JP2013114946A - 温度コントロールユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】連続した部材によって外部と区画された区画領域内に、電界効果トランジスタ、マイクロコンピュータ等の動作時に発熱する電子機器及び/又は素子とともに温度計測手段が設けられた温度コントロールユニットにおいて、それらの発熱の影響によらず区画領域外の温度を正確に推定できる温度コントロールユニットを提供すること。
【解決手段】温度コントロールユニットの区画領域内に、温度計測手段が相互に異なる位置に複数個設けられ、複数の温度計測手段によって計測された温度に基づいて区画領域外の温度を推定し、推定された外部の温度に基づいて前記区画領域外に設けられたヒータの出力を制御する。
【選択図】図4

Description

本発明は、温度コントロールユニットに関し、さらに詳しくは、温度コントロールユニット外部の温度を推定してヒータの出力を調節する温度コントロールユニットに関するものである。
ある空間内の空気の温度や、カーペット及び車両用シートのような利用者と接触する装置の表面温度をヒータを用いて調節する際に、空間の雰囲気温度を計測して、それに基づいてヒータの出力を調節する温度コントロールユニットを設けることが一般的に行われてきた。空間の雰囲気温度を計測する温度計測手段は、簡便性の点から、温度コントロールユニットの外側に設けられるのではなく、マイクロコンピュータ等、他の機器とともに温度コントロールユニット内に設けられることが多い。この場合、図5に示すように、温度計測手段A3は温度コントロールユニット3内に一つのみ設けられていた。特許文献1に電気カーペットコントローラが開示されるが、コントローラケース32内に設置されたプリント基板33上に配設された、室温計測手段としての室温サーミスタA3で計測した温度をそのまま室温とみなし、ヒーターワイヤーの抵抗値の補正に利用している。
特開平11−148660号公報
図5に示されるように、温度コントロールユニット3がプリント基板33やケース32等の部材によって区画された領域に形成されている場合、通常はその内部にはヒータの出力の制御等に使用されるマイクロコンピュータ(マイコン)34や電界効果トランジスタ(FET)35等の電子機器や素子が存在する。これらの電子機器や素子は、動作時に発熱する場合が多い。図5のように、温度計測手段がこれらの電子機器や素子(以下、機器等又は発熱体と記載する場合がある)と共通のプリント基板上及び/又は共通の筐体内に設けられていることにより、それらの機器等の発熱の影響で、プリント基板及び/又は筐体によって形成された区画領域の外における実際の雰囲気温度よりも、温度計測手段で計測される温度が高くなってしまう。これにより、温度計測手段で区画領域外の正確な空間内の雰囲気温度を計測することは困難となる。
この問題を回避し、区画領域内に設けられた温度計測手段を使用してできる限り正確な区画領域外の雰囲気温を計測することを目的として、発熱する機器等からできる限り離して温度計測手段を設置するという対策が講じられる。また、稼働時に発熱する機器等が複数存在する場合には、それらを温度コントロールユニットの区画領域の中の一箇所に集合させて設置し、それらの場所からなるべく離した位置に温度計測手段を設ける構成が採用される。さらに、発熱する機器等が動作し始めてからの時間が長いほど、区画領域内の温度が上昇することから、その機器等の稼働開始からの時間を計測しておき、それをもとに温度計測手段によって計測された温度に対する補正を行って、区画領域外の温度とみなすように構成される場合もある。
しかしながら、温度計測手段を発熱体から離して設置することや、発熱体を一箇所にまとめることを行っても、計測温度に対する発熱の影響を完全に排除することはできず、温度計測手段によって計測される温度と実際の区画領域外の雰囲気温度には有限の差があるはずである。
また、機器等を稼働させてからの時間をもとに計測温度を補正することを行っても、その機器等の稼動の履歴による区画領域内の温度の上昇は考慮されない。つまり、長時間停止されていた機器等を短時間だけ稼働させた場合には、区画領域内の温度上昇はそれほど大きくないが、機器等を長時間にわたって稼働させていた後、短時間だけ停止させ、即座に再稼働させた場合には、再稼働後の時間が短くても、区画領域内の温度は大きく上昇しているはずである。しかし、発熱する機器等の稼働開始後の時間をパラメータとして、温度計測手段によって計測された温度を補正しているかぎり、実際の区画領域外の雰囲気温度が同じであっても、後者の場合の方が補正によって見積もられる区画領域外の雰囲気温度は高くなるはずである。つまり、機器等の稼働時間をパラメータとした温度補正によって、区画領域外の温度を正確に見積もることは困難である。
