JP6770688B2 - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、既存の電池に比べて軽量かつエネルギー密度が高いことから、近年、パソコンや携帯端末等のいわゆるポータブル電源や車両駆動用電源として用いられている。リチウムイオン二次電池は、特に、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両の駆動用高出力電源として今後ますます普及していくことが期待されている。
一般的なリチウムイオン二次電池は、正極、負極、および該正負極間に介在するセパレータを有する電極体と、非水電解液とを備える。また、正極および負極の少なくとも一方とセパレータとの間に耐熱層が設けられることがある。例えば、特許文献1には、無機フィラーを主成分とし、バインダを含む耐熱層を備えるセパレータと、これを用いた電気化学素子(電極体)とが開示されている。
特開2014−170752号公報
リチウムイオン二次電池では、ハイレートで充放電を繰り返すと内部抵抗が増加するという現象が発生する。これは、ハイレートで充放電を繰り返した際に、電極体外に非水電解液が過度に流出して起こる電極体内の塩濃度が低下や、電極体内の非水電解液の組成にムラ(塩濃度の偏り)が生じるためである。近年、リチウムイオン二次電池のハイレート充放電特性に対する要求が高まっており、ハイレートで充放電を繰り返した際の内部抵抗の増加が抑制されていることが望まれている。
そこで本発明の目的は、ハイレートで電流が充放電を繰り返した際の内部抵抗の増加が抑制されているリチウムイオン二次電池を提供することにある。
本発明者は、このような内部抵抗の増加を抑制するために、正極活物質層の非水電解液の透過性と負極活物質層の非水電解液の透過性との違いに着目し、内部抵抗の増加が起こる一因は、これらの活物質層の非水電解液の透過性の違いによって、非水電解液がこれらの活物質層から排出される程度が異なることにあるという着想に至り、本発明の完成に至った。
ここに開示されるリチウムイオン二次電池は、正極、負極、および該正負極間に介在するセパレータを有する電極体と、非水電解液と、を備える。前記正極は、正極集電体と、該正極集電体上に形成された正極活物質層とを備えている。前記負極は、負極集電体と、該負極集電体上に形成された負極活物質層とを備えている。前記電極体は、前記正極活物質層と前記セパレータとの間に第1の耐熱層と、前記負極活物質層と前記セパレータとの間に第2の耐熱層とを有している。前記第1の耐熱層および前記第2の耐熱層はそれぞれ、無機フィラーとバインダとを含有している。前記リチウムイオン二次電池は、以下の構成(A)または(B)を備える。
(A)前記正極活物質層の前記非水電解液の透過性が、前記負極活物質層の前記非水電解液の透過性よりも高く、かつ前記第1の耐熱層に含まれるバインダの前記非水電解液の保持性が、前記第2の耐熱層に含まれるバインダの前記非水電解液の保持性よりも高い。
(B)前記正極活物質層の前記非水電解液の透過性が、前記負極活物質層の前記非水電解液の透過性よりも低く、かつ前記第1の耐熱層に含まれるバインダの前記非水電解液の保持性が、前記第2の耐熱層に含まれるバインダの前記非水電解液の保持性よりも低い。
このような構成によれば、非水電解液の保持性の高いバインダを含む耐熱層により非水電解液の透過性が高い方の活物質層側からの非水電解液の排出を抑制することができ、これにより、非水電解液が電極体外に過度に排出されることを抑制することができる。一方で、非水電解液の保持性の低いバインダを含む耐熱層により非水電解液の透過性が低い方の活物質層側からの非水電解液の排出を相対的に促進することができる。これにより、非水電解液の透過性が高い方の活物質層側における非水電解液の排出性と、非水電解液の透過性が低い方の活物質層側における非水電解液の排出性とを近づける(さらには同程度にする)ことができ、これにより電極体内の非水電解液の組成ムラの発生を抑制することができる。したがって、このような構成によれば、ハイレートで充放電を繰り返した際の内部抵抗の増加が抑制されているリチウムイオン二次電池を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の内部構造を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の捲回電極体の構成を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の捲回電極体の積層構造の一部を模式的に示す、積層方向に沿った断面図である。 