JP2013119924A - 高圧タンクの製造方法 - Google Patents

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健 八田
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Abstract

【課題】ライナー構成部材を溶着するときの溶着不良を低減させる。
【解決手段】レーザー溶着を用いて2つのライナー構成部材を接合する工程を含む高圧タンクの製造方法であって、2つのライナー構成部材を接合する工程は、(a)顕色剤を含むレーザー透過樹脂で形成された第1のライナー構成部材を形成する工程と、(b)発色剤を含むレーザー吸収樹脂で形成された第2のライナー構成部材を形成する工程と、(c)第1と第2のライナー構成部材の端部同士が接した状態で第1と第2のライナー構成部材を端部の方向に押しつけることによって端部同士を加圧し、加圧により顕色剤と発色剤とを反応させて前記発色剤を発色させる工程と、(d)発色剤の発色の有無により、第1と第2のライナー構成部材の端部同士の境界を検出し、発色剤が発色している領域にレーザー光を照射して第1と第2のライナー構成部材を溶着する工程と、を含む。
【選択図】図14

Description

この発明は、高圧タンクに関するものである。
高圧タンクを形成する際に、ライナー構成部材の接合部分を予備加熱した後、レーザー溶着により接合する技術が知られている(特許文献1)。
特開2006−283968号公報
しかし、従来のレーザー溶着方法では、溶着面の隙間を検出し、溶着不良を発生させないように溶着作業をすることが難しかった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、溶着不良を低減させることを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
レーザー溶着を用いて2つのライナー構成部材を接合する工程を含む高圧タンクの製造方法であって、前記2つのライナー構成部材を接合する工程は、(a)顕色剤を含むレーザー透過樹脂で形成された第1のライナー構成部材を形成する工程と、(b)発色剤を含むレーザー吸収樹脂で形成された第2のライナー構成部材を形成する工程と、(c)前記第1と第2のライナー構成部材の端部同士が接した状態で前記第1と第2のライナー構成部材を前記端部の方向に押しつけることによって前記端部同士を加圧し、前記加圧により前記顕色剤と前記発色剤とを反応させて前記発色剤を発色させる工程と、(d)前記発色剤の発色の有無により、前記第1と第2のライナー構成部材の前記端部同士の境界を検出し、前記発色剤が発色している領域にレーザー光を照射して前記第1と第2のライナー構成部材を溶着する工程と、を含む、高圧タンクの製造方法。
第1と第2のライナー構成部材の接合部に隙間があると、顕色剤と発色剤とが反応しないので発色剤は発色しない。この適用例によれば、発色により、第1と第2のライナー構成部材の接合部に隙間の有無を確認しながら溶着出来るので、溶着不良を削減することができる。
[適用例2]
適用例1の記載の高圧タンクの製造方法において、前記工程(a)は、前記顕色剤を前記第1のライナー構成部材の前記端部に設けられた溶着リブのみに含むように、2色成形により実行され、前記工程(b)は、前記発色剤を前記第2のライナー構成部材の前記端部に設けられた溶着リブのみに含むように、2色成形により実行される、高圧タンクの製造方法。
この適用例によれば、ライナーの溶着部以外は、顕色剤や発色剤を含まないので、ライナーの品質を高めることができる。
[適用例3]
適用例1または適用例2に記載の高圧タンクの製造方法において、前記工程(b)は、前記発色剤をマイクロカプセルに封入して、前記第2のライナー構成部材に含ませる工程を含む、高圧タンクの製造方法。
この適用例によれば、溶着に対する発色剤の影響を抑制することができる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、高圧タンクの製造方法の他、レーザー溶着装置、レーザー溶着方法等の形態で実現することができる。
