JP2013125638A - 燃料電池の運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池の運転時に、電極周辺部の電位の変動を抑制して電解質膜等の劣化を有効に阻止することができ、燃料電池を良好な状態で運転制御することを可能にする。
【解決手段】燃料電池10の運転方法は、電解質膜・電極構造体24に設けられた電位センサ60により、発電中の電位を検出する工程と、電位と前記燃料電池10の運転条件との関係が予め設定されたマップに基づいて、検出された電位が所定の範囲内に収束するように、前記燃料電池10の運転条件を設定する工程とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、アノード電極とカソード電極との間に電解質膜を挟持する電解質膜・電極構造体と、セパレータとが積層される燃料電池の運転方法に関する。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる固体高分子電解質膜を採用している。この燃料電池は、固体高分子電解質膜の両側に、それぞれ電極触媒(電極触媒層)と多孔質カーボン(ガス拡散層)からなるアノード電極及びカソード電極を配設した電解質膜・電極構造体(MEA)を、セパレータ(バイポーラ板)によって挟持する発電セルを構成している。通常、燃料電池では、発電セルを所定の数だけ積層した燃料電池スタックが、例えば、車載用燃料電池スタックとして使用されている。
この種の燃料電池では、燃料ガスがアノード側からカソード側に固体高分子電解質膜を透過する一方、酸化剤ガスが前記カソード側から前記アノード側に前記固体高分子電解質膜を透過する場合がある。
このため、アノード側及びカソード側では、水素と酸素とが反応して過酸化水素(H)が発生し易い(H+O→H)。この過酸化水素は、電極中のカーボン担体や白金(Pt)上で分解し、例えば、ヒドロキシラジカル(・OH)が発生する。これにより、固体高分子電解質膜及び電極触媒を劣化させるという問題がある。
その際、電解質膜・電極構造体では、低電位で過酸化水素の発生が促進される一方、高電位でヒドロキシラジカル等の活性物質の発生が促進されることが確認されている。そこで、この種の不具合を解決させるため、例えば、特許文献1に開示されている燃料電池システムが知られている。
この燃料電池システムでは、電解質を挟んで一方側に配置される燃料極と、前記電解質を挟んで他方側に配置される酸化剤ガス極とを備え、その停止状態又は保管状態において、前記燃料極の電位及び前記酸化剤ガス極の電位の少なくともいずれかが、前記燃料極又は前記酸化剤ガス極の劣化が抑制される電位に制御されることを特徴としている。
特開2005−251434号公報
ところで、燃料電池の発電時において、特に電極周辺部の電位が、発電条件によって大きく変化している。このため、発電時に変動する電位により、電極周辺部における過酸化水素及び活性物質の生成量が変化してしまう。しかしながら、上記の特許文献1では、燃料電池の停止状態又は保管状態において、電位を制御するものであり、発電時に電極周辺部の電位の変動に対応することができないという問題がある。
本発明は、この種の問題を解決するものであり、燃料電池の運転時に、電極周辺部の電位の変動を抑制して電解質膜等の劣化を有効に阻止することができ、燃料電池を良好な状態で運転制御することが可能な燃料電池の運転方法を提供することを目的とする。
本発明は、アノード電極とカソード電極との間に電解質膜を挟持する電解質膜・電極構造体と、セパレータとが積層される燃料電池の運転方法に関するものである。
この運転方法は、電解質膜・電極構造体の電極周辺部に設けられた電位センサにより、発電中の電位を検出する工程と、電位と燃料電池の運転条件との関係が予め設定されたマップに基づいて、検出された電位が所定の範囲内に収束するように、前記燃料電池の運転条件を設定する工程とを有している。
