JP2013125713A - 二次電池システムおよび二次電池システムの制御方法 - Google Patents

二次電池システムおよび二次電池システムの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電池の内部抵抗上昇を適切な範囲内に抑制して、内部抵抗の増大を抑制し、サイクル特性に優れる二次電池システムを提供する。
【解決手段】リチウムイオン二次電池における充放電時の最大電流値が時間率5C以上であり、リチウムイオン二次電池の充放電を制御する充放電制御手段と、リチウムイオン二次電池の内部抵抗を算出する内部抵抗演算手段と、内部抵抗演算手段により算出されたリチウムイオン二次電池の内部抵抗が内部抵抗閾値Ds1を越えたことを検出する内部抵抗上昇検出手段と、前記リチウムイオン二次電池の電池表面温度が25℃以下の時に、内部抵抗閾値より内部抵抗演算手段により算出されたリチウムイオン二次電池の内部抵抗が大きくなると、充放電中のリチウムイオン二次電池の充放電電流値をリチウムイオン二次電池の内部抵抗が内部抵抗閾値を越える前の充放電電流値より小さくする劣化判断手段と、を備えた二次電池システム。
【選択図】 図3

Description

本発明は、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な正極と、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な非晶質炭素である負極と、前記正極及び前記負極の間に配置されたセパレータと、有機電解液とを有するリチウムイオン二次電池を用いた電池システムおよび二次電池システムの制御方法に関する。
環境保護及び省エネルギーの観点から、エンジンとモータを動カ源として併用するハイブリッド電気自動車(HEV)が開発、製品化されている。また、将来的には、電気プラグから電力を供給できるシステムを有するプラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)の開発が進められている。このハイブリッド電気自動車のエネルギー源には、電気を繰り返し充放電可能な二次電池が使用される。中でもリチウムイオン二次電池は、ニッケル水素電池等の他の二次電池に比べ、動作電圧が高く、高い出力を得やすい点で有利であり、今後、ハイブリッド電気自動車の電源としてますます重要性が高まると考えられる。
国際公開第2010/079595号
ハイブリッド電気自動車においては、自動車の加速力をモータ駆動でアシストするために強力なアシスト力を必要とし、電源となる電池の高出力化が要求されている。また、車両走行時では、ハイブリッドシステムの制御方法にもよるが、電池は最大電流値が時間率10C以上に及ぶ大電流での充電および放電が瞬時に連続的に繰り返される。このような使用条件においても高出力性能が維持されることが求められている。
このようなリチウムイオン二次電池を用いた二次電池システムでは充放電サイクルによって電池の内部抵抗が徐々に増大する劣化現象が知られている。このような劣化現象は、大電流大容量な充放電サイクルの場合に発生し易く、さらに低温環境において充放電サイクルをすることにより、更に発生し易くなる。
特許文献1は、電解液の塩濃度分布の偏りを防止して内部抵抗の上昇を回避し、非電解質液型リチウムイオン二次電池の耐久性を向上させる非電解質液型リチウムイオン二次電池システムと制御方法の技術を開示している。内部抵抗上昇の原因は、電極に起因するものと塩濃度に起因するものがあると示唆しているが、個々に抵抗上昇の原因として発生している訳では無く、電極パラメータと電解液成分には相関があり、不均一な塩濃度分布は電極パラメータ、つまり電極活物質、電極密度等により変化すると考えられる。そのため、リチウムイオン電池の内部抵抗上昇抑制のためには、電極パラメータを考慮した電池全体としての対策が必要であり、さらに改善の余地がある。
本発明は、リチウムイオン二次電池の内部抵抗上昇を適切な範囲内に抑制することにより、内部抵抗の増大を抑制し、サイクル特性に優れる二次電池システムを提供する。
発明者らは、リチウムイオン二次電池の制御方法に関して検討を進めた結果、内部抵抗の増大と、その内部抵抗の増大に伴う電圧低下に相関があることを発見し、本発明を完成した。すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な正極活物質を含む正極と、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な非晶質炭素を含む負極と、正極及び負極の間に配置されたセパレータと、有機電解液と、を有する、リチウムイオン二次電池を備えた二次電池システムであって、リチウムイオン二次電池における充放電時の最大電流値が時間率5C以上であり、リチウムイオン二次電池の充放電を制御する充放電制御手段と、リチウムイオン二次電池の内部抵抗を算出する内部抵抗演算手段と、内部抵抗演算手段により算出されたリチウムイオン二次電池の内部抵抗が内部抵抗閾値Ds1を越えたことを検出する内部抵抗上昇検出手段と、リチウムイオン二次電池の電池表面温度が25℃以下の時に、内部抵抗閾値Ds1より内部抵抗演算手段により算出されたリチウムイオン二次電池の内部抵抗が大きくなると、充放電中のリチウムイオン二次電池の充放電電流値をリチウムイオン二次電池の内部抵抗が内部抵抗閾値Ds1を越える前の充放電電流値より小さくする劣化判断手段と、を備えた二次電池システム。
