JP2013120293A - スペーサー粒子、導電性スペーサー粒子及び異方性導電材料 - Google Patents

スペーサー粒子、導電性スペーサー粒子及び異方性導電材料 Download PDF

Info

Publication number
JP2013120293A
JP2013120293A JP2011268382A JP2011268382A JP2013120293A JP 2013120293 A JP2013120293 A JP 2013120293A JP 2011268382 A JP2011268382 A JP 2011268382A JP 2011268382 A JP2011268382 A JP 2011268382A JP 2013120293 A JP2013120293 A JP 2013120293A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
monomer
acrylate
mass
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2011268382A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuaki Matsumoto
和明 松本
Naoki Kobayashi
直記 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP2011268382A priority Critical patent/JP2013120293A/ja
Publication of JP2013120293A publication Critical patent/JP2013120293A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Non-Insulated Conductors (AREA)

Abstract

【課題】ギャップムラがなく安定性等のギャップ保持特性に優れるスペーサー粒子を提供する。
【解決手段】本発明のスペーサー粒子は、重合体を構成する単量体として、1分子中に2個のビニル基を有し、これらの2個のビニル基が1〜14個の原子からなる結合鎖を介して連結されている特定2官能モノマーを含有し、該特定2官能モノマーの含有量が、重合体粒子を構成する全単量体成分中15質量%以上であり、個数平均粒子径が、0.5μm〜3.0μmである重合体粒子からなることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、スペーサー粒子及び該スペーサー粒子表面に導電性金属層を形成した導電性スペーサー粒子、並びに該導電性スペーサー粒子を含有する異方性導電材料に関するものである。
従来、液晶表示装置等の表示ディスプレイ、タッチパネル等のセル間隙(又はパネル間隙)用のスペーサーや、マイクロ素子実装用の異方性導電材料等の導電性スペーサーには、粒子形状が略均一な重合体粒子が広く用いられている。
これらの用途においては、対向する2枚の基板間(又はパネル間)の間隙が均一であること、また、重合体粒子がこれらの基板との接触面に対して物理的損傷を与えないことが重要である。そのため、当該技術分野に用いられる重合体粒子は、圧縮荷重下における柔軟性、さらには、その圧縮が解除された際には元の形状にまで戻るような回復力を有することが求められている。
このような回復率の高い粒子として、例えば、特定のアクリルモノマーから構成され、圧縮変形回復率が80%以上、圧縮弾性率(20%K値)が1000〜4000mN/mm2である樹脂粒子(特許文献1(請求項4)参照);圧縮弾性率(10%K値)が10〜50kgf/mm2(98〜490N/mm2)、圧縮変形回復率30%以上である重合体微粒子(特許文献2(請求項1)参照);圧縮弾性率(10%K値)が10〜250kgf/mm2(98〜2450N/mm2)、圧縮変形回復率30%以上である重合体微粒子(特許文献3(請求項1)参照);が提案されている。
特開2010−159328号公報 特開2000−309715号公報 特開2000−319309号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載されているような重合体粒子は、回復率には優れるものの、硬度が不十分であった。このような重合体粒子をスペーサー粒子として用いた場合、ギャップムラが生じ易い傾向がある。そのため、液晶表示素子用スペーサーとして用いた場合には、表示品質が低下する。また、この重合体粒子を導電性粒子の基材に用いた場合、この導電性粒子を含む異方導電材料では、初期抵抗値が高くなるという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ギャップムラがなく、安定性等のギャップ保持特性に優れるスペーサー粒子を提供することを目的とする。また本発明は、該スペーサー粒子の表面に導電性金属層を有する導電性スペーサー粒子を提供することを目的とする。さらに本発明は、該導電性スペーサー粒子とバインダーとを含有する異方性導電材料を提供することを目的とする。
上記課題を解決することができた本発明のスペーサー粒子は、重合体を構成する単量体として、1分子中に2個のビニル基を有し、これらの2個のビニル基が1〜14個の原子からなる結合鎖を介して連結されている特定2官能モノマーを含有し、該特定2官能モノマーの含有量が、重合体粒子を構成する全単量体成分中15質量%以上であり、個数平均粒子径が、0.5μm〜3.0μmである重合体粒子からなることを特徴とする。前記特定2官能モノマーは、芳香族ジビニル、アルカンジオールジ(メタ)アクリレート及びポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートよりなる群から選択される少なくとも1種が好適である。
本発明には、前記スペーサー粒子の表面に導電性金属層を有する導電性スペーサー粒子、該導電性スペーサー粒子とバインダーとを含有する異方性導電材料も含まれる。
本発明のスペーサー粒子を液晶表示素子用面内スペーサーとして用いた場合、表示ムラが抑制され、表示品質に優れた液晶表示が可能となる。また、本発明のスペーサー粒子を、基材粒子に用いれば、初期抵抗値が低く、接続信頼性(抵抗値の安定性)に優れた導電性スペーサー粒子及び異方性導電材料が得られる。
1.スペーサー粒子
本発明のスペーサー粒子は重合体粒子からなり、前記重合体粒子が、重合体を構成する単量体として特定2官能モノマーを含有する。そして、前記特定2官能モノマーは、1分子中に2個のビニル基を有し、これらの2個のビニル基が1〜14個の原子からなる結合鎖を介して連結されている。このような特定2官能モノマーは、1分子中に2個のビニル基を有するため、架橋構造を形成することができ、且つ、2個のビニル基間の結合鎖が1〜14個の原子からなるため、架橋点間の距離を近づけることができる。よって、特定2官能モノマーを用いることで、重合体粒子の硬度を高めることができる。
前記特定2官能モノマーとしては、例えば、芳香族ジビニル、アルカンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記芳香族ジビニルとしては、o−ジビニルベンゼン〔2〕、m−ジビニルベンゼン〔3〕、p−ジビニルベンゼン〔4〕等が挙げられる。
