JP2013125911A - マスク材組成物、不純物拡散層の形成方法、及び太陽電池 - Google Patents

マスク材組成物、不純物拡散層の形成方法、及び太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体基板への不純物拡散成分の拡散の際に拡散保護のために形成するマスクに好適に採用可能なマスク材組成物、を提供する。
【解決手段】マスク材組成物は、半導体基板への不純物拡散成分の拡散保護に用いられるマスク材組成物であり、一般式(a1)で表される構成単位(a1)を含むシロキサン樹脂(A1)と、ジメチルシロキサン構成単位(b1)及びアルキレンオキサイド構成単位(b2)を有する界面活性剤(B)と、溶剤(C)とを含む。
Figure 2013125911

[一般式(a1)中、Rは単結合又は炭素数1〜5のアルキレン基であり、Rは炭素数6〜20のアリール基である。]
【選択図】なし

Description

本発明は、マスク材組成物、不純物拡散層の形成方法、及び太陽電池に関するものである。
従来、太陽電池の製造において、半導体基板中に、例えばN型又はP型の不純物拡散層を形成する場合には、N型又はP型の不純物拡散成分を含む拡散剤を半導体基板表面にパターニングし、パターニングされた拡散剤から不純物拡散成分を拡散させて、N型又はP型の不純物拡散層を形成していた。具体的には、まず、半導体基板表面に熱酸化膜を形成し、続いてフォトリソグラフィ法により所定のパターンを有するレジストを熱酸化膜上に積層する。そして、当該レジストをマスクとして酸又はアルカリによりレジストでマスクされていない熱酸化膜部分をエッチングし、レジストを剥離して熱酸化膜のマスクを形成する。続いて、N型又はP型の不純物拡散成分を含む拡散剤を塗布してマスクが開口している部分に不純物拡散剤層を形成する。その後、不純物拡散剤層中の不純物拡散成分を高温で拡散させてN型又はP型の不純物拡散層を形成している。
このような太陽電池の製造に関して、特許文献1には、拡散制御用マスクとして用いられるマスキングペーストが開示されている。このようなマスキングペーストを用いることで、複雑なフォトリソグラフィー技術等を用いず、簡易的に不純物拡散領域の微細なパターニング形成をすることができ、低コストな太陽電池を製造することができる。
また、太陽電池に用いられる半導体基板は、その表面に鏡面加工が施されないことが多い。あるいは、太陽電池に用いられる半導体基板は、半導体基板表面での光の反射を防止するために、その表面に微細な凹凸構造を有するテクスチャ部が形成されることが多い。そのため、このような半導体基板の表面にマスクを形成した場合、マスク材が凹部に溜まって凹部におけるマスクの膜厚が大きくなってしまうことがあった。その際、特許文献1のマスク材では、膜厚が大きくなった部分にクラックが発生してしまい、これによりマスク材の拡散保護性能が損なわれてしまうおそれがあった。また、特許文献1のマスク材では、経時変化によりマスク材を構成する樹脂の分子量が増大してしまう場合があった。樹脂の分子量が増大するとマスク材の粘度等の特性が変化し、塗布安定性が低下するおそれがある。
これに対し、本発明者らは特許文献2において、高いクラック耐性と高い塗布安定性を有するマスク材組成物を提案した。このマスク材組成物は、嵩高い構造のアリール基を有するシロキサン樹脂を含有するものであり、このアリール基によりマスクに柔軟性を付与するとともに経時変化によるシロキサン樹脂の分子量増大を抑制することでクラック耐性及び塗布安定性の向上を図っている。
特開2007−49079号公報 特開2011−116953号公報
上述したマスク材組成物には、高精度なパターニング、もしくはより微細なパターニングを実現するために、半導体基板上に選択的に塗布された際に滲みや拡がりが少ないことが求められる。これに対し、本発明者らは鋭意検討した結果、半導体基板上に塗布されたマスク材組成物の滲みや拡がりの抑制に関して、従来のマスク材組成物には改善の余地があることを認識するに到った。
本発明は、発明者によるこうした認識に基づいてなされたものであり、その目的は、半導体基板への不純物拡散成分の拡散の際に拡散保護のために形成するマスクに好適に採用可能なマスク材組成物、当該マスク材組成物を用いた不純物拡散層の形成方法、及び太陽電池を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様はマスク材組成物である。このマスク材組成物は、半導体基板への不純物拡散成分の拡散保護に用いられるマスク材組成物であって、一般式(a1)で表される構成単位(a1)を含むシロキサン樹脂(A1)と、一般式(b1)で表されるジメチルシロキサン構成単位(b1)、及びアルキレンオキサイド構成単位(b2)を有する界面活性剤(B)と、溶剤(C)と、を含有し、界面活性剤(B)は、含有量が5000ppm以下であり、ジメチルシロキサン構成単位(b1)とアルキレンオキサイド構成単位(b2)との存在比が35:65〜99:1であることを特徴とする。