本発明によれば、電位センサは、最も劣化が惹起し易い電解質膜・電極構造体の電極周辺部に設けられている。そして、燃料電池の発電時における電極周辺部の電位の変化を検出し、検出された電位が所定の範囲内に収束するように、予め設定されたマップに基づいて前記燃料電池の運転条件が設定されている。このため、電極周辺部に過酸化水素や活性物質が発生することを可及的に阻止することができ、電解質膜等の劣化を有効に阻止するとともに、燃料電池を良好な状態で運転制御することが可能になる。
本発明の第1の実施形態に係る燃料電池の運転方法が実施される燃料電池システムの概略構成説明図である。 前記燃料電池の要部分解斜視説明図である。 前記燃料電池を構成する電解質膜・電極構造体の要部断面説明図である。 前記電解質膜・電極構造体に組み込まれる電位センサの説明図である。 電位と過酸化水素及び活性物質の発生量との関係説明図である。 燃料電池の運転条件を示すマップである。 高負荷発電条件から低負荷発電条件に変更される際の制御説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る運転方法が実施される燃料電池を構成する電解質膜・電極構造体の要部断面説明図である。 高負荷発電条件から低負荷発電条件に変更される際の制御説明図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池10の運転方法が実施される燃料電池システム12は、例えば、燃料電池電気自動車等の燃料電池車両に搭載される車載用燃料電池システムを構成する。
燃料電池システム12は、複数の燃料電池10が積層される燃料電池スタック14と、前記燃料電池スタック14に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給装置16と、前記燃料電池スタック14に燃料ガスを供給する燃料ガス供給装置18と、前記燃料電池スタック14に冷却媒体を供給するための冷却媒体供給装置20と、前記燃料電池システム12全体の制御を行う制御部(ECU)22とを備える。
図2に示すように、燃料電池10は、電解質膜・電極構造体24を第1セパレータ26及び第2セパレータ28で挟持する。第1セパレータ26及び第2セパレータ28は、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、めっき処理鋼板、あるいはその金属表面に防食用の表面処理を施した金属板や、カーボン部材等で構成されている。
図2及び図3に示すように、電解質膜・電極構造体24は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜30と、前記固体高分子電解質膜30を挟持するアノード電極32及びカソード電極34とを備える。固体高分子電解質膜30は、フッ素系電解質の他、HC(炭化水素)系電解質が使用される。
カソード電極34の外周端部は、全周に亘ってアノード電極32の外周端部よりも外側に突出するとともに、前記アノード電極32は、固体高分子電解質膜30の一方の面に配置される。アノード電極32は、全周に亘って固体高分子電解質膜30の外周を額縁状に露呈させる。カソード電極34は、固体高分子電解質膜30の他方の面に配置され、前記固体高分子電解質膜30の外周端部は、全周に亘って前記カソード電極34の外周端部よりも外方に突出する。
アノード電極32は、固体高分子電解質膜30の一方の面に接合される電極触媒層と、前記電極触媒層に積層されるガス拡散層とを有し、前記電極触媒層は、前記ガス拡散層の全面に設けられる。カソード電極34は、固体高分子電解質膜30の他方の面に接合される電極触媒層と、前記電極触媒層に積層されるガス拡散層とを有し、前記電極触媒層は、前記ガス拡散層の全面に設ける。
電極触媒層は、カーボンブラックに白金粒子を担持した触媒粒子を形成し、イオン導伝性バインダーとして高分子電解質を使用し、この高分子電解質の溶液中に前記触媒粒子を均一に混合して作製された触媒ペーストを、固体高分子電解質膜30の両面に印刷、塗布又は転写することによって構成される。
電解質膜・電極構造体24は、必要に応じて、固体高分子電解質膜30の外周を周回する樹脂製枠部材を備えてもよい。樹脂製枠部材は、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)やPPA(ポリフタルアミド)等で構成すればよい。
