JP2013123857A - プリンタ - Google Patents

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知昭 上田
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Abstract

【課題】用紙を用紙搬送方向に切断して用紙幅方向に分割可能な縦切断部を横切断部と排出口との間に配置したプリンタにおいて、縦切断ラインを過不足無く切断することが可能なプリンタを提供する。
【解決手段】用紙Sを排出口側へ搬送しながら縦切断ラインCL1の排出口側の端点CL11を始点とし且つ縦切断ラインCL1の印刷部2側の端点CL12から排出口側に所定距離離間した位置を終点CL13とする領域を縦切断部によって切断する第1縦切断処理と、第1縦切断処理後に横切断部によって横切断ラインCL2を切断する横切断処理と、横切断処理後に用紙Sを排出口側へ搬送しながら縦切断ラインCL1のうち第1縦切断処理時の終点CL13から印刷部2側の端点CL12までの領域を縦切断部によって切断する第2縦切断処理とを行うようにした。
【選択図】図20

Description

本発明は、プリンタ、特に用紙を用紙搬送方向に切断して用紙幅方向に分割可能なプリンタに関するものである。
従来より、ロール状に巻回した用紙を給紙部から印刷部に供給し、印刷部により用紙に対してプリント処理を施し、プリント処理済みの用紙を用紙幅方向に切断(横切断)できるとともに、用紙の搬送方向にも切断(縦切断)可能に構成されたプリンタが知られている。例えば、特許文献1には、用紙を用紙搬送方向に切断(縦切断)可能な第1の切断カッタと、第1の切断カッタよりも排出口側の位置に配置され用紙を用紙幅方向に切断(横切断)可能な第2の切断カッタとを備えたプリンタが開示されている。以下の説明では、第1の切断カッタを縦切断用カッタと称し、第2の切断カッタを横切断用カッタと称する。
特開2006−334938号公報
特許文献1に開示されているプリンタは、縦切断処理を開始する際に、縦切断処理前まで用紙から離れた位置に待機させておいた縦切断用カッタを、用紙のうち縦切断を開始すべき位置(始点)に押し当てて、その状態で用紙を印刷部側へ送り戻しながら縦切断処理を行い、縦切断処理終了後に縦切断用カッタを用紙から離間させる態様を採用したものである。
このように、用紙を印刷部側へ送り戻しながら縦切断処理を行う態様であれば、縦切断処理開始時に縦切断用カッタを押し当てる位置は、縦切断処理を行う部分(縦切断ライン)のうち印刷部側に最も寄った位置で、言い換えれば排出口から最も遠い位置になる。したがって、このような位置に縦切断用カッタを高い精度で正確に接触させなければならず、例えば、予定している縦切断開始位置よりも排出部側に寄った位置に縦切断用カッタを押し当てた場合には、縦切断処理を予定しない部分も切断してしまったり、切断まではいかずとも縦切断用カッタの接触跡が用紙に残り、印刷品質の低下を招来し得る。また、予定している縦切断開始位置よりも印刷部側に寄った位置に縦切断用カッタを押し当ててしまった場合には、予定の縦切断ラインよりも短い領域しか縦切断できないという不具合が生じる。
そこで、縦切断所時に縦切断用カッタを押し当てる位置を、印刷部によってプリント処理を施していない余白領域に設定することによって、縦切断すべき部分を確実に切断できるようにする態様も考えられるが、この場合、余白領域を必ず確保しなければならず、用紙の無駄や、余白領域とプリント処理済み領域とを境界を横切断処理する手間が増え、適切な態様であるとは言い難い。
また、上述した不具合の発生を防止・抑制するために、縦切断処理を行うに際して、用紙の搬送処理を一旦停止し、静止状態にある用紙に対して縦切断用カッタを押し当てることによって、予定している縦切断開始位置に縦切断用カッタを正確に接触させるようにする態様も考えられる。しかしながら、この場合、用紙を一旦停止させる分だけ排出するまでの時間が長くなってしまい、処理能率が低下するのは明らかである。
一方、用紙を排出口側へ搬送しながら縦切断処理を行う態様であれば、用紙のうち排出口側の端部から縦切断処理を開始することができるため、用紙の途中に設定される縦切断ラインの始点に縦切断用カッタを押し当てる処理は不要となり、上述した不具合の発生は防止することができる。
しかしながら、このような用紙を排出口側へ搬送しながら縦切断処理を行う態様を採用した場合には、予定の縦切断ラインの終点に縦切断用カッタが到達した時点で瞬時に縦切断処理を終了しなければ、予定の縦切断ラインよりも長い領域を縦切断してしまうことになり、次にプリント処理が施される部分にも縦切断した領域が及んでしまえば印刷品質は低下する。また、予定の縦切断ラインよりも短い領域までしか縦切断できなかった場合には、その短い縦切断領域の終点を横切るラインに沿って横切断部で横切断しなければ、切断不良な状態で排出口から排出されたり、或いはプリンタ内に滞留してしまう事態となる。
このような不具合を解消するためには、予定の縦切断ラインの終点に縦切断用カッタが到達した事象を高い精度で検出する必要があるが、この場合、センサ部の実装が要求され、部品点数の増加及び構造の複雑化を招き、センサ部の点検や修理などにも費用を要することになる。
本発明は、このような問題に着目してなされたものであって、主たる目的は、用紙を用紙搬送方向に切断して用紙幅方向に分割可能な縦切断部を横切断部と排出口との間に配置したプリンタにおいて、予定している縦切断ラインの始点から縦切断処理を開始することができるとともに、予定している縦切断ラインの終点で縦切断処理を終了することが可能なプリンタを提供することにある。
すなわち本発明は、用紙を収容し得る給紙部と、給紙部から用紙搬送路に沿って供給された用紙にプリント処理を行う印刷部と、印刷部と排出口との間に配置され且つ用紙を用紙幅方向に切断可能な横切断部と、横切断部と排出口との間に配置され且つ用紙を用紙の搬送方向(以下、「用紙搬送方向」とする)に切断して用紙幅方向に分割可能な縦切断部と、これら各部の作動を制御する制御部とを備えたプリンタに関するものである。
ここで、本発明における縦切断部は、用紙搬送路に沿って移動せずに所定の定点で用紙を用紙搬送方向に切断可能なもの、又は用紙搬送路に沿って移動しながら用紙を用紙搬送方向に切断可能なものの何れであってもよい。また、本発明のプリンタは、熱転写プリンタ、インクジェットプリンタ、レーザプリンタなどの各種プリンタを包含し、印刷部によるプリント処理方式を特に限定するものではない。
そして、本発明のプリンタは、縦切断部により用紙を用紙搬送方向に切断すべき縦切断ライン(以下、単に「縦切断ライン」とする)の排出口側の端点が用紙の排出口側の端部に一致し、且つ縦切断ラインの印刷部側の端点が、横切断部によって用紙を用紙幅方向に切断すべき横切断ライン(以下、単に「横切断ライン」とする)上に一致する条件下において、制御部が、用紙を排出口側へ搬送しながら縦切断ラインの排出口側の端点を始点とし且つ縦切断ラインの印刷部側の端点から排出口側に所定距離離間した位置を終点とする領域を縦切断部によって切断する第1縦切断処理と、第1縦切断処理後に横切断部によって横切断ラインを切断する横切断処理と、横切断処理後に用紙を排出口側へ搬送しながら縦切断ラインのうち第1縦切断処理時の終点から印刷部側の端点までの領域を縦切断部によって切断する第2縦切断処理とを行うように縦切断部及び横切断部の作動を制御していることを特徴としている。
このようなプリンタであれば、第1縦切断処理の開始位置(始点)が縦切断ラインの排出口側の端点であり、用紙を排出口側に搬送しながら第1縦切断処理を開始すれば、自ずと縦切断ラインの排出口側の端点に一致する用紙の排出口側の端部から切断することができ、用紙の途中部分に縦切断処理時の始点(切断開始点)を設定せざるを得ない態様と比較して、縦切断処理を開始する位置に縦切断部を高い精度で押し当てる処理が不要であり、縦切断ラインにおける排出口側の端点から印刷部側の端点に向かって用紙を用紙搬送方向に切断する処理をスムーズ且つ適切に開始することができる。さらに、本発明のプリンタであれば、第1縦切断処理の終点を縦切断ラインの印刷部側の端点、つまり縦切断ラインのうち横切断ライン上に一致する端点よりも排出口側に寄った所定位置に設定しているため、第1縦切断処理の終了時点では、横切断ラインに一致する縦切断ラインの印刷部側の端点を越えてさらに印刷部側の領域まで用紙を切断してしまう事態は生じ得ない。そして、本発明のプリンタでは、第1縦切断処理後に横切断部による横切断処理を行うため、この横切断処理時には横切断ライン上に、縦切断処理による切断箇所が出現することはなく、横切断処理をスムーズに行うことができ、横切断処理後に表れる横切断面は横切断ラインに沿った綺麗な切断面になる。
加えて、本発明のプリンタは、横切断処理によって、用紙のうち縦切断ラインの印刷部側の端点よりも排出口側の領域と印刷部側の領域とを分離した状態で、用紙を排出口側へ搬送しながら縦切断部によって第1縦切断処理時の終点、つまり横切断ラインよりも排出口側に寄った所定位置から縦切断ラインの印刷部側の端点までを用紙搬送方向に切断する第2縦切断処理を行うため、この第2縦切断処理時には、縦切断ラインのうち第1縦切断処理で切断していない残りの領域を確実に切断することができるとともに、用紙のうち縦切断ラインの印刷部側の端点よりもさらに印刷部側の領域まで切断してしまう事態も回避することができる。
このように、本発明のプリンタであれば、制御部によって縦切断部及び横切断部の作動を制御して第1縦切断処理、横切断処理、第2縦切断処理の順で用紙を切断することによって、切断すべき縦切断ラインの全領域を過不足無く適切に切断することができる。
特に、本発明に係るプリンタでは、縦切断部として、用紙を厚み方向に挟み得る縦切断要素を複数備え、これら各縦切断要素による用紙幅方向の分割パターンをそれぞれ異ならせたものを適用することができる。ここで、「用紙幅方向の分割パターン」とは、「用紙幅方向の分割数、分割ピッチ、又は分割数及び分割ピッチ」を包含し、複数の縦切断要素の組み合わせパターンとしては、用紙幅方向の分割数のみがそれぞれ異なる第1パターン、分割ピッチのみがそれぞれ異なる第2パターン、用紙幅方向の分割数と分割ピッチの両方が異なる第3パターンを挙げることができる。したがって、用紙幅方向の分割数が異なる縦切断要素の組み合わせのみならず、用紙幅方向の分割数は同一でも分割ピッチが異なる縦切断要素の組み合わせや、3つ以上の縦切断要素を備えている場合において1つの縦切断要素を除く2つの縦切断要素による用紙幅方向の分割数は同一であってもそれら2つの縦切断要素による分割ピッチが異なるという縦切断要素の組み合わせであってもよい。また、例えば用紙を用紙幅方向に2分割する場合には「用紙幅方向の分割数」は当然のことながら2であり、用紙を用紙幅方向に3以上の整数に分割する場合には「用紙幅方向の分割数」は3以上の整数であることは言及するまでもないが、本発明では、用紙を用紙幅方向に分割しない場合、言い換えれば1分割であれば分割数は1であると捉えるものとする。「1分割」である場合、縦切断要素は切断機能を発揮し得ないものである。