非水電解液の保持性が低い側のバインダの種類を変更したリチウムイオン二次電池について、充放電のサイクル数と抵抗増加率との関係を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら、本発明による実施の形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、本発明を特徴付けないリチウムイオン二次電池の一般的な構成および製造プロセス)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
なお、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な蓄電デバイス一般をいい、いわゆる蓄電池ならびに電気二重層キャパシタ等の蓄電素子を包含する用語である。
また、本明細書において「リチウムイオン二次電池」とは、電荷担体としてリチウムイオンを利用し、正負極間におけるリチウムイオンに伴う電荷の移動により充放電が実現される二次電池をいう。
以下、扁平角型のリチウムイオン二次電池を例にして、本発明について詳細に説明するが、本発明をかかる実施形態に記載されたものに限定することを意図したものではない。
図1に示すリチウムイオン二次電池100は、扁平形状の捲回電極体20と非水電解液(図示せず)とが扁平な角形の電池ケース(即ち外装容器)30に収容されることにより構築される密閉型のリチウムイオン二次電池100である。電池ケース30には外部接続用の正極端子42および負極端子44と、電池ケース30の内圧が所定レベル以上に上昇した場合に該内圧を開放するように設定された薄肉の安全弁36が設けられている。また、電池ケース30には、非水電解液を注入するための注入口(図示せず)が設けられている。正極端子42は、正極集電板42aと電気的に接続されている。負極端子44は、負極集電板44aと電気的に接続されている。電池ケース30の材質としては、例えば、アルミニウム等の軽量で熱伝導性の良い金属材料が用いられる。
非水電解液は従来のリチウムイオン二次電池と同様のものを使用可能であり、典型的には有機溶媒(非水溶媒)中に、支持塩を含有させたものを用いることができる。非水溶媒としては、一般的なリチウムイオン二次電池の電解液に用いられる各種のカーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の有機溶媒を、特に限定なく用いることができる。具体例として、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、モノフルオロエチレンカーボネート(MFEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、モノフルオロメチルジフルオロメチルカーボネート(F−DMC)、トリフルオロジメチルカーボネート(TFDMC)等が例示される。このような非水溶媒は、1種を単独で、あるいは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。支持塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO等のリチウム塩(好ましくはLiPF)を好適に用いることができる。支持塩の濃度は、0.7mol/L以上1.3mol/L以下が好ましい。
なお、上記非水電解液は、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、例えば、ビフェニル(BP)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)等のガス発生剤;ホウ素原子および/またはリン原子を含むオキサラト錯体化合物、ビニレンカーボナート(VC)等の被膜形成剤;分散剤;増粘剤等の各種添加剤を含み得る。
捲回電極体20は、図1および図2に示すように、長尺状の正極集電体52の片面または両面(ここでは、図3に示すように両面)に長手方向に沿って正極活物質層54が形成された正極シート50と、長尺状の負極集電体62の片面または両面(ここでは、図3に示すように両面)に長手方向に沿って負極活物質層64が形成された負極シート60とが、2枚の長尺状のセパレータシート70を介して重ね合わされて長手方向に捲回された形態を有する。なお、捲回電極体20の捲回軸方向(上記長手方向に直交するシート幅方向をいう。)の両端から外方にはみ出すように形成された正極活物質層非形成部分52a(即ち、正極活物質層54が形成されずに正極集電体52が露出した部分)と負極活物質層非形成部分62a(即ち、負極活物質層64が形成されずに負極集電体62が露出した部分)には、それぞれ正極集電板42aおよび負極集電板44aが接合されている。