Figure 2013125911
[一般式(a1)中、Rは単結合又は炭素数1〜5のアルキレン基であり、Rは炭素数6〜20のアリール基である。]
Figure 2013125911
この態様によれば、半導体基板への不純物拡散成分の拡散の際に拡散保護のために形成するマスクに好適に採用可能なマスク材組成物を提供することができる。
本発明の他の態様は不純物拡散層の形成方法である。この不純物拡散層の形成方法は、半導体基板に、上記態様のマスク材組成物を選択的に塗布する工程と、半導体基板に塗布されたマスク材組成物をマスクとして、不純物拡散成分を半導体基板に選択的に塗布し、拡散させる拡散工程と、を含むことを特徴とする。
この態様によれば、より高精度に不純物拡散層を形成することができる。
本発明のさらに他の態様は太陽電池である。この太陽電池は、上記態様の不純物拡散層の形成方法により不純物拡散層が形成された半導体基板を備えたことを特徴とする。
この態様によれば、より信頼性の高い太陽電池を得ることができる。
本発明によれば、半導体基板への不純物拡散成分の拡散の際に拡散保護のために形成するマスクに好適に採用可能なマスク材組成物、当該マスク材組成物を用いた不純物拡散層の形成方法、及び太陽電池を提供することができる。
図1(A)〜図1(F)は、実施の形態に係る不純物拡散層の形成方法を含む太陽電池の製造方法を説明するための工程断面図である。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに説明する。実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
本実施の形態に係るマスク材組成物は、半導体基板への不純物拡散成分の拡散保護に用いられるマスク材組成物であって、シロキサン樹脂(A)と、界面活性剤(B)と、溶剤(C)と、を含有する。以下、各成分について詳細に説明する。
<シロキサン樹脂(A)>
シロキサン樹脂(A)は、マスク材本体を構成する樹脂である。本実施の形態に係るマスク材組成物は、シロキサン樹脂(A)として、下記一般式(a1)で表される構成単位(以下、適宜この構成単位を構成単位(a1)と称する)を含むシロキサン樹脂(A1)を含有する。
Figure 2013125911
[一般式(a1)中、Rは単結合又は炭素数1〜5のアルキレン基であり、Rは炭素数6〜20のアリール基である。]
ここで「構成単位」とは、高分子化合物(重合体、共重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位、ユニット)を意味する。
一般式(a1)中、Rの炭素数1〜5のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基等の直鎖状のアルキレン基や、イソプロピレン基、t−ブチレン基等の分岐鎖状のアルキレン基が挙げられる。Rとしては、メチレン基及びエチレン基が好ましい。
また、一般式(a1)中、Rの炭素数6〜20のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。また、このアリール基は、アルコキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、イミノ基、アミノ基等の置換基を有していてもよい。Rとしては、フェニル基及びナフチル基が好ましい。
構成単位(a1の具体例としては、例えば、下記式(a1−1)で表される構成単位(以下、適宜この構成単位を構成単位(a1−1)と称する)、下記式(a1−2)で表される構成単位(以下、適宜この構成単位を構成単位(a1−2)と称する)、下記式(a1−3)で表される構成単位(以下、適宜この構成単位を構成単位(a1−3)と称する)、及び下記式(a1−4)で表される構成単位(以下、適宜この構成単位を構成単位(a1−4)と称する)などが挙げられる。
Figure 2013125911
Figure 2013125911
Figure 2013125911
Figure 2013125911
また、シロキサン樹脂(A1)は、下記一般式(a2)で表される構成単位(以下、適宜この構成単位を構成単位(a2)と称する)を含んでもよい。
Figure 2013125911
[一般式(a2)中、Rは、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基である。]
