JP6467362B2 - 光伝送システム - Google Patents

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本発明は、光MIMO伝送システムに関する。
光ファイバ伝送システムでは、光ファイバ中で発生する非線形効果やファイバヒューズにより伝送容量が制限される。これらの制限を緩和するために1本の光ファイバ中に複数のコアを有するマルチコアファイバを用いた並列伝送や、コア内に複数の伝搬モードが存在するマルチモードファイバを用いたモード多重伝送といった空間多重技術が検討されている。
H. Takara et al., "1.01−Pb/s (12 SDM/222 WDM/456 Gb/s) Crosstalk−managed Transmission with 91.4−b/s/Hz Aggregate Spectral Efficiency", in ECOC2012, paper Th.3.C.1 (2012) T. Sakamoto et al., "Differential Mode Delay Managed Transmission Line for WDM−MIMO System Using Multi−Step Index Fiber", J. Lightwave Technol. vol. 30, pp. 2783−2787 (2012). Y. Sasaki et al., "Large−effective−area uncoupled few−mode multi−core fiber", ECOC2012, paper Tu.1.F.3 (2012). T. Ohara et al., "Over−1000−Channel Ultradense WDM Transmission With Supercontinuum Multicarrier Source", IEEE J. Lightw. Technol., vol. 24, pp.2311−2317 (2006) T. Sakamoto, T. Mori, M. Wada, T. Yamamoto, F. Yamamoto, "Coupled Multicore Fiber Design With Low Intercore Differential Mode Delay for High−Density Space Division Multiplexing", J. Lightw. Technol., vol.33, no.6, pp.1175,1181, (2015) R. Ryf et al., "1705−km Transmission over Coupled−Core Fibre Supporting 6 Spatial Modes", ECOC2014, paper PD.3.2 (2014) M. Taylor, "Coherent Detection for Fiber Optic Communications Using Digital Signal Processing", in Optical Amplifiers and Their Applications/Coherent Optical Technologies and Applications, Technical Digest (CD) (Optical Society of America, 2006), paper CThB1. 坂本他、信学技報 結合型マルチコアファイバにおける空間モード分散係数の測定、B−13−30 (2015) 社家他、「フレキシブル光信号品質監視技術」、NTT技術ジャーナル2004.5
マルチコアファイバまたはマルチモードファイバを用いた伝送においては、コア間またはモード間のクロストークが生じると信号品質が劣化するため、クロストークを抑圧するために、例えばマルチコアファイバにおいてはコア間を一定以上離さなければならない。一般には、光伝送システムで十分な伝送品質を担保するためには、パワーペナルティを1dB以下にすることが望ましく、そのためには非特許文献1または非特許文献4に記載の通りクロストークは−26dB以下としなければならない。
一方で、MIMO技術を用いると受信端においてクロストークを補償することが可能であり、クロストークが−26dB以上であっても信号処理によりパワーペナルティを1dB未満とすることができ、空間利用効率を向上させることができる。しかしながら、MIMO技術を適用する場合、伝送路中で発生する複数の信号光間の群遅延差(DMD)が大きいと、伝送路のインパルス応答幅が大きくなり、信号処理の増大を招く。