本発明が解決しようとする課題は、プリント基板、筐体等によって形成された区画領域内に発熱する電子機器及び/又は素子とともに温度計測手段を備え、温度計測手段によって計測された温度に基づいて、その区画領域外の温度を正確に推定し、それに基づいてヒータを制御することができる温度コントロールユニットを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明にかかる温度コントロールユニットは、連続した部材によって外部と区画された区画領域内に、複数の温度計測手段と、動作時に発熱する電子機器及び/又は素子とが取り付けられ、温度計測手段が相互に異なる位置に複数個設けられ、前記複数の温度計測手段によって計測された温度に基づいて前記区画領域外の雰囲気温度を推定し、推定された雰囲気温度に基づいて前記区画領域外に設けられたヒータの出力を制御することを要旨とする。
ここで、前記複数の温度計測手段は、前記動作時に発熱する電子機器及び/又は素子の中で最も動作時の発熱量が大きい素子からの距離が相互に異なる位置に配置されているとよい。
さらに、前記動作時に発熱する電子機器及び/又は素子が複数である場合に、それら複数の動作時に発熱する電子機器及び/又は素子が、前記区画領域の中で一箇所に集合されていることが好適である。
上記発明にかかる温度コントロールユニットによれば、温度計測手段が他の電子機器及び素子と同一の区画領域内に設けられており、温度計測手段を区画領域外に設置する場合と比べ、温度コントロールユニット全体の構成が簡素となる。温度計測手段が区画領域内の相互に異なる箇所に複数設けられていると、区画領域内の電子機器及び/又は素子が発熱したときに、それらの温度計測手段によって計測される温度は相互に異なるはずである。それらの値を相互に比較することで、各温度計測手段によって計測された温度における発熱体からの寄与を分離し、除去することが可能となるので、温度計測手段が区画領域内に一つしか設けられない場合よりも正確に、電子機器及び/又は素子の発熱の影響を排除して区画領域外の温度を推定することが可能となる。
ここで、複数の温度計測手段は、動作時に発熱する電子機器及び/又は素子の中で最も動作時の発熱量が大きい素子からの距離が相互に異なる位置に配置されていると、その電子機器又は素子から発せられた熱に由来する計測温度の上昇の程度が温度計測手段間で相互に異なるはずであり、計測温度の差異に基づいて区画領域外の温度を正確に推定することが可能となる。最も発熱量の大きい電子機器又は素子から各温度計測手段までの距離が相互に隔たっているほど、区画領域外の温度を正確に推定することが容易となる。
さらに、複数の動作時に発熱する電子機器及び/又は素子が、区画領域の中で一箇所に集合されて取り付けられていると、それらから離れた区画領域内の位置において温度計測手段によって計測される温度への発熱の影響が低く抑えられる。また、複数の温度計測手段によって計測される温度に大きな差が生じやすく、区画領域外の温度をさらに正確に推定することが可能となる。
本発明の第一の実施形態にかかる温度コントロールユニットの構成を模式的に表した図である。 本発明の第一の実施形態にかかる温度コントロールユニットにおける制御ブロック図である。 本発明の第二の実施形態にかかる温度コントロールユニットの構成を模式的に表した図である。 本発明の第一の実施形態にかかる温度コントロールユニットにおいて、二つの温度計測手段によって計測される温度と温度コントロールユニット外の雰囲気温度の関係を示す概念図である。 従来一般の温度コントロールユニットの構成を模式的に表した図である。
以下、本発明の第一の実施形態にかかる温度コントロールユニットについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1及び図2に示される温度コントロールユニット1は、車両用シートのシートヒータの出力を制御するためのものであり、シートの着座部であるシートクッションの下部に設けられる。ヒータ11は、シートの表皮に織り込まれた抵抗線又はシート表皮の下部に埋設された抵抗加熱式ヒータよりなり、それらに流す電流量を制御することで、ヒータ11の出力を制御することができる。
温度コントロールユニット1は、筐体12の内部にプリント基板13を有している。プリント基板13の上には、二つの温度計測手段A1、B1と、マイクロコンピュータ(マイコン)14、電界効果トランジスタ(FET)15が設けられる。つまり、筐体12及びプリント基板13によって、区画領域が形成され、この区画領域の内部に上記各部材が設けられている。