そして、このような分割パターンが異なる複数の縦切断要素を有する縦切断部を備えたプリンタでは、制御部が、ユーザの所定操作に基づく信号を受けて用紙幅方向の分割パターンを特定し、特定した分割パターンに応じた縦切断要素を用紙搬送路上に位置付けるように縦切断部の作動を制御することが好ましい。
このように、複数の縦切断要素を備えた縦切断部を適用する場合に、特定した分割パターンに応じた縦切断要素を複数の縦切断要素から選択して用紙搬送路上に位置付けることで、ユーザによって選択された任意の分割パターンで用紙を用紙幅方向に切断することが可能になる。したがって、用紙幅方向の分割数や分割ピッチを変更する際に、例えば作業者などがプリンタ内部にアクセスして内部構成品の配置や構成を変更するという煩雑な作業を要することなく、実用性に優れたプリンタを実現することができる。そして、用紙搬送方向において用紙幅方向の分割パターンを異ならせる切断処理が要求される場合、例えば用紙搬送方向において相対的に用紙の排出口側の領域を用紙幅方向に2分割し、相対的に印刷部側の領域を用紙幅方向に3分割する切断処理が要求される場合、本発明のプリンタであれば、まず相対的に用紙の排出口側の分割パターンに応じた縦切断要素を用紙搬送路上に位置付け、この状態で、上述した第1縦切断処理、横切断処理、第2縦切断処理を順番に行い、引き続いて相対的に用紙の印刷部側の分割パターンに応じた縦切断要素を用紙搬送路上に位置付け、この状態で、第1縦切断処理、横切断処理、第2縦切断処理を順番に行うことによって、要求される分割パターンで用紙を切断することが可能であり、多様な切断バリエーションにも好適に対応することができる。
また、本発明のプリンタにおいて、縦切断部が、排出口側へ搬送される用紙に対して所定の定点で第1縦切断処理及び第2縦切断処理を行うものである場合には、第1縦切断処理による切断領域の終点から縦切断ラインの印刷部側の端点までの距離を、第1縦切断処理時及び第2縦切断処理時の定点(すなわち縦切断部による切断位置)から横切断部による切断位置までの距離に一致させることによって、第1縦切断処理終了後に用紙を用紙搬送方向に沿って排出口側又は印刷部側に搬送させることなく、第1縦切断処理終了時点の用紙の位置で横切断処理を行うことができ、第1縦切断処理終了後から横切断処理開始までの時間を可及的に短く設定することが可能であり、作業効率の向上を図ることができる。
本発明によれば、用紙を用紙搬送方向に切断して用紙幅方向に分割可能な縦切断部を横切断部と排出口との間に配置したプリンタにおいて、切断すべき縦切断ラインのうち排出口側の所定領域を印刷部側の領域よりも先に切断する第1縦切断処理を行い、その後、切断すべき横切断ライン全域を切断する横切断処理を行うことによって、縦切断ラインのうち横切断ラインに一致する印刷部側の端点も切断することができ、その状態で縦切断ラインのうち、第1縦切断処理で切断していない印刷部側の領域を切断する第2縦切断処理を行うように構成しているため、縦切断ラインの全領域を過不足無く切断することが可能なプリンタを提供することができる。
本発明の一実施形態に係るプリンタの全体構成模式図。 同実施形態に係るプリンタに適用した縦切断部の模式図。 同縦切断部を排出口側から見た図。 図3のA方向矢視図。 図3のB−B線断面図。 図3のC−C線断面図。 図3の一部を省略して示す模式図。 同実施形態における第1サブシャフトを有する縦切断要素の模式図。 同実施形態における第2サブシャフトを有する縦切断要素の模式図。 同実施形態における第3サブシャフトを有する縦切断要素の模式図。 同実施形態における縦切断部の全体概略図。 図3のB−B線よりも外側方の所定箇所における断面模式図。 同実施形態におけるセンサ部の検知状態とサブシャフトとの関係を示す図。 同実施形態における縦切断処理直前の状態を図6に対応して示す図。 同実施形態における排出処理直前の状態を図14に対応して示す図。 同実施形態において用紙片がバランスをとった姿勢でプリンタ内に滞留した状態を図15に対応して示す図。 同実施形態における揺動手段の正方向回転処理終了時点の状態を図12に対応して示す図。 同実施形態における揺動手段の逆方向回転処理終了時点の状態を図12に対応して示す図。 同実施形態において第1縦切断処理前の用紙を模式的に示す図。 同実施形態において第1縦切断処理直後の図19対応図。 同実施形態において横切断処理直後の図19対応図。 同実施形態において第2縦切断処理直後の図19対応図。 同実施形態において用紙搬送方向に異なる分割パターンが要求された用紙の図19対応図。 同用紙の排出口側領域に対する第1縦切断処理直後の図23対応図。 同用紙の排出口側領域に対する横切断処理直後の図23対応図。 同用紙の排出口側領域に対する第2縦切断処理直後の図23対応図。 同用紙の印刷部側領域に対する第1縦切断処理直後の図23対応図。 同用紙の印刷部側領域に対する横切断処理直後の図23対応図。 同用紙の印刷部側領域に対する第2縦切断処理直後の図23対応図。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態に係るプリンタPは、図1に示すように、用紙Sに対してインクリボン23のインクを熱転写によって昇華プリント処理を行う昇華型プリンタである。この昇華型プリンタPは、図1に示すように、給紙部1と、給紙部1から供給された用紙Sの表面に対して昇華プリント処理を施す印刷部2と、排出口31を有する排出部3と、用紙Sを給紙部1と排出部3との間に形成される用紙搬送路R(搬送パス)に沿って搬送する用紙搬送機構4とを備えたものである。なお、この昇華型プリンタPは、少なくとも給紙部1、印刷部2、及び用紙搬送機構4を共通の筐体内に設け、排出部3を構成する排出口31や排出トレイ32を筐体外へ露出可能に構成している。
給紙部1は、印刷面を内側に向けてロール状に巻回した用紙Sを収容し得るものである。
このような給紙部1と排出部3との間で用紙Sを搬送する用紙搬送機構4は、図1に示すように、例えば給紙部1側から排出部3側に向かって順に配置された給紙側送りローラ41と第1ピンチローラ42との組、フィードローラ43と第2ピンチローラ44との組、排出側送りローラ45を用いて構成したものである。なお、ローラ自体の数、或いはローラとピンチローラとの組数や配置箇所は仕様等に応じて適宜設定することができる。
印刷部2は、図1に示すように、サーマルヘッド21と、このサーマルヘッド21と対向する位置に配置され且つサーマルヘッド21との間で用紙Sを挟み用紙搬送機構4の機能の一部を担うプラテンローラ22と、インクリボン23と、インクリボン23をサーマルヘッド21とプラテンローラ22との間に搬送するインクリボン搬送機構24とを備えた周知のものである。
排出部3は、図1に示すように、排出口31と、排出口31から排出された用紙Sを受け取って収納する排出トレイ32とを備え、印刷部2により所望のプリント処理が施された用紙Sを所定サイズに切断したカット紙(用紙片Sa)として排出口31から筐体外に排出し、排出トレイ32上に積み重ねた状態で載置し得るものである。また、排出部3は、排出口31よりも印刷部2側に、用紙Sを排出口31に向かって搬送する排出ローラ33と排出用ピンチローラ34との組を配置している(図2等参照)。本実施形態では、これら排出ローラ33及び排出用ピンチローラ34を後述する縦切断部6を構成する軸(メインシャフト66、サブシャフト64)に取り付けている。
そして、本実施形態に係るプリンタPは、用紙搬送路R上において印刷部2よりも排出口31側に配置され且つ用紙Sを用紙幅方向に切断可能な横切断部5と、用紙搬送路R上において横切断部5よりも排出口31側に配置され且つ用紙Sを用紙Sの搬送方向(用紙搬送方向T)に切断して幅方向に分割可能な縦切断部6とを備えている。本実施形態では、給紙部1、印刷部2、排出部3、用紙搬送機構4、横切断部5、及び縦切断部6の作動を図示しない制御部によって制御している。
横切断部5は、図1に示すように、用紙Sの印刷面(オモテ面)側に配置した第1カッタ51と、用紙Sの背面(ウラ面)側に固定配置した第2カッタ52とを備え、制御部の制御に従って第1カッタ51を第2カッタ52に摺動させて用紙幅方向に走査させることで、用紙Sを用紙幅方向に切断するものである。本実施形態では、プリント処理を施した用紙Sを用紙搬送方向Tに沿って各プリント画面の境界ごとにできるように、制御部の制御に従って、横切断部5による用紙Sの分割数や分割ピッチを変更可能に構成している。
縦切断部6は、図2乃至図6に示すように、(図2は図1で示す縦切断部6の拡大模式図であり、図3は縦切断部6を排出口31側から見た図であり、図4、図5、図6はそれぞれ図3のA方向矢視図、図3のB−B線断面図、図3のC−C線断面図である。)用紙Sを幅方向に分割するパターン(本実施形態では分割数)が相互に異なる複数の縦切断要素61と、これら複数の縦切断要素61のうち用紙搬送路R上に配置する縦切断要素61を切替可能な切替機構62とを備え、切替機構62によって用紙搬送路R上に位置付けた縦切断要素61により用紙Sを用紙搬送方向Tに切断可能なものである。
各縦切断要素61は、それぞれ用紙幅方向の分割数に応じた数のサブ回転刃63を一体回転可能に設けたサブシャフト64(第1サブシャフト64A、第2サブシャフト64B、又は第3サブシャフト64C)と、サブ回転刃63との間で用紙Sを用紙Sの厚み方向に挟み得るメイン回転刃65を縦切断処理時にサブ回転刃63の一部と軸方向Xに重なり得る位置に設けたメインシャフト66とを備えたものである。ここで、「用紙幅方向の分割数に応じた数のサブ回転刃63」とは、「用紙幅方向の分割数(分割しない場合は「1分割=分割数1」と捉える)から1を引いた数のサブ回転刃63」を意味する。
