、A相PWM駆動制御部434Aの出力であるA相PWM駆動波形MPaが与えられている。従って、A相NAND回路436Aは、回生許可信号ERおよびA相充電切換部432Aの出力がHレベル(:1)となり、回生電力の回収を実行する場合には、A相PWM駆動波形MPaに対応するA相マスク信号MSKAを出力する。
A相整流回路450Aは、A相電磁コイル用の回路として、複数のダイオードを含む全波整流回路451と、2つのゲートトランジスタ461,462と、バッファー回路471と、インバーター回路472(NOT回路)とを有している。なお、B相用にも同じ回路が設けられている。ゲートトランジスタ461,462は、回生用の電源配線480に接続されている。また、複数のダイオードとしては、低Vf特性に優れたショットキーダイオードを用いることが好ましい。
電力回生時にA相電磁コイル144Aで発生した交流電力は、全波整流回路451で整流される。ゲートトランジスタ461,462のゲートには、A相電磁コイル用のA相マスク信号MSKAとその反転信号が与えられており、これに応じてゲートトランジスタ461,462がオン/オフ制御される。従って、A相PWM制御部434Aから出力されたA相PWM駆動波形MPaのHレベルの期間では回生電力が電源配線480に出力され、一方、A相PWM駆動波形MPaのLレベルの期間では電力の回生が禁止される。
以上の説明から理解できるように、回生制御部430と整流回路450を用いて、回生による制動以外にも回生電力を回収することも可能である。また、回生制御部430と整流回路450は、A相電磁コイル用のマスク信号MSKA及びB相電磁コイル用のマスク信号MSKBに応じて、A相電磁コイル144AとB相電磁コイル144Bからの回生電力を回収する期間を制限し、これによって回生電力の量を調整することが可能である。この回生電力の量を調整することにより、回転力を制限し回転を減速させることができる。
なお、上記したように、回生制御は回生区間REPで実行され、この回生区間REPは回生区間切換信号INVにより切り換えられる。すなわち、回生制御には2つのモードが設けられている。CPU210は、回生区間切換信号INVを生成し、回生制御モードを切り換える。回生区間切換信号INVがLレベルのとき、励磁区間信号Eaと回生期間信号REaとは同じ論理である。このとき、CPU210は、電気角π/2、3π/2点の誘起電圧が大きな領域を中心に回生電流を流す。一方、回生区間切換信号INVがHの時、励磁区間信号Eaと回生区間REaの論理が逆であり、CPU210は、電気角0、π点の誘起電圧が小さな領域を中心に回生電流を流す。このように、CPU210は、回生区間切換信号INVを用いて、励磁区間信号Eaの論理を維持または反転させることにより回生区間REPを生成し、電気角0、π、2π(誘起電圧波形のゼロクロス点)を中心とする回生区間と、電気角π/2、3π/2(誘起電圧波形の極大)を中心とする回生区間とを切り換えることが出来る。B相についても同様である。
図16Aは、回生区間REPの幅が大きいときに実行される回生モードにおけるエネルギーの回生パターンを示す説明図である。図16Aにおいて、EPWMの値は、電気角2πの間の回生区間REPの大きさの割合を示す。回生区間REPの幅が大きいときには、誘起電圧波形のピークを中心とした回生区間を有する回生期間信号REaを生成し、回生区間REPの幅が小さいときには、誘起電圧波形のゼロクロス点を中心とした回生区間を有する回生期間信号REaを生成し、電磁コイル144(図14)からエネルギーを回生する。CPU210は、変速機構部130の入力回転(駆動モーター部120の回転)や出力回転(プラネタリーキャリア133、すなわち、負荷接続部に接続された負荷の回転)、各種要求等に応じてEPWMの大きさや2つの回生モードを切り換え、様々な回生モードで回生を実行する。なお、EPWMの大きさの変更は、CPU210が、図15に示す回生区間設定部590Rの電子可変抵抗器592の電気抵抗の大きさを変えることにより行うことが出来る。
図16A(A)、電磁コイル144に生じる誘起電圧波形を示す。なお、この誘起電圧波形は、EPWMの値に依存しない。図16A(B)は、EPWMが95%の時における回生期間信号REaの波形(以下、「WC制御波形」とも呼ぶ)を示している。回生区間REP(Hレベル)において、エネルギーの回生を行うことが出来る。本例において回生区間REPは、誘起電圧波形(図16A(A))のピーク(極大値)を中心とした区間である。この区間を、「第2の回生区間」とも呼ぶ。図16A(C)は、回生エネルギーをアナログ電圧で示した回生波形を示す。図16(D)は、PWM回生のためにゲートトランジスタ461,462に与えられるPWMパルスを含むマスク信号MSKを示す。本実施例では、エネルギーの回生をPWMパルスを利用して行っている。図16(E)は、回生波形が高電圧の場合のPWM回生波形を示し、図16(F)は、回生波形が低電圧の場合のPWM回生波形を示している。
図16A(G)〜(K)は、それぞれ、EPWMが40%以上の時のWC制御波形、回生波形、マスク信号、PWM回生波形(高電圧)、PWM回生波形(低電圧)を示す。回生区間REPを短くする(EPWMの値を小さくする)と、図16A(E)と図16A(J)との比較で分かるように、PWM回生波形の細いパルスから消失していく。このように、PWM回生波形において、細いPWMパルスから消失していく場合、細いPWMパルスが消失しても、回生エネルギーの大きな変動は起こり難い。すなわち、回生において、動作が、ぎくしゃくし難い。
ここで、回生区間REPを誘起電圧波形(図16A(A))のピーク(極大値)を中心とした区間を維持したままEPWMの値がさらに小さくされると、誘起電圧波形(図16A(A))のピーク近傍の大きなPWMパルスが消失することになる。かかる場合、回生エネルギーの大きな変動がおこるため、回生において、動作がぎくしゃくする場合がある。また、逆に、回生区間REPを誘起電圧波形のピークを中心とした区間を維持したままEPWMの値を大きくしていった場合、回生区間REPの幅が0から少し大きくした状態でも、大きなPWMパルスが発生することになり、回生エネルギーの大きな変動がおこるため、回生において、動作がギクシャクする場合がある。そこで、EPWMの値が小さく、回生区間REPの幅が小さい場合には、以下で説明するようにして回生制御を行なうことが好ましい。
図16Bは、回生区間REPの幅が小さいときのエネルギーの回生パターンを示す説明図である。図16Bにおいて、EPWMの値は、電気角2πの間の回生区間REPの大きさの割合を示すのは、図16Aと同じである。図16B(A)の誘起電圧波形は、図16(A)の誘起電圧波形と同じである。本例では、EPWMの値が小さい値となると、回生区間REPの中心を、誘起電圧波形のゼロクロス点とする。ここで、ゼロクロス点を中心とした回生区間REPを、請求項では、「第1の回生区間」と呼んでいる。
図16B(B)〜(F)は、それぞれ、EPWMが30%の時のWC制御波形、回生波形、マスク信号、PWM回生波形(高電圧)、PWM回生波形(低電圧)を示す。図16A(H)と図16B(C)とを比較すると分かるように、EPWMが40%以上の時は、誘起電圧波形のピーク中心に回生波形が生じているのに対し、EPWMが30%の時は、誘起電圧波形のゼロクロス点を中心に回生波形が生じている。次に、図16A(J)と図16B(E)とを比較すると分かるように、EPWMが40%以上の時は、誘起電圧波形のゼロクロス点に近い細いPWMパルスが消失しているのに対し、EPWMが30%の時は、誘起電圧波形のピーク中心に近い太いPWMパルスが消失している。
図16B(G)〜(K)は、それぞれ、EPWMが5%の時のWC制御波形、回生波形、PWM回生波形(高電圧)、PWM回生波形(低電圧)を示す。図16B(E)と図16B(J)とを比較すると分かるように、EPWMが30%から5%に小さくなると、誘起電圧波形のピーク中心に近い太いPWMパルスと誘起電圧波形のゼロクロス点に近い細いPWMパルスとの間のほぼ中間の大きさのPWMパルスから消失している。
以上をまとめると、EPWMが40%以上のときは、EPWMの値が小さくなるにつれて、誘起電圧波形のゼロクロス点に近い細いPWMパルスから順番にほぼ中間の大きさのPWMパルスまで消失する。そして、EPWMが30%以下の時は、EPWMの値が小さくなるにつれて、中間の大きさのPWMパルスから誘起電圧波形のゼロクロス点に近い細いPWMパルスの順番にPWMパルスが消失していく。
