JP2013120243A - 光ファイバ及び光ファイバ伝送システム - Google Patents

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Abstract

【課題】信号の復元に必要なデジタル処理の負荷を低減できる多モード光ファイバ、及びこれを用いた光ファイバ伝送システムを提供することを目的とする。
【解決手段】光ファイバ伝送システム301は、多モード光ファイバ10と、入力されるデータ信号で変調した信号光を多モード光ファイバ10に出力する光送信機11と、多モード光ファイバ10が伝搬する信号光を受光し、受信信号を出力する光受信機14と、タップの遅延量とタップ係数を調整して光受信機14の受信信号から光送信機11に入力されたデータ信号を復元するFIRフィルタ15と、を備える。多モード光ファイバ10は、中心軸から外側に向けて屈折率が階段状に小さくなるコア50と、コア50の外側にあり、屈折率がコア50のいずれの屈折率よりも小さいクラッド54と、コア50とクラッド54との間にあり、屈折率がクラッド54の屈折率以下の低屈折率層53と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、通信容量を拡大できる多モード光ファイバ、及びこれを用いた光伝送システム技術に関する。
光ファイバ通信システムでは、光ファイバ中で発生する非線形効果やファイバヒューズが問題となり、伝送の大容量化が制限されている。これらの制限を緩和するためには、光ファイバに導波する光の密度を低減する必要があり大コアファイバが検討されている(例えば、非特許文献1、2を参照。)。
しかし、曲げ損失低減、単一モード動作領域の拡大、実効断面積の拡大は互いにトレードオフの関係にあり、所定の条件下における実効断面積の拡大量には限界があるという課題があった。
そこで、無線における大容量化技術であるMulti−input multi−output(MIMO)技術を光ファイバ伝送に適用する試みが行われている(例えば、非特許文献3、4を参照。)。
光MIMO技術は伝送媒体として多モード光ファイバを用いることにより伝送容量を拡大できるとともに、先に述べた大コア光ファイバにおける制限要因である単一モード動作条件が不要になるため、さらなる大コア化が可能であることも特徴である。
T.Matsui, et al.,"Applicability of Photonic Crystal Fiber With Uniform Air−Hole Structure to High−Speed and Wide−Band Transmission Over Conventional Telecommunication Bands," J.Lightwave Technol.27, 5410−5416, 2009. K.Mukasa, K.Imamura, R.Sugizaki and T.Yagi,"Comparisons of merits on wide−band transmission systems between using extremely improved solid SMFs with Aeff of 160 μm2 and loss of 0.175dB/km and using large−Aeff holey fibers enabling transmission over 600nm bandwidth", the Proceedings of OFC2008,OThR1,Feb.2008. Akhil R.Shah, Rick C.J.Hsu, Alireza Tarighat, Ali H.Sayed, and Bahram Jalali, "Coherent Optical MIMO (COMIMO)", J.Lightwave Technol. 23, 2410−2419 (2005) B.C.Thomsen,"MIMO Enabled 40 Gb/s Transmission Using Mode Division Multiplexing in Multimode Fiber",in Optical Fiber Communication Conference, OSA Technical Digest (CD) (Optical Society of America, 2010), paper OThM6. M.Taylor,"Coherent Detection for Fiber Optic Communications Using