ここで、マイコン14は、二つの温度計測手段A1、B1によって計測された温度を入力され、それに基づいて区画領域外の雰囲気の温度を推定する。次に、推定した温度に基づいてヒータ11の出力値を決定し、その出力を得るために必要なヒータ11への通電量及び次に述べるFETのゲート電極に与えるべき電圧値を算出する。FET15は、ヒータ11に供給する電流をON/OFF制御し、さらにON状態でヒータ11に流す電流量を増減させるものである。ヒータ11は通電経路の一端がFET15のドレイン電極に接続され、他端が電源装置に接続されており、FET15のゲート電極にマイコン14からの制御信号を受けることで、ヒータ11への通電量が制御される。なお、ヒータ11は、温度計測手段A1及びB1の測定値に基づく自動制御のみならず、使用者の意図による制御も可能である構成を有してもよい。
FET15は、動作時に発熱する。ヒータ11に大電流を供給している時ほど、その発熱量は大きくなる。一方、マイコン14は、電子回路内部の電流および外部への制御信号として微弱電流しか使用していないので、動作時の発熱はごくわずかであり、無視できる。マイコン14及びFET15は、矩形のプリント基板13の一端縁に片寄せて配置され、かつ方形の筐体12の一端縁に片寄せて配置されている。
二つの温度計測手段A1、B1は、サーミスタ、熱電対など、温度を計測し、それを電気信号に変換して外部に出力できるものならばどのようなものでもよいが、本実施形態においては、測定確度等の観点からサーミスタが採用される。温度計測手段A1はFET15の近傍に配置されている。一方、温度計測手段B1はFET15から離れて、FET15及びマイコン14が配設されたプリント基板13の端縁と対向する端縁のすぐ内側に設置されている。
温度コントロールユニット1においては、ヒータ11の出力は、車室内の雰囲気温度に基づいて制御することが所望される。つまり、車室内が寒い時にはヒータ11への通電量を大きくすることでヒータ11の出力を大きくし、一方、車室内が比較的暖かい時にはヒータ11への通電量を小さくすることでヒータ11の出力を小さくすることが必要である。
このためには、車室内の雰囲気温度を知る必要がある。本実施形態においては、筐体12およびプリント基板13によって形成された区画領域の内部で温度コントロールユニット1の機能を完結させることで温度コントロールユニット1の構成を簡素化しており、区画領域外の車室空間には温度計測手段が設けられず、区画領域内に温度計測手段A1、B1が設けられている。しかし、区画領域内においては、動作時に発熱するFET15が存在するので、ヒータ11を使用し始めて、FET15が稼働し始めた後は、区画領域内の温度計測手段A1、B1によって計測される温度にはFET15の発熱の影響が加わる。よって、区画領域内の温度計測手段A1及びB1によって、区画領域外の車室の雰囲気温度を直接計測することはできない。
しかし、温度計測手段が、区画領域内に二つ設けられることから、これらによって計測された二つの計測温度を用いることにより、区画領域外の温度を推定することが可能である。図4に、様々な状況での区画領域外の雰囲気温度と、温度計測手段A1及びB1で計測される温度の関係を示す。(a)及び(c)の状況においては、FET15の稼働開始後の時間が短く、区画領域外の雰囲気の温度に比べて区画領域内の温度が未だ上昇していない。つまり、区画領域内において温度の空間分布が均一であり、二つの温度計測手段A1及びB1によって計測される温度は等しい。さらにその温度は区画領域外の雰囲気温度に等しい。従って、温度計測手段A1及びB1によって計測される温度の間に差がないときは、区画領域外の雰囲気の温度がそれらの温度と等しいと推定することができる。
一方で、FET15の稼働時間が長くなり、発熱量が大きくなってくると、区画領域の内部が加熱され、区画領域外の雰囲気よりも高温になる。また、区画領域内において、FET15からの発熱が空気及びプリント基板13を介して空間的に伝達されるので、区画領域内に発熱体であるFET15に対する相対位置に依存した温度勾配が生じる。図4の(b)及び(d)がこの状況に当たる。区画領域内の温度計測手段A1及びB1によって計測される温度は、いずれも区画領域外の雰囲気温度よりも高くなっている。また、FET15のすぐ近くに設けられた温度計測手段A1によって計測される温度が、FET15から隔たった温度計測手段B1によって計測される温度よりも高くなっている。これは温度計測手段A1の位置において、FET15の発熱の影響をより大きく受けているからである。このように、温度計測手段A1によって計測された温度が温度計測手段B1によって計測された温度よりも高い状況においては、区画領域外の雰囲気温度は、温度計測手段B1によって計測された温度よりも低いと推定される。なお、温度計測手段B1によって計測される温度は常に、温度計測手段A1によって計測される温度と等しいか、それよりも低いはずである。