以上説明したように、EPWMが小さくなるときに、細いPWMパルスから順に中間の大きさのPWMパルスまでを消失させ、WC制御波形の活性中心を切り替えた後は、中間の大きさのPWMパルスから順に細い大きさのPWMパルスまでを消失させていくので、EPWMの大きさが変化したときの回生エネルギーの変化、およびこれに伴う負荷の変化を小さくすることができる。その結果、回生の動作や、これに伴う負荷変動がぎくしゃくすることを抑制することができる。なお、EPWMを大きくしていく場合も同様である。すなわち、細いPWMパルスから中間の大きさまでのPWMパルスが付加されていくので、この場合においても、回生の動作や、これに伴う負荷変動がぎくしゃくすることを抑制することができる。
図17Aから図17Dは、EPWMの値と回生エネルギーの回収率のバリエーションを示す説明図である。図17Aに示す例は、CPU210は、回生期間の全領域を、ゼロクロス点を中心としたWC制御波形の回生区間(第1の回生区間)で構成した例である。EPWMが100%の時は、ゼロクロス点を中心とし場合の回生区間と、誘起電圧波形のピークを中心とした回生区間(第2の回生区間)は同じとなる。本例によれば、回生エネルギーが小さいときは、回生区間が変化したときの回生エネルギー量の変化が小さく、回生エネルギー量が大きいときは、回生区間が変化したときの回生エネルギー量の変化が大きい。すなわち、回生エネルギー量に対する回生エネルギーの変化の割合(変化率)を、回生区間によらずほぼ一定とすることができるので、変速制御モーター部140の回生時において滑らかに動作させることができる。
図17Bに示す例は、CPU210は、EPWMの値がx1になったときに、第1の回生区間と、第2の回生区間を切り替える。切り替え時の回生エネルギーの回収率は、第1の回生区間ではy21であり、第2の回生区間では、y22である。切り替え時の回生エネルギーの変化は、|y21−y22|である。|y21−y22|の値が小さければ、第1の回生区間と第2の回生区間が切り替わっても、回生の動作がぎくしゃくしない。また、回生制御部430は、回生エネルギー量が小さいときは、電磁コイルに生じる誘起電圧のゼロクロス点を中心とした第1の回生区間で回生を行い、回生エネルギー量が大きいときは、電磁コイルに生じる誘起電圧の極大点を中心とした第2の回生区間で回生を行うので、変速制御モーター部140の回生時において滑らかに動作させることができる。
図17Cに示す例は、EPWMを大きくしていくときにおいて、CPU210は、EPWMの値がx2になったときに、第1の回生区間から第2の回生区間に切り替え、EPWMを小さくしていくときにおいて、EPWMの値がx1になったときに、第2の回生区間から第1の回生区間に切り替える。ここで、第1の回生区間と第2の回生区間との切り替え時において、回生エネルギーの回収率は、y21であり、回生エネルギーは、連続している。このように、回生エネルギーを連続させると、より滑らかに回生を行うことが出来る。
また、図17Cの例によれば、回生制御部430は、回生期間が短く回生するエネルギー量が小さいときは、電磁コイル144に生じる誘起電圧のゼロクロス点を中心とした第1の回生区間で回生を行い、回生期間が長く回生エネルギー量が大きいときは、電磁コイル144に生じる誘起電圧の極大点を中心とした第2の回生区間で回生を行うので、変速制御モーター部140の回生時において滑らかに動作させることができる。また、回生制御部430は、第1の回生モードと前記第2の回生モードの切り換え時において、切り換え前後の回生されるエネルギー量が同じ値となるように、切り換えるので、切り換え前後の回生エネルギー量が連続し、電気機械装置の回生時において滑らかに動作させることができる。
図17Dに示す例は、図17Bに示す例と、図17Cに示す例の中間である。図17Dに示す例では、CPU210は、EPWMを大きくしていくときにおいて、EPWMの値がx2になったときに、第1の回生区間から第2の回生区間に切り換える。ここまでは、図17B、図17Cと同じである。図17Bに示す例では、CPU210は、第1の回生区間から第2の回生区間に切り替える時に、EPWMの大きさをx2のまま変えずにエネルギーの回収率をy21からy22に上げている。また、図17Cに示す例では、CPU210は、第1の回生区間から第2の回生区間に切り替える時に、回生エネルギーの回収率をy21のまま変えずに、EPWMの大きさをx2からx1に大きくしている。これに対し、図17Dに示す例では、CPU210は、EPWMの大きさをx2からx3(x3>x1)に小さくすると共に、回生エネルギーの回収率をy21からy32(y32<y22)に上げている。このようにしても第1の回生区間と第2の回生区間との間に回生エネルギーの差が小さいので、回生の動作がぎくしゃくしない。なお、CPU210は、EPWMの値を小さくしていくときは、EPWMの値がx3に達したときに、第2の開始慧区間から第1の回生区間に切り替える。このとき、新たなEPWMの値をx2とし、回生エネルギーの回収率をy32からy21に減少させる。
図17Dの例によれば、回生期間が短く回生するエネルギー量が小さいときは、電磁コイル144に生じる誘起電圧のゼロクロス点を中心とした第1の回生区間で回生を行い、回生期間が長く回生エネルギー量が大きいときは、電磁コイル144に生じる誘起電圧の極大点を中心とした第2の回生区間で回生を行うので、変速制御モーター部140の回生時において滑らかに動作させることができる。また、第1の回生モードから第2の回生モードへの切り換えるときに、切り換え前後の回生エネルギーの変化を少なくすることができるので、電気機械装置の回生時において滑らかに動作させることができる。
図17A〜Dに示すように、EPWMと回生エネルギーの回収率の間には、様々なパターンを採用することができる。なお、第1の回生区間と第2の回生区間の切り換えは、回生区間切換信号INVの値により行うことができる。図17B,Dにおいて、第1の回生区間と第2の回生区間が重なっている場合には、第1,第2のどちらの回生モード、回生区間を用いてもよい。
なお、上記説明では、EPWMの値から回生エネルギーの回生を考えたが、逆に回生エネルギーから、第1の回生区間と第2の回生区間とを切り換えるEPWMの値を考えてもよい。例えば、CPU210は、回生エネルギーの回収率が100%〜50%までのときは、第2の回生区間でエネルギーを回生し、回生エネルギーの回収率が50%〜0%までのときは、第1の回生区間でエネルギーを回生してもよい。
以上説明したように、EPWMの値が小さいとき、あるいは、回生エネルギーの回収率が小さいときには、第1の回生区間によりエネルギーの回生を行い、EPWMの値が大きいとき、あるいは、回生エネルギーの回収率が大きいときには、第2の回生区間によりエネルギーの回生を行うと、エネルギーの回生時において、ぎくしゃくした動作を抑制することができる、なお、EPWMや回生エネルギーの回収率の具体的な値は、一例であり、個々のモーターにおいて、その特性に応じて様々な値を採用することが出来る。また、全区間を第1の回生区間によりエネルギーの回生を行ってもよい。
A3.動力発生装置の変速制御動作:
図18は、変速機構部130を構成する各ギアの回転数の関係を示す説明図である。図18に示すように、変速機構部130(図1,3)のサンギアとしてのローターギア1213の回転数(「入力回転数」とも呼ぶ)と、プラネタリーキャリア133の回転数(「出力回転数」とも呼ぶ)と、リングギア131の回転数(「制御回転数」とも呼ぶ)との関係は、いわゆる「共線図」で表され、直線で結ばれる関係にある。この関係は、ローターギア1213の回転数をNs、リングギア131の回転数をNr、プラネタリーキャリアの回転数をNcとし、ローターギア1213のギア歯121tの歯数をms、リングギア131のギア歯131tの歯数をmrとすると、下記の(1),(2)式で表される。なお、Ns,Nr,Ncは回転方向を特に規定していない。ただし、以下の説明において、回転方向を規定する場合において時計周りの回転方向については符号「+」を付加し、反時計周りの回転方向については符号「−」を付加して示すこととする。
Nc=Ns・(ms/(mr+ms))+Nr・(mr/(mr+ms)) …(1)