図2に示すように、燃料電池10の矢印C方向(図2中、鉛直方向)の上端縁部には、積層方向である矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給するための酸化剤ガス入口連通孔38aと、燃料ガス、例えば、水素含有ガスを供給するための燃料ガス入口連通孔40aとが、矢印B方向(水平方向)に配列して設けられる。
燃料電池10の矢印C方向の下端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガスを排出するための燃料ガス出口連通孔40bと、酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス出口連通孔38bとが、矢印B方向に配列して設けられる。
燃料電池10の矢印B方向の一端縁部には、冷却媒体を供給するための一対の冷却媒体入口連通孔42aが設けられるとともに、前記燃料電池10の矢印B方向の他端縁部には、前記冷却媒体を排出するための一対の冷却媒体出口連通孔42bが設けられる。
第1セパレータ26の電解質膜・電極構造体24に向かう面26aには、酸化剤ガス入口連通孔38aと酸化剤ガス出口連通孔38bとに連通する酸化剤ガス流路46が設けられる。第2セパレータ28の電解質膜・電極構造体24に向かう面28aには、燃料ガス入口連通孔40aと燃料ガス出口連通孔40bとに連通する燃料ガス流路48が形成される。酸化剤ガス流路46及び燃料ガス流路48は、鉛直方向に向かって酸化剤ガス及び燃料ガスを流通させる。
第1セパレータ26の面26aとは反対の面26bと、第2セパレータ28の面28aとは反対の面28bとの間には、冷却媒体入口連通孔42aと冷却媒体出口連通孔42bとに連通する冷却媒体流路50が形成される。冷却媒体流路50は、水平方向に向かって冷却媒体を流通させる。
第1セパレータ26の面26a、26bには、この第1セパレータ26の外周端部を周回して、第1シール部材52が一体化されるとともに、第2セパレータ28の面28a、28bには、この第2セパレータ28の外周端部を周回して、第2シール部材54が一体化される。
第1シール部材52及び第2シール部材54は、例えば、EPDM、NBR、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、スチレンゴム、クロロプレーン又はアクリルゴム等のシール材、クッション材、あるいはパッキン材が用いられる。
第2セパレータ28には、燃料ガス入口連通孔40aを燃料ガス流路48に連通する供給孔部56と、前記燃料ガス流路48を燃料ガス出口連通孔40bに連通する排出孔部58とが形成される。
電解質膜・電極構造体24には、前記電解質膜・電極構造体24の電極周辺部に位置して複数の電位センサ(電圧検出器)60が設けられる。図3及び図4に示すように、電解質膜・電極構造体24は、カソード電極34に比べて寸法の小さなアノード電極32を備えており、このアノード電極32の触媒端部近傍には、固体高分子電解質膜30の劣化が他の部位に比べて発生し易い膜劣化発生部62が存在する。
電位センサ60は、膜劣化発生部62の範囲内において、固体高分子電解質膜30のアノード電極32側の面に、例えば、前記アノード電極32の電極端部から外方に数mm(1mm〜5mm)程度離間した位置に設けられ、且つ、該アノード電極32を周回して複数組だけ設けられる。固体高分子電解質膜30のカソード電極34側の面には、電位センサ60が、必要に応じて前記カソード電極34の電極端部から外方に数mm(1mm〜5mm)程度離間した位置に設けられ、且つ、該カソード電極34を周回して複数組だけ設けられる。電位センサ60は、アノード電極32側の参照電極を基準として計測する。なお、電位センサ60の設置部位及び個数は、必要に応じて種々変更可能である。
図1に示すように、酸化剤ガス供給装置16は、大気からの空気を圧縮して供給するエアコンプレッサ(ポンプ)70を備え、前記エアコンプレッサ70が空気供給流路72に配設される。空気供給流路72には、加湿器74と、バルブ76を介して前記加湿器74をバイパスするバイパス流路78とが設けられ、燃料電池スタック14の酸化剤ガス入口連通孔38aに連通する。酸化剤ガス出口連通孔38bには、空気排出流路80が連通する。空気排出流路80は、背圧制御弁82を介装して希釈器84に接続される。
