JP2013118058A - 蓄電デバイス - Google Patents

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貴史 塚越
Nobuhiko Hojo
伸彦 北條
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Abstract

【課題】性能不良の発生を抑えつつ、内部抵抗が低減された蓄電デバイスを提供する。
【解決手段】本発明の蓄電デバイス1は、正極13と、正極集電体11と、負極16と、負極集電体15と、セパレータ14と、非水電解質19とを備える。正極13と正極集電体11との間、および、負極16と負極集電体15との間から選択される少なくとも何れか一方には、導電粘着層12,17がさらに配置されている。導電粘着層12,17は、導電フィラーと粘着剤とを含有する、自立性を有する膜である。導電粘着層12(または導電粘着層17)は、導電粘着層12(または導電粘着層17)と正極13(または負極16)との接合方向に垂直な仮想面に導電粘着層12(または導電粘着層17)を投影したときに現れる外形線が、前記仮想面に正極13(または負極16)を投影したときに現れる外形線よりも内側に位置するように、設置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、蓄電デバイスに関する。
近年、携帯オーディオデバイス、携帯電話、ラップトップコンピュータといった携帯型電子機器が広く普及している。こうした携帯型電子機器の電源として、種々の蓄電デバイスが使用されている。また、携帯型電子機器に用いられる蓄電デバイスよりも、はるかに大容量の蓄電デバイスに対するニーズも高まっている。例えば、省エネルギーの観点、あるいは、二酸化炭素の排出量を低減する観点から、従来の内燃機関を用いた自動車において、電気による駆動力を併用するハイブリット自動車が普及し始めている。このため、用途にかかわらず、出力、容量および繰り返し寿命などの特性がよりいっそう優れた蓄電デバイスが求められている。
蓄電デバイスの特性として、大電流放電特性が挙げられる。大電流放電特性は、蓄電デバイスの内部抵抗に大きく依存している。そこで、大電流放電時の放電電圧低下を抑制するために、内部抵抗を低減する検討が行われている。蓄電デバイスの内部抵抗の一因として、電極と集電体との界面の抵抗が挙げられる。界面の抵抗は、電極と集電体との接着性に起因している。そのため、電極と集電体との界面の接着性を向上させ、導電性を確保し、界面の抵抗を低減させる検討が種々行われている。具体的には、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極および負極と、リチウムイオン導電性の非水電解質から少なくとも構成される蓄電デバイスにおいて、正極および/または負極の電極合剤と集電体との間に炭素を導電性フィラーとする導電層を配設する蓄電デバイスが提案されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1で提案されているような導電層には、一般的には導電性フィラーと樹脂とを含むペーストが用いられる。このようなペーストを、加熱または紫外線・電子線照射などにより固形化することによって接着性を持たせ、さらに電極と集電体との導電性を確保する。しかし、このようなペーストを用いて作製される導電層は、ペースト塗布の際に塗布ムラなどのバラツキが生じやすい、機械的圧力によって変形および剥離が生じる、といった課題を有する。
また、機械的圧力による潰れ変形が生じにくく、長時間安定して優れた性能を発揮し、かつ電気伝導性に優れた導電粘着層も提案されている。このような導電粘着層として、黒鉛粉末と、気相成長炭素繊維と、熱硬化性樹脂粉末と、熱可塑性樹脂の粉末および/または繊維と、パルプとを有してなる混抄材料を抄紙した混抄紙からなり、かつ100℃以上の温度で1kg/cm2以上の圧力を加えたときに接着性を発現し、しかも100℃以上の温度で1kg/cm2以上の圧力を加える加熱加圧処理により金属と接着した後に体積固有抵抗が1Ωcm以下を示す、導電性接着シートが提案されている(例えば、特許文献2)。
特開平9−097625号公報 特開2001−20196号公報
しかし、特許文献2では、電極と集電体との間に導電性接着シートを配置して、電極と集電体との接着性および導電性を確保し、蓄電デバイスの内部抵抗を低減し得ることは提案されているものの、具体的な蓄電デバイスの構造についての知見は不十分である。
そこで、電極と集電体との間に導電性接着シートが配置された蓄電デバイスの作製を行ったところ、作製された蓄電デバイスの内部抵抗のバラツキが大きいという課題が生じた。また、作製された蓄電デバイスの充放電を行ったこところ、内部短絡による電圧低下という課題も生じた。
以上のように、電極と集電体との間に導電性接着シートが配置された蓄電デバイスでは、電池の性能バラツキが大きい等の性能不良が発生しやすいという課題があった。
本発明は、上記のような性能不良の発生を抑えつつ、内部抵抗が低減された蓄電デバイスを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記のような性能不良の要因について、検討を行った。検討を行った結果、蓄電デバイス作製時に導電性接着シートが膨潤することによって、その導電性接着シートが電極の外形から外にはみ出してセパレータに接触して接着し、セパレータに皺を生じさせていることがわかった。すなわち、本発明者らは、電極と集電体との間に設けられた導電性接着シートと、接着されている電極との配置関係が、作製した蓄電デバイスの特性に大きく影響していることを見出した。