Nr=((mr+ms)/ms)・(Nc−Ns・(ms/(mr+ms)) …(2)
上記(1)式からわかるように、プラネタリーキャリア133の回転数Ncは、サンギアであるローターギア1213(以下、「サンギア1213」とも呼ぶ)の回転数Nsとリングギア131の回転数Nrとを、ms:mrで直線補間したものである。従って、以下で説明するように、サンギア1213の回転が回転数Nsで一定であるとすると、プラネタリーキャリア133の回転は、リングギア131の回転状態に応じて無段階で制御されることになる。
リングギア131の回転が停止状態(Nr=0)である場合には、変速機構部130の各ギアの回転数の関係は図18の二点鎖線で示す直線の関係となる。このとき、プラネタリーキャリア133の回転数Ncは、上記(1)式から求められる回転数、すなわち、サンギア1213の回転数Nsを減速比K0(=出力/入力=ms/(mr+ms))で減速した大きさの回転数+Nc0(=Ns・ms/(mr+ms))で時計周りに回転する。すなわち、この場合には、駆動モーター部120のローター121の回転は、変速機構部130によって減速比K0で減速されて、負荷接続部136に接続された負荷に伝達される。
ここで、変速機構部130のリングギア131の回転の停止状態は、サンギア(ローターギア)1213からプラネタリーギア132を介してリングギア131に伝達される回転力に応じてリングギア131に発生する反時計周りの回転力を、相殺するための時計周りの回転力がリングギア131に加えられるように、変速制御モーター部140を駆動制御することによって実現される。なお、変速制御モーター部140の制御は、上述したように駆動回路および回生回路によって実行される。
リングギア131が回転数Nr=−Nrf(Nrf=Ns・ms/mr)でサンギア1213とは逆の反時計周りに回転している場合には、変速機構部130の各ギアの回転数の関係は図18の太い実線で示す直線の関係となる。このとき、サンギア1213の時計周りの回転(回転数Ns)に対して、リングギア131は回転数Nr=−Nrf(=−Ns・(ms/mr)で反時計周りに回転し、プラネタリーキャリア133の回転は、回転数Nc=0となって停止される。この場合には、駆動モーター部120のローター121の回転は、負荷接続部136に接続された負荷に伝達されることはなく、変速機構部130によって伝達が遮断される。なお、このプラネタリーキャリア133の回転(出力回転)が停止される状態におけるリングギア131の回転状態を、「フリー回転状態」とも呼ぶ。このリングギア220のフリー回転状態は、変速制御モーター部140による回生制御や駆動制御が実行されない状態とすることにより実現される。
リングギア131の回転がフリー回転状態〜停止状態までの間で回転数Nrが任意の回転数−Nr1で反時計周りに回転している状態の場合には、変速機構部130の各ギアの回転数の関係は図18の一点鎖線で示す直線の関係となる。このとき、プラネタリーキャリア1330の回転数Ncは、上記(1)式から+Nc1(=Ns・ms/(mr+ms)−Nr1・mr/(mr+ms))となり、回転数−Nr1の大きさに応じて0〜+Nc0の間の任意の値となる。すなわち、この場合には、駆動モーター部120のローター121の回転は、変速機構部130によって、上記(1)式に従って表される回転数+Nc1に減速された回転されて、負荷接続部136に接続された負荷に伝達される。なお、プラネタリーキャリア133の回転数Ncを0〜+Nc0までの間の任意の回転数+Nc1とするためには、リングギア131が上記(2)式から求められる回転数Nr=−Nr1(=((mr+ms)/ms)・(Nc1−Ns・ms/(mr+ms)))で反時計周りに回転するように、より具体的には、リングギア131がNr=−Nrfで反時計周りに回転しようとするのに応じて時計周りに回転しようとする変速制御モーター部140の回転を回生制御により反時計周りに制動するようにすればよい。
リングギア131の回転数Nrが任意の回転数+Nr2で時計周りに回転している状態の場合には、変速機構部130の各ギアの回転数の関係は図18の破線で示す直線の関係となる。このとき、プラネタリーキャリア133の回転数Ncは、上記(1)式から+Nc2(=Ns・ms/(mr+ms)+Nr2・mr/(mr+ms))となり、リングギア131の回転数+Nr2の大きさに応じて+Nc0以上の任意の値となる。この場合には、駆動モーター部120のローター121の回転を変速機構部130によって減速比K0で減速した回転数の回転に、変速制御モーター部140の駆動によって制御されたリングギア131の回転を変速機構部130によって減速比K1(=mr/(mr+ms))で減速した回転数の回転が重ね合わされて、負荷接続部136に接続された負荷に伝達される。なお、プラネタリーキャリア133の回転数Ncを任意の回転数+Nc2とするためには、リングギア131が上記(2)式から求められる回転数Nr=+Nr2(=((mr+ms)/ms)・(Nc2−Ns・ms/(mr+ms)))で時計周りに回転するように、変速制御モーター部140の回転を反時計回りで駆動制御すればよい。
リングギア131の回転数Nrがフリー回転状態の回転数−Nrfよりも大きい任意の回転数−Nr3で反時計周りに回転している状態の場合には、変速機構部130の各ギアの回転数の関係は図18の実線で示す直線の関係となる。プラネタリーキャリア133の回転数Ncは、上記(1)式から求められる−Nc3(=Ns・ms/(mr+ms)−Nr3・mr/(mr+ms))となり、リングギア131の回転数−Nr3の大きさに応じて回転数―Nrfよりも大きい任意の回転数で反時計周りに回転する。この場合には、駆動モーター部120のローター121の回転を変速機構部130によって減速比K0で減速した時計回りの回転の回転数よりも、変速制御モーター部140の駆動によって制御されたリングギア131の反時計周りの回転を減速比K1(=mr/(mr+ms))で減速した回転数の方が大きくなって、リングギア131の反時計周りの回転に応じた回転が負荷接続部136に接続された負荷に伝達される。なお、プラネタリーキャリア133の回転数Ncを反時計周りの回転数−Nc3とするためには、リングギア131が上記(2)式から求められる回転数Nr=−Nr3(=((mr+ms)/ms)・(−Nc3−Ns・ms/(mr+ms)))で反時計周りに回転するように、より具体的には、リングギア131のNr=−Nrfでの反時計周りの回転に応じた時計周りの回転よりも更に高速に時計周りに回転するように変速制御モーター部140の回転を駆動制御すればよい。
変速機構部130では、上記のように、リングギア131の回転を変速制御モーター部140によって制御することにより、駆動モーター部120のローター121の回転、すなわち、サンギアとしてのローターギア1213の回転(入力回転)に対して、負荷接続部136に接続された負荷に伝達されるプラネタリーキャリア133の回転(出力回転)を無段階で連続的に変化させることができ、これに伴って負荷に対するトルクを無段階で連続的に変化させることができる。
ここで、例えば、プラネタリーキャリア133の回転数Ncを0から+Nc0に変化させる場合には、リングギア131の回転数Nrが−Nrfから0に減速するように変速制御モーター部140を回生制御すればよい。しかしながら、回生区間の幅を、減速の度合いに応じた負荷に対応する回生量が得られる大きさに設定して、回生を実行したとすると、急激な負荷変動によって急激な動作変動が発生することになり、動作がぎくしゃくしてしまう。そこで、本例では、上記で説明した回生制御動作(図14〜図17)を用いる。具体的には、まず、回生の初期段階では、第1の回生モードとし、回生区間REPの幅を変化させても回生量の変化が小さな、誘起電圧のゼロクロス点を中心とした第1の回生区間で回生を行うこととし、回生区間REPの幅を徐々に変化させて回生量を増やしていく。その後、第2の回生モードとして、誘起電圧のピーク点を中心とした第2の回生区間で回生を行うこととし、回生区間REPの幅を徐々に変化させて回生量を増やしていくことにより、回生を実行する。この場合に、切り換えの直前における第1の回生区間の幅よりも、切り換えの直後の第2の回生区間の幅を小さく設定して、切り換え前後における回生量に差が発生しないようにするのが好ましい。特に、切り換え前後の回生されるエネルギー量が同じ値となって連続するように、切り換え直後の第2の回生区間の幅を設定することが好ましい。また、第2の回生モードで回生を実行している間に、徐々に回生量が減少していった場合には、第2の回生モードから第1の回生モードに切り換えを行うようにすればよい。この場合に、切り換えの直前における第2の回生区間の幅よりも、切り換えの直後の第1の回生区間の幅を大きく設定して、切り換え前後における回生量に差が発生しないようにするのが好ましい。特に、切り換え前後の回生されるエネルギー量が同じ値となって連続するように、切り換え直後の第1の回生区間の幅を設定することが好ましい。