正極シート50を構成する正極集電体52としては、例えばアルミニウム箔等が挙げられる。正極活物質層54に含まれる正極活物質としては、例えばリチウム遷移金属酸化物(例、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNiO、LiCoO、LiFeO、LiMn、LiNi0.5Mn1.5等)、リチウム遷移金属リン酸化合物(例、LiFePO等)等が挙げられる。正極活物質層54は、活物質以外の成分、例えば導電材やバインダ等を含み得る。導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)等のカーボンブラックやその他(例、グラファイト等)の炭素材料を好適に使用し得る。バインダとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)等を使用し得る。
正極活物質は、典型的には粒子状である。粒子状正極活物質の平均粒径は、特に制限はないが、通常20μm以下(典型的には1μm〜20μm、例えば5μm〜15μm)である。なお、本明細書において「平均粒径」とは、一般的なレーザー回折・光散乱法により測定される粒度分布おいて、微粒子側からの累積50%に相当する粒径(メジアン径)のことをいう。また、正極活物質のBET比表面積は、特に制限はないが、通常0.1m/g以上(典型的には0.7m/g以上、例えば0.8m/g以上)であり、一方、通常5m/g以下(典型的には1.3m/g以下、例えば1.2m/g以下)である。
正極活物質層54の片面当たりの平均厚みは、特に制限はないが、例えば20μm以上(典型的には40μm以上、好ましくは50μm以上)であり、一方100μm以下(典型的には80μm以下)である。また、正極活物質層54の密度は、特に制限はないが、例えば1g/cm以上(典型的には1.5g/cm以上)であり、一方、例えば4g/cm以下(典型的には3.5g/cm以下)である。
負極シート60を構成する負極集電体62としては、例えば銅箔等が挙げられる。負極活物質層64に含まれる負極活物質としては、例えば黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料を使用し得る。負極活物質層64は、活物質以外の成分、例えばバインダや増粘剤等を含み得る。バインダとしては、例えばスチレンブタジエンラバー(SBR)等を使用し得る。増粘剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)等を使用し得る。
負極活物質は、典型的には粒子状である。粒子状負極活物質の平均粒径は、特に制限はないが、通常50μm以下(典型的には20μm以下、例えば1μm〜20μm、好ましくは5μm〜15μm)である。また、負極活物質のBET比表面積は、特に制限はないが、通常1m/g以上(典型的には2.5m/g以上、例えば2.8m/g以上)であり、一方、通常10m/g以下(典型的には3.5m/g以下、例えば3.4m/g以下)である。
負極活物質層64の片面当たりの厚みは、特に制限はないが、通常40μm以上(典型的には50μm以上)であり、一方、通常100μm以下(典型的には80μm以下)である。また、負極活物質層64の密度は、特に制限はないが、通常0.5g/cm以上(典型的には1g/cm以上)であり、一方、通常2g/cm以下(典型的には1.5g/cm以下)である。
セパレータ70としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、ポリアミド等の樹脂から成る多孔性シート(フィルム)を用いることができる。かかる多孔性シートは、単層構造であってもよく、二層以上の積層構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。多孔性シートの厚みは、特に制限はないが、通常10μm以上であり、典型的には15μm以上、例えば17μm以上である。一方で、多孔性シートの厚みは、通常40μm以下であり、典型的には30μm以下、例えば25μm以下である。
