JP2013123883A - 記録装置及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
複数のノズルをインク流路に沿って複数の領域に分割し、各領域に対応した駆動制御を行なう。
【解決手段】
記録装置は、駆動パルスの印加によりインクを吐出するための熱エネルギーを発生する複数の発熱素子と、該複数の発熱素子へインクを供給するためのインクが所定の方向へ流れるインク流路とを有する記録ヘッドと、前記インク流路に沿って複数の領域に分けられた前記複数の発熱素子を各領域に対応して異なる駆動条件で前記複数の発熱素子を駆動させる制御手段とを具備する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、記録装置及びその制御方法に関する。
インクジェット方式を採用した記録装置においては、記録速度の向上のため、複数のノズル及びノズル列を集積配列した記録ヘッドを用いて記録を行なっている。近年では、記録画像のカラー化の要請が高まり、カラーインクを吐出する複数種類の記録ヘッドを搭載した装置も用いられている。
また、近年のノズルの集積配列化における技術進歩を背景に、高密度で長尺な記録ヘッドの製作が可能になってきている。それに伴って、記録されるデータ量も増大しており、特に、グラフィック等の記録に際してはデータ量の多さから一層の高速記録が要求されるようになっている。
高密度にノズルを配し、長尺に製作された記録ヘッドは、一般に、フルラインヘッド等と呼称され、幅広の記録領域に対応し、1回の記録走査によって画像の記録を完成させる。
ここで、インクジェット方式の一つとして、熱エネルギーを発生する発熱素子(ヒータ)を用いて、微小なノズルからインク液滴を吐出させて記録を行なう手法が知られている。発熱素子を用いた記録ヘッドでは、記録信号(駆動電圧、駆動パルス)に従ってノズル内の発熱素子に熱エネルギーを与え、それにより、インク滴を吐出する。
複数のノズルが配される記録素子基板上には、インク供給源からノズルまでインクを供給するためのインク流路が形成されている。インク供給源のある流路上流部の近傍に位置するノズルには、冷えたインクが供給され、流路下流部の近傍の位置するノズルには、発熱素子の駆動に伴って温められたインクが供給される。そのため、特に、高duty記録時には、流路の流れ方向に沿って温度勾配が生じ濃度変化等による画像劣化が生じる。
この問題に対し、各ノズル列に対応してノズルの配列方向へ流れを生じさせる複数のインク流路を設け、隣接するインク流路でのインク供給方向を逆方向にする技術が提案されている(特許文献1)。
特開2007−296641号公報
ノズル列が長尺化し、また、記録素子基板上に形成されるインク流路の長さが長くなれば、記録素子基板上に配される複数のノズルへ供給されるインクの温度勾配は大きくなる。
また、駆動されるノズル位置がノズル列内の一部のノズル群に集中し、更に、そのノズル群の位置が高頻度で切り替わる場合には、隣接する流路による冷却方法では応答性が低い恐れがある。流路の構造的にも、インクの流れを隣接流路で逆方向にするという発想では、インク供給部の規模の拡大につながってしまう。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、複数のノズルをインク流路に沿って複数の領域に分割し、各領域に対応した駆動制御を行なうようにした技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様による記録装置は、駆動パルスの印加によりインクを吐出するための熱エネルギーを発生する複数の発熱素子と、該複数の発熱素子へインクを供給するためのインクが所定の方向へ流れるインク流路とを有する記録ヘッドと、前記インク流路に沿って複数の領域に分けられた前記複数の発熱素子を各領域に対応して異なる駆動条件で前記複数の発熱素子を駆動させる制御手段とを具備する。
本発明によれば、複数のノズルをインク流路に沿って複数の領域に分割し、各領域に対応した駆動制御を行なう。これにより、記録ヘッド上において温度分布が生じることを抑制できるため、各ノズルから吐出されるインクの吐出量を安定化させて高品位な画像を記録することができる。
本発明の一実施の形態に係わる記録装置の構成の一例を示す図 記録ヘッドと記録媒体との位置関係の概要を示す図。 記録ヘッドの構成の一例を示す図。 記録ヘッドの構成の一例を示す図。 記録ヘッドの構成の一例を示す図。 駆動信号の一例を示す図。 記録装置の制御系の構成の一例を示す図。 図7に示すヒータ駆動回路23の構成の一例を示す図。 図7に示す駆動電圧生成回路99の構成の一例を示す図。 制御信号Cの選択値と出力電圧VHとの相関関係を示す図。 図7に示す駆動電圧生成回路99の構成の一例を示す図。 制御信号Cの選択値と出力電圧VHとの相関関係を示す図。 出力電圧VHと吐出量Vdとの関係を示す図。 図1に示す記録装置100の処理の流れの一例を示すフローチャート。 駆動条件テーブルの一例を示す図。 実施形態2に係わる記録ヘッドの構成の一例を示す図。 実施形態3に係わる記録ヘッドの構成の一例を示す図。 実施形態4の概要を示す図。 実施形態5の概要を示す図。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、この明細書において、「記録」とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、又は媒体の加工を行なう場合も表す。また、人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わない。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表す。