本発明の蓄電デバイスは、
正極活物質を含む正極と、
正極集電体と、
負極活物質を含む負極と、
負極集電体と、
前記正極と前記負極との間に配置されたセパレータと、
非水溶媒と、前記非水溶媒中に溶解したアニオンおよびカチオンからなる支持塩とを含有する非水電解質と、
前記正極と前記正極集電体との間、および、前記負極と前記負極集電体との間から選択される少なくとも何れか一方に配置された、導電粘着層と、
を備え、
前記導電粘着層は、導電フィラーと粘着剤とを含有する、自立性を有する膜であり、
前記導電粘着層が前記正極と前記正極集電体との間に配置されている場合、前記導電粘着層と前記正極との接合方向に垂直な仮想面に前記導電粘着層を投影したときに現れる外形線が、前記仮想面に前記正極を投影したときに現れる外形線よりも内側に位置し、
前記導電粘着層が前記負極と前記負極集電体との間に配置されている場合、前記導電粘着層と前記負極との接合方向に垂直な仮想面に前記導電粘着層を投影したときに現れる外形線が、前記仮想面に前記負極を投影したときに現れる外形線よりも内側に位置する。
本発明の蓄電デバイスは、導電粘着層によって電極と集電体との接着性および導電性が確保されているので、内部抵抗を低減することができる。さらに、導電粘着層と電極(正極または負極)との接合方向に垂直な仮想面に導電粘着層を投影したときに現れる外形線が、前記仮想面に前記導電粘着層と接着された電極(正極または負極)を投影したときに現れる外形線よりも内側に位置するように、前記導電粘着層が配置されている。すなわち、導電粘着層は電極の外形よりも内側に収まっており、導電粘着層が電極の外形から外にはみ出していない。そのため、導電粘着層とセパレータとの接着が生じないので、性能バラツキが生じにくい。すなわち、本発明によれば、性能不良の発生が少なく、大電流放電特性に優れた、安定した蓄電デバイスを提供することができる。
本発明による蓄電デバイスの一実施形態であるコイン型電池の一例を示す模式的な断面図である。 本発明による蓄電デバイスの一実施形態であるコイン型電池の別の例を示す模式的な断面図である。 本発明による蓄電デバイスの一実施形態であるコイン型電池のさらに別の例を示す模式的な断面図である。
以下、本発明の蓄電デバイスの実施形態を説明する。図1は、本発明による蓄電デバイスの一実施形態であるコイン型電池1の模式的な断面を示している。このコイン型電池1は、コイン型ケース11、封口板15、およびガスケット18によって内部が密閉された構造を有する。コイン型電池10の内部には、正極活物質を含む正極13と、負極活物質を含む負極16と、正極13と負極16との間に配置されたセパレータ14とが収められている。正極13および負極16は、セパレータ14を挟んで互いに対向している。また、正極13とコイン型ケース11との間に正極側導電粘着層12が配置され、負極16と封口板15との間に負極側導電粘着層17が配置されている。図1に示すコイン型電池1においては、コイン型ケース11が正極集電体、封口板15が負極集電体として機能する。なお、導電粘着層は、図1に示すコイン型電池1のように正極側および負極側の両方に配置されていてもよいし、図2に示すコイン型電池2のように正極側のみに配置されていてもよいし、図3に示すコイン型電池3のように負極側のみに配置されていてもよい。正極13、負極16、およびセパレータ14からなる電極群には、非水電解質19が含浸されている。
本実施形態のコイン型電池1は、内部抵抗が低く、大電流放電特性に優れており、かつ性能不良の発生が少ない。その理由について、詳細に説明する。
正極側導電粘着層12は、この正極側導電粘着層12と正極13との接合方向に垂直な仮想面を想定した場合に、当該仮想面に正極側導電粘着層12を投影したときに現れる外形線が、当該仮想面に正極13を投影したときに現れる外形線よりも内側に位置するように、配置されている。また、負極側導電粘着層17は、この負極側導電粘着層17と負極16との接合方向に垂直な仮想面を想定した場合に、当該仮想面に負極導電粘着層17を投影したときに現れる外形線が、当該仮想面に負極16を投影したときに現れる外形線よりも内側に位置するように、配置されている。すなわち、正極側導電粘着層12と正極13とが接合されている状態を、正極導電粘着層12と正極13との接合方向から見た場合に、正極側導電粘着層12が正極13の外形の内側に収まっており、正極側導電粘着層12が正極13の外形から外にはみ出していない。同様に、負極側導電粘着層17は負極16の外形の内側に収まっており、負極側導電粘着層17が負極16の外形から外にはみ出していない。すなわち、正極側導電粘着層12において正極13に対向している面が正極13に覆われており、負極側導電粘着層17において負極16に対向している面は負極14に覆われている。言い換えれば、前記仮想面に導電粘着層を投影したときに現れる外形線で囲まれる面積(導電粘着層の投影面積)が、前記仮想面に電極を投影したときに現れる外形線で囲まれる面積(電極の投影面積)よりも小さい。
導電粘着層の投影面積が、電極の投影面積よりも大きい場合、導電粘着層のはみ出し部がセパレータに接着して、セパレータに皺が生じることがある。なお、導電粘着層のはみ出し部とは、導電粘着層のうち、電極の外形から外にはみ出している部分のことをいう。セパレータに皺が生じると、正極と負極との間隔が広がり、正負極間の非水電解質に起因する抵抗が増加する。また、充放電に体積変化を伴う電極を用いた場合、導電粘着層とセパレータとが接着していると、充放電に伴って電極が体積変化した際にセパレータに機械的圧力がかかり、セパレータが断裂して、短絡してしまう。
