JP2020202039A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】高容量かつ低抵抗であり、また正極集電体上に設けられた絶縁層と当該正極集電体との界面の露出部での短絡の発生による温度上昇が抑制された、非水電解質二次電池を提供する。【解決手段】ここに開示される非水電解質二次電池は、正極と、負極と、非水電解質とを備える。前記正極は、正極集電体と、正極活物質層と、絶縁層とを備える。前記正極集電体は、少なくとも一つの端部に、前記正極集電体が露出した部分を有する。前記絶縁層は、前記正極活物質層と、前記正極集電体が露出した部分との境界部に位置している。前記正極集電体の主面と、前記正極活物質層および前記絶縁層の境界面とがなす前記正極活物質層側の角度は45度以上90度以下である。前記正極集電体と前記絶縁層との間の剥離強度は、前記正極集電体と前記正極活物質層との間の剥離強度よりも大きい。前記正極活物質層の体積密度は2.4g/cm3以上3.5g/cm3以下である。【選択図】図4

Description

本発明は、非水電解質二次電池に関する。
近年、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池は、パソコン、携帯端末等のポータブル電源や、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両駆動用電源などに好適に用いられている。
非水電解質二次電池の正極は、一般的に、正極集電体上に正極活物質層が設けられた構成を有する。また正極は一般的に、集電を目的として、正極活物質層が設けられずに、正極集電体が露出した部分を有する。正極と負極との短絡を抑制するために、正極集電体が露出した部分と正極活物質層との境界部に絶縁層を設ける技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、正極活物質層の端部が、厚さが漸次減少するテーパー領域を有し、テーパー領域の上に絶縁層の一部が重なることが記載されている。そして、特許文献1には、テーパー角(すなわち、正極活物質層端縁に垂直な断面におけるくさび形状の内角、あるいは正極活物質層および絶縁層との界面と、正極集電体の主面との正極活物質層側の角度)が45度以下であることが好ましいことが記載されている。
特開2012−114079号公報
しかしながら、本発明者らが鋭意検討した結果、以下のことを見出した。
正極活物質層の端部がテーパー領域を有する場合、電池容量および電池抵抗の観点から、上記テーパー角は大きい方が好ましい。一方、非水電解質二次電池の充放電に伴い、正極活物質が膨張/収縮を起こす。そのため、正極活物質層と絶縁層との界面に応力が発生し、絶縁層と正極集電体との界面にその応力が伝播する。上記テーパー角が大きい場合には、この応力が大きくなる。充放電が繰り返されると、繰返し発生する応力によって絶縁層と正極集電体との剥離強度が低下する。その結果、非水電解質二次電池に外部からの変形力が加わった際に、絶縁層と正極集電体との界面が露出し易くなる。この界面の露出部において異物の進入等によって短絡が発生すると、温度上昇が大きいという問題がある。
そこで本発明は、高容量かつ低抵抗であり、また正極集電体上に設けられた絶縁層と当該正極集電体との界面の露出部での短絡の発生による温度上昇が抑制された、非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
ここに開示される非水電解質二次電池は、正極と、負極と、非水電解質と、を備える。前記正極は、正極集電体と、正極活物質層と、絶縁層と、を備える。前記正極集電体は、少なくとも一つの端部に、前記正極集電体が露出した部分を有する。前記絶縁層は、前記正極活物質層と、前記正極集電体が露出した部分との境界部に位置している。前記正極集電体の主面と、前記正極活物質層および前記絶縁層の境界面とがなす前記正極活物質層側の角度は、45度以上90度以下である。前記正極集電体と前記絶縁層との間の剥離強度は、前記正極集電体と前記正極活物質層との間の剥離強度よりも大きい。前記正極活物質層の体積密度は、2.4g/cm以上3.5g/cm以下である。
このような構成によれば、高容量かつ低抵抗であり、また正極集電体上に設けられた絶縁層と当該正極集電体との界面の露出部での短絡の発生による温度上昇が抑制された、非水電解質二次電池が提供される、
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の内部構造を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の捲回電極体の構成を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の正極の模式断面図である。 図3の四角枠A内の拡大図である。
以下、本発明による実施の形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、本発明を特徴付けない非水電解質二次電池の一般的な構成および製造プロセス)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
なお、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な蓄電デバイス一般をいい、いわゆる蓄電池ならびに電気二重層キャパシタ等の蓄電素子を包含する用語である。