Digital Signal Processing",in Optical Amplifiers and Their Applications/Coherent Optical Technologies and Applications, Technical Digest (CD) (Optical Society of America, 2006), paper CThB1. Y.Katsuyama, M.Tokuda, N.Uchida,and M.Nakahara,"New method for measuring V−value of a single−mode optical fiber",Electron. Lett.,vol.12,pp.669−670,Dec.1976. X.Zhao, F.S.Choa,"Demonstration of 10−Gb/s transmissions over a 1.5−km−long multimode fiber using equalization techniques",IEEE Photonics Technology Letters, vol.14, pp.1187−1189, 2002
しかしながら、光MIMOを用いた光ファイバ伝送では、モード間の群遅延差が大きくなると、信号の復元に必要なデジタル処理の計算量が増えてしまうという課題があった。
本発明は、前記の課題に鑑みてなされたものであり、信号の復元に必要なデジタル処理の負荷を低減できる多モード光ファイバ、及びこれを用いた光ファイバ伝送システムを提供することを目的とする。
本発明では、屈折率が階段型プロファイルを有する光ファイバで伝搬モード間の群遅延差を低減することとし、この光ファイバを備えることで光ファイバ伝送システムのデジタル処理の負荷を低減することとした。
具体的には、本発明に係る多モード光ファイバは、中心軸から外側に向けて屈折率が階段状に小さくなるコアと、前記コアの外側にあり、屈折率が前記コアのいずれの屈折率よりも小さいクラッドと、前記コアと前記クラッドとの間にあり、屈折率が前記クラッドの屈折率以下の低屈折率層と、を有する。
本発明に係る多モード光ファイバは、階段型プロファイルを有するコアと、コアの外側に低屈折率層を有しており、光の伝搬モードの群遅延差を低減できる。すなわち、光MIMOを用いた光伝送システムにおいて当該多モード光ファイバを用いることでデジタル信号処理の負荷を低減できることができる。従って、本発明は、信号の復元に必要なデジタル処理の負荷を低減できる多モード光ファイバを提供することができる。
本発明に係る多モード光ファイバの前記コアは、中心軸側の第一コア及び前記第一コアの外側にある第二コアからなり、前記第一コアは、外周半径がa、前記低屈折率層に対する比屈折率がΔであり、前記第二コアは、外周半径がa、前記低屈折率層に対する比屈折率がΔであり、前記低屈折率層は、外周半径がaであり、前記クラッドは、前記低屈折率層に対する比屈折率がΔであり、a=4μm、a=20μm、Δ=0.46%、Δ=0%のときに、a=7.5〜10μm且つΔ=0.3〜0.36%であることを特徴とする。当該多モード光ファイバは、信号の復元に必要なデジタル処理の負荷の低減効果を高めることができる。
具体的には、本発明に係る光ファイバ伝送システムは、前記多モード光ファイバと、入力されるデータ信号で変調した信号光を前記多モード光ファイバに出力する光送信機と、
前記多モード光ファイバが伝搬する前記信号光を受光し、受信信号を出力する光受信機と、タップの遅延量とタップ係数を調整して前記光受信機の前記受信信号から前記光送信機に入力された前記データ信号を復元するFIR(Finite Impulse Responce)フィルタと、を備える。
本発明に係る光ファイバ伝送システムは、前記多モード光ファイバを備えており、受信時のデジタル信号処理の負荷を低減できる。従って、本発明は、信号の復元に必要なデジタル処理の負荷を低減できる光ファイバ伝送システムを提供することができる。
本発明に係る光ファイバ伝送システムは、N台の前記光送信機からの前記信号光を合波して前記多モード光ファイバに結合する合波器と、前記多モード光ファイバが伝搬する前記信号光を分岐してそれぞれM台の前記光受信機に結合する分岐器と、をさらに備え、前記FIRフィルタはN台あり、M台の前記光受信機からの前記受信信号を用いて前記光送信機に入力されたそれぞれの前記データ信号を復元するN入力M出力の光MIMO伝送を実現することを特徴とする。