一般式(a2)中、Rの炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基は、アルコキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、イミノ基、アミノ基等の置換基を有していてもよい。また、この脂肪族炭化水素基は、飽和又は不飽和のいずれでもよい。飽和炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−ブチル基、ヘキシル基、オクチルデシル基、ドデシル基、オクタデシル基等の直鎖状のアルキル基、イソプロピル基、t−ブチル基等の分岐鎖状のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基等の環状のアルキル基等が挙げられる。不飽和炭化水素基としては、例えば、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基等が挙げられる。
構成単位(a2)の具体例としては、Rがメチル基であるメチルシルセスキオキサンモノマー、Rがエチル基であるエチルシルセスキオキサンモノマー、Rがプロピル基であるプロピルシルセスキオキサンモノマーなどが挙げられる。構成単位(a1)と構成単位(a2)との共重合体であるシルセスキオキサン樹脂の具体例としては、例えば下記式(A1−1)で表されるものが挙げられる。
Figure 2013125911
[式(A1−1)中、j:kは、1:99〜99:1の範囲である。]
なお、構成単位(a1)と構成単位(a2)との共重合体は、構成単位(a1)の共重合比が50%以上、すなわちj:kが50:50〜1:99であることが好ましく、また、構成単位(a1)の共重合比が70%以上、すなわちj:kが30:70〜1:99であることがより好ましい。
また、シロキサン樹脂(A1)は、下記一般式(a3)で表される構成単位(以下、適宜この構成単位を構成単位(a3)と称する)を含んでもよい。
Figure 2013125911
[一般式(a3)中、R及びRは、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基である。]
一般式(a3)中、R及びRの炭素数6〜20のアリール基、及び炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基の具体例は、Rの炭素数6〜20のアリール基、及びRの炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基と同様である。構成単位(a3)において、R及びRは、炭素数6〜20のアリール基であることが好ましい。
本実施の形態に係るマスク材組成物は、構成単位(a1)を含むシロキサン樹脂(A1)を含有している。構成単位(a1)に含まれるアリール基は、嵩高い構造を有する。そのため、アリール基に起因する立体障害によって、隣接する構成単位同士あるいは隣接するポリマー同士の結合が適度に抑えられる。また、半導体基板表面へのマスク形成の際に、マスク材組成物の熱硬化によって嵩高いアリール基が焼失して、マスク中にポーラスが形成される。そして、このポーラスによって、隣接する構成単位同士あるいは隣接するポリマー同士の結合(シラノール脱水縮合)による体積収縮が適度に抑えられる。そのため、構成単位(a1)を含むことでマスクに柔軟性を持たせることができる。これにより、半導体基板の表面の凹部でマスクの膜厚が大きくなった場合でも、当該箇所におけるクラックの発生を抑制することができる。すなわち、マスクのクラック耐性を向上させることができる。
また、構成単位(a1)は、ケイ素(Si)の4つの結合手のうちの1つに嵩高いアリール基が結合した構造を有する。そのため、例えば従来のスピンオングラス(SOG)と比較した場合、マスクを構成するシロキサン樹脂(A)は反応性が乏しく、したがって分子量の変化が小さい。よって、シロキサン樹脂(A)の分子量が経時変化にともなって増大することを抑制することができる。これにより、マスク材の粘度等の特性が変化することを抑制でき、マスクのクラック耐性を向上させるとともに良好な塗布安定性を維持することができる。
シロキサン樹脂(A1)は、構成単位(a1)を含むシルセスキオキサン樹脂であることが好ましい。また、構成単位(a1)と構成単位(a2)とを含むシルセスキオキサン樹脂であってもよい。シルセスキオキサン樹脂は、かご状構造などの3次元構造をとるため、3次元ネットワーク構造を形成しやすい。したがって、シロキサン樹脂(A1)がシルセスキオキサン樹脂である場合は、他のシロキサン樹脂の場合と比べてマスクのクラック耐性をより高めることができる。
さらに、シロキサン樹脂(A1)は、構成単位(a1)のみからなるシルセスキオキサン樹脂であることが好ましい。この場合には、マスク中に含まれるアリール基の割合を増やすことができるため、マスクのクラック耐性の向上を図ることができ、またシルセスキオキサン樹脂によるクラック耐性向上効果も得ることができる。このようなシルセスキオキサン樹脂としては、例えば、下記一般式(A1−2)で表されるものが挙げられる。