(2)上記において、リチウムイオン二次電池の電池表面温度を検出する電池状態検出手段と、電池状態検出手段で検出した電池表面温度に応じて内部抵抗閾値Ds1を設定する内部抵抗閾値設定手段と、を備えた二次電池システム。
(3)上記において、内部抵抗閾値Ds1より内部抵抗演算手段により算出されたリチウムイオン二次電池の内部抵抗が大きくなると、劣化判断手段は、充放電中のリチウムイオン二次電池の充放電電流値を所定電流値以下に制御する二次電池システム。
(4)上記において、内部抵抗閾値Ds1より内部抵抗演算手段により算出されたリチウムイオン二次電池の内部抵抗が大きくなると、劣化判断手段は、充放電中のリチウムイオン二次電池の充放電を停止する二次電池システム。
(5)上記において、劣化判断手段によって充放電中のリチウムイオン二次電池の充放電電流値をリチウムイオン二次電池の内部抵抗が内部抵抗閾値Ds1を越える前の充放電電流値より小さくした後、リチウムイオン二次電池の内部抵抗が内部抵抗演算手段により予め設定された内部抵抗閾値Ds2より小さくなると、劣化判断手段によって充放電中のリチウムイオン二次電池モジュールの充放電電流値をリチウムイオン二次電池の内部抵抗が内部抵抗閾値Ds1を越える前の充放電電流値に制御する二次電池システム。
(6)リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な正極活物質を含む正極と、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な非晶質炭素を含む負極と、正極及び負極の間に配置されたセパレータと、有機電解液と、を有する、リチウムイオン二次電池を備えた二次電池システムの制御方法であって、リチウムイオン二次電池における充放電時の最大電流値が時間率5C以上であり、リチウムイオン二次電池の充放電を制御する充放電制御手段と、リチウムイオン二次電池の内部抵抗を算出する内部抵抗演算手段と、内部抵抗演算手段により算出されたリチウムイオン二次電池の内部抵抗が内部抵抗閾値Ds1を越えたことを検出する内部抵抗上昇検出手段と、リチウムイオン二次電池の電池表面温度が25℃以下の時に、内部抵抗閾値Ds1より内部抵抗演算手段により算出されたリチウムイオン二次電池の内部抵抗が大きくなると、充放電中のリチウムイオン二次電池の充放電電流値をリチウムイオン二次電池の内部抵抗が内部抵抗閾値Ds1を越える前の充放電電流値より小さくする劣化判断手段と、を備えた二次電池システムの制御方法。
本発明によれば、内部抵抗を演算もしくは推定することにより、内部抵抗上昇により引き起こされる急激な電圧低下を抑制することができるため、リチウムイオン二次電池の優れたサイクル特性が期待できる。上記した以外の課題、構成及び効果は以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明が適用される捲回型リチウムイオン二次電池の片側断面模式図である。 二次電池システムの概略構成図である。 実施形態1の二次電池システムのシステムフロー図である。 内部抵抗とサイクル放電下限電圧との関係である。 環境温度と内部抵抗との関係である。 実施形態2の二次電池システムのシステムフロー図である。 内部抵抗とフィッティング結果との関係である。 実施例1の内部抵抗と充放電波形との関係である。 実施例2の内部抵抗と充放電波形との関係である。
以下、図面等を用いて、本発明の実施形態について説明する。以下の説明は本発明の内容の具体例を示すものであり、本発明がこれらの説明に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。また、本発明を説明するための全図において、同一の機能を有するものは、同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
本発明者らは、リチウムイオン二次電池の制御方法に関して検討を進めた結果、内部抵抗の増大と、その内部抵抗の増大に伴う電圧低下に相関があることを発見した。具体的には、サイクル経過に伴う内部抵抗が増大した後、電圧低下が引き起こされることが分かった。そのため、内部抵抗に閾値を設けることにより、その後に発生する内部抵抗上昇による急激な電圧低下を推定し、抑制することができる。
内部抵抗の上昇は、リチウムイオン二次電池における充放電時の最大電流値が時間率5C以上のハイレート充放電を行うことにより引き起こされる。また、50℃のような高温では内部抵抗の上昇は顕著に出現しない。25℃以下で、より顕著に出現する。ハイレート充放電により、正極および負極との間に保持されている電解液中のリチウムイオン濃度の偏りが生じる。例えば、リチウムイオンの偏りが生じ、リチウムイオン濃度が負極側で高く、正極側で低くなると、放電の際、正極に到達するリチウムイオンが少なくなる。その結果、リチウムイオンと結合するはずであった電子が余ることになる。その余剰電子は電解液成分を分解する。電解液分解成分は、正極表面に有機物および無機物として堆積し、リチウムイオンの脱挿入を阻害することになる。充放電サイクルにより、リチウムイオンの偏りと正極表面への有機物および無機物の堆積が繰り返され、さらに内部抵抗が上昇すると推察される。