なお、上記説明は回生により回転を減速させる場合を例に説明したが、回転を増速させる場合においても、同様に、励磁区間の幅を徐々に変化させていき、滑らかに加速していくことが好ましい。
以上のようにすれば、滑らかな負荷変動を実現することができ、滑らかな変速動作およびトルク変化を実現し、動作がぎくしゃくしてしまうことを防止することが可能である。
A4.効果:
通常のモーターでは、モーターの応答性を向上させるために、ローターの径を縮小し、そのイナーシャ(モーターイナーシャ)を低減させ、イナーシャ特性を向上させることが好ましい。これに対し、本実施例の駆動モーター部120では、ローター121の径は、変速機構部130を収容可能な程度に拡大されており、モーターイナーシャが増大されている。しかし、本発明の発明者は、本実施例のように、ローター121を大径化し、モーターイナーシャが増大した場合であっても、動力発生装置100の制御に対する過渡応答性の低下は抑制されることを見出した。この理由は、以下のためである。
即ち、本実施例の動力発生装置100では、ローター121の径の大型化に伴い、駆動モーター部120において発生するトルクが増大されており、ローター121の回転開始時、回転方向の切り替え時において、変速機構部130に伝達されるトルクが増大されている。従って、動力発生装置100では、駆動モーター部120の回転の変化に対して即応的に変速機構部130を追従させることができ、動力発生装置100の過渡応答性の低下が抑制される。即ち、動力発生装置100では、駆動モーター部120におけるイナーシャ特性の低下が、ローター121の大径化に伴うトルク特性の向上によって補償されている。
このように、本実施例の動力発生装置100では、ローター121にサンギア(ローターギア1213)が一体的に設けられ、ローター121に設けられた凹部1212に、プラネタリーギア132と、リングギア131とが収容されている。また、リングギア131に一体的に設けられたリングキャリア1312の外周に永久磁石143を設けて、リングキャリア1312をローター141とし、その外周に配置した電磁コイル144をステーターとして、リングギア131の回転を制御する変速制御モーター部140がリングギア131に一体的に設けられている。即ち、動力発生装置100は、駆動機構と変速機構と変速制御機構とが、コンパクトに一体化された構成を有している。従って、この動力発生装置100を利用した場合には、装置全体の小型化・軽量化が可能である。また、本実施例の動力発生装置100では、無段階で連続的かつ滑らかに変速動作を実現することが可能であり、これに伴って無段階で連続的かつ滑らかにトルクの伝達量を変化させることが可能である。
A5.他の構成例:
図19は、第1実施例の他の構成例としての動力発生装置100Aの構成を示す概略断面図である。この動力発生装置100Aは、熱交換フィン160が設けられている点以外は、図1とほぼ同じである。熱交換フィン160は、駆動モーター部120および変速制御モーター部140を覆うケーシング部122aの外表面に設けられている。これによって、駆動モーター部120の電磁コイル124および変速制御モーター部140の電磁コイル144におけるコイル電流による発熱を効率的に冷却することができ、駆動モーター部120および変速制御モーター部140の出力トルクを増大させることができる。なお、熱交換フィン160と、電磁コイル124,144のためのコイルバックヨーク128,148とを直接的に接触するように配置するものとしても良い。これによって、電磁コイル124,144の発熱に対する放熱効果を向上させることができる。熱交換フィン160に換えて、ケーシング部122aの外周に冷媒ジャケットを装着させるものとしても良い。
図20は、第1実施例の他の構成例としての動力発生装置100Bの構成を示す概略断面図である。この動力発生装置100Bは、外部に設けられていた制御部200(図4)と、制御部200のCPU210と外部との間の通信を実行する通信部(不図示)とを含む制御回路200Bが、ケーシング部122aBの内部に、設けられている点以外は、図1とほぼ同じである。この構成例では、制御回路200Bによって、動力発生装置100Bを、外部から送信されたコマンド指令に応じて駆動させることができる。
B.第2実施例:
図21は、第2実施例としての動力発生装置100Dの内部構成を示す概略断面図であり、図22は、第2実施例としての動力発生装置100Dの各構成部を分解して示す概略分解断面図である。この動力発生装置100Dは、サイクロ機構を用いた変速機構と駆動機構と変速機構を制御する変速制御機構とを一体化した構成を有している。動力発生装置100Dは、以下の点が第1実施例の動力発生装置100(図1,図2)と異なる。すなわち、この動力発生装置100Dは、ローター121の凹部1212に、変速機構部130Dとして、サイクロ機構を備えている。
図23は、サイクロ機構を模式的に示す説明図である。サイクロ機構は、偏心体180,185と、曲線板181と、外ピン182と、内ピン183と、ベアリング1814と、を備える。曲線板181は、略円盤形状を有しており、中心部に中心孔1810を有し、中心孔1810の周りに8個の内ピン孔1811を有する。内ピン孔1811は、円周上に45度間隔で配置されている。曲線板181の外周は、エピトロコイド平行線形状を有している。本実施例では、エピトロコイド平行線形状の山の数は9個であり、40度回転させるとエピトロコイド平行線形状が重なる。なお、本実施例では、図21に示すように、サイクロ機構は曲線板181を2つ備えており、180度ずれている。その結果、一方の曲線板181のエピトロコイド平行線形状の凸部が、他方の曲線板181のエピトロコイド平行線形状の凹部に位置する。なお、図23では、図面が見難くなるため、一方の曲線板181のみを記載している。
外ピン182は、曲線板181側が略円形に形成されている部材である。外ピン182は、円柱形の棒であってもよい。外ピン182は、本実施例では、10本あり、円周上に36度間隔で配置されている。また、外ピン182は、曲線板181の外周に接するように配置されている。ここで、外ピン182のうちの外ピン1821が曲線板181のエピトロコイド平行線形状の凸部の頂点に接しているとき、外ピン1821の対称位置にある外ピン1822は、曲線板181のエピトロコイド平行線形状の凹部の底に接している。図20、図21では、外ピン1822と曲線板181をギア歯の凹凸として接触した図として記載している。
内ピン183は、円柱形の棒である。内ピン183は、内ピン孔1811の数と同じ数(8本)あり、円周上に45度間隔で配置されている。内ピン183の太さは内ピン孔1811の大きさよりも細く形成されており、内ピン183は内ピン孔1811の中に挿入されている。なお、内ピン183が配置される円周と、内ピン孔1811が配置される円周は、同じ大きさである。
偏心体180,185は、それぞれ円柱形状を有している。偏心体180の中心1801は、偏心体180の回転中心1802とずれている。偏心体185の中心1851は、偏心体185の回転中心1852とずれている。なお、偏心体180の回転中心1802と偏心体185の回転中心1852は同じ点(軸)である。そして、偏心体180の中心1801と、偏心体185の中心1851の重心の位置に偏心体180の回転中心1802(偏心体185の回転中心1852)が位置している。偏心体180,185の太さは中心孔1810の大きさよりも細く形成されており、中心孔1810の中に挿入されている。中心孔1810と偏心体180,185との間には、中心孔1810と偏心体180、185との接触を滑らかにするためのベアリング1814が配置されている。偏心体180,185は、中心1801から見て回転中心1802,1852と反対側において、中心孔1810に配置されたベアリング1814と接触している。この点を接触点1803,1853と呼ぶ。