Figure 2013125911
[一般式(A1−2)中、R、Rは単結合又は炭素数1〜5のアルキレン基であり、R、Rはアリール基であり、RとRからなる有機基と、RとRとからなる有機基とは互いに同じでも異なってもよく、異なる場合、m:nは1:99〜99:1の範囲である。]
一般式(A1−2)で表されるシルセスキオキサン樹脂の具体例としては、例えば、下記式(A1−2a)で表されるもの(以下、適宜シルセスキオキサン樹脂(A1−2a)と称する)や、下記式(A1−2b)で表されるもの(以下、適宜シルセスキオキサン樹脂(A1−2b)と称する)などが挙げられる。
Figure 2013125911
Figure 2013125911
シロキサン樹脂(A1)の質量平均分子量は、1000〜30000であることが好ましく、1500〜10000であることがより好ましい。このような質量平均分子量の範囲にすることにより、良好な塗布安定性が得られる。
なお、マスク材組成物は、シロキサン樹脂(A)として、構成単位(a1)を含まないシロキサン樹脂(A2)を含有してもよい。シロキサン樹脂(A2)としては、例えば構成単位(a2)のみからなるシルセスキオキサン樹脂、構成単位(a3)のみからなるシロキサン樹脂、又は構成単位(a2)及び構成単位(a3)からなるシロキサン樹脂などが挙げられる。
マスク材組成物の樹脂濃度は、1〜50%であることが好ましく、5〜40%であることがより好ましい。このような樹脂濃度の範囲にすることにより、良好な塗布安定性が得られる。
<界面活性剤(B)>
界面活性剤(B)は、下記一般式(b1)で表されるジメチルシロキサン構成単位(b1)を有する。
Figure 2013125911
また、界面活性剤(B)は、アルキレンオキサイド構成単位(b2)を有する。アルキレンオキサイド構成単位(b2)は、エチレンオキサイド(EO)構成単位及びプロピレンオキサイド(PO)構成単位の少なくとも一方を含む。アルキレンオキサイド構成単位(b2)がEO構成単位及びPO構成単位を含む場合、EO構成単位とPO構成単位との存在比は、1:99〜99:1とすることができる。
界面活性剤(B)におけるジメチルシロキサン構成単位(b1)とアルキレンオキサイド構成単位(b2)との存在比は、35:65〜99:1であり、好ましくは、40:60〜99:1ある。ジメチルシロキサン構成単位(b1)の存在比を35以上とすることで、基板上におけるマスク材組成物の滲みや拡がりを抑制することができる。
界面活性剤は通常、マスク材組成物の気液界面および固液界面に配向する。そして、本実施の形態における界面活性剤(B)は、主骨格(主鎖)にジメチルシロキサン構成単位(b1)を含む。そのため、界面活性剤(B)をシリコン基板上に塗布すると、ジメチルシロキサン構成単位(b1)がシリコン基板と界面活性剤(B)の界面に現れる。その結果、シリコン基板上でのマスク材組成物の滲みや拡がりが抑制される。
なお、マスク材組成物は、その他の界面活性剤を含有してもよい。その他の界面活性剤として、例えば、アニオン系、カチオン系、ノニオン系等の化合物が挙げられ、金属不純物の汚染リスクを低減する点からノニオン系界面活性剤が好ましい。
界面活性剤(B)のマスク材組成物における含有量は、5000ppm以下であり、好ましくは50〜5000ppmであり、より好ましくは500〜5000ppmである。界面活性剤(B)の含有量を5000ppm以下とすることで、基板上におけるマスク材組成物のはじきや収縮を抑制することができる。
<溶剤(C)>
溶剤(C)は、シロキサン樹脂(A)及び界面活性剤(B)を溶解できるものであればよい。溶剤(C)の具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテルなどのグリコール誘導体類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、3-ペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸ヘキシル、酢酸オクチル、酢酸2-エチルヘキシル、酢酸3-メトキシブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチル‐2-ピロリドン、γ-ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等の極性溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、溶剤(C)は、沸点が100℃以上の有機溶剤(C1)を含有することが好ましい。有機溶剤(C1)を含有することで、マスク材組成物の乾燥を抑制することができる。そのため、マスクパターンの形成にインクジェット印刷法を採用した場合に、マスク材組成物の乾燥によって起こるインクジェットノズルの目詰まりを防ぐことができる。また、マスクパターンの形成にスクリーン印刷法を採用した場合に、印刷版上でマスク材組成物が乾燥して固着してしまうのを回避することができる。したがって、溶剤(C)に有機溶剤(C1)を含有させることで、半導体基板に高精度のマスクパターンを形成することができる。溶剤(C)に有機溶剤(C1)を含有させる場合、有機溶剤(C1)は、溶剤(C)の全質量に対し10質量%以上となるように含有させることが好ましい。