前記アルカンジオールジ(メタ)アクリレートとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート〔6〕、トリメチレングリコールジ(メタ)アクリレート〔7〕、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート〔8〕、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート〔9〕、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート〔10〕、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート〔11〕、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート〔12〕、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート〔13〕、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート〔14〕等が挙げられる。なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」や「(メタ)アクリル」は、それぞれ「アクリレート及び/又はメタクリレート」や「アクリル及び/又はメタクリル」を示すものとする。
前記ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートとしては、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート〔9〕、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート〔12〕等が挙げられる。なお、亀甲括弧内の数値は、2個のビニル基間に存在する原子個数を示す。これらの特定2官能モノマーは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記重合体粒子は、前記特定2官能モノマーの含有量が、重合体粒子を構成する全単量体中15質量%以上であり、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上である。前記特定2官能モノマーの含有量が15質量%未満では、充分な硬度が得られない。
特に、前記特定2官能モノマーとして、2個のビニル基間に存在する原子個数が1〜6個のもの(以下、特定2官能モノマー(a)と称する場合がある。)を使用する場合、その含有量は重合体粒子を構成する全単量体中15質量%以上が好ましく、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上であり、100質量%以下が好ましく、より好ましくは90質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下である。特定2官能モノマー(a)としては、芳香族ジビニル、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましく、特にジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましい。
また、前記特定2官能モノマーとして、2個のビニル基間に存在する原子個数が7〜14個のもの(以下、特定2官能モノマー(b)と称する場合がある。)を使用する場合、その含有量は重合体粒子を構成する全単量体中35質量%以上が好ましく、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは45質量%以上であり、80質量%以下が好ましく、より好ましくは75質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下である。特定2官能モノマー(b)としては、アルカンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましく、特に、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレートが好適である。
前記特定2官能モノマーとして、特定2官能モノマー(a)と特定2官能モノマー(b)を併用する場合には、これらの質量比(特定2官能モノマー(a)/特定2官能モノマー(b))は、0.5以上が好ましく、より好ましくは0.7以上、さらに好ましくは0.8以上であり、2以下が好ましく、より好ましくは1.5以下が好ましく、1.25以下が好ましい。
また、この場合、特定2官能モノマー(a)としてジビニルベンゼンを含むことが好ましい。ジビニルベンゼンの含有量は、特定2官能モノマー(a)中、50質量%以上が好ましく、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。
前記重合体粒子は、重合体粒子を構成する単量体として、特定2官能モノマーに加えて、非架橋性単量体を含んでもよい。前記非架橋性単量体は、1分子中に1個のラジカル重合性基を有する。「ラジカル重合性基」には、炭素−炭素二重結合のみならず、(メタ)アクリロキシ基、アリル基、イソプロペニル基のような官能基と重合性炭素−炭素二重結合から構成される置換基も含まれる。
前記非架橋性単量体としては、ビニル系非架橋性単量体が挙げられる。前記ビニル系非架橋性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;シクロプロピル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロウンデシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、フェネチル(メタ)アクリレート等の芳香環含有(メタ)アクリレート類等の(メタ)アクリル系単量体;スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン等のアルキルスチレン類;p−フェニルスチレン等の芳香環含有スチレン類;o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン等のハロゲン含有スチレン類;p−ヒドロキシスチレン等のヒドロキシル基含有スチレン類;p−メトキシスチレン;等のスチレン系単量体;2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル等の水酸基含有ビニルエーテル類;2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル等の水酸基含有アリルエーテル類等が挙げられる。なお、前記非架橋性単量体として(メタ)アクリル酸を用いる場合は、部分的にアルカリ金属で中和してもよい。上述の非架橋性単量体は単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
前記非架橋性単量体としては、粒子を圧縮変位させた際の初期硬度を高く設計できることから、環状構造(脂肪族環状構造、芳香族環状構造)を有するものが好ましい。このような非架橋性単量体としては、シクロアルキル(メタ)アクリレート等の脂肪族環状構造を有するもの;スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン等のスチレン系単量体、ビニルナフタレン等の多環芳香族ビニル化合物等の芳香族環状構造を有するものが挙げられる。
