JP2013121774A - 外軌脱線係数の要因解析方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】外軌脱線係数を、曲線区間の軌道曲率に関係する要因と、車両の外軌輪重と内軌輪重との差に関係する要因とを含む複数の要因の線形和で表わす(要因設定ステップ)。複数の要因はそれぞれ軌道又は車両に関係する測定値又は設定値で表されて未知の係数を掛けられている。要因設定ステップの後に、測定した外軌脱線係数と線形和との差が最小になるように前記未知の係数を決定する(係数決定ステップ)。
【選択図】図7
Description
外軌脱線係数は車両自体の走行安全性を示す指標となるとともに、何らかの理由で軌道に狂いが生じた場合には外軌脱線係数の変化として捉えることができるため、軌道の走行安全性を示す指標としても活用することができる。
そして、輪重と横圧とを測定する測定装置を取り付けた台車(以下、PQモニタリング台車という)によって営業線の外軌脱線係数及び内軌側横圧輪重比を日常的に測定することができる(特許文献1及び非特許文献1参照)。
そして、本発明者らは、それらの複数の要因を、それぞれ軌道又は車両に関係し、比較的容易に得られる(例えばPQモニタリング台車によって得られる)測定値又は設定値で表すことができることを見出した。例えば、軌道に関係する設定値としては曲線区間入口からの距離を例示できるが、設定値なので容易に得ることができる。また、車両に関係する測定値としては、車両の速度を例示できるが、車両の速度は車両が有する速度計によって容易に測定できる。
そして、本発明者らは、外軌脱線係数が、それらの複数の要因の線形和で表せる(近似できる)ことを見出した。
ここで、各要因の値と、各要因に掛けられた係数との積の値を各要因の影響度という。そして、測定した外軌脱線係数と各要因の影響度とを比較することにより、外軌脱線係数に及ぼす各要因の影響の大きさを評価することができる。
また、同種の要因が複数ある場合には、各要因の値と、各要因に掛けられた係数との積の値を合計したものを、その同種の要因の影響度という。例えば、曲線区間の軌道曲率に関係する要因が複数ある場合に、その複数の各要因の値と、各要因に掛けられた係数との積の値を合計したものを、曲線区間の軌道曲率に関係する要因の影響度という。そして、測定した外軌脱線係数と同種の要因の影響度とを比較することにより、外軌脱線係数に及ぼす同種の要因の影響の大きさを評価することができる。
このようにして、外軌脱線係数の要因を、別途の試験等を行うことなく、日常的に得られる測定値等を用いるだけで容易に解析することができる。
外軌脱線係数=k1・ρ(d)+k2・d・ρ(d)+k3・(v(d))2・ρ(d)+k4・ρ(d)・ΔP(d)・・・(1)
したがって、式(1)中の(v(d))2・ρ(d)及びρ(d)・ΔP(d)は、それぞれを表す測定値や設定値を容易に得ることができるので、(v(d))2・ρ(d)及びρ(d)・ΔP(d)自体も容易に得ることができる。そして、外軌脱線係数を表す線形和を容易に決定することができ、外軌脱線係数の要因を容易に解析することができる。
外軌脱線係数=k5・QPin(d)+k6・(v(d))2・ρ(d)+k7・QPin(d)・ΔP(d)・・・(2)
したがって、式(2)中のQPin(d)、(v(d))2・ρ(d)及びQPin(d)・ΔP(d)は、それぞれを表す測定値や設定値を容易に得ることができるので、QPin(d)、(v(d))2・ρ(d)及びQPin(d)・ΔP(d)自体も容易に得ることができる。そして、外軌脱線係数を表す線形和を容易に決定することができ、外軌脱線係数の要因を容易に解析することができる。
以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発明の第1の実施形態に係る外軌脱線係数の要因解析方法ついて説明する。
図1は、本実施形態に係る外軌脱線係数の要因解析方法に用いるPQモニタリング台車の一例の一部を示す写真である。図1(a)は、PQモニタリング台車の一部の写真であり、図1(b)は、輪重センサの外観を示す写真であり、図1(c)は、横圧センサ3の外観を示す写真である。