有機溶剤(C1)の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、2−メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、4−メトキシブチルアセテート、2−メチル−3−メトキシブチルアセテート、2−エトキシブチルアセテート、4−エトキシブチルアセテート、4−プロポキシブチルアセテート、メチルイソブチルケトン、エチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソプロピル、メチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−エトキシプロピオネート、エチル−3−プロポキシプロピオネート、プロピル−3−メトキシプロピオネート、イソプロピル−3−メトキシプロピオネート、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、アセト酢酸メチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ベンジルメチルエーテル、ベンジルエチルエーテル、ベンゼン、トルエン、キシレン、ブタノール、イソブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノールなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、溶剤(C)は、沸点が180℃以上の有機溶剤(C2)を含有することが好ましい。有機溶剤(C2)を含有することで、マスク材組成物の乾燥をさらに抑制することができる。そのため、マスクパターンの形成にインクジェット印刷法を採用した場合に、マスク材組成物の乾燥によって起こるインクジェットノズルの目詰まりをより確実に防ぐことができる。また、マスクパターンの形成にスクリーン印刷法を採用した場合に、印刷版上でマスク材組成物が乾燥して固着してしまうのをより確実に回避することができる。したがって、溶剤(C)に有機溶剤(C2)を含有させることで、半導体基板により高精度のマスクパターンを形成することができる。溶剤(C)に有機溶剤(C2)を含有させる場合、有機溶剤(C2)は、マスク材組成物の全質量に対して、1〜60%であることが好ましく、5〜50%であることがより好ましく、10〜40%であることがさらに好ましい。このような範囲にすることにより、良好な塗布安定性が得られる。
有機溶剤(C2)の具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、プロピレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、グリセリン、ベンジルアルコール、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−エチル−3−メトキシブチルアセテート、2−メトキシペンチルアセテート、3−メトキシペンチルアセテート、4−メトキシペンチルアセテート、2−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、4−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、アセト酢酸エチル、乳酸ブチル、乳酸エチルヘキシル、ジヘキシルエーテル、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、テルピネオールなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<その他>
マスク材組成物中に含まれる金属不純物の濃度は、約500ppb以下であることが好ましく、約100ppb以下であることがより好ましい。また、マスク材組成物は、その他の添加剤として一般的な増粘剤などを含有してもよい。
<不純物拡散層の形成方法、及び太陽電池の製造方法>
図1(A)〜図1(F)を参照して、不純物拡散層の形成方法と、当該方法により不純物拡散層が形成された半導体基板を備える太陽電池の製造方法の一例について説明する。図1(A)〜図1(F)は、実施の形態に係る不純物拡散層の形成方法及び太陽電池の製造方法を説明するための工程断面図である。