また、環状構造を有する非架橋性単量体は、ラジカル重合性基(好ましくは、ビニル基、(メタ)アクリロイル基)が環状構造に直接結合しているものが好ましく、ビニル基がベンゼン環に直接結合しているもの(例えば、スチレン、メチルスチレン)がより好ましい。
さらに、これらの中でも環状構造が、ラジカル重合性基以外に炭素数2以上の置換基(例えば、炭素数が2以上のアルキル基)を有さないものが好ましい。例えば、スチレンはラジカル重合性基以外に嵩高い置換基を有していないため、得られる重合体粒子の硬度をより高めることができる。これに対して、エチルスチレンは、嵩高いエチル基を有しているため、得られる重合体粒子が軟質化する傾向がある。そのため、環状構造を有する非架橋性単量体を用いる場合、ラジカル重合性基以外に炭素数2以上の置換基を有する単量体の含有量を、重合体粒子を構成する全単量体中、70質量%以下とすることが好ましく、より好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下である。なお、市販されているジビニルベンゼンには、不純物としてエチルスチレンが含まれているため、特定2官能モノマーとしてジビニルベンゼンを使用する場合には、高純度品を使用することが好ましい。
前記環状構造を有する非架橋性単量体を使用する場合、該環状構造を有する非架橋性単量体と特定2官能モノマーとの合計含有量を、重合体粒子を構成する全単量体中、50質量%以上とすることが好ましく、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上である。
さらに、特定2官能モノマー、スチレン及びメチルスチレンの合計含有量を、重合体粒子を構成する全単量体中、50質量%以上とすることが好ましく、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上である。
特に、特定2官能モノマー及びスチレンの合計含有量を、重合体粒子を構成する全単量体中、50質量%以上とすることが好ましく、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上である。
前記特定2官能モノマー(a)と前記環状構造を有する非架橋性単量体とを併用する場合、該環状構造を有する非架橋性単量体と特定2官能モノマー(a)との合計含有量を、重合体粒子を構成する全単量体中、50質量%以上とすることが好ましく、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上である。さらに、特定2官能モノマー(a)、スチレン及びメチルスチレンの合計含有量を、重合体粒子を構成する全単量体中、50質量%以上とすることが好ましく、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上である。特に、特定2官能モノマー(a)及びスチレンの合計含有量を、重合体粒子を構成する全単量体中、50質量%以上とすることが好ましく、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上である。
この場合、特定2官能モノマー(a)と環状構造を有する非架橋性単量体との質量比(環状構造を有する非架橋性単量体/特定2官能モノマー(a))は、0超であり、2.0以下が好ましく、より好ましくは1.5以下、さらに好ましくは1.0以下である。前記質量比が上記範囲内であれば、得られる重合体粒子の初期硬度をより高めることができる。
前記特定2官能モノマー(b)と前記環状構造を有する非架橋性単量体とを併用する場合、該環状構造を有する非架橋性単量体と特定2官能モノマー(b)との合計含有量を、重合体粒子を構成する全単量体中、50質量%以上とすることが好ましく、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上である。さらに、特定2官能モノマー(b)、スチレン及びメチルスチレンの合計含有量を、重合体粒子を構成する全単量体中、50質量%以上とすることが好ましく、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上である。特に、特定2官能モノマー(b)及びスチレンの合計含有量を、重合体粒子を構成する全単量体中、50質量%以上とすることが好ましく、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上である。
この場合、特定2官能モノマー(b)と環状構造を有する非架橋性単量体との質量比(環状構造を有する非架橋性単量体/特定2官能モノマー(b))は、0.5以上が好ましく、より好ましくは0.7以上、さらに好ましくは0.8以上であり、2.5以下が好ましく、より好ましくは2以下、さらに好ましくは1.5以下である。前記質量比が上記範囲内であれば、得られる重合体粒子の初期硬度をより高めることができる。
また、前記重合体粒子は、本発明の効果を損なわない程度に、重合体粒子を構成する単量体として特定2官能モノマーに加えて特定2官能モノマー以外の架橋性単量体を含んでもよい。前記架橋性単量体は、1分子中に2個以上のラジカル重合性基を有する。
前記他の架橋性単量体としては、ビニル系架橋性単量体が挙げられる。前記ビニル系架橋性単量体としては、例えば、1,15−ペンタデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,16−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールジ(メタ)アクリレート;デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート類;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリレート類;ポリブタジエン、ポリイソプレン不飽和ポリエステル等が挙げられる。これらの架橋性単量体は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
この場合、3官能以上の架橋性単量体の含有量は、重合体粒子を構成する全単量体中、50質量%以下とすることが好ましく、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下であり、0質量%でもよい。3官能以上の架橋性単量体の含有量を上記範囲内とすることで、10%K値の増大を抑制できる。
また、特定2官能モノマー以外の2官能の架橋性単量体の含有量は、重合体粒子を構成する全単量体中、50質量%以下とすることが好ましく、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。特定2官能モノマー以外の2官能の架橋性単量体の含有量を上記範囲内とすることで、得られる重合体粒子の軟質化を抑制できる。
前記重合体粒子は、ビニル系単量体(特定2官能モノマー、ビニル系非架橋性単量体、ビニル系架橋性単量体)を含む単量体組成物を、重合(ラジカル重合)することによって形成できるビニル系重合体粒子が好ましい。ビニル系重合体粒子は、加圧(接続)時の弾性変形に優れる。ビニル系重合体粒子は、ビニル系単量体の含有量が、重合体粒子を構成する全単量体中、50質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。ビニル系重合体粒子は、ビニル系単量体のみから構成されることも好ましい。
