JP2013125677A - 放電ランプ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 始動補助光源の性能を維持し、安定して放電ランプを点灯始動させることができる放電ランプ装置を提供すること。
【解決手段】 前記始動補助光源は、前記始動用高電圧では発光するが、定常点灯用電圧では発光しないものであって、該始動補助光源には希ガスを含み、かつ、該始動補助光源における発光には、少なくとも一酸化炭素分子発光を含み、さらに水素原子発光、水素分子発光、水素化合物発光のいずれか1種以上を含むことを特徴とする放電ランプ装置。

【選択図】 図1

Description

本発明は、プロジェクター装置や映写機の光源として用いられる放電ランプ装置に関する。特に、高圧放電ランプの始動を補助する始動補助光源を備えた放電ランプ装置に関する。
従来、プロジェクター装置や映写機に利用されている放電ランプ装置は、発光源となる高圧放電ランプと、この放電ランプを囲むように配置された反射鏡とを備えたものが知られており、さらに、高圧放電ランプの始動性を高めるために始動補助光源を備えたものが採用されている。
特開2009―117284号公報(特許文献1)には、上記始動補助光源を放電ランプの一部もしくは凹面反射鏡の一部に取り付ける構成が開示されている。
この始動補助光源は、放電容器の内部に例えば水銀を含むものであり、放電容器の外側に設けた外部電極によって、いわゆる誘電体バリア放電を利用して紫外光を放射するものである。
始動補助光源から放射された紫外光は、高圧放電ランプの放電空間に照射されることで、当該放電空間を絶縁破壊しやすい状況にするものであり、すなわち、高圧放電ランプの点灯始動を容易にする効果を有する。したがって、始動補助光源は、放電ランプの始動時のみ発光すればよい。始動補助光源の取り付け位置は、当該放電ランプの放電空間に向けて紫外光を放射することができる位置であることはもちろんであるが、かつ、当該放電ランプからの放射光を遮光しない位置でもあることが求められる。
一方、近年は省エネの観点から、より低い電圧で放電ランプを点灯始動させることが要求されている。一例をあげると、従来3kVの始動電圧を供給していたところ、その半分以下の1〜1.5kVで点灯始動することが要求されてきている。この要求に応えるためには、始動補助光源の放射エネルギーを増大することが重要になる。
また、従来の電源を備える放電ランプ装置にも適用可能な始動補助光源にするためには、1〜1.5kVの始動電圧を印加する場合だけでなく、従来の3kVの始動電圧が印加された場合でも性能が維持できることが求められる。
特開2009−117284号公報
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであって、一対の主電極を放電空間内に有する高圧放電ランプと、この高圧放電ランプの点灯始動時のみ当該放電空間に向けて紫外光を放射する始動補助光源と、この高圧放電ランプおよび始動補助光源を点灯させるための給電装置とよりなる放電ランプ装置において、始動電圧が低い場合(1〜1.5kV)でも、始動電圧が高めの場合(例えば、3kV)でも、始動補助光源の性能を維持し、安定して放電ランプを点灯始動させることができる放電ランプ装置を提供することを目的とする。
本願第1の発明は、一対の主電極を放電空間内に有する高圧放電ランプと、この高圧放電ランプの点灯始動時のみ当該放電空間に向けて紫外光を放射する始動補助光源と、この高圧放電ランプおよび始動補助光源を点灯させるための給電装置とからなる放電ランプ装置において、前記給電装置は、前記高圧放電ランプの点灯始動時に始動用高電圧を発生させて、その後に定常点灯用電圧に移行させるものであって、前記始動補助光源は、前記始動用高電圧では発光するが、定常点灯用電圧では発光しないものであって、該始動補助光源には希ガスを含み、かつ、該始動補助光源における発光には、少なくとも一酸化炭素分子発光を含み、さらに水素原子発光、水素分子発光、水素化合物発光のいずれか1種以上を含むことを特徴とする。
また、本願第2の発明は、本願第1の発明において、前記一酸化炭素分子発光をもたらす物質が、炭素化合物及び酸素化合物、または炭素と酸素の両方を含む化合物であることを特徴とする。
また、本願第3の発明は、本願第1の発明において、前記水素原子発光、水素分子発光、水素化合物発光のいずれか1種以上の発光をもたらす物質が、水素及び/または水素化合物であることを特徴とする。
また、本願第4の発明は、本願第1または2の発明において、前記一酸化炭素分子発光をもたらす物質が二酸化炭素であることを特徴とする。
また、本願第5の発明は、本願第1または3の発明において、前記水素原子発光、水素分子発光、水素化合物発光のいずれか1種以上の発光をもたらす物質が水素ガスであることを特徴とする。