この内部抵抗上昇メカニズムは、負極に非晶質炭素を用いた場合に確認されている。例えば、負極に黒鉛を使用した場合、サイクル時の黒鉛の膨張収縮による活物質間のひび割れが生じ、黒鉛粒子が孤立し、負極利用率が低下する。そのため、電池容量が低下する。この黒鉛粒子の孤立は、元に戻らないため、電極劣化メカニズムが異なり、上記の非晶質炭素の抵抗上昇とは異なる。
また、本発明者らは、内部抵抗が増大したリチウムイオン二次電池において、内部抵抗が増大後、無負荷状態にすることで、内部抵抗が低下する現象を発見した。この内部抵抗の低下は、正極表面に堆積した電解液分解成分の剥離もしくは溶解と、リチウムイオンの偏りの解消により引き起こされると考えられる。
本発明は、かかる知見に基づいてなされたものであって、リチウムイオン二次電池の内部抵抗を制御することにより、電池の内部抵抗を適切な範囲内に収め、良好なサイクル特性が得られる。
リチウムイオン二次電池の内部抵抗推定手法において、必要なパラメータとして、電池電圧,充放電電流,充放電電気量、及び電池温度などが考えられる。電池電圧は、リチウムイオン二次電池の充電状態を示し、一般的に電池電圧が高いと、負極側でリチウムイオンの自己放電が進行し、リチウムイオンが失われるため、劣化が加速される。また、電池温度が高くなると、リチウムイオン二次電池内の電解液の分解/生成が進行し、劣化が加速されると考えられる。充放電電流、及び充放電電気量は電極内にリチウムイオンが脱挿入する速度、及び量を示し、どちらも値が大きいと劣化が進行すると考えられる。
次に本発明の実施形態1について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明が適用されるリチウムイオン二次電池の一実施形態を示すもので、捲回型リチウムイオン二次電池100の片側断面模式図を示している。
このリチウムイオン二次電池100は、電極反応物質としてリチウムを用いるものである。このリチウムイオン二次電池100は、いわゆる円筒型といわれるものであり、ほぼ中空円柱状の負極電池缶13の内部に、一対の帯状の正極3と帯状の負極6とセパレータ7とが捲回された捲回電極群を有し、正極3及び負極6は、セパレータ7を介して対向配置され、電解液が注入されている。
負極電池缶13は、例えばニッケル(Ni)のメッキがされた鉄(Fe)により構成されており、一端部が閉鎖され他端部が開放されている。負極電池缶13の内部には、捲回電極群を挟むように捲回周面に対して垂直に一対の正極絶縁材10及び負極絶縁材11がそれぞれ配置されている。
負極電池缶13の開放端部には、正極電池蓋12が、ガスケット14を介してかしめることにより取り付けられており、負極電池缶13の内部は密閉されている。正極電池蓋12は、例えば、負極電池缶13と同様の材料により構成されている。
捲回電極群の正極3には、例えばアルミニウム(Al)などからなる正極リード8が接続されており、負極6には、例えばニッケル(Ni)などからなる負極リード9が接続されている。正極リード8は、正極電池蓋12と電気的に接続さており、負極リード9は、負極電池缶13に溶接され電気的に接続されている。
本発明における電極捲回群の形状は必ずしも真円筒形である必要はなく、捲回群断面が楕円である長円筒形や捲回断面が長方形のような角柱の様な形状でもよい。代表的な使用形態としては、筒状で底のある電池缶に電極捲回群と電解液を充填し、電極板から電流を取り出すタブが蓋と電池缶に溶接された状態で封じられている形態が好ましいが、特にこの形態に限定されない。
また電極捲回群を充填する負極電池缶13は、特に限定されるものではないが、耐腐食のために鉄にメッキを施した電池缶,ステンレス鋼製電池缶など、強度,耐腐食性,加工性に優れるものが好ましい。また、アルミニウム合金や各種エンジニアリングプラスティックを使用して軽量化をはかることも可能であり、各種エンジニアリングプラスティックと金属との併用も可能である。
以下に、電池の正極,負極,電解液,セパレータについて説明する。
<正極>
まず、正極について説明する。正極3は、正極活物質,導電材及びバインダ等を含む正極ペーストを正極集電体1の表面に塗布して、正極電極層2を設けて得ることができる。
正極活物質,導電材と黒鉛、バインダを用いて、乾燥時の固形分重量を考慮し、溶剤を用いて、正極材ペーストを調製する。この正極材ペーストを、正極集電体1として用いたアルミ箔に塗布した後、80℃で乾燥し、加圧ローラーでプレスし、120℃で乾燥して正極電極層2を正極集電体1に形成する。
なお、正極材料には、組成式LiMnxM1yM2z2(式中、M1は、Co,Niから選ばれる少なくとも1種、M2は、Co,Ni,Al,B,Fe,Mg,Crから選ばれる少なくとも1種であり、x+y+z=1、0.2≦x≦0.6、0.2≦y≦0.6、0.05≦z≦0.4)で表されるものが好ましい。