本発明の一実施例において作成されるタンクの外観を示す説明図である。 タンクの断面を示す説明図である。 タンクの製造工程を説明する説明図である。 分割ライナー300aを形成するための射出成形装置の雌金型を示す説明図である。 分割ライナー300aを形成するための射出成形装置の雄金型を示す説明図である。 金型を閉じた状態を示す説明図である。 図6の破線W1で示す部分を拡大して示す説明図である。 樹脂注入装置410から樹脂を注入し始めた状態を示す説明図である。 樹脂の先端部が圧力センサーの位置まで達した状態を示す説明図である。 樹脂注入装置420から逆向きに樹脂を注入し始めた状態を示す説明図である。 金型から取り出した分割ライナー300aを示す説明図である。 金型から取り出した分割ライナー300bを示す説明図である。 分割ライナー300a、300bの接合における加圧を示す説明図である。 レーザー溶着工程を示す説明図である。 発色剤の反応の一例を示す説明図である。
図1は、本発明の一実施例において作成されるタンクの外観を示す説明図である。図2は、タンクの断面を示す説明図である。タンク10は、口金100と、外筒200と、ライナー300とを備える。口金100は、タンク10へのガスの充填、あるいは、タンク10からのガスの放出のために用いられる。口金100の中心軸101方向の中央付近の口金100の外周には、ツバ110(フランジ)が形成されている。ツバ110は、中心軸101と垂直な面に沿って外周に突き出るように形成されている。また、ツバ110は、ツバの先端側が細くなるようなテーパ形状又は略台形形状を有している。
ライナー300は、タンク内部を密閉するための内殻である。ライナー300は、略円筒形をしている。ここで、ライナー300は、2つの分割ライナー300a、300bを備えている。ライナー300の上部及び下部には、口金100が取り付けられている。なお、一方の分割ライナー300aにのみに口金100を有し、他方の分割ライナー300bには口金100を有さないようにしてもよい。ライナー300は、例えば、ナイロン、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレン等の熱収縮性の材料で構成されている。なお、ライナー300の構成を、熱収縮性の材料で構成された外層と、エポキシやガラス、金属などの非熱収縮性の材料で構成された内層と、を含む複数層を備える構成としてもよい。
外筒200は、ライナー300の外側に形成され、タンク10の耐圧殻として働く。外筒200の材料として、繊維強化プラスチック(FRP)を用いることが可能である。ライナー300の端部と外筒200の端部は、口金100のツバ110を挟むように密着し、口金100とライナー300との接合部からのガスのリークを抑制している。なお、図1においては、外筒200によりライナー300が覆い隠されている。
図3は、タンクの製造工程を説明する説明図である。先ず、図3(A)に示すように、口金100と分割ライナー300aを準備する。例えば、分割ライナー300aは、例えば、射出成形装置を用いて製造される。分割ライナー300aを製造する工程については後述する。分割ライナー300aは円筒形をしており、分割ライナー300aの一方の開口部305は窄まっている。この狭まった開口部305に口金100が接合される。
次に、図3(B)に示すように、分割ライナー300aの開口部305に口金100を圧入する。次に、図3(C)に示すように、分割ライナー300aを熱処理する。これにより、分割ライナー300aが熱収縮し、分割ライナー300aの端部と口金100のツバ110とが接合する。なお、分割ライナー300aが複数層を備える場合には、分割ライナー300aの外層の端部が、ツバ110よりも上方に位置するように分割ライナー300aが形成されていることが好ましい。こうすると、分割ライナー300aが熱収縮したときに、分割ライナー300aの外層がツバ110の上側に掛かる。その結果、ツバ110は、内層と外層とにより挟み込まれるので、ツバ110と分割ライナー300aとの接合が強化される。なお、同様に、口金100を有する分割ライナー300bを製造する。