また、本明細書において「リチウムイオン二次電池」とは、電荷担体としてリチウムイオンを利用し、正負極間におけるリチウムイオンに伴う電荷の移動により充放電が実現される二次電池をいう。
以下、扁平角型のリチウムイオン二次電池を例にして、本発明について詳細に説明するが、本発明をかかる実施形態に記載されたものに限定することを意図したものではない。
図1に示すリチウムイオン二次電池100は、扁平形状の捲回電極体20と非水電解質80とが扁平な角形の電池ケース(即ち外装容器)30に収容されることにより構築される密閉型電池である。電池ケース30には外部接続用の正極端子42および負極端子44と、電池ケース30の内圧が所定レベル以上に上昇した場合に該内圧を開放するように設定された薄肉の安全弁36とが設けられている。また、電池ケース30には、非水電解質80を注入するための注入口(図示せず)が設けられている。正極端子42は、正極集電板42aと電気的に接続されている。負極端子44は、負極集電板44aと電気的に接続されている。電池ケース30の材質としては、例えば、アルミニウム等の軽量で熱伝導性の良い金属材料が用いられる。
捲回電極体20は、図1および図2に示すように、長尺状の正極シート50と、長尺状の負極シート60とが、2枚の長尺状のセパレータシート70を介して重ね合わされて長手方向に捲回された形態を有する。
正極シート50は、図2および図3に示すように、長尺状の正極集電体52と、正極集電体52上に形成された正極活物質層54と、を有する。図示例では、正極活物質層54は、正極集電体52の両面上に設けられているが、片面上に設けられていてもよい。また正極集電体52は、正極活物質層54が形成されずに正極集電体52が露出した部分(正極集電体露出部)52aを有する。図2に示すように、正極集電体露出部52aは捲回電極体20の捲回軸方向(即ち、上記長手方向に直交するシート幅方向)の一端から外方にはみ出すように形成されている。また、正極シート50は、正極集電体52上に形成された絶縁層56を備える。絶縁層56は、正極活物質層54に隣接しており、正極シート50の面方向において、正極活物質層54と、正極集電体露出部52aとの間に位置している。言い換えると、絶縁層56は、正極活物質層54と、正極集電体露出部52aとの境界部に位置している。図示例では、絶縁層56は、正極集電体52の両面上に設けられているが、片面上に設けられていてもよい。図2に示すように、正極集電体露出部52aには、正極集電板42aが接合されている。
正極シート50を構成する正極集電体52としては、例えばアルミニウム箔等が挙げられる。
正極活物質層54は、正極活物質を含有する。正極活物質としては、例えばリチウム遷移金属酸化物(例、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNiO、LiCoO、LiFeO、LiMn、LiNi0.5Mn1.5等)、リチウム遷移金属リン酸化合物(例、LiFePO等)等が挙げられる。正極活物質層54は、活物質以外の成分、例えば導電材、バインダ、リン酸リチウム等を含み得る。導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)等のカーボンブラックやその他(例、グラファイト等)の炭素材料を好適に使用し得る。バインダとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)等を使用し得る。
絶縁層56は、典型的には、無機フィラー、およびバインダを含有する。
無機フィラーの形状は、特に制限はなく、粒子状、繊維状、板状、フレーク状等であってよい。
無機フィラーの平均粒子径は、特に制限はなく、例えば0.01μm以上10μm以下であり、好ましくは0.1μm以上5μm以下であり、より好ましくは0.2μm以上2μm以下である。なお、無機フィラーの平均粒子径は、例えば、レーザ回折散乱法により求めることができる。
無機フィラーとしては、絶縁性を有するものが用いられ、具体的に例えば、アルミナ(Al)、マグネシア(MgO)、シリカ(SiO)、チタニア(TiO)等の無機酸化物、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の窒化物、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、マイカ、タルク、ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン等の粘土鉱物、ガラス繊維等が挙げられ、これらは、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、アルミナ、ベーマイト、およびマグネシアが好ましい。
バインダとしては、例えば、アクリル系バインダ、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリオレフィン系バインダ等が挙げられ、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系ポリマーを用いることもできる。
絶縁層56中のバインダの含有量には、特に制限はないが、例えば、1質量%以上30質量%以下であり、好ましくは3質量以上25質量%以下である。
