JP2013124565A - 診断装置および診断方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のポンプが協働して一定の出力を与えるシステムにおいて、各ポンプの劣化の程度を判定すること。
【解決手段】本発明の診断装置は、M台のポンプそれぞれについて、(a)当該ポンプが含まれる全ての組合せそれぞれにおける当該ポンプの消費電力量である第2積算消費電力量を含む劣化判定データ候補を求め(S13)、(b)複数の劣化判定データ候補の中から最小の第2積算消費電力量を示す候補を当該ポンプに対する劣化判定データとして特定し(S15)、(c)劣化判定データが閾値T1以上である場合に当該ポンプが劣化していると判断する(S20)。
【選択図】図7

Description

本発明は、ポンプの劣化を診断する診断装置、診断方法および診断プログラムに関する。
従来、設備の劣化を診断し、メンテナンスや交換を適切なタイミングで行う技術が知られている。例えば、特許文献1に記載の刃具寿命診断装置は、刃具によるワーク加工中のモータから測定された有効電力波形と、新品の刃具によるワーク加工中のモータから測定された有効電力波形に基づいて設定された基準有効電力波形とをパターン認識することにより比較し、刃具の寿命を判定する。
これは、刃具の寿命が、刃具の加工ワーク数の増加に伴って、ワーク加工中の有効電力波形が全域にわたって増大側にシフトしてゆくとともに、有効電力波形に特異的変化箇所が生じるという関係に基づいて行われている。
特開平11−83686号公報(1999年3月26日公開) 特開2003−245846号公報(2003年9月2日公開) 特開2009−109350号公報(2009年5月21日公開)
上述のような従来技術は、一つの装置Aの寿命と、装置Aを稼動するための有効電力波形とに相関的関係が存在する場合に、適用することは可能である。
一方、例えば製鉄所において、加熱された鉄を圧延するロールに圧力を加えるために、複数の油圧ポンプを稼動させるシステムがある。このようなシステムでは、何れかの油圧ポンプが故障により停止したとしても、鉄の圧延処理を停止させることがないように予備の油圧ポンプを少なくとも1つ配置しておく。これにより、何れかの油圧ポンプが故障したとしても予備の油圧ポンプを稼動させることで圧延処理を停止させることがない。このように、M(M≧3を満たす整数)台の油圧ポンプのうちN(2≦N≦M−1を満たす整数)台が協働して、圧延ロールに圧力を加えている。
このような、複数の油圧ポンプが協働して一定の出力を圧延ロールに与えるシステムにおいては、複数の油圧ポンプのいずれかが劣化した場合に、この劣化した分の出力を劣化していない他の油圧ポンプで補う。そのため、ある一つの油圧ポンプの消費電力は、劣化していないにも関わらず変化することとなる。すなわち、油圧ポンプの寿命と、当該油圧ポンプを稼動するための有効電力波形とに相関的関係がない。
したがって、上述のような従来技術は、複数の油圧ポンプが協働して一定の出力を圧延ロールに与えるシステムにおける各油圧ポンプの寿命の判定には適用することができない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、複数のポンプが協働して動作するシステムにおいて、各ポンプの劣化の程度を判定することが可能な診断装置、診断方法および診断プログラムを提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明の診断装置は、M(M≧3を満たす整数)台のポンプのうちN(2≦N≦M−1を満たす整数)台が協働して動作するシステムにおけるポンプの劣化を診断する診断装置であって、N台のポンプが協働することにより消費された電力量を当該N台のポンプそれぞれについて計測する電力量計と通信する通信手段と、前記M台のポンプのうちN台が協働する全ての組合せのそれぞれについて、前記電力量計により計測されたポンプごとの消費電力量を示す計測データを取得する計測データ取得手段と、劣化したポンプを特定する劣化設備特定手段と、を備え、前記ポンプは、劣化したときに、消費電力量が増大するとともに処理能力が低下するポンプであり、前記劣化設備特定手段は、前記M台のポンプそれぞれについて、(a)当該ポンプが含まれる全ての組合せそれぞれにおける当該ポンプの消費電力量を前記計測データ取得手段が取得した計測データの中から抽出し、(b)抽出した複数の消費電力量の中から最小の消費電力量を当該ポンプに対する劣化評価用値として特定し、(c)前記劣化評価用値が所定閾値以上である場合に当該ポンプが劣化していると判断する。
上記の課題を解決するために、本発明の診断方法は、M(M≧3を満たす整数)台のポンプのうちN(2≦N≦M−1を満たす整数)台が協働して動作するシステムにおけるポンプの劣化を診断する診断方法であって、N台のポンプが協働することにより消費された電力量を当該N台のポンプそれぞれについて計測する電力量計と通信する通信ステップと、前記M台のポンプのうちN台が協働する全ての組合せのそれぞれについて、前記電力量計により計測されたポンプごとの消費電力量を示す計測データを取得する計測データ取得ステップと、劣化したポンプを特定する劣化設備特定ステップとを含み、前記ポンプは、劣化したときに、消費電力量が増大するとともに処理能力が低下するポンプであり、前記劣化設備特定ステップでは、前記M台のポンプそれぞれについて、(a)当該ポンプが含まれる全ての組合せそれぞれにおける当該ポンプの消費電力量を前記計測データ取得ステップで取得した計測データの中から抽出し、(b)抽出した複数の消費電力量の中から最小の消費電力量を当該ポンプに対する劣化評価用値として特定し、(c)前記劣化評価用値が所定閾値以上である場合に当該ポンプが劣化していると判断する。
上記の構成によれば、M台のポンプのうちN台が協働する全ての組合せのそれぞれについて、電力量計により計測されたポンプごとの消費電力量を示す計測データが取得され、M台のポンプそれぞれについて、(a)ポンプが含まれる全ての組合せそれぞれにおける当該ポンプの消費電力量が計測データの中から抽出され、(b)抽出した複数の消費電力量の中から最小の消費電力量が当該ポンプに対する劣化評価用値として特定され、(c)劣化評価用値が所定閾値以上である場合に当該ポンプが劣化していると判断される。
ここで、ポンプは、劣化により消費電力が増加するタイプの斜板式アキシアルピストンポンプである。この場合、劣化後のポンプと組になる劣化前のポンプは劣化後のポンプの出力の低下を補うために必要以上の電力量を消費する。そのため、劣化後のポンプおよび劣化前のポンプの消費電力量がともに増大する。
劣化評価用値は、M台のポンプそれぞれについて算出される最小の消費電力量である。これにより、劣化評価用値は、組合せの相方のポンプの劣化の影響をなるべく受けていない値となる。そのため、劣化評価用値と所定閾値とを比較することにより、M台のポンプを劣化後のポンプと、劣化後のポンプとに正確に分類することができる。したがって、複数のポンプが協働して一定の出力を与えるシステムにおいて、各ポンプの劣化の程度を判定することが可能な診断装置,診断方法を提供することができる。
上記の課題を解決するために、本発明の診断装置は、M(M≧3を満たす整数)台のポンプのうちN(2≦N≦M−1を満たす整数)台が協働して動作するシステムにおけるポンプの劣化を診断する診断装置であって、N台のポンプが協働することにより消費された電力量を当該N台のポンプそれぞれについて計測する電力量計と通信する通信手段と、前記M台のポンプのうちN台が協働する全ての組合せのそれぞれについて、前記電力量計により計測されたポンプごとの消費電力量を示す計測データを取得する計測データ取得手段と、劣化したポンプを特定する劣化設備特定手段と、を備え、前記ポンプは、劣化したときに、消費電力量が増大せず、処理能力が低下するポンプであり、前記劣化設備特定手段は、(a)前記M台のポンプそれぞれについて、(i)当該ポンプが含まれる全ての組合せそれぞれにおける当該ポンプの消費電力量を前記計測データ取得手段が取得した計測データの中から抽出し、(ii)抽出した複数の消費電力量の中から最大の消費電力量を当該ポンプに対する劣化評価用値として特定し、(b)前記M台のポンプそれぞれについて特定した前記劣化評価用値のうちの最大値を基準値とし、当該基準値との差が所定閾値以上である劣化評価用値に対応するポンプが劣化していると判断する。