次に、図3(D)に示すように、口金100を取り付けた分割ライナー300a、300bを接合する。具体的には、分割ライナー300a、300bの口金100を取り付けた側の反対側どうしを合わせる。次に、例えばレーザートーチを用いてレーザー光を2つの分割ライナー300a、300bの接合部に照射する。これにより、2つの分割ライナー300a、300bの接合部の樹脂を加熱して、2つの分割ライナー300a、300bを溶着する。なお、本実施例の場合、一方の分割ライナー300aがレーザー光透過性の樹脂、他方の分割ライナー300bがレーザー光非透過性の樹脂により形成されている。したがって、レーザー光に対し分割ライナー300aは透明であり、分割ライナー300bは非透明である。レーザー光は分割ライナー300aを透過し、分割ライナー300bで吸収される。その結果、分割ライナー300bは、レーザー光のエネルギーにより温度が上がり溶ける。これにより、分割ライナー300aと分割ライナー300bの溶着が容易となる。さらに、この場合、分割ライナー300aと分割ライナー300bの樹脂材料を同じにして、一方の分割ライナー300bの樹脂材料に顔料を添加することにより、レーザー光吸収性を持たせることが好ましい。分割ライナー300aと分割ライナー300bの材料が同じであれば、分割ライナー300aと分割ライナー300bとの間に、強度の差が生じないからである。なお、本実施例では、樹脂として、ナイロンを用い、顔料として、例えば、カーボンブラックを用いている。なお、カーボンブラックの代わりに酸化第一鉄(FeO)を用いても良い。
次に、図3(E)に示すように、樹脂を含浸させた強化繊維をライナー300に巻き付ける。樹脂を強化する繊維として、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維(例えば、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(ケブラー繊維、ケブラーは登録商標)など)を用いることが可能である。また、繊維により強化される樹脂として、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂を用いることが可能である。なお、強化繊維の巻き付けのパターンにより外筒200の引っ張り強さなどの機械的性質を調整することが可能である。次に、図3(F)に示すように、ライナー300に巻き付けた、強化繊維を加熱硬化させる。これにより、樹脂を含浸させた強化繊維は、FRPとなり、外筒200を形成する。なお、本実施例では、樹脂を含浸させた強化繊維をライナー300に巻き付け、その後加熱硬化させて外筒200を得る工程を、フィラメント・ワインディング工程と呼んでいる。
図4は、分割ライナー300aを形成するための射出成形装置の雌金型を示す説明図である。雌金型400は、分割ライナー300aを製造する場合に固定金型として用いられる。図4(A)は、雌金型400の断面を示す説明図である。雌金型400は、凹部401と、ランナー405と、樹脂注入装置410、420と、バルブ装置430と、溝445を備える。凹部401は、対になる雄金型の凸部を受け入れる。ランナー405は、樹脂の流路である。樹脂注入装置410は、ランナー405を介して、凹部401の底に接続されている。樹脂注入装置420と、バルブ装置430は、凹部401の側面方向に配置されている。バルブ装置430は、樹脂注入装置420と接続されている。バルブ装置430は、ランナー435と、針440とを備える。針440の位置を動かすことにより、樹脂のバルブ装置430の通過の有無を制御することが可能である。溝445は、バルブ装置430と、凹部401の側面とに接続されている。
図4(B)は、図5(A)に示す雌金型400を上から見たときの説明図である。図4(B)では、ランナー405と溝445を透して示している。本実施例では、ランナー405は、8方向に分岐している。なお、この分岐数は様々な値を採用することが可能である。また、本実施例では、バルブ装置430と、溝445とをそれぞれ4つ備えているが、この数についても、様々な値を採用することが可能である。
図5は、分割ライナー300aを形成するための射出成形装置の雄金型を示す説明図である。雄金型500は、移動金型として用いられる。円柱形状を有する凸部501と圧力センサー510とを備える。圧力センサー510は、凸部501の根元近傍で、外側に少し広がる部分に配置されている。なお、雌金型、雄金型のいずれを固定金型、移動金型とするかは自由に選択することが可能である。また、本実施例では、樹脂注入装置410、420、ランナー405、バルブ装置430、溝445を雌金型400に備えているが、雄金型500に備えていてもよい。あるいは、樹脂注入装置410、ランナー405を雌金型400に備え、樹脂注入装置420、バルブ装置430、溝445を雄金型500に備えるように、分散して備えていてもよい。
