JP2013117913A - 画像形成システム - Google Patents
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Abstract
【課題】分散ラスタライズブレードの数が印刷処理性能を達成するために必要な数に最適化されたシステムを容易に構築可能な画像処理システムを提供する。
【解決手段】分散されたページのラスタライズ処理を並列に行う複数のラスタライズブレードと、ラスタライズ処理後のページについて順次印刷処理を行う印刷手段と、各ページのラスタライズ処理の開始時刻と終了時刻を検知する時刻検知手段と、すべてのページについて、前のページの印刷処理が終了する以前にページのラスタライズ処理が終了するために必要なラスタライズブレード数を、ラスタライズ処理の開示時刻および終了時刻の少なくともいずれかと、ページの印刷処理に少なくとも必要な印刷処理時間と、に基づいて算出するブレード数算出手段と、ブレード数算出手段により算出されたラスタライズブレードの数または不足数を表示する表示手段と、を有する。
【選択図】図7
【解決手段】分散されたページのラスタライズ処理を並列に行う複数のラスタライズブレードと、ラスタライズ処理後のページについて順次印刷処理を行う印刷手段と、各ページのラスタライズ処理の開始時刻と終了時刻を検知する時刻検知手段と、すべてのページについて、前のページの印刷処理が終了する以前にページのラスタライズ処理が終了するために必要なラスタライズブレード数を、ラスタライズ処理の開示時刻および終了時刻の少なくともいずれかと、ページの印刷処理に少なくとも必要な印刷処理時間と、に基づいて算出するブレード数算出手段と、ブレード数算出手段により算出されたラスタライズブレードの数または不足数を表示する表示手段と、を有する。
【選択図】図7
Description
本発明は、画像形成システムに関し、特に分散ラスタライズ処理を行う画像形成システムに関する。
近年、画像形成装置の処理能力の向上が推進されている。
画像形成装置の処理能力を向上させる従来技術として、複数の画像形成装置が接続されたネットワークにおいて、画像形成装置の演算リソースの使用状態を管理し、使用状態に応じて他の画像形成装置に印刷ジョブの処理を分散して並列処理させるものがある。このような従来技術によれば、画像形成装置単体で印刷ジョブを処理するよりも印刷ジョブの処理時間を短縮することができるため、見かけ上画像形成装置の処理能力を向上させることができる(特許文献1)。
しかし、上記従来技術においても、印刷ジョブの各ページのラスタライズ処理が印刷処理開始のタイミングに間に合わないことにより画像形成装置の印刷処理性能を十分生かしきれず、画像形成装置全体としての処理能力の向上の妨げとなっている場合がある。また、この場合に分散ラスタライズ処理を行わせる装置を何台追加すれば画像形成装置の印刷処理性能を達成させることができるのか判らないという問題がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものである。すなわち、印刷ジョブの全ページについて、前のページの印刷処理が終了する以前に当該ページのラスタライズ処理が終了するために必要な分散ラスタライズブレードの数を、各ページのラスタライズ処理の開始・終了時刻と画像形成装置の印刷処理速度とに基づき算出する。これにより、ユーザーは分散ラスタライズブレードの数が印刷処理性能を達成するために必要な数に最適化された画像処理システムを容易に構築することができる。
本発明の上記課題は、以下の手段によって解決される。
(1)各々に分散された印刷データのページのラスタライズ処理を並列に行う複数のラスタライズブレードと、前記ラスタライズ処理がされた前記ページについて順次印刷処理を行う印刷手段と、前記ラスタライズブレードにおいて各ページのラスタライズ処理の開始時刻と終了時刻を検知する時刻検知手段と、すべての前記ページについて、前のページの印刷処理が終了する以前に前記ページのラスタライズ処理が終了するために必要な前記ラスタライズブレードの数を、前記時刻検知手段により検知された前記ラスタライズ処理の開示時刻および終了時刻の少なくともいずれかと、前記印刷手段による前記印刷ジョブの前記ページの印刷処理に少なくとも必要な印刷処理時間と、に基づいて算出するブレード数算出手段と、前記ブレード数算出手段により算出された前記ラスタライズブレードの数および前記ブレード数算出手段により算出された前記ラスタライズブレードの数に対する不足数の少なくともいずれかを表示する表示手段と、を有する画像形成システム。