上記の課題を解決するために、本発明の診断方法は、M(M≧3を満たす整数)台のポンプのうちN(2≦N≦M−1を満たす整数)台が協働して動作するシステムにおけるポンプの劣化を診断する診断方法であって、N台のポンプが協働することにより消費された電力量を当該N台のポンプそれぞれについて計測する電力量計と通信する通信ステップと、前記M台のポンプのうちN台が協働する全ての組合せのそれぞれについて、前記電力量計により計測されたポンプごとの消費電力量を示す計測データを取得する計測データ取得ステップと、劣化したポンプを特定する劣化設備特定ステップと、を備え、前記ポンプは、劣化したときに、消費電力量が増大せず、処理能力が低下するポンプであり、前記劣化設備特定ステップでは、(a)前記M台のポンプそれぞれについて、(i)当該ポンプが含まれる全ての組合せそれぞれにおける当該ポンプの消費電力量を前記計測データ取得ステップで取得した計測データの中から抽出し、(ii)抽出した複数の消費電力量の中から最大の消費電力量を当該ポンプに対する劣化評価用値として特定し、(b)前記M台のポンプそれぞれについて特定した前記劣化評価用値のうちの最大値を基準値とし、当該基準値との差が所定閾値以上である劣化評価用値に対応するポンプが劣化していると判断する。
上記の構成によれば、M台のポンプのうちN台が協働する全ての組合せのそれぞれについて、電力量計により計測されたポンプごとの消費電力量を示す計測データが取得され、(a)M台のポンプそれぞれについて、(i)ポンプが含まれる全ての組合せそれぞれにおける当該ポンプの消費電力量が計測データの中から抽出され、(ii)抽出した複数の消費電力量の中から最大の消費電力量が当該ポンプに対する劣化評価用値として特定され、(b)M台のポンプそれぞれについて特定した劣化評価用値のうちの最大値を基準値とし、当該基準値との差が所定閾値以上である劣化評価用値に対応するポンプが劣化していると判断される。
ここで、ポンプは、劣化により消費電力が増大しないタイプのギアポンプである。この場合、劣化後のポンプと組になる劣化前のポンプは劣化後のポンプの出力の低下を補うために必要以上の電力量を消費するので、劣化前のポンプの消費電力量が増大する。
劣化評価用値はM台のポンプそれぞれについて算出される最大の積算消費電力量であり、M台のポンプそれぞれの消費電力量と劣化評価用値との差が算出される。劣化評価用値は、劣化が大きくなるにつれて増大する値となる。そのため、劣化評価用値と所定閾値とを比較することにより、M台のポンプを劣化後のポンプと、劣化後のポンプとに正確に分類することができる。したがって、複数のポンプが協働して一定の出力を与えるシステムにおいて、各ポンプの劣化の程度を判定することが可能な診断装置,診断方法を提供することができる。
本発明は、複数のポンプが協働して一定の出力を与えるシステムにおいて、各ポンプの劣化の程度を判定することができるという効果を奏する。
第1の実施形態における稼動設備診断システムの一例を示す図である。 油圧ポンプの稼動対象となる外部装置の一例を示す図である。 第1の実施形態における診断装置の構成の一例を示すブロック図である。 積算消費電力データの一例を示す図である。 第1の実施形態における積算消費電力データの一例をグラフで示す図である。 最小電力設備特定処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第1の実施形態における劣化設備特定処理の流れの一例を示すフローチャートである。 劣化の設備を特定することによる省エネの効果をグラフ化した図である。 最小電力の設備を特定することによる省エネ効果を示すデータの一部を示す図である。 第2の実施形態における診断装置の構成の一例を示すブロック図である。 第2の実施形態における積算消費電力データの一例をグラフで示す図である。 No.6の油圧ポンプが劣化する前後における、各組合せの積算消費電力量を示す図である。 第2の実施形態における劣化設備特定処理の流れの一例を示す図である。
図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
本発明に係る実施形態は、複数の油圧ポンプが協働して、鉄を圧延するためのロール(圧延ロール)に所定量の圧力を与えるシステムにおける油圧ポンプの劣化を診断する診断装置および診断方法に関する。製鉄所においては、圧延ロールの稼動を停止させないために、油圧ポンプの何れかが故障により停止した場合であってもすぐに代わりの油圧ポンプを稼動できるように予備の油圧ポンプを少なくとも1つ用意されている。すなわち、M(M≧3を満たす整数)台の油圧ポンプのうちN(2≦N≦M−1を満たす整数)台が協働して、鉄を圧延するためのロールに所定量の圧力を与える。
ところで、油圧ポンプには、劣化により消費電力が増加するタイプと、劣化により消費電力が減少するタイプとが含まれる。劣化により消費電力が増加するタイプは、例えば斜板式アキシアルピストンポンプである。油圧ポンプの劣化により消費電力が増加するのは、性能の低下によって内部抵抗が増加することと、性能が低下した状態で、外部に送り出す油量を劣化前と同程度にしようとするため、性能の低下分を補うことが原因である。劣化により消費電力が減少するタイプは、例えばギアポンプである。劣化により消費電力が減少するのは、例えばギアの劣化により外部に送り出す油量が減少することが原因である。
以下では、劣化により消費電力が増加するタイプである斜板式アキシアルピストンポンプを油圧ポンプとして用いた第1の実施形態と、劣化により消費電力が減少するタイプであるギアポンプを油圧ポンプとして用いた第2の実施形態とについて説明する。
<第1の実施形態>
(稼動設備診断システムの構成)
図1は、第1の実施形態における稼動設備診断システムの一例を示す図である。図1に示されるように、稼動設備診断システム1は、複数の油圧ポンプ10と、複数の電動機20と、複数の電力量計30と、診断装置100とを含む。上述したように、油圧ポンプ10は、劣化により消費電力が増加するタイプである斜板式アキシアルピストンポンプを油圧ポンプである。
診断装置100は、複数の電力量計30と接続され、互いに通信が可能である。なお、接続形態は、有線または無線を問わないが、ここでは有線としている。また、複数の電力量計30それぞれには、電動機20が接続され、複数の電動機20それぞれには、油圧ポンプ10が接続される。
油圧ポンプ10は、電動機20から供給される駆動力を圧力に変換し、外部装置を稼動する。電力量計30は、電動機20の駆動により消費される消費電力量を計測し、計測した消費電力量を示す計測データを診断装置100に出力する。
図2は、油圧ポンプの稼動対象となる外部装置を示す図である。ここでは、2台の油圧ポンプ10が協働して外部装置200を稼動する場合を例に説明する。図2に示されるように、油圧ポンプ10の稼動対象となる外部装置200は、2つの油圧シリンダ210と、4つの圧延ロール220とを備える。4つの圧延ロール220は、2つの圧延ロール220で1つの組を構成し、2つの組が所定の間隔で配設される。
2つの油圧シリンダ210は、対向する位置に配設され、油圧ポンプ10からの圧力により2組の圧延ロール220により形成された所定の間隔を狭める方向に、2組の圧延ロール220に力を加える。これにより、2組の圧延ロール220の間を通過する、熱可塑性を有する鉄の塊(ビレット)に、対向する2方向から力を加えることができるので、塊を薄く成形することができる。
第1の実施形態における稼動設備診断システム1においては、M(M≧3を満たす整数)台の油圧ポンプ10からN(2≦N≦M−1を満たす整数)台を選ぶすべての組合せのいずれかが稼動用の油圧ポンプに設定され、残りの(M−N)台が予備用の油圧ポンプとして機能する。稼動設備診断システム1においては、稼動時間、稼動回数等の増加により、油圧ポンプ10に劣化が生じる。このため、M台の油圧ポンプ10からN台を選ぶすべての組合せのうち劣化した油圧ポンプを含まない組合せを稼動用の油圧ポンプとして適宣設定の変更が可能である。
稼動用の油圧ポンプの設定変更は、稼動設備の停止期間(メンテナンス期間)が対象となり、メンテナンス期間は、例えば2週間〜1ヶ月の周期である。メンテナンス期間においては、稼動設備の稼動開始に備えた作業が行われる。具体的には、メンテナンス期間において、ユーザは、M台の油圧ポンプ10からN台を選ぶ組合せすべてを順に設定し、実際に稼動させる(テスト稼動)。そして、診断装置100は、テスト稼動において、設定された稼動用の油圧ポンプに対応する電力量計30から計測データを収集する。診断装置100は、M台の油圧ポンプ10からN台を選ぶ組合せすべてについての計測データを基に、最小の消費電力で稼動できるN台の油圧ポンプ10の組合せを選択するとともに、劣化している油圧ポンプ10を特定し、メンテナンスが必要であることを通知する。
また、診断装置100は、メンテナンス期間以外の期間、つまり、メンテナンス期間において設定された最小電力で稼動可能なN台の油圧ポンプの組合せにより圧延ロール220に圧力を加える通常動作の期間において、油圧ポンプ10の異常を検知し、警報を通知する機能も有している。
(診断装置の構成)
図3は、第1の実施形態における診断装置の構成の一例を示すブロック図である。図3に示されるように、診断装置100は、制御部101と、制御部101が実行するプログラム等を記憶するための記憶部111と、データ通信制御部(通信手段)113と操作部115とを備える。
