JP2013122066A - マイクロ波プラズマ処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガスの流れが基板ホルダの中心軸に関して非等方的で、プラズマの密度も中心軸に関して非等方的であれば、基板上に形成される成膜の膜厚についても中心軸に関して非等方的となってしまうことから、膜厚均一性に課題が残る。
【解決手段】ガスとマイクロ波の相互作用でプラズマ7を生成するためのプラズマチャンバ3と、薄膜が形成されるべき基板6をセットした基板ホルダ5を載置するためのステージ4を備える。プラズマチャンバ3に配置されるガス導入部8とガス排出部9とについて、ガスの流れ分布が基板ホルダ5の中心軸周りの周方向で実質的に均等分布となるように構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロ波プラズマ処理装置にかかわり、より詳しくは、プラズマチャンバ内のステージ上に基板ホルダをセットし、プラズマチャンバ内にプラズマ生成用と薄膜生成用のガスとマイクロ波とを導入して基板ホルダ上の基板に薄膜形成を行うマイクロ波プラズマ処理装置に関する。
マイクロ波プラズマ処理装置では次のような作業が行われる。まず、薄膜を形成すべき基板を基板ホルダにセットし、その基板ホルダをプラズマチャンバ内のステージ上に載置する。プラズマチャンバを閉鎖した上でプラズマチャンバ内を高度の減圧状態とする。
次いで、プラズマ生成用のガスをプラズマチャンバ内に導入するとともに、マイクロ波をプラズマチャンバ内に導入して、プラズマを生成する。このプラズマを発生させた状態で薄膜生成用の原料ガスを導入して、基板上に化学気相成長(CVD)により薄膜を形成する。
特表平9−503611号公報(米国特許公報5501740号明細書)
特許文献1に開示の技術では、ガスの流線が基板ホルダの中心軸(ホルダ面に垂直の軸)に関して等方的(無方向性)とはなっていない。
そのため、図7を参照して説明するように、基板上の成膜の膜厚均一性に課題を残している。すなわち、ガス導入口142は、電極とも称されるステージ114の半径方向外方下側で直径方向の一側に配置される。ガス排出口144は、ステージ114の半径方向外方下側で直径方向の他側(周方向で導入口142の反対側)に配置される。
ガス導入口142からガス排出口144へ向かうガスの流れは、基板ホルダ138に対して一定の方向性をもつ。つまり、ガスの流れの方向は、基板ホルダ138の中心軸について等方的(無方向性)とはなっていない。
ガスの流れが、基板ホルダ138の中心軸に関して非等方的であると、プラズマの密度も基板ホルダ138中心軸に関して非等方的となり、また、基板上に形成される成膜の膜厚も基板の中心軸に関して非等方的となってしまう。このようなガスの流れでは、基板上に形成される成膜の膜厚の均一性を確保しがたい。
本発明は、上述に鑑みてなされたものであり、前記ガスの流れを制御して、基板上に均一な膜厚で成膜できるマイクロ波プラズマ処理装置を提供することを主たる目的としている。
上記の課題を解決するため、本発明によるマイクロ波プラズマ処理装置は、基本的構成要素として、プラズマチャンバと、ステージと、基板ホルダと、ガス導入部と、ガス排出部とを有し、前記ガス導入部から前記ガス排出部へのプラズマ生成用や成膜用のガスの流れの分布に特徴を有する。
以下、説明する。
プラズマチャンバには、その内部が減圧された状態で、水素ガスとマイクロ波とが導入される。プラズマチャンバ内において、導入されたマイクロ波と、水素ガスとが相互に作用し、これにより、プラズマが生成する。
さらに、プラズマチャンバには、プラズマが発生した状態で、成膜用のガスが導入され、これにより基板表面には、化学気相成長による薄膜が形成される。