(2)前記表示手段は、前記ラスタライズ処理において、前のページの印刷処理が終了する以前に前記ページのラスタライズ処理が終了しなかった場合に、前記ブレード数算出手段により算出された前記ラスタライズブレードの数および前記不足数の少なくともいずれかを表示する上記(1)に記載の画像形成システム。
(3)前記ラスタライズ処理において、前のページの印刷処理が終了する以前に前記ページのラスタライズ処理が終了しなかった場合には警告を行う警告手段をさらに有する上記(1)または(2)に記載の画像形成システム。
(4)複数の印刷ジョブにそれぞれ含まれる印刷データの少なくともいずれかの前記ページが各々の前記ラスタライズブレードに分散され、各ラスタライズブレードは分散された前記ページのラスタライズ処理を並列に行う上記(1)〜(3)のいずれかに記載の画像形成システム。
印刷ジョブの全ページについて、前のページの印刷処理が終了する以前に当該ページのラスタライズ処理が終了するために必要な分散ラスタライズブレードの数を、各ページのラスタライズ処理の開始・終了時刻と画像形成装置の印刷処理速度とに基づき算出する。これにより、ユーザーは分散ラスタライズブレードの数が印刷処理性能を達成するために必要な数に最適化された画像処理システムを容易に構築することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る画像形成システムについて詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成システムを示すブロック図である。
図1に示すように、画像形成システム1は、印刷装置10、管理ブレード20、分散ラスタライズブレード30、およびホストコンピュータ40を有する。ここで、印刷装置10は印刷手段、表示手段および警告手段として機能する。管理ブレード20は、時刻検知手段およびブレード数算出手段として機能する。分散ラスタライズブレード30はラスタライズブレードとして機能する。ホストコンピュータ40は表示手段および警告手段として機能する。
なお、画像形成システム1は、印刷装置10、管理ブレード20、および分散ラスタライズブレード30の機能を備える画像形成装置により構成されてもよい。この場合、画像形成装置はMFP(Multifunction Peripheral)により構成することができる。また、管理ブレード20、および分散ラスタライズブレード30は、これらの機能を備えるブレードサーバにより構成されてもよい。
印刷装置10は、その本体と操作画面11とが画面表示/操作用インターフェース12により双方向通信可能に接続されている。印刷装置10と管理ブレード20とはビデオインターフェース21により双方向通信可能に接続されている。管理ブレード20と各分散ラスタライズブレード31、32とはブレード接続用インターフェース23により双方向通信可能に接続されている。管理ブレード20とホストコンピュータ40とはLAN(Local Area Network)通信インターフェース22により双方向通信可能に接続されている。
図2は、印刷装置の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、印刷装置10は、CPU(Central Processing Unit)100、RAM(Random Access Memory)101、ROM(Read Only Memory)102、HDD(Hard Disk Drive)103、ビデオインターフェース104、操作部105、表示部106、読取部107、印刷部108を備えており、これらの構成要素は信号をやり取りするためのバス109を介して相互に接続されている。
なお、操作部105および表示部106と印刷装置10の他のいずれかの構成要素とは、特に、画面表示/操作用インターフェース12を介して接続することができる。
CPU100は、プログラムに従って上記各構成要素の制御や各種の演算処理等を行う。すなわち、CPU100は、印刷装置10の各構成要素と連携をとりながら、各種処理、印刷、保存に関する制御全般を行なう。
RAM101は、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶する。
ROM102は、予め各種プログラムやデータを記憶する。
HDD103は、CPU100が印刷装置10の各構成要素を制御するためのプログラムを含む各種プログラムや、ラスタライズ処理がなされた印刷データといった各種データを保存するための装置である。HDD103に記憶されたプログラムおよびデータは、CPU100により必要に応じて読み出され、RAM101上で実行または処理される。