特に、LiMn0.4Ni0.4Co0.22,LiMn1/3Ni1/3Co1/32,LiMn0.3Ni0.4Co0.32,LiMn0.35Ni0.3Co0.3Al0.052,LiMn0.35Ni0.3Co0.30.052,LiMn0.35Ni0.3Co0.3Fe0.052,LiMn0.35Ni0.3Co0.3Mg0.052などを用いることができる。なお、これらを一般的に正極活物質と称する場合がある。組成中、Niを多くすると容量が大きくなり、Coを多くすると低温での出力が大きくなり、Mnを多くすると材料コストを抑制できる。特に、LiMn1/3Ni1/3Co1/32は、低温特性とサイクル安定性が高く、ハイブリット自動車(HEV)用リチウムイオン電池材料として好適である。また、添加元素は、サイクル特性を安定させるのに効果がある。他に、一般式LiMxPO4(M:Fe又はMn、0.01≦x≦0.4)やLiMn1-xxPO4(M:Mn以外の2価のカチオン、0.01≦x≦0.4)である空間群Pnmaの対称性を有する斜方晶のリン酸化合物であっても良い。
正極バインダは、正極を構成する材料と正極用集電体を密着させるものであればよく、例えば、フッ化ビニリデン,四フッ化エチレン,アクリロニトリル,エチレンオキシドなどの単独重合体又は共重合体、スチレン−ブタジエンゴムなどを挙げることができる。
導電材は、例えば、カーボンブラック,グラファイト,カーボンファイバー及び金属炭化物などのカーボン材料であり、それぞれ単独でも混合して用いても良い。
<負極>
続いて、負極について説明する。負極6は、負極活物質,導電材及び結着剤などを混合して得られた負極ペーストを、負極集電体4の表面に塗布し、負極電極層5を設けて得ることができる。
負極材料,導電材,バインダを用いて、乾燥時の固形分重量を考慮し、溶剤を用いて、負極材ペーストを調製する。この負極材ペーストを、負極集電体4として用いた銅箔に塗布し、80℃で乾燥し、加圧ローラーでプレスし、120℃で乾燥して負極電極層5を負極集電体4に形成する。
負極材料は、非晶質炭素材料であり、導電性が高く、低温特性、サイクル安定性の面から優れた材料である。炭素網面層間隔d002は0.39nm以下であり、擬似異方性炭素と称する場合がある。炭素網面層間隔d002の広い材料が急速充放電や低温特性に優れ、好適である。しかし、d002が広い材料は、充電の初期での容量低下や充放電効率が低いことがあるので、d002は0.39nm以下が好ましい。更に、電極を構成するには黒鉛質,非晶質,活性炭などの導電性の高い炭素質材料を混合しても良い。
負極バインダは、負極を構成する材料と負極用集電体を密着させるものであればよく、例えば、フッ化ビニリデン,四フッ化エチレン,アクリロニトリル,エチレンオキシドなどの単独重合体又は共重合体、スチレン−ブタジエンゴムなどを挙げることができる。
導電剤は、例えば、カーボンブラック,グラファイト,カーボンファイバー及び金属炭化物などのカーボン材料であり、それぞれ単独でも混合して用いても良い。
<電解液>
次に電解液について説明する。電解液は、溶媒と、添加剤と、電解質から構成される。 原理的に広い電圧範囲で作動させることが可能なリチウムイオン二次電池の電解液には、耐電圧特性が必要であり、有機化合物を溶媒とする有機電解液が用いられている。電解質としてリチウム塩を有し、溶媒としてカーボネートを有する電解液が高導電率化でき、広い電位窓を有する点で、リチウムイオン二次電池用の電解液として広く用いられている。
リチウム塩とカーボネート溶媒とからなる電解液はリチウムイオン二次電池の負極表面で反応することが知られている。これらの電極反応を抑制し、電池の長期保存、連続充放電においても高耐性な電池にするために、しばしば電解液に溶媒よりも高い還元反応電位をもった添加剤を加える。これらの添加剤は、それ自身が還元分解し、電極表面に不活性な被膜を形成する。そしてその電極表面上に形成された被膜が継続した電極反応を抑制する。
電解質としては、LiPF6は、品質の安定性が高く、カーボネート溶媒中ではイオン伝導性が高いことから好ましい。電解質の濃度は、溶媒と添加剤の総量に対して0.5mol/l〜2mol/lであることが好ましい。この濃度が低過ぎると、有機電解液の電気伝導率が不十分となる場合があり、濃度が高過ぎると、粘度上昇のため電気伝導率が低下し、有機電解液を用いたリチウムイオン二次電池の性能が低下する場合がある。
添加剤としては、ビニレンカーボネート(VC),メチルビニレンカーボネート(MVC),ジメチルビニレンカーボネート(DMVC),エチルビニレンカーボネート(EVC),ジエチルビニレンカーボネート(DEVC)等を用いることができる。VCは、分子量が小さく、緻密な電極被膜を形成すると考えられる。VCにアルキル基を置換したMVC,DMVC,EVC,DEVC等は、アルキル鎖の大きさに従い、密度の低い電極被膜を形成すると考えられ、低温特性向上には有効に作用するものと考えられる。添加剤は溶媒に対して組成比率が、0.01wt%〜5wt%であることが好ましい。さらに望ましくは、0.1wt%〜2wt%が好ましい。組成比率が高いと電解液の抵抗を高くしてしまうおそれがある。