これに対し、本実施形態のコイン型電池1は、導電粘着層12,17は接着している電極(正極13および負極16)に覆われており、はみ出し部がない。したがって、導電粘着層とセパレータとの接着が生じないため、導電粘着層12,17とセパレータ14との接着に起因する抵抗増加および充放電時の短絡が生じない。
以上の理由により、本実施形態のコイン型電池1は、低い内部抵抗と優れた大電流放電特性とを有し、かつ性能不良の発生も少ない。
導電粘着層12,17は、少なくとも導電性フィラーと粘着剤とを含有し、自立性を有している膜であればよく、特に限定されない。このような導電粘着層12,17として、導電性両面粘着シートなどを用いることができる。
導電粘着層12,17に用いられる導電性フィラーは、特に限定されない。ただし、良好な導電性を示すものとして、炭素材料および/または金属粉末を、導電性フィラーとして用いることが好ましい。具体的には、正極側導電粘着層12に用いられる導電性フィラーとしては、アルミニウム粉末、炭素粉末および/または炭素繊維が好ましい。負極側導電粘着層17に用いられる導電性フィラーとしては、ニッケルおよび銅などの金属粉末が好ましい。
導電粘着層12,17に用いられる粘着剤には、電極と集電体とを貼り合わせると直ちに接着力を発揮する材料を用いることができる。具体的には、アクリル樹脂、天然ゴム、ブチルゴムなどの合成ゴム、シリコーン樹脂などを用いることができる。非水電解質に用いる溶媒に溶解および膨潤しないように、アクリル樹脂、ブチルゴムおよびシリコーン樹脂が好ましく、特にアクリル樹脂およびブチルゴムが好ましい。
導電粘着層の大きさは、特に制限されない。しかし、正極側導電粘着層12は、前記仮想面に正極側導電粘着層12を投影したときに現れる外形線で囲まれる面積(正極側導電粘着層12の投影面積)が、前記仮想面に正極13を投影したときに現れる外形線で囲まれる面積(正極13の投影面積)の30〜90%となるように、設定されていることが好ましい。また、負極導電粘着層17は、前記仮想面に負極側導電粘着層17を投影したときに現れる外形線で囲まれる面積(負極側導電粘着層17の投影面積)が、前記仮想面に負極16を投影したときに現れる外形線で囲まれる面積(負極16の投影面積)の30〜90%となるように、設定されていることが好ましい。なぜなら、導電粘着層の投影面積が電極の投影面積の90%以上である場合、蓄電デバイス作製時に、導電粘着層と電極との位置ずれによって導電粘着層のはみ出し部が発生する可能性があるからである。さらに、蓄電デバイス作製時に、機械的圧力による圧延および導電粘着層の膨張により、導電粘着層のはみ出し部が発生してしまう可能性もある。また、導電粘着層の投影面積が電極の投影面積の30%以下である場合、導電粘着層と電極との密着性および導電性を確保するための面積が電極の面積に対して小さくなるので、本来の導電層としての性能を十分に発揮することが困難となる場合がある。
導電粘着層の形状は、特に制限されない。しかし、導電粘着層は、接着する電極と相似形を有することが好ましい。なぜなら、蓄電デバイス作製時に発生する機械的圧力や、充放電に伴い体積変化が生じる電極を用いた場合に電極の体積変化によって発生する機械的圧力が、等方的に分散するので、導電粘着層のはみ出し部が発生しにくいからである。
正極13は、少なくとも正極活物質を含んでいる。正極活物質としては、リチウムイオン二次電池の正極材料として公知のものを使用できる。具体的には、リチウムを含んでいてもよい遷移金属酸化物を使用できる。言い換えれば、遷移金属酸化物およびリチウム含有遷移金属酸化物などを使用できる。例えば、コバルトの酸化物、ニッケルの酸化物、マンガンの酸化物、および、これらの混合物または複合酸化物などを、正極活物質として使用できる。コバルト酸リチウム(LiCoO2)などの、リチウムと遷移金属とを含む複合酸化物が、正極活物質として最もよく知られている。また、遷移金属のケイ酸塩、リン酸鉄リチウム(LiFePO4)に代表される遷移金属のリン酸塩などを、正極活物質として用いることもできる。また、遷移金属酸化物以外に、有機化合物を用いることができる。例えば、テトラカルコゲノフルバレン骨格を有する有機化合物および導電性高分子などを用いることができる。具体的には、テトラチアフルバレン(以下、TTFと記す。)を有する有機化合物を用いることが好ましい。なぜなら、TTFを有する有機化合物(以下、TTF化合物と記す。)は、遷移金属酸化物よりも、高速な酸化還元反応を行うことができるからである。すなわち、TTF化合物を正極活物質として用いることで、大電流放電特性に優れた蓄電デバイスを提供することができるからである。TTF化合物を正極活物質として用いる場合には、用いられるTTF化合物は、非水電解質に溶解しないように、高分子化合物であることが好ましい。具体的には、テトラカルコゲノフルバレン骨格を含む単位ユニットが4以上であること、すなわち、重合体の重合度は4以上であることが好ましい。これにより、非水電解質に溶けにくい電極活物質が実現される。重合体の重合度は、より好ましくは10以上であり、さらに好ましくは20以上4000以下である。テトラカルコゲノフルバレン骨格を有する部分の構造は、例えば下記式(1)で表される。
Figure 2013118058