図3は、捲回電極体20において、正極50および負極60が、これらの間をセパレータ70が介在しながら積層された構造の一部を示す模式断面図である。本実施形態においては、図3に示すように、捲回電極体20は、正極50の正極活物質層54とセパレータ70との間に第1の耐熱層81と、負極60の負極活物質層64とセパレータ70との間に第2の耐熱層82とを有する。
第1の耐熱層81は正極活物質層54上に設けられた層であってもよく、セパレータ70の正極50側の主面上に設けられた層であってもよい。
第2の耐熱層82は負極活物質層64上に設けられた層であってもよく、セパレータ70の負極60側の主面上に設けられた層であってもよい。
したがって、第1の耐熱層81および第2の耐熱層82は、公知方法に従い形成することができる。
第1の耐熱層81および第2の耐熱層82はそれぞれ、無機フィラーとバインダとを含有する。
無機フィラーには、従来のリチウムイオン二次電池の二次電池の電極体が供える耐熱層に用いられる絶縁性の無機フィラーを用いてよい。無機フィラーの例としては、アルミナ(Al)、マグネシア(MgO)、シリカ(SiO)、チタニア(TiO)等の無機酸化物、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の窒化物、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、マイカ、タルク、ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン等の粘土鉱物、ガラス繊維等が挙げられる。なかでも、アルミナ、ベーマイト、およびマグネシアが好ましく用いられる。これらの無機フィラーは融点が高く、耐熱性に優れる。またモース硬度が比較的高く、機械的強度および耐久性にも優れる。さらに比較的安価なため原料コストを抑えることができる。
第1の耐熱層81および第2の耐熱層82中の無機フィラーの割合は、例えば50質量%以上であり、好ましくは、70質量%〜95質量%である。
バインダとしては、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR);ポリエチレン(PE)等のポリオレフィン;カルボキシセルロース(CMC)等のセルロース樹脂;ポリビニルアルコール(PVA);ポリエチレンオキサイド(PEO)等のポリアルキレンオキサイド;アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、メチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル系およびメタクリル系モノマーの重合体(特に単独重合体);ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂を用いることもできる。
本実施形態においては、リチウムイオン二次電池100は、次の構成(A)および(B)のいずれかを備える。
構成(A):正極活物質層54の非水電解液の透過性が、負極活物質層64の非水電解液の透過性よりも高く、かつ第1の耐熱層81に含まれるバインダの非水電解液の保持性が、第2の耐熱層82に含まれるバインダの非水電解液の保持性よりも高い。
構成(B):正極活物質層54の非水電解液の透過性が、負極活物質層64の非水電解液の透過性よりも低く、かつ第1の耐熱層81に含まれるバインダの非水電解液の保持性が、第2の耐熱層82に含まれるバインダの非水電解液の保持性よりも低い。
正極活物質層54および負極活物質層64の非水電解液の透過性の評価方法については、特に制限はないが、例えば、所定の体積の各活物質層に非水電解液を一定圧力で流入させ、そのときの流速を測定することで評価することができる。あるいは、例えば、所定の体積の各活物質層に非水電解液を一定速度で流入させ、そのときの圧力を測定することで評価することができる。
第1の耐熱層81に含まれているバインダおよび第2の耐熱層82に含まれるバインダの非水電解液の保持性の評価方法については、特に制限はないが、例えば、バインダを非水電解液中に浸漬させ、浸漬前後の重量変化より評価することができる。あるいは、例えば、溶解パラメータ(SP値)などの指標を用いてもよい。SP値を用いる場合、非水電解液のSP値とバインダのSP値が近いほど、バインダの非水電解液の保持性が高いといえる。なお、SP値には種々の測定方法(例えば、物性値から推算する方法や分子構造から推算する方法)があるが、測定方法には特に制限はなく、また、ハンドブック等の公知のデータ集などに開示された値を評価に用いてもよい。