図21に戻り、第2実施例におけるサイクロ機構の接続関係について説明する。第2実施例では、偏心体180,185は、ローター121と一体に形成されている。外ピン182は、略円筒状の外ピンキャリア1822と一体に形成されている。内ピン183は、略円筒状の内ピンキャリア133Dと一体に形成されている。すなわち、偏心体180が回転入力部であり、外ピン182が回転制御部であり、内ピン183が回転出力部である。より具体的には、回転制御部としての外ピンは、外ピンキャリアを含むものとしてもよい。同様に、回転出力部としての内ピンは、内ピンキャリアを含むものとしてもよい。なお、外ピンキャリア1822は、内ピンキャリア133Dの外周に配置されている。
内ピンキャリア133Dの外周面と、外ピンキャリア1822の内周面との間には、第1実施例の動力発生装置100(図1,2)と同様に、軸受け部135が配置されており、負荷接続部136によって保持固定されている。また、外ピンキャリア1822の外周面には、第1実施例の動力発生装置100のリングキャリア1312と同様に、永久磁石143および磁石バックヨーク145が配置されている。すなわち、外ピンキャリア1822が、第2実施例における変速制御モーター部140Dのローター141Dとなる。
以下では、変速機構部130Dの動作について説明する。まず、説明を容易にするため、変速制御モーター部140Dのローター141Dは回転せず停止しているものとする。ローター121(図21)が回転すると、偏心体180も回転する。このとき偏心体180は、回転中心1802を中心に回転する。例えば、図23に示すように、偏心体180が時計回りに回転したとする。このとき、接触点1803の位置も時計回りに回転する。すると、曲線板181は、偏心体180よりベアリング1814を介して力を受けて、外ピン182が配置された円周に沿って、反時計回りに公転すると共に、自転する。曲線板181が自転すると、内ピン孔1811の位置が、公転する。内ピン孔1811が公転すると、内ピン183を押すため、内ピン183は内ピン183が配置された円周に沿って公転し、これに対応して内ピンキャリア133Dが中心軸110を中心に回転することになる。ローター141D、すなわい、外ピンキャリア1822が停止して、外ピン182が回転移動しない場合には、偏心体180が一回転すると、曲線板181が1/9回転する。例えば、曲線板181のエピトロコイド平行線形状の凸部の数をn個、外ピンの数を(n+1)本とすると、偏心体180が一回転すると、曲線板181が1/n回転する。したがって、極めて大きな減速比を得ることが出来る。また、外ピン182によって滑り接触が転がり接触に変換されるので、機械的損失が非常に小さく、極めて高いギア効率を得ることが可能となる。
上記説明では、変速制御モーター140Dのローター141Dは回転せず停止しているものとして説明したが、変速制御モーター140Dを駆動制御することによりローター141Dは回転させることができる。ここで、外ピン182は、ローター141Dである外ピンキャリア1822に固定されているので、変速制御モーター部140Dの駆動制御に応じて、中心軸110を中心として回転御される。外ピン182が回転移動すると、曲線板181の自転量が制御されることになるため、内ピン183の公転、すなわち、内ピンキャリア133Dの回転も制御されることになる。すなわち、第2実施例の変速機構部130Dも、第1実施例の変速機構部130と同様に、変速制御モーター部140Dによって、内ピンキャリア133Dの回転(出力回転)を無段階で連続的かつ滑らかに変化させることができ、これに伴って負荷に対するトルクを無段階で連続的かつ滑らかに変化させることができる。
以上説明したように、第2実施例の動力発生装置100Dにおいても、第1実施例の動力発生装置100と同様に、駆動機構と変速機構と変速制御機構とが、コンパクトに一体化された構成を有している。従って、この動力発生装置100Dを利用した場合には、装置全体の小型化・軽量化が可能である。また、無段階で連続的かつ滑らかに変速動作を実現することが可能であり、これに伴って無段階で連続的かつ滑らかにトルクの伝達量を変化させることが可能である。
C.第3実施例:
図24は、第3実施例としての動力発生装置100Eの構成を示す概略断面図である。第1実施例で説明した動力発生装置100は、駆動モーター部120および変速制御モーター部140がラジアルギャップ型モーターで構成されていたが、第3実施例の動力発生装置100Eでは、駆動モーター部120Eおよび変速制御モーター部140Eがアキシャルギャップ型モーターで構成されている点で異なっている。駆動モーター部120Eは、永久磁石123と、電磁コイル群1240とを備える。同様に、変速制御モーター部140Eは、永久磁石143と、電磁コイル群1440とを備える。駆動モーター部120Eおよび変速制御モーター部140Eの構成および動作は基本的に同じであるので、以下では駆動モーター部120Eを例に説明する。
図25は、永久磁石と電磁コイル群の構成を示す説明図である。図25(A)は、永久磁石の構成を示す説明図である。永久磁石123は、扇形をした複数の永久磁石1231が円盤形状に並べられて構成されている。各永久磁石1231の磁束の方向は、円盤形状の法線方向である。永久磁石123は2つあり、電磁コイル群1240を挟んでいる。
図25(B)は電磁コイル群の断面図の一部を示す説明図である。電磁コイル群1240は、A相電磁コイル1240Aと、B相電磁コイル1240Bと、回路基板1241と、を備える。回路基板1241は、A相電磁コイル1240Aと、B相電磁コイル1240Bとに挟まれるように配置されている。A相電磁コイル1240Aと、B相電磁コイル1240Bとは、それぞれ、永久磁石123と対向するように配置されている。
図25(C)は、A相電磁コイルの平面図の一部を示す説明図である。図25(D)は、B相電磁コイルの平面図の一部を示す説明図である。A相電磁コイル1240Aと、B相電磁コイル1240Bとは同じ構造をしているので、A相電磁コイル1240Aを例に取り説明する。A相電磁コイル1240Aは、複数の電磁コイル1242Aを備える。各電磁コイル1242Aは、扇形に巻かれており、円盤形状に並べられている。なお、電磁コイル1242AとB相の電磁コイル1242Bとは、電気角でπ/2だけずれて配置されている。電磁コイル1242Aのうち1つの電磁コイルには、永久磁石123の磁束を検知するための磁気センサー126Bが配置されている。この磁気センサー126Bの出力は、電磁コイル1242Aを駆動制御するために用いられる。同様に、電磁コイル1242Bのうち1つの電磁コイルには、永久磁石123の磁束を検知するための磁気センサー126Aが配置され、この磁気センサー126Aの出力は、電磁コイル1242Bを駆動制御するために用いられる。
このように、動力発生装置は、駆動モーター部および変速制御モーター部として、ラジアルギャップ型モーターの他、アキシャルギャップ型モーターを用いることが可能である。また、駆動モーター部と変速制御モーター部のいずれか一方をラジアルギャップ型モーターとし、他方をアキシャルギャップ型モーターとするようにしてもよい。また、第3実施例の動力発生装置100Eでは、第1実施例の動力発生装置100と同様に、遊星ギア機構を用いた変速機構部130を備えているが、第2実施例と同様にサイクロ機構を採用した変速機構部130Dを備えるようにしてもよい。
D.第4実施例:
図26は、第4実施例としての動力発生装置100Fの構成を示す概略断面図である。図27は、エンコーダーの構成の一例を示す説明図である。第4実施例の動力発生装置100Fは、第1実施例の動力発生装置100に加えて、エンコーダー190を備えている。エンコーダー190は、発光部191と、受光部192と、反射板193と、エンコーダー回路194と、を備える。発光部191と、受光部192と、エンコーダー回路194とは、ステーター(ケーシング部122aF)に配置され、反射板193は、ローター121に配置されている。発光部191から照射された光は、反射板193で反射し、受光部192で検知される。ここで、エンコーダー190は反射板193を回転方向の円周に沿って複数列備え、各列の反射板193からの反射光が2進数を示し、ローター121の回転に伴って1つずつ該2進数が増加ないし減少するように構成されている。反射板193をこのように構成することにより、エンコーダー回路194は、ローター121の回転位置を正確に判断することができる。