基板ホルダは、この基板を載置するもので、プラズマチャンバの内部空間に対して出し入れされる。プラズマチャンバ内には、基板ホルダを載置するためのステージが配置されている。
プラズマは、ステージに載置された基板ホルダ上の基板に対して成膜する上で好ましい位置に生成されるべきであり、また、プラズマチャンバにおけるガス導入口は、適正なプラズマ生成箇所に向けてガスを供給する位置に設けられる。
この点に関して、本発明のマイクロ波プラズマ処理装置では、ガス導入口とガス排出口は、次のように配置される。
すなわち、ガス導入部は、基板ホルダの中央部上方に配置され、ガス排出部は、ステージ周りの下方に配備される。これにより、ガス導入部から導入されたガスの流れは、前記基板ホルダの中央部上方からその基板ホルダに接近する。
次いで、基板ホルダに接近したガスは、滑らかに変更されて基板ホルダの半径方向において中心側から外方に向かい、基板ホルダの外周縁外側からステージ周り下方のガス排出部へと流れ去る。この場合、基板ホルダの周囲でガスの流れ分布は、基板ホルダの中心軸周りで実質的に均等分布となる。
基板表面への成膜を良好にする上でプラズマは基板表面になるべく広く均等に対面する状態で形成されるのが好ましい。
そのようなプラズマが形成されるガスの流れは基板ホルダの中心側から半径方向外方へ放射的に向かうのが良い。
そのためには、ガス排出口が基板ホルダの外周縁外側下方で環状に展開されていることが好ましい。
一方、ガス導入口は基板ホルダの中心部上方で比較的狭い領域に配されていることが好ましい。
ガスの流れ分布が周方向均等となるためには、ガス導入口もガス排出口もともに基板ホルダの中心軸周りで周方向に均等分布の状態に展開されているのが好ましい。
このことの理解のため、図1を用いて説明する。
aは、基板ホルダ、bは、プラズマ、cは、基板ホルダ中心部上方の部位、dは、基板ホルダ外周縁外側の環状部位、eは、ガスの流線である。
ガス流線eは、基板ホルダの上方中心部位cから流入し、基板ホルダaの表面に接近するように下向きに流れ、次いで滑らかに半径方向外側に向きを変え、外側環状部位dへと流れ込んでゆく。
ガス流線eは、平面視で放射状に展開され、周方向で均等分布の状態である。
ガス流線eが、放射状であるためには、ガス導入口のある上方中心部位cの領域は、外側環状部位dの領域より狭い。
外側環状部位dに位置するガス排出口についての態様として、複数の小孔が周方向に均等配置されているものが考えられる。
それら複数の小孔は、環状パイプに一定の間隔を隔てて形成されているものが考えられる。あるいは、複数の小孔に代えて、環状パイプに一つに連なった環状孔が形成されているものも考えられる。なお、排出口の形態についてはガス流線eを周方向均等化するものであれば特に限定されない。
上方中心部位cに位置するガス導入口についての態様として、円周上に均等に分布する複数の小孔としても良いし、あるいは複数の小孔が均等分布となる円周を複数列同心円状に配してもよい。導入口の形態については、ガス流線eを周方向で均等化するものであれば特に限定されない。
以上のように本発明によるマイクロ波プラズマ処理装置では、ガス導入部に導入されたガスは、ステージに載置された基板ホルダの中央部上方からその基板ホルダに向かい、かつ、基板ホルダの周囲でガスの流れ分布がその基板ホルダの中心軸周りの周方向で実質的に均等分布となった状態で、ステージ周り下方のガス排出部から排出される。
したがって、本発明によれば、ガス導入口とガス排出口とが、ガスの流れ分布が周方向で均等分布となるように配置されているので、ガス導入口からガス排出口に向かうガスの流れは、基板ホルダ上方で周方向均等分布の状態となり、また、プラズマも周方向均等分布の状態となる。結果として、基板上に形成される成膜の膜厚についても基板の中心軸に関して等方的(無方向性)となり、膜厚均一性が確保される。