図6は、金型を閉じた状態を示す説明図である。凹部401(図4参照)と凸部501(図5参照)との間には、キャビティ310が形成されている。キャビティ310は、4つのキャビティ部分311〜314を備える。第1のキャビティ部分311は、中心部側にあり、中空円筒形状を有している。第2のキャビティ部分312は、第1のキャビティ部分311の端部に一端が繋がっている。第2のキャビティ部分312は、円錐面に沿ったリング形状を有している。この第2のキャビティ部分312のリング形状は、リング形状における法線312aがキャビティ310の外側で交差するように、傾斜している。なお、この傾斜は、口金100のツバ110のテーパ形状又は略台形形状の傾斜と一致していることが好ましい。これにより、キャビティ310に形成される分割ライナー300aと、ツバ110との接合を強くすることが可能となる。第3のキャビティ部分313の一端は、第2のキャビティ部分312の他端に接続されている。第3のキャビティ部分313は、外側が凸の曲面で形成されるリング形状を有している。第4のキャビティ部分314は、第3のキャビティ部分313の他端に接続されている。第4のキャビティ部分314は、キャビティ310の最外周にあり、中空円筒形状を有している。第2のキャビティ部分312と第3のキャビティ部分313との接続位置にランナー405が繋がっている。ここからキャビティ310内に樹脂が射出注入される。ランナー405とキャビティ310との境目を「主ゲート407」と呼ぶ。また、雌金型400と雄金型500とが接する境界を「パーティングライン450」と呼ぶ。上述したバルブ装置430は、パーティングライン450に隣接している。
図7は、図6の破線W1で示す部分を拡大して示す説明図である。第4のキャビティ部分314の、第3のキャビティ部分313と接続されない他端を「接続端部部分315」と呼ぶ。この接続端部部分315は、分割ライナー300b(図2)との接合に用いられる。溝445は、接続端部部分315に接続されている。なお、雌金型400と雄金型500を閉じると、溝445は、ランナーとして機能する。圧力センサー510は、接続端部部分315に配置されている。なお、溝445と接続端部部分315の境を「バルブゲート447」と呼ぶ。
図8は、樹脂注入装置410から樹脂を注入し始めた状態を示す説明図である。図8(A)は金型の全体図を示す説明図であり、図8(B)は樹脂700の先端部近傍(破線X1で囲った部分)を拡大して示す説明図である。雌金型400は、バルブ装置430の針440を移動して、バルブ装置430を閉じる。次いで、ランナー405から主ゲート407(図6参照)を経てキャビティ310に樹脂700を注入する。
図9は、樹脂の先端部が圧力センサーの位置まで達した状態を示す説明図である。図9(A)は金型の全体図を示す説明図であり、図9(B)は樹脂700の先端部近傍(破線Y1で囲った部分)を拡大して示す説明図である。図9(B)に示す状態では、樹脂700の先端部705は、圧力センサー510に接触している。このため、圧力センサー510は、樹脂700からの圧力を検知することが可能である。この圧力を検知すると、雌金型400は、バルブ装置430の針440を移動し、バルブ装置を開く。そして、樹脂注入装置420から、バルブ装置430、溝445を介してキャビティ310の接続端部部分315に樹脂710を注入する。このときの樹脂710の注入方向は、樹脂700の流れる方向と逆向きである。樹脂710は、樹脂700と同じ樹脂であるが、顕色剤720を含んでいる点が異なる。
図10は、樹脂注入装置420から逆向きに樹脂を注入し始めた状態を示す説明図である。図10(A)は金型の全体図を示す説明図であり、図10(B)は樹脂700、710の境界部近傍(破線Z1で囲った部分)を拡大して示す説明図である。樹脂700の先端部705まで、樹脂710が充填され、樹脂710中に顕色剤720が含まれていることがわかる。このように、2回に分けて異なる樹脂を充填して成形することを2色成形と呼ぶ。なお、顕色剤720として、例えばビスフェノールAなどのフェノール化合物を用いることが出来る。なお、フェノール化合物の代わりにシリカゲルを用いても良い。