また、「インク」とは、上記「記録」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成又は記録媒体の加工、或いはインクの処理に供され得る液体を表すものとする。インクの処理としては、例えば、記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固又は不溶化させることが挙げられる。
また更に、「ノズル」とは、特に断らない限り吐出口乃至これに連通する液路及びインク吐出に利用されるエネルギーを発生する素子を総括して言う。
(実施形態1)
図1は、本発明の一実施の形態に係わる記録装置の構成の一例を示す図である。
記録装置100には、カセット10と手差しトレイ9とが設けられており、いずれかに格納又は載置された記録媒体に対して記録を行なう。カセット10又は手差しトレイ9により給紙された記録媒体は、レジストローラ対4(4a、4b)のニップへ到達すると、それに伴ってレジストローラ対4が回転し、所定の搬送方向に沿って搬送される。記録装置100においては、レジストローラ対4の回転開始をトリガーとして記録ヘッド1(1C、1M、1Y、1K)の記録タイミングを合わせることにより記録媒体上の所定位置に画像を記録する。
ここで、搬送ベルト5dとピンチローラ対12(12a、12b)とで挟持された記録媒体は、搬送ベルト5dに静電吸着されながら搬送される。そして、搬送ベルト5dに静電吸着された記録媒体は、搬送ベルト5dによって記録ヘッド1(1K〜1C)の直下の記録開始位置まで搬送される。搬送ベルト5dは、駆動ローラ5b、従動ローラ5a及び圧力ローラ5cによって張架される。
記録ヘッド1は、ヘッドホルダ2に取り付けられている。各記録ヘッド1は、記録媒体の記録領域の全幅に渡って複数の記録素子(発熱素子)が配列されるフルラインタイプの記録ヘッドで構成されている。具体的には、記録ヘッド各々は、図2に示すように、記録媒体の搬送方向(走査方向:X方向)と直交する方向(ノズル配列方向:Y方向)に延在して設けられている。フルラインタイプの記録ヘッドは、幅広の記録領域に対応し、1回の記録走査によって画像の記録を完成させる。
また、記録ヘッド各々は、図2に示すように、記録媒体の搬送方向上流側から1K(ブラック)、1C(シアン)、1M(マゼンタ)、1Y(イエロー)の順に所定間隔で配置されている。記録ヘッド各々には、それぞれに対応したインクタンク3(3C、3M、3Y、3K)からインクが供給される。
以上のような構成において、記録媒体は静電吸着力によって搬送ベルト5dの上面に吸着され、記録ヘッド1からのインクの吐出に基づいて画像が記録されながら搬送ベルト5d上を搬送される。画像記録後の記録媒体は、排紙ローラ7(拍車7a、従動ローラ7b)によって挟持され、排紙トレイ13へ排紙、収容される。
ここで、図3及び図4を用いて、記録ヘッド1の詳細な構成について説明する。
記録ヘッド1には、記録素子基板(ヒータボード)20が設けられる。この記録素子基板20の上側には、天板24が設けられる。天板24には、複数のノズル25が形成されている。
各ノズルには、インク供給源(例えば、インクタンク)から供給されたインクに吐出用の熱エネルギーを発生する発熱素子(ヒータ)22がそれぞれ設けられている。ヒータ22は、ヘッドドライバ(不図示)を介して(後述する)ヒータ駆動回路に電気的に接続される。このヒータ駆動回路からの駆動信号に応じてヒータの駆動が制御される。
各ノズル25の後方には、各ノズルに連通するトンネル状の液路26が形成されている。各ノズル25(各ヒータ22)は、それぞれの液路26に対応して1つずつ配置されている。ヒータ22に対して所定の駆動エネルギー(駆動電圧、駆動パルス)が供給されると、ヒータ22上のインクが沸騰して気泡が形成され、この気泡の体積膨張によりインクがノズル25から吐出される。
ここで、記録ヘッド1は、図4(a)に示すように、例えば、1つ記録素子基板20上に1200dpi間隔で7232個のノズルが配されて構成される(一体型フルマルチヘッド)。なお、記録ヘッド1は、図4(b)に示すように、つなぎ型で構成されていても良い(つなぎ型フルマルチヘッド)。すなわち、図4(b)は、図4(a)と同じ総ノズル幅を有するが、4枚の記録素子基板20がつなぎ合わされて構成されている。各記録素子基板は、オーバーラップして配置されている。これは、つなぎ目のスジを軽減させるためである。図4(b)の場合、例えば、計1850個のノズルを持つ記録素子基板20が千鳥状に4つ配置されている。
次に、記録ヘッド1に形成されるインク流路について説明する。
一般に、短尺の記録ヘッドでは、各ノズルの液路の後方に共通液室が設けられており、共通液室の中央付近に位置するインク供給源(例えば、インクタンク)に通じる流路から各ノズルへインクが供給される。