なお、本発明の好ましい態様は、前記ガス導入部が、前記プラズマチャンバの中央天井部においてガス導入経路に連なる上側壁と、これに対向する下側壁とで流速緩和室を形成しており、前記流速緩和室に連通する状態で前記下側壁において前記中心軸周りの均等分布状態で複数のガス導入口を備えている。
また、本発明の好ましい態様は、前記ガス排出部が、前記ステージの外周縁の外側位置に前記中心軸を中心として円環状に配置された排出パイプを備え、前記円環状の排出パイプには前記中心軸周りの均等分布状態で複数のガス排出口が形成されている。
以上のように、本発明のマイクロ波プラズマ処理装置によれば、ガス導入口からガス排出口に向かうガスの流れが基板ホルダに関して周方向均等分布の状態となるので、基板ホルダに保持された基板に対して、膜厚均一に成膜することができる。
本発明の技術根幹を説明する概念図 本発明の実施例のマイクロ波プラズマ処理装置の概略を示す断面模式図 本発明の実施例のマイクロ波プラズマ処理装置のより詳しい構造を示す断面図 本発明の実施例のプラズマチャンバ部分の詳細な構造を示す断面図 本発明の実施例の原料ガスの供給・排出系の構造を示す斜視図 本発明の実施例のステージにおける冷却部の詳細な構造を示す水平断面図 従来の技術におけるマイクロ波プラズマ処理装置の主要部の断面図
本発明のマイクロ波プラズマ処理装置は、プラズマを生成するプラズマチャンバと、前記プラズマチャンバ内に配置された、基板ホルダ載置用のステージと、前記プラズマチャンバにガスを導入するガス導入部と、前記プラズマチャンバからガスを排出するガス排出部とを備える。前記基板ホルダ上には、プラズマによる薄膜が形成されるべき基板がセットされる。
上記ガス導入部の好ましい構成を説明する。
プラズマチャンバの中央天井部において、ガス導入経路に連なる上側壁とこれに対向する下側壁とでガス流速の緩和室を形成する。前記ガス流速の緩和室に連通する状態で、前記下側壁において前記中心軸周りの均等分布状態でガス導入口を形成する。
前記ガス導入経路から前記ガス流速の緩和室に流入した水素ガスや原料ガスは、この緩和室において広がり、それによって流速が減じられ、下側壁のガス導入口からプラズマチャンバへと供給される。ここで、ガス導入口が下側壁において周方向均等分布の状態に形成されているので、プラズマチャンバに流入するガスの流線が良好な周方向均等分布の状態となることを支えることになる。
上記ガス排出部の好ましい構成を説明する。
ステージの外周縁の外側位置に前記中心軸を中心とする円環状の排出パイプを配置する。さらに、円環状の排出パイプにおいて中心軸周りの均等分布状態でガス排出口を形成する。ガス排出口を形成した円環状の排出パイプがステージの外周縁の外側位置に配置されている。したがって、プラズマチャンバ内において中央部上方から流入した原料ガスはステージの上方空間からステージの外周空間へと引き込まれることになる。その引き込みを行うガス排出口が周方向均等分布の状態に形成されているので、プラズマチャンバ内を流れるガスの流線が良好な周方向均等分布の状態となることを支えることになる。
以下、図面を参照して、本発明に係るマイクロ波プラズマ処理装置を説明する。
図2に本発明の実施例のマイクロ波プラズマ処理装置の概要構成を示す。
図2を参照して、1はマイクロ波プラズマ処理のために真空に近い高度減圧レベルに減圧する減圧室、2は減圧室1の底板部を構成する減圧室底板、3は減圧室底板2に対して開閉自在でその閉止姿勢で減圧室底板2とともに減圧室1を形成するプラズマチャンバ、4は減圧室1内に配置される状態で減圧室底板2の上方に設けられた金属製のステージである。
また、5は基板6をセットした状態でステージ4に載置される金属製の基板ホルダ、7は減圧室1内で生成されるプラズマ、8は減圧室1に対するガス導入部、9は減圧室1からのガス排出部である。