前記重合体粒子を構成する単量体の組合せとしては、(I)特定2官能モノマーのみからなる態様;(II)特定2官能モノマーと環状構造を有する非架橋性単量体とを併用する態様;(III)特定2官能モノマーとそれ以外の架橋性単量体とを併用する態様;(IV)特定2官能モノマー、それ以外の架橋性単量体及び環状構造を有する非架橋性単量体を併用する態様;が挙げられる。
具体的な組合せとしては、例えば、(1)特定2官能モノマーとして特定2官能モノマー(a)のみを含有し、特定2官能モノマー(a)としてジビニルベンゼン及び/又はエチレングリコールジ(メタ)アクリレートを含み、環状構造を有する非架橋性モノマーとしてスチレンを含む組合せ(重合体粒子を構成する全単量体中、ジビニルベンゼン及び/又はエチレングリコールジ(メタ)アクリレートの含有量が15質量%以上であり、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びスチレンの合計含有量が50質量%以上であるのが好ましい。);(2)特定2官能モノマーとして特定2官能モノマー(b)のみを含有し、特定2官能モノマー(b)としてアルカンジオールジ(メタ)アクリレート及び/又はポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートを含み、環状構造を有する非架橋性モノマーとしてスチレンを含む組合せ(重合体粒子を構成する全単量体中、アルカンジオールジ(メタ)アクリレート及び/又はポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートの含有量が35質量%以上80質量%以下であり、アルカンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートジビニルベンゼン及びスチレンの合計含有量が50質量%以上であるのが好ましい。);(3)特定2官能モノマーとして、特定2官能モノマー(a)と特定2官能モノマー(b)を含む組合せ(重合体微粒子を構成する全単量体中、特定2官能モノマー(a)の含有量が15質量%以上、特定2官能モノマー(b)の含有量が35質量%以上であるのが好ましい);が挙げられる。なお、これらの態様においては、重合体粒子を構成する全単量体中、3官能以上の架橋性単量体の含有量は30質量%以下が好ましい。
前記重合体粒子は、個数平均粒子径が、3.0μm以下であり、好ましくは2.8μm以下、より好ましくは2.7μm以下、さらに好ましくは2.6μm以下、一層好ましくは2.5μm以下であり、0.5μm以上が好ましく、より好ましくは1.0μm以上である。個数平均粒子径が上記範囲であれば、該スペーサー粒子を芯材とする導電性スペーサー粒子は、異方性導電接続材料に用いたときに分散性に優れ、且つ、従来品に比べて電極間距離が狭小である電極間の接続材料に用いても、接続抵抗値が低く接続信頼性に優れる接続構造体が得られる。
前記重合体粒子の10%圧縮荷重は、0.588mN(0.06gf)以上が好ましく、より好ましくは0.686mN(0.07gf)以上、さらに好ましくは0.784mN(0.08gf)以上であり、1.960mN(0.2gf)以下が好ましく、より好ましくは1.764mN(0.18gf)以下、さらに好ましくは1.568mN(0.16gf)以下である。10%圧縮荷重が上記範囲内であれば、ガラス基板を傷つけることなく適切なギャップを保持することが可能となる。
前記重合体粒子は、10%圧縮変形させた際の圧縮弾性率が3000N/mm2以上が好ましく、より好ましくは5000N/mm2以上、さらに好ましくは10000N/mm2以上、一層好ましくは19600N/mm2超、より一層好ましくは20000N/mm2以上であり、70000N/mm2以下が好ましく、より好ましくは50000N/mm2以下、さらに好ましくは40000N/mm2以下である。
すなわち、圧縮変形させる際における、変形初期の圧縮弾性率が高いことが好ましい。導電性スペーサー粒子の芯材に用いた場合、重合体粒子が変形初期において高い圧縮弾性率を有していれば、加圧接続時に、導電性スペーサー粒子と被着体との間に存在するバインダー樹脂を排除しやすくなる。よって、接続抵抗値をより低くすることができる。
なお、重合体粒子の圧縮弾性率は、重合体粒子を圧縮変形させる際の圧縮荷重、圧縮変位、及び粒子径に基づいて下記式により求めることができる。なお、変位量10%における圧縮弾性率(K値)を、10%K値と称する。
[式中、K:圧縮弾性率(N/mm2)、F:圧縮荷重(N)、S:圧縮変位(mm)、R:粒子半径(mm)を表す。]
前記重合体粒子の回復率は、10%以上が好ましく、より好ましくは15%以上、さらに好ましくは20%以上であり、70%以下が好ましく、より好ましくは60%以下、さらに好ましくは50%以下である。前記回復率が10%以上であれば、液晶パネルの耐久性試験においても、経時的なギャップムラを抑制することが可能となり、70%以下であれば、適度な変形を維持したままギャップを保持することが可能となる。なお、回復率の測定方法は後述する。
前記重合体粒子の製造方法としては、乳化重合、懸濁重合、分散重合、シード重合等が採用できるが、シード重合は粒度分布を小さくすることができるため好ましい。また、乳化重合、懸濁重合、分散重合を採用する場合には、湿式分級等により、重合体粒子の粒度分布を小さくすることができる。
本発明のスペーサー粒子は、適度な硬度を有し、且つ、高い回復率を有するため、液晶表示装置等の表示ディスプレイ、タッチパネル等のセル間隙(又はパネル間隙)用のスペーサー;マイクロ素子実装用の異方性導電材料に使用される導電性スペーサー粒子の芯材;等に有用である。
2.導電性スペーサー粒子
本発明の導電性スペーサー粒子は、上記スペーサー粒子(重合体粒子)の表面を被覆する導電性金属層を有するものである。したがって、本発明の導電性スペーサー粒子は、上述のスペーサー粒子の特性を備えたものである。本発明の導電性スペーサー粒子は、回復率に優れており、液晶表示素子用導通材料として用いれば、液晶パネル間の間隔を均一に維持できるため、液晶のムラの発生が抑制できる。また、本発明の導電性スペーサー粒子は、半導体や回路の異方導電接続用として用いれば、十分な硬度を有するため、導電性スペーサー粒子と被着体との間に存在するバインダー樹脂を排除しやすくなり、接続抵抗値をより低くすることができるとともに、回復率に優れるために接続信頼性に優れた異方導電接続が可能となる。
上記導電性金属層を構成する金属としては特に限定されないが、例えば、金、銀、銅、白金、鉄、鉛、アルミニウム、クロム、パラジウム、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、スズ、コバルト、インジウム及びニッケル−リン、ニッケル−ホウ素等の金属や金属化合物、及び、これらの合金等が挙げられる。これらの中でも、金、ニッケル、パラジウム、銀、銅、スズが導電性に優れており好ましい。また、安価な点で、ニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金、銀、銀合金、スズ、スズ合金が好ましく、中でもニッケル、ニッケル合金(Ni−P、Ni−B、Ni−Zn、Ni−Sn、Ni−W、Ni−Co、Ni−Ti)等が好ましい。また、導電性金属層は、単層でもよいし複層であってもよく、複層の場合には、例えば、ニッケル/金、ニッケル/パラジウム、ニッケル/パラジウム/金、ニッケル/銀等の組合せが好ましく挙げられる。