ここで、印刷データとは、印刷の対象であるドキュメントのデータであり、例えば、イメージデータ、ベクタデータ(グラフィックデータ)、テキストデータといった各種データが含まれ得る。例えば、印刷データは、PDF(Portable Document Format)データまたはTIFF(Tagged Image File Format)データであり得る。
ビデオインターフェース104は、印刷装置10と外部機器との間で通信を行うためのインターフェースであり、イーサネット(登録商標)、トークンリング、FDDI等の規格によるネットワークインターフェースや、USB、IEEE1394等のシリアルインターフェース、SCSI、IEEE1284等のパラレルインターフェース、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11、HomeRF、IrDA等の無線通信インターフェース等の各種ローカル接続インターフェース、電話回線に接続するための電話回線インターフェース等が用いられる。
操作部105は、各種設定を行うタッチパネル、コピー枚数等を設定するテンキー、動作の開始を指示するスタートキー、動作の停止を指示するストップキー、各種設定条件を初期化するリセットキー等の各種固定キー等からなる。
表示部106は、各種情報を表示し、または各種設定入力を行うタッチパネル、コピー枚数等を設定するテンキー、動作の開始を指示するスタートキー、動作の停止を指示するストップキー、各種設定条件を初期化するリセットキー等の各種固定キー、表示ランプ等からなる。なお、操作部105と表示部106の重複する機能については操作部105および表示部106のいずれかが当該機能を有するようにしてもよい。
読取部107は、原稿台の所定の読み取り位置にセットされた原稿に蛍光ランプ等の光源で光を当て、その反射光をCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の撮像装置で光電変換して、その電気信号から印刷データを生成する。また、読取部107は、生成した印刷データを、ビデオインターフェース104を介して管理ブレード20に送信する。
印刷部108は、ラスタライズ処理がなされた印刷データに基づく画像を、電子写真方式により帯電、露光、現像、転写および定着の各工程を経て、用紙に印刷して排出する。印刷部108は、管理ブレード20からビデオインターフェース104を介してラスタライズ処理がなされた印刷データを受信する。
図3は、管理ブレードの構成を示すブロック図である。
図3に示すように、管理ブレード20は、CPU200、RAM201、HDD202、ビデオインターフェース203、LAN通信インターフェース204、ブレード用インターフェース205を有する。
CPU200は、プログラムにしたがって管理ブレード20の上記各要素の制御や各種の演算処理等を行う。RAM201には、プログラムや印刷データを一時的に保存する。HDD202には、プログラムや印刷データを保存する。
ビデオインターフェース203は、管理ブレード20と印刷装置10とを双方向に通信するためのインターフェースである。
LAN通信インターフェース304は、管理ブレード20を公衆ネットワークに接続するためのインターフェースであり、ホストコンピュータ40との接続に用いられる。
LAN通信インターフェース206は、イーサネット、トークンリング、FDDI等の規格によるネットワークインタフェース、USB、IEEE1394等のシリアルインタフェース、SCSI(Small Computer System Interface)、IEEE1284等のパラレルインタフェース、BLUETOOTH(登録商標)、IEEE802.11、HomeRF(Home Radio Frequency)、IrDA(Infrared Data Association)等の無線通信インタフェース、電話回線に接続するための電話回線インタフェース等を利用することができる。
ブレード接続用インターフェース205は、各分散ラスタライズブレード31、32と双方向に通信するためのインターフェースである。
管理ブレード20の上記構成要素は信号をやり取りするためのバス206を介して相互に接続されている。
図4は、分散ラスタライズブレードの構成を示すブロック図である。
図4に示すように、分散ラスタライズブレード30は、CPU300、RAM301、HDD303、ブレード接続用インターフェース304を有する。