PQモニタリング台車1は、車輪に加わる垂直方向の力(輪重:P)を測定する輪重センサ2と、車輪に加わる水平方向の力(横圧:Q)を測定する横圧センサ3とを備えている(特許文献1及び非特許文献1参照)。この輪重センサ2と横圧センサ3とによって外軌脱線係数と内軌側横圧輪重比とを測定する。
図2は、本実施形態の外軌脱線係数の要因解析方法において、車両即ちPQモニタリング台車1が走行する曲線区間の軌道の構成図である。
曲線区間は、曲線半径が一定の円曲線部と、曲線区間の入口側及び出口側の直線部と円曲線部とを繋ぎ直線部から円曲線部にかけて曲線半径が徐々に短くなる緩和曲線部とからなっている。
円曲線部の曲線半径はR[m]であり、従って軌道曲率は1/Rである。
軌道を構成する左右のレールにおいて、曲線区間の入口に塗油器が設けられている。塗油器から油が出され、油によってレールと車輪との間の摩擦係数が低下する。レールと車輪との間の摩擦係数が低下すると、車輪に加わる横圧が低下して脱線係数が低下する。
外軌脱線係数の要因を上記のように複数の要因の線形和で表わすのは、経験則を踏まえた次の理由による。
外軌脱線係数は、横圧を輪重で除したものなので、脱線係数の要因には、横圧に関係する要因と、輪重に関係する要因とが含まれる。そして、横圧に関係する要因として曲線区間の軌道曲率に関係する要因が考えられ、また、輪重に関係する要因として車両の外軌輪重と内軌輪重との差に関係する要因が考えられる。そして、外軌脱線係数の要因には、曲線区間の軌道曲率に関係する要因と、車両の外軌輪重と内軌輪重との差に関係する要因とを含んだ複数の要因があるとした。
ここで、曲線区間入口からの距離をd[m]とし、曲線区間入口からd[m]の距離における軌道曲率と円曲線部の軌道曲率(1/R)との比を曲率比ρ(d)とし、曲線区間入口からd[m]の距離における車両の速度をv(d)[km2/h]とし、曲線区間入口からd[m]の距離における外軌輪重と内軌輪重との輪重変動率をΔP(d)とする。ΔP(d)は式(11)で表される。
ΔP(d)=(外軌輪重−内軌輪重)/(外軌輪重+内軌輪重)・・・(11)
図3は、曲線区間入口からの距離dとk1・ρ(d)との関係を示す図である。k1は未知の係数である。
要因ρ(d)は、曲線区間入口からの距離dにおける曲率比であり、軌道に関係する設定値である。要因ρ(d)は、曲線区間毎の軌道の形状を定めた設計図である線路形状図から容易に得ることができる。外軌脱線係数には、軌道の曲率に対応して変動する要因があり、要因ρ(d)は、軌道の曲率に対応した要因である。
要因d・ρ(d)は、曲線区間入口から距離dと、曲線区間入口から距離dにおける曲率比ρ(d)で表される。dは、軌道に関係する設定値であり、ρ(d)も軌道に関係する設定値であるので、両者とも容易に得ることができる。従って、d・ρ(d)の値も容易に得ることができる。
要因d・ρ(d)は、車輪とレールとの間の摩擦係数の影響を表している。曲線区間入口に設けられた塗油器から油が出され、油によって車輪とレールとの間の摩擦係数が低下すると、横圧が低下し脱線係数が低下する。曲線区間入口から離れるほど、油量が少なくなるので、円曲線部では、曲線区間入口からの距離に応じてd・ρ(d)の値が増加する。
要因(v(d))2・ρ(d)は、曲線区間入口から距離dにおける車両の速度(v(d))と、曲線区間入口から距離dにおける曲率比ρ(d)で表される。(v(d))は車両に関する測定値であり、ρ(d)は軌道に関係する設定値である。(v(d))は、車両が有する速度計で容易に測定することができ、ρ(d)も設定値なので容易に得ることができる。従って、(v(d))2・ρ(d)の値も容易に得ることができる。
要因(v(d))2・ρ(d)は、軌道における遠心力の影響を表している。
図6は、曲線区間入口からの距離dとk4・ρ(d)・ΔP(d)との関係を示す図である。k4は未知の係数である。