図5に示すような、温度計測手段を区画領域内に一つしか備えない従来の温度コントロールユニット3においては、温度計測手段A3は発熱体からなるべく離れた箇所に設置されるが、これは図1において温度計測手段A1が存在せず、温度計測手段B1のみが備えられる状況に相当する。図4において、B1によって計測される温度に注目すると、区画領域外の雰囲気が比較的低温で、FET15の発熱の影響を受けている(b)の状況と、区画領域外の雰囲気が比較的高温でFET15の発熱の影響を受けていない(c)の状況とで、その計測温度は等しくなっている。このように、区画領域外の雰囲気温度には明確な差があるにもかかわらず、温度計測手段B1による計測温度のみでは、その違いを認識することができない。それに対し、本実施形態においては、温度計測手段を区画領域内に二つ備えるため、上記のように二つの温度計測手段A1及びB1によって計測された温度の間に差があるかどうかによって、これら二つの状態を区別することが可能となっている。
温度計測手段A1及び温度計測手段B1によって計測された実際の温度に基づいて、区画領域外の温度を具体的に何度と見積もるべきかは、区画領域内の発熱体や二つの温度計測手段A1、B1の配置、プリント基板13及び筐体12の材質及び形状等によって決定される、区画領域内での熱伝達の程度と熱量の空間分布、そして区画領域外への熱の散逸の程度に依存する。最も簡便で直接的な区画領域外の雰囲気温度の見積もり方法は、あらかじめ温度計測手段A1及びB1に計測された温度と区画領域外の雰囲気温度の対応関係をマイコン14に記憶させておき、温度計測手段A1及びB1で温度を計測するたびごとに、それに対応する区画領域外の雰囲気温度を読み出す方法である。
つまり、温度計測手段A1、B1とは別に、区画領域外に雰囲気温度を計測する温度計測手段C1を設けておき、区画領域外の雰囲気温度及びFET15の発熱状況を様々に変化させながら、温度計測手段A1、B1、C1によって計測される温度を記録する試験を設計段階で行っておく。温度計測手段C1によって計測された温度を、温度計測手段A1及びB1によって計測された二つの温度の関数として、較正曲線を作成しておく。その上で、温度計測手段C1を取り除く。温度コントロールユニット1の使用時には、温度計測手段A1及びB1によって温度を計測し、較正曲線上の対応する点の温度計測手段C1によって計測されていた温度をもって、その時点での区画領域外の雰囲気温度の推定値とすればよい。
あるいは、区画領域内の熱伝達が簡単なモデルに近似できる場合には、数学式を用いて区画領域外の雰囲気温度を推定することも可能である。例えば、発熱体であるFET15から温度計測手段への熱伝達が、主に空気を介した熱伝導および熱対流による熱伝達過程ではなく、プリント基板13を介した熱伝導によって起こると考えられる場合には、空気を介した熱伝達を無視できるものとし、以下のようにモデル化することができる。つまり、熱源からの距離のみに応じて熱伝導量が決まる一次元の熱伝導過程を仮定すると、熱伝達は、下記式(1)の熱伝導方程式によって記述される。
Figure 2013114946
ここで、T(t,x)は熱源から距離xだけ隔たった点における時間tの温度であり、κ、ρ、Cはそれぞれプリント基板を構成する材料の熱伝導率、密度、比熱を表す。定常状態に達したとき、式(1)の左辺は0となるので、右辺の二階の偏微分が0となる。つまり、温度の分布は熱源からの距離の一次関数となる。
温度計測手段A1及びB1で計測される温度、区画領域外の雰囲気温度をそれぞれT(A)、T(B)、T(O)とし、FET15から温度計測手段A1及びB1までの距離をx(A)、x(B)とすると、
T(A)=T(O)+K・x(A) (2−1)
T(B)=T(O)+K・x(B) (2−2)
となる。ここで、Kは定数である。つまり、T(O)はT(A)及びT(B)をパラメータとして、
T(O)=(x(B)・T(A)−x(A)・T(B))/(x(B)−x(A)) (3)
と記述できる。つまり、温度計測手段A1及びB1によって計測された温度を上記の式に当て嵌めることにより、区画領域外の雰囲気温度を推定することができる。