式(1)中、X1、X2、X3、およびX4は、互いに独立して、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、またはテルル原子である。Ra、Rb、Rc、およびRdから選ばれる1つまたは2つは、重合体の主鎖または側鎖の他の部分と結合するための結合手である。Ra、Rb、Rc、およびRdから選ばれる、残りの3つまたは2つは、互いに独立して、鎖状の脂肪族基、環状の脂肪族基、水素原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、ニトロソ基、またはアルキルチオ基である。鎖状の脂肪族基および環状の脂肪族基は、それぞれ、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子およびホウ素原子からなる群から選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。RaとRbとは、互いに結合して環を形成していてもよく、また、RcとRdとは、互いに結合して環を形成していてもよい。
正極活物質として、TTF化合物に代表されるような有機化合物を用いる場合には、本発明の効果を顕著に得ることができる。正極活物質である有機化合物が酸化還元反応を行う際には、アニオンとともに溶媒も移動するため、充放電時および非水電解質含浸時に正極13が膨張しやすい。本実施形態において、正極側導電粘着層12の投影面積は、正極13の投影面積よりも小さい。そのため、正極13とコイン型ケース(正極集電体)11との間に、一部隙間が存在している。その隙間と正極側導電粘着層12が有している柔軟性とにより、充放電により正極13が体積変化を伴う場合、充放電に伴う正極13の体積変化が緩和され、さらに、正極側導電粘着層12が正極13の体積変化に追従できるので、安定した充放電が可能となる。
正極13は、正極活物質の他にも、必要に応じて、電極内の電子伝導性を補助する導電助剤、および/または、正極の形状保持のための結着剤、および/または、導電性支持体を含んでいてもよい。導電助剤は、例えば、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維などの炭素材料、金属繊維、金属粉末類、導電性ウィスカー類、導電性金属酸化物などであり、これらの混合物を用いてもよい。結着剤は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。結着剤は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンに代表されるポリオレフィン樹脂;ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)に代表されるフッ素系樹脂およびそれらの共重合体樹脂;スチレンブタジエンゴム、ポリアクリル酸およびそれらの共重合体樹脂などであり、これらの混合物を用いてもよい。導電性支持体としては、蓄電デバイスの正極集電体として公知の材料を用いることができる。正極13の導電性支持体としては、例えば、アルミニウムおよびステンレスなどの金属でできた金属箔または金属メッシュ、あるいは、カーボン多孔質体が使用できる。
負極16は、少なくとも負極活物質を含んでいる。負極活物質としては、リチウムイオンを可逆的に吸蔵および放出することができる公知の負極活物質を用いることができる。負極活物質は、例えば、天然黒鉛および人造黒鉛に代表される黒鉛材料、非晶質炭素材料、リチウム金属、リチウム−アルミニウム合金、リチウム含有複合窒化物、リチウム含有チタン酸化物、珪素、珪素を含む合金、珪素酸化物、錫、錫を含む合金、および錫酸化物などであってよく、これらの混合物であってもよい。
負極活物質として珪素、珪素を含む合金、珪素酸化物、錫、錫を含む合金、および錫酸化物を用いる場合には、本発明の効果を顕著に得ることができる。珪素、珪素を含む合金、珪素酸化物、錫、錫を含む合金、および錫酸化物は、充放電に伴い、その体積が大きく変化する。本実施形態において、負極側導電粘着層17の投影面積は、負極16の投影面積よりも小さい。そのため、負極17と封口板(負極集電体)15との間に、一部隙間が存在している。その隙間と負極側導電粘着層17が有している柔軟性とにより、充放電に伴う負極16の体積変化が緩和され、さらに、負極側導電粘着層17が負極16の体積変化に追従できるので、安定した充放電が可能となる。
負極16は、負極活物質の他にも、必要に応じて、電極内の電子伝導性を補助する導電助剤、および/または、負極の形状保持のための結着剤、および/または、導電性支持体を含んでいてもよい。導電助剤および結着剤としては、正極13に用いることのできる導電助剤および結着剤と同様の材料を用いることができる。導電性支持体としては、蓄電デバイスの負極集電体として公知の材料を用いることができる。負極16の導電性支持体には、例えば、銅、ニッケル、ステンレスなどの金属でできた金属箔またはメッシュを用いることができる。
セパレータ14は、電子伝導性を有しない樹脂によって構成された樹脂層であり、大きなイオン透過度を有し、十分な機械的強度および電気的絶縁性を備えた多孔膜である。耐有機溶剤性および疎水性に優れるという観点から、セパレータ14は、ポリプロピレン、ポリエチレン、またはこれらを組み合わせたポリオレフィン樹脂であることが好ましい。
非水電解質19は、非水溶媒と、非水溶媒に溶解する支持塩とを含有する。非水溶媒としては、非水電解質二次電池および非水系電気二重層キャパシタに用いることのできる公知の溶媒が使用可能である。具体的には、環状炭酸エステルを含んでいる溶媒を好適に用いることができる。なぜなら、環状炭酸エステルは、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートに代表されるように、非常に高い比誘電率を有しているからである。環状炭酸エステルの中でもプロピレンカーボネートが好適である。なぜなら、凝固点が−49℃とエチレンカーボネートよりも低く、蓄電デバイスを低温でも作動させることができるからである。また、環状エステルを含んでいる溶媒も、好適に用いることができる。なぜなら、環状エステルは、γ−ブチルラクトンに代表されるように、非常に高い比誘電率を有しているからである。これらを成分として含むことにより、非水溶媒全体として非常に高い比誘電率を実現できる。