本実施形態においては、正極集電体52の主面と、正極活物質層54および絶縁層56の境界面とがなす、正極活物質層54側の角度が45度以上90度以下である。図4は、図3の四角枠A内の拡大図であり、正極集電体52の主面、ならびに正極活物質層54および絶縁層56の境界面に垂直な断面図である。よって、図4においてこの角度は、正極活物質層54および絶縁層56の境界線58と、正極集電体52とがなす、正極活物質層54側の角度θとして表すことができる。なお、境界線58が直線でない場合には、直線近似を行い、角度θを求めるとよい。よって、境界面が平面でない場合には、平面近似を行って、上記の角度を求めるとよい。
当該角度θが45度以上90度以下であることによって、高容量かつ低抵抗なリチウム二次電池100となる。当該角度θは、好ましくは45度以上75度以下であり、より好ましくは50度以上70度以下である。
なお、当該角度θの大きい正極を作製する方法には特に制限はないが、正極活物質層を形成するためのペーストおよび絶縁層を形成するためのペーストを、ダイコータ等によって同時に塗工し、乾燥して正極活物質層および絶縁層を同時に形成する方法が簡便である。このとき、正極活物質層を形成するためのペースト、および絶縁層を形成するためのペーストの固形分濃度や粘度等を調整することにより、角度θをさらにある程度調整することができる。
本実施形態においては、正極集電体52と絶縁層56との間の剥離強度が、正極集電体52と正極活物質層54との間の剥離強度よりも大きい。
充放電時の正極活物質の膨張/収縮により応力が発生するため、正極活物質層54から絶縁層56へと応力が印加される。応力を受ける絶縁層56と正極集電体52との間の剥離強度を、応力を発生する正極活物質層54と正極集電体52との間の剥離強度よりも大きくすることによって、正極集電体52と絶縁層56との間の剥離を抑制することができる。したがって、絶縁層56と正極集電体52との界面が露出し難くなり、界面の露出部における短絡による温度上昇を抑制することができる。
なお、正極集電体52と絶縁層56との間の剥離強度の制御方法については、特に制限はないが、例えば、絶縁層56に用いるバインダの種類と量によって容易に当該剥離強度を制御することができる。また、正極集電体52と正極活物質層54との間の剥離強度の制御方法については、正極活物質層54に用いるバインダの種類と量によって容易に当該剥離強度を制御することができる。よって、絶縁層56中に含まれるバインダの含有率(質量%)が、正極活物質層54中に含まれるバインダの含有率(質量%)よりも大きいことが好ましい。
本実施形態においては、正極活物質層54の体積密度が、2.4g/cm以上3.5g/cm以下である。体積密度が2.4g/cm未満だと、正極活物質層54および絶縁層56の形成時に、絶縁層56に含まれる無機フィラーが正極活物質層54に侵入し、これにより電池抵抗が高くなる。一方、正極活物質層54内の空隙によって正極活物質の膨張/収縮による応力の一部が吸収されるが、体積密度が3.5g/cmを超えると、空隙が減って空隙による応力の吸収効果が低減し、絶縁層56へ印加される応力が過度に大きくなる。その結果、過度の応力によって、絶縁層56と正極集電体52との界面が剥離して露出し、この露出部における短絡による温度上昇が起こる。
負極シート60は、図2に示すように、長尺状の負極集電体62と、負極集電体62上に形成された負極活物質層64と、を有する。図示例では、負極活物質層64は、負極集電体62の両面上に設けられているが、片面上に設けられていてもよい。また負極集電体62は、負極活物質層64が形成されずに負極集電体62が露出した部分(負極集電体露出部)62aを有する。負極集電体露出部62aは捲回電極体20の捲回軸方向(即ち、上記長手方向に直交するシート幅方向)の他方の端から外方にはみ出すように形成されている。負極集電体露出部62aには、負極集電板44aが接合されている。
負極シート60を構成する負極集電体62としては、例えば銅箔等が挙げられる。負極活物質層64に含まれる負極活物質としては、例えば黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料を使用し得る。負極活物質層64は、活物質以外の成分、例えばバインダや増粘剤等を含み得る。バインダとしては、例えばスチレンブタジエンラバー(SBR)等を使用し得る。増粘剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)等を使用し得る。
セパレータ70としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース、ポリアミド等の樹脂から成る多孔性シート(フィルム)が挙げられる。かかる多孔性シートは、単層構造であってもよく、二層以上の積層構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。セパレータ70の表面には、耐熱層(HRL)が設けられていてもよい。
本実施形態では、非水電解質80として、非水電解液が用いられている。非水電解質80は、典型的には非水溶媒および支持塩を含有する。
非水溶媒としては、一般的なリチウムイオン二次電池の電解液に用いられる各種のカーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の有機溶媒を、特に限定なく用いることができる。なかでも、カーボネート類が好ましく、その具体例としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、モノフルオロエチレンカーボネート(MFEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、モノフルオロメチルジフルオロメチルカーボネート(F−DMC)、トリフルオロジメチルカーボネート(TFDMC)等が挙げられる。このような非水溶媒は、1種を単独で、あるいは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