上記導電性金属層の厚さは、0.01μm以上が好ましく、より好ましくは0.03μm以上であり、0.20μm以下が好ましく、より好ましくは0.15μm以下である。導電性金属層の厚さが上記範囲内であれば、導電性スペーサー粒子を異方性導電材料として用いる際に、安定した電気的接続が維持でき、かつ、重合体粒子の機械的特性を十分に生かすことができる。
本発明の導電性スペーサー粒子は、導電性金属層の表面に、さらに絶縁性樹脂層を有するものであってもよい。上記絶縁性樹脂層としては、導電性スペーサー粒子の粒子間における絶縁性が確保でき、一定の圧力及び/又は加熱により容易にその絶縁性樹脂層が崩壊あるいは剥離するものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレン等のポリオレフィン類;ポリメチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート重合体及び共重合体;ポリスチレン;等の熱可塑性樹脂や特にその架橋物;エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂及びこれらの混合物等が挙げられる。
上記絶縁性樹脂層は、単層であっても、複数の層からなるものであってもよい。例えば、単一又は複数の皮膜状の層;絶縁性を有する粒状、球状、塊状、鱗片状その他の形状の粒子を導電性スペーサー粒子の表面に付着した層;さらに、導電性スペーサー粒子の表面を化学修飾することにより形成された層;であってもよい。上記樹脂絶縁層の厚さは0.01μm〜1μmが好ましく、より好ましくは0.1μm〜0.5μmである。樹脂絶縁層の厚さが前記範囲内であれば、導電性スペーサー粒子による導通特性を良好に維持しつつ、粒子間の電気絶縁性が良好となる。
本発明の導電性スペーサー粒子の個数平均粒子径は、1.1μm以上が好ましく、より好ましくは1.2μm以上、さらに好ましくは1.3μm以上、特に好ましくは1.4μm以上であり、3.5μm以下が好ましく、より好ましくは3.3μm以下、さらに好ましくは3.0μm以下、一層好ましくは2.8μm以下、特に好ましくは2.7μm以下である。個数平均粒子径がこの範囲内であれば、電極間距離が狭小な電極間の異方導電接続に用いても、低抵抗であり、しかも抵抗安定性に優れた導電性スペーサー粒子となる。
2−1.導電性スペーサー粒子の製造方法
本発明の導電性スペーサー粒子は、上記スペーサー粒子(重合体粒子)の表面に導電性金属層を形成することにより得られる。スペーサー粒子表面に導電性金属層を被覆する方法は特に限定されず、例えば、無電解めっき、置換めっき等めっきによる方法;金属微粉を単独、又は、バインダーに混ぜ合わせて得られるペーストを重合体粒子にコーティングする方法;真空蒸着、イオンプレーティング、イオンスパッタリング等の物理的蒸着方法が挙げられる。これらの中でも、無電解めっき法は、大掛かりな装置を必要とせず、容易に導電性金属層を形成できるため好ましい。
本発明の導電性スペーサー粒子が絶縁性樹脂層を有するものである場合、上記無電解めっき工程の後に、導電性金属層の表面に樹脂等による絶縁処理を行う。絶縁性樹脂層を形成する方法としては特に限定されず、例えば、無電解めっき処理後の導電性スペーサー粒子の存在下で、絶縁性樹脂層の原料の界面重合、懸濁重合、乳化重合を行い、絶縁性樹脂により導電性スペーサー粒子をマイクロカプセル化する方法;絶縁性樹脂を有機溶媒に溶解した絶縁性樹脂溶液中に導電性スペーサー粒子を分散させた後、乾燥させるディッピング法;スプレードライ法、ハイブリダイゼーションによる方法等、従来公知の方法はいずれも用いることができる。
3.異方性導電材料
本発明の導電性スペーサー粒子は、LCD用の液晶表示セル間の電極間接続、半導体実装回路の電極間接続、タッチパネル用等に用いられる異方性導電材料の構成材料である導電性微粒子として好適であり、本発明の導電性スペーサー粒子を用いてなる異方性導電材料もまた、本発明の好ましい実施態様の1つである。上記異方性導電材料は、本発明の導電性スペーサー粒子を用いてなるものであればその形態は特に限定されず、例えば、異方性導電フィルム、異方性導電ペースト、異方性導電接着剤、異方性導電インク等、様々な形態が挙げられる。すなわち、これらの異方性導電材料を相対向する基材同士や電極端子間に設けることで、電気的に接続することができる。
上記異方性導電材料は、絶縁性のバインダー樹脂中に、本発明の導電性スペーサー粒子を分散させ、所望の形態とすることで製造されるが、もちろん、絶縁性のバインダー樹脂と導電性スペーサー粒子とを別々に使用して、基材間あるいは電極端子間を接続してもかまわない。上記バインダー樹脂としては、特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合体等の熱可塑性樹脂;グリシジル基を有するモノマーやオリゴマー及びイソシアネート等の硬化剤との反応により硬化する硬化性樹脂組成物や、光や熱により硬化する硬化性樹脂組成物等が挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、前・後記の趣旨に適合しうる範囲で適宜変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、以下においては、特に断らない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。
1.評価方法
1−1.平均粒子径
<シード粒子、重合体粒子>
粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製、「コールターマルチサイザーIII型」)により30000個の粒子の粒子径を測定し、個数基準の平均粒子径、粒子径の標準偏差を求めるとともに、下記式に従って粒子径の個数基準のCV値(変動係数)を算出した。
粒子の変動係数(%)=100×(粒子径の標準偏差/個数基準平均粒子径)
<導電性スペーサー粒子>
フロー式粒子像解析装置(シスメックス社製、「FPIA(登録商標)−3000」)を用いて、導電性微粒子3000個の粒子径(μm)を測定し、個数平均粒子径を求めた。
1−2.10%K値
微小圧縮試験機(島津製作所社製、「MCT−W500」)を用いて、室温(25℃)において、試料台(材質:SKS材平板)上に散布した粒子1個について、直径50μmの円形平板圧子(材質:ダイヤモンド)を用いて、粒子の中心方向へ一定の負荷速度(2.23mN/秒)で荷重をかけた。そして、圧縮変位が粒子径の10%となったときの荷重を測定した。なお、測定は各試料について、異なる10個の粒子に対して行い、平均した値を測定値とした。測定した圧縮荷重、粒子の圧縮変位及び粒子径から、K値を算出した。
1−3.回復率
微小圧縮試験機(島津製作所社製、「MCT−W500」)を用いて、室温(25℃)において、試料台(材質:SKS材平板)上に散布した粒子1個について、直径50μmの円形平板圧子(材質:ダイヤモンド)を用い、「軟質表面検出」モードで、粒子の中心方向へ一定の負荷速度(0.4462mN/秒)で最大荷重(2.452mN)まで圧縮し、そのときの変位量(μm)を測定し、これを最大変位量L1とした。
次いで、一定の除負荷速度(0.4462mN/秒)で最小荷重(0.049mN)まで荷重を減らしていったときの最大荷重から最小荷重までの間の変位量(μm)を測定し、これを回復変位量L2とした。なお、測定は各試料について、異なる10個の粒子に対して行い、平均した値を測定値とした。
圧縮変形回復率(%)=(L2/L1)×100
1−4.接続信頼性
異方性導電フィルムを、抵抗測定用の線を有した全面アルミ蒸着ガラス基板と、20μmピッチに銅パターンを形成したポリイミドフィルム基板との間に挟みこみ、2MPa、190℃の圧着条件で熱圧着し、試験片を作製した。