さらに、10は減圧室1に対してマイクロ波を導入するマイクロ波導波部、11は気体の通過は遮断するがマイクロ波は通す石英などの環状の誘電体窓、12は真空引き経路や冷却液循環路を伴う中心軸管部、13はステージ4および中心軸管部12に対する下方付勢機構である。
プラズマチャンバ3は、例えばアルミニウム製で、その下端縁が減圧室底板2に密着して減圧室底板2とともに減圧室1を形成する閉止状態と、減圧室底板2から離間して減圧室1を開放する状態とに切り替え自在となっている。
ステージ4と中心軸管部12とは固定連結され、互いに一体となって上下動可能に構成されている。ステージ4の下面と減圧室底板2の上面との間に、環状の誘電体窓11が介在されている。ステージ4は、下方付勢機構13によって中心軸管部12を介して下方に付勢される。これにより、誘電体窓11は、ステージ4と減圧室底板2とに密着させられる。
この密着により、減圧室1内のガスは、マイクロ波導波部10側に漏出しない。なお、中心軸管部12が上下動するのに対して、減圧室底板2やこれに固定連結のマイクロ波導波部10は、原則的に、位置固定となっている。
中心軸管部12は、減圧室底板2に形成されたマイクロ波同軸導管2aに挿通されている。マイクロ波導波部10は、水平導波管部10aと、垂直導波管部10bとを有する。垂直導波管部10bは、中心軸管部12を挿通する状態で、減圧室底板2の下面に固定されている。
垂直導波管部10bの内周面と中心軸管部12の外周面との間には、同軸状のマイクロ波誘導通路10cが形成されている。マイクロ波誘導通路10cは、減圧室底板2に形成されたマイクロ波同軸導管2aに連通する。
マイクロ波誘導通路10cに誘導されたマイクロ波は、マイクロ波同軸導管2aを介して、ステージ4の下面に導入される。ステージ4の下面に導入されたマイクロ波は、さらに、誘電体窓11を通過し、ステージ4の端部からステージ4の上面に回り込み、その上面とその上空間に伝播する。
この場合、マイクロ波は、ステージ4の上面に対して、その端部から中心エリアに向けて伝播し、ステージ4の上方でプラズマを生成するためのマイクロ波のエネルギーでガス放電を起こす。
こうしたマイクロ波の伝播の形態は、中心軸O周りで周方向均等分布の状態になっている。そして、ステージ4の中心エリアの上方空間には、前記のように伝播されたマイクロ波と、導入された水素ガスとの相互作用でプラズマ7が生成する。
マイクロ波プラズマ処理装置の動作の概要を説明する。
(1)プラズマチャンバ3の開放姿勢で、基板6をセットした基板ホルダ5をステージ4上に載置し、ステージ4の中心で基板ホルダ5を固定する。このとき、センタリングの治具を用いて基板ホルダ5をステージ4の中心に置く。真空引きによって基板ホルダ5をステージ4に固定した後に治具は取り除かれる。
(2)減圧室底板2に対してプラズマチャンバ3を閉止姿勢にし、減圧室底板2とプラズマチャンバ3とによって減圧室1を形成する。
(3)ガス排出部9からガス吸引経路15を介して、減圧室1を真空引きして、減圧室1内の圧力を制御する。
(4)減圧室1が所定の圧力に達すると、プラズマ生成用ガスとして、水素ガスを、ガス導入経路14を通し、ガス導入部8を介して減圧室1内に導入する。
(5)水素ガス導入に伴い、減圧室1の圧力が所定レベルに達すると、マイクロ波導波部10によってマイクロ波を導入して、前記の通り、プラズマ7を生成させる。
(6)減圧室1内が、所定の圧力状態、所定の温度状態になり、プラズマ7のエネルギーレベルが所定レベルに達すると、さらに、成膜用のガスの一例として、メタンガスを、ガス導入部8を介して、減圧室1内に導入する。
メタンガスは、ダイヤモンドの成膜を行うときの原料である。
このとき、併せて、酸素ガスや窒素ガスを導入することもある。
水素ガスは、引き続いて導入され、これにより、プラズマ7が生成される。
プラズマ7の生成中においては、ガス吸引経路15を通し、ガス排出部9を介して、真空引きし、減圧室1を所定の圧力に制御する動作を継続する。これにより、減圧室1内ではプラズマ7を維持させる。