要因ρ(d)・ΔP(d)は、曲線区間入口から距離dにおける曲率比ρ(d)と、曲線区間入口から距離dにおける外軌輪重と内軌輪重との輪重変動率ΔP(d)で表される。ρ(d)は軌道に関係する設定値である。ΔP(d)は車両に関係する測定値であり、PQモニタリング台車1が有する輪重センサ2によって容易に測定することができる。従って、ρ(d)・ΔP(d)の値も容易に得ることができる。
QPout(d)=k1・ρ(d)+k2・d・ρ(d)+k3・(v(d))2・ρ(d)+k4・ρ(d)・ΔP(d)・・・(12)
図7は、測定した外軌脱線係数QPout(d)と、未知の係数を決定した複数の要因の線形和と、該外軌脱線係数QPout(d)から該線形和を引いた差を示す図である。
曲線区間入口から距離dにおける曲線区間の軌道曲率に関係する要因の値に、上記で求めたそれぞれの係数を掛けた値の合計(k01・ρ(d)+k02・d・ρ(d)+k03・(v(d))2・ρ(d))が曲線区間の軌道曲率に関係する要因の影響度になる。
また、曲線区間入口から距離dにおける車両の外軌輪重と内軌輪重との差に関係する要因の値に、上記で求めた係数を掛けた値k04・ρ(d)・ΔP(d)が車両の外軌輪重と内軌輪重との差に関係する要因の影響度になる。
そして、曲線区間入口から距離dにおける測定した外軌脱線係数と、上記の各要因の影響度とを比較することにより、外軌脱線係数に及ぼすそれぞれの要因の影響の大きさを評価することができる。このようにして、外軌脱線係数の要因を、試験等を行うことなく、容易に解析することができる。
また、曲線区間の軌道曲率に関係する要因と、車両の外軌輪重と内軌輪重との差に関係する要因以外の新たな要因を上記の線形和に追加してもよい。
次に、本発明の第2の実施形態に係る外軌脱線係数の要因解析方法ついて説明する。
本実施形態は、第1の実施形態とは、曲線区間の軌道曲率に関係する要因の構成と、車両の外軌輪重と内軌輪重との差に関係する要因の構成とが異なる。以下に、本実施形態が第1の実施形態と異なる点について説明する。
本実施形態では、曲線区間の軌道曲率に関係する要因として、QPin(d)と(v(d))2・ρ(d)を設定する。
図8は、曲線区間入口からの距離dとk5・QPin(d)との関係を示す図である。k5は未知の係数である。
要因QPin(d)は、曲線区間入口から距離dにおける内軌側横圧輪重比であり、車両に関係する測定値である。要因QPin(d)は、PQモニタリング台車1の有する輪重センサ2と横圧センサ3とによって容易に測定することができる。要因QPin(d)は、内軌における車輪とレールとの間の摩擦係数の影響を表している。
要因(v(d))2・ρ(d)は、上述じたように曲線区間入口から距離dにおける車両の速度(v(d))と、曲線区間入口から距離dにおける曲率比ρ(d)で表される。(v(d))は車両に関する測定値であり、ρ(d)は軌道に関係する設定値である。(v(d))は、車両の有する速度計で容易に測定することができ、ρ(d)も設定値なので、容易に得ることができる。従って、(v(d))2・ρ(d)の値も容易に得ることができる。要因(v(d))2・ρ(d)は、遠心力の影響を表している。
QPin(d)は、上述したように車両に関係する測定値であり、容易に測定することができる。ΔP(d)も、上述したように車両に関係する測定値であり、容易に測定することができる。従って、QPin(d)・ΔP(d)も容易に得ることができる。
QPout(d)=k5・QPin(d)+k6・(v(d))2・ρ(d)+k7・QPin(d)・ΔP(d)・・・(13)
但し、k5、k6及びk7は未知の係数である。
そして、第1の実施形態と同様の方法によって測定した外軌脱線係数QPout(d)と、複数の要因の線形和との差が、曲線区間入口から曲線区間出口の間において最小になるように最小二乗法等によって未知の係数を決定し、外軌脱線係数に及ぼすそれぞれの要因の影響の大きさを評価すればよい。
車両を下記の条件で走行させ、外軌脱線係数の要因解析を行った。
円曲線部の曲線半径:160[m]
曲線入口緩和曲線長さ:52.443[m]
円曲線長:74.027[m]
曲線出口緩和曲線長さ:52.445[m]