本実施形態の縦切断部6は、図2及び図7(図7は図3を一部省略して示す模式図である)等に示すように1つのサブ回転刃63を有して用紙Sを用紙幅方向に2分割可能な第1サブシャフト64Aと、軸方向Xに沿って所定の間隔で配置した2つのサブ回転刃63を有して用紙Sを用紙幅方向に3分割可能な第2サブシャフト64Bと、サブ回転刃63を備えず、用紙Sを分割しない(言い換えれば1分割可能な)第3サブシャフト64Cとを備えている。各サブ回転刃63は、外周縁に刃を形成した概略円盤状をなすものである。第1サブシャフト64Aにおける1つのサブ回転刃63の取付位置は、例えば用紙Sを用紙幅方向に均等に2分割し得る位置である。第2サブシャフト64Bにおける2つのサブ回転刃63の取付位置は、例えば用紙Sを用紙幅方向に均等に3分割し得る位置である。なお、用紙Sを用紙幅方向に不均等に分割し得る位置にサブ回転刃63を設けることも可能である。各サブ回転刃63はそれぞれ各サブシャフト64(第1サブシャフト64A、第2サブシャフト64B)に一体回転可能に取り付けられている。また、各サブシャフト64(第1サブシャフト64A、第2サブシャフト64B、第3サブシャフト64C)には、サブ回転刃63と干渉しない位置(サブ回転刃63と軸方向Xに所定の空隙64Sを確保した位置)に排出用ピンチローラ34を一体回転可能に設けている。サブ回転刃63と同軸上に設けた排出用ピンチローラ34は、例えばゴム製であり、本実施形態では、排出用ピンチローラ34の直径を各サブ回転刃63の直径よりも僅かに小さく設定している。ここで、図8にメインシャフト66と第1サブシャフト64Aとの関係を模式的に示し、図9にメインシャフト66と第2サブシャフト64Bとの関係を模式的に示し、図10にメインシャフト66と第3サブシャフト64Cとの関係を模式的に示す。
本実施形態の縦切断部6は、これら複数のサブシャフト64(第1サブシャフト64A、第2サブシャフト64B、第3サブシャフト64C)を備える一方で、メインシャフト66は1つだけ備えたものである。すなわち、縦切断要素61毎にサブシャフト64を異ならせているものの、全ての縦切断要素61におけるメインシャフト66は共通であり、このメインシャフト66には、各サブシャフト64(第1サブシャフト64A、第2サブシャフト64B、第3サブシャフト64C)に設けたサブ回転刃63にそれぞれ対応する位置にメイン回転刃65を設けている(図3、図7乃至図10参照)。具体的には、メインシャフト66には、第1サブシャフト64Aのサブ回転刃63(1つ)に対応する位置にメイン回転刃65を設けるとともに、第2サブシャフト64Bのサブ回転刃63(2つ)に対応する位置にもメイン回転刃65を設けている。すなわち、メインシャフト66には、その軸方向Xに所定の間隔(等ピッチか不等ピッチかはサブ回転刃63の位置に依存する)で計3つのメイン回転刃65を一体回転可能に設けている。各メイン回転刃65は、外周部に刃を形成した概略円盤状をなすものである。また、図7乃至図9に示すように、各メイン回転刃65の外周縁に形成した刃が、メインシャフト66のうちそれぞれ対応するサブ回転刃63の刃と軸方向Xにほぼ隙間無く重なり得る位置に取り付けている。また、メインシャフト66には、メイン回転刃65と干渉しない位置(メイン回転刃65との間に軸方向Xに所定の空隙66Sを確保した位置)に、用紙Sを排出口31に向かって搬送する排出ローラ33を一体回転可能に設けている。メイン回転刃65と同軸上に設けた排出ローラ33は、例えばゴム製であり、本実施形態では、排出ローラ33の直径を各メイン回転刃65の直径よりも僅かに小さく設定している。ここで、用紙搬送路R上において用紙Sを排出口31に向かって搬送する排出ローラ33と、排出ローラ33に用紙Sを介して圧接した状態において排出ローラ33の回転駆動に従動して回転する排出用ピンチローラ34は、排出部3の機能の一部を担うとともに、用紙搬送機構4の機能の一部も担っている。
そして、本実施形態に係るプリンタPでは、図3及び図11(図11は図4のD方向矢視図である)等に示す様に、これら複数のサブシャフト64及びメインシャフト66の両端部をそれぞれ共通の回転プレート6Pに取り付けてユニット化している。以下、複数のサブシャフト64及びメインシャフト66の両端部を共通の回転プレート6Pに取り付けてユニット化したものを回転ユニット体6Uと称する。この回転ユニット体6Uは、3つのサブシャフト64(第1サブシャフト64A、第2サブシャフト64B、第3サブシャフト64C)を、単一のメインシャフト66の外周側において周方向に等間隔(120度)となり得る位置に配置した状態で回転プレート6Pに取り付けたものである(図2等参照)。ここで、本実施形態では、各サブシャフト64の軸方向Xとメインシャフト66の軸方向Xとを全て平行に設定している。そして、メインシャフト66を中心に回転プレート6Pを回転させることによって、用紙搬送路R上に配置されるサブシャフト64を変更可能に構成している。本実施形態では、用紙搬送路R上で搬送される用紙Sの下側にメインシャフト66を用紙搬送路Rに沿って移動不能(定点配置)とし、このメインシャフト66との間に用紙Sを厚み方向に挟む位置、つまり用紙搬送路R上で搬送される用紙Sの上側に配置されるサブシャフト64を選択可能に構成している。縦切断部6は、回転プレート6Pの両外側方に左右一対の固定プレート6Fを配置し、この固定プレート6F同士の間に配置した回転ユニット体6Uを固定プレート6Fに対して回転可能に構成している。
このように縦切断要素61毎にサブシャフト64を異ならせる一方で、全ての縦切断要素61におけるメインシャフト66を共用可能に設定した本実施形態において、上述した切替機構62は、複数のサブシャフト64のうち用紙搬送路R上に配置するサブシャフト64を切替可能なものであると捉えることができる。
また、本実施形態のプリンタPは、印刷部2から排出口31に向かって搬送される用紙Sのオモテ面に、用紙搬送路R上に配置したサブシャフト64(第1サブシャフト64A、第2サブシャフト64B、第3サブシャフト64C)よりも先に接触してメインシャフト66の排出ローラ33との間で用紙Sを挟み得るタッチローラ67を備えている。本実施形態では、タッチローラ67をサブシャフト64(第1サブシャフト64A、第2サブシャフト64B、第3サブシャフト64C)に対応付けて配置し、タッチローラ回転軸68の軸方向Xとサブシャフト64の軸方向Xと平行に設定している。なお、メインシャフト66、サブシャフト64及びタッチローラ回転軸68の軸方向Xは用紙Sの幅方向と一致する。本実施形態では、タッチローラ回転軸68をタッチローラ保持体6Hに支持させた状態で、このタッチローラ保持体6Hを各サブシャフト64(第1サブシャフト64A、第2サブシャフト64B、第3サブシャフト64C)のうち回転プレート6PよりもプリンタPの幅方向内側における所定領域に取り付け、タッチローラ保持体6Hも各サブシャフト64(第1サブシャフト64A、第2サブシャフト64B、第3サブシャフト64C)と共に回転プレート6Pの回転に伴ってメインシャフト66を中心に周方向に移動するように構成している。すなわち、本実施形態の回転ユニット体6Uは、タッチローラ67もユニット化したものであるといえる。そして、メインシャフト66を中心に回転プレート6Pを回転させることによって、用紙搬送路R上に配置されるサブシャフト64を変更した場合に、そのサブシャフト64にタッチローラ保持体6Hを介して付帯させたタッチローラ67が、用紙搬送路R上においてサブシャフト64よりも用紙搬送方向Tの上流側に配置されるように構成している。
さらに、本実施形態のプリンタPは、用紙搬送路R上に位置付けられたサブシャフト64(第1サブシャフト64A、第2サブシャフト64B、第3サブシャフト64C)とメインシャフト66との間を通過した用紙Sが搬送路Rに沿って排出口31に到達し得るように用紙Sを排出口31に向かって案内可能な排出ガイド部35を備えている。本実施形態のプリンタPは、サブシャフト64(第1サブシャフト64A、第2サブシャフト64B、第3サブシャフト64C)と同数の排出ガイド部35を備え、回転プレート6Pの周方向に等間隔で配置したサブシャフト64(第1サブシャフト64A、第2サブシャフト64B、第3サブシャフト64C)同士の間にそれぞれ排出ガイド部35を設けている。排出ガイド部35は、高さ方向に対向する下側排出ガイド片36及び上側排出ガイド片37を用いて構成したものである。各排出ガイド部35の下側排出ガイド片36や上側排出ガイド片37は、左右一対の回転プレート6P同士の間に固定した状態で配置されている。このことから、本実施形態の回転ユニット体6Uは、排出ガイド部35もユニット化したものであるといえる。
このように、本実施形態の縦切断部6は、縦切断要素61及び切替機構62のみならず、タッチローラ67や排出ガイド部35もユニット化しており、切替機構62によって用紙搬送路R上に配置されるサブシャフト64(第1サブシャフト64A、第2サブシャフト64B、第3サブシャフト64C)を変更した場合に、そのサブシャフト64に対応付けて設けたタッチローラ67や排出ガイド部35が、用紙搬送路R上に位置付けられるように構成している。
切替機構62は、図5等に示すように、各サブシャフト64(第1サブシャフト64A、第2サブシャフト64B、第3サブシャフト64C)の端部を支持する回転プレート6Pと、回転プレート6Pを回転させる動力を出力するプレート回転用駆動源621と、プレート回転用駆動源621と回転プレート6Pに付帯させた入力ギア622との間に介在させた複数のギアからなる動力伝達機構623とを備え、制御部からの指令に従って、プレート回転用駆動源621の動力により回転プレート6Pを所定角度回転させて、用紙搬送路R上に位置付けるサブシャフト64を切り替えるものである。本実施形態ではプレート回転用駆動源621として例えばDCモータ(好ましくはエンコーダ機能付きステッピングモータ)を適用している。
また、切替機構62は、図3、図4及び図11等に示すように、回転プレート6Pの回転位置(回転角度)を検出する例えば光学センサなどを用いて構成したセンサ部6Sを備え、センサ部6Sによる検知信号に基づいて得られる回転プレート6Pの回転位置情報によって回転プレート6Pの回転動作(回転させるか或いは停止させるか)を制御可能に設定している。
本実施形態では、図4及び図11等に示すように、左右一対の回転プレート6Pのうち何れか一方の回転プレート6Pよりも外側方に上述の入力ギア622を配置し、この入力ギア622の外側面に、入力ギア622及び回転プレート6Pと一体回転可能な第2回転プレート6Vを付帯させている。この第2回転プレート6Vは入力ギア622と一体に形成したものであってもよいが、本実施形態では、入力ギア622とは別体の第2回転プレート6Vを採用している。本実施形態の縦切断部6は、概略円盤状をなす第2回転プレート6Vのうち、サブシャフト64の取付位置に対応する箇所に遮蔽部6Wを形成し、この遮蔽部6Wの存在をセンサ部6Sで検知したか否かによって第2回転プレート6Vの回転位置(回転角度)を検出できるように構成している。ここで、第2回転プレート6Vは入力ギア622の回転に伴って上述の回転プレート6Pの回転動作と全く同じ回転動作(回転方向、回転角度)を行うものである。したがって、回転プレート6Pと同期して回転する第2回転プレート6Vの回転角度を把握することによって、回転プレート6Pの回転角度を把握することができる。このような第2回転プレート6Vは、回転プレート6Pの回転角度情報を得るためにセンサ部6Sで検出可能な遮蔽部6Wを有するポジションプレートとして機能する。