また、本願第6の発明は、本願第1、3、5いずれかの発明において、前記始動補助光源には、0.013kPa(0.1Torr)以上の水素が封入されていることを特徴とする。
また、本願第7の発明は、本願第4または5の発明において、前記始動補助光源には、二酸化炭素及び水素が封入されており、水素の封入量は0.013kPa(0.1Torr)以上であり、かつ二酸化炭素と水素の合計封入量が1.3kPa(10Torr)以下であることを特徴とする。
本願第1の発明に係る放電ランプ装置によれば、始動補助光源における発光に、少なくとも一酸化炭素分子発光を含むことにより、深紫外波長域の放射エネルギーを際立って大きくでき、1〜1.5kVのような低電圧での放電ランプの始動が可能になる。なおかつ、始動補助光源における発光に、水素原子発光、水素分子発光、水素化合物発光のいずれか1種以上を含むことにより、これらが高電圧を印加した場合における一酸化炭素分子発光の持続にとって有効に作用し、始動用高電圧として1〜1.5kVを印加して点灯始動する場合だけでなく、始動用高電圧としてこれより高めの電圧(例えば、3kV)を印加して点灯始動する場合でも、一酸化炭素分子による紫外発光を保って、始動補助光源の性能を維持できる。
本願第2の発明に係る放電ランプ装置によれば、始動補助光源において、一酸化炭素分子発光をもたらす物質は、炭素化合物及び酸素化合物、または炭素と酸素の両方を含む化合物とすればよい。これにより、一酸化炭素分子発光が得られ、深紫外波長域の放射エネルギーを際立って大きくでき、1〜1.5kVのような低電圧での放電ランプの始動が可能になる。
本願第3の発明に係る放電ランプ装置によれば、始動補助光源において、水素原子発光、水素分子発光、水素化合物発光のいずれか1種以上の発光をもたらす物質は、水素または水素化合物とすればよい。これにより、水素原子発光、水素分子発光、水素化合物発光のいずれか1種以上の発光が得られ、これらが高電圧を印加した場合における一酸化炭素分子発光の維持にとって有効に作用し、始動用高電圧として1〜1.5kVを印加して点灯始動する場合だけでなく、始動用高電圧としてこれより高めの電圧(例えば、3kV)を印加して点灯始動する場合でも、一酸化炭素分子による紫外発光を保って、始動補助光源の性能を維持できる。
本願第4の発明に係る放電ランプ装置によれば、始動補助光源において、一酸化炭素分子発光をもたらす物質を二酸化炭素とすることによって、強い毒性を持つために作成にあたって充分な安全対策を行った設備が必要とされる一酸化炭素を用いなくても、一酸化炭素分子発光を得ることができる。
本願第5の発明に係る放電ランプ装置によれば、始動補助光源において、水素原子発光、水素分子発光、水素化合物発光のいずれか1種以上の発光をもたらす物質を水素ガスとすることによって、水素の封入量を容易に制御できる。
本願第6の発明に係る放電ランプ装置によれば、始動補助光源において、水素封入量0.013kPa(0.1Torr)以上であれば、瞬時発光でき、かつ、高めの電圧(例えば、3kV)を連続的に印加させた場合でも一酸化炭素分子発光を持続できる。
本願第7の発明に係る放電ランプ装置によれば、始動補助光源において、一酸化炭素分子発光をもたらす物質が二酸化炭素である場合には、水素の封入量が0.013kPa(0.1Torr)以上であることにより高めの電圧(例えば、3kV)を連続的に印加させた場合でも一酸化炭素分子発光が持続でき、かつ二酸化炭素と水素の合計封入量が1.3kPa(10Torr)以下であることにより封入圧力が適正で放電しやすく、瞬時に発光できる。
本発明の放電ランプ装置の全体断面図 本発明の始動補助光源の概略図 本発明に係る給電装置の一例 水素を含まない場合の分光波形の例 水素を封入した場合の分光波形の例
図1は本発明の放電ランプ装置を示す。放電ランプ装置は、放電ランプ1と、この放電ランプ1を取り囲む凹面反射鏡2と、この反射鏡2の首部21に固定されたベース3と、ベース3内に配置された始動補助光源4とを有し、放電ランプ1の一方の封止部が反射鏡2の首部21に形成された貫通口20に挿通されて接着剤によってベース3に固定されており、該ベース3には、第1給電端子5と第2給電端子6が固定されている。
放電ランプ1は、発光管の両端に封止部が形成されており、それぞれの封止部から電極に電気的に接続された外部リード11、12が伸び出していて、給電線7、8によって、前記第1給電端子5、第2給電端子6にそれぞれ接続されている。
放電ランプ1について、一実施例をあげると、以下のとおりである。