このようにモデル式を利用して区画領域外の雰囲気温度を推定する方法は、事前の試験を必要とせず、簡便に適用することができる。一方で、空気を介した熱伝導や、空気の対流による熱伝達が無視でき、プリント基板13を介した一次元の熱伝導の平衡状態が仮定できる状況は限られており、上記モデル式を適用して正確に区画領域外の温度を推定することができる状況は稀であると考えられる。一般の条件において、式(1)又はこれを三次元の熱伝導に拡張したものに、空気中の熱伝導及び熱対流による熱伝達の過程を加えた偏微分方程式を解くことは極めて困難である。この点において、上記のように較正曲線を作成する試験を行った上で区画領域外の雰囲気温度を推定する方法の方が汎用性が高く、推定確度においても優れている。
ここで、いずれの推定方法を使用する場合にも、二つの温度計測手段A1及びB1によって計測される温度の間の差が大きいほど、区画領域外の雰囲気温度の推定値に含まれる誤差が小さくなり、推定の確度が向上する。そこで、温度計測手段A1は発熱体であるFET15のなるべく近傍に配置し、温度計測手段B1は、他の部材の取り付け等に対して障害とならない範囲で、FET15から最大限に遠ざけて配置することが望ましい。温度計測手段A1をFET15の直近に配置すれば、温度計測手段A1はFET15自体の温度を測定しているとみなすことができ、区画領域外の雰囲気温度の見積もりがより容易に行えるようになる。
本実施形態においては、FET15からの発熱量が大きく、マイコン14からの発熱量は無視できる程度に小さいとした。しかし、マイコン14からの発熱量がFET15の発熱量よりは小さいものの、ある程度大きな値を有し、無視できない場合もある。この場合にも、FET15からの二つの温度計測手段A1、B1までの距離を相互に異ならせることにより、二つの温度計測手段によって計測される温度に大きな差が生じ、区画領域外の雰囲気温度を正確に推定することができる。図1の配置においては、二つの温度計測手段A1及びB1のマイコン14からの距離も相互に異なっているが、仮にこの距離が同じであったとしても、発熱量が相対的に大きいFET15から温度計測手段A1及びB1までの距離が相互に異なっていれば、両者での計測温度に大きな差が生じるので、区画領域外の雰囲気温度について高い推定確度が達成される。
一方、発熱量の小さいマイコン14からの距離が温度計測手段A1及びB1で異なっていたとしても、FET15からの距離が両者で同じである場合には、両者の計測温度に生じる差が小さくなり、区画領域外の雰囲気温度の推定確度が低下してしまう。このように、複数の発熱体が存在する場合には、最も発熱量が大きい発熱体から各温度計測手段までの距離を相互にできる限り隔たらせておく方が、区画領域外の雰囲気温度を正確に推定することが可能となる。
ここで、二つの発熱体であるFET15とマイコン14は、一箇所に集合させて設置させた方が、離れた位置にそれらを配置する場合よりも、それらから離れている温度計測手段B1への発熱の影響が小さくなる。つまり、温度計測手段A1で計測される温度と温度計測手段B1で計測される温度の差が大きくなり、区画領域外の雰囲気温度の推定確度が向上する。本実施形態においては、FET15とマイコン14をプリント基板13の一端縁に沿って配置し、それらの近傍に温度計測手段A1を、対向する端縁の近傍に温度計測手段B1を配置することで、両温度計測手段A1、B1での温度差ができる限り大きくなるように構成されている。
また、温度計測手段A1及びB1によって計測された温度に加えて、発熱体であるFET15の稼働開始からの時間をマイコン14で計測し、もう一つのパラメータとして区画領域外の温度の推定に利用することも可能である。例えば、マイコン14に較正曲線を記憶させて区画領域外の雰囲気温度を推定するという上記した方法をとる場合、較正曲線を温度計測手段A1及びB1に計測される温度とFET15の稼働開始からの時間の三つの変数の関数として記憶させておけばよい。あるいは、上記の式(1)に基づいて数式的に区画領域外の温度を求めるという手法をとる場合には、定常状態にあるとして左辺を0とするのではなく、FET15の稼働開始からの時間を式中のtとして取り込み、偏微分方程式を解けばよい。
発熱体が三つ以上ある場合にも、同様の思想を適用することができる。第二の実施形態にかかる温度コントロールユニット2の模式図を図3に示す。ここでは、一つのマイコン24と、二つのFET25a、25bの計三つの発熱体が区画領域内に設けられている。この実施形態においては、これら三つの発熱体24、25a、25bは、プリント基板23及び筐体22の長手方向を二分した片側の領域にまとめられている。