本発明に係る光ファイバ伝送システムは、光MIMOを用いた光ファイバ伝送において、受信時のデジタル信号処理の負荷を低減できる。
本発明によれば、信号の復元に必要なデジタル処理の負荷を低減できる多モード光ファイバ、及びこれを用いた光ファイバ伝送システムを提供することができる。
本発明に係る光ファイバ伝送システムを説明する図である。 FIRフィルタの構成を説明する図である。 FIRフィルタのタップ係数更新手順を説明する図である。 データ部及びトレーニングシンボルの配置を説明する図である。 ステップインデックス型光ファイバの屈折率分布を説明する図である。 ステップインデックス型光ファイバの群遅延差特性を説明する図である。 グレーデッドインデックス型光ファイバの屈折率分布を説明する図である。 グレーデッドインデックス型光ファイバの群遅延差特性を説明する図である。 本発明に係る多モード光ファイバの屈折率分布を説明する図である。 本発明に係る多モード光ファイバの比屈折率Δを変化させた場合の群遅延差特性を説明する図である。 本発明に係る多モード光ファイバの比屈折率Δを変化させた場合の群遅延差特性を説明する図である。 本発明に係る多モード光ファイバの縮小拡大比rを変化させた場合の群遅延差特性を説明する図である。 本発明に係る多モード光ファイバの2モード領域における群遅延差特性を説明する図である。 本発明に係る多モード光ファイバの比屈折率Δを変化させた場合の群遅延差特性を説明する図である。 本発明に係る光ファイバ伝送システムにおいてMIMOの利用を想定した2モード光ファイバの群遅延差特性の一例を示す図である。 本発明に係る光ファイバ伝送システムにおいてMIMOを利用しない場合の2モード光ファイバの群遅延差特性の一例を示す図である。 本発明に係る多モード光ファイバの4モード領域における群遅延差特性を説明する図である。 本発明に係る光ファイバ伝送システムにおいてMIMOの利用を想定した4モード光ファイバの群遅延差特性の一例を示す図である。 本発明に係る光ファイバ伝送システムにおいてMIMOを利用しない場合の4モード光ファイバの群遅延差特性の一例を示す図である。 本発明に係る多モード光ファイバを説明する断面図である。
添付の図面を参照して本願発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は、本願発明の実施の例であり、本願発明は以下の実施形態に制限されるものではない。
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係る光ファイバ伝送システム301の構成を説明する概略図である。光ファイバ伝送システム301は、多モード光ファイバ10と、入力されるデータ信号で変調した信号光を多モード光ファイバ10に出力する光送信機11と、多モード光ファイバ10が伝搬する信号光を受光し、受信信号を出力する光受信機14と、タップの遅延量とタップ係数を調整して光受信機14の受信信号から光送信機11に入力されたデータ信号を復元するFIRフィルタ15と、を備える。
光ファイバ伝送システム301は、N台の光送信機11からの信号光を合波して多モード光ファイバ10に結合する合波器12と、多モード光ファイバ10が伝搬する信号光を分岐してそれぞれM台の光受信機14に結合する分岐器13と、をさらに備え、FIRフィルタ15はN台あり、M台の光受信機14からの受信信号を用いて光送信機11に入力されたそれぞれのデータ信号を復元するN入力M出力の光MIMO伝送を実現する。
N個の光送信機11から発せられるN種の信号は、合波器12において合波される。合波された信号光は多モード光ファイバ10中に入射され、出射側に設置された分岐器13においてMポートに分岐される。分岐されたM種の信号はM個の光受信機14で受信され、後段に設置されたFIRフィルタ15において光ファイバで受けた信号劣化を補償する構成となる。本構成はN入力M出力のMIMO伝送であり、N種の信号の並列伝送が可能である。なお、FIRフィルタ15は、モード分散、波長分散、及び偏波モード分散の補償も可能である。
ただし、FIRフィルタ15で各種信号劣化を補償するためには、受信信号の電界振幅と位相情報が必要である。
例えば、送信機Aからn番目のシンボルとして送信される信号をx(n)、受信機Bからn番目のシンボルとして受信される信号をy(n)、FIRフィルタ通過後にx(n)として復元された信号をu(n)とする。つまり、x(n)=u(n)である時に、誤りなく伝送できることになる。ここで、各種信号は電界振幅と位相の情報を有している。