燃料ガス供給装置18は、高圧水素を貯留する高圧水素タンク86を備え、この高圧水素タンク86は、水素供給流路88を介して燃料電池スタック14の燃料ガス入口連通孔40aに連通する。水素供給流路88には、バルブ90及びエゼクタ92が設けられる。
燃料電池スタック14の燃料ガス出口連通孔40bには、オフガス流路94が連通する。このオフガス流路94は、気液分離器96に接続されるとともに、前記気液分離器96には、液体成分を排出するドレン流路98と、気体成分を排出する気体流路100とが設けられる。気体流路100は、循環路102を介してエゼクタ92に接続される一方、パージ弁104の開放作用下に、希釈器84に連通する。ドレン流路98は、バルブ106を介して希釈器84に連通する。
冷却媒体供給装置20は、燃料電池スタック14の冷却媒体入口連通孔42aと冷却媒体出口連通孔42bとに連通し、冷却媒体を循環供給する冷却媒体循環路108を備える。冷却媒体循環路108には、冷却媒体入口連通孔42a側に近接して冷却ポンプ110が配置されるとともに、冷却媒体出口連通孔42bに近接してラジエータ112が配置される。
空気供給流路72、空気排出流路80、水素供給流路88及びオフガス流路94には、それぞれ圧力計114a、114b、114c及び114dが配置される。空気供給流路72及び水素供給流路88には、湿度計116a、116bが配置される。空気排出流路80、気体流路100及び冷却媒体循環路108には、温度計118a、118b及び118cが配置される。
このように構成される燃料電池システム12の動作について、以下に説明する。
図1に示すように、酸化剤ガス供給装置16を構成するエアコンプレッサ70を介して空気供給流路72に酸化剤ガス(空気)が送られる。この酸化剤ガスは、加湿器74を通って加湿された後、又は、バイパス流路78を通って前記加湿器74をバイパスした後、燃料電池スタック14の酸化剤ガス入口連通孔38aに供給される。
一方、燃料ガス供給装置18では、バルブ90の開放作用下に、高圧水素タンク86から水素供給流路88に燃料ガス(水素ガス)が供給される。この燃料ガスは、エゼクタ92を通った後、燃料電池スタック14の燃料ガス入口連通孔40aに供給される。
また、冷却媒体供給装置20では、冷却ポンプ110の作用下に、冷却媒体循環路108から燃料電池スタック14の冷却媒体入口連通孔42aに純水やエチレングリコールオイル等の冷却媒体が供給される。
図2に示すように、酸化剤ガスは、酸化剤ガス入口連通孔38aから第1セパレータ26の酸化剤ガス流路46に導入され、矢印C方向に移動して電解質膜・電極構造体24のカソード電極34に供給される。一方、燃料ガスは、燃料ガス入口連通孔40aから供給孔部56を通って第2セパレータ28の燃料ガス流路48に導入される。燃料ガスは、燃料ガス流路48に沿って矢印C方向に移動し、電解質膜・電極構造体24のアノード電極32に供給される。
従って、各電解質膜・電極構造体24では、カソード電極34に供給される酸化剤ガスと、アノード電極32に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費されて発電が行われる。
次いで、カソード電極34に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス出口連通孔38bに沿って矢印A方向に排出される。同様に、アノード電極32に供給されて消費された燃料ガスは、排出孔部58を通り燃料ガス出口連通孔40bに沿って矢印A方向に排出される。
また、冷却媒体入口連通孔42aに供給された冷却媒体は、第1セパレータ26と第2セパレータ28との間の冷却媒体流路50に導入された後、矢印B方向に流通する。この冷却媒体は、電解質膜・電極構造体24を冷却した後、冷却媒体出口連通孔42bから排出される。