本実施例では、駆動モーター部120のローター121の回転位置を判断するためにエンコーダー190を設けた場合を例に説明したが、同様に、変速制御モーター部140のローター141の回転位置を判断するためにエンコーダーを設けるようにしてもよい。
E.第5実施例:
図28は、第5実施例としての動力発生装置100Gの内部構成を示す概略断面図である。この動力発生装置100Gは、磁気減速機構を用いた磁気変速機構と駆動機構と変速機構を制御する変速制御機構とを一体化した構成を有している。動力発生装置100Gは、以下の点が第1実施例の動力発生装置100(図1)と異なる。すなわち、この動力発生装置100Gは、駆動モーター部120のローター121の凹部1212に、変速機構部130Gとして、磁気減速機構を用いた磁気変速機構を備えている。
図29は、磁気変速機構を模式的に示す説明図である。磁気変速機構は、中心軸110の周りに設けられた円筒状の第1の磁気変速ローター1213と、第1の磁気変速ローター1213の外周に設けられた円筒状の第2の磁気変速ローター131Gと、を備える。なお、この第1の磁気変速ローター1213は、駆動モーター部120のローター121の隔壁であり、駆動モーター部120による回転運動がダイレクトに伝達される。第2の磁気変速ローター131Gは、変速制御モーター部140のローター141に、側面側で一体に形成されており、変速制御モーター部140の回転運動が伝達される。
第1の磁気変速ローター1213は、その外周面に、放射方向に着磁されて外周側がN極の永久磁石177(N)と外周側がS極の永久磁石177(S)とが交互に配列されたSPM型のローターである。同様に、第2の磁気変速ローター131Gは、その内周面に、放射方向に着磁されて内周側がN極の永久磁石171(N)と外周側がS極の永久磁石171(S)とが交互に配列されたSPM型のローターである。なお、ローターに配列された永久磁石の極数は、N極とS極の1対を極数1として定義することとし、第1の磁気変速ローター1213の極数N1は、本例ではN1=2に設定されている。同様に、第2のローラー131Gに配列された永久磁石の極数N2は、N2=20に設定されている。
第1の磁気変速ローター1213の外周に配列された永久磁石177(177S,177N)と、第2の磁気変速ローター131Gの内周に配列された永久磁石171(171S,171N)との間には、磁極片175が等間隔で円筒状に配列されており、キャリア133Gに固定されている。このキャリア133Gは、変速制御モーター部140のローター141の内周で、軸受け部112を介して中心軸110の回りに回転自在に配置されている。キャリア133Gには、負荷接続部136が接続される。
なお、磁極片175は、軟磁性体の積層鋼板により形成される。磁極片175の数Npは、Np=N2±N1に設定される。+N1の場合は、後述する基本動作において、第1の磁気変速ローターの回転方向に対して第2の磁気変速ローターの回転方向を同方向とする場合であり、−N1の場合は逆方向とする場合である。なお、本例では、Np=22に設定されており、基本動作において同方向の回転となるように設定されている。
なお、以上説明からわかるように、変速機構部130Gにおいて、第1の磁気変速ローター1213が回転入力部であり、第2の磁気変速ローター131Gが回転制御部であり、キャリア133Gに指示された磁極片175が回転出力部である。なお、以下では、キャリア133Gを、回転出力部として説明する。
まず、本実施例における磁気変速機構の動作を説明する前提として、図29(A)に示すように、キャリア133Gが固定されて複数の磁極片75の位置が固定されている場合の磁気減速機構について説明する。この場合において、入力ローターとしての第1の磁気変速ローター1213に配列されている永久磁石177の磁極に応じて、磁極片175が磁化される。例えば、N極の永久磁石177(N)に隣接している磁極片175は放射方向に向かってN→Sに磁化され、S極の永久磁石177(S)が隣接している磁極片175は放射方向に向かってS→Nに磁化される。これら磁化された磁極片175により発生する磁界と、第2の磁気変速ローター131Gに配列された永久磁石171との間で吸着作用および反発作用が発生して、第2の磁気変速ローター131Gにトルクが発生し、第2の磁気変速ローター131Gが回転することになる。そして、第1の磁気変速ローター1213は回転しているので、これに応じて、磁極片175の磁化状態は変化することになり、これに応じて第2の磁気変速ローター131Gの回転量も制御されることになる。この結果、入力ローターとしての第1の磁気変速ローター1213の回転量に対して出力ローターとしての第2の磁気変速ローター131Gの回転量が減速制御されることになる。なお、この場合、入力ローターとしての第1の磁気変速ローター1213の回転数に対する出力ローターとしての第2の磁気変速ローター131Gの回転数の比(減速比)Gは、第1の磁気変速ローターの極数N1に対する第2の磁気変速ローターの極数N2の比で表される。本例では、N1=2,N2=20であるので、減速比Gは10となる。
磁気変速機構を用いた本実施例の変速機構部130Gでは、図29(B)に示すように、変速制御モーター部140のローター141(1312)の回転を制御することにより、第2の磁気変速ローター131Gの回転を変化させることができる。このとき、上記したように、入力ローター(回転入力部)としての第1の磁気変速ローター1213の回転数に対して減速比Gで減速された回転数となるように制御ローター(回転制御部)としての第2の磁気変速ローター131Gの回転を制御した場合には、出力ローター(回転出力部)としてのキャリア133Gは回転せず固定される。これに対して、制御ローター131Gの回転数を増減させることにより、出力ローターとしてのキャリア133Gは、制御ローターとしての第2の磁気変速ローター131Gの回転数の増減に応じて、入力ローターとしての第1の磁気変速ローター1213と同方向あるいは逆方向に回転させるととともに、回転量を変化させることができる。従って、制御ローターとしての第2の磁気変速ローター131Gの回転を制御することにより、入力ローターとしての第1の磁気変速ローター1213の回転数に対して、出力ローターとしてのキャリア133Gの回転数を無段階で変化させる、すなわち、無段階で変速させることができる。
なお、本実施例では、SPM型のローターを用いた磁気変速機構を例に説明したが、HB型(Hybrid Type)のローターを用いた磁気変速機構としてもよい。なお、HB型のローターは、軸方向に着磁した磁石を使用し、磁極側を二枚の歯車鉄心で挟み込み、N極側の歯とS極側の歯の凹凸が逆になるようにした構造のローターである。
F.変形例:
なお、上記実施例における構成要素の中の、独立クレームでクレームされた要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
(1)変形例1
上記実施例では、回生の初期段階では、第1の回生モードとし、回生区間REPの幅を変化させても回生量の変化が小さい、誘起電圧のゼロクロス点を中心とした第1の回生区間で回生を行って、徐々に回生量を増やしていき、その後、第2の回生モードとして、誘起電圧のピーク点を中心とした第2の回生区間で回生を行うように回生を実行する場合を例に説明したが、第2の回生モードに切り換えることなく、第1の回生モードにおいて、EPWMを0〜100%の間で回生区間REPの幅を変化させて回生量を変化させるようにしてもよい。
(2)変形例2
上記実施例では、遊星ギア機構のサンギアやサイクロ機構の偏心体、磁気変速機構の第1の磁気変速ローターが回転入力部として駆動モーター部のローターに接続され、遊星ギア機構のプラネタリーキャリアやサイクロ機構の内ピンキャリア、磁気変速機構の磁極片が支持されたキャリアが回転出力部として負荷接続部に接続されているが、回転入力部と回転出力部とを入れ換えた構成としてもよい。
(3)変形例3