ハイレートで充放電が行われた場合、電極体は、充放電の際、電荷担体の吸蔵および放出に伴って膨張および収縮を起こし、この電極体の膨張および収縮によって非水電解液が電極体外に流出し得る。この流出が過度に生じると、電極体内の塩濃度の低下が生じる。あるいは電極体内において電解液の組成にムラ(塩濃度の偏り)が生じる。この結果、リチウムイオン二次電池の内部抵抗が増加するようになる。
そこで、このような内部抵抗の増加を抑制するために、本実施形態では、リチウムイオン二次電池100は、上記の構成(A)または(B)を備える。
ここで、リチウムイオン二次電池100が上記構成(A)を備える場合について説明する。構成(A)の場合、非水電解液の透過性の高い正極活物質層54側に非水電解液の保持性(以下、「保液性」ともいう)の高いバインダを含む第1の耐熱層81が存在し、非水電解液の透過性の低い負極活物質層64側に保液性の低いバインダを含む第2の耐熱層82が存在する。一般に活物質層の非水電解液の透過性が高いと、非水電解液が排出過多になりやすい。しかしながら、正極活物質層54側に保液性の高いバインダを含む第1の耐熱層81が存在することにより、正極活物質層54から排出された非水電解液をある程度保持することができ、これにより正極活物質層54側において非水電解液の排出を抑制することができる。この結果、電極体20の外部に非水電解液が過度に排出されることを抑制することができる。一方で、非水電解液の透過性の低い負極活物質層64側には、保液性の低いバインダを含む第2の耐熱層82が存在するため、負極活物質層64側では非水電解液の排出が相対的に促進されることになる。このため、正極活物質層54と負極活物質層64とで非水電解液の透過性が異なるにもかかわらず、第2の耐熱層82で覆われた負極活物質層64側からの非水電解液の排出性と、第1の耐熱層81で覆われた正極活物質層54側からの非水電解液の排出性とを近づけることができ、同程度とすることも可能である。負極活物質層64側からの非水電解液の排出性と正極活物質層54側からの非水電解液の排出性が近くなればなるほど、電極体内において電解液の組成にムラが生じることを抑制することができる。
リチウムイオン二次電池100が上記構成(B)を備える場合についても同じ原理が当てはまる。すなわち、非水電解液の透過性の高い負極活物質層64側に保液性の高いバインダを含む第2の耐熱層82が存在し、非水電解液の透過性の低い正極活物質層54側に保液性の低いバインダを含む第1の耐熱層81が存在する。負極活物質層64側に保液性の高いバインダを含む第2の耐熱層82が存在することにより、負極活物質層64側からの非水電解液の排出を抑制することができ、非水電解液の透過性の高い負極活物質層64側において、非水電解液が過度に排出されることを抑制することができる。また、非水電解液の透過性の低い正極活物質層54側に保液性の低いバインダを含む第1の耐熱層81が存在することにより、正極活物質層54側では非水電解液の排出が相対的に促進されている。これにより、第2の耐熱層82で覆われた負極活物質層64側からの非水電解液の排出性と、第1の耐熱層81で覆われた正極活物質層54側からの非水電解液の排出性を近づける(さらには同程度にする)ことができ、電極体内における電解液の組成ムラの発生を抑制することができる。
このようにして、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池100は、上記の構成(A)および(B)のいずれかを備えることにより、ハイレートで充放電を繰り返した際の内部抵抗の増加を抑制することができる。
また図4に、本発明者の実際の検討結果を示す。
図4は、負極活物質層の非水電解液の透過性が正極活物質層の非水電解液の透過性よりも高く、非水電解液の溶媒にエチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)およびジエチルカーボネート(DEC)の混合溶媒(SP値20)を用い、セパレータと負極活物質層との間の第2の耐熱層に含まれるバインダにPVDF(SP値18.5)を用いたリチウムイオン二次電池において、セパレータと負極活物質層との間の第1の耐熱層に含まれるバインダの種類を変えた場合についての検討結果である。
第1の耐熱性に含まれるバインダを以下の表に示す。
Figure 0006770688