制御部101は、記憶部111と、データ通信制御部113とそれぞれ接続され、診断装置100全体を制御する。
データ通信制御部113は、複数の電力量計30それぞれから所定時間単位で生成される計測データを受信する。また、データ通信制御部113は、シリアル通信のためのシリアルインターフェース端子117を有する。データ通信制御部113は、制御部101からの指示に従って、シリアルインターフェース端子117に接続された外部の機器との間でデータを送受信する。
なお、シリアルインターフェース端子117には、フラッシュメモリを内蔵したメモリカードが接続可能である。制御部101は、データ通信制御部113を制御して、メモリカードから制御部101が実行するためのプログラムを読み出し、記憶部111に記憶することにより、プログラムを更新することが可能である。
制御部101は、計測データ取得部(計測データ取得手段)121と、最小電力判定データ生成部123と、劣化判定データ生成部127と、最小電力設備特定部125と、劣化設備特定部(劣化設備特定手段)129と、閾値設定部131と、警報部133とを含む。
計測データ取得部121は、稼動用の油圧ポンプ10に対応する電力量計30から所定の時間単位で計測データを取得する。計測データ取得部121は、メンテナンス期間か否かにかかわらず、電力量計30から取得された計測データを警報部133に出力する。また、計測データ取得部121は、メンテナンス期間において、電力量計30に対応する油圧ポンプ10の装置識別情報と当該電力量計30から入力された計測データで示される消費電力量とを含む消費電力量データを生成する。計測データ取得部121は、稼動用の油圧ポンプすべての組合せについて生成された消費電力量データを記憶部111に記憶する。なお、所定時間単位とは、例えば、最短10分から最長60分単位である。
図4は、消費電力量データの一例を示す図である。ここでは、4台の油圧ポンプ10から2台を選ぶ組合せすべてを稼動用の油圧ポンプに設定することにより記憶部111に記憶された消費電力量データを例に説明する。図4に示されるように、消費電力量データ141は、稼動用の油圧ポンプすべての組合せごとの消費電力レコードを含む。消費電力レコードは、装置識別情報の項目と、消費電力量の項目と、日時の項目とを含む。
上述したように、メンテナンス期間において、ユーザは、M台の油圧ポンプ10からN台を選ぶ組合せすべてを順に設定し、実際に稼動させる(テスト稼動)。そのため、メンテナンス期間において、計測データ取得部121は、N台の油圧ポンプの組合せすべてについて、消費電力量データを生成し記憶部111に記憶することとなる。
装置識別情報の項目は、第1装置識別情報の項目と第2装置識別情報の項目とを含み、稼動用の油圧ポンプ2台それぞれの装置識別情報が設定される。ここでは、油圧ポンプ10に割り当てられた装置番号を装置識別情報としている。消費電力量の項目は、第1装置識別情報の項目に対応する第1消費電力量の項目と、第2装置識別情報の項目に対応する第2消費電力量の項目とを含み、稼動用の油圧ポンプ2台それぞれに対応する2台の電力量計30で計測された消費電力量が設定される。日時の項目には、消費電力量の計測日時が所定時間単位ごとに設定され、消費電力量の項目には、日時の項目に設定されている日時ごとに、所定時間単位ごとの消費電力量が設定される。
このように、N台(図4では2台)の油圧ポンプ10の組合せごとの消費電力レコードは、当該組合せで稼動される油圧ポンプ10を識別する装置識別情報と、当該組合せで稼動したときの所定時間単位ごとに計測された消費電力量および計測日時とを含んでいる。
最小電力判定データ生成部123は、ユーザが操作部115に入力する最小電力特定指示に従って、最小の電力で稼動するN台の油圧ポンプ10の組合せを判定するための最小電力判定データを、記憶部111に記憶された消費電力量データ141に基づいて生成する。最小電力判定データ生成部123は、N台の油圧ポンプ10の組合せごとに、最小電力判定データを生成する。最小電力判定データは、対応する組合せにおいて稼動する油圧ポンプN台それぞれの装置識別情報と、所定期間における、当該油圧ポンプN台の積算消費電力量を合計した第1積算消費電力量とを含む。ここでは、最小電力判定データ生成部123は、N台の油圧ポンプの組合せごとの消費電力レコードから、最新の所定期間(例えば、3時間や1日)の消費電力量(第1消費電力量および第2消費電力量)を抽出し、それらを合計することで第1積算消費電力量を算出することができる。最小電力判定データ生成部123は、稼動用の油圧ポンプすべての組合せについて生成された最小電力判定データを最小電力設備特定部125に出力する。
最小電力設備特定部125は、最小電力判定データ生成部123により生成されたすべての最小電力判定データのうち第1積算消費電力量が最小のものを最小電力の組合せに対応する最小電力判定データとして特定する。最小電力設備特定部125は、最小電力と特定された最小電力判定データに含まれる装置識別情報を、最小電力で稼動可能な設備の組合せを示す最小電力設備特定情報に含めて記憶部111に記憶する。
劣化判定データ生成部127は、ユーザが操作部115に入力する劣化設備判定指示に従って、劣化後の油圧ポンプを判定するための劣化判定データを、記憶部111に記憶された消費電力量データ141に基づいて生成する。劣化判定データ生成部127は、M台の油圧ポンプ10のそれぞれについて、劣化判定データを生成する。劣化判定データは、対応する油圧ポンプ10の装置識別情報と、所定期間における、当該油圧ポンプ10の積算消費電力量(以下、「第2積算消費電力量」という)とを含む。
まず、劣化判定データ生成部127は、稼動用の油圧ポンプすべての組合せそれぞれを対象に、当該組合せで稼動された油圧ポンプ10の各々について、当該油圧ポンプ10の装置識別情報と、所定期間における当該油圧ポンプ10の積算消費電力量である第2積算消費電力量とを含む劣化判定データ候補を生成する。劣化判定データ生成部127は、N台の油圧ポンプの組合せごとの消費電力レコードから、最新の所定期間(例えば、3時間や1日)の第1消費電力量または第2消費電力量を抽出し、それらを合計することで第2積算消費電力量を算出することができる。ここでは、すべての組合せのそれぞれについて、当該組合せで稼動された油圧ポンプ10ごとに劣化判定データ候補を生成するため、M台の油圧ポンプ10からN台を選択する組合せ(個)のN倍分の劣化判定データ候補が生成される。
劣化判定データ生成部127は、M台の油圧ポンプ10のそれぞれについて、(×N)個の劣化判定データ候補の中から当該油圧ポンプ10を示す装置識別情報を含む劣化判定データ候補を抽出し、抽出した劣化判定データ候補の中で第2積算消費電力量が最小の候補を特定する。そして、劣化判定データ生成部127は、M台の油圧ポンプ10のそれぞれについて、第2積算消費電力量が最小として特定された劣化判定データ候補を劣化判定データとして採用し、第2積算消費電力量が最小として特定されなかった劣化判定データ候補を削除する。これにより、劣化判定データは、M台の油圧ポンプ10と同数生成される。
劣化判定データ生成部127は、最終的に残ったM個の劣化判定データ候補を劣化判定データとして劣化設備特定部129に出力する。
劣化設備特定部129は、劣化判定データ生成部127から入力される劣化判定データと記憶部111に記憶された閾値データ143とに基づいて、劣化後の設備を特定する。具体的には、劣化判定データから入力された劣化判定データのうち閾値データ143で示される閾値T1以上の第2積算消費電力量を含む劣化判定データで特定される油圧ポンプ10を劣化後の油圧ポンプとして特定し、そうでない油圧ポンプ10を劣化前の油圧ポンプとして特定する。劣化設備特定部129は、劣化後の油圧ポンプを特定した場合、劣化判定データに含まれる油圧ポンプ10の装置識別情報を、メンテナンスを要請することを示すメンテナンス要請情報に含めて記憶部111に記憶する。
劣化設備特定部129は、メンテナンス要請情報の表示指示が操作部115に入力された場合、記憶部111からメンテナンス要請情報を読み出し、メンテナンス要請情報の出力処理を行う。なお、本明細書において、出力処理としては、例えば、図示しない表示部にメンテナンス要請情報を表示する処理、図示しないスピーカからメンテナンス要請情報で示される油圧ポンプ10を音声で通知する処理、外部の装置にメンテナンス要請情報を送信する処理などがある。
なお、劣化設備特定部129は、記憶部111に記憶された消費電力量データ141に基づいて生成されるグラフ(図5参照)と閾値データ143を、定期間隔または任意のタイミングで記憶部111に記憶するようにしてもよいし、外部に出力するようにしてもよい。