遮蔽部6Wは、第2回転プレート6Vのうち平滑な外向き面よりも外側方(メインシャフト66やサブシャフト64の軸方向Xに沿って外方)に突出させた板状をなし、本実施形態では、第2回転プレート6Vに一体に形成している。なお、遮蔽部6Wとして、板状以外の形状のものを適用したり、第2回転プレート6Vとは別体の部品から形成して第2回転プレート6Vに一体的に取り付けたものを適用することもできる。本実施形態では、図12(同図は、図3のB−B線よりもさらに外側方に寄った位置における断面模式図であり、切断面のハッチング処理を省略している)に示すように、第2回転プレート6Vのうち第1サブシャフト64Aの取付位置に対応する箇所と、第2回転プレート6Vのうち第2サブシャフト64Bの取付位置に対応する箇所にそれぞれ遮蔽部6Wを設けている。したがって、第2回転プレート6Vには、第2回転プレート6Vの周方向(回転方向)に120度離間した位置に計2つの遮蔽部6Wを配置していることになる。このような遮蔽部6Wは、第2回転プレート6Vの回転動作に伴って円状の軌跡を描きながらセンサ部6Sを通過し得る。
センサ部6Sは、図3、図11及び図12に示すように、第2回転プレート6Vの径方向と同一方向に離間した位置に配置され且つ相互に向き合う投光部62Sa及び受光部62Sbを備え、受光部62Sbが投光部62Saからの光を受光している場合に、投光部62Saと受光部62Sbとの間に遮蔽部6Wが存在していないことを示すOFF状態となり、受光部62Sbが投光部62Saからの光を受光できなくなった場合に、投光部62Saと受光部62Sbとの間に遮蔽部6Wが存在していることを示すON状態となるものである。すなわち、本実施形態のセンサ部6Sは、ポジショニングセンサ(ポジションセンサ)を用いたものである。
本実施形態では、センサ部6Sを、メインシャフト66やサブシャフト64の軸方向Xにおいて第2回転プレート6Vと対向する上述の固定プレート6Fに設けている。ここで、本実施形態では、左右一対の固定プレート6Fによって回転ユニット体6Uを回転可能に支持しており、これら左右一対の固定プレート6Fのうち第2回転プレート6Vと対向する固定プレート6Fにのみセンサ部6Sを固定している。具体的には、図4等に示すように、第2回転6Vに対面する固定プレート6Fのうち、何れかのサブシャフト64が用紙搬送路R上に位置付けられた場合にそのサブシャフト64に対応付けて設けた遮蔽部6Wを投光部62Saと受光部62Sbとの間に位置付けることができる位置(第1検知位置)と、この第1検知位置から回転ユニット体6U(第2回転プレート6V)の回転方向(例えば用紙Sを排出口31に向かって搬送可能な方向)に120度変位させた位置(第2検知位置)にそれぞれ1つずつ固定している。以下の説明では、第1検知位置に配置したセンサ部6Sを第1センサ部6S(i)とし、第2検知位置に配置したセンサ部6Sを第2センサ部6S(ii)とする。
そして、本実施形態では、第1サブシャフト64A及び第2サブシャフト64Bに対応付けて遮蔽部6Wを設ける一方、第3サブシャフト64Cに対応付けて遮蔽部6Wを設けていないため、第1センサ部6S(i)及び第2センサ部6S(ii)のON状態、OFF状態の組み合わせによって、図13に示すように、用紙搬送路R上に位置付けられたサブシャフト64の種類を判別することができる。つまり、第1センサ部6S(i)及び第2センサ部6S(ii)の両方がON状態であれば用紙搬送路R上に位置付けられたサブシャフト64は第1サブシャフト64Aであると判別することができ、第1センサ部6S(i)がON状態であり、第2センサ部6S(ii)がOFF状態であれば用紙搬送路R上に位置付けられたサブシャフト64は第2サブシャフト64Bであると判別することができ、第1センサ部6S(i)がOFF状態であり、第2センサ部6S(ii)がON状態であれば用紙搬送路R上に位置付けられたサブシャフト64は第3サブシャフト64Cであると判別することができる。
また、本実施形態に係るプリンタPは、複数の縦切断要素61のうち用紙搬送路R上に位置付けられる縦切断要素61のサブシャフト64をメインシャフト66側に押圧して、当該サブシャフト64に設けた排出用ピンチローラ34をメインシャフト66に設けた排出ローラ33に圧接させる押圧部7(図5参照)と、複数のサブシャフト64(第1サブシャフト64A、第2サブシャフト64B、第3サブシャフト64C)のうち用紙搬送路R上に位置付けられていないサブシャフト64(例えば第2サブシャフト64B、第3サブシャフト64C)をメインシャフト66から離間する方向に移動させてこれらのサブシャフト64(第2サブシャフト64B、第3サブシャフト64C)に設けた排出用ピンチローラ34と排出ローラ33との圧接状態を解除する圧接状態解除部8(図2参照)とを備えている。
本実施形態では、図2に示すように、回転プレート6Pのうち各サブシャフト64(第1サブシャフト64A、第2サブシャフト64B、第3サブシャフト64C)の端部を取り付けて支持する部分にメインシャフト66の径方向に延びる長孔671をそれぞれ形成し、この長孔671に各サブシャフト64(第1サブシャフト64A、第2サブシャフト64B、第3サブシャフト64C)の端部を挿通させ、長孔671内において各サブシャフト64(第1サブシャフト64A、第2サブシャフト64B、第3サブシャフト64C)がメインシャフト66の径方向に移動し得るように構成している。なお、長孔671を挿通した各サブシャフト64(第1サブシャフト64A、第2サブシャフト64B、第3サブシャフト64C)の端部にはそれぞれベアリング641を取り付けて、各サブシャフト64(第1サブシャフト64A、第2サブシャフト64B、第3サブシャフト64C)が長孔671から抜け外れることを防止している(図5参照)。
また、本実施形態に係るプリンタPは、メインシャフト66を中心に回転する回転プレート6Pに支持された各サブシャフト64の回転軌跡上に、用紙搬送路R上に配置されるサブシャフト64の位置を長孔671に沿ってメインシャフト66側へ移動させた位置に矯正する位置矯正部9を配置している。位置矯正部9は、図5に示すように、例えば板状のベース部91と、ベース部91の一部から垂下し、回転軌跡に沿って回転移動しながら用紙搬送路R上に位置付けられる直前のサブシャフト64の一部が当たり得る当接部92と、回転プレート6Pの回転に伴って当接部92を乗り越えてから用紙搬送路R上に位置付けられるまでのサブシャフト64をメインシャフト66側に押し込み続けるガイド部93と、ガイド部93にガイドされながら回転プレート6Pの回転に伴って用紙搬送路R上に到達したサブシャフト64をメインシャフト66側に押し付けた状態で保持し得る保持部94とを備えている。本実施形態では、位置矯正部9全体がバネ95によってメインシャフト66側に常に付勢されており、この位置矯正部9に設定した当接部92に当たる対象、ガイド部93に案内される対象、及び保持部94が直接接触して嵌合する対象を、回転プレート6Pの長孔671に挿通させたサブシャフト64の端部に取り付けたベアリング641に設定している。そして、用紙搬送路R上に位置付けたサブシャフト64(例えば第1サブシャフト64A)は、位置矯正部9によってメインシャフト66側に押圧され、このサブシャフト64(第1サブシャフト64A)に設けた排出用ピンチローラ34がメインシャフト66に設けた排出ローラ33に圧接した状態となる。つまり、本実施形態では位置矯正部9を用いて上述の押圧部7を構成している。
また、サブシャフト64(第1サブシャフト64A)に設けた排出用ピンチローラ34とメインシャフト66に設けた排出ローラ33とが相互に圧接している状態では、用紙搬送路R上に位置付けたサブシャフト64(第1サブシャフト64A)に設けられているサブ回転刃63と、メインシャフト66に設けられているメイン回転刃65のうち第1サブシャフト64Aのサブ回転刃63に対応するメイン回転刃65とがサブシャフト64及びメインシャフト66の軸方向Xに相互に一部(具体的には各回転刃63,64の外周縁に形成した刃同士が)重なり合う位置となる。この状態で、メインシャフト66が回転すると、排出ローラ33及びメイン回転刃65が一体回転し、排出ローラ33に圧接している排出用ピンチローラ34が従動して回転するとともに、排出用ピンチローラ34と共にサブシャフト64に設けたサブ回転刃63も回転する。その結果、本実施形態の縦切断部6は、排出ローラ33と排出用ピンチローラ34との間を通過する用紙Sを滑らせることなく適度な搬送速度で搬送しながら、軸方向Xに一部が重なり合うメイン回転刃65とサブ回転刃63とによって用紙Sを用紙搬送方向Tに切断し、用紙幅方向に任意の数(第1サブシャフト64Aとメインシャフト66との組み合わせであれば2つ)に分割することができる。
また、回転プレート6Pに取り付けたサブシャフト64の回転軌跡上に用紙Sが存在しない状態で回転プレート6Pを回転させると、それまで用紙搬送路R上に位置付けられていたサブシャフト64(第1サブシャフト64A)が用紙搬送路Rから外れた位置に移動し、異なるサブシャフト64(例えば第3サブシャフト64C)が用紙搬送路R上に位置付けられる。そして、このサブシャフト64(第3サブシャフト64C)は押圧部7によってメインシャフト66側に押圧され、第3サブシャフト64Cに設けた排出用ピンチローラ34とメインシャフト66に設けた排出ローラ33とが相互に圧接する。
一方、用紙搬送路R上から外れた位置に移動したサブシャフト64は、押圧部7による拘束状態(押圧力を受け続けている状態)から開放され、自重により長孔671内においてメインシャフト66から離間する方向に移動する。その結果、用紙搬送路R上から外れたサブシャフト64に設けた排出用ピンチローラ34は、メインシャフト66に設けた排出ローラ33に対して圧接不能な状態となる。なお、長孔671に沿ってサブシャフト64をメインシャフト66から離間する方向へ付勢するバネを適宜箇所に設け、サブシャフト64がバネの付勢力でメインシャフト66から離間する方向へ移動可能に構成しても同様の効果を得られる。このように、本実施形態では、回転プレート6Pに形成した長孔671に端部を挿通したサブシャフト64が自重によって長孔671内でメインシャフト66から離間する方向に移動し得るように構成することにより、上述した圧接状態解除部8を実現している。
なお、本実施形態では、メインシャフト66の駆動源として、例えばステッピングモータMを適用し、この駆動源(ステッピングモータMの出力軸)とメインシャフト66との間に介在させた複数のギアによって、ステッピングモータMの出力をメインシャフト66に伝達可能に構成している(図3参照)。
次に、本実施形態に係るプリンタPの動作及び作用、特に縦切断部6による縦切断処理及び横切断部5による横切断処理について図1、図2、図14及び図15等を参照しながら説明する。