そして、試験片の電極間の初期抵抗値Aを測定した。さらに、得られた試験片を85℃、85%RHの雰囲気下に500時間放置した後、上記初期抵抗値Aと同様に抵抗値Bを測定した。下記式に基づき算出した抵抗値上昇率(%)が2%以下の場合を「○」、2%を超える場合を「×」、と評価した。
抵抗値上昇率(%)=[(B−A)/A]×100
1−5.圧痕形成
導電性接着ペースト0.1mgを、アルミニウム電極が形成された2枚のガラス基板で挟み、2MPa、190℃で熱圧着を行い、試験片(導電性接着剤硬化物からなる異方導電シートが電極間に挟まれた構造の接続構造体)を得た。
試験片において、異方導電シートが接触した側の電極表面を金属顕微鏡(倍率:1000倍)で観察し、圧痕の有無を評価した。圧痕が確認されたものを「○」、圧痕が確認されなかったものを「×」と評価した。
2.スペーサー粒子(重合体粒子)の製造
製造例1
乳化剤としてポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬社製:「ハイテノール(登録商標)NF−08」)の20%水溶液10部をイオン交換水300部で溶解した溶液に、1,9−ノナンジオールジメタクリレート50部とスチレン50部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製:「V−65」)2.0部を溶解した溶液を加え、乳化分散させて単量体成分の乳化液を調製した。得られた乳化液を、冷却管、温度計、滴下口を備えた四つ口フラスコに入れ、イオン交換水500部を加えて希釈し、窒素雰囲気下で反応液を65℃まで昇温させて、65℃で2時間保持し、単量体成分のラジカル重合を行った。ラジカル重合後の乳濁液を固液分離し、得られたケーキをイオン交換水、メタノールで洗浄した後、湿式分級を繰り返し、120℃で2時間真空乾燥させて重合体粒子No.1を得た。
製造例2
単量体成分について、1,9−ノナンジオールジメタクリレート50部とスチレン50部を、1,9−ノナンジオールジメタクリレート100部に変更したこと以外は製造例1と同様にして、重合体粒子No.2を得た。
製造例3
単量体成分について、1,9−ノナンジオールジメタクリレート50部とスチレン50部を、DVB960(新日鐡化学社製、ジビニルベンゼン含量96質量%)100部に変更したこと以外は製造例1と同様にして、重合体粒子No.3を得た。
製造例4
単量体成分について、1,9−ノナンジオールジメタクリレート50部とスチレン50部を、DVB570(新日鐡化学社製、ジビニルベンゼン含量57質量%)100部に変更したこと以外は製造例1と同様にして、重合体粒子No.4を得た。
製造例5
単量体成分について、1,9−ノナンジオールジメタクリレート50部とスチレン50部を、トリメチロールプロパントリアクリレート25部、DVB960(新日鐡化学社製、ジビニルベンゼン含量96質量%)75部に変更したこと以外は製造例1と同様にして、重合体粒子No.5を得た。
製造例6
単量体成分について、1,9−ノナンジオールジメタクリレート50部とスチレン50部を、トリメチロールプロパントリアクリレート75部、DVB960(新日鐵化学社製、ジビニルベンゼン含量96質量%)25部に変更したこと以外は製造例1と同様にして、重合体粒子No.6を得た。
製造例7
単量体成分について、1,9−ノナンジオールジメタクリレート50部とスチレン50部を、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート50部、DVB960(新日鐡化学社製、ジビニルベンゼン含量96質量%)50部に変更したこと以外は製造例1と同様にして、重合体粒子No.7を得た。
製造例8
単量体成分について、1,9−ノナンジオールジメタクリレート50部とスチレン50部を、エチレングリコールジメタクリレート40部、スチレン40部、t−ブチルメタクリレート20部に変更したこと以外は製造例1と同様にして、重合体粒子No.8を得た。
製造例9
メチルメタクリレート(MMA)90部、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)10部からなる単量体混合物を懸濁重合させた後、分級して重合体粒子No.9を得た。
製造例10
メチルメタクリレート95部、エチレングリコールジメタクリレート5部からなる単量体混合物を懸濁重合させた後、分級して重合体粒子No.10を得た。
3.導電性スペーサー粒子の製造
重合体粒子No.1〜10に水酸化ナトリウムによるエッチング処理を行った後、二塩化スズ溶液によるセンシタイジングを行った。さらに二塩化パラジウム溶液によるアクチベーティングを行い、パラジウム核を形成させた。次いで、パラジウム核を形成させた重合体粒子2部をイオン交換水400部に添加し、超音波分散処理を行った後、得られた樹脂粒子懸濁液を70℃の温浴で加温した。懸濁液を加温した状態で、別途70℃に加温した無電解メッキ液(日本カニゼン社製、「シューマー(登録商標) S680」)600部を加えることにより、無電解ニッケルメッキ反応を生じさせた。水素ガスの発生が終了したことを確認した後、固液分離を行い、イオン交換水、メタノールの順で洗浄し、100℃で2時間真空乾燥して、ニッケルメッキを施した粒子を得た。
次いで、得られたニッケルメッキ粒子を、シアン化金カリウムを含有する置換金メッキ液に加え、ニッケル層表面にさらに金メッキを施すことにより、導電性スペーサー粒子を得た。得られた導電性スペーサー粒子における導電性金属層の膜厚は表1に示すとおりであった。
4.異方性導電材料の製造
導電性スペーサー粒子1部に、バインダー樹脂としてのエポキシ樹脂(三菱化学社製、「JER828」)100部、硬化剤(三新化学社製、「サンエイド(登録商標) SI−150」)2部及びトルエン100部を加えた。さらにφ1mmのジルコニアビーズ50部を加えて、ステンレス鋼製の2枚攪拌羽根を用いて300rpmで10分間攪拌して分散させ、導電性接着ペーストを作製した。
得られたペーストを、剥離処理を施したPETフィルム上に、バーコーターにて塗布し乾燥させることにより異方性導電フィルムを得た。
上記で得た重合体粒子No.1〜10について、平均粒子径、圧縮変形特性の評価結果を表1に示した。また、上記で得た導電性スペーサー粒子を含有する異方性導電材料についての評価結果を表1に併せて示した。
重合体を構成する単量体として特定2官能モノマーを15質量%以上含有するスペーサー粒子(重合体粒子)No.1〜8は、いずれも回復率に優れ、且つ、高い硬度を有する。これらのスペーサー粒子No.1〜8を芯材とする導電性スペーサー粒子No.1〜8を用いた場合、得られる接続構造体は接続信頼性に優れていた。
一方、重合体を構成する単量体として特定2官能モノマーを含まないスペーサー粒子(重合体粒子)No.9、10は、いずれも回復率に劣る。これらのスペーサー粒子No.9、10を芯材とする導電性スペーサー粒子No.9、10を用いた場合、得られる接続構造体は接続信頼性に劣っていた。
本発明のスペーサー粒子は、回復率に優れ、且つ、高い硬度を有するものである。よって、本発明のスペーサー粒子を用いれば、ギャップの狭い液晶パネルが作製可能であり、例えばTN液晶モードでは応答速度を高めることが可能となる。また、本発明のスペーサー粒子は、導電性スペーサーの芯材として有用であり、該導電性スペーサー粒子は異方性導電フィルム、異方性導電ペースト等の異方性導電材料に好適に用いられる。