非水溶媒として、上記の溶媒のうち何れか1つのみを用いてもよいし、複数の溶媒を混合して用いてもよい。使用可能なその他の溶媒として、鎖状炭酸エステル、鎖状エステル、環状あるいは鎖状のエーテル等が挙げられる。具体的には、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、スルホラン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等の非水溶媒を用いることができる。
非水溶媒として、環状炭酸エステル、環状エステルおよび環状エーテルから選ばれる少なくとも何れか1つと、鎖状炭酸エステル、鎖状エステルおよび鎖状エーテルから選ばれる少なくとも何れか1つとを含む混合溶媒を用いてもよい。
導電粘着層に含まれる粘着剤にアクリル樹脂が用いられる場合には、非水溶媒の比誘電率は10〜78であることが好ましい。粘着剤にブチルゴムが用いられる場合には、非水溶媒の比誘電率は2.8〜78であることが好ましい。粘着剤にシリコーン樹脂が用いられる場合には、非水溶媒の比誘電率は30〜78であることが好ましい。なぜなら、前記比誘電率を有する非水溶媒を用いた場合、粘着剤の膨張は少なく、本発明の効果を顕著に得られるからである。さらに、アクリル樹脂が用いられる場合には、非水溶媒の比誘電率は10〜60であることが、さらに好ましい。なぜなら、非水溶媒の比誘電率が高すぎると、アクリル樹脂に含まれる機能性低分子体が溶解しやすくなり、導電粘着層としての性能を発揮できなくなる可能性があるからである。
正極活物質としてTTF化合物を用いる場合、TTF化合物の非水溶媒への溶解度が高すぎると、正極活物質であるTTF化合物が溶出してしまう可能性がある。このため、正極活物質としてTTF化合物を用いる場合は、非水溶媒は、正極活物質に用いるTTF化合物を溶出しないものであることが好ましい。
支持塩としては、以下に挙げるカチオンとアニオンとからなる支持塩が挙げられる。
カチオンとしては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属のカチオン、マグネシウムなどのアルカリ土類金属のカチオン、テトラエチルアンモニウム、1,3−エチルメチルイミダゾリウムなどの4級アンモニウムカチオンを使用できる。カチオンは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。これらの中でも、リチウムのカチオン、4級アンモニウムカチオンなどが好ましい。
アニオンとしては、例えば、ハロゲン化物アニオン、過塩素酸アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、四ホウフッ化物アニオン、トリフルオロリン6フッ化物アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン、ビス(パーフルオロエチルスルホニル)イミドアニオンなどが挙げられる。アニオンは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。支持塩の具体例としては、例えば、フッ化リチウム、塩化リチウム、過塩素酸リチウム、トリフロロメタンスルホン酸リチウム、四ホウフッ化リチウム、ビストリフロロメチルスルホニルイミドリチウム、チオシアン酸リチウム、過塩素酸マグネシウム、トリフロロメタンスルホン酸マグネシウム、四ホウフッ化ナトリウムなどが挙げられる。
以下に本発明の実施例を説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
(1)蓄電デバイス(コイン型電池)の作製
以下のように、実施例1および2と、比較例1〜4の蓄電デバイスを作製した。
(実施例1)
実施例1では、正極と正極集電体であるコイン型ケースとの間に導電粘着層が設けられた、図2に示すコイン型電池を作製した。
正極活物質として、下記式(2)に示す重合体化合物を用いた。
Figure 2013118058
乳鉢で粉砕した重合体化合物150mgに、アセチレンブラック400mgを加えて均一に混合し、さらにポリテトラフルオロエチレン100mgを加えて混合することにより、正極活物質合剤を得た。得られた合剤を、直径13.5mmの円盤状に打ち抜き裁断して、正極を作製した。
得られた正極を、導電粘着層を用いてコイン型ケースに貼り付けた。導電粘着層には、導電性フィラーとして炭素粒子、粘着剤としてアクリル樹脂を含む導電性両面粘着シート(住友スリーエム社製「導電性アクリルパッド 7850」)を用いた。この導電性両面粘着シートを直径12.5mmの円盤状に打ち抜いて得られたものを、導電粘着層として、正極上の中央部に貼り付けた。導電粘着層において正極に対向している面の面積は、正極において導電粘着層に対向している面の面積の86%であった。導電粘着層の貼り付け後、正極側からの観察により、導電粘着層のはみ出し部が無いことを確認した。ここで、正極側からの観察とは、互いに接合された導電粘着層と正極とを、導電粘着層と正極との接合方向から見た状態の観察のことである。すなわち、これによって、導電粘着層と正極との接合方向に垂直な仮想面に、導電粘着層及び正極を投影したときに現れる外形線が観察されたことになる。