これに対して、長尺の記録ヘッドでは、図5(a)に示すように、流路及び共通液室内で供給インクに流れを持たせている。これは、短尺の記録ヘッドと同じような構成にした場合、記録ヘッド端部のノズル付近にインク残留気泡が凝集し易くなり、ノズルの吐出不良を引き起こす恐れがあるためである。
ここで、記録素子基板20の背面側には、記録素子基板保持部材及び支持部材によって形成されるインク流路110(110a、110b)が各ノズル列に対応してノズルの配列方向全域に渡って形成されている。
このインク流路110の一方の端部にはインク流入部が設けられており、その他方にはインク流出部が設けられている。インク流入部より記録素子基板20の背面にインクが取り込まれ、インク流出部より記録素子基板20の裏面から外部に排出される仕組みになっている。
これにより、インク流入部から冷えたインクが記録素子基板20に流入し、インク流入部付近のノズルには冷えたインクが充填される。ところが、高dutyな記録が実施されるとノズル列内のヒータが高頻度に駆動されるため、ヒータ近傍のインクが昇温される。この昇温されたインクがインクの流れる方向に沿って各ノズルへ充填されていくため、インク流出部付近のノズルへ供給されるインクは高温に達する。そのため、フルラインヘッドのような長尺ヘッドにおいて共通の流れが生じるインク流路が形成されている場合には、インク流入部とインク流出部との温度差が非常に大きくなり、記録ヘッド上において温度分布が生じてしまう。このような現象は、記録ヘッドの全長(ノズルの配列方向に沿った長さ)が長くなるにつれて、温度分布はさらに大きく急勾配になると考えられる。
そこで、本実施形態においては、記録素子基板上に配列された複数のノズルを複数の領域(複数のノズル群)に分け、各領域毎に温度センサを配置する。これにより、各温度センサの温度を読み取り、その温度に応じて記録素子基板内における各ノズル群のヒータの駆動を制御する。これにより、各記録素子基板内における温度分布を抑制する。
具体的には、図5(b)に示すように、記録素子基板上をノズルの配列方向に沿って、複数の領域(81、82、83)に分け、各領域に対してそれぞれ異なる駆動信号を与える。領域(81、82、83)それぞれには、記録ヘッドの温度を測定する温度センサ84(84a〜84c)が設けられている。これにより、温度センサ84(84a〜84c)の検知温度に応じて各ノズル群のヒータの駆動が制御される。
なお、本実施形態においては、領域83側からインクが供給され、領域82を経由して、領域81側からインクが排出するインク流路が形成されているものとする。この場合、領域83のノズル群に供給されるインクは、低い温度となるが、領域81のノズル群に供給されるインクは、昇温されており高温となる。
ここで、本実施形態においては、図6(a)及び図6(b)に示すダブルパルス及びシングルパルスを用いて、ヒータの駆動を制御する。例えば、記録ヘッドの温度が低温領域にある場合には、図6(a)に示すようなプレパルスP1とメインパルスP2とからなるダブルパルスを用いる。一方、記録ヘッドの温度が高温領域にある場合には、図6(b)に示すような単一のパルスからなるシングルパルスを用いる。
次に、図7を用いて、図1に示す記録装置100の機能的な構成の一例について説明する。
記録装置100は、ホスト装置202と接続されている。ホスト装置202は、画像データの供給源となるコンピュータ(或いは、画像読取用のリーダやデジタルカメラなど)で実現される。ホスト装置202と記録装置100との間では、インタフェース(以下、I/Fと呼ぶ)201を介して画像データ、コマンド等の授受が行なわれる。
コントローラ部200は、CPU91と、ROM92と、RAM93と、画像処理部94と、記録ヘッド制御部95と、電源部98とを具備して構成される。
CPU(Central Processing Unit)91は、コントローラ部200における処理を統括制御する。ROM(Read Only Memory)92は、プログラムや各種データを記憶する。RAM(Random Access Memory)93は、CPU91によるプログラムの実行時にワークエリアとして使用され、各種演算結果等を一時的に記憶する。
画像処理部94は、ホスト装置202からI/F201を介して受信した画像データに対して各種画像処理を行なう。電源部98は、記録装置100を構成する各部に電力供給を行なう。
記録ヘッド制御部95は、記録ヘッド1を制御する。なお、ここでは、記録ヘッド1として1つのみ図示されているが、実際には、各色に対応して複数の記録ヘッドが設けられている。
記録ヘッド制御部95は、各種信号を生成し、当該生成した信号を記録ヘッド1へ向けて転送する。記録ヘッド1へ転送される信号としては、例えば、シリアルクロック(CLK)、記録データ(DATA)、ブロック選択信号(BLENB)、ヒートイネーブル信号(HENB)、制御信号C等が挙げられる。
ここで、記録ヘッド制御部95には、駆動電圧制御部96と、駆動パルス制御部97とが設けられる。駆動電圧制御部96は、温度センサ84からの検知温度に基づいてヒータの駆動電圧を制御する。駆動パルス制御部97は、温度センサ84からの検知温度に基づいてヒータを駆動させるための駆動パルス幅の制御を行なう。