図2は、FIRフィルタ15の構成について説明する図である。FIRフィルタ15は各受信信号の入力に対してL個のタップ151で構成され、光受信機14がM台なら全体でM×L個のタップが存在する。各々のタップ151は遅延素子152と受信信号の振幅と位相を制御する制御回路153を有する。例えば、受信信号y(n)が入力されるFIRフィルタ15のi番目のタップ151−iの遅延素子152−iの遅延量をτ、タップ係数をw(i)とする。ただし、τ<τ<・・・<τとする。y(n)の入力に対してFIRフィルタ通過後の信号をz(n)とすると、信号u(n)は、z(n)〜z(n)を足し合わせることで得られる。
なお、x(n)〜x(n)の信号光の基となる各データ信号を復元するためには、図2に示すFIRフィルタをN個設置する必要がある。
また、受信信号y(n)の電界振幅及び位相情報を取得するためには、局発光源、90°ハイブリッド、バランスレシーバ、及びアナログデジタルコンバータで構成される光受信機14を用いればよく、FIRフィルタ15の機能をPC等の計算器を用いて実現してもよい(例えば、非特許文献5を参照。)。
図2に記載のFIRフィルタ15は、光ファイバ中で発生する線形歪を補償することができ、タップ151の遅延量及びタップ係数を適切に設定することで、光ファイバ中で発生する他送信機からの混信、モード分散、波長分散、及び偏波モード分散による信号劣化を補償することができる。
受信信号y(n)を正しく復元するためのタップ係数は、図3に示す適応等化アルゴリズムを用いて求めることができる。受信信号y(n)には、図4に示す様に、データ部42に加えて既知のトレーニングシンボル41が付加されているとする。
(n)〜y(n)の受信信号がFIRフィルタ15を通過した時に得られるu(n)は、x(n)と一致しなければならない。n<Ntrainingのときは、受信側で送信シンボルx(n)が既知であるので、送信シンボルと復元後のシンボルとを比較することができ、誤差であるe(n)=x(n)−u(n)が小さくなるようにタップ係数を適応アルゴリズムを用いて制御する。y(n+1)〜y(n+1)を受信したときは、先に決定したタップ係数を用いて得たu(n+1)とx(n+1)を用いてe(n+1)を算出し、再度適応アルゴリズムを用いて誤差が小さくなるようタップ係数を更新し、同じ手順をトレーニングシンボル数だけ繰り返すことで、誤差を最小化するタップ係数を求める。トレーニングシンボル41をすべて用いて係数を決定した後は、決定したタップ係数を用いて後段のデータ部42をFIRフィルタ15によって復元する。
なお、適応等化アルゴリズムには、Least mean square(LMS)アルゴリズムやRecursive least square(RLS)アルゴリズムが利用できる。
ただし、モード分散の場合、高次モードとの群遅延差が大きくなると、補償に必要な計算量が膨大になるため、群遅延差を小さくする必要がある。
図5に、従来のステップインデックス型の光ファイバの屈折率分布を示す。本構造はコア径がaであり、コアのクラッドに対する比屈折率差をΔとする。比屈折率差は、コアの屈折率をn、クラッドの屈折率をnとすると、
Figure 2013120243
で表される。
例えば、コアの半径a=7μm、Δ=0.4%とした時、一般的な電磁界解析により伝搬モードを計算により求めると、波長1450〜1625nmでは基本モードLP01と第一高次モードLP11が伝搬する。この時のLP01とLP11モード間の群遅延差について、有限要素法を用いて計算した結果を図6に示す。図から明らかなように、波長1550nmでは2.33ns/kmの群遅延差が生ずる。伝送後、信号が受けるモード分散を補償するためには、少なくとも基本モードLP01と第一高次モードLP11との群遅延差に相当する遅延を有するFIRフィルタが必要である。この遅延が大きくなると、FIRフィルタが行う、MIMOを用いた信号復元に必要な計算量が増えてしまうため好ましくない。
群遅延差を小さくするには、図7に示す様なグレーデッドインデックス型光ファイバが適している。本ファイバの半径方向における屈折率分布n(r)は、コアの屈折率をnとすると、
Figure 2013120243
で表される。ここで、aはコア外周の半径、rはコア内半径、αは屈折率の形状を決定する任意の正の実数である。