CPU300は、プログラムにしたがって上記各要素の制御やラスタライズ処理等の各種の演算処理を行う。RAM301には、プログラムや印刷データを一時的に保存する。HDD302には、プログラムやラスタライズ前後の印刷データを保存する。
ブレード接続用インターフェース303は、管理ブレード20または他の分散ラスタライズブレード30と双方向に通信するためのインターフェースである。
分散ラスタライズブレード30の上記各構成要素は信号をやり取りするためのバス304を介して相互に接続されている。
図5は、ホストコンピュータの構成を示すブロック図である。
図5に示すように、ホストコンピュータ40は、CPU400、RAM401、ROM402、HDD403、操作部404、表示部405およびLAN通信インターフェース406を備えており、これらは信号をやり取りするためのバス407を介して相互に接続される。
CPU400は、プログラムに従って上記各部の制御や各種の演算処理を行う。
RAM401は、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶する。
ROM402は、各種プログラムや各種データを格納する。
HDD403は、オペレーティングシステムを含む各種プログラムや各種データを格納する。
操作部404は、例えばマウスといったポインティングデバイスやキーボードを含み、各種の操作、入力を行うために使用される。
表示部405は、例えば液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。
LAN通信インターフェース206は、外部機器と双方向に通信するためのインターフェースである。
ホストコンピュータ40は、ユーザーの操作により、プログラムにより印刷ジョブを作成し、作成した印刷ジョブをLAN通信インターフェース406を介して管理ブレード20に送信する。印刷ジョブには印刷データと印刷設定とを有するジョブチケットが含まれている。印刷設定とは、印刷物の形式の設定であり、例えば、原稿の向き、用紙サイズ、印刷部数、両面印刷または片面印刷、ドキュメントの180度回転の有無、カラー選択の種類、Nin1設定のページ割付処理、ステープル・パンチ穴画像の重ね合せ、およびグレースケール化の設定がある。
図6は、管理ブレード20が行う処理を示すフローチャートである。
以下、図6を参照して、本実施形態に係る画像形成システム1において管理ブレード20が行う処理について、画像形成システム1の他の構成要素により行われる処理とともに説明する。
管理ブレード20は、ホストコンピュータ40からLAN通信インターフェース22、204、406経由で印刷ジョブを受信する(S600)。
管理ブレード20は、各分散ラスタライズブレード31、32に対して印刷ジョブに含まれる印刷データとその分散ラスタライズブレード31、32にラスタライズ処理をさせるページの指定とを送信する(S601)。印刷データと各分散ラスタライズブレード31、32にラスタライズ処理をさせるページの指定は、ブレード用インターフェース23、205、303を経由して管理ブレード20から分散ラスタライズブレード31、32に送信される。
ここで、各分散ラスタライズブレード31、32は、管理ブレード20から受信した印刷データの指定されたページについてラスタライズ処理を行うとともに、ラスタライズ処理の開始時刻および終了時刻を検知しHDD302に記憶する。開始時刻および終了時刻の検知は、一般的なラスタライズブレードが有するタイマー機能を利用することができる。各分散ラスタライズブレード31、32は、ラスタライズ処理後の印刷データのページと、当該ページの検知したラスタライズ処理の開始時刻および終了時刻とをブレード用インターフェース23、205、303を経由して管理ブレード20に送信する。
管理ブレード20は、各分散ラスタライズブレード31、32からラスタライズ処理後の印刷データのページを受信し(S602)、受信したラスタライズ処理後のページを順次、ビデオインターフェース21、104、203経由で印刷装置10に送信する(S603)。
ここで、印刷装置10は、管理ブレード20から受信したラスタライズ処理後の印刷データのページについて、順次、画像を形成し用紙に印刷を行う。なお、本明細書において、印刷装置10によりラスタライズ処理後の印刷データのページが受信されてから印刷装置10によりページの画像が印刷された用紙が出力されるまでの一連の処理を「印刷処理」と称する。