図5は、第1の実施形態における消費電力量データの一例をグラフで示す図である。グラフの横軸は、計測日時を示す。グラフの縦軸は、所定時間単位ごとの消費電力量を示す。ここでは、4台の油圧ポンプ10のうち2台を稼動用の油圧ポンプとして設定する場合を例に説明する。この場合、No1〜No4の油圧ポンプ10から2台を選ぶ組合せそれぞれが稼動用の油圧ポンプ10として設定される。
図5(a)は、稼動用の油圧ポンプNo1とNo2の組合せに対応するグラフを示す図である。図5(a)に示されるように、下部にNo1に対応する第2積算消費電力量が示され、上部にNo2に対応する第2積算消費電力量が示される。このため、下部と上部でNo1の油圧ポンプ10に対応する第2積算消費電力量とNo2の油圧ポンプ10に対応する第2積算消費電力量とを合計した第1積算消費電力量が示される。
図5(b)は、稼動用の油圧ポンプNo1とNo3の組合せに対応するグラフを示す図である。図5(b)に示されるように、下部にNo1に対応する第2積算消費電力量が示され、上部にNo3に対応する第2積算消費電力量が示される。このため、下部と上部でNo1の油圧ポンプ10に対応する第2積算消費電力量とNo3の油圧ポンプ10に対応する第2積算消費電力量とを合計した第1積算消費電力量が示される。
図5(c)は、稼動用の油圧ポンプNo3とNo4の組合せに対応するグラフを示す図である。図5(c)に示されるように、下部にNo3に対応する第2積算消費電力量が示され、上部にNo4に対応する第2積算消費電力量が示される。このため、下部と上部でNo3の油圧ポンプ10に対応する第2積算消費電力量とNo4の油圧ポンプ10に対応する第2積算消費電力量とを合計した第1積算消費電力量が示される。
図5(d)は、稼動用の油圧ポンプNo2とNo3の組合せに対応するグラフを示す図である。図5(d)に示されるように、下部にNo3に対応する第2積算消費電力量が示され、上部にNo2に対応する第2積算消費電力量が示される。このため、下部と上部でNo2の油圧ポンプ10に対応する第2積算消費電力量とNo3の油圧ポンプ10に対応する第2積算消費電力量とを合計した第1積算消費電力量が示される。
図5(e)は、稼動用の油圧ポンプNo1とNo4の組合せに対応するグラフを示す図である。図5(e)に示されるように、下部にNo1に対応する第2積算消費電力量が示され、上部にNo4に対応する第2積算消費電力量が示される。このため、下部と上部でNo1の油圧ポンプ10に対応する第2積算消費電力量とNo4の油圧ポンプ10に対応する第2積算消費電力量とを合計した第1積算消費電力量が示される。
図5(f)は、稼動用の油圧ポンプNo2とNo4の組合せに対応するグラフを示す図である。図5(f)に示されるように、下部にNo2に対応する第2積算消費電力量が示され、上部にNo4に対応する計測期間における第2積算消費電力量が示される。このため、下部と上部でNo2の油圧ポンプ10に対応する第2積算消費電力量とNo4の油圧ポンプ10に対応する第2積算消費電力量とを合計した第1積算消費電力量が示される。
最小電力判定データは、4台の油圧ポンプ10のうち2台が稼動用の油圧ポンプとして設定されるので、上述した6つの組合せについて生成される。図5(a)〜(f)に示されるように、稼動用の油圧ポンプNo2とNo3の組合せに対応するグラフは、他のグラフと比較して、第1積算消費電力量が小さい。このため、6つの組合せの最小電力判定データのうちNo2およびNo3の油圧ポンプ10に対応する最小電力判定データが最小電力で稼動可能な設備の組合せとして特定される。したがって、稼動用の油圧ポンプNo2とNo3の組合せが最小電力で稼動することが可能な設備の組合せとして記憶部111に記憶される。
また、劣化判定データは、油圧ポンプ10が4台存在するので、同数生成される。具体的には、No1の油圧ポンプ10に対応する第2積算消費電力量は、図5(a),(b),(e)において示され、このうち図5(a)に示される第2積算消費電力量が最小であり、装置識別情報「No1」とNo1の油圧ポンプ10に対して算出された最小の第2積算消費電力量とを含む劣化判定データが生成される。
No2の油圧ポンプ10に対応する第2積算消費電力量は、図5(a),(d),(f)において示され、このうち図5(d)に示される第2積算消費電力量が最小であり、装置識別情報「No2」とNo2の油圧ポンプ10に対して算出された最小の第2積算消費電力量とを含む劣化判定データが生成される。
No3の油圧ポンプ10に対応する第2積算消費電力量は、図5(b),(c),(d)において示され、このうち図5(d)に示される第2積算消費電力量が最小であり、装置識別情報「No3」とNo3の油圧ポンプ10に対して算出された最小の第2積算消費電力量とを含む劣化判定データが生成される。
No4の油圧ポンプ10に対応する第2積算消費電力量は、図5(c),(e),(f)において示され、このうち図5(c)に示される第2積算消費電力量が最小であり、装置識別情報「No4」とNo4の油圧ポンプ10に対して算出された最小の第2積算消費電力量とを含む劣化判定データが生成される。
図5で示されるように、No.1の油圧ポンプ10は、いずれの組合せにおいても、第2積算消費電力量が大きい。これは、No.1の油圧ポンプ10自体が劣化しているためである。
一方、No.2の油圧ポンプ10の第2積算消費電力量は、No.3の油圧ポンプ10との組合せの際には小さいが、No.1の油圧ポンプ10との組合せの際には大きくなる。これは、組合せにおける相方の油圧ポンプ10の劣化に起因するものである。つまり、No.1の油圧ポンプ10が劣化しているため、No.1の油圧ポンプ10の出力が小さいため、それを補うように出力を高めるためにNo.2の油圧ポンプ10の第2積算消費電力量が大きくなる。また、No.3の油圧ポンプ10は劣化していないため、No.3との組合せの際には、No.2の油圧ポンプ10は出力を高める必要がなく、第2積算消費電力量は小さくなる。このように、劣化していない油圧ポンプ10の第2積算消費電力量は、組合せの相方となる油圧ポンプ10の劣化の程度によって変化することとなる。
No1〜No4の油圧ポンプ10それぞれに対して生成された劣化判定データは、第2積算消費電力量と記憶部111に記憶された閾値データ143で示される閾値T1と比較され、第2積算消費電力量が閾値T1以上である劣化判定データで特定される油圧ポンプ10が劣化後の油圧ポンプとして分類され、第2積算消費電力量が閾値T1未満である劣化判定データで特定される油圧ポンプ10が劣化前の油圧ポンプとして分類される。劣化後の油圧ポンプとして分類された油圧ポンプ10は、メンテナンスの必要がある設備として記憶部111に記憶される。
閾値設定部131は、ユーザの入力に応じて閾値データを生成し、記憶部111に閾値データ143を記憶することにより閾値を設定する。例えば、ユーザは、N台の新品の油圧ポンプを稼動させた初期状態において、所定期間における各油圧ポンプの積算消費電力量の平均値(または最大値)の1.1倍(10%増加させた値)を閾値データとして設定させる。もしくは、ユーザは、長期間の使用により劣化した油圧ポンプと新品の油圧ポンプとの組合せでテスト稼動させ、そのときの劣化した油圧ポンプの所定期間における積算消費電力量を閾値データとして設定してもよい。
警報部133は、予め定められた警報設定レベルと、計測データ取得部121により取得された、最新の所定期間における稼動用の油圧ポンプN台の消費電力量の合計値とに基づいて、稼動用の油圧ポンプの異常を警報するレベルに達したか否かを判断する。稼動用の油圧ポンプN台の消費電力量の合計値が予め定められた警報設定レベルより大きいならば警報するが、そうでなければ警報しない。なお、所定期間は、例えば10分間や1時間である。また、警報の方法は、ブザー、表示灯、電子メールなどを利用すればよい。図1では、診断装置100と表示灯40とを接続することが示されている。
表示灯で警報する場合、警報するレベルに達したならば赤色を点灯し、そうでないならば緑色を点灯する。電子メールで警報する場合、警報するレベルに達したことを条件に、予め登録された稼動設備を管理する設備管理装置に、例えば警報メッセージを含む電子メールを送信する。警報メッセージは、例えば、警報対象の稼動用設備が異常であることを示すメッセージである。
(最小電力の組合せを特定する処理の流れ)
図6は、最小電力設備特定処理の流れの一例を示すフローチャートである。最小電力設備特定処理は、制御部101が記憶部111に記憶された最小電力設備特定プログラムを実行することにより制御部101により実行される処理である。図6に示されるように、最小電力判定データ生成部123は、記憶部111に記憶された消費電力量データ141を読み出す(ステップS01)。