車両の設定速度:40[km/h]
カント:150[mm]
スラック:8[mm]
PQモニタリング台車1で測定した外軌脱線係数の要因を、第1の実施形態で説明した式(12)を用いて解析した。
QPout(d)=k1・ρ(d)+k2・d・ρ(d)+k3・(v(d))2・ρ(d)+k4・ρ(d)・ΔP(d)・・・(12)
この式の各係数k1、k2、k3及びk4を求め、求められた係数における各要因のグラフを図9に示す。
この解析により外軌脱線係数に及ぼす各要因の影響の大きさが分かる。例えば、外軌脱線係数が最大になっている曲線区間入口から約140mの地点(図9での矢印Aの地点)では、外軌脱線係数QPout(d)が約0.88で、軌道曲率に関係する要因の影響度(k1・ρ(d)+k2・d・ρ(d)+k3・(v(d))2・ρ(d))が、約0.47で、車両の外軌輪重と内軌輪重との差に関係する要因の影響度(k4・ρ(d)・ΔP(d))が、約0.30である。
従って、外軌脱線係数に寄与する軌道曲率に関係する要因の割合が約53%(0.47/0.88×100)で、外軌脱線係数に寄与する車両の外軌輪重と内軌輪重との差に関係する要因の割合が約34%(0.30/0.88×100)であることが分かる。
要因d・ρ(d)は、車輪とレールとの間の摩擦係数の影響を表している。曲線区間入口に設けられた塗油器から油が出されるが、曲線区間入口から遠くなるほど、油量が少なくなるので、円曲線部において曲線区間入口からの距離が長くなるほど摩擦係数が増加し、脱線係数が増加する。図10における距離曲線区間入口からの距離によるk2・d・ρ(d)の変動は、その摩擦係数の曲線区間入口からの距離による変動と合致している。そして、実際の車輪とレールとの間の摩擦係数を測定したところ、円曲線部の入口付近では0.2程度であるのに対し、円曲線部の入口付近では0.6程度に増加しており、k2・d・ρ(d)の変動と合致していることを確認した。
要因ρ(d)・ΔP(d)は、車両の外軌輪重と内軌輪重との差に関係する要因であり、曲線区間入口側の緩和曲線部付近では外軌脱線係数を下げる方向に働いているが、曲線区間出口側の緩和曲線部付近では、外軌脱線係数を上げる方向に働いている。車両の外軌輪重と内軌輪重との差は、軌道の平面性ねじれの影響を強く受ける。そして、円曲線部に設けられたカントを直線部で0にするために、緩和曲線部の軌道には平面性ねじれが設けられている。そして、軌道の実際の平面性ねじれを測定したところ、k4・ρ(d)・ΔP(d)の変動と合致していることを確認した。
このように、要因k2・d・ρ(d)の変動状態が実際の車輪とレールとの間の摩擦係数の変動状態と合致し、また、要因k4・ρ(d)・ΔP(d)の変動状態が実際の平面性ねじれの変動状態と合致していることから、第1の実施形態の外軌脱線係数の要因解析方法で解析された要因が、実際の外軌脱線係数の要因と合致していると判断される。従って、第1の実施形態の外軌脱線係数の要因解析方法を用いることにより、外軌脱線係数を改善することができる。
車両を上記の実施例1と同一の条件で走行させ、外軌脱線係数の要因解析を行った。但し、塗油器からの油量は、実施例1よりも少なくした。
PQモニタリング台車1で測定した外軌脱線係数の要因を、第2の実施形態で説明した式(13)を用いて解析した。
QPout(d)=k5・QPin(d)+k6・(v(d))2・ρ(d)+k7・QPin(d)・ΔP(d)・・・(13)
この式の各係数k5、k6、及びk7を求め、得られた係数における各要因のグラフを図11に示す。
曲線区間入口から約140mの地点(図11での矢印Bの地点)で、外軌脱線係数QPout(d)が最大値の約1.35と大きい値を示している。このときの軌道曲率に関係する要因の影響度(k5・QPin(d)+k6・(v(d))2・ρ(d))が、約0.67で、車両の外軌輪重と内軌輪重との差に関係する要因の影響度(k7・QPin(d)・ΔP(d))が、約0.58であり、外軌脱線係数に寄与する軌道曲率に関係する要因の割合が約50%で、外軌脱線係数に寄与する車両の外軌輪重と内軌輪重との差に関係する要因の割合が約44%である。そして、外軌脱線係数に寄与する軌道曲率に関係する要因の割合が約50%の内、k5・QPin(d)(図示せず)の割合が約29%であり、k6・(v(d))2・ρ(d)(図示せず)の割合が約21%となっている。