図8は、上記の式において、α=2とし、aとΔを変化させた時の群遅延差の絶対値を示した図である。この時、伝搬モード数を波長1450〜1625nmにおいて2つに制限するためには、第二高次モードであるLP21モードが伝搬しないことが条件となる。伝搬しない条件としては、使用波長帯において曲げ半径140mmにおける曲げ損失が1dB/m以上であることを条件とした。本条件は、非特許文献6に記載の通り、遮断波長の測定に曲げ半径140mmが用いられていることと、非特許文献1に記載の通り、損失が1dB/m以上で伝搬しないという仮定に基づいている。
本条件を満たす構造は、図中の破線BLLP21よりコア半径が小さくなる領域である。
また、伝搬モード数の曲げ損失については、ITU−TのG.655に規定されている通り、曲げ半径30mmにおける曲げ損失が0.5dB/100turn以下とすると、図中の点線BLLP11よりコア半径が大きくなる領域である。
グレーデッドインデックス型光ファイバを用いた場合においても、上記の条件を満たす構造で群遅延差は1ns/km以上となってしまう。
そこで、光ファイバ伝送システム301は、図9及び図20に示すような、階段型プロファイルを有するコア50と、コア50の外側に低屈折率層53を有する多モード光ファイバ10を用いる。多モード光ファイバ10は、中心軸から外側に向けて屈折率が階段状に小さくなるコア50と、コア50の外側にあり、屈折率がコア50のいずれの屈折率よりも小さいクラッド54と、コア50とクラッド54との間にあり、屈折率がクラッド54の屈折率以下の低屈折率層53と、を有する。
以下の説明で屈折率が階段状になったコア50について、屈折率毎に中心軸から外側に向かって第一コア51、第二コア52と称することとする。本構造において、第一コア51、第二コア52の半径をそれぞれa、aとし、低屈折率層53とクラッド54の境界の半径をaとする。また、第一コア51、第二コア52、クラッド54の低屈折率層53の屈折率を基準とした比屈折率差をそれぞれΔ、Δ、Δとする。
図10に、a=4μm、a=8.8μm、a=20μm、Δ=0.34%、Δ=0.08%、とし、Δを変化させた時の、波長1450nm、1550nm、1625nmの場合のLP01モードとLP11モードの群遅延差の変化を示す。図10より、Δが大きくなると群遅延差が小さくなることがわかる。
同様に、図11にa=4μm、a=8.8μm、a=20μm、Δ=0.46%、Δ=0.08%とし、Δを変化させた時の、波長1450nm、1550nm、1625nmの場合のLP01モードとLP11モードの群遅延差の変化を示す。図11より、Δを小さくすることで群遅延差が小さくなることがわかる。
次に図12に、a=4μm、a=8.8μm、a=20μm、Δ=0.46%、Δ=0.34%、Δ=0.08%とし、a〜aにそれぞれ縮小拡大比rを乗じた場合の構造における群遅延差の変化を示す。rの変化に伴い、3つの波長(1450、1550、1625nm)における群遅延差が変化することがわかる。ここでは、rを1とした時、3つの波長において群遅延差の絶対値が300ps/km以下となることがわかる。
図13は、例としてa=4μm、a=20μm、Δ=0.46%、Δ=0%とした場合、aとΔの変化に伴う群遅延差の絶対値の変化を示した図である。グレーデッドインデックス型光ファイバでは実現できなかった1ns/km以下の群遅延差がa=7.5〜10μm、Δ=0.3〜0.36%の領域で実現できることがわかる。
上記の領域で伝搬モードを2つに制限するためには、3モード目の伝搬損失を高くすればよく、Δを調整することで所定のモード数を実現する。
図14に、a=4μm、a=8.8μm、a=20μm、Δ=0.46%、Δ=0.34%、とし、Δを変化させた時のLP21モードの波長1450nmにおける曲げ半径140mmにおける曲げ損失を示す。Δを増加させることで、LP21モードの曲げ損失BLLP21を増加させることができ、1dB/m以上とすることができることがわかる。また、LP11モードの波長1625nmにおける曲げ半径140mmの時の曲げ損失BLLP11についてもあわせて示しているが、伝搬モードの曲げ損失には影響を与えていないことがわかる。
なお、光ファイバの曲げ損失は、短波長より長波長が大きいため、LP21モードについては利用波長で最も短波長である1450nmで、またLP11モードについては曲げ損失が最も大きくなる1625nmで計算すれば、波長1450〜1625nmにおける特性の最悪値を把握できる。
この様に、多モード光ファイバ10を用いることにより、コア50においてのaとΔ調整で群遅延差を制御し、クラッド54の比屈折率Δによって伝搬モード数を制御することが可能となる。
図15は、a=4μm、a=8.8μm、a=20μm、Δ=0.46%、Δ=0.34%、Δ=0.08%とした場合の群遅延差の波長特性である。利用波長1450〜1625nmにわたり、群遅延差が1ns/km以下に抑えられていることがわかる。