図3を参照して、実施例1のマイクロ波プラズマ処理装置のより詳しい構造を説明する。
まず、下方付勢機構13について説明する。
基本的構造は、特許文献1に記載のものと同様である。マイクロ波導波部10の垂直導波管部10bの下部に、スプリングブロック16が取り付けられている。一方、中心軸管部12の下端部に付勢力受け板17が外嵌される。中心軸管部12の下端に、固定ボルト18でストッパブロック19が固定される。
ストッパブロック19は、付勢力受け板17の下面に当接している。付勢力受け板17に螺着された付勢力調整ボルト20は、スプリングブロック16の凹部に挿入される。その周囲に嵌合させたスプリング21がスプリングブロック16と付勢力調整ボルト20との間で伸長付勢力を張っている。
スプリング21の伸長付勢力が付勢力調整ボルト20を介して付勢力受け板17に伝わり、さらにストッパブロック19を介して中心軸管部12に伝わり、最終的にステージ4を介して誘電体窓11を下方に向けて減圧室底板2に押圧するように作用する。スプリング21と付勢力調整ボルト20の組は複数ある。
次に、マイクロ波の導入のための中心軸管部12を説明する。
中心軸管部12は、導体外管12aと中間管12bと真空引き通路用内管12cの三重構造となっている。
真空引き通路用内管12cはその内部通路が真空引きされるもので、その真空引きにより基板ホルダ5をステージ4に密着固定するようになっている。すなわち、基板ホルダ5の底部には真空引き用スペース22が凹入形成されており、基板ホルダ5をステージ4の上面に載置した状態で、その真空引き用スペース22が確保される。
一方、真空引き通路用内管12cは、その上端部がステージ4を貫通し、真空引き用スペース22に臨むようになっている。
したがって、真空引き通路用内管12cの下端側から真空引きを行うと、真空引き用スペース22が高度に減圧され、その内圧が減圧室1の内圧より低くなると、その圧力差により基板ホルダ5がステージ4に密着し固定化される。なお、真空引きに先立ってセンタリングの治具を用いてステージ4の中心に対する基板ホルダ5の位置決めが行われる。
次に、図4および図6を参照して、ステージ4の冷却のための構造を説明する。
ステージ4には冷却液通路23bが渦巻き状に形成されている。その渦巻き状の冷却液通路23bの内周側端部に対して中間管12bと真空引き通路用内管12cとの間の冷却液の送り通路23aが連通されている。
また、渦巻き状の冷却液通路23bの外周側端部がステージ4の下部側に形成された連絡通路23cを経て導体外管12aと中間管12bとの間の冷却液の戻り通路23dに連通されている。
したがって、中間管12bの下端側から冷却液の送り通路23aに冷却液を圧送すると、冷却液が中間管12bから渦巻き状の冷却液通路23bに流れ込み、渦巻き状の冷却液通路23bを中心部から外周部にかけて何回も旋回するように流動したのち、さらに連絡通路23cを通って導体外管12aの冷却液の戻り通路23dの上端へと流れ込み、導体外管12aの下端部から外部へと排出される。
冷却液が渦巻き状の冷却液通路23bの内部を流動する過程でステージ4を冷却する。この冷却について説明すると、基板ホルダあるいは基板の温度を維持するためには、基板ホルダを載置するステージの方は、温度上昇しないよう冷却することが好ましい。何故なら、ステージの冷却が不十分であると、ステージの温度がプラズマにより上昇し、基板ホルダや基板の温度が変化し、それにより、成膜の品質が悪くなるからである。そこで、ステージに冷却液通路を形成し冷却液を流すことでステージを冷却することが行われる。なお、冷却液通路23bの形態は渦巻き状に限定されない。