上述したように、本実施の形態においては、メンテナンス期間において、ユーザはM台の油圧ポンプ10からN台を選ぶ組合せすべてを順に設定する。そして、診断装置100は、設定された稼動用の油圧ポンプに対応する電力量計30から計測データを収集する。このため、記憶部111が記憶する消費電力量データ141は、稼動用の油圧ポンプN台すべての組合せについて消費電力レコードを含む。ここでは、4台の油圧ポンプ10のうち2台を稼動用の油圧ポンプに設定する場合を例に説明する。
次のステップS02においては、最小電力判定データ生成部123は、ステップS01において読み出された消費電力量データ141から、1つの組合せに対応する消費電力レコードを選択し、処理をステップS03に進める。
ステップS03においては、最小電力判定データ生成部123は、ステップS02において選択された消費電力レコードの第1および第2装置識別情報の項目それぞれに設定された装置識別情報と、第1および第2消費電力量の項目それぞれに設定されたすべての消費電力量とを抽出し、処理をステップS04に進める。
ステップS04においては、最小電力判定データ生成部123は、ステップS03において抽出された消費電力量(第1消費電力量および第2消費電力量の項目で示される消費電力量)の中から、日時の項目を基に、最新の所定期間(例えば、10分や1時間)に計測された消費電力量を特定する。そして、特定した消費電力量を合計した第1積算消費電力量を算出し、処理をステップS05に進める。
ステップS05においては、最小電力判定データ生成部123は、ステップS03において抽出された装置識別情報と、ステップS04において算出された第1積算消費電力量とを含む最小電力判定データを生成し、処理をステップS06に進める。
ステップS06においては、最小電力判定データ生成部123は、未選択の組合せに対応する消費電力量レコードがあるか否かを判断する。未選択の消費電力量レコードがあるならば処理をステップS02に戻すが、そうでなければ処理をステップS07に進める。
ステップS07においては、最小電力設備特定部125は、ステップS05において生成された最小電力判定データのうち第1積算消費電力量が最小のデータを特定する。そして、特定した最小電力判定データに含まれる装置識別情報で示される2台の油圧ポンプの組合せが最小電力の組合せであると判断し、最小電力設備特定処理を終了する。
なお、ステップS07においては、特定された最小電力判定データに含まれる装置識別情報を、最小電力で稼動することが可能な設備の組合せであることを示す最小電力特定情報に含めて記憶部111に記憶する。
(劣化設備特定処理の流れ)
図7は、第1の実施形態における劣化設備特定処理の流れの一例を示すフローチャートである。劣化設備特定処理は、制御部101が記憶部111に記憶された劣化設備特定プログラムを実行することにより制御部101により実行される処理である。図7に示されるように、劣化判定データ生成部127は、記憶部111に記憶された消費電力量データ141を読み出す(ステップS11)。
上述したように、本実施の形態においては、メンテナンス期間において、ユーザはM台の油圧ポンプ10からN台を選ぶ組合せすべてを順に設定する。そして、診断装置100は、設定された稼動用の油圧ポンプに対応する電力量計30から計測データを収集する。このため、記憶部111が記憶する積算消費電力データ141は、稼動用の油圧ポンプN台すべての組合せについて消費電力レコードを含む。ここでは、4台の油圧ポンプ10のうち2台を稼動用の油圧ポンプに設定する場合を例に説明する。
次のステップS12においては、劣化判定データ生成部127は、ステップS11において読み出された消費電力量データ141から、1つの組合せに対応する消費電力レコードを選択し、処理をステップS13に進める。
次のステップS13においては、劣化判定データ生成部127は、第1消費電力量の項目に設定されていた消費電力量のうち、日時の項目を基に、最新の所定期間(例えば10分や1時間)に計測された消費電力量を特定する。そして、特定した消費電力量を合計した第2積算消費電力量と、第1装置識別情報の項目に設定されている装置識別情報とを含む劣化判定データ候補を生成する。同様に、第2消費電力量の項目に設定されていた消費電力量のうち、日時の項目を基に、最新の所定期間(例えば10分や1時間)に計測された消費電力量を特定する。そして、特定した消費電力量を合計した第2積算消費電力量と、第2装置識別情報の項目に設定されている装置識別情報とを含む劣化判定データ候補を生成する。このようにして、劣化判定データ生成部127は、1つの組合せに対応する消費電力レコードから、2個の劣化判定レコードを生成する。
次に未選択の組合せに対応する消費電力レコードがあるか否かを判断する(ステップS14)。未選択の消費電力レコードがあるならば処理をステップ12に戻すが、そうでなければ処理をステップS15に進める。
なお、ステップS12〜S13の処理は、ステップS14において全ての組合せの消費電力レコードが選択されるまで繰り返される。また、消費電力量データ141は、4台の油圧ポンプ10から2台を選択する組合せすべてについての消費電力レコードを含む。このため、12個の劣化判定データ候補が生成される。12個の劣化判定データ候補には、装置識別情報が重複する劣化判定データが含まれる。
次のステップS15において、劣化判定データ生成部127は、油圧ポンプ10ごとに、当該油圧ポンプ10を示す装置識別情報が含まれる劣化判定データ候補の中から、最小の第2積算消費電力量を示す劣化判定データ候補を劣化判定データとして決定する。これにより、油圧ポンプ10の台数と同数の4個の劣化判定データが生成される。
ステップS16においては、劣化設備特定部129は、第2積算消費電力量が小さい順に劣化判定データをソートする。そして、記憶部111に記憶された閾値データ143を読み出す(ステップS17)。
次のステップS18においては、劣化設備特定部129は、1つの劣化判定データを選択する。そして、選択された劣化判定データに含まれる第2積算消費電力量がステップS21において読み出された閾値データ143で示される閾値T1以上であるか否かを判断する(ステップS19)。第2積算消費電力量が閾値T1以上であるならば処理をステップS20に進めるが、そうでなければ処理をステップS21に進める。
ステップS20においては、劣化設備特定部129は、ステップS18において選択された劣化判定データに含まれる装置識別情報で特定される油圧ポンプ10を劣化後の油圧ポンプとして特定し、処理をステップS22に進める。
なお、ステップS20においては、劣化設備特定部129は、ステップS20において特定された油圧ポンプ10の装置識別情報を、メンテナンスを要請するメンテナンス要請情報に含めて記憶部111に記憶する。
ステップS21においては、劣化設備特定部129は、ステップS18において選択された劣化判定データに含まれる装置識別情報で特定される油圧ポンプ10を劣化前の油圧ポンプとして特定し、処理をステップS22に進める。
ステップS22においては、劣化設備特定部129は、次の劣化判定データがあるか否かを判断する。次の劣化判定データがあるならば処理をステップS18に戻すが、そうでなければ劣化設備特定処理を終了する。
なお、S16の処理でソートした順に装置識別情報をならべた情報を記憶部111に格納し、ユーザの要求に応じて、当該情報の出力処理を行ってもよい。これにより、劣化の程度に応じた順にソートされた装置識別情報を確認することができる。なお、上記の説明では、第2積算消費電力の小さい順のソートしたが大きい順にソートしてもよい。
(まとめ)
上述したように、メンテナンス期間において、ユーザは、4台の油圧ポンプ10のうち2台を選択する組合せすべてについて稼動用の油圧ポンプを設定し、テスト稼動を実行させる。そのため、診断装置100は、全ての組合せについて、設定された稼動用の油圧ポンプに対応する電力量計30から計測データを収集し、消費電力量データ141を記憶部111に格納する。
最小電力設備特定部125は、記憶部111に記憶された消費電力量データ141に基づいて生成された最小電力判定データのうち、最小の第1積算消費電力量を含む最小電力判定データを選択する。そして、最小電力設備特定部125は、選択した最小電力判定データに含まれる2つの装置識別情報で示される油圧ポンプ10の組合せが最小電力の組合せであると判断する。このとき、最小電力設備特定部125は、最小電力の組合せに属する油圧ポンプ10の装置識別情報を含む最小電力特定情報を記憶部111に記憶する。このため、ユーザは、記憶部111に記憶された最小電力特定情報を見ることにより、容易に最小電力で稼動可能な油圧ポンプ10の組合せを知ることができる。これにより、ユーザは最小電力特定情報で特定される油圧ポンプ10の組合せを稼動用の油圧ポンプとして稼動設備の停止日が来るごとに設定することで、省エネルギーで稼動設備を稼動させることができる。