まず、図1(A)に示すように、シリコン基板等のN型の半導体基板1上に、本実施の形態に係るマスク材組成物Mを選択的に塗布する。マスク材組成物Mは、インクジェット方式により半導体基板1の表面に選択的に塗布されてパターン状となる。すなわち、周知のインクジェット吐出機のインクジェットノズルから、半導体基板1の所定領域にマスク材組成物Mを吐出してパターニングする。インクジェット吐出機としては、電圧を加えると変形するピエゾ素子(圧電素子)を利用したピエゾ方式の吐出機を用いる。なお、加熱により発生する気泡を利用したサーマル方式の吐出機等を用いてもよい。マスクパターンを形成した後は、焼成してマスク材組成物Mを乾燥させる。
次に、図1(B)に示すように、半導体基板1上に塗布されたマスク材組成物Mをマスクとして、P型の不純物拡散成分を含有する拡散剤組成物2と、N型の不純物拡散成分を含有する拡散剤組成物3とを、半導体基板1上に選択的に塗布する。拡散剤組成物2及び拡散剤組成物3は、周知の方法で調整されたものである。
次に、図1(C)に示すように、拡散剤組成物2及び拡散剤組成物3がパターニングされた半導体基板1を、例えば電気炉等の拡散炉内に載置して焼成し、拡散剤組成物2中のP型の不純物拡散成分、及び拡散剤組成物3中のN型の不純物拡散成分を半導体基板1の表面から半導体基板1内に拡散させる。なお、拡散炉に代えて、慣用のレーザー照射により半導体基板1を加熱してもよい。このようにして、P型の不純物拡散成分が半導体基板1内に拡散して、P型不純物拡散層4が形成され、また、N型の不純物拡散成分が半導体基板1内に拡散して、N型不純物拡散層5が形成される。
次に、図1(D)に示すように、例えばフッ酸などの剥離剤を用いて、マスク材組成物M、拡散剤組成物2、及び拡散剤組成物3を除去する。
次に、図1(E)に示すように、熱酸化等により、半導体基板1のP型不純物拡散層4及びN型不純物拡散層5が形成された側の表面に、パッシベーション層6を形成する。また、半導体基板1のパッシベーション層6が形成された側と反対側の面に、ウェットエッチング法等の周知の方法により微細な凹凸構造を有するテクスチャ部を形成し、その上に太陽光の反射防止効果を有するシリコン窒化膜7を形成する。
次に、図1(F)に示すように、周知のフォトリソグラフィ法及びエッチング法により、パッシベーション層6を選択的に除去して、P型不純物拡散層4及びN型不純物拡散層5の所定領域が露出するようにコンタクトホール6aを形成する。そして、P型不純物拡散層4上に設けられたコンタクトホール6aに、例えば電解めっき法及び無電解めっき法により所望の金属を充填して、P型不純物拡散層4と電気的に接続された電極8を形成する。また、同様にして、N型不純物拡散層5上に設けられたコンタクトホール6aに、N型不純物拡散層5と電気的に接続された電極9を形成する。以上の工程により、本実施の形態に係る太陽電池10を製造することができる。
以上説明したように、本実施の形態に係るマスク剤組成物は、構成単位(a1)を含むシロキサン樹脂(A1)と、ジメチルシロキサン構成単位(b1)、及びアルキレンオキサイド構成単位(B2)を有する界面活性剤(B)と、溶剤(C)とを含有する。そして、界面活性剤(B)は、含有量が5000ppm以下であり、ジメチルシロキサン構成単位(b1)とアルキレンオキサイド構成単位(b2)との存在比が35:65〜99:1である。そのため、構成単位(a1)を含むことによりマスクのクラック耐性の向上及び良好な塗布安定性の維持を図りながら、ジメチルシロキサン構成単位(b1)を含むことによりマスク材組成物の滲みや拡がりを抑制することができる。したがって、本実施の形態に係るマスク材組成物は、半導体基板への不純物拡散成分の拡散保護の際に形成されるマスクに好適に採用可能である。
また、本実施の形態に係るマスク材組成物を用いて不純物拡散層を形成した場合には、より高精度に不純物拡散層を形成することができる。そして、このような不純物拡散層の形成方法により不純物拡散層が形成された半導体基板を太陽電池に用いた場合には、より信頼性の高い太陽電池を得ることができる。
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更などの変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれるものである。上述の実施の形態と以下の変形例との組合せによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態及び変形例それぞれの効果をあわせもつ。
例えば、上述の実施の形態では、インクジェット印刷法により半導体基板1にマスク材組成物Mを選択的に塗布したが、スピンコート法、スプレー印刷法、ロールコート印刷法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、凹版印刷法、オフセット印刷法等の他の印刷法を採用してもよい。