放電ランプ1の発光管の内部には、発光物質としての水銀が、0.15mg/mm以上であって、例えば0.25mg/mm封入される他、電極の構成材料であるタングステン(W)が発光管の内壁に付着することをハロゲンサイクルにより防止するため、臭素(Br)などのハロゲンガスが、2.0×10−4μmol/mm〜7.0×10−3μmol/mmの範囲であり、例えば、3.0×10−3μmol/mm封入され、さらにアルゴン(Ar)ガスが約13kPa(100Torr)封入されている。
また、放電ランプ1の発光管の最大外径が12.0mm、電極間距離が1.2mm、発光管の内容積が124mm、管壁負荷が3.5W/mm、定格電圧が85V、定格電力が330Wである。
図2は本発明の始動補助光源を示す。始動補助光源4は、石英ガラスからなる放電容器40と、この放電容器40の両端の外表面に配設された第1外部電極41と第2外部電極42とから構成され、放電容器40の内部には、一酸化炭素分子(CO)発光をもたらす物質が封入されている。この「一酸化炭素分子(CO)発光をもたらす物質」を得る方法には、一酸化炭素(CO)そのものを封入する場合だけでなく、炭素化合物及び酸素化合物または炭素と酸素の両方を含む化合物(例えば二酸化炭素(CO))を封入して、放電容器の中で一酸化炭素を生成させる場合もある。また、一酸化炭素分子(CO)発光を持続させるための水素原子発光、水素分子発光、水素化合物発光のいずれか1種以上の発光をもたらす物質として水素を含む分子及び/または化合物が封入されている。
この「水素を含む分子及び/または化合物」には、水素(H)ガスの他、メタン(CH)ガスのような水素化合物ガスや、石英ガラスからなる放電容器40を加熱した際に石英ガラスから染み出てくるようなOH系、CH系のガスも含まれる。これらのガスが封入された放電容器40に電圧を印加すると、波長656nm等の水素原子(H)発光や、波長200nm付近から波長400nm付近までに渡る連続スペクトル(重水素ランプの発光スペクトルに類似)等として表れる水素分子(H)発光の他、酸素も含まれていれば波長309nm等のOH基発光、炭素も含まれていれば波長431nm等のCH基発光などの、水素化合物としての発光も得られる。
さらに、アルゴン(Ar)、キセノン(Xe)、ネオン(Ne)、ヘリウム(He)などの希ガスや、窒素(N)等の気体が封入されてもよい。この二酸化炭素(CO)、水素(H)、アルゴン(Ar)などのガスは、個別に封入しても、あらかじめ混合されたガスとして封入してもかまわない。
水素(H)の封入量は0.013kPa(0.1Torr)以上が望ましく、0.013kPa(0.1Torr)未満では水素(H)が少なすぎて一酸化炭素分子(CO)発光が早期に消滅する。一酸化炭素分子(CO)発光をもたらす物質として二酸化炭素(CO)を適用する場合であれば、二酸化炭素(CO)と水素(H)の合計封入量は1.3kPa(10Torr)以下であり、1.3kPa(10Torr)を超えると始動補助光源4自体が発光しにくくなる。希ガスの封入量は0.13〜4.0kPa(1〜30Torr)程度が望ましい。なお、二酸化炭素(CO)及び水素(H)の封入量を測定する方法には、発生ガス分析(EGA)の他、分光測定において得られた分光ピーク強度をアルゴン(Ar)などの希ガスの分光ピーク強度で標準化する方法などがある。
前記第1外部電極41、第2外部電極42は、耐熱性・耐熱衝撃性に優れたステンレス、カンタル(鉄クロム合金)からなる線材を放電容器40の長手方向に巻回することによって形成されている。なお、第1外部電極41、第2外部電極42として、あらかじめコイル状に形成された線材を放電容器40に取付けるようにしても良い。
放電容器40は、例えば、全長が約15mm、外径が約2.8mm、肉厚が約0.7mmである。第1外部電極41、第2外部電極42は、例えば、直径0.3mmの線材によって、全長(放電容器40の長手方向)が約4.5mm、外径が約3mmのコイル状に形成され、電極間距離が約6mmである。なお、第1外部電極41、第2外部電極42は、例えば、コイルピッチ約1.2mm、全長(放電容器40の長手方向)が約6.3mmの疎巻きコイル状でもかまわない。この場合は、電極間距離は例えば約2mmである。
放電容器40内には、例えば、二酸化炭素(CO)0.067kPa(0.5Torr)と水素(H)0.067kPa(0.5Torr)とアルゴン(Ar)ガス1.2kPa(9Torr)が封入されている。
また、前記始動補助光源4は、第1外部電極41に第1補助光源給電線41aが接続されており、第2外部電極42に第2補助光源給電線42aが接続されており、放電ランプ1の始動時に、この第1補助光源給電線41aと第2補助光源給電線42aを通って、第1外部電極41、第2外部電極42に電圧が印加されて、始動補助光源4内の発光物質が発光し、紫外線が放射される。さらに、放電容器40の内部には始動補助光源4の放電を助けるために、棒状(例えば、外径約0.3mm、長さ約9mm)や筒状(例えば、厚さ0.1mm、幅2mmの箔を外径約1.3mmの円筒状に成形加工したもの)の金属部材が封入されてもよい。この金属部材は例えばモリブデン(Mo)もしくはタングステン(W)である。