中心軸管部12は、上記のような基板ホルダ5の固定のための真空引きをする真空引き通路用内管12cと、ステージ4の冷却のための中間管12bおよび導体外管12aを含んでいる。ステージ4は渦巻き状の冷却液通路23bを形成し、ステージ4と中心軸管部12が一体化されている。さらに、その一体物が下方付勢機構13によって押し下げられ、環状の誘電体窓11の下端、上端が減圧室底板2とステージ4とに圧接される。
これにより、減圧室1内の原料ガスがマイクロ波導波部10側に漏出されることが確実に防止される。
渦巻き状の冷却液通路23bは、その上流側端部がステージ4の半径方向内方にあり、下流側端部が半径方向外方にあるが、渦巻き状の冷却液通路23bの下流側端部23b1 において連絡通路23cとの間に堰止め用連絡通路26が設けられている。
堰止め用連絡通路26は、細径通路26aと中継通路26bを備えている。
中継通路26bは、短い通路で、渦巻き状の冷却液通路23bの下流側端部23b1 の外側に配されている。中継通路26bの下流側端部には連絡通路23cの上流側端部(傾斜部)が連絡されている。
細径通路26aは、渦巻き状の冷却液通路23bの下流側端部23b1 と中継通路26bの上流側端部との間に架け渡されている。
細径通路26aは、上下方向での位置が渦巻き状の冷却液通路23bや中継通路26bの最上位位置を含む高位位置に設定されている。
細径通路26aの底部分は渦巻き状の冷却液通路23bの底部分よりも高くなる状態に構成されている。高位の細径通路26aのこの構成は、渦巻き状の冷却液通路23bから中継通路26bへの冷却液の流動の形態をオーバーフローとする。
中間管12bの内側の冷却液の送り通路23aからステージ4の渦巻き状の冷却液通路23bに流入した冷却液は、何回も旋回したのち堰止め用連絡通路26における中継通路26bを介しさらに連絡通路23cを介して導体外管12aの内側の冷却液の戻り通路23dに排出されていく。このとき、渦巻き状の冷却液通路23bから中継通路26bに至る前に必ず高位の細径通路26aを通らなければならない。
この高位の細径通路26aが、渦巻き状の冷却液通路23bや中継通路26bの最上位レベルにあるため、冷却液の圧送ポンプの圧送力が、何らかの事情により、所定圧力より低下したとしても、渦巻き状の冷却液通路23bの縦断面の円形空間において冷却液は、その下端から上端まで満たされた状態で流動することになる。
もし、堰止め用連絡通路がない冷却液通路の場合には、冷却液の流動の態様は、冷却液通路23bの縦断面の円形空間において上端には達することなく、上側部分に空気層を残す状態での流動となる。ステージ4において最も高温になるゆえに最優先で冷やすべき部位は、基板ホルダ5の下端部に接触するステージ上面近傍部である。
しかるに、冷却液通路23bの上部に空気層が存在すればステージ上面近傍部に対する冷却液による冷却作用が大幅に低下してしまう。冷却液の圧送ポンプの圧送力が所定圧力より低下したとしても空気層は出現せず、ステージ4の上面近傍部に対して高い冷却効果、安定した冷却効果を発揮させることができる。
次に、図3ないし図6を参照して実施例の要部の構成を説明する。
プラズマチャンバ3の中央天井部における原料ガス導入部8は次のように構成されている。プラズマチャンバ3の中央天井部は、上側壁8aと下側壁8bとの二重壁状に構成される。前記上側壁8aと下側壁8bとの間に流速緩和室8cが形成される。上側壁8aの中心部にはガス導入経路(パイプ)14が接続される。
下側壁8bにおいて、複数のガス導入口8dが中心軸O周りで周方向に均等分布の状態に形成されている。ガス導入部8の構造は、風呂のシャワーヘッド構造に類似する。
より具体的には、ガス導入口8dは下側壁8bにおいて、同心円状の複数の円弧上においてそれぞれ周方向等間隔に形成されている。ただし、ガス導入口8dは1つの円弧上において周方向等間隔に形成されているのでもよい。