記録ヘッド1は、記録ヘッド制御部95から転送されてきた信号に基づいて記録ヘッド1内の各吐出口からインクを吐出させる。記録ヘッド1には、1又は複数の記録素子基板20が設けられており、当該基板上には、複数のヒータ、複数の温度センサ84(84a〜84c)、複数の駆動電圧生成回路99、及びヒータ駆動回路23が設けられている。ヒータ駆動回路23は、記録ヘッド制御部95からの各種信号や、駆動電圧生成回路99からの駆動電圧に基づいて、ヒータの駆動を制御する。駆動電圧生成回路99は、記録素子基板内の複数のノズル群毎に設けられており、単一の電源から異なる駆動電圧を生成する。これにより、各ノズル群に対して異なる駆動電圧の供給が可能となる。駆動電圧生成回路99の詳細については後述する。
次に、図8を用いて、図7に示すヒータ駆動回路23の構成について説明する。
ヒータ駆動回路23には、複数の信号が入力される。具体的には、符号41、42及び46〜48の信号が入力される。符号41は記録データであり、符号42はブロック選択信号であり、符号46〜48はヒートイネーブル信号である。
駆動回路44及びAND回路43は、複数のヒータ22各々に対応して設けられており、駆動回路44は、AND回路43からの駆動パルスの印加に基づいて、対応するヒータに電圧を印加する。これにより、対応するノズルからインクが吐出される。AND回路43においては、記録データ(DATA)、ブロック選択信号(BLENB)及びヒートイネーブル信号(HENB0〜2)が入力される。
ここで、本実施形態においては、複数種類の駆動信号を生成するため、ヒートイネーブル信号(46、47、48)が3本設けられており、また、ヒータ駆動用電圧供給線(49、50、51)も3本設けられている。これにより、各ノズル列に対して、駆動電圧及び駆動パルス幅の異なる複数種類の駆動信号を供給することができる。なお、ヒートイネーブル信号は、ヒータ22を駆動するための駆動パルス波形(ヒート時間)を規定する信号であり、インク吐出量を可変にするための駆動パルス幅の情報は、ヒートイネーブル信号によって決められる。
ここで、記録素子基板内の各領域毎に異なる駆動電圧を供給する方法としては、いくつかの手法が考えられる。ここでは、その一例として、電源の数を増やさずに、記録素子基板内の各領域毎に異なる駆動電圧を供給する方法を例に挙げて説明する。
図7に示す駆動電圧生成回路99において各領域毎に異なる駆動電圧を生成する。ここで、駆動電圧生成回路99の構成の一例として、2通り例を挙げて説明する。上述した通り、駆動電圧生成回路99は、記録素子基板内の各領域に対応して設けられる。まず、図9を用いて、1つ目の駆動電圧生成回路99の構成について説明する。
駆動電圧生成回路99は、電源部98から入力電圧VHinを入力して、記録ヘッド1のノズル内のヒータ22に印加する出力電圧VHを出力する。この駆動電圧生成回路99には、出力電圧VHを制御するためのDC/DCコンバータ66が備えられている。
DC/DCコンバータ66は、誤差増幅器(Error Amp)61において、出力電圧VHの分圧値と基準電圧Vrefとを比較し、それらの間の誤差をなくすように出力電圧VHを制御する。
誤差増幅器61の一方の入力端子(反転端子)には、基準電圧Vrefが入力され、他方の入力端子(非反転端子)には、抵抗R1及びR3によって下記の式のように分圧された出力電圧VHの分圧値VH1が入力される。
Figure 2013123883
誤差増幅器61によって基準電圧Vref及び分圧値VH1を比較した結果、それらの差分に対応する出力がコンパレータ62に入力される。コンパレータ62は、基準電圧Vrefと分圧値VH1との差分に対応したパルス幅の信号をMOSドライバ63に出力し、その信号に基づいてドライバ63がスイッチ素子Q101を作動させる。L101及びC101は、平滑回路を構成するインダクタンスとリアクタンスである。
このように基準電圧Vref及び分圧値VH1の差分に応じて、スイッチ素子Q101をOWM制御することにより、出力電圧VHが基準電圧Vrefに対応する一定電圧に維持される。
ここで、D/Aコンバータ64においては、DC/DCコンバータ66の出力電圧VHを変更するために、誤差増幅器61に入力する基準電圧Vrefを制御する。D/Aコンバータ64は、基準電圧回路65によって生成された基準電圧Vccを基準として、コントローラ部200により生成されるデジタル信号(制御信号)Cに基づいて目標電圧(基準電圧Vref)を制御する。例えば、制御信号Cが8ビットのデジタル信号の場合は、D/Aコンバータ64の出力を256段階に調整することができる。この場合、D/Aコンバータ64の入力電圧をVcc、8ビットの制御信号CをXbitとすると、D/Aコンバータ64の出力電圧VAは下記の式によって表される。
Figure 2013123883
従って、出力電圧VH1は、下記の式によって表される。
Figure 2013123883
ここで、抵抗R4及びR5は、出力電圧VAを誤差増幅器61の同相入力電圧範囲に収めるための分圧抵抗である。図10は、8ビットの制御信号Cの選択値と出力電圧VHとの相関関係を示す図である。この場合、制御信号Cの選択値が大きくなると、D/Aコンバータ64の出力電圧VAと、誤差増幅器61の反転端子に印加される基準電圧Vrefとが増加し、その結果、出力電圧VHが増大する。