Claims (4)

  1. 重合体を構成する単量体として、1分子中に2個のビニル基を有し、これらの2個のビニル基が1〜14個の原子からなる結合鎖を介して連結されている特定2官能モノマーを含有し、該特定2官能モノマーの含有量が、重合体粒子を構成する全単量体成分中15質量%以上であり、
    個数平均粒子径が、0.5μm〜3.0μmである重合体粒子からなることを特徴とするスペーサー粒子。
  2. 前記特定2官能モノマーが、芳香族ジビニル、アルカンジオールジ(メタ)アクリレート及びポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートよりなる群から選択される少なくとも1種である請求項1に記載のスペーサー粒子。
  3. 請求項1又は2に記載のスペーサー粒子の表面に導電性金属層を有することを特徴とする導電性スペーサー粒子。
  4. 請求項3に記載の導電性スペーサー粒子とバインダーとを含有することを特徴とする異方性導電材料。
JP2011268382A 2011-12-07 2011-12-07 スペーサー粒子、導電性スペーサー粒子及び異方性導電材料 Pending JP2013120293A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011268382A JP2013120293A (ja) 2011-12-07 2011-12-07 スペーサー粒子、導電性スペーサー粒子及び異方性導電材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011268382A JP2013120293A (ja) 2011-12-07 2011-12-07 スペーサー粒子、導電性スペーサー粒子及び異方性導電材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013120293A true JP2013120293A (ja) 2013-06-17