一般に、非特許文献2に記載の通り、同一コアを伝搬する複数のモード間のDMDは光ファイバの屈折率分布を制御することで低減することが可能である。
一方で、コア間のクロストーク量とDMDの関係については、非特許文献5により明らかになっており、コア間距離の減少によりDMDが増加することがわかっている。つまり、コア間クロストークを許容したとしても、DMDを増加させないようにするためにはコア間距離の下限が存在し、空間利用効率の向上には限界があることがわかっている。
そこで、ファイバ中を伝搬するモード間の結合が強くなるよう設計した結合型ファイバが検討されている。結合型ファイバにおいては、伝搬方向で分布的なモード結合が発生し、モード間で群速度差が存在している場合においても、受信機側での信号の到着時間差が平均化され、ファイバのインパルス応答幅が低減することがわかっており、受信端での信号処理負荷の低減が実現できる(例えば非特許文献6)。
ここで、モード間で結合が生じないファイバにおいては、受信端のMIMO等化器の設計を伝送路のDMDに基づいて行うことが可能である。しかし、上記の結合型ファイバにおいてはインパルス応答幅がDMDと一致しないため、クロストークを補償するためのMIMO等化器設計が困難という課題が存在する。
そこで、本発明は、上記課題を解決すべく、受信端での信号処理負荷を低減できる結合型ファイバを利用した空間多重技術に適用できるMIMO等化器を備える光伝送システムを提供することを目的とする。
本発明では、結合型ファイバを伝送路として用いた光伝送システムにおいて、インパルス応答幅の標準偏差がSであり、送信信号のシンボルレートBで規格化した値をσ(=S×B)としたとき、受信側のMIMO等化器における各FIRフィルタのタップ数を4σ〜8σとすることで課題を解決する。
具体的には、本発明に係る光伝送システムは、
光の伝搬路がP(Pは2以上)存在する1本の光ファイバと、
同一波長の光を送信信号で変調した光通信信号を送信するN個(Nは2以上P以下の整数)の光送信機と、
前記N個の光送信機から送信された光通信信号を前記光ファイバの各光の伝搬路に結合する光結合器と、
前記光ファイバの各光の伝搬路で伝搬された前記光通信信号をM個(MはN以上P以下の整数)のポートに分波する分波器と、
前記分波器でM個に分波された前記光通信信号を受信し、復調するM個の光受信機と、
1つの前記送信信号に対し、前記M個の光受信機の出力信号毎に、前記出力信号をタップ数個の遅延量で遅延させ、遅延させたそれぞれの信号にタップ係数を乗じて加算するM個のFIRフィルタを有し、前記M個の光受信機の出力信号に基づいて波形歪を補償したN個の前記送信信号を復元するMIMO(Multiple Input Multiple Output)等化器と、
を備える光伝送システムであって、
前記光ファイバは、入力端にて全モード励振を行ったときの時間領域におけるインパルス応答特性がガウス分布形状に近似しており、
前記FIRフィルタのタップ数は、前記インパルス応答特性の標準偏差Sに前記光通信信号のシンボルレートBを乗じた値σの4倍以上8倍以下であることを特徴とする。
結合型ファイバを伝送路とする場合、MIMO等化器が有する各FIRフィルタのタップ数を4σ〜8σとすることで光信号の品質を示すQ値の劣化と変動を抑制することができる。従って、本発明は、受信端での信号処理負荷を低減できる結合型ファイバを利用した空間多重技術に適用できるMIMO等化器を備える光伝送システムを提供することができる。
本発明に係る光伝送システムの前記光ファイバが、単一のコアを有し、同一コア内を導波する空間モードが2以上であってもよい。この場合、前記光の伝搬路はコア内を伝搬する各伝搬モードである。
本発明に係る光伝送システムの前記光ファイバが、2以上のコアを有し、各コア内を導波する空間モードが1以上であってもよい。コア内をシングルモードで伝搬する場合、前記光の伝搬路はそれぞれのコアであり、コア内を複数の伝搬モードで伝搬する場合、前記光の伝搬路はそれぞれのコアを伝搬する各伝搬モードである。
本発明は、受信端での信号処理負荷を低減できる結合型ファイバを利用した空間多重技術に適用できるMIMO等化器を備える光伝送システムを提供することができる。