また、上述の実施の形態では、マスク材組成物を太陽電池の製造に用いたが、特にこれに限定されず、半導体素子を搭載した様々な半導体装置の製造に用いることができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、これら実施例は、本発明を好適に説明するための例示に過ぎず、なんら本発明を限定するものではない。
(マスク材組成物の作成)
実施例1〜5,比較例3,4:シロキサン樹脂(A)(製品名「TOS−174H」、東レファインケミカル株式会社製、シルセスキオキサン樹脂(A1−2b)をメイン樹脂として含み、質量平均分子量4500)25.0質量%と、界面活性剤(B)としてのアルキレンオキサイド変性ポリジメチルシロキサン0.1質量%(1000ppm)と、溶剤(C)としてのプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)36.9質量%、及びジプロピレングリコールモノメチルエーテル(DPGME)(製品名「MFDG」、日本乳化剤株式会社製)37.5質量%と、添加剤としての密着剤0.5%とを混合してマスク材組成物を作製した。実施例1〜5は、本実施の形態の界面活性剤(B)を添加したマスク材組成物である。比較例3,4は、ジメチルシロキサン構成単位(b1)とアルキレンオキサイド構成単位(b2)の存在比が本実施の形態から外れた界面活性剤(B)を添加した点が実施例と異なるマスク材組成物である。
比較例1:シロキサン樹脂(A)25.0質量%と、溶剤(C)としてのPGME37.0質量%及びDPGME37.5質量%と、添加剤としての密着剤0.5%とを混合してマスク材組成物を作製した。比較例1は、界面活性剤(B)を非添加とした点が実施例と異なるマスク材組成物である。
比較例2:シロキサン樹脂(A)25.0質量%と、界面活性剤(B)としての非シリコン系界面活性剤であるポリオキシレングリコールアルキルエーテル0.1質量%(1000ppm)と、溶剤(C)としてのPGME36.9質量%及びDPGME37.5質量%と、添加剤としての密着剤0.5%とを混合してマスク材組成物を作製した。比較例2は、非シリコン系界面活性剤を添加した点が実施例と異なるマスク材組成物である。
各実施例及び各比較例における界面活性剤(B)中のジメチルシロキサン構成単位(b1)とアルキレンオキサイド構成単位(b2)との存在比を表1に示す。
Figure 2013125911
アルキレンオキサイド構成単位(b2)について、実施形態1は、EO構成単位とPO構成単位との存在比を38:0とした。実施形態2は、EO構成単位とPO構成単位との存在比を26:0とした。実施形態3は、EO構成単位とPO構成単位との存在比を20:20とした。実施形態4は、EO構成単位とPO構成単位との存在比を50:12とした。実施形態5は、EO構成単位とPO構成単位との存在比を40:6とした。比較例3は、EO構成単位とPO構成単位との存在比を43:43とした。比較例4は、EO構成単位とPO構成単位との存在比を36:30とした。
(マスク材組成物の印刷)
各実施例及び各比較例のマスク材組成物を、インクジェット吐出機(製品名「MID−500C」、武蔵エンジニアリング株式会社製)を用いてシリコンウェハ上に吐出し、ライン状のマスクを印刷した。射出周波数は8500Hzとし、インクジェット吐出機の7つのノズルからマスク材組成物を吐出した(ビットマップ7ピクセル)。ライン幅の設定値は420μmとした。ライン状マスクの形成後、各シリコンウェハをホットプレート上に載置し、200℃で1分間乾燥させた。
(ライン幅の測定)
光学顕微鏡を用いて、各実施例及び各比較例のライン状マスクにおける乾燥前後のライン幅(μm)を計測した。乾燥前とは、ライン状マスクの形成後ホットプレート上に載置する前であり、乾燥後とは、200℃のホットプレート上で1分間放置した後である。ライン幅は、ライン状マスクの5箇所について測定した値の平均値とした。また、設定値(420μm)に対する乾燥後のライン幅の誤差を算出した。各実施例及び各比較例の結果を表1に示す。
(界面活性剤(B)の添加量評価)
上述した実施例3のマスク材組成物における界面活性剤(B)の添加量を表2に示すように異ならせた実施例3−1〜3−7、及び比較例5,6のマスク材組成物を作製した。なお、実施例3−4が上述した実施例3に相当する。作製したマスク材組成物を、上述した方法と同じ方法により、ライン幅の設定値を420μmとするライン状のマスクを形成した。そして、光学顕微鏡を用いて、実施例3−1〜3−7及び比較例5,6のライン状マスクにおける乾燥前後のライン幅(μm)を計測し、設定値(420μm)に対する乾燥後のライン幅の誤差を算出した。実施例3−1〜3−7、及び比較例5,6の結果を表2に示す。
Figure 2013125911