管理ブレード20は、印刷ジョブに含まれる印刷データのラスタライズ処理後のすべてのページおよび当該ページのラスタライズ処理の開始時刻および終了時刻の受信が完了するまで、これらのデータの受信を継続する(S604:NO)。印刷ジョブに含まれる印刷データのラスタライズ処理後のすべてのページおよび当該ページのラスタライズ処理の開始時刻および終了時刻の受信が完了したときは(S604:YES)、画像処理システム1の処理性能の確認を行う(S605)。
図7は、本実施形態に係る画像処理システムの処理性能の確認の処理のサブルーチンフローチャートである。
以下、図7を参照して、管理ブレード20により行われる、画像形成システム1の処理性能の確認の処理について説明する。
管理ブレード20は、印刷装置10の印刷処理速度を取得する(S700)。ここで、印刷処理速度とは用紙1枚当たりの印刷処理に要する平均時間である。印刷処理速度は、通常、用紙サイズによって異なる。管理ブレード20は、予め管理ブレードのHDD202に用紙サイズごとの印刷処理速度を記憶させておき、印刷ジョブに含まれる印刷設定において設定された用紙サイズについての印刷処理速度をHDD202から読み出すことにより印刷処理速度を取得することができる。
管理ブレード20は、印刷装置10の実際の印刷処理速度を計算する(S701)。管理ブレード20は、最後に終了した印刷ジョブについての印刷処理速度を、実際の印刷処理速度として計算する。
図8は、分散ラスタライズブレードによるラスタライズ処理と印刷装置による印刷処理のタイミングチャートの比較例を示す図である。
実際の印刷処理速度の計算を、図8のタイミングチャートを参照して説明する。
実際の印刷処理速度は、ページごとのラスタライズ処理の開始時刻と終了時刻とに基づいて計算することができる。実際の印刷処理速度は、例えば、次のように計算することができる。すなわち、第1ページのラスタライズ処理の終了時刻から最終ページである第6ページのラスタライズ処理の終了時刻までの時間を計算する。そして、その計算結果である時間に印刷処理速度用紙1枚当たりの印刷処理に要する平均時間(すなわち、ステップ600で取得した印刷処理速度)を加算することにより全ページの印刷に要する印刷処理時間を計算する。そして、全ページの印刷に要する印刷処理時間を印刷データのページ数である6で除算することにより実際の印刷処理速度を計算する。
図8に示すタイミングチャートにおいては、印刷データの第5ページのラスタライズ処理が、前のページである第4ページの印刷処理が終了する以前に終了していない。従って、図8のW1(およびW2)で示す時間印刷装置10がページのラスタライズ処理を待つことになり、実際の印刷処理速度は印刷装置10の印刷処理速度より小さくなってしまう。
管理ブレード20は、印刷装置10の印刷処理性能が達成されているかどうかを判断する(S702)。管理ブレード20は、ステップS700で取得した印刷装置10の印刷処理速度とステップS701で計算した実際の印刷処理速度を比較し、実際の印刷処理速度が印刷装置10の印刷処理速度より小さい場合は、印刷処理性能が達成されていないと判断する。このような判断をするのは、印刷データのラスタライズ処理に要する時間がボトルネックとなって印刷装置10が本来有している印刷処理性能が発揮され得ない状態となっているからである。印刷装置10の印刷処理性能が達成されていない状態は、画像形成システム1の処理能力を劣化させる。
印刷データのページのラスタライズ処理が、前のページの印刷処理が終了する以前に終了していれば、印刷装置10の実際の印刷処理速度は印刷装置10の印刷処理速度と同じになる。これは、印刷データのページのラスタライズ処理が、前のページの印刷処理が終了する以前に終了していれば、印刷装置10において印刷処理を待つラスタライズ後の印刷データのページが常に存在し、ラスタライズ後のページの送信を待つという状態がなくなるからである。このような状態にすることにより、印刷装置10に印刷処理を常に継続させること可能となるため、印刷装置10の印刷処理性能を達成することができる。
管理ブレード20は、印刷装置10の印刷処理性能が達成していないと判断した場合は(S702:NO)、印刷処理性能を達成するために必要な分散ラスタライズブレード30の数(以下、「必要台数」と称する)を計算する(S603)。
図9は、印刷処理性能を達成しているときの画像処理システムの分散ラスタライズブレードによるラスタライズ処理と印刷装置による印刷処理のタイミングチャートを示す図である。
図9に示すタイミングチャートは、印刷データのページのラスタライズ処理が、前のページの印刷処理が終了する以前に終了するために必要な分散ラスタライズブレード30の数とした場合のチャートを示している。本タイミングチャートは、図8のタイミングチャートの例に対し分散ラスタライズブレード30の数を1台増加したときのタイミングチャートである。