本発明に係る光伝送システムの概要図である。 本発明に係る光伝送システムが備えるMIMO等化器の一部を示す概要図である。 本発明に係る光伝送システムが備えるMIMO等化器の例である。 本発明に係る光伝送システムが備えるMIMO等化器のFIRフィルタの適応等化アルゴリズムを説明する図である。 送信信号フレームの概要図である。 インパルス応答波形の例である。 本発明に係る光伝送システムの光ファイバに採用する2モードファイバのインパルス応答波形の計算結果である。 本発明に係る光伝送システムが備えるMIMO等化器のFIRフィルタのタップ数と復元信号のQ値の計算結果である。 本発明に係る光伝送システムが備えるMIMO等化器のFIRフィルタのタップ数と復元信号のBack−to−backで得られるQ値からのQ値劣化量の計算結果である。 本発明に係る光伝送システムが備えるMIMO等化器のFIRフィルタのタップ数と復元信号のQ値変動の最大値の計算結果である。 本発明に係る光伝送システムの実験系を説明する図である。 本発明に係る光伝送システムの実験系で採用する2コアファイバの断面図である。 本発明に係る光伝送システムにおける伝送距離と復元信号のQ値の実験値である。 本発明に係る光伝送システムにおける伝送距離と復元信号のQ値変動の実験値である。
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施形態であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
図1は、本実施形態の光伝送システム301を説明する概略図である。光伝送システム301は、
光の伝搬路がP(Pは2以上)存在する1本の光ファイバ100と、
同一波長の光を送信信号で変調した光通信信号を送信するN個(Nは2以上P以下の整数)の光送信機11と、
N個の光送信機11から送信された光通信信号を光ファイバ100の各光の伝搬路に結合する光結合器12と、
光ファイバ100の各光の伝搬路で伝搬された前記光通信信号をM個(MはN以上P以下の整数)のポートに分波する分波器13と、
分波器13でM個に分波された前記光通信信号を受信し、復調するM個の光受信機14と、
1つの前記送信信号に対し、M個の光受信機14の出力信号毎に、前記出力信号をタップ数個の遅延量で遅延させ、遅延させたそれぞれの信号にタップ係数を乗じて加算するM個のFIRフィルタを有し、M個の光受信機14の出力信号に基づいて波形歪を補償したN個の前記送信信号を復元するMIMO等化器15と、
を備える光伝送システムであって、
光ファイバ100は、入力端にて全モード励振を行ったときの時間領域におけるインパルス応答特性がガウス分布形状に近似しており、
前記FIRフィルタのタップ数は、前記インパルス応答特性の標準偏差Sに前記光通信信号のシンボルレートBを乗じた値σの4倍以上8倍以下であることを特徴とする。
N個の送信機11から発せられるN個の光通信信号は光結合器12において光ファイバ100に結合される。光ファイバ100がマルチモード光ファイバである場合、光結合器12は、N個の光通信信号をマルチモード光ファイバそれぞれの伝搬モードで伝搬するように光ファイバ100に結合する。光ファイバ100がマルチコア光ファイバである場合、光結合器12は、N個の光通信信号をマルチコア光ファイバのそれぞれのコアに結合する。また、マルチコアファイバのそれぞれのコアが複数の伝搬モードで光を伝搬可能な場合は、光結合器12は、N個の光通信信号をマルチコア光ファイバのそれぞれのコアのそれぞれの伝搬モードで伝搬するように光ファイバ100に結合する。
結合された光通信信号は光ファイバ100の出射側に設置された分波器13においてMポートに分波される。分波されたM個の信号は、M個の受信機14で受信され、後段に設置されたMIMO等化器15のFIRフィルタにおいて光ファイバで受けた信号劣化を補償される。本構成はN入力M出力のMIMO伝送であり、N種の信号の並列伝送が可能である。なお、FIRフィルタでは、モード分散、波長分散、偏波分散、モード分散の補償も可能である。
また、受信器14は、受信信号の電界振幅及び位相情報を取得するために局発光源、90°ハイブリッド、バランスレシーバ、アナログデジタルコンバータ、及び計算器で構成される。
[MIMO等化器]