次に、図11を用いて、図9と異なる構成の駆動電圧生成回路99について説明する。
図11に示す駆動電圧生成回路99においては、出力電圧VHを変更するため、出力電圧VHの分圧点にD/Aコンバータ67を設け、それにより、電流を加算する。D/Aコンバータ67は、基準電圧回路65によって生成された基準電圧Vccを入力し、制御信号(デジタル信号)Cに応じた出力電圧VHを出力する。これにより、その出力電圧VAに対応する電流が抵抗R1及びR3の分圧点に加算される。例えば、制御信号Cが8ビットのデジタル信号の場合には、D/Aコンバータ67の出力を256段階に調整することができる。この場合、D/Aコンバータ67の入力電圧をVccとし、8ビットの制御信号Cの値をXbitとすると、D/Aコンバータ67の出力電圧VAは、下記の式によって表される。
Figure 2013123883
ここで、出力電圧VAに応じた電流I2が抵抗R1及びR3の分圧点に加算されることにより、出力電圧VHは以下のように変更される。具体的に説明すると、誤差増幅器61の非反転端子に入力される電圧VH1は、反転端子に入力される基準電圧Vrefとの間の誤差をなくすように制御されるため、抵抗R1、R2、R3に流れる電流I1、I2、I3は下記の式によって表される。
Figure 2013123883
キルヒホッフの電流則より、
Figure 2013123883
となり、出力電圧VHは下記の式によって表される。
Figure 2013123883
このようにD/Aコンバータ67の出力電圧VAを制御することによって、出力電圧VHを調整することができる。図12は、8ビットの制御信号Cの選択値と出力電圧VHとの相関関係を示す図である。この場合、制御信号Cの選択値が大きくなるに従って、D/Aコンバータ67の出力電圧VAが増大し、抵抗R1及びR3の分圧点に加算される電流I2が増加する。ここで、電流値の関係はI1+I2=I3であるため、電流I2が増加すれば、抵抗R1を介する電流I1が減少する。そして、電流I1の減少に伴って出力電圧VHは減少する。つまり、この回路構成は、抵抗R2を介した電流I2が増加すると、電圧VHが減少するフィードバック制御となっている。
なお、上述した説明では、単一の電源から多段階の駆動電圧を発生する手段として、DC/DCコンバータを用いる場合について説明したが、これに限られない。例えば、定電流回路、可変抵抗を利用した電圧制御方法等であっても良い。
次に、駆動電圧VHとインク吐出量との関係について説明する。
ヒータ22に投入する駆動エネルギーは、駆動電圧VHと駆動パルス幅とによって調整される。本実施形態の場合、インク液滴の吐出に必要な駆動エネルギーを投入する時は、常にk値が1.15となるように駆動電圧を調整する。
ここでk値について説明する。記録ヘッドにおいて、インクを吐出させるために必要な駆動エネルギー(吐出エネルギー)には、所定のエネルギー閾値がある。そのエネルギー閾値を駆動エネルギーが越えなければ、インクは発泡せずインクは吐出しない。
ヒータに与える駆動エネルギーの調整要素としては、駆動電圧と駆動パルス幅とがあるが、所定の駆動エネルギーを投入する場合、駆動電圧及び駆動パルス幅は、一方を大きくすると他方が小さくなる関係にある。
ここで、駆動パルス幅を所定の値に固定して駆動電圧を変化させた場合に、インク液滴が吐出されるか否かを示す電圧の閾値をVthとする。この閾値Vthを基準として記録ヘッドを駆動した場合、ヒータの製造ばらつきによりインク液滴の吐出が充分に安定しない恐れがある。
そこで、インク液滴を吐出させるときには、その閾値Vthよりも大きな駆動電圧VHを印加する。そのため、閾値Vthに一定の値を掛けた値の駆動電圧VHを設定することになり、その一定の値をk値という。従って、駆動電圧VH=k値×閾値Vthとなる。これにより得られた駆動電圧VHは、駆動パルス幅が所定の固定値のときに、インクを安定的に吐出するためにヒータに投入される駆動エネルギーの量に対応する。
ここで、k値を一定の1.15に保つように駆動パルス幅と関連して、駆動電圧を高めた場合には、図13に示すように、インク液滴の吐出量が少なくなっていくことが実験により確認された。これは、駆動電圧を高めることにより駆動パルス幅が小さくなって、ヒータの熱がインクに伝わる時間が短くなるためである。すなわち、本実施形態においては、インクの吐出に際してヒータに投入される駆動エネルギーがk値を保つように、駆動パルス幅及び駆動電圧の少なくとも一方が制御されてヒータに駆動パルスが印加されることになる。
次に、図14を用いて、図1に示す記録装置100の処理の流れの一例について説明する。ここでは、記録素子基板内の各領域毎に異なる駆動制御を行なう際の処理の流れについて説明する。なお、この処理は、各領域毎にそれぞれ別個に行なわれる。
記録装置100は、ヘッド温度を取得すると(S101でYES)、この処理を開始する。記録動作中においては、例えば、10msec毎にヘッド温度のセンサ値が更新される。記録装置100は、記録ヘッド制御部95において、当該センサ値のノイズを補正した後、その値をヘッド温度として取得する。ここで、ヘッド温度の精度を維持するために、記録装置100においては、温度センサ更新値に対してフィルタを掛け30msecにヘッド温度の取得を行なう。なお、ノイズの補正は、例えば、直前の更新値Tk−1に対して最大振れ幅α(ノイズ除去パラメータ)を定め、更新値がT<Tk−1−αであれば、T=Tk−1−αとして補正する。更新値がT>Tk−1+αであれば、T=Tk−1+αとして補正する。