支持塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO等のリチウム塩(好ましくはLiPF)を好適に用いることができる。支持塩の濃度は、0.7mol/L以上1.3mol/L以下が好ましい。
なお、上記非水電解質80は、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、例えば、ビフェニル(BP)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)等のガス発生剤;ホウ素原子および/またはリン原子を含むオキサラト錯体化合物、ビニレンカーボネート(VC)等の被膜形成剤;分散剤;増粘剤等の各種添加剤を含み得る。
以上のように、正極集電体52の主面と、絶縁層56および正極集電体52の境界面とがなす角度θが、45度以上90度以下であり、正極集電体52と絶縁層56との間の剥離強度が、正極集電体52と正極活物質層54との間の剥離強度よりも大きく、正極活物質層54の体積密度が、2.4g/cm以上3.5g/cm以下であるという構成の組み合わせによって、高容量かつ低抵抗であり、また正極集電体上に設けられた絶縁層と当該正極集電体との界面の露出部での短絡の発生による温度上昇が抑制された、リチウムイオン二次電池100が提供される。
リチウムイオン二次電池100は、各種用途に利用可能である。好適な用途としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両に搭載される駆動用電源が挙げられる。リチウムイオン二次電池100は、典型的には複数個を直列および/または並列に接続してなる組電池の形態でも使用され得る。
なお、一例として扁平形状の捲回電極体20を備える角形のリチウムイオン二次電池100について説明した。しかしながら、リチウムイオン二次電池は、積層型電極体を備えるリチウムイオン二次電池として構成することもできる。また、リチウムイオン二次電池は、円筒形リチウムイオン二次電池、ラミネート型リチウムイオン二次電池等として構成することもできる。また、ここに開示される技術は、リチウムイオン二次電池以外の非水電解質二次電池にも適用可能である。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<実施例および比較例のリチウムイオン二次電池の作製>
分散機を用いて、導電材としてのアセチレンブラック(AB)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP)が混合されたペーストを得た。このペーストに、正極活物質としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3(LNCM)とLiPOとの混合粉体を投入した後、固形分を均一に分散させ、正極ペーストを調製した。なお、正極合材ペーストは、LNCM:LiPO:AB:PVdF=87:3:8:2(質量比)となるように調製した。
無機フィラーとしてのベーマイトと、バインダとしてのPVdFと、NMPとを分散機を用いて混合して、絶縁層ペーストを調製した。
この正極ペーストを、長尺状のアルミニウム箔の両面に帯状に塗布し、乾燥することにより正極活物質層を形成した。正極ペーストの塗布は、アルミニウム箔の一端に沿って行い、正極活物質層が形成されていない集電体露出部が形成されるようにした。
絶縁層ペーストを、集電体露出部上の正極活物質層と隣接する部分に沿って塗布し、乾燥して絶縁層を形成した。
このとき、正極集電体の主面と、正極活物質層および絶縁層の境界面とがなす正極活物質層側の角度(以下、「テーパー角度」ともいう)が大きいものについては、正極ペーストと絶縁層ペーストとを同時に塗布した。テーパー角度が小さいものについては、正極ペーストの塗布および乾燥により正極活物質層を形成した後、絶縁層ペーストを塗布および乾燥して絶縁層を形成した。
また、正極ペーストと絶縁層ペーストの固形分濃度を変更することにより、テーパー角度および正極活物質層の体積密度を調整した。
また、比較例1〜5に対し、比較例6〜13および実施例1〜6では、絶縁層ペースト中のバインダ量を多くした。
このようにして、図3に示す形態の正極シートを作製した。
負極活物質としての天然黒鉛(C)と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、C:SBR:CMC=98:1:1の質量比でイオン交換水と混合して、負極ペーストを調製した。この負極ペーストを、長尺状の銅箔の両面に帯状に塗布して乾燥した後、プレスすることにより負極シートを作製した。
セパレータとして、PP/PE/PPの三層構造を有する多孔性ポリオレフィンシートを用意した。
正極シートとセパレータシートと負極シートとを、セパレータが、正極シートと負極シートとの間に介在するように積層して電極体を作製した。このとき、正極シートの絶縁層と、セパレータとの間にNi片を配置した。
次に、電極体に端子類を取り付け、ラミネートケースに収容した。