図示は省略しているが、このガス導入経路14の上流側では混合栓が取り付けられ、その混合栓の部分で水素ガスやメタンガスその他のガスが単独であるいは混合されて供給されるようになっている。
一方、ガス排出部9は次のように構成される。
絶縁物(誘電体)円環状の排出パイプ24が、ステージ4の外周縁の外側下方(環状の誘電体窓11の外側)において、減圧室底板2の上面に固定されている。円環状の排出パイプ24は中心軸Oを中心とする半径一定の円弧の上に配置されている。円環状の排出パイプ24の頂線の部分には複数のガス排出口24aが中心軸O周りで周方向に均等分布の状態に形成されている。複数のガス排出口24aは1つの円周上に配置されている。
この場合、排出パイプ24が金属であれば、減圧室底板2に溝を作り、その溝内に排出パイプ24を収納すると共に、底板2の上面と排出パイプ24の上面との高さを同一にするとよい。
円環状の排出パイプ24の下面で周方向の等間隔4箇所に、下方に向けて連通状態で連設された4つの縦パイプ24bが、減圧室底板2を上下に貫通している。
一方の2つの縦パイプ24bは、1つの横パイプ24cに共通に接続され、他方の2つの縦パイプ24bは、別の1つの横パイプ24cに共通に接続される。
前記2つの横パイプ24cそれぞれの中心には、縦横にL形に曲がった各別のパイプ24dに接続され、これら各別の2つのL形パイプ24dがさらに、もう1つの横パイプ24eで共通に接続され、この横パイプ24eの中心が、図示略の真空ポンプを含むガス吸引パイプ15に接続される。
尚、図2、図3では、これらパイプ24b、24c,24d,24eを、排出パイプ24とガス吸引パイプ15とを接続する連絡パイプ系24Aとして示す。また、図2ないし図4で、連絡パイプ系24Aは、図解の都合で、断面で示す。
複数のガス導入口8dの分布の中心と複数のガス排出口24aの分布の中心とを結ぶ中心線に関して、ステージ4および基板ホルダ5の中心は一致している。
ガス導入経路(パイプ)14の終端から流速緩和室8cに流入したガスは水平方向へ広がる流速緩和室8cにおいてその勢いが緩和される。
すなわち、真下へ向かう急激な勢いが流速緩和室8cでの流速緩和によって抑えられ、水平方向へ広がりながら、複数のガス導入口8dから減圧室1内に流入する。
ガス排出部9では図示略の真空ポンプの駆動により連絡パイプ24c、縦パイプ24bおよび円環状の排出パイプ24を介して複数のガス排出口24aから減圧室1に対する真空引きが行われる。したがって、複数のガス導入口8dから減圧室1内に流入したガスは、複数のガス排出口24aに向かって吸い込まれてゆく。
複数のガス導入口8dは、周方向に均等分布に配置され、複数のガス排出口24aも周方向に均等分布に配置されているから、減圧室1内におけるガスの流れは、図4に示すように、周方向均等分布の状態となり下方の円環状の排出パイプ24の頂線上の周方向均等分布のガス排出口24aに吸引されていく。
ある1つのガス導入口8dから減圧室1内に流入してきたガスの流線は、そのガス導入口8dと周方向で同一位相にある1つのガス排出口24aに向かうが、それだけでなくその1つのガス排出口24aの周方向両隣にあるそれぞれ1つまたは2,3のガス排出口24aにも向かう。
もっとも、流線の密度には差異があり、中央のガス排出口24aでの流線密度が最も高く、中央から離れるほど流線の密度は小さくなる。このことがすべてのガス導入口8dとそれぞれに位置対応するガス排出口24aとの間の流線について当てはまるので、平均的にはガスの流線は周方向に均等分布の状態となる。
さらに、このガスの流線についての周方向均等分布の状態は、ガス導入口8dの高さ位置からガス排出口24aの高さ位置までの鉛直方向のどの高さ位置でもほぼ保たれている。
ここで試行例を説明する。条件はおおむね次のとおりである。
基板(種)として、高圧高温(HPHT)Ib型ダイヤモンド(窒素を含有し黄色を帯びる)の基板を用いた。