図3は本発明に係る給電装置の一例を示す。主点灯回路15に放電ランプ1と始動補助光源4が並列に配置される。また、放電ランプ1には始動用トリガ回路16が直列に接続される。
トリガ回路16は、ランプ始動時に、例えば1〜3kVの高電圧を発生させる。この始動用高電圧は放電ランプ1の電極間に印加されるとともに、放電ランプ1と並列に接続されている始動補助光源4にも同様に印加される。始動補助光源4は、放電ランプ1に比べて絶縁破壊電圧が極めて低く、1〜3kVの始動用高電圧により点灯する。すなわち、トリガ回路16の駆動によって、まず、始動補助光源4から紫外光が放射される。
そして、始動補助光源4からの光が放電ランプ1の放電空間に入射し、放電ランプ1の放電空間で光電効果により光電子が増加する。これにより放電ランプ1の絶縁破壊電圧を下げることができ、始動用高電圧が1〜3kVと低くても、放電ランプ1が点灯する。
放電ランプ1が絶縁破壊すると、トリガ回路16はオフして、主点灯回路15から所望の電力(例えば330W)が供給される。これにより放電ランプ1は、定常点灯用電圧(例えば60〜100V程度)における安定点灯に移行する。一方、始動補助光源4は、放電容器の外側に設けた外部電極によって、いわゆる誘電体バリア放電を利用して紫外光を放射する構成であるため、高圧放電ランプ1の点灯始動時に供給される始動用高電圧では発光するが、定常点灯時に供給される定常点灯用電圧では絶縁破壊されず、発光しない。すなわち、始動補助光源4は、始動用高電圧がかかるときだけ発光し、トリガ回路16が駆動停止して定常点灯用電圧がかかるようになると、発光停止になる。
放電ランプ装置において、始動補助光源4が発光するのは放電ランプ1の点灯始動時のみであり、連続的に始動用高電圧が印加されるわけではない。また、放電ランプ1の点灯始動1回あたりの始動補助光源4の発光時間は通常1ms〜100ms程度、長くても1〜3秒程度にすぎない。
放電ランプ1の始動時に絶縁破壊をアシストするためには、放電ランプ1の電極の材料であるタングステン(W)の仕事関数である4.6eV以上に相当する光子エネルギーを持つ、波長270nm以下の光が理論的には必要となる。実際には、光子エネルギーがさらに大きい波長250nm以下の光が望ましいことを、発明者は実験により見出している。これは、波長250〜270nmの光では、放電ランプ1の電極における光電子生成率が著しく低く、その生成した光電子が電極から飛び出して対向する電極に届いて絶縁破壊に至るために必要な運動エネルギーが不足するためと考えられる。一酸化炭素分子(CO)は、波長250nm以下の深紫外域にも強いスペクトルを多数持つため、放電ランプ1の始動時に絶縁破壊に寄与する波長域の放射エネルギーを際立って大きくできる。これにより、放電ランプ1の低電圧での始動が可能になる。
なお、放電容器の内部に一酸化炭素(CO)が含まれると、放電容器が極めて早期に黒化してしまい、一般的に寿命の観点から実用上は採用されない現状がある。しかしながら、本発明の放電ランプ装置によれば、始動補助光源4は始動用高電圧が印加される点灯始動時にのみ発光し、放電ランプ1の定常点灯時に供給される定常点灯用電圧では発光することがないので、始動補助光源4の点灯時間の総和は、放電ランプ1の点灯時間に比べて圧倒的に短い。そのため、一酸化炭素(CO)や二酸化炭素(CO)などの炭素化合物及び酸素化合物から解離した炭素(C)が放電容器の内壁に付着することによる始動補助光源4の黒化という問題も、全く実用上の弊害とはならない。
次に、本発明の効果を示す実験例について説明する。図4及び図5は、二酸化炭素(CO)0.13kPa(1Torr)とアルゴン(Ar)ガス2.5kPa(19Torr)とを封入した始動補助光源に電圧3kVを高周波(80kHz)で連続的に印加させた場合の放射光の、電圧印加1分後における分光波形の例で、図4(a)及び図5(a)は水素原子(H)の代表的な発光波長に相当する波長656nm付近、図4(b)及び図5(b)は放電ランプの絶縁破壊に寄与する波長190〜250nm付近を示している。図4(a)(b)は水素(H)や水素化合物を含まない場合で、図4(a)では水素原子(H)の発光ピークが観測されていない。図5(a)(b)は水素(H)ガス0.27kPa(2Torr)をさらに封入した場合で、図5(a)において波長656nmの水素原子(H)の発光ピークが観測されている。