溶媒としては、エチレンカーボネート(EC),ジメチルカーボネート(DMC),プロピレンカーボネート等の非プロトン性有機系溶媒、あるいはこれらの2種以上の混合有機化合物の溶媒が用いられている。リチウムイオン二次電池は、充放電サイクル中の放電特性、低温時および大電流放電時の放電特性が良好であること、長期保存、あるいは長期高温保存したときの容量保存特性が良好であること等が望まれ、これらを満足する有機電解液が要求されている。上記の諸要求を満たすためには、1種類の化合物のみからなる溶媒を用いるのでは困難であり、2種以上の化合物を混合して溶媒として用いる必要がある。
具体的には、リチウム塩の解離度を向上し、イオン伝導性を向上させる、例えば、エチレンカーボネート(EC),プロピレンカーボネート(PC),ブチレンカーボネート(BC)などが挙げられる。これらのうち誘電率が最も高くリチウム塩の解離度を向上でき、高イオン伝導な電解液を提供できるECが好ましい。ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC),ジエチルカーボネート(DEC),メチルプロピルカーボネート(MPC)、エチルプロピルカーボネート(EPC)等を用いることができる。
DMCは、相溶性の高い溶媒であり、EC等と混合して用いるのに好適である。DECは、DMCよりも融点が低く、−30℃の低温特性を改善するのには好適である。EMCは、分子構造が非対称であり、融点も低いので低温特性を改善するのには好適である。その中でも広い温度範囲で電池特性を確保できるECとDMCの混合溶媒が好ましい。
<セパレータ>
セパレータ7については、リチウムイオン二次電池の使用範囲に耐えうる組成であれば、特に限定されないが、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の微多孔フィルムを単一あるいは複合して用いるのが一般的であり、また態様として好ましい。このセパレータの厚みに限定されないが、10〜40μmが好ましい。
次に図2に二次電池システムを示す。リチウムイオン二次電池モジュール21は図1の電池を複数直列、並列、もしくは直並列を組み合わせている。このリチウムイオン二次電池モジュール21を複数、並列に接続して組電池を構成する。
リチウムイオン二次電池モジュール21のそれぞれの状態を検出するために、バッテリコントローラ26を備える。二次電池システムは、電池状態検出手段としてリチウムイオン二次電池モジュール21の電池電圧を測定する電圧測定部22,充放電電流を測定する電流測定部23,電池表面温度を測定する温度測定部24,充放電時間を検出する時間測定部25を有する。このバッテリコントローラ26は、内部抵抗演算手段を有する。電圧測定部22,電流測定部23,温度測定部24,時間測定部25から内部抵抗を検出する。また、このバッテリコントローラ26は、内部抵抗上昇検出手段,劣化判断手段,内部抵抗閾値設定手段を有する。電圧測定部22,電流測定部23,温度測定部24,時間測定部25から内部抵抗上昇を検出し、設定された内部抵抗閾値と比較し、劣化判断を行う。
バッテリコントローラ26はCPU,ROM,RAMを有し、所定のプログラムによって作動するマイクロコンピュータを含んでいる。そして電圧測定部22,電流測定部23,温度測定部24,時間測定部25から得られた検出値を基に、バッテリコントローラ26中の充放電制御手段によってリチウムイオン二次電池モジュール21の充放電制御を行う。
電池状態検出手段の一つである、電圧測定部22では、リチウムイオン二次電池モジュール21の電圧を検出する。検出する電池電圧はリチウムイオン二次電池モジュール21を構成する一つの電池もしくは、電池を複数個直列に接続した電池群、及び電池を複数個直並列に接続した組電池の電圧が考えられるが、測定する電池電圧は特に限定されるものではない。
次に、電流測定部23では、充放電電流の値を検出する。検出方法としては、検流計、シャント抵抗を用いた検流、及びクランプメータなどが考えられるが、これに限定されるものではなく、電流値を検出する手段であれば、如何なる手段も用いることができる。
次に、温度測定部24では、リチウムイオン二次電池モジュール21の温度を検出する。温度を検出する手段は、熱電対,サーミスタ等が考えられるが、特に限定されるものではない。また、温度を検出する箇所は電池表面,電池内部,リチウムイオン二次電池が収められている筺体の表面温度、及びリチウムイオン二次電池モジュール21の周囲環境温度が考えられる。
次に、時間測定部25は、リチウムイオン二次電池モジュール21の充放電に関する時間を計測する。例えば、放電を開始してからの経過時間等を計測するものである。
電気負荷27は、例えば自動車であれば、ヒータ,電動ブレーキ,電動パワーステアリング,電動モータであってよい。
以上のように、本実施形態によれば、リチウムイオン二次電池モジュール21を複数個並列に接続した二次電池システムにおいて、リチウムイオン二次電池モジュール21に対して、バッテリコントローラ26を備えている。またバッテリコントローラ26において電圧測定部22,電流測定部23,温度測定部24,時間測定部25で得られた検出値と電気負荷27の状態に応じて、リチウムイオン二次電池モジュール21の充電,放電,休止などを制御する。