本実施形態に係るプリンタPは、まず、ユーザの操作などによって入力された印刷データに基づいて、制御部によって1画面あたりの印刷サイズを特定し、給紙部1でロール状に巻回されている用紙Sを給紙側送りローラ41と第1ピンチローラ42との間、フィードローラ43と第2ピンチローラ44との間を順次通過させて印刷部2まで搬送する。そして、印刷部2によって用紙Sの印刷面(オモテ面)における印刷設定領域(プリント画面)に熱転写プリント処理を行う。
ここで、各プリント画面は、少なくとも用紙Sの用紙搬送方向Tに区切られるものであり、用紙搬送方向T及び用紙幅方向にも区切られる場合もある。そして各プリント画面が用紙搬送方向T及び用紙幅方向に区切られるものである場合、縦切断部6によって用紙Sを用紙幅方向に分割可能に構成している。
用紙幅方向に分割する数や分割ピッチ等の分割パターンは、ユーザの所定操作(分割数を直接指定する操作や、プリントサイズを設定する操作など)に基づく信号(上述の印刷データに含まれる信号であってもよいし、印刷データには含まれない別の信号であってもよい)を制御部が受信することによって特定する(以下は、特定した分割パターンを「特定分割パターン」とする)ことができ、制御部は、それぞれ分割数や分割ピッチが異なる複数の縦切断要素61から特定分割パターンに応じた縦切断要素61を用紙搬送路R上に位置付けるように縦切断部6の作動を制御する。本実施形態では各縦切断要素61のメインシャフト66を共通にする一方で、各縦切断要素61のサブシャフト64A,64B,64Cの種類は相互に異ならせていることから、特定分割パターンに応じたサブシャフト64を特定し(以下、特定したサブシャフト64を「特定サブシャフト64」とする)、特定サブシャフト64を用紙搬送路R上に位置付けるように制御部が縦切断部6の作動を制御することになる。具体的には、制御部が、縦切断部6のうち切替機構62を作動させることによって用紙搬送路R上のサブシャフト64を切り替えることができる。
用紙搬送路R上のサブシャフト64を切り替える際、制御部が、第1センサ部6S(i)及び第2センサ部6S(ii)の検知状態に基づいてその時点(切替機構62によって用紙搬送路R上のサブシャフト64を切り替える直前)における回転プレート6Pの回転位置を特定し、特定サブシャフト64が既に用紙搬送路R上に位置付けられていると判定した場合には、本実施形態のプリンタPは、切替機構62によるサブシャフト64の切替処理を行わずに、その状態で縦切断処理を開始する。一方、特定サブシャフト64が用紙搬送路R上に位置付けられていないと制御部が判定した場合には、本実施形態のプリンタPは、切替機構62によるサブシャフト64の切替処理を行う。具体的には、第1センサ部6S(i),第2センサ部6S(ii)の検出状態が用紙搬送路R上に特定サブシャフト64を位置付けたことを示す検出状態になる位置までプレート回転用駆動源621の動力に基づいて回転プレート6Pを所定角度回転させる。このサブシャフト切替処理時の回転プレート6Pの回転方向は一方向(本実施形態では、図1及び図2に示す矢印R1で示す方向であり、この矢印R1方向は用紙Sを排出口31側に搬送可能な方向である)に設定している。なお、このような特定サブシャフト64を用紙搬送路R上に位置付ける処理は、用紙Sが縦切断部6に到達する時点よりも前の時点(例えば制御部によって特定分割パターンを特定した時点等)で行う。
本実施形態のプリンタPは、制御部によって用紙搬送機構4を適宜作動させて用紙Sを印刷部2まで搬送し、制御部が印刷部2の作動を制御することで用紙Sの印刷面における各プリント画面に印刷データに応じた画像を印刷する(形成する)。本実施形態における印刷部2は、サーマルヘッド21の熱によりイエロー・マゼンタ・シアンの各色インク及びオーバープリント用のインク又は特色インクを昇華させることで用紙Sの印刷面における各プリント画面にカラー画像を印刷する(形成する)ものであり、制御部に入力された印刷データに従って、サーマルヘッド21の温度を調整することにより印刷濃度のレベルを変化させた階調印刷を行うことができ、用紙Sの印刷面における各プリント画面に高品質なカラー画像を印刷することが可能である。
次いで、本実施形態に係るプリンタPは、印刷部2による熱転写プリント処理を終えた用紙Sを排出部3側へ順次搬送して、縦切断部6によって縦切断処理を行う(図14参照)。
なお、本実施形態のプリンタPでは、特定サブシャフト64を用紙搬送路R上に位置付けた際に、押圧部7によって特定サブシャフト64をメインシャフト66側に押圧し、特定サブシャフト64に設けた排出用ピンチローラ34をメインシャフト66に設けた排出ローラ33に圧接させることができる。例えばゴム製である排出ローラ33及び排出用ピンチローラ34は、相互に圧接する部分が若干弾性変形し得る。なお、用紙搬送路R上に位置付けた特定サブシャフト64以外のサブシャフト64(特定サブシャフト64が第1サブシャフト64Aである場合には、第2サブシャフト64B及び第3サブシャフト64Cが該当)に対しては、押圧部7による負荷が作用せず、圧接状態解除部8によって特定サブシャフト64以外の各サブシャフト64(第2サブシャフト64B、第3サブシャフト64C)に設けた排出用ピンチローラ34とメインシャフト66の排出ローラ33との圧接状態は解除されている(図2参照)。したがって、排出ローラ33のうち特定サブシャフト64以外の各サブシャフト64(第2サブシャフト64B、第3サブシャフト64C)の排出用ピンチローラ34と対面し得る部分は、これら排出用ピンチローラ34から受ける負荷に起因して弾性変形することはない。これにより、排出ローラ33のうち弾性変形し得る部分を必要最小限に限定することができ、排出ローラ33の外周面に排出用ピンチローラ34との接触に起因して凹凸が大きく表れた場合に生じ易い用紙Sの搬送不良を防止・抑制することができる。
本実施形態のプリンタPは、特定分割パターンに対応した特定サブシャフト64を用紙搬送路R上に位置付けた状態で、その特定サブシャフト64に取り付けたタッチローラ保持体6Hに保持させたタッチローラ67を、特定サブシャフト64よりも用紙搬送路R上における印刷部2側に位置付けることができ、印刷部2から搬送された用紙Sをタッチローラ67とメインシャフト66の排出ローラ33との間を通過させるように構成している。なお、タッチローラ67は排出ローラ33に従動して回転する。
タッチローラ67と排出ローラ33との間を通過した用紙Sは、そのまま背面(ウラ面)を排出ローラ33に添接させた状態で、用紙搬送路R上に位置付けた特定サブシャフト64とメインシャフト66との間を通過し、この際に、用紙Sに対して縦切断部6により縦切断処理を行う。具体的には、メインシャフト66を回転駆動させて、このメインシャフト66と共に一体回転する排出ローラ33と、排出ローラ33に従動して回転する排出用ピンチローラ34との間に所定の負荷を与えながら(滑らせることなく)用紙Sを通過させて排出口31側に搬送すると同時に、メインシャフト66と共に一体回転するメイン回転刃65と、排出用ピンチローラ34と共に特定サブシャフト64を中心に回転するサブ回転刃63とによって用紙Sを用紙搬送方向Tに切断して用紙幅方向に分割する。例えば、特定サブシャフト64がサブ回転刃63を1つ備えた第1サブシャフト64Aであれば、このサブ回転刃63と、メイン回転刃65のうち特定サブシャフト64のサブ回転刃63と軸方向Xに重なり得るメイン回転刃65とによって用紙Sを用紙幅方向に2分割することができる。ここで、本実施形態では、各サブシャフト64(第1サブシャフト64A、第2サブシャフト64B、第3サブシャフト64C)における排出用ピンチローラ34の配置箇所を、用紙搬送路R上に位置付けた際にメインシャフト66の各メイン回転刃65と接触しない位置に設定しているため、排出用ピンチローラ34とメイン回転刃65とが相互に接触し得る部分に用紙Sを通過させた場合に生じ得る不具合、つまり用紙Sにメイン回転刃65による切断痕やメイン回転刃65の痕跡(通過痕)が付くという不具合を防止できる。
そして、本実施形態のプリンタPでは、図19乃至図22に示すように、縦切断部6による縦切断処理を第1縦切断処理と第2縦切断処理に分けて行うように設定している。
ここで、切断すべき縦切断ラインCL1(以下、「縦切断ラインCL1」とする)の排出口31側の端点CL11は、用紙Sの排出口31側の端部S1に一致し、縦切断ラインCL1の印刷部2側の端点CL12は、横切断部5によって切断すべき横切断ラインCL2(以下、「横切断ラインCL2」とする)上に一致している。なお、図19乃至図22では排出口31側の端点CL11及び印刷部2側の端点CL12をそれぞれ塗りつぶした円で誇張して示している。このような縦切断ラインCL1のうち排出口31側の端部S1から印刷部2側の端点CL12よりも手前(排出口31側に寄った所定の位置)までの領域を第1縦切断処理で切断し、縦切断ラインCL1のうち第1縦切断処理で切断していない領域を第2縦切断処理で切断するように制御部が縦切断部6の作動を制御する。
具体的に、第1縦切断処理は、制御部が用紙搬送機構4及び縦切断部6を作動させて、用紙Sを排出口31側へ搬送しながら、用紙Sの排出口31側の端部S1と一致する縦切断ラインCL1の排出口31側の端点CL11を始点とし、縦切断ラインCL1の印刷部2側の端点CL12、つまり横切断ラインCL2上に一致する端点から排出口31側に所定距離離間した位置を終点CL13とする領域(以下、「第1縦切断領域」とする)を縦切断部6によって切断する処理である(図19及び図20参照)。なお、図19以降の各図では各切断ラインCL1,CL2のうち切断していない箇所を破線で示し、切断した箇所を実線で示している。
また、第2縦切断処理は、制御部が用紙搬送機構4及び縦切断部6を作動させて、用紙Sを排出口31側へ搬送しながら、縦切断ラインCL1のうち第1縦切断処理時の終点CL13から印刷部2側の端点CL12までの領域(以下、「第2縦切断領域」とする)を縦切断部6によって切断する処理である(図22参照)。なお、第1縦切断処理時及び第2縦切断処理時において縦切断部6は用紙搬送方向Tに沿って移動することなく、所定の定点で縦切断処理を行う。第1縦切断処理時及び第2縦切断処理時の縦切断部6の作動は縦切断処理として述べた上記と同様であり、詳細な説明は省略する。
本実施形態のプリンタPは、印刷部2による熱転写プリント処理を終えた用紙Sを排出口31側へ搬送して、縦切断部6によって第1縦切断処理を行う。第1縦切断処理後の用紙Sには、図20に示すように縦切断ラインCL1のうち第1縦切断領域のみが切断された状態にある。本実施形態では、縦切断ラインCL1における第1縦切断領域の終点CL13の位置を、この終点CL13と印刷部2側の端点CL12との距離が用紙搬送路R上における縦切断部6の切断処理位置である前記定点から横切断部5の切断処理位置までの用紙搬送方向Tの距離と一致するように設定している。