図2は、MIMO等化器15を説明する構成図である。MIMO等化器15は、M×N個のFIRフィルタ21を有する。MIMO等化器15は、1つの送信機11が送信した送信信号を復元するためにM個のFIRフィルタ21を使用する。このため、N個の送信器11からの送信信号全てを復元するためにはM個のFIRフィルタ21がNセット必要である。図2では、送信器11−1が送信した送信信号x(n)の復元信号u(n)を復元するFIRフィルタのセットを示している。
各FIRフィルタ21は、入力信号に所定の遅延量τを与える遅延素子22、タップ係数wを乗算する乗算器23及び各乗算器からの出力を加算する加算器24からなる回路を複数並列する。この並列させる回路の個数を「タップ数」と呼び、図2のFIRフィルタ21は、当該回路をL個並列しているのでタップ数は“L”である。
FIRフィルタ21には、それぞれ受信器14からの受信信号y(n)が入力される。各FIRフィルタ21の出力は、加算器25で加算され、復元信号u(n)となる。FIRフィルタ21の各タップの遅延量τ及びタップ係数wを適切に設定することで、光ファイバ100で発生するモード分散、波長分散、偏波モード分散による信号劣化を補償することができる。本実施形態のMIMO等化器15は、光ファイバ100の各光の伝搬路のクロストークが補償されるよう乗算器23の乗算係数(タップ係数)を調整することになる。
図3は、M=N=2の場合の全ての送信信号を復元するためのMIMO等化器15の構成例である。全ての復元信号u〜uを復元するために、FIRフィルタ2つのセットが2個あり、総FIRフィルタ数(M×N)は2×2となる。
受信信号y(n)から送信信号x(n)を正しく復元するためのタップ係数は、図4に示す適応等化アルゴリズムを用いて求めることができる。送信信号x(n)には、図5に示す様にデータ部に加えて既知のトレーニングシンボルが付加されている。トレーニングシンボルを含む送信信号の総シンボル数をNall、トレーニングシンボル数をNtrainingとしている。
受信信号y(n)〜y(n)がFIRフィルタのセットを通過した時に得られる復元信号u(n)は送信信号x(n)と一致しなければならない。n<Ntrainingのときは、受信側でトレーニングシンボルz(n)が既知であるので、送信シンボルと復元後のシンボルとを比較することができる。このため、誤差であるe(n)= z(n)−u(n)が小さくなるようにタップ係数を適応アルゴリズムを用いて制御する。受信信号y(n+1)〜y(n+1)を受信したときは、先に決定したタップ係数を用いて得た復元信号u(n+1)とトレーニング信号z(n+1)を用いて誤差e(n+1)を算出し、再度適応アルゴリズムを用いて誤差が小さくなるようタップ係数を更新する。同じ手順をトレーニングシンボル数だけ繰り返すことで、誤差を最小化するタップ係数を求めることができる。トレーニングシンボルをすべて用いてタップ係数を決定した後は、決定したタップ係数を用いて後段のデータ部をFIRフィルタによって復元する。
なお、適応等化アルゴリズムには、非特許文献2に記載のLeast mean square(LMS)アルゴリズムやRecursive least square(RLS)アルゴリズムが利用できる。
この時、タップ係数が多くなると正しいタップ係数を求めるために必要となる計算量が増加する。一般に、遅延素子の遅延量は信号のシンボルレートと同じもしくはその半分に設定され、光ファイバのDMDと同等の時間幅を包含するようタップ数が必要となる。すなわち、光ファイバのDMDが大きいと受信端のMIMO等化器で必要となるタップ数が増加し、計算量が増加することになる。
[結合型ファイバ]
伝送路で用いられる複数の伝搬モードが伝搬可能なマルチモードファイバは、単一コアを有しコア内で複数の伝搬モードが伝搬するファイバや、複数のコアを有するマルチコアファイバがある。
例えば、モード間の結合が弱い2モードファイバの場合、そのファイバのインパルス応答は図6(a)に示すような形状となる。両側のピーク間の時間差はモード間のDMDに相当し、その間にみられる光は、光ファイバ伝搬中に発生した分布的なモード結合の結果発生するものである。このような光ファイバの場合、DMDが明確であるため、MIMO等化器で必要となるFIRフィルタのタップ数を決定することが容易である。
一方で、モード間の結合が強い2モードファイバ(例えば非特許文献6に記載の結合型ファイバ)では、インパルス応答が図6(b)に記載のようにガウス分布形状に近似する。この場合、中心のピークから離れれば光強度は徐々に小さくなり、DMDが不明確でMIMO等化器で必要となるFIRフィルタのタップ数を決定することが困難である。