次に、バッテリコントローラ26の充放電制御方法について説明する。
図3は本発明の第1実施形態に係る二次電池システムのフロー図である。
最初に、リチウムイオン二次電池の放電を開始する命令をバッテリコントローラ26から充放電するリチウムイオン二次電池モジュール21に信号を送信しサイクルを開始する(ステップ301)。
信号を受信したリチウムイオン二次電池モジュール21は、例えば、放電開始後、電圧測定部22,電流測定部23,温度測定部24,時間測定部25により、放電電流Id、放電時間(放電開始からの経過時間)td,電池電圧V、及び電池温度Tを計測して、バッテリコントローラ26へ送信する。
バッテリコントローラ26中の内部抵抗演算手段は、これら4つのパラメータ(V,I,T,t)から電池の内部抵抗Dを算出する(ステップ302)。
リチウムイオン二次電池モジュール21は、充放電中に随時内部抵抗Dを計測し、内部抵抗閾値Ds1と内部抵抗Dとを比較する(ステップ303)。ここで、内部抵抗Dが内部抵抗閾値Ds1より大きい、つまり、内部抵抗上昇検出手段によって内部抵抗Dが内部抵抗閾値Ds1を越えたことを検出された場合には、劣化判断手段によって充放電電流値を所定電流値以下に制限する(ステップ304)。つまり、充放電電流値をリチウムイオン二次電池の内部抵抗が内部抵抗閾値Ds1を越える前の充放電電流値より小さくする。内部抵抗Dが内部抵抗閾値Ds1以下である場合には、判定前の充放電サイクルを継続する。
さらに、リチウムイオン二次電池モジュール21は、充放電中に随時内部抵抗Dを計測し、内部抵抗閾値Ds2と内部抵抗Dとを比較する(ステップ305)。ここで、内部抵抗Dが内部抵抗閾値Ds2以上である場合には、充放電電流値の制限を維持する(ステップ304)。内部抵抗Dが内部抵抗閾値Ds2より小さい場合には、初期の充放電電流での充放電サイクルを開始する(ステップ306)。
内部抵抗閾値Ds1および内部抵抗閾値Ds2は図4から設定することができる。左側縦軸は内部抵抗、右側縦軸はサイクル中の放電側の下限電圧を示している。この内部抵抗とサイクル放電下限電圧との関係はリチウムイオン二次電池の構成部材である電極、電解液等で変化する。内部抵抗とサイクル下限電圧との間には相関があり、内部抵抗である内部抵抗閾値Ds1および内部抵抗閾値Ds2を決めると必然的にサイクル中の放電側下限電圧が予測できる。その放電側下限電圧範囲内でしか電圧は変化しないため、充放電サイクルを継続することが可能となる。
また、図5に示すように、充放電サイクルに対する内部抵抗の増加率は、環境温度によって傾向が大きく異なる。そのため、内部抵抗閾値設定手段によって温度変化に応じて内部抵抗の閾値である制限値は適宜設定することが好ましい。
次に、本発明の実施形態2について、図面を参照しつつ説明する。
実施形態2のリチウムイオン二次電池は実施形態1と同様の電池を用い、図2に示す二次電池システムを用いる。
次にバッテリコントローラ26の充放電制御方法について説明する。
図6は本発明の第2実施形態に係る二次電池システムのフロー図である。
最初に、リチウムイオン二次電池の放電を開始する命令をバッテリコントローラ26から充放電するリチウムイオン二次電池モジュール21に信号を送信しサイクルを開始する(ステップ401)。
信号を受信したリチウムイオン二次電池モジュール21は、例えば、放電開始後、電圧測定部22,電流測定部23,温度測定部24,時間測定部25により、放電電流Id及び、放電時間(放電開始からの経過時間)td,電池電圧V,電池温度Tを計測して、バッテリコントローラ26へ送信する。
バッテリコントローラ26は、これら4つのパラメータ(V,I,T,t)から電池の内部抵抗Dを算出する(ステップ402)。
リチウムイオン二次電池モジュール21は、充放電中に随時内部抵抗Dを計測し、内部抵抗閾値Ds1と内部抵抗Dとを比較する(ステップ403)。ここで、内部抵抗Dが内部抵抗閾値Ds1より大きい場合には、劣化判断手段によって充放電を停止する(ステップ404)。つまり、充放電電流値をリチウムイオン二次電池の内部抵抗が内部抵抗閾値Ds1を越える前の充放電電流値より小さくする。内部抵抗Dが内部抵抗閾値Ds1以下である場合には、初期の充放電サイクルを継続する。
さらに、リチウムイオン二次電池モジュール21は、充放電停止中に随時内部抵抗Dを計測し、内部抵抗閾値Ds2と内部抵抗Dとを比較する(ステップ405)。ここで、内部抵抗Dが内部抵抗閾値Ds2以上である場合には、充放電の停止を維持する(ステップ404)。内部抵抗Dが内部抵抗閾値Ds2より小さい場合には、初期の充放電サイクルを再開する(ステップ406)。
充放電の停止期間は、内部抵抗閾値Ds2は図4の内部抵抗とサイクル放電下限電圧との関係もしくは、予め与えられた式から算出される値から設定することができる。D(t)は休止時間に対応する内部抵抗、Daは係数、Dcは定数、τaは時定数である。
D(t)=Da・exp(τa/t)+Dc
D(t)は休止時間に対する内部抵抗の緩和状態を表す式であり、図7に示すように休止時間に対して内部抵抗の変化とフィッティング結果はほぼ合っている。そのため、この式を用いることにより休止時間に対する内部抵抗の変化を推定することができ、その内部抵抗の値を内部抵抗閾値Ds2とすることができる。