そして、本実施形態のプリンタPは、第1縦切断処理の次に、横切断部5によって横切断処理を行う。具体的には、第1縦切断処理を終えた用紙Sに対して、制御部が横切断部5の作動を制御して、用紙Sの厚さ方向に対向配置した横切断部5の第1カッタ51と第2カッタ52を用紙幅方向に走査させることで、用紙Sの横切断ラインCL2に沿って用紙幅方向に切断する(図21参照)。なお、図21に示すように、横切断処理を行う直前の状態では、用紙S上において縦切断ラインCL1の印刷部2側の端点CL12を横切る横切断ラインCL2にまで実際に縦切断した箇所は存在していない。そして、本実施形態では、上述したように、第1縦切断領域の終点CL13と印刷部2側の端点CL12との距離を、用紙搬送路R上における縦切断部6の切断処理位置である前記定点から横切断部5の切断処理位置までの距離と一致させているため、第1縦切断処理終了後に用紙Sを用紙搬送方向Tに搬送することなく、そのままの状態で直ぐに横切断処理を行うことができる。
横切断部5による横切断処理に引き続いて、本実施形態のプリンタPは縦切断部6によって縦切断ラインCL1のうち第2縦切断領域を切断する第2縦切断処理を行う。第1横切断処理及び第2縦切断処理は、第1縦切断処理時におけるメインシャフト66とサブシャフト64との相対位置を維持しまま(切替機構62を作動させることなく)行うことができる。その結果、第2縦切断処理後を終了すると、図22に示すように、縦切断ラインCL1の全領域を過不足無く切断することができ、用紙Sは給紙部1でロール状に巻回されているロール紙から分離し且つ印刷データに応じたプリントサイズの用紙片Saとなる。
縦切断部6による第2縦切断処理後に、用紙片Saを用紙搬送路R上において用紙Sを厚み方向に挟み得る特定サブシャフト64とメインシャフト66との間を通過して排出口31側に搬送された用紙片Saは、図15に示すように、特定サブシャフト64及びメインシャフト66による挟持状態が解除され、排出ガイド部35に案内されながら排出口31に向かって搬送される。なお、本実施形態のプリンタPでは、特定サブシャフト64及びこの特定サブシャフト64に対応付けて設けたタッチローラ67よりも用紙搬送方向T上流側において、上述の排出ガイド部35とは別の排出ガイド部35の一部が搬送経路R上に位置付けられ、印刷部2から縦切断部6(より具体的には用紙搬送路R上において用紙Sを厚み方向に挟み得る特定サブシャフト64とメインシャフト66との間)に向かって搬送される用紙Sをガイドする部材として機能している(図14参照)。
最後に、本実施形態のプリンタPは、所定のサイズに切断した用紙片Saを排出口31から排出して、排出トレイ32上に積み重ねた状態で収容する。
このようなプリンタPは、ユーザによる操作に応じて印刷データが入力される毎に、各印刷データに応じてその都度上述の工程を経ることによって、印刷データに応じたプリント処理を施し、印刷データに基づくプリント画面サイズに切断した用紙片Saを排出することができる。したがって、例えば、用紙Sを用紙幅方向3分割にする場合には、図9に示すように、特定サブシャフト64として、サブ回転刃63を2つ設けた第2サブシャフト64Bを選択し、この第2サブシャフト64Bを切替機構62によって用紙搬送路R上に位置付けて、これら2つのサブ回転刃63と、メインシャフト66のメイン回転刃65のうち第2サブシャフト64Bの各サブ回転刃63にそれぞれ対応するメイン回転刃65とによって用紙Sを用紙幅方向に3分割することができる。第2サブシャフト64Bを用いて用紙Sを縦切断する場合、第2サブシャフト64Bに設けた排出用ピンチローラ34が押圧部7の作用によってメインシャフト66の排出ローラ33に圧接する一方で、第1サブシャフト64Aの排出用ピンチローラ34及び第3サブシャフト64Cの排出用ピンチローラ34は、圧接状態解除部8の作用によってメインシャフト66の排出ローラ33に圧接していない。また、第2サブシャフト64Bにおける排出用ピンチローラ34の配置箇所を、第2サブシャフト64Bを特定サブシャフト64として用紙搬送路R上に位置付けた際にメインシャフト66に設けた全てのメイン回転刃65と接触し得ない位置に設定しているため、第2サブシャフト64Bを特定サブシャフト64として用紙搬送路R上に位置付けた場合に、メインシャフト66のメイン回転刃65のうち第2サブシャフト64Bのサブ回転刃63に対応するメイン回転刃65は勿論のこと、第1サブシャフト64Aのサブ回転刃63に対応するメイン回転刃65にも、第2サブシャフト64Bの排出用ピンチローラ34が干渉することはなく、用紙Sに刃痕は付き難い。また、用紙Sを用紙幅方向3分割にする場合にも、印刷部2から縦切断部6に搬送された用紙Sは、第2サブシャフト64Bを保持するタッチローラ保持体6Hに保持されているタッチローラ回転軸68のタッチローラ67とメインシャフト66の排出ローラ33との間を通過した後に、用紙搬送路Rに配置した縦切断要素61である第2サブシャフト64Bとメインシャフト66との間を通過し、さらに横切断処理によって用紙片Saとなった状態で排出ガイド部35に案内されながら排出口31から排出される。
また、本実施形態のプリンタPは、ユーザに入力された印刷データに基づき、特定分割パターンが用紙Sを用紙幅方向に分割することを要しない(分割数1)パターンであると制御部が判定した場合には、図10に示すように、特定サブシャフト64として、サブ回転刃63を設けていない第3サブシャフト64Cを選択し、この第3サブシャフト64Cを切替機構62によって用紙搬送路R上に位置付ける。この場合、第3サブシャフト64Cに設けた排出用ピンチローラ34が押圧部7の作用によってメインシャフト66の排出ローラ33に圧接する一方で、第1サブシャフト64Aの排出用ピンチローラ34及び第2サブシャフト64Bの排出用ピンチローラ34は、圧接状態解除部8の作用によってメインシャフト66の排出ローラ33に圧接していない。そして、第3サブシャフト64Cの排出用ピンチローラ34とメインシャフト66の排出ローラ33との間を通過する用紙Sを用紙搬送方向Tに切断することはなく、さらに排出口31側へ送り出すことができる。また、第3サブシャフト64Cにおける排出用ピンチローラ34の配置箇所を、第3サブシャフト64Cを特定サブシャフト64として用紙搬送路R上に位置付けた際にメインシャフト66に設けた全てのメイン回転刃65と接触し得ない位置に設定しているため、第3サブシャフト64Cを特定サブシャフト64として用紙搬送路R上に位置付けた場合に、メインシャフト66の各メイン回転刃65に第3サブシャフト64Cの排出用ピンチローラ34が干渉することはなく、用紙Sに刃痕が付く不具合を防止・抑制することができる。また、用紙Sを用紙幅方向に分割することを要しない(分割数1)場合にも、印刷部2から縦切断部6に搬送された用紙Sは、第3サブシャフト64Cを保持するタッチローラ保持体6Hに保持されているタッチローラ回転軸68のタッチローラ67とメインシャフト66の排出ローラ33との間を通過した後に、用紙搬送路Rに配置した縦切断要素61である第3サブシャフト64Cとメインシャフト66との間を通過し、さらに横切断処理によって用紙片Saとなった状態で排出ガイド部35に案内されながら排出口31から排出される。
このように、本実施形態に係るプリンタPは、用紙搬送路Rに沿って用紙Sを用紙搬送方向Tに切断して用紙幅方向に分割可能な縦切断部6を備え、縦切断部6を、用紙幅方向の分割数がそれぞれ異なる複数の縦切断要素61と、これら複数の縦切断要素61のうち用紙搬送路R上に位置付ける縦切断要素61を切替可能な切替機構62とを用いて構成しているため、多様なサイズ要望にも柔軟に対応することができ、用紙幅方向の分割数を変更するに際して、例えば作業者などがプリンタP内部にアクセスして内部構成品の配置や構成を変更する煩雑な作業を行うことなく、切替機構62により用紙搬送路R上に位置付ける縦切断要素61を複数の縦切断要素61から選択して切り替えることによって、任意の分割数で用紙Sを用紙幅方向に切断することができる。
特に、本実施形態に係る各縦切断要素61を、用紙幅方向の分割数に応じた数のサブ回転刃63を一体回転可能に設けたサブシャフト64と、サブ回転刃63との間で用紙Sを用紙S厚み方向に挟み得るメイン回転刃65を縦切断処理時にサブ回転刃63の一部と軸方向Xに重なり得る位置に設けたメインシャフト66とを用いて構成し、さらに、縦切断部6を、複数のサブシャフト64(第1サブシャフト64A、第2サブシャフト64B、第3サブシャフト64C)と、これら何れのサブシャフト64(第1サブシャフト64A、第2サブシャフト64B、第3サブシャフト64C)のサブ回転刃63にも対応する位置にそれぞれメイン回転刃65を設けた単一のメインシャフト66とを用いて構成しているため、各縦切断要素61のメインシャフト66を共用することができ、省スペース化及び部品点数の削減を図ることができる。
さらに、本実施形態のプリンタPは、サブシャフト64(第1サブシャフト64A、第2サブシャフト64B、第3サブシャフト64C)に排出用ピンチローラ34を設けるとともに、メインシャフト66に排出ローラ33を設けているため、サブシャフト64(第1サブシャフト64A、第2サブシャフト64B、第3サブシャフト64C)やメインシャフト66とは別に、排出用ピンチローラ34や排出ローラ33を設けるための専用のシャフトを確保する必要がなく、限れたスペース内に用紙Sを用紙幅方向に分割する機構と用紙Sを排出口31に向かって搬送する機構とを効率良く組み込むことができる。
ところで、横切断部5の横切断処理により給紙部1に巻回されているロール紙から分離した用紙片Saは、排出ガイド部35に案内されながら排出口31に向かって搬送されるが、排出ガイド部35などのプリンタPの内部機構部品に接触し続けた状態で搬送されたり、内部機構部品に対する接触状態と非接触状態とを繰り返すことなどによって用紙片Saに静電気が帯電し、内部機構部品にくっつき易くなり、排出口31に到達するまでにプリンタP内に滞留してしまうおそれがある。また、用紙片Saに静電気が帯電しているか否かに関わらず、用紙片SaがプリンタPの内部機構品に引っ掛かったり、或いは図16に示すように、用紙片Saの排出口31側の端部が何れの部材にも接触せずに自由端となる一方で、用紙片Saのうち印刷部2側の端部と、その印刷部2側端部よりも排出口31側に寄った部分(例えば用紙片Saのうち搬送方向中央部分)がそれぞれ異なる内部機構品に接触して(図示例では、用紙片Saのうち印刷部2側の端部が上側排出ガイド片37に接触し、用紙片Saのうち搬送方向中央部分よりも排出口31側に寄った部分が下側排出ガイド片36に接触して)、バランスをとってしまい、プリンタP内に滞留してしまうおそれがある。