水素ガスの供給量は500sccm、
メタンガスの供給量は5〜80sccm(水素ガス基準で0.1〜18%)、
窒素ガスの供給量は0〜2sccm(メタンガス基準で0〜3%)、
結晶成長中のプラズマチャンバ内圧力は50〜400Torr(好ましくは100〜200Torr)、
成膜中の基板温度は、800〜1300℃(好ましくは、1000〜1250℃)、
マイクロ波のパワーは2〜5kW、周波数は2.45GHzである。
なお、sccm(standard cc/min)は大気圧下、一定温度(0℃あるいは25℃など)で規格化された流速である。
成膜時間については、膜厚に応じて変化し、10分〜100時間である。
なお、本発明は、次の形態も含む。
冷却液通路の構造や基板ホルダの真空引きの構造について、上記の実施例にあっては特別な工夫が施されているが、そのことは本発明にあっては必ずしも必須としない。冷却液については、通常は冷却水としてよいが、水以外の液体を用いることもある。
また、ガスの種類は任意である。もっとも、本発明はダイヤモンドの結晶を成長させるダイヤモンド結晶形成装置に適用した場合に大きな成果をもたらすと期待され、その場合のガスはメタンガスである場合が多い。マイクロ波の周波数については任意とする。プラズマチャンバ3における高度の減圧状態の圧力値についても任意とする。
本発明は、プラズマを用いて基板に成膜するマイクロ波プラズマ処理装置において、とりわけダイヤモンドの薄膜を形成するダイヤモンド薄膜形成装置において、プラズマチャンバにおけるガスの流線分布への配慮を通してプラズマの分布を周方向で均等化し、もって基板上成膜の膜厚均一化を達成する技術として有用である。
a 基板ホルダ
b プラズマ
c 基板ホルダ中心部上方部位
d 基板ホルダ外周縁外側環状部位
e ガスの流線
1 減圧室
2 減圧室底板
3 プラズマチャンバ
4 ステージ
5 基板ホルダ
6 基板
7 プラズマ
8 ガス導入部
8a 上側壁
8b 下側壁
8c 流速緩和室
8d ガス導入口
9 ガス排出部
10 マイクロ波導波部
11 誘電体窓
12 中心軸管部
13 下方付勢機構
24 円環状の排出パイプ
24a ガス排出口

Claims (3)

  1. プラズマチャンバと、
    前記プラズマチャンバ内に配置された、基板ホルダ載置用のステージと、
    前記プラズマチャンバにガスを導入するガス導入部と、
    前記導入したガスを前記プラズマチャンバから排出するガス排出部と、
    を備えたマイクロ波プラズマ処理装置において、
    前記ガス導入部は、前記ステージに載置された前記基板ホルダの中央部上方に配備され、
    前記ガス排出部は、前記ステージ周りの下方に配備され、
    前記ガス導入部に導入されたガスは、前記ステージに載置された前記基板ホルダの中央部上方からその基板ホルダに向かい、かつ、前記基板ホルダの周囲でガスの流れ分布がその基板ホルダの中心軸周りの周方向で実質的に均等分布となった状態で、前記ステージ周り下方の前記ガス排出部から排出される、マイクロ波プラズマ処理装置。
  2. 前記ガス導入部が、前記プラズマチャンバの中央天井部においてガス導入経路に連なる上側壁と、これに対向する下側壁とで形成された、ガス流速緩和用の室を備え、前記室に連通する状態で前記下側壁において前記中心軸周りの均等分布状態で複数のガス導入口が形成されている請求項1に記載のマイクロ波プラズマ処理装置。
  3. 前記ガス排出部が、前記ステージの外周縁の外側位置に前記中心軸を中心として円環状に配置された排出パイプを具備し、前記円環状の排出パイプには、前記中心軸周りの均等分布状態で複数のガス排出口が形成されている請求項1または請求項2に記載のマイクロ波プラズマ処理装置。
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