そこで、外軌脱線係数に寄与する割合が一番大きい車両の外軌輪重と内軌輪重との差に関係する要因を下げることを検討した。
車両の外軌輪重と内軌輪重との差に関係する要因は、QPin(d)とΔP(d)からなっている。しかし、ΔP(d)は、円曲線部のカントに大きく影響されるが、カントを変更するのは困難である。一方、QPin(d)は、内軌側の軌道での車輪とレールとの間の摩擦係数に関係するので、内軌側の塗油器からの油量を増やすことにより低下させることができる。
図12に、内軌側の塗油器からの油量を増やした場合の外軌脱線係数と各要因の影響度を示す。外軌脱線係数が約0.55と著しく低下した。このとき、車両の外軌輪重と内軌輪重との差に関係する要因の影響度(k7・QPin(d)・ΔP(d))が、約0.11と著しく低下した。一方、軌道曲率に関係する要因の影響度(k5・QPin(d)+k6・(v(d))2・ρ(d))も、約0.36と低下したが、これは、要因k5・QPin(d)の影響度が低下したためと思われる。式(13)の解析結果に基づいて、内軌側の塗油器からの油量を増やすことにより、外軌脱線係数を低下させることができた。
このように、第2の実施形態の外軌脱線係数の要因解析方法を用いることにより、外軌脱線係数を改善することができる。
Claims (3)
- 車両が走行する軌道中の曲線区間における外軌脱線係数の要因を解析する方法であって、
前記外軌脱線係数を、前記曲線区間の軌道曲率に関係する要因と、前記車両の外軌輪重と内軌輪重との差に関係する要因とを含む複数の要因の線形和で表わす要因設定ステップを含み、
前記複数の要因はそれぞれ該軌道又は該車両に関係する測定値又は設定値で表されて未知の係数を掛けられており、
前記要因設定ステップに加えて、更に、測定した前記外軌脱線係数と前記線形和との差が最小になるように前記未知の係数を決定する係数決定ステップを含むことを特徴とする外軌脱線係数の要因解析方法。 - 前記曲線区間入口からの距離をdとし、曲線区間入口からdの距離における曲率と該曲線区間の円曲線部の曲率との比を曲率比ρ(d)とし、該曲線区間入口からdの距離における車両の速度をv(d)とし、該曲線区間入口からdの距離における外軌輪重と内軌輪重との輪重変動率をΔP(d)としたときに、
前記要因設定ステップにおいて、前記外軌脱線係数を、下記の式(1)のように、前記軌道曲率に関係する要因ρ(d)、d・ρ(d)及び(v(d))2・ρ(d)と、前記外軌輪重と内軌輪重との差に関係する要因ρ(d)・ΔP(d)と、前記未知の係数k1、k2、k3及びk4とによって表すことを特徴とする請求項1に記載の外軌脱線係数の要因解析方法。
外軌脱線係数=k1・ρ(d)+k2・d・ρ(d)+k3・(v(d))2・ρ(d)+k4・ρ(d)・ΔP(d)・・・(1) - 前記曲線区間入口からの距離をdとし、該曲線区間入口からdの距離における内軌側横圧輪重比をQPin(d)とし、該曲線区間入口からdの距離における曲率と該曲線区間の円曲線部の曲率との比を曲率比ρ(d)とし、該曲線区間入口からdの距離における車両の速度をv(d)とし、該曲線区間入口からdの距離における外軌輪重と内軌輪重との輪重変動率をΔP(d)としたときに、
前記要因設定ステップにおいて、前記外軌脱線係数を、下記の式(2)のように、前記軌道曲率に関係する要因QPin(d)及び(v(d))2・ρ(d)と、前記外軌輪重と内軌輪重との差に関係する要因QPin(d)・ΔP(d)と、前記未知の係数k5、k6、及びk7とによって表すことを特徴とする請求項1に記載の外軌脱線係数の要因解析方法。
外軌脱線係数=k5・QPin(d)+k6・(v(d))2・ρ(d)+k7・QPin(d)・ΔP(d)・・・(2)
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