そこで、本実施形態に係るプリンタPは、横切断部5と排出口31との間に、横切断部5によって切断された用紙片Saを揺する揺動手段Yを設けている。本実施形態では、横切断部5と排出口31との間に配置した縦切断部6が、縦切断要素61を保持した状態で用紙搬送方向Tに回転可能な回転プレート6Pを備えたものである点に着目し、回転プレート6Pを、用紙Sを排出口31側へ搬送可能な方向(図2の矢印R1方向)と、用紙Sを印刷部2側へ搬送可能な方向に交互に正逆回転させることによって用紙片Saを揺り動かす揺動手段Yを実現している。
本実施形態の揺動手段Yは、回転プレート6Pと共に縦切断部6の切替機構62を構成し且つ回転プレート6Pと同期して回転する第2回転プレート6Vの回転位置(回転角度)を検出可能なセンサ部6S(第1センサ部6S(i)、第2センサ部6S(ii))を利用して、回転プレート6Pの正逆方向に回転させる範囲、つまり揺動角度範囲を決定するように構成している。すなわち、横切断処理時には、図12に示すように、第1センサ部6S(i)又は第2センサ部6S(ii)の少なくとも何れか一方がON状態であり、横切断処理後の任意の時点(少なくとも用紙片Saのうち印刷部2側の端部が特定サブシャフト64とメインシャフト66との間を通過した後の時点)で、そのON状態にあるセンサ部6Sが図17に示すOFF状態に切り替わる時点まで第2回転プレート6Vを正逆何れか一方向(図17では反時計回り方向であり、用紙片Saを排出部3側に移動させ得る方向(矢印R1方向))に回転させる(正方向回転処理)。なお、図17では第1センサ部6S(i)の投光部6Saから受光部6Sbに向かって照射される光線Lを模式的に示している。
次いで、図18に示すように、第2回転プレート6Vを他方向(図18では時計回り方向であり、用紙片Saを印刷部2側に送り戻す方向(矢印R2方向))に回転させる(逆方向回転処理)。この逆方向回転処理により、正方向回転処理終了時点ではOFF状態にあったセンサ部6SはON状態に切り替わり、さらに第2回転プレート6Vを同一方向(図18では時計回り方向)へ回転させることでセンサ部6SはOFF状態に切り替わる。なお、図18においても、図17と同様に第1センサ部6S(i)の投光部6Saから受光部6Sbに向かって照射される光線Lを模式的に示している。
本実施形態の揺動手段Yは、このような正方向回転処理及び逆方向回転処理を1サイクルとする揺動処理を、少なくとも1サイクル以上行うように設定している。揺動処理のサイクル数は、プリンタPの仕様や用紙Sの種類などに応じて制御部が自動的に決定するように構成してもよいし、ユーザの所定の操作に基づいて決定するように構成することができる。ここで、正方向回転処理時や逆方向回転処理時の回転プレート6Pの回転角度、言い換えれば揺動処理時の回転プレート6Pの揺動角度は、回転プレート6Pに同期して回転する第2回転プレート6Vに付帯させた遮蔽部6Wのサイズに依拠する。すなわち、遮蔽部6Wの周方向の寸法(センサ部6Sを通過する部分の長さ)を図12で示す寸法よりも長く設定すれば、第2回転プレート6Vの揺動角度は図17及び図18で示す揺動角度よりも大きくなり、遮蔽部6Wの周方向の寸法を図12で示す寸法よりも短く設定すれば、第2回転プレート6Vの揺動角度は図17及び図18で示す揺動角度よりも小さくなる。なお、第1サブシャフト64Aを特定サブシャフト64として用紙搬送路R上に位置付けている場合、第1センサ部6S(i)及び第2センサ部6S(ii)の両方がON状態にあるが、揺動処理時には何れか一方のセンサ部6Sの検出状態を利用すれば足りる。
そして、本実施形態のプリンタPは、横切断処理後に、揺動手段Yによって用紙片Saを揺することにより、排出ガイド部35の排出ガイド片(下側排出ガイド片36、上側排出ガイド片37)などのプリンタPの内部機構品に静電気で張り付いたり、バランスをとることでプリンタP内に滞留し得る用紙片Saを排出口31に向かって振るい落とす(振り払う)ことができ、スムーズ且つ適切な排出処理を実現することができる。なお、所定サイクル数の揺動処理を終えた時点で揺動処理時に利用したセンサ部6SはOFF状態にあり、本実施形態のプリンタPでは、所定サイクルの揺動処理後に回転プレート6P及び第2回転プレート6Vを正方向回転処理時と同じ方向に回転させて、揺動処理時に利用したセンサ部6SをOFF状態からON状態に切り替えておくように設定している(通常位置復元処理)。これにより、次に縦切断部6に搬送される用紙Sに対して、その時点で用紙搬送路R上に位置付けられているサブシャフト64を利用して行う縦切断処理や、他のサブシャフト64を特定サブシャフト64として用紙搬送路R上に位置付けるように切替機構62によって特定サブシャフト64を切り替える特定サブシャフト切替処理をスムーズに行うことができる。
このように、横切断部5と排出口31との間に縦切断部6を配置したプリンタPであれば、縦切断部6の配置スペース分だけ横切断部5と排出口31との間の用紙搬送距離が長くなり、そのために、用紙片Saが静電気や搬送姿勢に起因してプリンタP内で引っ掛かったり、停留し得るが、本実施形態に係るプリンタPは、横切断部5と排出口31との間に配置した縦切断部6を構成する回転プレート6Pの正逆回転を利用して用紙片Saを揺する揺動手段Yを備えているため、この揺動手段Yによって用紙片Saを積極的に揺すり動かすことができ、用紙片Saの引っ掛かりや停留を防止・抑制することができ、用紙片Saを排出口31から機外にスムーズ且つ適切に排出することができる。しかも、本実施形態のプリンタPでは、縦切断部6を構成する回転プレート6Pを用いて揺動手段Yを構成しているため、縦切断部6とは別に専用の部材を用いて揺動手段Yを構成する態様と比較して、部品の共用化及び構造の簡素化を実現することができるとともに、横切断部5と排出口31との間に縦切断部6を配置するスペースさえ確保すれば揺動手段Yを実装することができ、横切断部5と排出口31との間の用紙搬送距離が必要以上に長くなってしまう事態を回避することができる。これにより、揺動手段Yを設けるために横切断部5と排出口31との間の用紙搬送距離が必要以上に長くなってしまった場合に生じ得る不具合、つまり、用紙片Saに静電気がより一層帯電し易くなったり、プリンタPの内部機構部品に引っ掛かる確率が高くなってしまう構成を採用せざるを得ないという不具合を避けることができる。
また、本実施形態のプリンタPでは、上述したように、例えば作業者などがプリンタP内部にアクセスして内部構成品の配置や構成を変更するという煩雑な作業を要することなく、実用性に優れたプリンタPを実現するために、縦切断部6として、用紙幅方向の分割数、分割ピッチ、又は分割数及び分割ピッチがそれぞれ異なる複数の縦切断要素61と、これら複数の縦切断要素61のうち用紙S搬送路上に位置付ける縦切断要素61を切替可能な切替機構62とを備えたものを適用している。このような実用性に優れたプリンタPの構造を、それ以上の構造の複雑化を招来することなく、切替機構62の一部である回転プレート6Pの正逆回転動作を利用して揺動手段Yを構成している点で、本実施形態に係るプリンタPは無駄を省いた効率の良い設計を採用したものである。
また、本実施形態のプリンタPでは、切替機構62として、回転プレート6Pと同期回転する第2回転プレート6Vに対向する位置に設けた固定プレート6Fにセンサ部6Sを設け、第2回転プレート6Vの所定箇所に付帯させた検知対象部たる遮蔽部6Wをセンサ部6Sが検知したか否かによって回転プレート6Pの回転位置(回転角度)を制御可能に構成した態様を採用しており、本実施形態の揺動手段Yは、このようなセンサ部6Sによる遮蔽部6Wの検出状態を利用して、センサ部6Sが少なくともON状態又はOFF状態の一方の状態から他方の状態に切り替わるまで回転プレート6Pを正逆方向の何れか一方向に回転させる正方向回転処理と、センサ部6Sが少なくとも正方向回転処理終了時点における状態(本実施形態ではあればOFF状態)から他方の状態に切り替わるまで回転プレート6Pを他方向に回転させる逆方向回転処理とを1サイクルとする揺動処理を行うものである。したがって、用紙片Saを揺すり動かすために正逆方向に回転させる回転プレート6Pの回転角度範囲(揺動角度範囲)を、遮蔽部6Wのサイズや回転プレート6Pに同期回転する第2回転プレート6Vにおける遮蔽部6Wの形成箇所に基づいて簡単に設定することができる。
以上、本実施形態のプリンタPについて詳述したが、このプリンタPの最たる特徴的な構成は、用紙Sを切断すべき縦切断ラインCL1に沿って切断する縦処理を2段階に分けて行っている点である。
すなわち、本実施形態に係るプリンタPは、縦切断部6により用紙Sを用紙搬送方向Tに切断すべき縦切断ラインCL1の排出口31側の端点CL11が用紙Sの排出口31側の端部S1に一致し、且つ縦切断ラインCL1の印刷部2側の端点CL12が横切断部5によって用紙Sを用紙幅方向に切断すべき横切断ラインCL2上に一致する条件下において、制御部が、用紙Sを排出口31側へ搬送しながら縦切断ラインCL1の排出口31側の端点CL11を始点とし且つ縦切断ラインCL1の印刷部2側の端点CL12から排出口31側に所定距離離間した位置を終点CL13とする領域を縦切断部6によって切断する第1縦切断処理と、第1縦切断処理後に横切断部5によって横切断ラインCL2を切断する横切断処理と、横切断処理後に用紙Sを排出口31側へ搬送しながら縦切断ラインCL1のうち第1縦切断処理時の終点CL13から印刷部2側の端点CL12までの領域を縦切断部6によって切断する第2縦切断処理とを行うように縦切断部6及び横切断部5の作動を制御していることを特徴としている。
このような切断処理を採用したプリンタPであるため、第1縦切断処理の開始位置(始点)は縦切断ラインCL1の排出口31側の端点CL11であり、用紙Sを排出口31側に搬送しながら第1縦切断処理を開始すれば、自ずと縦切断ラインCL1の排出口31側の端点CL11に一致する用紙Sの排出口31側の端部S1から切断することができ、用紙Sの途中部分に縦切断処理時の始点(切断開始位置)を設定せざるを得ない態様と比較して、縦切断処理を開始する位置に縦切断部6を高い精度で押し当てる処理が不要であり、縦切断ラインCL1における排出口31側の端点CL11から印刷部2側の端点CL12に向かって用紙Sを用紙搬送方向Tに切断する処理をスムーズ且つ適切に開始することができる。