図11は、金型から取り出した分割ライナー300aを示す説明図である。分割ライナーは、第1の部分321a〜第4の部分324aを備える。これらの4つの部分321a〜324aは、それぞれ、第1〜第4のキャビティ部分311〜314に対応している。また、第4のキャビティ部分314の接続端部部分315の先端部には、分割ライナー300bとの溶着に用いられる溶着リブ325aが形成されている。なお、溶着リブ325aは、第4の部分324aの一部である。そして、溶着リブ325aは、顕色剤720を含む樹脂710で形成され、溶着リブ325aを除く分割ライナー300aは、樹脂700で形成されている。このように分割ライナー300aを製造すれば、溶着リブ325a以外は、顕色剤を含まないので、分割ライナー300aの品質を高めることができる。なお、図8〜10では、キャビティ310の空間と、キャビティ310に充填された樹脂700、樹脂710を区別するために、樹脂700、710にハッチングを描いていたが、分割ライナー300aは透明であるため、図11では、分割ライナー300aについて、ハッチングを描いていない。
図12は、金型から取り出した分割ライナー300bを示す説明図である。分割ライナー0300bは、第1の部分321b〜第4の部分324bを備える。分割ライナー300bは、分割ライナー300aと以下の点が異なっている。
(1)分割ライナー300bを形成する樹脂730、740は、レーザー光を吸収する吸収剤を含み、不透明である。したがって、図12では、分割ライナー300aについてハッチングを描いている。なお、吸収剤としては、カーボンブラックあるいは、酸化第一鉄(FeO)を用いている。
(2)溶着リブ325bの形状が溶着リブ325aの形状と異なる。溶着リブ325bは、分割ライナー300aの溶着リブ325aと勘合する形状を有している。
(3)溶着リブ325aが顕色剤を含んでいるのに対し、溶着リブ325bは、発色剤を含んでいる。ここで発色剤とは、顕色剤と反応して発色する物質であり、本実施例では、ロイコ色素(例えば、クリスタルバイオレット、フェノールフタレイン等)を用いている。ロイコ色素は、顕色剤と反応していない状態では無色透明であるが、顕色剤と反応すると、発色する。
なお、溶着リブ325b以外は、発色剤を含まないので、分割ライナー300bの品質を高めることができることは、分割ライナー300aと同様である。
図13は、分割ライナー300a、300bの接合における加圧を示す説明図である。加圧装置800は、支持部810と加圧プレート820とを備える。支持部810の上に分割ライナー300a、300bを順に配置し、分割ライナー300b側から加圧プレート820を用いて加圧する。このとき、分割ライナー300bには、固定治具830を取り付けて、分割ライナー300bの溶着リブ325a(図12)が広がらないようにしている。
図14は、レーザー溶着工程を示す説明図である。加圧された分割ライナー300a、300bの溶着部860(溶着リブ325aと325bの重なる部分)に対してレーザー発信器850からレーザー光を照射して溶着リブ325aと325bとを溶着させる。図14(B)は、図14(A)のV1で示す領域を拡大して示す説明図である。この部分では図13に示すように圧力が掛かっている。分割ライナー300aの溶着面301aと分割ライナー300bの溶着面301bとが接触している部分では、溶着リブ325a中の顕色剤720と、分割ライナー300bの溶着リブ325b中に発色剤750とが反応し、発色する。一方、分割ライナー300aの溶着面301aと分割ライナー300bの溶着面301bとの間に隙間が有る場合には、溶着リブ325a中の顕色剤720と、分割ライナー300bの溶着リブ325b中に発色剤750とが反応せず、発色しない。すなわち、この発色により、分割ライナー300aの溶着面301aと分割ライナー300bの溶着面301bとの間について、どの部分が密着し、どの部分に隙間が空いているか、がわかる。レーザー光を用いて溶着する場合、レーザー光を吸収する溶着リブ325bにレーザー光のエネルギーを吸収させて、溶かし、溶着リブ325aを溶着する。したがって、隙間が存在する状態では、レーザー光を用いて溶着リブ325bを溶かしても、溶着リブ325aとの溶着が不十分となるおそれがある。本実施例では、顕色剤720と発色剤750の反応による発色を確認してからレーザー光による溶着を実行できるので、確実な溶着を実現することができる。発色が不十分の場合、溶着面301a、301bが十分に密着していないので、より圧力を高めて溶着面301a、301bをより密着させた後、溶着を実行することができる。