電圧印加直後はいずれも一酸化炭素分子(CO)発光のスペクトルが確認されていたが、図4(b)に示すように、水素(H)や水素化合物を含まない場合は3kVを連続1分間印加した後には既に一酸化炭素分子(CO)発光のスペクトルが消滅した。これは、放電ランプの始動時に絶縁破壊に寄与できる紫外発光がなくなり、アルゴン(Ar)ガスなどを発光種とする絶縁破壊には寄与できない可視〜赤外発光が主になった状態である。実際には1分どころか、数秒〜数十秒で一酸化炭素分子(CO)発光のスペクトルが消滅する場合が多かった。
また、始動補助光源の放電容器の内壁に炭素(C)の膜が付着している場合が多かった。
一方、図5(b)に示すように、水素(H)ガスを0.27kPa(2Torr)含む場合は、連続1分間印加した後でも電圧印加直後の強度を保った一酸化炭素分子(CO)発光のスペクトルが観測され、深紫外波長域の放射エネルギーが大きい状態が維持された。放電ランプの始動時に絶縁破壊に寄与できる一酸化炭素分子(CO)による紫外発光が、持続されている状態である。さらに言えば、電圧を20分間印加した後でも、一酸化炭素分子(CO)による紫外発光はほぼ同じスペクトル強度を保ったまま持続されていた。始動補助光源の放電容器の内壁も透明なままであった。
なお、始動補助光源に印加する電圧が1〜1.5kVであれば、水素(H)や水素化合物の有無にかかわらず、一酸化炭素分子(CO)による発光は持続されることも確認した。
放電ランプの点灯始動1回あたりの始動補助光源の発光時間を平均100msとして、始動補助光源の点灯時間の総和を上述の実験における連続印加時間に相当する1分(60秒)と仮定した場合には、水素(H)や水素化合物を含まない、すなわち、水素原子発光、水素分子発光、水素化合物発光のいずれも含まれない始動補助光源で始動用高電圧として3kVを印加すると、始動回数わずか600回の時点で一酸化炭素分子(CO)による紫外発光が消滅する。すなわち、放電ランプを始動できなくなってしまうと見積もられる。
一方、水素(H)ガスが封入されている、すなわち、水素原子発光、水素分子発光、水素化合物発光のいずれか1種以上の発光が含まれる始動補助光源では、例えば連続印加時間20分後でも一酸化炭素分子(CO)の紫外発光を充分なエネルギーを保ったまま持続していることから、放電ランプの始動回数が12000回となっても、余裕を持って性能を維持して、放電ランプを点灯始動させることができると見積もられる。すなわち、始動補助光源に二酸化炭素(CO)などの一酸化炭素分子(CO)発光をもたらす物質と、アルゴン(Ar)などの始動用希ガスに加え、水素原子発光、水素分子発光、水素化合物発光のいずれか1種以上の発光を得るような水素(H)や水素化合物も封入することにより、始動用高電圧として1〜1.5kVを印加して点灯始動する場合だけでなく、始動用高電圧として3kVを印加して点灯始動する場合でも、一酸化炭素分子(CO)による紫外発光を保って、始動補助光源の性能を維持できることが判明した。
二酸化炭素(CO)を封入した始動補助光源において、水素(H)を導入することによって、始動用高電圧として3kVを印加した場合でも、一酸化炭素分子(CO)発光が持続できるようになった理由については、以下のように推測される。
二酸化炭素(CO)を封入した始動補助光源に電圧を印加すると、二酸化炭素(CO)は一酸化炭素(CO)と酸素(O)に解離し、一酸化炭素(CO)発光が得られる(CO→CO+O)。ところが、電圧印加による入力エネルギーがCO→C+Oにおける解離エネルギーを上回る場合は、一酸化炭素(CO)がさらに炭素(C)と酸素(O)に解離し、炭素(C)は放電容器の内壁に付着し、炭素(C)が酸素(O)と再結合して一酸化炭素(CO)に戻る反応が起こらず、一酸化炭素分子(CO)発光は減衰、消滅してしまう(CO→CO+O→C+O)。
始動用高電圧が1〜1.5kVの場合ではCO→C+Oの反応は起こりにくいが、始動用高電圧が3kVの場合ではCO→C+Oにおける解離エネルギーを上回ってしまったと思われる。
一方、水素(H)を導入すると、一酸化炭素(CO)が炭素(C)と酸素(O)に解離しても、炭素(C)が放電容器の内壁に付着する前に炭素(C)が水素(H)と結合してメタン(CH)を生成(C+2H→CH)して気化することにより、二酸化炭素(CO)に戻る(CH+O→CO+2H)ことができ、再び一酸化炭素(CO)と酸素(O)に解離して一酸化炭素分子(CO)発光が得られる。ここにおけるC−H、H−H、O=O、C=Oにおける結合解離エネルギーは、CO→C+Oにおける解離エネルギーより充分小さいため、このメタン(CH)を介した反応は比較的容易に起こると思われる。このサイクル(CO+2H→CO+O+2H→C+O+2H→CH+O→CO+2H→CO+O+2H→・・・)により、一酸化炭素分子(CO)発光を持続することができるようになると考えられる。