本構造におけるLP01、LP11モードの曲げ半径30mmにおける曲げ損失を、有限要素法を用いて計算すると、波長1625nmにおいてそれぞれ、1×10−8、0.44dB/100turnであり、利用波長1450〜1625nmにおいてITU−TG.655の規定を満たしている。また、同様にLP21モードの曲げ半径140mmにおける曲げ損失を計算すると、波長1450nmにおいて5.5dB/mである。
曲げ損失は、短波長の方が小さい傾向であり、また、非特許文献6に記載の通り、遮断波長の測定に曲げ半径140mmが用いられていることと、非特許文献1に記載の通り、損失が1dB/m以上で伝搬しないという仮定に基づくと、1450nmにおいて損失が1dB/m以上であることから、第二高次モードは1450nm以上では伝搬せず、利用波長1450〜1625nmにわたり伝搬モードが2つに制限されることになる。
MIMOを利用せず、FIRフィルタと適応等化技術を用いてファイバ中で発生するモード分散を補償するシステムを想定する場合(例えば、非特許文献7を参照。)、高次モードの伝搬は必須ではなく、基本モードであるLP01モードの曲げ損失が規定を満たしていればよい。本構成を用いることで、従来のシングルモードファイバより実効断面積が拡大でき、光ファイバ中で発生する非線形効果を抑圧することができる。
図16は、a=7.5μm、a=15μm、a=22μm、Δ=0.348%、Δ=0.252%、Δ=0.162%とした場合の群遅延差の波長特性である。利用波長1450〜1625nmにわたり、群遅延差が1ns/km以下に抑えられていることがわかる。
本構造におけるLP01モードの、曲げ半径30mmにおける曲げ損失は、波長1625nmにおいて0.44dB/100turnであり、利用波長1450〜1625nmにおいてITU−TG.655の規定を満たしている。また、LP21モードの、曲げ半径140mmにおける曲げ損失は、波長1450nmにおいて30dB/mであり、同じく利用波長1450〜1625nmにわたり伝搬モードが2つに制限されていることがわかる。
図15に示した設計では、実効断面積が127μmであったが、図16の設計とすることで、実効断面積が246μmに増加しており、MIMOを利用しない場合は、より非線形効果を抑圧できる構造となる。
MIMOを利用する場合、モード数が多いと伝送容量を拡大できることから、伝搬モードは多い方が好ましい。そこで、伝搬モードを4つに制限した場合を想定する。伝搬モードを4つに制限すると、導波モードがLP01,LP11,LP21,LP02であり、LP31が伝搬しないということになる。
そこで、a=4.5μm、a=20μm、Δ=0.78%、Δ=0.1%とした場合のaとΔの変化に伴う、LP01モードと各高次モードの群遅延差の絶対値のうち、最大となる値を示したものを図17に示す。モードが増加すると群遅延差は大きくなってしまうが、同様にグレーデッドインデックスでは実現できなかった1ns/km以下の群遅延差がa=8.2〜9.5μm、Δ=0.54〜0.56%の領域で実現できることがわかる。
図18は、a=4.5μm、a=8.8μm、a=20μm、Δ=0.78%、Δ=0.551%、Δ=0.1%とした場合のLP01モードとの群遅延差の波長特性である。利用波長1450〜1625nmにわたり、群遅延差が1ns/km以下に抑えられていることがわかる。本構造におけるLP02モードの、曲げ半径30mmにおける曲げ損失は、波長1625nmにおいて0.078dB/100turnである。光ファイバにおいては、高次のモードより低次のモードの曲げ損失は小さくなり、4モード領域の場合は、LP02のモードより、その他の低次モードの曲げ損失は小さくなり、利用波長1450〜1625nmにおいて伝搬モードの曲げ損失がITU−TG.655の規定を満たすことになる。また、LP31モードの、曲げ半径140mmにおける曲げ損失は、波長1450nmにおいて9.2dB/mであり、同じく利用波長1450〜1625nmにわたり伝搬モードが4つに制限されていることがわかる。
先と同様に、MIMOを利用せず、FIRフィルタと適応等化技術を用いてファイバ中で発生するモード分散を補償するシステムを想定する場合、高次モードの曲げ損失は規定を満たさなくてもよい。