次に、負極および非水電解質を作製した。負極活物質である金属リチウム(厚み300μm)を、直径15mmの円盤状に打ち抜き裁断した。これを、直径15mmの円盤状の集電板(ステンレス製)に貼り付けることによって、負極を作製した。
プロピレンカーボネート(PC)とジメチルカーボネート(DMC)とを体積比2:1で混合した混合溶媒を用いた。この溶媒に、支持塩として、1mol/L濃度となるように6フッ化りん酸リチウムを溶解して、非水電解質を作製した。作製した混合溶媒の比誘電率は40であった。なお、混合溶媒の比誘電率は、25℃の環境下において、二十円筒管電流測定方式(測定周波数:10kHz、日本ルフト社製Model871)で測定された値であり、本発明の実施例で測定された他の比誘電率も、同じ方法によって得られた値である。得られた非水電解質は、正極、負極、および、多孔質ポリエチレンシート(厚み20μm)とポリプロピレン不織布(厚み160μm)とからなるセパレータに含浸させた。
コイン型ケースに貼り付けられた正極上に、セパレータおよび負極を図2に示すコイン型電池のように配置した。そして、ガスケットを装着した封口板でケースの開口を挟み、プレス機にてかしめ封口し、実施例1のコイン型電池を得た。
(実施例2)
実施例2では、負極と負極集電体である封口板との間に導電粘着層を設けた、図3に示すコイン型電池を作製した。
導電性支持体である銅箔上に、電子線加熱蒸着法により、珪素酸化物(SiOx)の薄膜を形成した。蒸着源として、純度99.9999%の珪素金属((株)高純度化学研究所製)を用い、真空チャンバー内に純度99.7%の酸素ガス(日本酸素(株)製)を導入して成膜を行った。得られた蒸着膜を、直径15mmの円盤状に打ち抜き裁断して、負極を作製した。
得られた負極を、導電粘着層を用いて封口板に貼り付けた。導電粘着層には、導電性フィラーとしてニッケル粒子、粘着剤としてアクリル樹脂を含む導電性両面粘着シート(寺岡製作所社製「導電性ベースレス両面テープNo.7025」)を用いた。この導電性両面粘着シートを直径12.5mmの円盤状に打ち抜いて得られたものを、導電粘着層として、負極の中央部に貼り付けた。導電粘着層において負極に対向している面の面積は、負極において導電粘着層に対向している面の面積の69%であった。導電粘着層の貼り付け後、負極側からの観察により、導電粘着層のはみ出し部が無いことを確認した。ここで、負極側からの観察とは、互いに接合された導電粘着層と負極とを、導電粘着層と負極との接合方向から見た状態の観察のことである。すなわち、これによって、導電粘着層と負極との接合方向に垂直な仮想面に、導電粘着層及び負極を投影したときに現れる外形線が観察されたことになる。
次に、正極および非水電解質を作製した。正極活物質である金属リチウム(厚み1mm)を直径16mmの円盤状に打ち抜き裁断した。これを、直径16mmの円盤状の集電板(ステンレス製)に貼り付けることによって、正極を作製した。
プロピレンカーボネート(PC)とジメチルカーボネート(DMC)とを体積比2:1で混合した混合溶媒を用いた。この溶媒に、支持塩として、1mol/L濃度となるように6フッ化りん酸リチウムを溶解して、非水電解質を作製した。作製した混合溶媒の比誘電率は40であった。なお、非水電解質は、正極、負極、および、多孔質ポリエチレンシート(厚み20μm)とポリプロピレン不織布(厚み160μm)とからなるセパレータに含浸させた。
コイン型ケース上に正極およびセパレータを配置した。負極を貼り付けた封口板にガスケットを装着した。この封口板で、図3に示すコイン型電池のようにコイン型ケースの開口を挟み、プレス機にてかしめ封口し、実施例2のコイン型電池を得た。
(比較例1)
導電粘着層を、正極と同じ大きさ(直径13.5mm)に打ち抜いて使用したこと以外は、実施例1と同様の方法でコイン型電池を作製した。比較例1のコイン型電池では、導電粘着層において正極に対向している面の面積は、正極において導電粘着層に対向している面の面積の100%であった。なお、導電粘着層を正極に貼り付けた後、正極側からの観察により、導電粘着層のはみ出し部が無いことを確認した。
(比較例2)
導電粘着層を用いなかったこと以外は、実施例1と同様の方法でコイン型電池を作製した。
(比較例3)
導電粘着層を、負極と同じ大きさ(直径15mm)に打ち抜いて使用したこと以外は、実施例2と同様の方法でコイン型電池を作製した。比較例2のコイン型電池では、導電粘着層において負極に対向している面の面積は、負極において導電粘着層に対向している面の面積の100%であった。なお、導電粘着層を負極に貼り付けた後、負極側からの観察により、導電粘着層のはみ出し部が無いことを確認した。
(比較例4)
導電粘着層を用いなかったこと以外は、実施例2と同様の方法でコイン型電池を作製した。
(2)蓄電デバイス(コイン型電池)の性能評価
実施例1および2で得られた電池と、比較例1〜4で得られた電池とについて、容量評価および抵抗評価を行った。
まず、電池の充放電容量の評価を行った。なお、充放電容量の評価は、25℃の恒温槽環境内に電池を置いて行った。実施例1、比較例1および比較例2の電池の充放電試験は、電池容量に対して5時間率(0.2CmA)となる電流値にて、定電流充放電を行うことにより実施した。電圧範囲は、充電上限電圧を4.0V、放電下限電圧を3.0Vとした。実施例2、比較例3および比較例4の電池の充放電試験は、電池容量に対して10時間率(0.1CmA)となる電流値にて、定電流充放電を行うことにより実施した。電圧範囲は、充電下限電圧を0V、放電上限電圧を2.0Vとした。充電終了後、放電を開始するまでの休止時間は30分とした。こうして得られた放電容量を、電池の充放電容量とした。