なお、一酸化炭素(CO)を封入した始動補助光源においても、同様に考えることができる。すなわち、二酸化炭素(CO)が一酸化炭素(CO)と酸素(O)に解離する過程がないだけで、一酸化炭素分子(CO)発光が減衰、消滅する理由も、水素(H)を導入して一酸化炭素分子(CO)発光が持続される理由も、二酸化炭素(CO)を封入した始動補助光源と同様に考えることができる。
上記に加えて、炭素(C)、酸素(O)、水素(H)の全てを含む化合物である、エタノール(COH)を封入して気化させた場合の反応における推測についても述べる。エタノール(COH)を封入した始動補助光源に電圧を印加すると、エタノール(COH)は例えば一酸化炭素(CO)と水素(H)とメタン(CH)などに解離して、一酸化炭素分子(CO)発光が得られる(2COH→2CO+2H+2CH)。ところが、印加する電圧がCO→C+Oにおける解離エネルギーを上回る場合は、一酸化炭素(CO)がさらに炭素(C)と酸素(O)に解離する(2CO+2H+2CH→2C+O+2H+2CH)が、炭素(C)が放電容器の内壁に付着する前に水素(H)と結合し、例えばエチレン(C)などを生成(2C+2H→C)して気化することにより、エタノール(COH)に戻る(C+O+2CH→COH)ことができ、再び一酸化炭素(CO)と水素(H)とメタン(CH)に解離して一酸化炭素分子(CO)発光が得られる。このサイクル(2COH→2CO+2H+2CH→2C+O+2H+2CH→C+O+2CH→2COH→2CO+2H+2CH→・・・)により、一酸化炭素分子(CO)発光を持続することができると考えられる。
続いて、始動補助光源への一酸化炭素分子(CO)発光をもたらす物質および一酸化炭素分子(CO)発光を持続させるための水素原子発光、水素分子発光、水素化合物発光のいずれか1種以上の発光をもたらす物質の封入方法について説明する。
以下に記載する一酸化炭素分子(CO)発光をもたらす物質の封入方法のいずれかと、水素(H)の導入方法のいずれかを組み合わせることによって、一酸化炭素分子(CO)発光をもたらす物質と水素原子発光、水素分子発光、水素化合物発光のいずれか1種以上の発光をもたらす物質とを始動補助光源4の放電容器40に封入できる。
<一酸化炭素分子(CO)発光をもたらす物質の封入方法>
一酸化炭素分子(CO)発光をもたらす物質の封入方法には、主に以下の(1)〜(4)に示す方法がある。
(1)始動補助光源に一酸化炭素(CO)を直接封入する方法。実際には、始動補助光源が発光しやすくするために、アルゴン(Ar)などの希ガスも封入する。一酸化炭素(CO)とアルゴン(Ar)ガスはそれぞれ個別のガスを排気装置に繋いで自分で混合しても、一酸化炭素(CO)とアルゴン(Ar)の混合ガスを用いても構わない。
(2)始動補助光源に二酸化炭素(CO)を直接封入する方法。実際には、始動補助光源が発光しやすくするために、アルゴン(Ar)などの希ガスも封入する。二酸化炭素(CO)とアルゴン(Ar)ガスはそれぞれ個別のガスを排気装置に繋いで自分で混合する場合でも、二酸化炭素(CO)とアルゴン(Ar)の混合ガスを用いる場合でもよい。封入するのは一酸化炭素(CO)ではなく二酸化炭素(CO)であるが、始動補助光源に電圧を印加すると、二酸化炭素(CO)は一酸化炭素(CO)と酸素原子(O)に解離し、一酸化炭素分子(CO)発光が得られる。一酸化炭素分子(CO)発光をもたらす物質を二酸化炭素(CO)とすることによって、強い毒性を持つために作成にあたって充分な安全対策を行った設備が必要とされる一酸化炭素(CO)を用いなくても、一酸化炭素分子(CO)発光を得ることができる。
(3)加熱処理により、始動補助光源の放電容器を構成する石英ガラスに内在する炭素及び酸素、または、炭素化合物及び/または酸素化合物を放電空間に染み出させる方法。詳細は後述する。
(4)エタノール(COH)などの有機溶剤を封入する方法。詳細は後述する。
<水素原子発光、水素分子発光、水素化合物発光のいずれか1種以上の発光をもたらす物質の導入方法>
水素原子発光、水素分子発光、水素化合物発光のいずれか1種以上の発光をもたらす物質である水素(H)や水素化合物の導入方法には、主に以下の(1)〜(4)に示す方法がある。
(1)始動補助光源に水素(H)ガスを直接封入する方法。実際には、上述の一酸化炭素(CO)または二酸化炭素(CO)及び/またはアルゴン(Ar)ガスと同時に封入する。水素ガスを用いることによって、水素の封入量を容易に制御できる。詳細は後述する。
(2)水素(H)雰囲気中での熱処理により水素(H)ガスを含浸させる方法。一酸化炭素(CO)または二酸化炭素(CO)及びアルゴン(Ar)ガスを封入して放電容器の両端を封止したら、当該放電容器を水素(H)雰囲気中において、例えば700℃で30分間加熱する。この加熱処理により、放電容器の壁面を通して放電空間に水素(H)が供給される。