また、第一の実施形態にかかる温度コントロールユニットと同様に、二つの温度計測手段A2及びB2を備えるが、そのうち温度計測手段A2は、プリント基板23及び筐体22の長手方向を二分した二つの領域のうち、上記三つの発熱体24、25a、25bが設けられるのと同じ側の領域に設けられる。一方、温度計測手段B2は、二つの領域のうち発熱体24、25a、25bが設けられるのとは異なる側の領域の、しかもこれら発熱体群から離れたプリント基板の端縁近傍に設けられる。
このように構成することで、温度計測手段B2の位置における発熱体24、25a、25bの発熱の影響が小さくなり、温度計測手段A2との計測温度の差が大きくなる。これにより、区画領域外の雰囲気温度を正確に推定することが可能となっている。
ここで、三つの発熱体24、25a、25bのうち、最も発熱量の大きいものから、温度計測手段A2及びB2までの距離が相互に異なっていると、温度計測手段A2及びB2で計測される温度の間の差が大きくなり、区画領域外の雰囲気温度が高確度で推定可能となる。図3に示す本実施形態の配置においては、三つの発熱体24、25a、25bのうちいずれが最も発熱量が大きい場合でも、この条件は満足されている。なお、ここで、発熱体間の発熱量の比較は、ヒータ及び温度コントロールユニットの想定される使用条件範囲内で各発熱体を稼働させた場合の各発熱体の最高到達温度をもって行えばよい。
以上、本発明の二つの実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。例えば、上記二つの実施形態においては、いずれも温度計測手段が二つのみ設けられていたが、三つ以上とし、それらに基づいて区画領域外の雰囲気温度を推定することも可能である。すると、区画領域外の雰囲気温度の推定確度はさらに向上する。また、本実施形態においては、区画領域はプリント基板及び筐体によって形成されたが、どちらか一方のみによって区画領域が形成されている場合や、他の板状の取り付け部材及び/又は箱型の取り付け部材によって区画領域が規定されている場合にも、本発明を適用することが可能である。さらに、発熱する機器等は、FET及びマイコンに限定されず、リレー、可変抵抗等、種々の素子を備えていてもよい。FET及びマイコンを必ずしも備える必要もなく、どちらか一方又は両方が存在しない場合も考えられる。
最後に、上記実施形態においては、温度コントロールユニットは車両用シートのヒータの制御に使用されたが、制御する装置およびヒータの種類はこれに限定されない。例えば、車両用の装置であれば、エアコンディショナ等に適用可能であるし、車両用以外では、建物用のエアコンディショナ、電気カーペットや電気毛布等に適用可能である。
1、2 温度コントロールユニット
12、22 筐体
13、23 プリント基板
14、24 マイクロコンピュータ(マイコン)
15、25a、25b 電界効果トランジスタ(FET)
A1、B1、A2、B2 温度計測手段

Claims (3)

  1. 連続した部材によって外部と区画された区画領域内に、複数の温度計測手段と、動作時に発熱する単数又は複数の電子機器及び/又は素子とが取り付けられ、温度計測手段が相互に異なる位置に複数個設けられ、前記複数の温度計測手段によって計測された温度に基づいて前記区画領域外の雰囲気温度を推定し、推定された雰囲気温度に基づいて前記区画領域外に設けられたヒータの出力を制御することを特徴とする温度コントロールユニット。
  2. 前記複数の温度計測手段は、前記動作時に発熱する電子機器及び/又は素子の中で最も動作時の発熱量が大きい素子からの距離が相互に異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の温度コントロールユニット。
  3. 前記動作時に発熱する電子機器及び/又は素子が複数である場合に、それら複数の動作時に発熱する電子機器及び/又は素子が、前記区画領域の中で一箇所に集合されて取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の温度コントロールユニット。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101535857B1 (ko) * 2013-12-17 2015-07-10 현대오트론 주식회사 엔진 제어 유닛의 온도를 이용한 엔진 제어 장치 및 방법
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