抵抗評価は、ACインピーダンス評価にて行った。ACインピーダンス評価は、25℃の恒温槽環境内に電池を置き、電圧振幅10mVとして、電池の充電状態において行った。周波数100kHzの抵抗値を、電池の抵抗とした。
また、評価後の電池を分解し、導電粘着層のはみ出し部の有無の確認を行った。導電粘着層のはみ出し部の確認は、接着された正極側または負極側から目視で観察することで行った。
作製した蓄電デバイスの充放電容量評価、抵抗評価、はみ出し部確認の結果を、表1にまとめて示す。
Figure 2013118058
表1に示すように、実施例1、比較例1および比較例2で同等の放電容量、実施例2、比較例3および比較例4で同等の放電容量が確認されており、電池が動作していることが確認された。抵抗は、導電粘着層を用いた実施例1および実施例2の電池で、比較例2および比較例4の電池よりもそれぞれ小さくなっていた。また、実施例1の電池は、正極の面積と同じ面積の導電粘着層が用いられた比較例1の電池と、同等の抵抗値を有していた。また、実施例2の電池は、負極の面積と同じ面積の導電粘着層が用いられた比較例3の電池と、同等の抵抗値を有していた。実施例1、比較例1および比較例2の電池は、導電粘着層のみが互いに異なる。実施例2、比較例3および比較例4の電池は、導電粘着層のみが互いに異なる。実施例1の電池は、導電粘着層を有しているため、正極と集電体との間の抵抗が比較例2の電池よりも小さくなっており、正極と同じ面積を有する導電粘着層が用いられた比較例1の電池と同等の抵抗を有していた。すなわち、導電粘着層の面積が、接着している正極よりも小さい場合でも、導電粘着層の機能を十分に発揮できることが確認された。また、実施例1の電池は、加圧時においても導電粘着層のはみ出し部が無かった。すなわち、蓄電デバイスの構成時にも、位置ずれなどによる導電粘着層のはみ出し部は生じていなかった。したがって、実施例1の電池は、性能不良を起こしにくいと評価することができる。実施例2、比較例3および比較例4の結果から、負極側に導電粘着層を設けた場合でも、同様の効果が得られることが確認された。
以上の結果から、本発明の構成によれば、内部抵抗が低く、大電流放電特性に優れており、かつ性能不良が発生しにくい蓄電デバイスを提供できることが確認された。
(3)粘着剤の膨張評価
非水溶媒に浸漬したときの両面粘着テープの接着力評価を行った。粘着剤には、アクリル樹脂、ブチルゴム、シリコーン樹脂を用いた。具体的には、アクリル樹脂を用いた両面粘着テープとして住友スリーエム社製の「導電性アクリルパッド7850」を、ブチルゴムを用いた両面粘着テープとして寺岡製作所社製の「ポリエチレンネットベース両面テープNo.717」を、シリコーン樹脂を用いた両面粘着シートとして寺岡製作所社製の「ベースレス両面テープNo.7470」を用いた。
膨張評価は、直径12.5mmに打ち抜いた両面テープを、直径15mm、厚み200μmのSUS板に貼り付け、比誘電率の異なる非水溶媒に30分間浸漬させた後の、SUS板と両面テープとの接着力の変化で評価した。接着力は、浸漬後に両面テープをピンセットで引張った際の粘着力の有無で判断した。
非水溶媒としては、プロピレンカーボネート(PC)とジメチルカーボネート(DMC)とを混合した混合溶媒を用いた。PCとDMCとの混合比を変えることによって、混合溶媒の比誘電率を変化させた。なお、比誘電率78の非水溶媒は、PCにエチレンカーボネート(EC)を体積比1:1で混合することによって作製した。評価の結果を表2に示す。なお、表2中、「変化なし」は粘着力が失われていない状態を指し、「低下」は粘着力が失われた状態を指す。
Figure 2013118058
同様に、非水溶媒として、PCとジメトキシエタン(DME)とを混合した混合溶媒を用いた場合の評価結果を表3に、γ‐ブチルラクトン(GBL)とDMCとを混合した混合溶媒を用いた場合の評価結果を表4に、それぞれ示す。それぞれの混合溶媒は、PCとDME、GBLとDMCの混合比を変えることによって、その比誘電率を変化させた。なお、表2と同様に、表3及び4中、「変化なし」は粘着力が失われていない状態を指し、「低下」は粘着力が失われた状態を指す。
Figure 2013118058
Figure 2013118058
表2〜4に示すように、粘着力の変化は溶媒種に関わらず、比誘電率に依存していることがわかる。具体的には、アクリル樹脂を用いる場合は非水電解質に用いられる非水溶媒の比誘電率は10〜78、ブチルゴムを用いる場合は非水電解質に用いられる非水溶媒の比誘電率は10〜78、シリコーン樹脂を用いる場合は非水電解質に用いられる非水溶媒の比誘電率は30〜78、であれば、粘着剤は接着力を失わない。これは、粘着剤が膨張しにくいためである。そのため、上記の比誘電率の非水溶媒を用いることで、本発明の効果を顕著に得ることができる。
本発明の蓄電デバイスとしては、一次電池、二次電池、キャパシタ、電解コンデンサ、センサーおよびエレクトロクロミック素子などが挙げられる。
本発明の蓄電デバイスは、輸送機器および電子機器などの電源;火力発電、風力発電および燃料電池発電などの発電設備と組み合わせて使用される、電力平準化用の蓄電デバイス;一般家庭および集合住宅用の非常用蓄電システムおよび深夜電力蓄電システムなどの電源;無停電電源、などに好適に使用できる。
本発明の蓄電デバイスは、特に、電子機器の電源として好適である。そのような電子機器には、携帯用電子機器、電動工具、掃除機およびロボットなどが含まれる。これらの中でも、携帯電話、モバイル機器、携帯情報端末(PDA)、ノート型パーソナルコンピュータ、ビデオカメラおよびゲーム機に代表される、携帯用電子機器の電源に、本発明の蓄電デバイスを好適に使用できる。
1,2,3 コイン型電池