一方、放電容器にアルゴン(Ar)ガスしか封入されていない場合は、例えば1150℃で20分間加熱させれば良い。この場合、上述の「一酸化炭素分子(CO)発光をもたらす物質の封入方法(3)」も兼ねるため、放電容器の壁面を通して放電空間に水素(H)や水素化合物が供給されるだけでなく、放電容器を構成する石英ガラス自体からのガス放出により、一酸化炭素(CO)も生成される。
(3)加熱処理により、始動補助光源の放電容器を構成する石英ガラスに内在する水素(H)や水素化合物を放電空間に染み出させる方法。すなわち、上述の「一酸化炭素分子(CO)発光をもたらす物質の封入方法(3)」では、水素(H)や水素化合物も同時に生成できる。詳細は後述する。
(4)エタノール(COH)などの有機溶剤を封入する方法。すなわち、上述の「一酸化炭素分子(CO)発光をもたらす物質の封入方法(4)」では、水素(H)や水素化合物も同時に生成できる。詳細は後述する。
<始動補助光源の作成方法の具体例1>
ここでは、上述の「一酸化炭素分子(CO)発光をもたらす物質の封入方法(2)」と「水素原子発光、水素分子発光、水素化合物発光のいずれか1種以上の発光をもたらす物質の導入方法(1)」を組み合わせた場合についての作成方法を述べる。
放電容器の片端を封止し、該放電容器の内部に、例えばモリブデン(Mo)などの金属部材(棒状、筒状など)を挿入する。
次に、排気装置にて真空(例えば6.7×10−5kPa(5×10−4Torr))に排気し、その後、二酸化炭素(CO)と水素(H)とアルゴン(Ar)の混合ガス(例えば二酸化炭素(CO)5%、水素(H)5%、アルゴン(Ar)バランス)を例えば1.3kPa(10Torr)封入し、放電容器の他端を封止する。
その後、放電容器の外表面に電極を装着する。
<始動補助光源の作成方法の具体例2>
ここでは、上述の「一酸化炭素分子(CO)発光をもたらす物質の封入方法(3)」と「水素原子発光、水素分子発光、水素化合物発光のいずれか1種以上の発光をもたらす物質の導入方法(3)」を組み合わせた場合についての作成方法を述べる。
放電容器の片端を封止し、該放電容器の内部に、例えばモリブデン(Mo)などの金属部材(棒状、筒状など)を挿入する。
次に、排気装置にて真空(例えば6.7×10−5kPa(5×10−4Torr))に排気し、その後、アルゴン(Ar)ガスを例えば1.3kPa(10Torr)封入し、放電容器の他端を封止する。
放電容器の両端を封止したら、当該放電容器を大気中において、例えば1150℃で20分間加熱する。この加熱により、放電容器を構成する石英ガラスから不純ガスとしての炭素(C)、酸素(O)、水素(H)またはこれらの化合物が放電空間に染み出す。これにより、発光物質である一酸化炭素(CO)と水素原子発光、水素分子発光、水素化合物発光のいずれか1種以上の発光をもたらす物質である水素(H)や水素化合物が同時に生成される。
<始動補助光源の作成方法の具体例3>
ここでは、上述の「一酸化炭素分子(CO)発光をもたらす物質の封入方法(4)」と「水素原子発光、水素分子発光、水素化合物発光のいずれか1種以上の発光をもたらす物質の導入方法(4)」を組み合わせた場合についての作成方法を述べる。
放電容器の片端を封止し、該放電容器の内部に、例えばモリブデン(Mo)などの金属部材(棒状、筒状など)を挿入する。さらに、エタノール(COH)などの有機溶剤を微量(例えば5〜20μL程度)封入する。
次に、排気装置にて真空(例えば6.7×10−5kPa(5×10−4Torr))に排気し、その後、アルゴン(Ar)ガスを例えば1.3kPa(10Torr)封入し、放電容器の他端を封止する。排気の際にはエタノール(COH)も排気されるが、一部は放電容器の内壁に付着した状態で残る。このエタノール(COH)が放電で解離され、さらに反応することにより、一酸化炭素(CO)及び水素(H)や水素化合物が生成される。
すなわち、この方法では、発光物質である一酸化炭素(CO)と水素原子発光、水素分子発光、水素化合物発光のいずれか1種以上の発光をもたらす物質である水素(H)や水素化合物が同時に生成される。
続いて、一酸化炭素分子(CO)発光を持続させるために必要な水素(H)の封入量の適正範囲を求めた実験例について説明する。
水素(H)の封入量を変化させて作成したそれぞれの始動補助光源において、3kVを高周波(80kHz)で連続的に印加させた場合に一酸化炭素分子(CO)発光が5分以上持続できるかどうかの評価を行った。