[本発明におけるFIRフィルタのタップ数の決定手法]
一般に、確率的にはDMDの時間差の範囲で光が存在する確率が有限であり、全ての光を包含するためにFIRフィルタにおいて、結合が生じないファイバと同様にタップ数をDMDと一致させる必要がある。しかし、結合型ファイバの場合、図6(b)のようにピーク値から離れた時間における光の強度はわずかである。このため、信号の復元精度が十分に担保される程度にタップ数を削減することで信号処理負荷を大幅に低減することができる。
図7に、具体的なインパルス応答特性の計算結果を示す。計算では2モードファイバを仮定し、伝送距離を50km、DMDを1bit/km、結合量を3dB/kmとしている。そして、結合における光の位相関係をランダムとして、20回同条件で計算を行った結果を平均している。図7のようにインパルス応答がガウス形状であることが確認できる。フィッティングを行った結果、本例では標準偏差Sから求まるσ(=S×B)が7bitとなる。例えば、40GbpsのQPSK信号を用いた場合は、シンボルレートBは20Gbpsであるため、DMDは50ps/kmとなる。
図8は、上記光ファイバ(2モードファイバ)を用いた2×2MIMO等化器を備える光伝送システムにおいて、MIMO等化器のFIRフィルタのタップ数を変化させた時の復元信号品質(Q値)の計算結果である。Q値の計算手法は、例えば、非特許文献9に記載される。復元信号の品質Q値は、タップ数が4σで最大となり、4σより小さいと劣化することがわかる。
図9は、Back−to−backにおけるQ値を基準としたQ値劣化量を縦軸にとったものである。Back−to−backとは、伝送路を省いた、光結合器と分波器を直接接続した実験用の構成である。最もQ値劣化が少ない4σにおける劣化量(dB単位)の2倍を許容する場合、必要タップ数は3.4σ〜8σとなる。4σ以上におけるQ値の劣化については、必要以上にタップ数を設けることで、MIMO等化器の収束率の悪化や、各タップのノイズ成分の蓄積によるものである。
図10は、20回の同一条件で計算した結果、最大値と最小値の差であるQ値変動を示した図である。Q値の変動はタップ数を増加させることで低減することができ、4σで飽和していることがわかる。よって、Q値変動の観点からは必要タップ数は4σ以上とすることが好ましい。
よって、Q値劣化及びQ値変動の抑圧の観点から、結合型ファイバを用いた場合のMIMO等化器の各FIRフィルタの必要タップ数は図9で求まる3.4σ〜8σの範囲と、図10で求まる4σ〜8σの範囲の共通領域である4σ〜8σとすることが望ましいことがわかった。
[実験装置]
図11は、10kmの結合型ファイバを用いた光伝送システムの実験系を説明する図である。結合型ファイバは2コアファイバである。送信信号には40Gbps偏波多重QPSK信号を用い、2コアファイバそれぞれに光信号を入力するために光カプラで2分岐される。伝送路はAOM(Acousto−optic modulator)を用いたループ系で構成され、2コア用に2つのループを構築している。伝送した光は、コヒーレント受信機で受信され、2偏波及び2モードを復元するための4×4MIMO等化器により伝送路中で発生したモード間クロストークを補償する。図11には、光ファイバ100、光送信機11、光結合器12、分波器13、光受信機14、及びMIMO等化器15に相当する部分を示している。
2コアファイバの断面構成を図12に示す。ファイバ断面中心から対称の位置に2つ同じコアが存在し、コア間距離が20μm、コア半径4.5μm、コアの比屈折率差は0.35%である。
本ファイバの10kmにおけるインパルス応答特性は、例えば非特許文献8に記載の方法にて評価が可能であり、本ファイバのインパルス応答幅に関する標準偏差Sは40ps×√10kmであった。
例えば、40GbpsのQPSK信号を送信信号として用いた場合、シンボルレートBは20Gbpsとなり、1/Bが50psとなる。上記のファイバを100km伝送する場合、標準偏差Sは、40ps×√100km=400psとなり、σ=S×B=S/(1/B)=400/50ps=8となる。タップ数として2σを用いるということは、8×2=16タップを用いるということである。