11 コイン型ケース(正極集電体)
12 正極側導電粘着層
13 正極
14 セパレータ
15 封口板(負極集電体)
16 負極
17 負極側導電粘着層
18 ガスケット
19 非水電解質

Claims (15)

  1. 正極活物質を含む正極と、
    正極集電体と、
    負極活物質を含む負極と、
    負極集電体と、
    前記正極と前記負極との間に配置されたセパレータと、
    非水溶媒と、前記非水溶媒中に溶解したアニオンおよびカチオンからなる支持塩とを含有する非水電解質と、
    前記正極と前記正極集電体との間、および、前記負極と前記負極集電体との間から選択される少なくとも何れか一方に配置された、導電粘着層と、
    を備え、
    前記導電粘着層は、導電フィラーと粘着剤とを含有する、自立性を有する膜であり、
    前記導電粘着層が前記正極と前記正極集電体との間に配置されている場合、前記導電粘着層と前記正極との接合方向に垂直な仮想面に前記導電粘着層を投影したときに現れる外形線が、前記仮想面に前記正極を投影したときに現れる外形線よりも内側に位置し、
    前記導電粘着層が前記負極と前記負極集電体との間に配置されている場合、前記導電粘着層と前記負極との接合方向に垂直な仮想面に前記導電粘着層を投影したときに現れる外形線が、前記仮想面に前記負極を投影したときに現れる外形線よりも内側に位置する、
    蓄電デバイス。
  2. 前記導電粘着層が前記正極と前記正極集電体との間に配置されている場合、前記仮想面に前記導電粘着層を投影したときに現れる前記外形線で囲まれる面積が、前記仮想面に前記正極を投影したときに現れる前記外形線で囲まれる面積の30〜90%であり、
    前記導電粘着層が前記負極と前記負極集電体との間に配置されている場合、前記仮想面に前記導電粘着層を投影したときに現れる前記外形線で囲まれる面積が、前記仮想面に前記負極を投影したときに現れる前記外形線で囲まれる面積の30〜90%である、
    請求項1に記載の蓄電デバイス。
  3. 前記粘着剤が、アクリル樹脂、ブチルゴムおよびシリコーン樹脂から選択される少なくとも何れか1つを含む、
    請求項1または2に記載の蓄電デバイス。
  4. 前記粘着剤が、アクリル樹脂を含み、
    前記非水溶媒の比誘電率が、10〜78である、
    請求項3に記載の蓄電デバイス。
  5. 前記非水溶媒の比誘電率が、10〜60である、
    請求項4に記載の蓄電デバイス。
  6. 前記粘着剤が、ブチルゴムを含み、
    前記非水溶媒の比誘電率が、2.8〜78である、
    請求項3に記載の蓄電デバイス。
  7. 前記粘着剤が、シリコーン樹脂を含み、
    前記非水溶媒の比誘電率が、30〜78である、
    請求項3に記載の蓄電デバイス。
  8. 前記非水溶媒が、環状炭酸エステル、環状エステルおよび環状エーテルから選ばれる少なくとも何れか1つを含む、
    請求項1または2に記載の蓄電デバイス。
  9. 前記非水溶媒が、環状炭酸エステル、環状エステルおよび環状エーテルから選ばれる少なくとも何れか1つと、鎖状炭酸エステル、鎖状エステルおよび鎖状エーテルから選ばれる少なくとも何れか1つとを含む混合溶媒である、
    請求項8に記載の蓄電デバイス。
  10. 前記カチオンがリチウムイオンを含む、
    請求項8または9に記載の蓄電デバイス。
  11. 前記正極が、テトラカルコゲノフルバレン骨格を含む正極活物質を含む、
    請求項1または2に記載の蓄電デバイス。
  12. 前記正極活物質が、下記化学式(1)で表される構造を有する化合物である、
    請求項11に記載の蓄電デバイス。
    Figure 2013118058
    (式(1)中、X1、X2、X3、およびX4は、互いに独立して、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、またはテルル原子である。Ra、Rb、Rc、およびRdから選ばれる1つまたは2つは、重合体の主鎖または側鎖の他の部分と結合するための結合手である。Ra、Rb、Rc、およびRdから選ばれる、残りの3つまたは2つは、互いに独立して、鎖状の脂肪族基、環状の脂肪族基、水素原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、ニトロソ基、またはアルキルチオ基である。鎖状の脂肪族基および環状の脂肪族基は、それぞれ、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子およびホウ素原子からなる群から選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。RaとRbとは、互いに結合して環を形成していてもよく、また、RcとRdとは、互いに結合して環を形成していてもよい。)
  13. 少なくとも前記負極と前記負極集電体との間に前記導電粘着層が配置されており、
    前記負極が、前記負極活物質として、リチウム合金またはリチウムイオンを吸蔵および放出可能な材料を含む、
    請求項1または2に記載の蓄電デバイス。
  14. 前記リチウムイオンを吸蔵および放出可能な材料が、珪素、珪素含有合金および珪素酸化物から選ばれる少なくとも何れか1つを含む、
    請求項13に記載の蓄電デバイス。
  15. 前記負極が導電性支持体を含んでおり、
    前記導電性支持体が金属箔である、
    請求項14に記載の蓄電デバイス。
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