図1に示すように、酸化剤ガス出口連通孔38bに排出された酸化剤ガスは、空気排出流路80を流通して希釈器84に導入される。一方、燃料ガス出口連通孔40bに排出されたオフガス(一部が消費された燃料ガス)は、オフガス流路94から気液分離器96に導入される。オフガスは、水分が除去された後、気体流路100から循環路102を介してエゼクタ92に吸引される。
また、冷却媒体出口連通孔42bに排出された冷却媒体は、冷却媒体循環路108を通ってラジエータ112により冷却される。さらに、冷却媒体は、冷却ポンプ110の作用下に、燃料電池スタック14に循環供給される。
次いで、本発明の第1の実施形態に係る運転方法について、以下に説明する。
先ず、電解質膜・電極構造体24に装着された電位センサ60により実測した電位と、過酸化水素の発生量及び活性物質の発生量との関係を、常時、モニターして、図5に示す安定発電範囲を取得した。
その際、種々の発電条件が取得され、図6に示すように、この得られた燃料電池10の条件A、B、C、Dに対する運転条件(I、II、III、IV、i、ii、iii、iv)は、電位域(a、b、c、d)に対応したマップとして制御部22のメモリに記憶される。
ここで、運転条件としては、燃料電池スタック14に供給される酸化剤ガスの流量、露点及び圧力、前記燃料電池スタック14から排出される酸化剤ガスの露点及び圧力、前記燃料電池スタック14に供給される燃料ガスの流量、露点及び圧力、前記燃料電池スタック14から排出されるオフガス(燃料ガス)の露点及び圧力、前記燃料電池スタック14に供給される冷却媒体の温度、並びに該燃料電池スタック14から排出される冷却媒体の温度等が含まれる。
そこで、燃料電池システム12が発電運転している際、制御部22では、各電位センサ60による検出電位を把握している。電位センサ60は、複数個を配置しており、その中、検出された最も高い(又は最も低い)検出電位が採用される。発電条件によって、最も高電位(又は最も低電位)となる電解質膜・電極構造体24の場所が異なるからである。
その際、図7に示すように、高負荷発電条件から低負荷発電条件に変更されると、アノード側の燃料ガス量の低下と酸素の増加とによってアノード側が高電位となり易い。
ここで、図5に示すように、低電位域では、過酸化水素の生成が増加している。従って、図7に示すように、高負荷発電条件から低負荷発電条件に移行する際に、供給される燃料ガス流量及び酸化剤ガス流量が減少すると、高電位域となって過酸化水素の分解による活性物質が発生し易くなる。
そこで、第1の実施形態では、電位センサ60により電位が上昇したことが検出されると、制御部22では、予め記憶されているマップ(図6参照)に基づいて、燃料ガス流量を増量させる制御が行われる。具体的には、電位が上昇しないことが予め実証されている電位と燃料ガス量とのマップに基づいて、燃料ガス流量を増量させる制御(修復制御)が行われる。これにより、電位が急激に高電位になることがなく(図7中、修正制御有参照)、活性物質の発生を良好に抑制することができるという効果が得られる。
なお、第1の実施形態では、燃料ガス量を制御したが、これに限定されるものではない。例えば、燃料ガス圧力を下げたり、燃料ガス温度を上げたり、燃料ガス湿度を下げたりしても良い。
また、図5に示す下限値を下回らないように、例えば、燃料ガス又は酸化剤ガスの湿度を上げる制御を行うことができる。一方、最低電位と最高電位とが、図5に示す安定発電範囲に入るように、運転条件を予め記憶されているマップ(図6参照)に基づいて制御することができる。
ところで、燃料電池システム12では、同一発電条件で発電を続していても、外乱等の影響で結露水が発生する場合がある。この結露水は、電位変化の要因となり、過酸化水素濃度が変化したり、活性物質が発生したりする要因となり易い。
このため、制御部22は、一定発電運転時に、電位の上昇を検出すると、予め記憶されているマップ(図6参照)に基づいて、所望の運転制御を実施する。具体的には、電位上昇を抑制するために、燃料ガス流量の増加、酸化剤ガス流量の増加、カソード側湿度の低下等の制御の他、図示しないが、冷却媒体温度の上昇制御を組み合わせた制御(修復制御)が行われる。従って、過酸化水素濃度の低下を伴う電位上昇によって活性物質が発生することを、有効に抑制することができる。