上記実施例では、動力発生装置は、駆動モーター部で発生した回転駆動力を外部負荷へと伝達していた。しかし、動力発生装置は外部負荷から伝達された回転駆動力により、駆動モーター部に電力を発生させる発電装置として機能するものとしても良い。このように、本発明は、駆動機構と変速機構と変速制御機構とを有する動力発生装置に限らず、発電機構と変速機構と変速制御機構とを有する発電装置に適用するようにしてもよく、動力と電力を変換する電気機械機構と変速機構と変速制御機構とを有する電気機械装置に適用することが可能である。
(4)変形例4
上記実施例で説明した本発明の動力発生装置は、以下に示すように、電動移動体や電動移動ロボットあるいは医療機器の駆動装置として適用することが可能である。
図30は、動力発生装置を利用した移動体の一例である電動自転車(電動アシスト自転車)を示す説明図である。この自転車3300は、本発明の動力発生装置3310が前輪に設けられており、サドルの下方のフレームに制御回路3320と充電池3330とが設けられている。動力発生装置3310は、充電池3330からの電力を利用して前輪を駆動することによって、走行をアシストする。また、ブレーキ時には動力発生装置3310で回生された電力が充電池3330に充電される。制御回路3320は、動力発生装置3310の駆動モーター部の駆動と回生、および、変速制御モーター部の駆動と回生を制御することにより変速機構部の変速を制御する回路である。
図31は、動力発生装置を利用したロボットの一例を示す説明図である。このロボット3400は、第1と第2のアーム3410,3420と、動力発生装置3430とを有している。この動力発生装置3430は、被駆動部材としての第2のアーム3420を水平回転させる際に使用される。
図32は、動力発生装置を利用した双腕7軸ロボットの一例を示す説明図である。双腕7軸ロボット3450は、関節モーター3460と、把持部モーター3470と、アーム3480と、把持部3490と、を備える。関節モーター3460は、肩関節、肘関節、手首関節に相当する位置に配置されている。関節モーター3460は、アーム3480と把持部3490とを、3次元的に動作させるため、各関節につき2つのモーターを備えている。また、把持部モーター3470は、把持部3590を開閉し、把持部3490に物を掴ませる。双腕7軸ロボット3450において、関節モーター3460あるいは把持部モーター3470として、上述した動力発生装置を利用することが可能である。
図33は、動力発生装置を利用した鉄道車両を示す説明図である。この鉄道車両3500は、動力発生装置3510と、車輪3520とを有している。この動力発生装置3510は、車輪3520を駆動する。さらに、動力発生装置3510は、鉄道車両3500の制動時には発電機として利用され、電力が回生される。
25…導電線束
100…動力発生装置
100A…動力発生装置
100B…動力発生装置
100D…動力発生装置
100E…動力発生装置
100F…動力発生装置
110…中心軸
111…貫通孔
112…軸受け部
113…軸受けリング
114…固定用ボルト
115…スペーサー
120…駆動モーター部
120E…駆動モーター部
121…ローター
121t…ギア歯
122…ケーシング
122a,122b…ケーシング部
122aB…ケーシング部
122aF…ケーシング部
123…永久磁石
124…電磁コイル(ステーター)
124A,124B…電磁コイル
125…磁石バックヨーク
126…位置検出部
126A,126B…磁気センサー
127…回転制御回路
128…コイルバックヨーク
130…変速機構部
130D…変速機構部
131…リングギア
131t…ギア歯
132…プラネタリーギア
132s…回転軸
132t…ギア歯
133…プラネタリーキャリア
133D…内ピンキャリア
135…シール部
136…負荷接続部
140…変速制御モーター部
140D…変速制御モーター部
140E…変速制御モーター部
141…ローター
141D…ローター
143…永久磁石
144…電磁コイル(ステーター)
144A,144B…電磁コイル
145…磁石バックヨーク
146…位置検出部
146A,146B…磁気センサー
147…回転制御回路
148…コイルバックヨーク
150…シール部
160…熱交換フィン
131G…磁気変速ローター
133G…キャリア
171…永久磁石
175…磁極片
177…永久磁石
180,185…偏心体
181…曲線板
182…外ピン
183…内ピン
190…エンコーダー
191…発光部
192…受光部
193…反射板
194…エンコーダー回路
195…孔
200…制御部
200B…制御回路
210…CPU
212…バス
220…駆動モーター制御部
230…変速制御モーター制御部
420…駆動制御部
430…回生制御部
432A…A相充電切換部
434A…A相PWM制御部
432B…B相充電切換部
434B…B相PWM制御部
440…ドライバ回路
440A…A相ドライバ回路
440B…B相ドライバ回路
450…整流回路
451…全波整流回路
461…ゲートトランジスタ
471…バッファー回路
472…インバーター回路
480…電源配線
510…基本クロック生成回路
520…1/N分周器
531…カウンタ
535…駆動波形形成部
540…正逆方向指示値レジスタ
550…乗算器
560…符号化部
580…電圧指令値レジスタ
590…励磁区間設定部
590R…回生区間設定部
592…電子可変抵抗器
594,596…電圧比較器
820…駆動制御部
830…回生制御部
840…ドライバ回路
850…整流回路
1211…貫通孔
1212…凹部
1213…隔壁(ローターギア,サンギア,磁気変速ローター)
1221…貫通孔
1222…開口
1231…永久磁石
1240,1440…電磁コイル群
1241…回路基板
1242A…電磁コイル
1242B…電磁コイル
1312…リングキャリア
1312D…外ピンキャリア
1313…開口部
1330…プラネタリーキャリア
1331…貫通孔
1332…軸孔
1821,1822…外ピン
1801,1851…中心
1802,1852…回転中心
1803…接触点
1810…中心孔
1811…内ピン孔
1814…ベアリング
3300…自転車
3310…動力発生装置
3320…制御回路
3330…充電池
3400…ロボット
3410…第1のアーム
3420…第2のアーム
3430…動力発生装置
3450…双腕7軸ロボット
3460…関節モーター
3470…把持部モーター
3480…アーム
3490…把持部
3500…鉄道車両
3510…動力発生装置
3520…車輪
3590…把持部
DRVA1,DRVA2…駆動信号
MSK…マスク信号
MSKA…マスク信号
MSKB…マスク信号
V1,V2…電圧
K0…減速比
K1…減速比
S1,S2…出力
RI…正逆方向指示値
ER…回生許可信号
Ma…乗算値
Pa…正負符号信号
Xa…センサー出力値
Ya…電圧指令値
Sn,Sp…出力(出力信号)
Rv…可変抵抗値
IA1…符号
CM1…カウント値
SDC…クロック信号
PCL…クロック信号
SSA…センサー出力
EP…励磁区間
NEP…非励磁区間
REP…回生区間(活性区間)
NREP…非回生区間(非活性区間)
INV…回生区間切換信号(回生モード切換信号)
REa…回生期間信号

Claims (17)

  1. 電気機械装置であって、
    中心軸と、前記中止軸を中心とする、第1の電気機械機構部、変速機構部、第2の電気機械機構部、および、前記変速機構部に負荷を接続する負荷接続部と、が一体的に構成されており、
    前記変速機構部には、前記第2の電気機械機構部が設けられており、
    前記第1の電気機械機構部から前記変速機構部に入力された回転運動は、前記第2の電気機械機構部による前記変速機構部の制御により回転制御されて、前記変速機構部から前記負荷接続部に伝達される、
    電気機械装置。
  2. 請求項1に記載の電気機械装置であって、
    前記第1の電気機械機機構部のローター内部には、前記変速機構部の少なくとも一部が設けられている、電気機械装置。
  3. 電気機械装置であって、
    中心軸と、
    前記中心軸を中心とする、第1の電気機械機構部、変速機構部、第2の電気機械機構部、および、前記変速機構部に負荷を接続する負荷接続部と、
    を備え、
    前記第1の電気機械機構部は、
    前記中心軸の外周に沿って配置された第1のローター磁石を有する第1のローターと、
    前記第1のローターの外周に配置された第1のステーターと、
    を備え、