また、劣化判定データ生成部127は、記憶部111に記憶された消費電力量データ141に基づいて、油圧ポンプ10ごとに、当該油圧ポンプ10を含む組合せのそれぞれの稼動において所定期間での積算消費電力量(第2積算消費電力量)を含む劣化判定データ候補を生成する。そして、劣化判定データ生成部127は、油圧ポンプ10ごとに、生成した劣化判定データ候補の中から最小の第2積算消費電力量を含む候補を劣化判定データとして生成する。劣化設備特定部129は、油圧ポンプ10ごとに生成された劣化判定データで示される第2積算消費電力量が閾値データ143で示される閾値以上である場合に当該油圧ポンプ10が劣化後の油圧ポンプとして特定し、閾値T1未満の場合に当該油圧ポンプ10を劣化前の油圧ポンプとして特定する。そして、劣化後の油圧ポンプとして特定された油圧ポンプ10の装置識別情報を含むメンテナンス要請情報を記憶部111に記憶する。このため、記憶部111に記憶されたメンテナンス要請情報を見るユーザは、容易に劣化後の油圧ポンプ10、つまりメンテナンスすべき油圧ポンプ10を知ることができる。これにより、劣化した油圧ポンプ10が故障する前にメンテナンスすることができるので、油圧ポンプ10を最大限利用することができるとともに、メンテナンスの回数をできる限り少なくすることができる。これにより、メンテナンスの費用を低減することができる。
図8は、劣化の設備を特定することによる省エネの効果をグラフ化した図である。グラフの横軸は、初期状態(油圧ポンプ10が新品の状態)からの経過時間(日)を示す。グラフの縦軸は、消費電力量を示す。図8に示されるように、消費電力量は、経過時間が大きくなるにつれて、増加する。具体的には、消費電力量は、初期状態においてA(kW)であり、油圧ポンプ10が劣化と判定されるX日目におけるB(kW)まで増加し、油圧ポンプ10の故障時に該当するY日目にはC(kW)まで増加することを示している。ユーザが、故障時の稼動設備停止による損失に加え、X日目に油圧ポンプ10をメンテナンスしたとすると、領域401に相当するエネルギーが省エネ効果として下記の式(1)のように計算することができる。
省エネ効果(kWh)=(Y−X)日×24時間×(B−A)kW・・・・・・(1)
図9は、最小電力の設備を特定することによる省エネ効果を示すデータの一部を示す図である。図9にしめされるように、No1とNo2の油圧ポンプの組合せ、No1とNo3の油圧ポンプの組合せ、No3とNo4の油圧ポンプの組合せ、No2とNo3の油圧ポンプの組合せそれぞれの稼動用の油圧ポンプについて、合計の消費電力量を示している。なお、図9では、最小電力となるNo2とNo3の油圧ポンプの組合せの消費電力量を100としたときの値を示している。本実施形態によれば、最小電力となる組合せを選択することにより、省エネを実現できる。また、劣化後の油圧ポンプ10を適切なタイミングで早期に発見することができ、メンテナンスや交換などの処理を早期に行うことができる。そのため、できるだけ多くの組合せが図9に示すNo.2とNo.3の組合せのような消費電力の小さい組合せにすることができる。
<第2の実施形態>
第1の実施形態における稼動設備は、劣化により消費電力量が増加するタイプの油圧ポンプ10を備えるものであった。第2の実施形態における稼動設備は、劣化しても消費電力量が減少するタイプの油圧ポンプ10Aを備えるものとした。劣化しても消費電力量が減少するタイプの油圧ポンプ10Aとしては、例えばギアポンプである。
図10は、第2の実施形態における診断装置の構成の一例を示すブロック図である。図10に示す診断装置100が備える制御部101Aが図3に示す診断装置100が備える制御部101と異なる点は、劣化判定データ生成部127が劣化判定データ生成部127Aに変更された点、劣化設備特定部129が劣化設備特定部129Aに変更された点および閾値設定部131が閾値設定部131Aに変更された点である。その他の構成および機能は、制御部101と同じであるので、ここでは説明を繰り返さない。
劣化判定データ生成部127Aは、稼動用の油圧ポンプすべての組合せそれぞれを対象に、当該組合せで稼動された油圧ポンプ10Aの各々について、当該油圧ポンプ10Aの装置識別情報と、所定期間における当該油圧ポンプ10Aの積算消費電力量である第2積算消費電力量とを含む劣化判定データ候補を生成する。劣化判定データ生成部127Aは、N台の油圧ポンプ10Aの組合せごとの消費電力レコードから、最新の所定期間(例えば、3時間や1日)の第1消費電力量または第2消費電力量を抽出し、それらを合計することで第2積算消費電力量を算出することができる。ここでは、すべての組合せのそれぞれについて、当該組合せで稼動された油圧ポンプ10Aごとに劣化判定データ候補を生成するため、M台の油圧ポンプ10AからN台を選択する組合せ(個)のN倍分の劣化判定データ候補が生成される。
劣化判定データ生成部127Aは、M台の油圧ポンプ10Aのそれぞれについて、(×N)個の劣化判定データ候補の中から当該油圧ポンプ10Aを示す装置識別情報を含む劣化判定データ候補を抽出し、抽出した劣化判定データ候補の中で第2積算消費電力量が最大の候補を特定する。そして、劣化判定データ生成部127は、M台の油圧ポンプ10Aのそれぞれについて、第2積算消費電力量が最大として特定された劣化判定データ候補を劣化判定データとして採用し、第2積算消費電力量が最大として特定されなかった劣化判定データ候補を削除する。これにより、劣化判定データは、M台の油圧ポンプ10Aと同数生成される。
劣化判定データ生成部127Aは、最終的に残ったM個の劣化判定データ候補を劣化判定データとして劣化設備特定部129Aに出力する。
劣化設備特定部129Aは、劣化判定データ生成部127Aから入力される劣化判定データと記憶部111に記憶された閾値データ143Aとに基づいて、劣化後の設備を特定する。具体的には、劣化判定データ生成部127Aから入力されたM個の劣化判定データのうちの最大の第2積算消費電力量を基準値とし、当該基準値との差が記憶部111に記憶された閾値データ143Aで示される閾値T2以上である劣化判定データで特定される油圧ポンプ10Aを劣化後の油圧ポンプとして特定する。劣化設備特定部129Aは、劣化後の油圧ポンプを特定した場合、劣化判定データに含まれる油圧ポンプ10の装置識別情報を記憶部111に記憶する。
劣化設備特定部129Aは、メンテナンス要請情報の表示指示が操作部115に入力された場合、記憶部111からメンテナンス要請情報を読み出し、メンテナンス要請情報の出力処理を行う。なお、本明細書において、出力処理としては、例えば、図示しない表示部にメンテナンス要請情報を表示する処理、図示しないスピーカからメンテナンス要請情報で示される油圧ポンプ10Aを音声で通知する処理、外部の装置にメンテナンス要請情報を送信する処理などがある。
なお、劣化設備特定部129Aは、記憶部111に記憶された消費電力量データ141Aに基づいて生成されるグラフ(図5参照)と閾値データ143Aを、定期間隔または任意のタイミングで記憶部111に記憶するようにしてもよいし、外部に出力するようにしてもよい。
図11は、第2の実施形態における積算消費電力データの一例をグラフで示す図である。グラフの横軸は、計測期間を示す。グラフの縦軸は、所定時間単位ごとの消費電力量を示す。ここでは、3台の油圧ポンプ10Aのうち2台を稼動用の油圧ポンプとして設定する場合を例に説明する。この場合、No5の油圧ポンプ10AとNo6の油圧ポンプ10Aとの組合せ、No5の油圧ポンプ10AとNo7の油圧ポンプ10Aとの組合せ、No6の油圧ポンプ10AとNo7の油圧ポンプ10Aとの組合せそれぞれが稼動用の油圧ポンプとして設定されるものとする。
図11(a)は、稼動用の油圧ポンプNo5とNo6の組合せに対応するグラフを示す図である。図11(a)に示されるように、線グラフ301がNo5の油圧ポンプ10Aに対応し、線グラフ303がNo6の油圧ポンプ10Aに対応する。No5〜No7の油圧ポンプ10Aそれぞれは同じ構成および機能を有するが、No6の油圧ポンプ10AよりNo5の油圧ポンプ10Aの方が、消費電力量が多くなっていることが図に示されている。これは、No6の油圧ポンプ10Aの劣化により一定の出力値が得られないため、No6の油圧ポンプ10Aが出力できない分をまだ劣化していないNo5の油圧ポンプ10Aが補ったためである。したがって、No6の油圧ポンプ10Aのように劣化後の油圧ポンプ10Aが含まれる稼動用の油圧ポンプから得られる消費電力量データ141Aは、図11(a)に示すように劣化前の油圧ポンプ10Aの消費電力量が大きくなる傾向がある。ここでは、線グラフ301と線グラフ303とを比較すると、約15%の差があることが結果として得られた。