ヘッド温度を取得すると、記録装置100は、記録ヘッド制御部95において、駆動パルスを更新するトリガー(駆動パルス変調トリガー)がオンになっているか否かを判定する。一般に、駆動パルス変調トリガーは、記録ヘッドのヒータに駆動パルスが印加されていないタイミング、つまり、非記録時に入力される。好ましくは、記録開始直前の温度センサ取得タイミングで入力されることが望ましい。
駆動パルス変調トリガーがオンであれば(S102でYES)、記録装置100は、駆動電圧制御部96において、S101の処理で取得したヘッド温度に基づいて、駆動電圧の更新が必要であるか否かを判定する。そして、更新する場合は(S103でYES)、当該ヘッド温度に対応した駆動電圧を設定(決定)する(S104)。その後、駆動電圧制御部96は、当該設定した駆動電圧を制御信号として、記録ヘッド上の対応する領域に配された駆動電圧生成回路99に送信する。これにより、当該駆動電圧生成回路99においては、この制御信号に基づいた駆動電圧の変調を行なう。
その後、記録装置100は、駆動パルス制御部97において、S101の処理で取得したヘッド温度に基づいて、駆動パルス幅を設定(決定)する。そして、駆動パルス制御部97は、当該設定した駆動パルス幅を制御信号(ヒートイネーブル信号)として、ヒータ駆動回路23に送信する。これにより、ヒータ駆動回路23においては、記録ヘッド上の各領域のヘッド温度に応じた駆動条件(駆動電圧、駆動パルス幅)によってヒータの駆動を制御する。
ここで、S103及びS105の処理において設定する駆動条件(駆動電圧、駆動パルス幅)は、例えば、図15に示す駆動条件テーブルを用いて設定される。駆動条件テーブルは、例えば、ROM92等に保持される。記録ヘッド制御部95は、当該駆動条件テーブルを参照して、ヒータの駆動制御を行なう。なお、P1及びP2は、それぞれプレパルス幅、メインパルス幅に相当する(図6参照)。
ここで、図15に示すように、ヘッド温度が40度(所定の温度)よりも低い場合には、駆動パルス幅の変調のみが行なわれる。また、ヘッド温度が40度以上(所定の温度以上)の場合には、駆動パルス幅及び駆動電圧の両方の変調が行なわれる。
具体的に説明すると、変更前の駆動条件がテーブル1であり、変更後にテーブル2に設定する場合について考えてみる。この場合、駆動電圧は、両テーブルともに20Vであるため変更はなく、駆動パルス幅P1及びP2のみの変更となる。テーブル1からテーブル2への駆動条件の変更に際しては、駆動パルス幅のみの変更であるので(パルス幅変調は応答性が速い)、記録時、非記録時を問わない。
テーブル2からテーブル3へ駆動条件を変更する場合、駆動電圧及び駆動パルス幅ともに変更がある。この場合、駆動電圧の変更を伴うため、変更後から〜1msec以内で記録が実施されないようにする必要がある。これは、パルス幅変調の応答性よりも、瞬間的な電圧の切り替えの方が困難であるためである。例えば、電圧変更の最中に記録が実施された場合には、画像劣化が起きる可能性が高い。好ましくは、走査型の記録ヘッドであれば、走査間やページ間、フルライン型(固定型の記録ヘッド)であれば、ページ間でこれらの切り替えが実施されるように制御するのが望ましい。
上述した通り、図14を用いて説明した処理は、各領域毎に別個に行なわれる。そのため、領域毎に駆動条件が変更される頻度が異なってくる。例えば、上記図5(b)に示す領域81に位置するノズル群は、インクの流れに対して下流側に位置しているため、当該領域は高duty記録時には、他の領域よりもヘッド温度の上がり具合が大きい。そのため、高duty記録時には、領域81に対する駆動条件の変更は、他の領域よりも頻繁に行なわれることになる。
以上説明したように本実施形態によれば、各記録素子基板内でインクの流れる方向にノズル群を分け、それぞれのノズル群に異なる駆動条件でヒータを駆動させる。これにより、記録ヘッド上において温度分布が生じることを抑制できるため、各ノズルから吐出されるインクの吐出量を安定化させて高品位な画像を記録することができる。
また、駆動パルス幅の変調のみならず、異なる駆動電圧を供給することができるため、ヒータ駆動信号の温度に対する変調範囲を広く確保することができる。
(実施形態2)
次に、実施形態2について説明する。上述した実施形態1においては、フルラインタイプの記録ヘッドを有する記録装置を例に挙げて説明したが、記録ヘッドはフルラインタイプに限られない。そこで、実施形態2においては、短尺の記録ヘッドを有する記録装置に適用する場合について説明する。
図16を用いて、実施形態2に係わる記録ヘッドの構成について説明する。
記録ヘッドには、図16に示すように、複数のノズル列が設けられている。この記録ヘッドは、例えば、ノズルの配列方向(図中B方向)に沿って搬送される記録媒体に対して、ノズルの配列方向と交差(この場合、直交)する方向(図中A方向)に沿って走査しながらインクを吐出して記録媒体上に画像を記録するように構成される。