図9に示すタイミングチャートにおいては、印刷ジョブに含まれる印刷データのすべてのページについてのラスタライズ処理が、前のページの印刷処理が終了する以前に終了している。従って、印刷装置10はページのラスタライズ処理を待つことなく、印刷処理を継続することができる。
このように、画像形成システム1の分散ラスタライズブレード30の数を、印刷データのページのラスタライズ処理が前のページの印刷処理が終了する以前に終了するために必要な数とすることにより、印刷装置10は印刷処理性能を達成することができる。
管理ブレード20は、印刷処理性能を達成するために必要な分散ラスタライズブレード30の数を、ステップS602において受信した各ページのラスタライズ処理の開始時刻および終了時刻と、ステップS700で取得した印刷処理速度とに基づいて計算できる。なお、印刷処理速度は、印刷データの各ページ(1ページ)の印刷処理に少なくとも必要な印刷処理時間と等価である。
管理ブレード20は、印刷処理性能を達成するために必要な分散ラスタライズブレード30の数を、例えば、タイミングチャートのシミュレーションにより、次のように計算することができる。すなわち、各ページのラスタライズ処理の開始時刻および終了時刻から各ページのラスタライズ処理時間を計算する。ページを分散し並列にラスタライズ処理をさせる分散ラスタライズブレード30を一台ずつ増加させたときの各ページのラスタライズ処理の終了時刻と、印刷装置10の印刷処理速度から計算した前のページの印刷処理の終了時刻とを比較する。各ページのラスタライズ処理が、前のページページの印刷処理が終了する以前に終了するタイミングとなる最少の分散ラスタライズブレード30の数を計算する。このようにして計算された分散ラスタライズブレード30の数を、印刷処理性能を達成するために必要な分散ラスタライズブレード30の数とすることができる。
ここで、印刷処理性能を達成するために必要な分散ラスタライズブレード30の数の算出においては、図9で示す例のように印刷ジョブ単位で算出してもよいが、複数の印刷ジョブ単位で算出してもよい。
管理ブレード20は、ステップS703において計算した分散ラスタライズブレード30の必要台数を印刷装置10またはホストコンピュータ40に通知し、印刷装置10の表示部106またはホストコンピュータ40の表示部405に表示する(S704)。
なお、ステップS704においては、現在の分散ラスタライズブレード30の数と、計算により得た分散ラスタライズブレード30の必要台数との差を分散ラスタライズブレード30不足台数として表示してもよい。
図10は、分散ラスタライズブレードの必要台数の表示画像の例を示す図である。管理ブレード20の必要台数の表示は、一つの印刷ジョブに対する必要台数として行ってもよく、複数の印刷ジョブに対する必要台数として行ってもよい。また、印刷ジョブの印刷処理の終了以後に必要台数の表示を行ってもよく、印刷ジョブの印刷処理の終了前に必要台数の表示を行ってもよい。また、必要台数の表示と共に、またはこれとは別に、管理ブレード20が不足している旨の警告を行うことができる。警告は、例えば、印刷装置10の表示部206またはホストコンピュータ40の表示部へ表示することにより、または、印刷装置10またはホストコンピュータ40から警告音を発生させることにより行うことができる。
管理ブレード20は、ステップS703において計算した、分散ラスタライズブレード30の必要台数をHDD302に保存する(S705)。
分散ラスタライズブレード30の必要台数を逐次保存して、画像形成システム1が以前に画像形成処理を行った印刷ジョブについての分散ラスタライズブレード30の必要台数を蓄積する。これにより、ユーザーは、必要な分散ラスタライズブレード30の数のヒストグラムを作成し、必要台数の頻度分布に基づいて、分散ラスタライズブレード30の数を最適化することができる。例えば、作成したヒストグラムにおいて標準偏差σを求め、その3倍である3σに相当する数の分散ラスタライズブレードを画像形成システム1に備えることにより、過去の必要台数の少なくとも99.7%を満たしている画像形成システム1を構築できる。これにより、将来の必要台数を推定し、ユーザーにとって必要かつ十分な処理能力を有する画像形成システム1を得ることができる。
以上、本発明の実施形態に係る画像形成システムについて説明したが、本実施形態は以下の効果を奏する。
分散ラスタライズブレードの台数が印刷処理性能を達成するために必要な数に最適化された画像処理システムを容易に構築することができる。