図15は、発色剤の反応の一例を示す説明図である。ここでは、発色剤としてクリスタルバイオレットを用いて説明する。クリスタルバイオレットは、ロイコ色素であり、顕色剤と反応していない状態では、無色である。クリスタルバイオレットは、3つのジメチルアニリンを有しており、そのうちの1つはラクトン環を形成している。この状態では、3つのジメチルアニリンのベンゼン環は、他のベンゼン環とは共役していない。クリスタルバイオレットは、ビスフェノールAなどの顕色剤と反応すると、ラクトン環が開環し、3つのジメチルアニリンのベンゼン環と結合していた炭素と、3つのジメチルアニリンのベンゼン環の内の1つのベンゼン環と、の間に二重結合が生じる。なお、この二重結合は模式的に示したものであり、3つのジメチルアニリンのベンゼン環は全体として共役する。その結果、クリスタルバイオレットが吸収する光の波長が変わる。このように、発色剤(ロイコ色素)は、顕色剤と反応することで、発色することができる。なお、これらの発色は、透明な分割ライナー300aを通して見ることができる。本実施例では、発色剤としてクリスタルバイオレットを用いたが、例えば、フェノールフタレイン(赤色を発色)を用いてもよい。
本実施例では、発色剤750を直接樹脂740に含ませているが、直接ではなく、発色剤750をゼラチンで形成されたマイクロカプセルに封入してもよい。溶着リブ325b中の樹脂740がレーザー光で溶けて溶着リブ325中の樹脂710と溶着するときに、発色剤750が混入しないため、溶着性の低下を抑制することができる。
以上、いくつかの実施例に基づいて本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
10…タンク
100…口金
101…中心軸
110…ツバ
200…外筒
300…ライナー
300a、300b…分割ライナー
301a、301b…溶着面
305…開口部
310…キャビティ
311〜314…第1〜第4のキャビティ部分
312a…法線
315…接続端部部分
321a〜324a…第1〜第4の部分
321b〜324b…第1〜第4の部分
325a、325b…溶着リブ
400…雌金型
401…凹部
405…ランナー
407…主ゲート
410…樹脂注入装置
420…樹脂注入装置
430…バルブ装置
435…ランナー
440…針
445…溝
447…バルブゲート
450…パーティングライン
500…雄金型
501…凸部
510…圧力センサー
700、710…樹脂
705…先端部
720…顕色剤
730、740…樹脂
750…発色剤
800…加圧装置
810…支持部
820…加圧プレート
830…固定治具
850…レーザー発信器
860…溶着部

Claims (3)

  1. レーザー溶着を用いて2つのライナー構成部材を接合する工程を含む高圧タンクの製造方法であって、前記2つのライナー構成部材を接合する工程は、
    (a)顕色剤を含むレーザー透過樹脂で形成された第1のライナー構成部材を形成する工程と、
    (b)発色剤を含むレーザー吸収樹脂で形成された第2のライナー構成部材を形成する工程と、
    (c)前記第1と第2のライナー構成部材の端部同士が接した状態で前記第1と第2のライナー構成部材を前記端部の方向に押しつけることによって前記端部同士を加圧し、前記加圧により前記顕色剤と前記発色剤とを反応させて前記発色剤を発色させる工程と、
    (d)前記発色剤の発色の有無により、前記第1と第2のライナー構成部材の前記端部同士の境界を検出し、前記発色剤が発色している領域にレーザー光を照射して前記第1と第2のライナー構成部材を溶着する工程と、
    を含む、高圧タンクの製造方法。
  2. 請求項1の記載の高圧タンクの製造方法において、
    前記工程(a)は、前記顕色剤を前記第1のライナー構成部材の前記端部に設けられた溶着リブのみに含むように、2色成形により実行され、
    前記工程(b)は、前記発色剤を前記第2のライナー構成部材の前記端部に設けられた溶着リブのみに含むように、2色成形により実行される、
    高圧タンクの製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の高圧タンクの製造方法において、
    前記工程(b)は、前記発色剤をマイクロカプセルに封入して、前記第2のライナー構成部材に含ませる工程を含む、高圧タンクの製造方法。
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