ここで、記録ヘッドは、複数色に対応しており、例えば、最も外側の領域であるR1及びRに属するノズル列がセットとなり同色インクを吐出する。また、R2及びRm−1に属するノズル列がセットとなり同色インクを吐出する。他のノズル列も同様にして対応するインク色が割り当てられている。
ここで、B方向に沿って、記録素子基板にインクが供給されるとする。この場合、領域R1側に配されたノズル列には冷えたインクが供給され、領域R側に配されたノズル列には昇温したインクが供給される。なお、ノズル列の数が増えれば増えるほど、列間の温度差は大きくなる。
そこで、実施形態2においては、同じ記録素子基板内にあるノズル列間で異なる駆動条件(駆動パルス、駆動電圧)を供給可能にする。例えば、図16のように、ノズル列がm列配されている場合、インクの流れる方向(B方向)に沿って隣接するn列(この場合、2列)毎に駆動条件を変更する。この場合、隣接するn列毎に温度センサを配する必要がある。
以上説明したように実施形態2によれば、フルラインタイプの記録ヘッドのみならず、走査型の短尺多色対応の記録ヘッド等を備えた記録装置においても、上述した実施形態1同様の駆動制御を行なえる。
(実施形態3)
次に、実施形態3について説明する。実施形態3においては、インクの流れの方向が記録素子基板に対して、斜め方向である場合について説明する。
実施形態3に係わる記録ヘッドにおいては、図17に示すように、記録素子基板の図中左上に位置するノズル群(R1C1領域)に冷えたインクが供給され、図中右下に位置するノズル群(RnCm領域)に昇温したインクが供給される。この場合、記録ヘッド上に配置されるノズルの配列方向に沿った長さやノズル列数が大きくなるほど、RnCn領域に配されるノズル群の駆動条件を変更する頻度が高くなる。
実施形態3においては、記録ヘッド上のノズルを、ノズルの配列方向(図中B方向)に沿ってn個、且つノズルの配列方向に交差(この場合、直交)する方向(図中A方向)に沿ってm個(m列)に分割する。そして、当該分割したノズル郡毎に異なる駆動条件を設定して駆動制御を行なう。なお、温度センサは、各領域毎に配する必要がある。
以上説明したように実施形態3によれば、記録素子基板上においてインク流路がどのような方向に形成されていたとしても、上述した実施形態1同様の駆動制御を行なえる。
(実施形態4)
次に、実施形態4について説明する。上述した実施形態1においては、単一の電源から多段階の駆動電圧を生成する場合について説明したが、複数の電源を設け、それにより、多段階の駆動電圧を生成するようにしても良い。
例えば、実施形態1を説明した図7のコントローラ部200に、異なる駆動電圧を供給する複数の電源部(この場合、2つ)を設ける。そして、第1の電源部(例えば、20V)からの駆動電圧は、電圧電源供給端子Vop1を介して記録ヘッド側に供給され、第2の電源部(例えば、21V)からの駆動電圧は、電圧電源供給端子Vop2を介して記録ヘッド側に供給されるように構成する。
ここで、図18に示すように、コントローラ部200側からの制御信号によって、スイッチ素子301及び302のオン/オフを制御する。これにより、駆動電圧を切り替えて記録ヘッド側に供給する。この場合、電圧電源供給端子やスイッチ素子の数を増やせば、それに応じてより多段階に駆動電圧を切り替えることが可能になる。
以上説明したように実施形態4によれば、異なる駆動電圧を生成する複数の電源を用いて、多段階の駆動電圧を生成する。このような異なる駆動電圧を生成する複数の電源を用いた場合であっても、上述した実施形態1同様の駆動制御を行なえる。
(実施形態5)
次に、実施形態5について説明する。上述した実施形態1においては、ヘッド温度に応じて、駆動条件テーブルを参照して、駆動電圧及び駆動パルスの変調を行なっていた。これに対して、実施形態5においては、駆動電圧の変更(変調)を行なうのか、駆動パルスの変調を行なうのかを、ノズルの配置位置に応じて予め決めておく場合について説明する。
一般に、単位面積あたりのヒータに投入される駆動エネルギーは下記の式のように表される。
Figure 2013123883
:ヒータ抵抗
:k値1.15でのVthに対応する駆動パルス幅
:ヒータ面積
このように駆動エネルギーは、閾値Vthの2乗と駆動パルス幅とに比例する。また、単位面積あたりの駆動エネルギーEthと、k値を1.15とした場合の駆動パルス幅Pwとの関係をプロットすると、図19(a)に示す結果が得られる。更に、閾値Vthと駆動パルス幅Pとは、図19(b)に示す関係となる。
すなわち、低電圧で駆動パルス変調を行なうと、Ethが大きくなる。つまり、発熱量の大きい駆動条件となる。一方、高電圧を維持して、狭いパルス幅で駆動パルス変調させると、発熱量の小さい駆動条件となる。
そこで、実施形態5においては、インク流入部及びインク流出部を有するインク流路上における各領域の位置に基づいて各領域に対応した駆動条件(パルス幅変更を行なうか、駆動電圧の変調を行なうか)を決めておく。或いは、記録ヘッドにおける温度分布の発生を察知して変調方法を切り替えるようにしても良い。
すなわち、実施形態5においては、記録素子基板内でインク流入部の近傍に位置するノズル群(図5(b)に示す領域83)は温度が低いため発熱量の大きいヒータ駆動制御(第1の駆動制御)を実施する(低電圧で駆動パルス変調を行なう)。