図19は、a=8.5μm、a=16.8μm、a=25μm、Δ=0.4%、Δ=0.305%、Δ=0.195%とした場合の群遅延差の波長特性である。利用波長1450〜1625nmにわたり、群遅延差が1ns/km以下に抑えられていることがわかる。本構造におけるLP01モードの、曲げ半径30mmにおける曲げ損失は、波長1625nmにおいて8.2×10−3dB/100turnであり、利用波長1450〜1625nmにおいてITU−TG.655の規定を満たしている。また、LP21モードの、曲げ半径140mmにおける曲げ損失は、波長1450nmにおいて8.3dB/mであり、同じく利用波長1450〜1625nmにわたり伝搬モードが4つに制限されていることがわかる。
図18に示した設計では、実効断面積が94μmであったが、図19に示したMIMOを利用しない設計とした場合には、実効断面積が270μmに増加している。よって、MIMOを利用しない場合には、より非線形効果を抑圧できる構造となることがわかる。
以下は、図1の光ファイバ伝送システムを説明したものである。
(1)
光信号を送信するN個(Nは1以上の整数)の光送信機と、
前記光信号を受信するM個(MはN以上の整数)の光受信機と、
前記N個の光送信機から発せられた光を合波する合波器と、
前記光送信機と前記光受信機との間を接続する伝搬モードが2以上存在する多モード光ファイバと、
前記多モード光ファイバからの出射光をM個に分岐する分岐器と、
前記受信信号の波形歪を補償するFIRフィルタと、から構成される光ファイバ伝送システムであって、
前記光受信機は受信信号の電界振幅・位相情報を取得する機能を有し、
前記多モード光ファイバは屈折率が異なる第一コアと第二コアからなり、
前記第一コアの半径aと屈折率Δと、クラッド側に隣接する前記第二コアの半径aと屈折率Δとが、a<a、0<Δ<Δとの関係を有する
ことを特徴とする光ファイバ伝送システム。
本発明の光ファイバ伝送システムは、光ファイバ中の非線形効果の抑圧または多モードの利用により大容量及び長距離通信を実現することができる。
10:多モード光ファイバ
11、11−1、11−2、・・・、11−N:光送信機
12:合波器
13:分岐器
14、14−1、14−2、・・・、14−N:光受信機
15:FIRフィルタ
41:トレーニングシンボル
42:データ部
50:コア
51:第一コア
52:第二コア
53:低屈折率層
54:クラッド
151:タップ
152:遅延素子
153:制御回路
301:光ファイバ伝送システム

Claims (4)

  1. 中心軸から外側に向けて屈折率が階段状に小さくなるコアと、
    前記コアの外側にあり、屈折率が前記コアのいずれの屈折率よりも小さいクラッドと、
    前記コアと前記クラッドとの間にあり、屈折率が前記クラッドの屈折率以下の低屈折率層と、
    を有する多モード光ファイバ。
  2. 前記コアは、中心軸側の第一コア及び前記第一コアの外側にある第二コアからなり、
    前記第一コアは、外周半径がa、前記低屈折率層に対する比屈折率がΔであり、
    前記第二コアは、外周半径がa、前記低屈折率層に対する比屈折率がΔであり、
    前記低屈折率層は、外周半径がaであり、
    前記クラッドは、前記低屈折率層に対する比屈折率がΔであり、
    =4μm、a=20μm、Δ=0.46%、Δ=0%のときに、
    =7.5〜10μm且つΔ=0.3〜0.36%
    であることを特徴とする請求項1に記載の多モード光ファイバ。
  3. 請求項1又は2に記載の多モード光ファイバと、
    入力されるデータ信号で変調した信号光を前記多モード光ファイバに出力する光送信機と、
    前記多モード光ファイバが伝搬する前記信号光を受光し、受信信号を出力する光受信機と、
    タップの遅延量とタップ係数を調整して前記光受信機の前記受信信号から前記光送信機に入力された前記データ信号を復元するFIR(Finite Impulse Responce)フィルタと、
    を備える光ファイバ伝送システム。
  4. N台の前記光送信機からの前記信号光を合波して前記多モード光ファイバに結合する合波器と、
    前記多モード光ファイバが伝搬する前記信号光を分岐してそれぞれM台の前記光受信機に結合する分岐器と、
    をさらに備え、
    前記FIRフィルタはN台あり、M台の前記光受信機からの前記受信信号を用いて前記光送信機に入力されたそれぞれの前記データ信号を復元するN入力M出力の光MIMO伝送を実現することを特徴とする請求項3に記載の光ファイバ伝送システム。
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