図4は、30Cで10秒間充電し、5秒間休止した後4Cで75秒放電するという充放電サイクルを3000サイクル以上行なった際の、充放電サイクル数と抵抗増加率の関係を示すグラフである。電池(1)は、リファレンス用の電池であり、第1の耐熱層を有していない。電池(2)〜(9)の比較より、非水電解液の透過性の低い正極活物質層の側にある第1の耐熱層が含有するバインダのSP値が小さいほど、ハイレートで充放電を繰り返し行った場合に、抵抗の増加を抑制できていることがわかる。すなわち、非水電解液の透過性の低い正極活物質層の側にある第1の耐熱層が含有するバインダの非水電解液の保持性が低いほど、抵抗の増加を抑制できていることがわかる。そして、バインダの非水電解液の保持性の指標となるSP値について、第2の耐熱層に含まれるバインダのSP値(PVDF:18.5)よりも第1の耐熱層に含まれるバインダのSP値の方が小さいことは、抵抗の増加を抑制する上で効果的であることがわかる。
また、上記の検討結果を参照すると、第1の耐熱層および第2の耐熱層に含まれるバインダのうち、非水電解液の保持性が高い方のバインダのSP値は、非水電解液のSP値との差が2以内であることが好ましく、非水電解液の保持性が低い方のバインダのSP値は、非水電解液のSP値との差が2.5以上であることが好ましい。
以上のようにして構成されるリチウムイオン二次電池100は、各種用途に利用可能である。好適な用途としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両に搭載される駆動用電源が挙げられる。リチウムイオン二次電池100は、典型的には複数個を直列および/または並列に接続してなる組電池の形態でも使用され得る。
なお、一例として扁平形状の捲回電極体20を備える角形のリチウムイオン二次電池100について説明した。しかしながら、リチウムイオン二次電池は、積層型電極体を備えるリチウムイオン二次電池として構成することもできる。また、リチウムイオン二次電池は、円筒形リチウムイオン二次電池として構成することもできる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
20 捲回電極体
30 電池ケース
36 安全弁
42 正極端子
42a 正極集電板
44 負極端子
44a 負極集電板
50 正極シート(正極)
52 正極集電体
52a 正極活物質層非形成部分
54 正極活物質層
60 負極シート(負極)
62 負極集電体
62a 負極活物質層非形成部分
64 負極活物質層
70 セパレータシート
81 第1の耐熱層
82 第2の耐熱層
100 リチウムイオン二次電池

Claims (2)

  1. 正極、負極、および該正負極間に介在するセパレータを有する電極体と、
    非水電解液と、
    を備えるリチウムイオン二次電池であって、
    前記正極は、正極集電体と、該正極集電体上に形成された正極活物質層とを備えており、
    前記負極は、負極集電体と、該負極集電体上に形成された負極活物質層とを備えており、
    前記電極体は、前記正極活物質層と前記セパレータとの間に第1の耐熱層と、前記負極活物質層と前記セパレータとの間に第2の耐熱層とを有し、
    前記第1の耐熱層および前記第2の耐熱層はそれぞれ、無機フィラーとバインダとを含有しており、
    前記第1の耐熱層中の前記無機フィラーの割合が、70質量%〜95質量%であり、
    前記第2の耐熱層中の前記無機フィラーの割合が、70質量%〜95質量%であり、
    以下の構成(A)または(B)を備えることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
    (A)前記正極活物質層の前記非水電解液の透過性が、前記負極活物質層の前記非水電解液の透過性よりも高く、かつ前記第1の耐熱層に含まれるバインダの前記非水電解液の保持性が、前記第2の耐熱層に含まれるバインダの前記非水電解液の保持性よりも高い。
    (B)前記正極活物質層の前記非水電解液の透過性が、前記負極活物質層の前記非水電解液の透過性よりも低く、かつ前記第1の耐熱層に含まれるバインダの前記非水電解液の保持性が、前記第2の耐熱層に含まれるバインダの前記非水電解液の保持性よりも低い。
  2. 前記第1の耐熱層に含有されるバインダが、アクリル樹脂、スチレンブタジエンゴム、またはポリエチレンであり、
    前記第2の耐熱層に含有されるバインダが、ポリフッ化ビニリデンである、
    請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
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