表1に示すように、実施例1〜5は、比較例1〜4に比べて設定値に対するライン幅の誤差が小さかった。このことから、ジメチルシロキサン構成単位(b1)の存在比が35以上である実施例1〜5のマスク材組成物によれば、シリコンウェハ上に印刷した際の滲みや拡がりを抑制できることが分かった。したがって、各実施例のマスク材組成物は、インクジェット印刷法に好適に採用可能である。また、実施例1〜3,5は、実施例4に比べてより誤差が小さかった。このことから、ジメチルシロキサン構成単位(b1)の存在比が40以上のときに滲みや拡がりをより抑制できることが分かった。
また、通常、太陽電池に用いられる基板は表面に多数の凹凸を有する。そのため、基板上ではじきや収縮を示すマスク材組成物では、この凹凸に対する追従性が低く、マスクのライン形状を維持できない可能性が高い。そのため、マスク材組成物は、基板上で滲みや拡がりが少ないことが求められるとともに、それ以上に基板上ではじきや収縮がないことが求められる。これに対し、実施例1〜5は、乾燥前後でライン幅の差がなかった。このことから、実施例1〜5のマスク材組成物によれば、基板上でのマスクのはじきや収縮を抑制できることが分かった。
また、表2に示すように、実施例3−1〜3−7は乾燥前後でライン幅の差がないのに対し、比較例5,6は乾燥後にライン幅が減少した。これは、実施例3−1〜3−7ではマスク材組成物のはじきや収縮が起こらなかったのに対し、比較例5,6ではマスク材組成物のはじきや収縮が起こったことを示す。このことから、界面活性剤(B)の含有量が5000ppm以下である場合に、マスク材組成物のはじきや収縮を抑制できることが分かった。また、実施例3−3〜3−7では、実施例3−1,3−2に比べてより誤差が小さかった。このことから、界面活性剤(B)の含有量が500ppm以上のときに滲みや拡がりをより抑制できることが分かった。
M マスク材組成物、 1 半導体基板、 2,3 拡散剤組成物、 4 P型不純物拡散層、 5 N型不純物拡散層、 6 パッシベーション層、 6a コンタクトホール、 7 シリコン窒化膜、 8,9 電極、 10 太陽電池。

Claims (8)

  1. 半導体基板への不純物拡散成分の拡散保護に用いられるマスク材組成物であって、
    一般式(a1)で表される構成単位(a1)を含むシロキサン樹脂(A1)と、
    一般式(b1)で表されるジメチルシロキサン構成単位(b1)、及びアルキレンオキサイド構成単位(b2)を有する界面活性剤(B)と、
    溶剤(C)と、を含有し、
    前記界面活性剤(B)は、含有量が5000ppm以下であり、ジメチルシロキサン構成単位(b1)とアルキレンオキサイド構成単位(b2)との存在比が35:65〜99:1であることを特徴とするマスク材組成物。
    Figure 2013125911
    [一般式(a1)中、Rは単結合又は炭素数1〜5のアルキレン基であり、Rは炭素数6〜20のアリール基である。]
    Figure 2013125911
  2. 前記アルキレンオキサイド構成単位(b2)は、エチレンオキサイド構成単位及びプロピレンオキサイド構成単位の少なくとも一方を含む請求項1に記載のマスク材組成物。
  3. 前記シロキサン樹脂(A1)は、前記一般式(a1)で表される構成単位のみからなるシルセスキオキサン樹脂である請求項1又は2に記載のマスク材組成物。
  4. 前記シルセスキオキサン樹脂は、一般式(A1−2)で表される請求項3に記載のマスク材組成物。
    Figure 2013125911
    [一般式(A1−2)中、R、Rは単結合又は炭素数1〜5のアルキレン基であり、R、Rはアリール基であり、RとRからなる有機基と、RとRとからなる有機基とは互いに同じでも異なってもよく、異なる場合、m:nは1:99〜99:1の範囲である。]
  5. 前記溶剤(C)は、沸点が100℃以上の有機溶剤(C1)を含有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載のマスク材組成物。
  6. 前記溶剤(C)は、沸点が180℃以上の有機溶剤(C2)を含有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載のマスク材組成物。
  7. 半導体基板に、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のマスク材組成物を選択的に塗布する工程と、
    前記半導体基板に塗布された前記マスク材組成物をマスクとして、不純物拡散成分を前記半導体基板に選択的に塗布し、拡散させる拡散工程と、
    を含むことを特徴とする不純物拡散層の形成方法。
  8. 請求項7に記載の不純物拡散層の形成方法により不純物拡散層が形成された半導体基板を備えたことを特徴とする太陽電池。
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