内部抵抗閾値Ds2を設定しない場合、そのまま充放電サイクルを継続すると、電池が安全に使用できる下限電圧に到達し、充放電サイクルが停止させることになる。その場合、ある一定期間、無負荷状態にすることで、内部抵抗は徐々に低下する。そのため、ある一定期間後、充放電サイクルを開始することは可能であるが、電解液中分解成分により生成された正極,負極表面上の被膜は、制限値による充放電サイクルを停止した場合と比較して、正極,負極表面上に多く残り、必然的に内部抵抗は初期値より上昇することになり、充放電できるサイクル数が減る。
以上のように、本実施形態によれば、リチウムイオン二次電池モジュール21において、バッテリコントローラ26を有し、バッテリコントローラ26でリチウムイオン二次電池21の内部抵抗を検出し、そのリチウムイオン二次電池を状態に応じて充放電電流を制御することでリチウムイオン二次電池の内部抵抗上昇を抑制し、電池の内部抵抗を適切な範囲内に収め、良好なサイクル特性を有する長寿命な二次電池システムを提供することができる。
次に本発明の効果を模擬的に検証した実験結果を説明する。
本発明の実施形態1の効果検証試験には、リチウムイオン電池を用いた。図1に示すような捲回型リチウムイオン電池を以下の通り作製した。なお、検証試験には電池サイズ直径18mm、長さ65mmの円筒型電池(以下、18650型電池と記載する。)を用いた。
まず、正極活物質としてLiMn1/3Ni1/3Co1/32を用い、導電材としてカーボンブラック(CB1)と黒鉛(GF1)を用い、バインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いて、乾燥時の固形分重量を、LiMn1/3Ni1/3Co1/32:CB1:GF1:PVDF=86:9:2:3の比となるように、溶剤としてNMP(N−メチルピロリドン)を用いて、正極材ペーストを調製した。この正極材ペーストを、正極集電体1として用いたアルミ箔に塗布し、80℃で乾燥し、加圧ローラーでプレスし、120℃で乾燥して正極電極層2を正極集電体1上に形成した。
次に、負極活物質として非晶質炭素である擬似異方性炭素を用い、導電材としてカーボンブラック(CB2)を用い、バインダとしてPVDFを用いて、乾燥時の固形分重量を、擬似異方性炭素:CB2:PVDF=88:5:7の比となるように、溶剤としてNMPを用いて、負極材ペーストを調製した。この負極材ペーストを、負極集電体4として用いた銅箔に塗布し、80℃で乾燥し、加圧ローラーでプレスし、120℃で乾燥して負極電極層5を負極集電体4上に形成した。
作製した電極間にセパレータ7を挟み込み、捲回電極群を構成し、負極電池缶13に挿入した。さらに電解液を注液し、負極電池缶13の開放端部をかしめることで捲回型リチウムイオン電池を作製した。電解液には、EC:DMC:EMC=20:40:40の体積組成比で混合した混合溶媒に、電解質としてリチウム塩LiPF6を1mol/l溶解させ、さらに前記混合溶媒及びリチウム塩からなる溶液全重量に対し、0.8重量%のVCを添加した。
本発明の効果を検証するために実施した内部抵抗と試験の充放電パターンの関係を図8に示す。内部抵抗の閾値である内部抵抗閾値Ds1になると充放電電流値を事前の充放電電流より制限する。内部抵抗の閾値が内部抵抗閾値Ds2になるまで充放電電流値を制限してサイクルを継続する。内部抵抗の閾値が制限値2以下になると初期の充放電電流値による充放電サイクルを再開する。内部抵抗閾値Ds1および内部抵抗閾値Ds2は図5から設定する。内部抵抗とサイクル下限電圧との間には相関があり、内部抵抗である内部抵抗閾値Ds1および内部抵抗閾値Ds2を決めると必然的にサイクルの放電側下限電圧が決定される。その放電側下限電圧範囲内でしか電圧は変化しないため、充放電サイクルを継続することが可能となる。本発明で提案した二次電池システムは内部抵抗上昇を抑制し、充放電サイクルが継続できるため、良好な充放電サイクル特性が得られる効果があると考えられる。
実施形態2の効果検証試験には、実施例1と同様な18650型電池を用いた。発明の効果を検証するために実施した内部抵抗と試験の充放電パターンの関係を図9に示す。内部抵抗の閾値である制限値3になると充放電電流を停止する。内部抵抗の閾値が制限値4以下になると充放電サイクルを再開する。制限値3および制限値4は実施例1と同様な方法で決めることができる。
また、充放電停止期間であるt3からt4は式D(t)によっても決定することができる。図4の内部抵抗とサイクル下限電圧とD(t)で求めた内部抵抗を比較し、充放電停止期間を決定する。内部抵抗である制限値3および4を決めると必然的にサイクルの放電側下限電圧が決定され、その放電側下限電圧範囲内でしか電圧は変化しないため、充放電サイクルを継続することができる。
本発明で提案した二次電池システムは内部抵抗上昇を抑制し、充放電サイクルが継続できるため、良好な充放電サイクル特性が得られる効果があると考えられる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨に逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できる。