Family

ID=48772946

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011268382A Pending JP2013120293A (ja) 2011-12-07 2011-12-07 スペーサー粒子、導電性スペーサー粒子及び異方性導電材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013120293A (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010032854A1 (ja) * 2008-09-19 2010-03-25 株式会社日本触媒 導電性微粒子およびこれを用いた異方性導電材料
JP2011153198A (ja) * 2010-01-26 2011-08-11 Nippon Shokubai Co Ltd 重合体微粒子及びその用途

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010032854A1 (ja) * 2008-09-19 2010-03-25 株式会社日本触媒 導電性微粒子およびこれを用いた異方性導電材料
KR20110053459A (ko) * 2008-09-19 2011-05-23 니폰 쇼쿠바이 컴파니 리미티드 도전성 미립자 및 그것을 사용한 이방성 도전재료
CN102160125A (zh) * 2008-09-19 2011-08-17 株式会社日本触媒 导电性微粒以及使用了该导电性微粒的各向异性导电材料
JP2011153198A (ja) * 2010-01-26 2011-08-11 Nippon Shokubai Co Ltd 重合体微粒子及びその用途

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5245011B2 (ja) 重合体微粒子、導電性微粒子および異方性導電材料
JP5140209B2 (ja) 導電性微粒子、樹脂粒子及びそれを用いた異方性導電材料
JP5583647B2 (ja) 導電性微粒子及びそれを用いた異方性導電材料
JP5902456B2 (ja) 重合体粒子、導電性粒子及び異方性導電材料
JP5583712B2 (ja) 導電性微粒子及びそれを用いた異方性導電材料
JP2014192051A (ja) 導電性微粒子及びそれを用いた異方性導電材料
JP5998048B2 (ja) 導電性微粒子及びそれを用いた異方性導電材料
JP6002026B2 (ja) 導電性微粒子及びそれを用いた異方性導電材料
JP2001216841A (ja) 導電性微粒子及び導電接続構造体
JP5998032B2 (ja) 導電性微粒子及びそれを用いた異方性導電材料
JP5956906B2 (ja) 導電性微粒子及びそれを用いた異方性導電材料
JP5856379B2 (ja) 導電性微粒子及びそれを用いた異方性導電材料
JP6014438B2 (ja) 導電性微粒子及びそれを用いた異方性導電材料
JP2014207193A (ja) 導電性微粒子及びそれを用いた異方性導電材料
JP5583714B2 (ja) 導電性微粒子及びそれを用いた異方性導電材料
JP5998018B2 (ja) 導電性微粒子及びそれを用いた異方性導電材料
JP5583654B2 (ja) 導電性微粒子及びそれを用いた異方性導電材料
JP2013120293A (ja) スペーサー粒子、導電性スペーサー粒子及び異方性導電材料
JP6719859B2 (ja) 重合体微粒子、導電性微粒子および異方性導電材料
JP6397552B2 (ja) 導電性微粒子及びそれを用いた異方性導電材料
JP5581291B2 (ja) 導電性微粒子
JP6446514B2 (ja) 導電性微粒子及びそれを用いた異方性導電材料
JP5670133B2 (ja) 樹脂粒子およびこれを用いた絶縁化導電性粒子並びに異方性導電材料
JP2020193239A (ja) 導電性微粒子用の樹脂粒子
JP2001216840A (ja) 導電性微粒子及び導電接続構造体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140704

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150325

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150428

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150629

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160105