この場合、燃料電池システム12では、電解質膜・電極構造体24の触媒端部近傍(電極周辺部)に複数の電位センサ60が設けられている。アノード電極32の中央部の電位挙動は、前記アノード電極32の触媒端部近傍(電極周辺部)の電位挙動と異なるからである。すなわち、アノード電極32の触媒端部近傍は、運転状態により電位変動が顕著に現れる部位である。このため、触媒端部近傍に電位センサ60を配置することにより、アノード電極32の内部に配置した電位センサでは検出できない不安定状態を確実に検出することができる。また、劣化し易い触媒端部近傍の電位を直接検出することにより、前記触媒端部近傍の劣化を確実に抑制することが可能になる。
そして、燃料電池10の発電時における電極周辺部の電位の変化を検出し、検出された電位が所定の範囲内に収束するように、予め設定されたマップに基づいて、前記燃料電池10の運転条件が設定されている。従って、電極周辺部に過酸化水素や活性物質が発生することを可及的に阻止することができ、固体高分子電解質膜30等の劣化を有効に阻止するとともに、燃料電池10を良好な状態で運転制御することが可能になるという効果が得られる。
図8は、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池120を構成する電解質膜・電極構造体122の要部断面説明図である。なお、第1の実施形態に係る燃料電池10を構成する電解質膜・電極構造体24と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
電解質膜・電極構造体122は、固体高分子電解質膜30をアノード電極32a及びカソード電極34aで挟持する。アノード電極32aの外周端部は、カソード電極34aの外周端部よりも外方に突出する。すなわち、アノード電極32a及びカソード電極34aの寸法は、第1の実施形態のアノード電極32及びカソード電極34の寸法とは逆に設定される。
固体高分子電解質膜30上には、電位センサ60が、カソード電極34a側の面及び必要に応じてアノード電極32a側の面に、それぞれの電極周辺部に位置して所定の数ずつ設置される。なお、電位センサ60の配置位置及び個数は、例えば、第1の実施形態と同様である。
このように構成される第2の実施形態では、図9に示す制御が行われる。すなわち、燃料電池120では、高負荷発電条件から低負荷発電条件に変更されると、アノード側の燃料ガス量の低下と酸素の増加とによってカソード側が低電位となり易い。
そこで、第2の実施形態では、電位センサ60により電位が下降したことが検出されると、制御部22では、予め記憶されているマップ(図6参照)に基づいて、燃料ガス流量を増量させる制御が行われる。
これにより、第2の実施形態では、電位が急激に低電位になることがなく、過酸化水素の発生を良好に抑制することができる等、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
10、120…燃料電池 12…燃料電池システム
14…燃料電池スタック 16…酸化剤ガス供給装置
18…燃料ガス供給装置 20…冷却媒体供給装置
22…制御部 24、122…電解質膜・電極構造体
26、28…セパレータ 30…固体高分子電解質膜
32…アノード電極 34…カソード電極
46…酸化剤ガス流路 48…燃料ガス流路
50…冷却媒体流路 60…電位センサ

Claims (1)

  1. アノード電極とカソード電極との間に電解質膜を挟持する電解質膜・電極構造体と、セパレータとが積層される燃料電池の運転方法であって、
    前記電解質膜・電極構造体の電極周辺部に設けられた電位センサにより、発電中の電位を検出する工程と、
    電位と前記燃料電池の運転条件との関係が予め設定されたマップに基づいて、検出された電位が所定の範囲内に収束するように、前記燃料電池の運転条件を設定する工程と、
    を有することを特徴とする燃料電池の運転方法。
JP2011273624A 2011-12-14 2011-12-14 燃料電池の運転方法 Expired - Fee Related JP6082183B2 (ja)

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