例えば、電池を捲回型のリチウムイオン二次電池としたが、複数の正極板と、複数の負極板とをセパレータを介して交互に積層してなる積層型のリチウムイオン二次電池に適用しても良い。
1 正極集電体
2 正極電極層
3 正極
4 負極集電体
5 負極電極層
6 負極
7 セパレータ
8 正極リード
9 負極リード
10 正極絶縁材
11 負極絶縁材
12 正極電池蓋
13 負極電池缶
14 ガスケット
21 リチウムイオン二次電池モジュール
22 電圧測定部
23 電流測定部
24 温度測定部
25 時間測定部
26 バッテリコントローラ
27 電気負荷
100 リチウムイオン二次電池

Claims (6)

  1. リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な正極活物質を含む正極と、
    リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な非晶質炭素を含む負極と、
    前記正極及び前記負極の間に配置されたセパレータと、
    有機電解液と、を有する、リチウムイオン二次電池を備えた二次電池システムであって、
    前記リチウムイオン二次電池における充放電時の最大電流値が時間率5C以上であり、
    前記リチウムイオン二次電池の充放電を制御する充放電制御手段と、
    前記リチウムイオン二次電池の内部抵抗を算出する内部抵抗演算手段と、
    前記内部抵抗演算手段により算出された前記リチウムイオン二次電池の内部抵抗が内部抵抗閾値Ds1を越えたことを検出する内部抵抗上昇検出手段と、
    前記リチウムイオン二次電池の電池表面温度が25℃以下の時に、前記内部抵抗閾値Ds1より前記内部抵抗演算手段により算出された前記リチウムイオン二次電池の内部抵抗が大きくなると、充放電中の前記リチウムイオン二次電池の充放電電流値を前記リチウムイオン二次電池の内部抵抗が前記内部抵抗閾値Ds1を越える前の充放電電流値より小さくする劣化判断手段と、を備えた二次電池システム。
  2. 請求項1において、
    前記リチウムイオン二次電池の電池表面温度を検出する電池状態検出手段と、
    前記電池状態検出手段で検出した電池表面温度に応じて前記内部抵抗閾値Ds1を設定する内部抵抗閾値設定手段と、を備えた二次電池システム。
  3. 請求項1または2において、
    前記内部抵抗閾値Ds1より前記内部抵抗演算手段により算出された前記リチウムイオン二次電池の内部抵抗が大きくなると、前記劣化判断手段は、充放電中の前記リチウムイオン二次電池の充放電電流値を所定電流値以下に制御する二次電池システム。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記内部抵抗閾値Ds1より前記内部抵抗演算手段により算出された前記リチウムイオン二次電池の内部抵抗が大きくなると、前記劣化判断手段は、充放電中の前記リチウムイオン二次電池の充放電を停止する二次電池システム。
  5. 請求項1または2において、
    前記劣化判断手段によって充放電中の前記リチウムイオン二次電池の充放電電流値を前記リチウムイオン二次電池の内部抵抗が前記内部抵抗閾値Ds1を越える前の充放電電流値より小さくした後、
    前記リチウムイオン二次電池の内部抵抗が前記内部抵抗演算手段により予め設定された内部抵抗閾値Ds2より小さくなると、前記劣化判断手段によって充放電中の前記リチウムイオン二次電池モジュールの充放電電流値を前記リチウムイオン二次電池の内部抵抗が前記内部抵抗閾値Ds1を越える前の充放電電流値に制御する二次電池システム。
  6. リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な正極活物質を含む正極と、
    リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な非晶質炭素を含む負極と、
    前記正極及び前記負極の間に配置されたセパレータと、
    有機電解液と、を有する、リチウムイオン二次電池を備えた二次電池システムの制御方法であって、
    前記リチウムイオン二次電池における充放電時の最大電流値が時間率5C以上であり、
    前記リチウムイオン二次電池の充放電を制御する充放電制御手段と、
    前記リチウムイオン二次電池の内部抵抗を算出する内部抵抗演算手段と、
    前記内部抵抗演算手段により算出された前記リチウムイオン二次電池の内部抵抗が内部抵抗閾値Ds1を越えたことを検出する内部抵抗上昇検出手段と、
    前記リチウムイオン二次電池の電池表面温度が25℃以下の時に、前記内部抵抗閾値Ds1より前記内部抵抗演算手段により算出された前記リチウムイオン二次電池の内部抵抗が大きくなると、充放電中の前記リチウムイオン二次電池の充放電電流値を前記リチウムイオン二次電池の内部抵抗が前記内部抵抗閾値Ds1を越える前の充放電電流値より小さくする劣化判断手段と、を備えた二次電池システムの制御方法。
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