図11(b)は、稼動用の油圧ポンプNo5とNo7の組合せに対応するグラフを示す図である。図11(b)に示されるように、線グラフ305がNo5の油圧ポンプ10Aに対応し、線グラフ307がNo7の油圧ポンプ10Aに対応する。No5とNo7の油圧ポンプ10Aの消費電力量が殆ど同じになっていることが図に示されている。これは、No.5の油圧ポンプ10AとNo7の油圧ポンプ10Aとに劣化が生じていないためである。したがって、No5,No7の油圧ポンプ10Aのように劣化前の油圧ポンプのみが含まれる稼動用の油圧ポンプから得られる消費電力量データ141Aは、図11(b)に示すように消費電力量に殆ど違いがない傾向がある。ここでは、線グラフ305と線グラフ7とを比較すると、約3%の差があることが結果として得られた。
図12は、No.6の油圧ポンプ10Aが劣化する前後における、各組合せの積算消費電力量を示す図であり、(a)が劣化前、(b)が劣化後を示している。
図12(a)で示されるように、No.6の油圧ポンプ10Aの劣化前、つまり、全ての油圧ポンプ10Aが劣化していない状態では、各油圧ポンプ10Aの積算電力量はいずれの組合せでも同等となる。
一方、図12(b)で示されるように、No.6の油圧ポンプ10Aが劣化すると、No6の油圧ポンプ10Aが出力できない分をまだ劣化していない相方の油圧ポンプ10Aが補うため、相方の油圧ポンプ10Aの消費電力量が増大する。
上述したように、劣化判定データは、油圧ポンプ10Aが3台存在するので、同数生成される。具体的には、装置識別情報と装置識別情報に対応する第2積算消費電力量とを含む劣化判定データが3つ生成される。なお、3個の劣化判定データそれぞれに含まれる第2積算消費電力量は、同一の装置識別情報で特定される油圧ポンプ10Aそれぞれに対して算出された第2積算消費電力量のうち最大値である。
そして、劣化設備特定部129Aは、3個の劣化判定データのうち最大の第2積算消費電力量を基準値とし、当該基準値と各劣化判定データの第2積算消費電力量との差を求める。
図12(a)で示されるように、全ての油圧ポンプ10Aが劣化していない場合、各油圧ポンプ10Aに対応する劣化判定データの第2積算消費電力量は略同等の値となる。そのため、全ての油圧ポンプ10Aにおいて、対応する劣化判定データの第2積算消費電力量と基準値との差は相対的に小さい値となる。
一方、図12(b)で示されるように、No.6の油圧ポンプ10Aが劣化している場合、基準値としては、No.5またはNo.7に対応する劣化判定データの第2積算消費電力量が設定される。そのため、No.6の油圧ポンプ10Aについては、対応する劣化判定データの第2積算消費電力量と基準値との差が相対的に大きな値となり、No.5、7の油圧ポンプ10Aについては、対応する劣化判定データの第2積算消費電力量と基準値との差が相対的に小さい値となる。
このように、劣化判定データの第2積算消費電力量と基準値との差は、劣化するにつれて増大する。そのため、この差と閾値データ143Aで示される閾値T2とを比較し、この差が閾値T2以上である劣化判定データで特定される油圧ポンプ10Aを劣化後の油圧ポンプとして分類し、この差が閾値T2未満である劣化判定データで特定される油圧ポンプ10Aを劣化前の油圧ポンプとして分類することができる。劣化後の油圧ポンプとして分類された油圧ポンプ10Aは、メンテナンスの必要がある設備として記憶部111に記憶される。
図13は、第2の実施形態における劣化設備特定処理の流れの一例を示す図である。第2の実施形態における劣化設備特定処理が、図7に示す第1の実施形態における劣化設備特定処理と異なる点は、ステップS15,S16,S19がステップS15A,16A,19Aに変更された点、および、ステップS15Bが追加された点である。その他の処理は、図7に示す第1の実施形態における劣化設備特定処理と同じであるので、ここでは説明を繰り返さない。
ステップS15Aにおいて、劣化判定データ生成部127Aは、油圧ポンプ10Aごとに、当該油圧ポンプ10Aを示す装置識別情報が含まれる劣化判定データ候補の中から、最大の第2積算消費電力量を示す劣化判定データ候補を劣化判定データとして決定する。これにより、油圧ポンプ10Aの台数と同数(M個)の劣化判定データが生成される。
次のステップS15Bにおいて、劣化設備特定部129Aは、S15Aにおいて生成されたM個の劣化判定データのうち最大の第2積算消費電力量を基準値として設定する。そして、各劣化判定データについて、設定した基準値と、当該劣化判定データの第2積算消費電力量との差を算出する。
ステップS16Aにおいては、劣化設備特定部129Aは、基準値と第2積算消費電力量との差が小さい順に劣化判定データをソートする。
ステップS19Aにおいては、劣化設備特定部129Aは、ステップS18において選択された劣化判定データに含まれる第2積算消費電力量と基準値との差がステップS17において読み出された閾値データ143Aで示される閾値T2以上であるか否かを判断する。第2積算消費電力量と基準値との差が閾値T2以上であるならば処理をステップS20に進めるが、そうでなければ処理をステップS21に進める。
以上のように、第1の実施形態における診断装置100は、M(M≧3を満たす整数)台の油圧ポンプ10うちN(2≦N≦M−1を満たす整数)台が協働して、鉄を圧延するための圧延ロール220に設定量の圧力を与える稼動システムにおける油圧ポンプ10の劣化を診断する。
そして、診断装置100は、N台の油圧ポンプ10が協働することにより消費された電力量を当該N台の油圧ポンプ10それぞれについて計測する電力量計30と通信するデータ通信制御部113およびシリアルインターフェース端子117を備える。さらに、診断装置100は、M台の油圧ポンプ10のうちN台が協働する全ての組合せのそれぞれについて、電力量計30により計測された油圧ポンプ10ごとの消費電力量を示す計測データを取得する計測データ取得部121と、劣化後の油圧ポンプを特定する劣化判定データ生成部127および劣化設備特定部129とを備える。
劣化判定データ生成部127は、M台の油圧ポンプ10それぞれについて、(a)当該油圧ポンプ10が含まれる全ての組合せそれぞれにおける当該油圧ポンプ10の消費電力量である第2積算消費電力量を含む劣化判定データ候補を求め、(b)複数の劣化判定データ候補の中から最小の第2積算消費電力量を示す候補を当該油圧ポンプ10に対する劣化判定データとして特定する。この劣化判定データで示される第2積算消費電力量が劣化判定用値となる。その後、劣化設備特定部129は、劣化判定データで示される第2積算消費電力量が閾値T1以上である場合に当該油圧ポンプ10が劣化していると判断する。
ここで、油圧ポンプ10は、劣化により消費電力が増加するタイプの斜板式アキシアルピストンポンプである。この場合、劣化後の油圧ポンプと組になる劣化前の油圧ポンプは劣化後の油圧ポンプの出力の低下を補うために必要以上の電力量を消費する。そのため、劣化後の油圧ポンプおよび劣化前の油圧ポンプの消費電力量がともに増大する。
しかしながら、上記の構成では、M台の油圧ポンプ10それぞれについて算出される最小の第2積算消費電力量を含む劣化判定データ候補が劣化判定データとして決定される。これにより、劣化判定データで示される第2積算消費電力量は、組合せの相方の油圧ポンプの劣化の影響をなるべく受けていない値となる。そのため、劣化判定データと閾値T1とを比較することにより、M台の油圧ポンプ10を劣化後の油圧ポンプと、劣化後の油圧ポンプとに正確に分類することができる。したがって、協働して一定の出力を圧延ロール220に与える複数の油圧ポンプ10それぞれが電動機30により駆動される場合において、油圧ポンプ10の劣化を判定することができる。
また、第2の実施形態における診断装置100は、劣化後の油圧ポンプを特定する劣化判定データ生成部127Aおよび劣化設備特定部129Aを備える。
劣化判定データ生成部127Aは、M台の油圧ポンプ10それぞれについて、(a)当該油圧ポンプ10が含まれる全ての組合せそれぞれにおける当該油圧ポンプ10の消費電力量である第2積算消費電力量を含む劣化判定データ候補を求め、(b)複数の劣化判定データ候補の中から最大の第2積算消費電力量を示す候補を当該油圧ポンプ10に対する劣化判定データとして特定する。この劣化判定データで示される第2積算消費電力量が劣化判定用値となる。その後、劣化設備特定部129Aは、M台の油圧ポンプそれぞれについて特定した劣化判定データで示される第2積算消費電力量のうちの最大値を基準値として設定する。劣化設備特定部129Aは、設定した基準値との差が閾値T2以上である第2積算消費電力量を示す劣化判定データに対応する油圧ポンプ10Aが劣化していると判断する。
ここで、油圧ポンプ10Aは、劣化により消費電力が増大しないタイプのギアポンプである。この場合、劣化後の油圧ポンプと組になる劣化前の油圧ポンプは劣化後の油圧ポンプの出力の低下を補うために必要以上の電力量を消費するので、劣化前の油圧ポンプの消費電力量が増大する。