評価結果を表1に示す。点灯直後と点灯5分後に波長200nm付近の分光測定を行い、点灯5分後の一酸化炭素分子(CO)のスペクトルの強度が点灯直後の半分以上を保っていたものは○、スペクトルの強度が半分未満に減衰、または完全にスペクトルが消滅していたものは×とした。一方で、放電ランプの始動時に絶縁破壊のために高電圧が印加される時間は短い(例えば最長でも3秒)ため、たとえ一酸化炭素分子(CO)発光が持続できても、始動補助光源自体が瞬時に発光できなければ、始動補助光源としては適さない。そこで、始動補助光源自体の発光しやすさ(一酸化炭素分子発光の有無は問わない)についても観測を行い、1.5kVを印加した場合に瞬時発光したものは○、1〜3秒で発光したものは△、3秒以内に発光しなかったものは×とした。
Figure 2013125677
上記表1に示すように、水素(H)封入量0.013kPa(0.1Torr)以上であれば、瞬時発光でき、かつ、3kVを連続的に印加させた場合でも一酸化炭素分子(CO)発光が持続できる。
なお、上記実験は水素(H)を、上述の<始動補助光源の作成方法の具体例1>のような方法で、水素(H)ガスとして直接放電容器内に封入しているが、<始動補助光源の作成方法の具体例2>や<始動補助光源の作成方法の具体例3>のような方法で水素(H)ガスを得ても同様の結果が得られる。この場合の水素(H)ガス封入量は、発生ガス分析(EGA)などにより測定できる。
次に、二酸化炭素(CO)及び水素(H)の両方の封入量を変化させて作成したそれぞれの始動補助光源において、3kVを高周波(80kHz)で連続的に印加させた場合に、始動補助光源自体が瞬時に発光でき、かつ一酸化炭素分子(CO)発光が5分以上持続できるかどうかの評価を行った。
評価結果を表2に示す。判定基準は表1の場合と同じとした。
Figure 2013125677
上記表2に示すように、いずれの条件も水素(H)封入量0.013kPa(0.1Torr)以上であるため、3kVを連続的に印加させた場合でも一酸化炭素分子(CO)発光が持続できるが、二酸化炭素(CO)と水素(H)の合計封入量が1.3kPa(10Torr)を越えると、封入圧力が高くて放電しにくくなり、よって瞬時に発光できなくなる。
したがって、瞬時に発光でき、かつ、一酸化炭素分子(CO)発光の持続にとって良好な封入量の条件は、水素(H)封入量0.013kPa(0.1Torr)以上、二酸化炭素(CO)と水素(H)の合計封入量1.3kPa(10Torr)以下を、同時に満たすことであるといえる。
1 放電ランプ
2 凹面反射鏡
3 ベース
4 始動補助光源
5 第1給電端子
6 第2給電端子
7、8 給電線
11、12 外部リード
15 主点灯回路
16 トリガ回路
20 貫通口
21 首部
40 放電容器
41 第1外部電極
41a 第1補助光源給電線
42 第2外部電極
42a 第2補助光源給電線

Claims (7)

  1. 一対の主電極を放電空間内に有する高圧放電ランプと、この高圧放電ランプの点灯始動時のみ当該放電空間に向けて紫外光を放射する始動補助光源と、この高圧放電ランプおよび始動補助光源を点灯させるための給電装置とからなる放電ランプ装置において、
    前記給電装置は、前記高圧放電ランプの点灯始動時に始動用高電圧を発生させて、その後に定常点灯用電圧に移行させるものであって、
    前記始動補助光源は、前記始動用高電圧では発光するが、定常点灯用電圧では発光しないものであって、
    該始動補助光源には希ガスを含み、かつ、該始動補助光源における発光には、少なくとも一酸化炭素分子発光を含み、さらに水素原子発光、水素分子発光、水素化合物発光のいずれか1種以上を含むことを特徴とする放電ランプ装置。
  2. 前記一酸化炭素分子発光をもたらす物質が、炭素化合物及び酸素化合物、または炭素と酸素の両方を含む化合物であることを特徴とする請求項1に記載の放電ランプ装置。
  3. 前記水素原子発光、水素分子発光、水素化合物発光のいずれか1種以上の発光をもたらす物質が、水素及び/または水素化合物であることを特徴とする請求項1に記載の放電ランプ装置。
  4. 前記一酸化炭素分子発光をもたらす物質が二酸化炭素であることを特徴とする請求項1または2に記載の放電ランプ装置。
  5. 前記水素原子発光、水素分子発光、水素化合物発光のいずれか1種以上の発光をもたらす物質が水素ガスであることを特徴とする請求項1または3に記載の放電ランプ装置。
  6. 前記始動補助光源には、0.013kPa以上の水素が封入されていることを特徴とする請求項1、3、5のいずれかに記載の放電ランプ装置。
  7. 前記始動補助光源には、二酸化炭素及び水素が封入されており、水素の封入量は0.013kPa以上であり、かつ二酸化炭素と水素の合計封入量が1.3kPa以下であることを特徴とする請求項4または5に記載の放電ランプ装置。
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