これとは逆に、インク流出部の近傍に位置するノズル群(図5(b)に示す領域81)は温度が高いため発熱量の小さいヒータ駆動制御(第2の駆動制御)を実施する(高電圧で狭いパルス幅で駆動パルス変調)。
以上説明したように実施形態5によれば、各記録素子基板内でインクの流れる方向にノズル群を分け、それぞれのノズル群に異なる駆動条件でヒータを駆動させる。このとき、各ノズル群の配置位置に応じて予め決められた駆動条件(駆動パルス、駆動電圧)に従って、駆動制御を行なう。
以上が本発明の代表的な実施形態の一例であるが、本発明は、上記及び図面に示す実施形態に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。

Claims (11)

  1. 駆動パルスの印加によりインクを吐出するための熱エネルギーを発生する複数の発熱素子と、該複数の発熱素子へインクを供給するためのインクが所定の方向へ流れるインク流路とを有する記録ヘッドと、
    前記インク流路に沿って複数の領域に分けられた前記複数の発熱素子を各領域に対応して異なる駆動条件で前記複数の発熱素子を駆動させる制御手段と
    を具備することを特徴とする記録装置。
  2. 前記記録ヘッドには、
    各領域に対応して温度センサが設けられており、
    前記制御手段は、
    各領域に対応した前記温度センサから取得した検知温度に基づいて、各領域に対応して異なる駆動条件で前記複数の発熱素子を駆動させる
    ことを特徴とする請求項1記載の記録装置。
  3. 前記温度センサからの検知温度に対応して駆動パルス幅及び駆動電圧を規定する駆動条件テーブルを保持する保持手段
    を更に具備し、
    前記制御手段は、
    各領域に対応した前記温度センサから取得した検知温度に基づいて前記駆動条件テーブルを参照し、駆動パルス幅及び駆動電圧の少なくとも一方を変更して各領域に対応した発熱素子の駆動を制御する
    ことを特徴とする請求項2記載の記録装置。
  4. 前記制御手段は、
    前記検知温度が所定の温度よりも低い場合には、前記駆動パルス幅の変調のみを制御し、前記検知温度が所定の温度以上の場合には、前記駆動パルス幅及び前記駆動電圧の両方の変調を制御する
    ことを特徴とする請求項3記載の記録装置。
  5. 前記記録ヘッドには、
    単一の電源から供給される電圧から複数種類の駆動電圧を生成する駆動電圧生成手段が各領域に対応して設けられており、
    前記制御手段は、
    各領域に対応した前記温度センサから取得した検知温度に基づいて、各領域に対応して設けられた前記複数の駆動電圧生成手段それぞれに対して当該検知温度に基づく駆動電圧を生成させる
    ことを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の記録装置。
  6. 異なる駆動電圧を供給する複数の電源
    を更に具備し、
    前記制御手段は、
    各領域に対応した前記温度センサから取得した検知温度に基づいて、前記複数の電源から供給される駆動電圧を各領域に対応して切り替えて供給する
    ことを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の記録装置。
  7. 前記制御手段は、
    インクの吐出に際して前記発熱素子に与えられる駆動エネルギーが所定の値となるように、駆動パルス幅及び駆動電圧の少なくとも一方を制御する
    ことを特徴とする請求項2から6のいずれか1項に記載の記録装置。
  8. インク流入部及びインク流出部を有する前記インク流路上における各領域の位置に基づいて予め決められた各領域に対応した駆動条件に従って、各領域に対応して異なる駆動条件で前記複数の発熱素子を駆動させる
    ことを特徴とする請求項1記載の記録装置。
  9. 前記記録ヘッドは、
    記録媒体の搬送方向と交差する方向に沿って前記複数の発熱素子が配列され、1回の走査によって画像の記録を完成させるフルラインタイプの記録ヘッドであり、前記搬送方向に沿って搬送される前記記録媒体上にインクを吐出して画像を記録する
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の記録装置。
  10. 前記記録ヘッドを記録媒体の搬送方向と交差する方向に沿って走査させる走査手段
    を更に具備し、
    前記記録ヘッドは、
    前記搬送方向に沿って前記複数の発熱素子が配列されており、前記走査手段により前記搬送方向と交差する方向に沿って走査させられながら、前記記録媒体上にインクを吐出して画像を記録する
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の記録装置。
  11. 駆動パルスの印加によりインクを吐出するための熱エネルギーを発生する複数の発熱素子と、該複数の発熱素子へインクを供給するためのインクが所定の方向へ流れるインク流路とを有する記録ヘッドを有する記録装置の制御方法であって、
    前記インク流路に沿って複数の領域に分けられた前記複数の発熱素子を各領域に対応して異なる駆動条件で前記複数の発熱素子を駆動させる
    ことを特徴とする制御方法。
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