続いて、ラミネートケースに非水電解質を注入し、ラミネートケースを気密に封止した。なお、非水電解質には、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジメチルカーボネート(DMC)とをEC:EMC:DMC=3:4:3の体積比で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを1.0mol/Lの濃度で溶解させたものを用いた。
このようにしてリチウムイオン二次電池を作製した。
<テーパー角度測定>
上記で作製した正極を裁断し、その断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察した。断面SEM画像から、正極集電体の主面と、正極活物質層および絶縁層の境界面とがなす、正極活物質層側の角度(テーパー角度)を求めた。結果を表1に示す。
<正極活物質層の体積密度測定>
正極活物質層を所定の寸法に切り出し、その重さを求め、体積密度(g/cm)を算出した。結果を表1に示す。
<剥離強度測定>
剥離強度は、JIS Z 0237:2009(粘着テープ・粘着シートの試験方法)に準じた90°剥離試験により測定した。具体的には、上記で作製した正極について、正極活物質層部分の試験片と絶縁層部分の試験片を切り出した。試験片の正極活物質層または絶縁層を試験台に固定し、90°剥離試験機(今田製作所製「SV−201−NA−50SL」)を用いて、正極集電体を90°方向に引張って剥離強度を測定した。
正極活物質層部分の試験片の剥離強度(すなわち、正極活物質層と正極集電体との間の剥離強度)と絶縁層部分の試験片の剥離強度(すなわち、絶縁層と正極集電体との間の剥離強度)を比較した。剥離強度が大きかった方の層を、表1に記す。
<抵抗測定>
作製したリチウムイオン二次電池に活性化処理を施した後、SOC50%に調整した。これを−10℃の環境下に置き、40Aの電流値で10秒間放電した。このときの電圧降下量ΔVを取得し、電流値とΔVを用いてIV抵抗を算出した。結果を表1に示す。
<容量測定>
上記作製したリチウムイオン二次電池を25℃の環境下に置いた。定電流−定電圧方式とし、各評価用リチウム二次電池を1/3Cの電流値で4.2Vまで定電流充電を行った後、電流値が1/50Cになるまで定電圧充電を行い、満充電状態にした。その後、リチウムイオン二次電池を1/3Cの電流値で3.0Vまで定電流放電した。そして、このときの放電容量を測定した。
また、リファレンスとして、絶縁層ペーストを使用しなかった以外は上記と同様にして、絶縁層を有していないリチウムイオン二次電池を作製し、上記と同様にして放電容量を測定した。
リファレンスのリチウムイオン二次電池の放電容量に対する、各実施例および各比較例のリチウムイオン二次電池の放電容量の比を百分率で求めた。結果を表1に示す。
<短絡による温度上昇評価>
上記作製したリチウムイオン二次電池に対して、パルス充放電を繰り返した。その後、ラミネートケースに温度センサを取り付けた。Ni片が配置された部分に、ラミネートケースを介して圧力を印加して、意図的に短絡を発生させた。温度センサにより、リチウムイオン二次電池の温度をモニタリングし、最高到達温度と短絡前の温度との差を求めた。結果を表1に示す。
Figure 2020202039
表1の結果より、テーパー角が45度以上90度以下であり、正極集電体と絶縁層との間の剥離強度が、正極集電体と正極活物質層との間の剥離強度よりも大きく、正極活物質層の体積密度が、2.4g/cm以上3.5g/cm以下である場合に、抵抗が小さく、容量が大きく、かつ短絡時の温度上昇が小さいことがわかる。
以上のことから、ここに開示される非水電解質二次電池によれば、高容量かつ低抵抗となり、かつ正極集電体上に設けられた絶縁層と当該正極集電体との界面の露出部での短絡の発生による温度上昇が抑制されることがわかる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
20 捲回電極体
30 電池ケース
36 安全弁
42 正極端子
42a 正極集電板
44 負極端子
44a 負極集電板
50 正極シート(正極)
52 正極集電体
52a 正極集電体露出部
54 正極活物質層
56 絶縁層
58 正極活物質層および絶縁層の境界線
60 負極シート(負極)
62 負極集電体
62a 負極集電体露出部
64 負極活物質層
70 セパレータシート(セパレータ)
80 非水電解質
100 リチウムイオン二次電池

Claims (1)

  1. 正極と、
    負極と、
    非水電解質と、
    を備える非水電解質二次電池であって、
    前記正極は、正極集電体と、正極活物質層と、絶縁層と、を備え、
    前記正極集電体は、少なくとも一つの端部に、前記正極集電体が露出した部分を有し、
    前記絶縁層は、前記正極活物質層と、前記正極集電体が露出した部分との境界部に位置し、
    前記正極集電体の主面と、前記正極活物質層および前記絶縁層の境界面とがなす前記正極活物質層側の角度が、45度以上90度以下であり、
    前記正極集電体と前記絶縁層との間の剥離強度が、前記正極集電体と前記正極活物質層との間の剥離強度よりも大きく、
    前記正極活物質層の体積密度が、2.4g/cm以上3.5g/cm以下である、
    非水電解質二次電池。
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