しかしながら、上記の構成では、M台の油圧ポンプ10Aそれぞれについて算出される最大の第2積算消費電力量を含む劣化判定データ候補が劣化判定データとして決定される。そして、全ての油圧ポンプ10Aに対して決定された劣化判定データの中から最大の第2積算消費電力量が基準値として設定され、各劣化判定データの第2積算消費電力量と基準値との差が算出される。図12で示されるように、この差は、劣化が大きくなるにつれて増大する値となる。そのため、この差と閾値T2とを比較することにより、M台の油圧ポンプ10Aを劣化後の油圧ポンプと、劣化後の油圧ポンプとに正確に分類することができる。したがって、協働して一定の出力を外部装置200に与える複数の油圧ポンプ10Aそれぞれが電動機30により駆動される場合において、油圧ポンプ10Aの寿命を判定することができる。
なお、第1の実施形態においては、診断装置100が制御部101と記憶部111とを備える場合を例に説明し、第2の実施形態においては、診断装置100が制御部101Aと記憶部111とを備える場合を例に説明したが、制御部101,101Aと記憶部111とは分離させてもよい。この場合、第1の実施形態においては制御部101を診断装置100に備える構成とし、記憶部111を情報処理装置に備える構成とし、情報処理装置において収集された消費電力量データ141と閾値データ143とに基づいて、診断装置100において劣化後の油圧ポンプおよび最小電力の油圧ポンプの組合せを特定させればよい。第2の実施形態においては制御部101Aを診断装置100に備える構成とし、記憶部111を情報処理装置に備える構成とし、情報処理装置において収集された消費電力量データ141Aと閾値データ143Aとに基づいて、診断装置100において劣化後の油圧ポンプおよび最小電力の油圧ポンプの組合せを特定させればよい。
また、制御部101,101Aと記憶部111とを分離させた場合において、第1の実施形態においては制御部101が閾値データ143を記憶する構成とし、第2の実施形態においては制御部101Aが閾値データ143Aを記憶する構成であってもよい。
また、上述した実施形態では、複数の油圧ポンプが協働して、鉄を圧延するためのロール(圧延ロール)に所定量の圧力を与えるシステムにおける油圧ポンプの劣化を診断する診断装置および診断方法を例に説明したが、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
最後に、診断装置100の各ブロック、特に制御部101,101Aは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、診断装置100は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記録媒体などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである診断装置100の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記診断装置100に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、診断装置100を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
1 稼動設備診断システム
10,10A 油圧ポンプ
20 電動機
30 電力量計
40 表示灯
100 診断装置
101,101A 制御部
111 記憶部
113 データ通信制御部
115 操作部
117 シリアルインターフェース端子
121 計測データ取得部
123 最小電力判定データ生成部
125 最小電力設備特定部
127,127A 劣化判定データ生成部
129,129A 劣化設備特定部
131,131A 閾値設定部
133 警報部
141,141A 積算消費電力データ
143,143A 閾値データ

Claims (4)

  1. M(M≧3を満たす整数)台のポンプのうちN(2≦N≦M−1を満たす整数)台が協働して動作するシステムにおけるポンプの劣化を診断する診断装置であって、
    N台のポンプが協働することにより消費された電力量を当該N台のポンプそれぞれについて計測する電力量計と通信する通信手段と、
    前記M台のポンプのうちN台が協働する全ての組合せのそれぞれについて、前記電力量計により計測されたポンプごとの消費電力量を示す計測データを取得する計測データ取得手段と、
    劣化したポンプを特定する劣化設備特定手段と、を備え、
    前記ポンプは、劣化したときに、消費電力量が増大するとともに処理能力が低下するポンプであり、
    前記劣化設備特定手段は、前記M台のポンプそれぞれについて、(a)当該ポンプが含まれる全ての組合せそれぞれにおける当該ポンプの消費電力量を前記計測データ取得手段が取得した計測データの中から抽出し、(b)抽出した複数の消費電力量の中から最小の消費電力量を当該ポンプに対する劣化評価用値として特定し、(c)前記劣化評価用値が所定閾値以上である場合に当該ポンプが劣化していると判断することを特徴とする診断装置。
  2. M(M≧3を満たす整数)台のポンプのうちN(2≦N≦M−1を満たす整数)台が協働して動作するシステムにおけるポンプの劣化を診断する診断装置であって、
    N台のポンプが協働することにより消費された電力量を当該N台のポンプそれぞれについて計測する電力量計と通信する通信手段と、
    前記M台のポンプのうちN台が協働する全ての組合せのそれぞれについて、前記電力量計により計測されたポンプごとの消費電力量を示す計測データを取得する計測データ取得手段と、
    劣化したポンプを特定する劣化設備特定手段と、を備え、
    前記ポンプは、劣化したときに、消費電力量が増大せず、処理能力が低下するポンプであり、
    前記劣化設備特定手段は、(a)前記M台のポンプそれぞれについて、(i)当該ポンプが含まれる全ての組合せそれぞれにおける当該ポンプの消費電力量を前記計測データ取得手段が取得した計測データの中から抽出し、(ii)抽出した複数の消費電力量の中から最大の消費電力量を当該ポンプに対する劣化評価用値として特定し、(b)前記M台のポンプそれぞれについて特定した前記劣化評価用値のうちの最大値を基準値とし、当該基準値との差が所定閾値以上である劣化評価用値に対応するポンプが劣化していると判断することを特徴とする診断装置。
  3. M(M≧3を満たす整数)台のポンプのうちN(2≦N≦M−1を満たす整数)台が協働して動作するシステムにおけるポンプの劣化を診断する診断方法であって、
    N台のポンプが協働することにより消費された電力量を当該N台のポンプそれぞれについて計測する電力量計と通信する通信ステップと、
    前記M台のポンプのうちN台が協働する全ての組合せのそれぞれについて、前記電力量計により計測されたポンプごとの消費電力量を示す計測データを取得する計測データ取得ステップと、
    劣化したポンプを特定する劣化設備特定ステップとを含み、
    前記ポンプは、劣化したときに、消費電力量が増大するとともに処理能力が低下するポンプであり、
    前記劣化設備特定ステップでは、前記M台のポンプそれぞれについて、(a)当該ポンプが含まれる全ての組合せそれぞれにおける当該ポンプの消費電力量を前記計測データ取得ステップで取得した計測データの中から抽出し、(b)抽出した複数の消費電力量の中から最小の消費電力量を当該ポンプに対する劣化評価用値として特定し、(c)前記劣化評価用値が所定閾値以上である場合に当該ポンプが劣化していると判断することを特徴とする診断方法。
  4. M(M≧3を満たす整数)台のポンプのうちN(2≦N≦M−1を満たす整数)台が協働して動作するシステムにおけるポンプの劣化を診断する診断方法であって、
    N台のポンプが協働することにより消費された電力量を当該N台のポンプそれぞれについて計測する電力量計と通信する通信ステップと、
    前記M台のポンプのうちN台が協働する全ての組合せのそれぞれについて、前記電力量計により計測されたポンプごとの消費電力量を示す計測データを取得する計測データ取得ステップと、
    劣化したポンプを特定する劣化設備特定ステップと、を備え、
    前記ポンプは、劣化したときに、消費電力量が増大せず、処理能力が低下するポンプであり、
    前記劣化設備特定ステップでは、(a)前記M台のポンプそれぞれについて、(i)当該ポンプが含まれる全ての組合せそれぞれにおける当該ポンプの消費電力量を前記計測データ取得ステップで取得した計測データの中から抽出し、(ii)抽出した複数の消費電力量の中から最大の消費電力量を当該ポンプに対する劣化評価用値として特定し、(b)前記M台のポンプそれぞれについて特定した前記劣化評価用値のうちの最大値を基準値とし、当該基準値との差が所定閾値以上である劣化評価用値に対応するポンプが劣化していると判断することを特徴とする診断方法。
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