図13に、伝送距離に対する復元信号のQ値を示す。MIMO等化器におけるタップ数は2σ〜8σとしている。前計算結果で得られたデータと同じように、タップ数が2σでは復元信号の精度は大きく劣化しており、4σ〜8σとすることで良好なQ値が得られていることがわかる。また、4σ以上の結果では、タップ数が増加することで復元信号の品質が若干低下してきており、計算結果と同様に、適切なタップ数の上限が存在することも実験的に確認できる。
図14に、各伝送距離において5回伝送を行った結果の復元信号のQ値の変動を示す。こちらも計算で示した通り、2σではQ値の変動が大きく、4σとすることでQ値の変動が抑えられ、4σ以上のタップ数で同じQ値が観測されている。よって、実験データからも、MIMO等化器におけるタップ数を4σ〜8σとすることが望ましいことがわかる。
[付記]
以下は、本実施形態の光伝送システムが備える、空間多重技術におけるクロストーク等を補償するためのMIMO等化器の設計方法を説明したものである。
(課題)
MIMO等化器が備えるFIRフィルタのタップ数の設計については、モード間で結合が生じないファイバであれば伝送路のDMDに基づいて設計可能であるが、結合型ファイバの場合、インパルス応答幅がDMDと一致しないため設計が困難という課題がある。
(解決手段)
本実施形態のMIMO等化器の設計方法は、
送信機と受信機とを接続する光ファイバの入力端にて全モード励振を行ったときの時間領域におけるインパルス応答特性がガウス分布形状に近似するとき、FIRフィルタのタップ数を、前記インパルス応答特性の標準偏差Sに光通信信号のシンボルレートBを乗じた値σの4倍以上8倍以下に設定する。
光ファイバは、単一のコアを有し、同一コア内を導波する空間モードが2以上であっても、2以上のコアを有し、各コアを導波するモードが1以上であってもよい。
(効果)
本実施形態の光伝送システムによって、次の効果を得ることができる。
1.伝送路に結合型ファイバを用いることで、受信機側のMIMO等化器のタップ数を低減することができ、信号処理負荷を低減することができる。
2.復元に寄与しない不要なタップを除去することができ、MIMO等化器後の信号精度を向上させることができるため、通信品質が向上する効果を奏する。
3.光ファイバの特性に応じて最低限必要なタップ数を見積もることができるため、信号処理負荷の低減を実現することができる。
11:光送信機
12:光結合器
13:分波器
14:光受信機
15:MIMO等化器
21:FIRフィルタ
22:遅延素子
23:乗算器
24、25:加算器
100:光ファイバ
301:光伝送システム

Claims (3)

  1. 光の伝搬路がP(Pは2以上)存在する1本の光ファイバと、
    同一波長の光を送信信号で変調した光通信信号を送信するN個(Nは2以上P以下の整数)の光送信機と、
    前記N個の光送信機から送信された光通信信号を前記光ファイバの各光の伝搬路に結合する光結合器と、
    前記光ファイバの各光の伝搬路で伝搬された前記光通信信号をM個(MはN以上P以下の整数)のポートに分波する分波器と、
    前記分波器でM個に分波された前記光通信信号を受信し、復調するM個の光受信機と、
    1つの前記送信信号に対し、前記M個の光受信機の出力信号毎に、前記出力信号をタップ数個の遅延量で遅延させ、遅延させたそれぞれの信号にタップ係数を乗じて加算するM個のFIRフィルタを有し、前記M個の光受信機の出力信号に基づいて波形歪を補償したN個の前記送信信号を復元するMIMO(Multiple Input Multiple Output)等化器と、
    を備える光伝送システムであって、
    前記光ファイバは、入力端にて全モード励振を行ったときの時間領域におけるインパルス応答特性がガウス分布形状に近似しており、
    前記FIRフィルタのタップ数は、前記インパルス応答特性の標準偏差Sに前記光通信信号のシンボルレートBを乗じた値σの4倍以上8倍以下であることを特徴とする光伝送システム。
  2. 前記光ファイバが、単一のコアを有し、同一コア内を導波する空間モードが2以上であることを特徴とする請求項1に記載の光伝送システム。
  3. 前記光ファイバが、2以上のコアを有し、各コア内を導波する空間モードが1以上であることを特徴とする請求項1に記載の光伝送システム。
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