また、分散ラスタライズブレードの台数をユーザーにとって必要かつ十分なものとすることにより画像形成システムのコストの低減を実現することができる。
また、複数の印刷ジョブ単位で分散ラスタライズ処理を行う用途においても当該用途に対応した印刷処理性能を達成するために必要な数に最適化された画像処理システムを容易に構築することができる。
本発明に係る画像形成システムは、上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態においては、ホストコンピュータから管理ブレードに送信された印刷ジョブのラスタライズ処理を分散ラスタライズブレードが行う場合について説明したが、印刷装置により読み込まれた画像データのラスタライズ処理を分散ラスタライズブレードが行う場合にも本発明を適用することができる。
また、上記実施形態においては、管理ブレードによる処理を管理ブレードに記憶させたプログラムにより実施するものとして記載しているが、処理の一部または全部をハードウェアに置き換えて実施してもよい。
1 画像形成システム、
10 印刷装置、
11 操作画面、
12 画面表示/操作用インターフェース、
20 管理ブレード、
30 分散ラスタライズブレード、
40 ホストコンピュータ。
10 印刷装置、
11 操作画面、
12 画面表示/操作用インターフェース、
20 管理ブレード、
30 分散ラスタライズブレード、
40 ホストコンピュータ。
Claims (4)
- 各々に分散された印刷データのページのラスタライズ処理を並列に行う複数のラスタライズブレードと、
前記ラスタライズ処理がされた前記ページについて順次印刷処理を行う印刷手段と、
前記ラスタライズブレードにおいて各ページのラスタライズ処理の開始時刻と終了時刻を検知する時刻検知手段と、
すべての前記ページについて、前のページの印刷処理が終了する以前に前記ページのラスタライズ処理が終了するために必要な前記ラスタライズブレードの数を、前記時刻検知手段により検知された前記ラスタライズ処理の開示時刻および終了時刻の少なくともいずれかと、前記印刷手段による前記印刷ジョブの前記ページの印刷処理に少なくとも必要な印刷処理時間と、に基づいて算出するブレード数算出手段と、
前記ブレード数算出手段により算出された前記ラスタライズブレードの数および前記ブレード数算出手段により算出された前記ラスタライズブレードの数に対する不足数の少なくともいずれかを表示する表示手段と、
を有することを特徴とする画像形成システム。 - 前記表示手段は、前記ラスタライズ処理において、前のページの印刷処理が終了する以前に前記ページのラスタライズ処理が終了しなかった場合に、前記ブレード数算出手段により算出された前記ラスタライズブレードの数および前記不足数の少なくともいずれかを表示することを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
- 前記ラスタライズ処理において、前のページの印刷処理が終了する以前に前記ページのラスタライズ処理が終了しなかった場合には警告を行う警告手段をさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成システム。
- 複数の印刷ジョブにそれぞれ含まれる印刷データの少なくともいずれかの前記ページが各々の前記ラスタライズブレードに分散され、各ラスタライズブレードは分散された前記ページのラスタライズ処理を並列に行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成システム。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016057659A (ja) * | 2014-09-05 | 2016-04-21 | 富士ゼロックス株式会社 | 情報処理装置及びプログラム |
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2011
- 2011-12-05 JP JP2011265928A patent/JP2013117913A/ja active Pending
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JP2016057659A (ja) * | 2014-09-05 | 2016-04-21 | 富士ゼロックス株式会社 | 情報処理装置及びプログラム |
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