JP2013120805A5 - - Google Patents

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(6)前記粘着性高分子(A)の反応性官能基とポリロタキサン(B)の反応性官能基が同一の官能基であり、
粘着性高分子(A)が有する反応性官能基の数を1としたときの、
ポリロタキサン(B)が有する反応性官能基の数の相対比αと、
架橋剤(C)が有する架橋性基の数の相対比βが、
1+α−β≦1.2の関係を満たす粘着剤層を有する(5)に記載のウエハ加工用粘着シート。
(粘着性高分子)
粘着性高分子は、粘着剤に用いられる公知のアクリル系高分子、ゴム系高分子、シリコーン系高分子、ウレタン系高分子等を用いることができる。これらのうちでも、側鎖に反応性官能基を導入しやすいアクリル系高分子が好ましい。架橋構造を形成するため、粘着性高分子は、分子内に反応性官能基を有する。粘着性高分子の反応性官能基は架橋剤と反応して結合し、又は直接にポリロタキサンの環状分子と反応して結合しうるものであれば特に限定されないが、熱反応性のものが好ましく、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、ビニル基、アクリロイル基等が挙げられる。 これらの反応性官能基は、粘着性高分子中に2種以上混在していてもよい。これらの反応性官能基の中でも、粘着剤層を酸性側にもアルカリ側にも偏らせず、耐腐食性に優れ、さらに、架橋の安定性が高いことから、水酸基が特に好ましい。したがって、図1における粘着性高分子の反応性官能基R水酸基であることが好ましい。
粘着性高分子(A)のガラス転移温度(Tg)を上述のような範囲に調整するために、粘着性高分子(A)は単量体として、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリロニトリル、スチレン等の単独重合体または共重合体のガラス転移温度が−25℃以上の単量体を含有することが好ましい。ガラス転移温度が−25℃以上の単量体に由来する構成単位の含有量は、好ましくは1〜50質量%、さらに好ましくは5〜40質量%である。
ポリロタキサンの環状分子Tが有する反応性官能基Rは、前記粘着性高分子の反応性官能基Rと同様に、例えば、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、ビニル基、アクリロイル基等が挙げられ、粘着剤層を酸性側にもアルカリ側にも偏らせず、反応により着色等が生じにくく、さらに結合の安定性に優れることから、特に水酸基が好ましい。これら反応性官能基Rは、ポリロタキサン中で2種以上混在していてもよい。
以上を具体的に説明すると、例えば、シクロデキストリンそのものに存在する水酸基は反応性官能基Rであるし、該水酸基にヒドロキシプロピル基を付加した場合には、ヒドロキシプロピル基の水酸基も反応性官能基Rに含まれる。さらには、該ヒドロキシプロピル基の水酸基を介してε−カプロラクトンの開環重合を行った場合、該開環重合により得られたポリエステル鎖の反対側末端には水酸基が形成される。この場合、該水酸基も反応性官能基Rに含まれる。
(架橋構造)
上述したように、本発明の粘着剤層は、粘着性高分子がポリロタキサン構造を介して架橋した架橋構造を含む。つまり、図1を参照しながら詳述すると、粘着性高分子A同士が架橋する構造中の少なくとも一部に、ポリロタキサンBの環状分子Tを介して、粘着性高分子A同士が架橋する構造を形成する。このような構造では、環状分子Tが拘束されつつも直鎖状分子Lに沿って運動性を有しているために、図1に示される同一のポリロタキサン中の異なる環状分子Tに結合した粘着性高分子A同士の間隔は、伸張および短縮する。その結果、架橋構造全体としては柔軟性を有し、変形に追従しやすいという特性が発現すると考えられる(以下、架橋間隔可変性と言うことがある。)。ポリロタキサンと粘着性高分子Aは、直接結合して架橋構造を形成していてもよく、架橋剤を介して粘着性高分子AとポリロタキサンBとが結合して架橋構造を形成してもよい。なお、環状分子Tは、直鎖状分子Lに結合を介して拘束されているわけではなく、図1に示される粘着性高分子A同士は結合していない。したがって、これらの粘着性高分子Aは架橋されているのではなく、擬架橋状態をとっているに過ぎない。一方で、二つの粘着性高分子Aが同一の環状分子Tと結合している場合には、粘着性高分子A同士は結合しているので、真の架橋構造が形成される。また、粘着剤が架橋剤を含有する場合には二つの粘着性高分子Aが架橋剤を介して結合し、真の架橋構造が形成される。粘着剤中では、このような擬架橋構造と真の架橋構造が混在しているはずであるが、このような複合的な構造をもって架橋構造という。
ポリロタキサンと粘着性高分子とが直接反応し、架橋構造を形成する場合には、ポリロタキサンの反応性官能基Rと、粘着性高分子の反応性官能基Rとは、互いに反応しうる基である。たとえば、一方の反応性官能基を水酸基やカルボキシル基とし、他方の反応性官能基をイソシアネート基とすることで、ポリロタキサンと粘着性高分子とが直接反応し、粘着性高分子がポリロタキサンを介して結合した架橋構造が形成される。
架橋剤(C)が有する架橋性基Rは、例えば、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、ビニル基、アクリロイル基等が挙げられ、イソシアナート基、エポキシ基が好ましく、特にイソシアナート基が好ましい。これらの架橋性基Rは、架橋剤(C)中で2種以上混在していてもよい。
ポリロタキサン(B)の反応性官能基R水酸基、粘着性高分子(A)の反応性官能基R水酸基、架橋剤(C)の架橋性基Rがイソシアナート基であると、反応が容易で制御可能な速度で進行するため、反応性官能基Rと反応性官能基Rとの反応性のバランスをとりやすい。また、それらの架橋性基を有する化合物は、汎用性が高く、材料の種類が豊富で入手も容易でありコストも低く抑えることができる。
(粘着力測定)
23℃、50%RHの環境下、実施例および比較例の粘着シートを25mm幅にカットし、直径6インチ、厚さ600μmのシリコンウエハのミラー面に重量5kgのローラーを1往復させて貼付し、同環境下に20分間静置した後、300mm/分の速度で180度剥離粘着力を測定した。

Claims (1)

  1. 前記粘着性高分子(A)の反応性官能基とポリロタキサン(B)の反応性官能基が同一の官能基であり、
    粘着性高分子(A)が有する反応性官能基の数を1としたときの、
    ポリロタキサン(B)が有する反応性官能基の数の相対比αと、
    架橋剤(C)が有する架橋性基の数の相対比βが、
    1+α−β≦1.2の関係を満たす粘着剤層を有する請求項5に記載のウエハ加工用粘着シート。
JP2011267306A 2011-12-06 2011-12-06 ウエハ加工用粘着シート、該シートを用いた半導体ウエハの加工方法 Active JP6018747B2 (ja)

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