    前記第2の電気機械機構部は、
    前記中心軸の外周に沿って配置された第2のローター磁石を有する第2のローターと、
    前記第2のローターの外周に配置された第2のステーターと、
    を備え、
    前記変速機構部は、
    前記第1のローターと接続または一体に形成される回転入力部と、
    前記負荷接続部に接続または一体に形成される回転出力部と、
    前記第2のローターと接続または一体に形成され、前記回転入力部と前記回転出力部の回転数の関係を可変に制御する回転制御部と、
    を備え、
    第1のローターには、前記中心軸と前記第1のローター磁石との間において、少なくとも前記中心軸の軸方向の一方に開口する第1の収容空間が形成されており、
    前記第2のローターには、前記中心軸と前記第2のローター磁石との間において、前記中心軸の軸方向の両側で開口する第2の収容空間が形成されており、
    前記変速機構部は、前記第1および第2の収容空間に収容されている、電気機械装置。
  4. 請求項3に記載の電気機械装置であって、
    前記変速機構部は、
    前記変速機構部の中心部に配置されたサンギアと、
    前記変速機構部の外周部に配置されたリングギアと、
    前記サンギアと前記リングギアとの間に配置されたプラネタリーギアと、
    前記プラネタリーギアを接続されたプラネタリーキャリアと、
    を有する遊星ギア機構を含み、
    前記変速機構部は、前記サンギアと前記プラネタリーキャリアのうち一方が前記回転入力部であり、他方が前記回転出力部であり、前記リングギアが前記回転制御部である、電気機械装置。
  5. 請求項3に記載の電気機械装置であって、
    前記変速機構部は、
    外縁にエピトロコイド平行曲線形状を有し中心に形成された第1の孔と前記第1の孔の周りに形成された複数の第2の孔とを有する曲線板と、
    前記曲線板の前記エピトロコイド平行曲線と接するように配置される外ピンと、
    前記第2の孔の中に配置される内ピンと、
    前記第1の孔の中に配置される偏心体と、
    を有するサイクロ機構を含み、
    前記偏心体と前記内ピンのうち一方が前記回転入力部であり、他方が前記回転出力部であり、前記外ピンが前記回転制御部である、電気機械装置。
  6. 請求項3に記載の電気機械装置であって、
    前記変速機構部は、
    前記中心軸の外周沿って配列された第1の磁気変速ローター磁石を有する第1の磁気変速ローターと、
    前記第1の磁気変速ローター磁石に対向するように配列された第2の磁気変速ローター磁石を有する第2の磁気変速ローターと、
    前記第1の磁気変速ローターと前記第2の磁気変速ローターとの間に配列された磁極片と、
    前記自極片を支持するキャリアと、
    を有する磁気変速機構を含み、
    前記第1の磁気変速ローターと前記キャリアのうち一方が前記回転入力部であり、他方が前記回転出力部であり、前記第2の磁気変速ローターが前記回転制御部である、電気機械装置。
  7. 請求項3ないし請求項6のいずれか一項に記載の電気機械装置であって、
    前記第2の電気機械機構部の動作を制御することにより前記変速機構部の動作を制御する変速機構制御部を備え、
    前記変速機構制御部は、
    前記第2のステーターに配置された電磁コイルを駆動して前記第2のローターを回転させることにより、前記回転制御部の回転を所望の回転に制御する駆動制御部と、
    前記回転制御部の回転を減速させる際に、前記電磁コイルからのエネルギーの回生を行う回生制御部と、
    を備え、
    前記回生制御部は、
    前記電磁コイルに生じる誘起電圧のゼロクロス点を中心とした第1の回生区間を設定して回生を実行する第1の回生モードと、前記電磁コイルに生じる誘起電圧の極大点を中心とした第2の回生区間を設定して回生を実行する第2の回生モードと、を有し、前記第1の回生モードで回生されるエネルギー量が前記第2の回生モードで回生されるエネルギー量以下となるように前記第1と第2の回生区間の幅を設定する、電気機械装置。
  8. 請求項7に記載の電気機械装置であって、
    前記回生制御部は、前記第1又は第2の回生区間の幅が所定の第1の値以下となる場合には、前記第1の回生モードによる回生を実行し、前記第1又は第2の回生区間の幅が前記第1の値よりも大きな所定の第2の値以上となる場合には、前記第2の回生モードによる回生を実行する、電気機械装置。
  9. 請求項8に記載の電気機械装置であって、
    前記回生制御部は、回生されるエネルギー量が増大してゆく際に前記第1の回生モードから前記第2の回生モードへの切り換えを行うとともに、前記切り換えの直前における前記第1の回生区間の幅よりも、前記切り換えの直後の前記第2の回生区間の幅を小さく設定する、電気機器装置。
  10. 請求項7または請求項8に記載の電気機械装置であって、
    前記回生制御部は、回生されるエネルギー量が減少してゆく際に前記第2の回生モードから前記第1の回生モードへの切り換えを行うとともに、前記切り換えの直前における前記第2の回生区間の幅よりも、前記切り換えの直後の前記第1の回生区間の幅を大きく設定する、電気機械装置。
  11. 請求項9または請求項10に記載の電気機械装置であって、
    前記回生制御部は、前記第1の回生モードと前記第2の回生モードの切り換え時において、切り換え前後の回生されるエネルギー量が同じ値となって連続するように、切り換え直後の第1又は第2の回生区間の幅を設定する、電気機械装置。
  12. 請求項7ないし請求項11のいずれ一項に記載の電気機械装置であって、
    前記回転制御部の回転の減速の開始時には、前記第1の回生モードでの回生が実行される、電気機械装置。
  13. 請求項12に記載の電気機械装置であって、さらに、
    前記回転制御部の回転の減速の終了時には、前記第1の回生モードでの回生が実行される、電気機械装置。
  14. 動力発生装置であって、
    中心軸と、前記中止軸を中心とする、第1の駆動機構部、変速機構部、第2の駆動機構部、および、前記変速機構部に負荷を接続する負荷接続部と、が一体的に構成されており、
    前記変速機構部には、前記第2の駆動機構部が設けられており、
    前記第1の駆動機構部から前記変速機構部に入力された回転運動は、前記第2の駆動機構部による前記変速機構部の制御により回転制御されて、前記変速機構部から前記負荷接続部に伝達される、
    動力発生装置。
  15. 動力発生装置であって、
    中心軸と、
    前記中心軸を中心とする、第1の駆動機構部、変速機構部、第2の駆動機構部、および、前記変速機構部に負荷を接続する負荷接続部と、
    を備え、
    前記第1の駆動機構部は、
    前記中心軸の外周に沿って配置された第1のローター磁石を有する第1のローターと、
    前記第1のローターの外周に配置された第1のステーターと、
    を備え、
    前記第2の駆動機構部は、
    前記中心軸の外周に沿って配置された第2のローター磁石を有する第2のローターと、
    前記第2のローターの外周に配置された第2のステーターと、
    を備え、
    前記変速機構部は、
    前記第1のローターと接続または一体に形成される回転入力部と、
    前記負荷接続部に接続または一体に形成される回転出力部と、
    前記第2のローターと接続または一体に形成され、前記回転入力部と前記回転出力部の回転数の関係を可変に制御する回転制御部と、
    を備え、
    第1のローターには、前記中心軸と前記第1のローター磁石との間において、少なくとも前記中心軸の軸方向の一方に開口する第1の収容空間が形成されており、
    前記第2のローターには、前記中心軸と前記第2のローター磁石との間において、前記中心軸の軸方向の両側で開口する第2の収容空間が形成されており、
    前記変速機構部は、前記第1および第2の収容空間に収容されている、動力発生装置。
  16. 請求項1ないし請求項13のいずれか一項に記載の電気機械装置を備える移動体。
  17. 請求項1ないし請求項13のいずれか一項に記載の電気機械装置を備えるロボット。
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