さらに、本実施形態のプリンタPでは、第1縦切断処理の終点CL13を縦切断ラインCL1の印刷部2側の端点CL12、つまり縦切断ラインCL1のうち横切断ラインCL2上に一致する端点よりも排出口31側に寄った所定位置に設定しているため、第1縦切断処理の終了時点では、横切断ラインCL2に一致する縦切断ラインCL1の印刷部2側の端点CL12を越えてさらに印刷部2側の領域まで用紙Sを切断してしまう事態は生じ得ない。そして、第1縦切断処理後に横切断部5による横切断処理を行うことによって、この横切断処理時には横切断ラインCL2上に、縦切断処理による切断箇所(切断痕)は出現し得ず、横切断ラインCL2に沿った横切断処理をスムーズ且つ適切に行うことができる。
加えて、本実施形態のプリンタPは、横切断処理によって、用紙Sのうち縦切断ラインCL1の印刷部2側の端点CL12よりも排出口31側の領域と印刷部2側の領域とを分離した状態で、用紙Sを排出口31側へ搬送しながら縦切断部6によって第1縦切断処理時の終点CL13、つまり横切断ラインCL2よりも排出口31側に寄った所定位置から縦切断ラインCL1の印刷部2側の端点CL12までを用紙搬送方向Tに切断する第2縦切断処理を行うため、この第2縦切断処理時には、縦切断ラインCL1のうち第1縦切断処理で切断していない残りの領域(第2縦切断領域)を確実に切断することができるとともに、用紙Sのうち縦切断ラインCL1の印刷部2側の端点CL12よりもさらに印刷部2側の領域まで切断してしまう事態も回避することができる。
特に、本実施形態のプリンタPでは、縦切断部6として、用紙Sを厚み方向に挟み得る縦切断要素31を複数備え、これら各縦切断要素31による用紙幅方向の分割パターンをそれぞれ異ならせたものを適用し、制御部が、ユーザの所定操作に基づく信号を受けて用紙幅方向の分割パターンを特定し、特定した分割パターンに応じた縦切断要素31を用紙搬送路R上に位置付けるように縦切断部6の作動を制御しているため、用紙幅方向の分割パターンを変更する際に、例えば作業者などがプリンタ内部にアクセスして内部構成品の配置や構成を変更するという煩雑な作業を要することなく、実用性に優れたプリンタを実現することができる。
そして、このような構成を採用したプリンタPであれば、用紙搬送方向Tにおいて用紙幅方向の分割パターンを異ならせる切断処理が要求される場合、例えば図23乃至図29に示すように、用紙搬送方向Tにおいて相対的に用紙Sの排出口31側の領域を用紙幅方向に2分割し、相対的に印刷部2側の領域を用紙幅方向に3分割する切断処理が要求される場合に、まず相対的に用紙Sの排出口31側の分割パターンに応じた縦切断要素(本実施形態では用紙Sを用紙幅方向に2分割可能な第1サブシャフト64A)を用紙搬送路R上に位置付け、この状態で、上述した第1縦切断処理(図24参照)、横切断処理(図25参照)、第2縦切断処理(図26参照)を順番に行い、引き続いて、相対的に用紙Sの印刷部2側の分割パターンに応じた縦切断要素(本実施形態では用紙Sを用紙幅方向に3分割可能な第2サブシャフト64B)を用紙搬送路R上に位置付け、この状態で、第1縦切断処理(図27参照)、横切断処理(図28参照)、第2縦切断処理(図29参照)を順番に行うことによって、要求される分割パターンで用紙Sを切断することが可能であり、多様な切断バリエーションにも好適に対応することができ、用紙Sを所望のプリントサイズの用紙片Saに切断した状態で排出口31から機外に排出することができる。なお、相対的に用紙Sの印刷部2側の領域に対して、第1縦切断処理、横切断処理及び第2縦切断処理を行う時点では、相対的に用紙Sの排出口31側の領域に対する切断処理を終えているため、用紙Sの排出口31側領域において用紙幅方向に3分割した用紙片2aは用紙Sから分離して排出口31側に向かって搬送されているが、図27乃至図29では、説明の便宜上、用紙Sの排出口31側領域において用紙幅方向に3分割した用紙片2aも図23乃至図24と同じ位置に示している。
また、本実施形態のプリンタPでは、第1縦切断処理時及び第2縦切断処理時における縦切断部6の切断位置を定点とし、第1縦切断処理による切断領域(第1縦切断領域)の終点CL13から縦切断ラインCL1の印刷部2側の端点CL12までの距離(換言すれば用紙搬送方向Tにおける第2縦切断領域の長さ)を、第1縦切断処理時及び第2縦切断処理時における縦切断部6の切断位置(定点)から横切断部5による切断位置までの距離に一致させているため、第1縦切断処理終了後に用紙Sを用紙搬送方向Tに沿って排出口31側又は印刷部2側に搬送させることなく、第1縦切断処理終了時点の用紙Sの位置で横切断処理を行うことができ、第1縦切断処理終了後から横切断処理開始までの時間を可及的に短く設定することが可能であり、作業効率の向上を図ることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、第1縦切断処理時の終点の位置は、縦切断ラインの印刷部側の端点よりも排出口側に寄った位置であれば任意の位置に適宜設定することができる。
また、縦切断要素を構成するサブシャフトに関しては、例えばサブ回転刃を3以上設けたものを適用することも可能であり、この場合メインシャフトに設けるメイン回転刃の数も適宜変更すればよい。
上述した実施形態では、複数の縦切断要素による用紙幅方向の分割数のみが相互に異なるように、各サブシャフトに設けるサブ回転刃の数のみを異ならせた態様を例示したが、複数の縦切断要素による用紙幅方向の分割ピッチのみが相互に異なるように、各サブシャフトに設けるサブ回転刃の取付位置のみを相互に異ならせた態様を採用したり、或いは、複数の縦切断要素による用紙幅方向の分割数及び分割ピッチが何れも相互に異なるように、各サブシャフトに設けるサブ回転刃の数及びサブ回転刃の取付位置を異ならせた態様を採用することもできる。このような各態様を適宜選択することにより、本発明のプリンタは、複数の縦切断要素の組み合わせパターンとして、用紙幅方向の分割数のみがそれぞれ異なる第1パターン、分割ピッチのみがそれぞれ異なる第2パターン、用紙幅方向の分割数も分割ピッチも異なる第3パターンを適宜選択することが可能であり、実用性及び応用性に優れている。
また、給紙部から供給される用紙として予め所定サイズに切断されたカット紙を適用することも可能であり、この場合でも、第1縦切断処理、横切断処理、及び第2縦切断処理を行える。
また、縦切断部として、用紙搬送路に沿って走査可能なカッタを備え、搬送経路上で停止している用紙に対してカッタを用紙搬送路に沿って走査させることによって用紙を用紙搬送方向に切断可能なものを適用することができる。
さらには、縦切断部が複数の縦切断要素を備えたものである場合、サブシャフトとメインシャフトとが同数であり、用紙幅方向の分割数や分割ピッチのパターンに応じて、相互に1対1の関係で対応付けられるサブシャフト及びメインシャフトの組み合わせから適宜のサブシャフト及びメインシャフトの組み合わせを選択して、その選択したサブシャフト及びメインシャフトを切替機構によって用紙搬送路上に位置付けるように構成することも可能である。
また、用紙幅方向の分割数を変更する場合に、例えば作業者などがプリンタ内部にアクセスして内部構成品の配置や構成を変更することによって、用紙搬送路上において用紙を厚み方向に挟み得る縦切断要素を変更できるように構成されたプリンタであってもよい。
また、本発明に係るプリンタは、インクを昇華させるタイプの熱転写型プリンタの他、インクを溶融させるタイプのサーマルプリンタや、或いはサーマルプリンタ以外の種々のプリンタ、例えばインクジェットプリンタやレーザプリンタ、或いは同じ印刷対象物に対して繰り返し書き換え可能なリライタブルプリンタ等であってもよい。また、両面印刷可能なプリンタに対しても本発明の技術的特徴である揺動手段を適用することができる。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1…給紙部
2…印刷部
31…排出口
5…横切断部
6…縦切断部
61…縦切断要素
CL1…縦切断ライン
CL11…排出口側の端点
CL12…印刷部側の端点
CL13…第1縦切断領域の終点
CL2…横切断ライン
P…プリンタ
R…用紙搬送路
S…用紙
S1…用紙の排出口側の端部
Sa…用紙片

Claims (3)

  1. 用紙を収容し得る給紙部と、前記給紙部から用紙搬送路に沿って供給された前記用紙にプリント処理を行う印刷部と、前記印刷部と排出口との間に配置され且つ前記用紙を用紙幅方向に切断可能な横切断部と、前記横切断部と前記排出口との間に配置され且つ前記用紙を当該用紙の搬送方向に切断して用紙幅方向に分割可能な縦切断部と、これら各部の作動を制御する制御部とを備えたプリンタであって、
    前記縦切断部により前記用紙を当該用紙の搬送方向に切断すべき縦切断ラインの前記排出口側の端点が前記用紙の前記排出口側の端部に一致し、且つ前記縦切断ラインの前記印刷部側の端点が、前記横切断部によって前記用紙を用紙幅方向に切断すべき横切断ライン上に一致する条件下において、
    前記制御部が、
    前記用紙を前記排出口側へ搬送しながら前記縦切断ラインの前記排出口側の端点を始点とし且つ前記縦切断ラインの前記印刷部側の端点から前記排出口側に所定距離離間した位置を終点とする領域を前記縦切断部によって切断する第1縦切断処理と、
    前記第1縦切断処理後に前記横切断部によって前記横切断ラインを切断する横切断処理と、
    前記横切断処理後に前記用紙を前記排出口側へ搬送しながら前記縦切断ラインのうち前記第1縦切断処理時の前記終点から前記印刷部側の端点までの領域を前記縦切断部によって切断する第2縦切断処理と
    を行うように前記縦切断部及び前記横切断部の作動を制御していることを特徴とするプリンタ。
  2. 前記縦切断部が、前記用紙を厚み方向に挟み得る縦切断要素を複数備え、これら各縦切断要素による用紙幅方向の分割パターンをそれぞれ異ならせたものであり、
    前記制御部が、ユーザの所定操作に基づく信号を受けて用紙幅方向の分割パターンを特定し、当該特定した分割パターンに応じた前記縦切断要素を前記用紙搬送路上に位置付けるように前記縦切断部の作動を制御している請求項1に記載のプリンタ。
  3. 前記縦切断部は、前記排出口側へ搬送される前記用紙に対して所定の定点で前記第1縦切断処理及び前記第2縦切断処理を行うものであり、
    前記第1縦切断処理による切断領域の終点から前記縦切断ラインの前記印刷部側の端点までの距離を、前記定点から前記横切断部による切断位置までの距離に一致させている請求項1又は2に記載のプリンタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63154378A (ja) * 1986-12-19 1988-06-27 Olympus Optical Co Ltd 画像形成装置用オートカッター
JP2002265138A (ja) * 2001-03-09 2002-09-18 Fuji Photo Film Co Ltd カッタ付きプリンタ

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